JP2007197300A - シリコン単結晶引上方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルツボの変形や劣化を引き起こすことなく、安定して均一なシリコン融液を確実に形成することが可能なシリコン融液の溶融工程を有するシリコン単結晶引上方法を提供する。
【解決手段】側面ヒータ16による多結晶シリコン7aの溶融の開始とともに、磁場発生装置32を動作させて、石英ルツボ12内に水平磁場を印加させる(溶融時磁場印加工程)。磁場発生装置32による石英ルツボ12内への磁場の印加は、溶融工程の開始時、あるいは数時間後に磁場を印加すればよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を形成するシリコン単結晶引上方法に関するものである。
半導体デバイスなどの基板として用いられる単結晶シリコンウェハは、シリコン単結晶インゴットをスライスして、鏡面加工等を行うことにより製造される。こうしたシリコン単結晶インゴットの製造方法としては、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)やフローティングゾーン法(FZ法)などが挙げられる。このうち、CZ法は、大口径の単結晶インゴットを得やすいことや、欠陥の制御が比較的容易であるなどの理由により、シリコン単結晶インゴットの製造の大部分を占める(例えば特許文献1)。
こうしたシリコン単結晶インