JP2007196907A - シートアセンブリの支持機構及び車両のシートシステム - Google Patents

シートアセンブリの支持機構及び車両のシートシステム Download PDF

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Abstract

【課題】車両旋回時にシートのロールを効率的且つ効果的に抑制する。
【解決手段】シートシステム10において、第1ローラ110L及び第1ローラ110Lより低剛性の第2ローラ120Lは、夫々固定部15Lの底部及び一側部に当接している。第1ローラ110Lの当接点PLとシートアセンブリの重心Gとを結ぶ荷重線L2と重心Gから鉛直下方へ伸長する基準線L1とがなす角度θは、第1ローラ110Lを支えるレール部130Lの底面に立てた法線方向たる第1方向へ伸長する直線と基準線L1とがなす角度θよりも大きく設定される。第2ローラ120Lは、車両旋回時に当接点PLに荷重線L2の方向へ作用する合力のうち、第1方向と直交し、シートのロールを抑制する方向たる第2方向の分力を受け変位する。これに伴い、固定部15Lを含むシートアセンブリ11がシートのロールを抑制する方向へ変位する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両においてシートを含むシートアセンブリを支持するシートアセンブリの支持機構及び車両のシートシステムの技術分野に関する。
この種の機構として、シートをアクチュエータにより駆動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された自動車の座席の傾斜制御方法及び装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、自動車の座席の座面が走行方向に垂直な面内で当該座席に働く加速度の向きに実際上直角となるようにアクチュエータにより座面の傾きを制御することによって、自動車の走行時における横加速度を確実に支え得るとされている。
特開2001−163098号公報
車両の旋回時には慣性力によってシートがロールするが、従来の技術のように姿勢制御にアクチュエータ等の駆動機構を採用した場合、必然的に構造の巨大化及び複雑化が生じるため、コスト及び重量の増加は避け難いものとなる。即ち、従来の技術には、シートのロールを効率的且つ効果的に抑制することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、シートのロールを効率的且つ効果的に抑制することが可能なシートアセンブリの支持機構及び車両のシートシステムを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るシートアセンブリの支持機構は、車両において少なくともシートを含む所定種類のシートアセンブリを支持するシートアセンブリの支持機構であって、正面から見て前記シートの重心から鉛直下方へ伸長する基準線に対し前記シートアセンブリへの取り付け点と前記重心とを結ぶ荷重線がなす角度をθ(0°<θ<90°)とした場合に、前記基準線に対し前記荷重線の方向へ角度θ(0°<θ<θ)をなす第1方向への剛性が該第1方向と直交する第2方向への剛性よりも大きくなるように前記シートアセンブリに取り付けられる支持手段と、前記支持手段を介して前記シートアセンブリを支持する基体とを具備することを特徴とする。
本発明において「シートアセンブリ」とは、少なくともシート単体を含み、場合によっては、該シート単体を車両に固定するためにシートと一体に構成或いはシートに装着し得、本発明に係る支持機構によって物理的に支持することが可能な各種部材及び機構等を含む概念である。
本発明に係るシートアセンブリの支持機構によれば、その動作時には、例えばシート及びシートを固定するための固定部或いは更に係る固定部を収容しシートを車両前後方向へ移動可能に支持するシートレール等を適宜含むシートアセンブリの荷重及びシートに座る乗員の荷重等が、シートアセンブリに取り付けられた支持手段を介して基体により支持される。
ここで、支持手段は、シートを正面から見てシートアセンブリとの取り付け点とシートの重心とを結ぶ荷重線が当該重心から鉛直下方へ伸長する基準線となす角度をθとした場合に、係る基準線から荷重線の方向へ角度θ(0°<θ<θ)をなす第1方向の剛性が、係る第1方向と直交する第2方向の剛性よりも大きくなるようにシートアセンブリに取り付けられる。
本発明に係る「剛性」とは、外力が加えられた場合に係る外力に起因する変形に抵抗する程度を表す概念である。第1方向への剛性が第2方向への剛性よりも大きい状態とは、例えば、夫々の方向へ相互に異なる弾性係数が規定されることによって実現されてもよい。また、係る剛性の概念に鑑みれば、剛性を規定し得る弾性率やヤング率等の各種指標値が等しいとしても、夫々の方向への厚みや形状等を異にすることにより、各方向へ相互に異なる剛性を付与することも可能である。
尚、本発明に係る「シートの重心」とは、シート単体の重心に限定されず、例えば、実質的に見てシートと一体とみなし得る何らかの手段を含む本発明に係るシートアセンブリの重心であってもよく、更には、実使用条件に鑑み、シートに着座する乗員の質量、姿勢又は着座位置等を考慮した重心等であってもよい趣旨である。
一方、車両が旋回する場合等に係る取り付け点に作用する力は、夫々第1方向への分力及び第2方向への分力に成分分解することが可能であり、この際、第1方向の定義に鑑みれば、第2方向に作用する力の向きは、旋回方向外側であり且つ水平方向よりも上側である。
ここで特に、本発明に係るシートアセンブリの支持機構によれば、支持手段の第2方向への剛性は、第1方向への剛性と比較して小さく設定されているため、シートアセンブリは、支持手段との取り付け点付近において、係る第2方向への変位が促される。係る変位は、シートの重心に対しシートをロールさせる方向に作用する慣性力を打ち消す向きであり、結果的に車両旋回時等に支持手段に作用する物理的な力によってシートのロールが抑制されることとなる。即ち、本発明に係るシートアセンブリの支持機構によれば、シートのロールを効率的且つ効果的に抑制することが可能となるのである。
本発明に係るシートアセンブリの支持機構の一の態様では、前記支持手段は剛性の相異なる複数の弾性体を含み、前記取り付け点は該弾性体のうち最も剛性の高い弾性体が取り付けられる点として規定され、前記基体は、(i)前記取り付け点に作用する力のうち前記第1方向への分力を前記剛性の最も高い弾性体を介して受け止め、且つ(ii)前記取り付け点に作用する力のうち前記第2方向への分力を前記弾性体のうち前記剛性の最も高い弾性体を除く他の弾性体を介して受け止めることによって前記シートアセンブリを支持する。
この態様によれば、支持手段が複数の弾性体を含み、基体が、前述した第1方向への分力を最も剛性の高い弾性体を介して受け止め、第2方向への分力を他の弾性体を介して受け止めることによってシートアセンブリを支持する。従って、取り付け点(最も高い剛性を有する弾性体が取り付けられる点)に作用する力が、複数の弾性体により効率的に分散して吸収されやすく、効果的にシートのロールが抑制され得る。
尚、この態様では、前記基体は、前記車両の前後方向へ伸長するレール部を含み、前記支持手段は、前記レール部内に配置され、前記シートアセンブリを前記前後方向へ移動可能に支持するローラ部を含んでもよい。
この場合、シートアセンブリは、支持手段の少なくとも一部たるローラ部により基体の少なくとも一部たるレール部内を車両の前後方向へ移動可能であり効率的である。
本発明に係るシートアセンブリの支持機構の他の態様では、前記支持手段は、前記車両の前後方向に伸長する相互に同心円筒形状をなす外筒部及び内筒部を含み、該外筒部の外壁部分の一部が前記取り付け点をなすと共に該内筒部が前記基体に固定されており、前記外筒部と前記内筒部との間の空間の少なくとも一部には、該空間において前記内筒部の少なくとも一部を貫通する前記第1方向の剛性が前記内筒部の少なくとも一部を貫通する前記第2方向の剛性よりも大きくなるように弾性体が充填されている。
この態様によれば、支持手段が相互に同心円筒形状をなす外筒部及び内筒部並びにそれらの間の空間に充填された弾性体を含み、当該内筒部において基体に固定される。一方で、シートアセンブリの取り付け点は当該外筒部の外壁の一部をなしており、取り付け点に作用する力は、内筒部の少なくとも一部を貫通する第1方向の剛性が内筒部の少なくとも一部を貫通する第2方向の剛性よりも大きくなるように外筒部と内筒部との間の空間に充填される弾性体を介して基体に伝達される。
従って、前述した第2方向への分力は、一体に形成された支持手段における比較的剛性の低い方向へ作用し、シートアセンブリは、シートのロールを抑制する方向へ変位することとなる。即ち、効率的且つ効果的にシートのロールを抑制することが可能となる。
尚、この態様では、前記空間のうち、前記内筒部の少なくとも一部を貫通する第2方向に対応する部分は空洞であってもよい。
上述した第2方向への剛性は、第1方向への剛性と比較して小さければよいのであり、極端な場合、このように第2方向に対応する空間には何も充填されておらずとも本発明に係る効果は好適に担保される。この場合、コストダウンの効果も期待できるため経済的である。
本発明に係るシートアセンブリの支持機構の他の態様では、前記支持手段は、(i)前記取り付け点を有する剛体部及び(ii)該剛体部と前記基体との間に挟持された、該剛体部よりも剛性の低い薄板状の弾性体部を含み、前記剛体部及び前記基体の形状は、前記弾性体部が挟持された状態において前記弾性体部の厚さ方向が前記第1方向となるように決定されている。
この態様によれば、支持手段は剛体部と薄板状の弾性体部とを含み、剛体部と基体の形状が、弾性体部がこれらに挟持された状態で、弾性体部の厚さ方向が第1方向となるように決定される。弾性体部は薄板状であるから、必然的に、厚さ方向、即ち第1方向への剛性は、第2方向への剛性よりも高くなる。この態様によれば、このような各方向で異なる剛性は、剛体部及び基体部の形状によって与えられるため、効率的である。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両のシートシステムは、上記いずれか一項に記載のシートアセンブリの支持機構と、前記シートアセンブリとを具備する。
本発明に係る車両のシートシステムによれば、上記いずれかのシートアセンブリの支持機構により、シートアセンブリが支持されるため、例えば車両の旋回時にシートのロールが効率的且つ効果的に抑制される。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以後、適宜図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るシートシステムの構成について説明する。ここに、図1は、シートシステム10の模式図である。
図1において、シートシステム10は、シャーシ16上に設置されると共にシートアセンブリ11並びに支持機構100L及び100Rを備え、図示せぬ車両において乗員を着座せしめるシステムであり、本発明に係る「車両のシートシステム」の一例である。尚、図1は、シートアセンブリ11を正面視した状態を表している。
シートアセンブリ11は、本発明に係る「シートアセンブリ」の一例であり、ヘッドレスト部12、背もたれ部13及び座面部14並びに固定部15L及び15Rを含んで構成される。
ヘッドレスト部12、背もたれ部13及び座面部14は、総じて本発明に係る「車両のシート」の一例をなし、夫々主として着座する乗員の頭部、上半身及び下半身を支えるように構成されている。以下、これらの総体概念として、適宜「シート」なる表現を使用することとする。
固定部15L及び15Rは、夫々端部が座面部14下部に固定された、正面視略T字型の固定部材であり、夫々が、後述するレール部130L及び130Rに収容されることにより、シートアセンブリ11を、図1における紙面と垂直な方向(即ち、車両の前後方向)へ移動せしめることが可能に構成されている。
支持機構100Lは、シートアセンブリ11の、図示車幅方向右側(即ち、車両の左側)に設置された、本発明に係る「シートアセンブリの支持機構」の一例であり、第1ローラ110L、第2ローラ120L、レール部130L及び基台140L及びを備える。同様に、支持機構100Rは、シートアセンブリ11の車幅方向左側(即ち、車両の右側)に設置され、第1ローラ110R、第2ローラ120R、レール部130R及び基台140Rを備え、支持機構100Lと共に本発明に係る「シートアセンブリの支持機構」の一例として機能するように構成されている。尚、支持機構100L及び支持機構100Rは、夫々相互に同等の機能を有しており、これ以降の説明においては、説明の煩雑化を防ぐ目的から、特に断りのない限り支持機構100Lについてのみ説明を行うものとする。
第1ローラ110Lは、一部が固定部15Lの底部と当接すると共に、固定部15Lを車両の前後方向へスライドせしめることが可能となるように不図示の回転軸に回転可能に固定された、厚さ方向(径方向)への弾性係数K1(K1>0)を有する弾性体である。尚、第1ローラ110Lと固定部15Lとの当接点PLは、本発明に係る「取り付け点」の一例である。
第2ローラ120Lは、一部が固定部15Lの側方部と当接すると共に、固定部15Lを車両の前後方向へスライドせしめることが可能となるように不図示の回転軸に回転可能に固定された、厚さ方向(径方向)への弾性係数K2(K2<K1)を有する弾性体である。
シートシステム10では、これら第1ローラ110L及び第2ローラ120Lの作用により固定部15L(固定部15Rも同様)が車両前後方向へスライドするのに伴い、シートアセンブリ11も車両の前後方向へスライドすることが可能に構成されている。尚、第1ローラ110Lは、本発明に係る「剛性の最も高い弾性体」の一例であり、第2ローラ120Lは、本発明に係る「他の弾性体」の一例である。
レール部130Lは、固定部15Lを収容する断面視U字型のハウジング部材であり、その両側壁部と底部とは相互に直交するように形成されている。第1ローラ110Lは、レール部130Lの底部に支持されており、第2ローラ120Lは、レール部130Lの側壁部のうち、シートアセンブリ11内側の側壁部に支持されている。尚、レール部130Lは、第1ローラ110L及び第2ローラ120Lを介してシートアセンブリ11を支える、本発明に係る「基体」の一例である。
基台140Lは、車両のシャーシ16に固定されており、レール部130Lを支えるベースとして機能するように構成された鉄製の部材である。基台140Lは、レール部130Lと共に、本発明に係る「基体」の一例として機能するように構成されている。
基台140Lは、図1において上辺が水平線から傾いた台形形状を有しており、従って係る上辺に固定されたレール部130Lも、その開口部分がシートアセンブリ11の内側に向うように傾いて固定されている。
この基台140Lの傾きは、図1において基台140Lの上辺に立てた法線の方向(図示「第1方向」参照)へ伸長する直線がシートアセンブリ11の重心Gから鉛直下方に伸長する基準線L1となす角度θと、基準線L1に対し重心Gと当接点PLとを結んだ荷重線L2がなす角度θとの間に下記(1)式に示される関係が成立するように決定されている。
0°<θ<θ・・・・・(1)
尚、基台140Lに固定されたレール部130Lは、底部と側壁部とが相互に直交するように構成されているため、底部が第1ローラ110Lを介して第1方向に作用する力を受け止め、一側壁部が第2ローラ120Lを介して第1方向と直交する第2方向に作用する力を受け止める構成となっている。
<実施形態の作用>
次に、図2を参照して支持機構100Lの作用について説明する。ここに、図2は、シートアセンブリ11並びに支持機構100L及び100Rの等価模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、支持機構100Lは、シートアセンブリ11の図示右下端部に示される当接点PLから、夫々レール部130Lの一側壁部及び底部に固定されたバネと考えることができる。即ち、第1ローラ110Lはバネ定数K1のバネであり、第2ローラ120Lは、バネ定数K2のバネと等価である。
ここで更に、図3を参照し、車両旋回時の支持機構100Lの作用について説明する。ここに、図3は、車両旋回時の支持機構100Lの動作を表す模式図である。尚、同図は、図2と同様にシートアセンブリ11及び支持機構100Lの等価模式図であり、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、車両が図示旋回方向へ旋回する場合、シートアセンブリ11の重心Gには、旋回方向とは反対方向(旋回外側方向)に慣性力Fiが作用する。この際、シートアセンブリ11の荷重及び係る慣性力Fi等によって、当接点PLには図示荷重線L2の方向に図示合力Ftが作用する。
一方で、図示第1方向及び第2方向が相互に直交する方向であることに鑑みれば、係る合力Ftは、第1方向への分力Fd1と第2方向への分力Fd2とに成分分解することが可能である。この第1方向への分力Fd1は、第1ローラ110Lを介してレール部130Lの底部に受け止められ、第2方向への分力Fd2は、第2ローラ120Lを介してレール部130Lの一側壁部に受け止められる。
ここで、図示第2方向は、第1方向が上述の(1)式に基づいて規定されることに鑑みれば、基準線L1に対し90°より大きく開いた方向である。従って、第2方向への分力Fd2は、水平位置よりも上側に向う力となる。一方で、第2ローラ120Lの剛性(本実施形態では弾性係数K2によって規定される)は、第1ローラ110Lの剛性(本実施形態では弾性係数K1によって規定される)よりも小さいため、シートアセンブリ11は、当接点PLにおいて図示第2方向への変位を促されることになる。
第2方向への変位は、重心Gに慣性力Fiが作用することによるシートのロール挙動(図示旋回方向の逆向き(外側)且つ下方へ沈みこむ挙動)を相殺する方向であるから、このように第2方向への変位を促され、変位する結果、シートのロールが抑制される。
ここで、更に図4及び図5を参照して、このような本発明に係る作用効果を説明する。ここに、図4は、シートシステム10の実動作の模式図であり、図5は、本実施形態の比較例に係るシートシステム1000の模式図である。尚、これら各図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、シートシステム10では、シートアセンブリ11が当接点PLにおいて慣性力Fiによるロール挙動を相殺する方向に変位するため、シートのロール挙動に関する変位量D1が極小さなものとなる。
一方、図5に示されるシートシステム1000では、レール部130Lの代わりにレール部17Lを有し、第1ローラ110L及び第2ローラ120Lの代わりに相互に剛性の略等しい二個のローラ18を備える点においてシートシステム10と異なっている。レール部17Lは、その底部が水平となるように設置されており、従って第2方向は基準線(図5では不図示)に対し90°開いた方向となる。即ち、比較例に係るシートシステム1000では、当接点PLに、慣性力Fiによるロール挙動を相殺する方向への力が作用せず、且つ夫々のローラの剛性が等しいことにも起因して、慣性力Fiによるロール挙動に関するシートの変位量は変位量D2(D2>>D1)となり、シートが大きくロールする。
以上説明したように、本実施形態に係るシートシステム10によれば、支持機構100L(支持機構100Rも同様に作用する)によって、当接点に加わる力のうち第2方向成分がシートのロール挙動を相殺する方向に作用する。この際、支持機構100Lにおける第2方向への剛性は、第2方向と直交する第1方向への剛性と比較して小さいために、係るロール挙動を相殺する方向へシートアセンブリ11が変位し、物理的な作用のみによって効率的且つ効果的にシートのロールが抑制される。
<第2実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第2実施形態に係るシートシステム20の模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、シートシステム20は、支持機構100L及び100Rの代わりに支持機構200L及び200Rを備える点において、第1実施形態に係るシートシステム10と相違する、本発明に係る「車両のシートシステム」の他の一例である。また、第2実施形態において、レール部130L及び130Rは、シート及び各固定部と共に、本発明に係る「シートアセンブリ」の一例たるシートアセンブリ21を構成している。尚、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、説明の煩雑化を防ぐ目的から支持機構200Lの説明をもって支持機構200Rの説明を同時に行うものとする。
支持機構200Lは、ブッシュ210L、ブッシュ固定部220L及び基台230Lを備えた、本発明に係る「シートアセンブリの支持機構」の他の一例である。
ブッシュ210Lは、図示第1方向への剛性が、該第1方向と直交する図示第2方向への剛性と比較して大きく構成された、本発明に係る「支持手段」の他の一例である。この第1方向は、係る第1方向へ伸長する直線が基準線L1となす角度が、ブッシュ210Lとシートアセンブリ21(主としてレール部130L)との当接点210aと重心Gとを結ぶ荷重線L2が基準線L1となす角度よりも小さく設定されている。尚、ブッシュ210Lの詳細については後述する。
ブッシュ固定部220Lは、ブッシュ210Lの後述する内筒部に連結された鋼鉄製の固定部材であり、図示せぬボルト及びナットによりブッシュ210Lの内筒部に連結されている。
基台230Lは、ブッシュ固定部220Lをシャーシ16に固定するためのベースであり、ブッシュ固定部220Lと共に、本発明に係る「基体」の一例をなしている。
ここで、図7を参照して、ブッシュ210Lの詳細な構成について説明する。ここに、図7は、ブッシュ210Lの模式図である。尚、同図において、図6と重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図7において、ブッシュ210Lは、外筒部211、内筒部212及び弾性体部213を含んで構成される。
外筒部211は、図6における紙面と垂直な方向(車両の前後方向)へ延在する中空の円筒状部材であり、その外周面の一部が当接点210aをなすように構成されている。内筒部212は、外筒部211と同心に構成された中空円筒状部材であり、その中心付近において、ブッシュ固定部220Lに固定されるように構成されている。
弾性体部213は、内筒部212の外周面と外筒部211の内周面とによって規定される空間のうち、内筒部212を貫通する第1方向に対応する部分に充填された弾性体からなり、内筒部212の内周面及び外筒部211の内周面の夫々一部に固着されている。一方、係る空間のうち、弾性体部213が充填されない部分は空洞部214をなしており、空洞部214が形成される位置は、係る空間において内筒部212を貫通する第2方向に対応する位置と略等しくなっている。空洞部214の剛性は、弾性体部213と比較して小さいため、ブッシュ210における第1方向への剛性は、第2方向の剛性と比較して大きいものとなっている。
係る構成の下、車両の旋回時には、例えば当接点210aにおいて、荷重線L2の方向に、第1実施形態と同様に慣性力を含む合力が作用する。この合力は、第1実施形態と同様に、第1方向及びそれと直交する第2方向各々への分力に成分分解されるが、この際、ブッシュ210における第2方向への剛性が第1方向への剛性と比較して小さいために、シートアセンブリ21は第2方向へ変位し、慣性力によるシートのロール挙動が抑制される。即ち、第1実施形態と同様に、物理的な作用によって効率的且つ効果的にシートのロールが抑制されるのである。
<第3実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る支持機構について説明する。ここに、図8は、支持機構300L及び支持機構300Rの模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。また、以降の説明においては、第1及び第2実施形態と同様の理由から、支持機構300Lについてのみ説明を行うものとする。
図8において、支持機構300Lは、シートアセンブリの一部たるレール部130Lを支持する機構であり、剛体部310L、弾性体部320L及び基台330Lを備える。
剛体部310Lは、鋼鉄製のブロック部材であり、上面部分の当接点310aにおいてレール部130Lと当接する、本発明に係る「支持手段」の一例である。
基台330Lは、下面部分がシャーシ16と当接する剛体部310Lと同様の鋼鉄製ブロック部材であり、本発明に係る「基体」の一例として機能するように構成されている。
弾性体部320Lは、剛体部310Lと基台330Lとの間に挟持された薄板状の弾性体であり、剛体部310Lと共に本発明に係る「支持手段」の一例として機能するように構成されている。
尚、本発明において「薄板状」とは、厚さ方向に交わる二面の大きさに比較して厚さが十分に小さい形状を包括する概念であり、必ずしも係る二面が相互に平行でなくてもよいし、また係る面は必ずしも平坦でなくてもよい趣旨である。
ここで特に、剛体部310Lの下面部分及び基台330Lの上面部分は、夫々水平方向に対し傾いて形成されており、且つ相互に平行となっている。その傾きは、これらの間に挟持される弾性体部320Lの厚さ方向と重なる図示第1方向に伸長する直線と基準線L1とがなす角度が、重心Gと当接点310aとを結ぶ荷重線L2と基準線L1とがなす角度よりも小さくなるように決定されている。
このような構成の下、車両の旋回時に当接点に作用する図示荷重線L2方向の合力は、上述した各種実施形態と同様に、第1方向及び第2方向各々の分力に成分分解される。この際、図示第2方向への弾性体部320Lの剛性は、弾性体部320Lが薄板状に形成されることに起因して図示第1方向への剛性よりも小さくなるため、上述した各種実施形態と同様に、シートアセンブリはロール挙動を抑制する方向へ変位する。即ち、本実施形態に係る支持機構300Lによっても、効率的且つ効果的にシートをのロールを抑制することが可能となる。
尚、上述した各種実施形態において、重心Gは、シートアセンブリの重心として規定されているが、シートに乗員が着座した場合には、仮想的に係る重心Gの位置は変化することになる。この際、重心位置が変化すれば、荷重線L2が基準線L1に対しなす角度θも変化する。従って、第1方向を設定する際には、例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいてこのような重心位置の変化が生じた場合にも本発明に係る効果が担保され得るように所定のマージンが付与されていてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うシートアセンブリの支持機構及び車両のシートシステムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るシートシステムの模式図である。 図1のシートシステムにおけるシートアセンブリ及び支持機構の等価模式図である。 図2の支持機構における車両旋回時の動作を表す模式図である。 図1のシートシステムの実動作を表す模式図である。 本発明の第1実施形態の比較例に係るシートシステムの模式図である。 本発明の第2実施形態に係るシートシステムの模式図である。 図6のシートシステムにおけるブッシュの模式図である。 本発明の第3実施形態に係る支持機構の模式図である。
符号の説明
10…シートシステム、11…シートアセンブリ、20…シートシステム、21…シートアセンブリ、100L、100R…支持機構、110L、110R…第1ローラ、120L、120R…第2ローラ、130L、130R…レール部、140L、140R…基台、200L、200R…支持機構、210L、210R…ブッシュ、220L、220R…ブッシュ固定部、230L、230R…基台、300L、300R…支持機構、310L、310R…剛体部、320L、320R…弾性体部、330L、330R…基台。

Claims (7)

  1. 車両において少なくともシートを含む所定種類のシートアセンブリを支持するシートアセンブリの支持機構であって、
    正面から見て前記シートの重心から鉛直下方へ伸長する基準線に対し前記シートアセンブリへの取り付け点と前記重心とを結ぶ荷重線がなす角度をθ(0°<θ<90°)とした場合に、前記基準線に対し前記荷重線の方向へ角度θ(0°<θ<θ)をなす第1方向への剛性が該第1方向と直交する第2方向への剛性よりも大きくなるように前記シートアセンブリに取り付けられる支持手段と、
    前記支持手段を介して前記シートアセンブリを支持する基体と
    を具備することを特徴とするシートアセンブリの支持機構。
  2. 前記支持手段は剛性の相異なる複数の弾性体を含み、前記取り付け点は該弾性体のうち最も剛性の高い弾性体が取り付けられる点として規定され、
    前記基体は、(i)前記取り付け点に作用する力のうち前記第1方向への分力を前記剛性の最も高い弾性体を介して受け止め、且つ(ii)前記取り付け点に作用する力のうち前記第2方向への分力を前記弾性体のうち前記剛性の最も高い弾性体を除く他の弾性体を介して受け止めることによって前記シートアセンブリを支持する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシートアセンブリの支持機構。
  3. 前記基体は、前記車両の前後方向へ伸長するレール部を含み、
    前記支持手段は、前記レール部内に配置され、前記シートアセンブリを前記前後方向へ移動可能に支持するローラ部を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載のシートアセンブリの支持機構。
  4. 前記支持手段は、前記車両の前後方向に伸長する相互に同心円筒形状をなす外筒部及び内筒部を含み、該外筒部の外壁部分の一部が前記取り付け点をなすと共に該内筒部が前記基体に固定されており、
    前記外筒部と前記内筒部との間の空間の少なくとも一部には、該空間において前記内筒部の少なくとも一部を貫通する前記第1方向の剛性が前記内筒部の少なくとも一部を貫通する前記第2方向の剛性よりも大きくなるように弾性体が充填されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のシートアセンブリの支持機構。
  5. 前記空間のうち、前記内筒部の少なくとも一部を貫通する第2方向に対応する部分は空洞である
    ことを特徴とする請求項4に記載のシートアセンブリの支持機構。
  6. 前記支持手段は、(i)前記取り付け点を有する剛体部及び(ii)該剛体部と前記基体との間に挟持された、該剛体部よりも剛性の低い薄板状の弾性体部を含み、
    前記剛体部及び前記基体の形状は、前記弾性体部が挟持された状態において前記弾性体部の厚さ方向が前記第1方向となるように決定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のシートアセンブリの支持機構。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のシートアセンブリの支持機構と、
    前記シートアセンブリと
    を具備することを特徴とする車両のシートシステム。
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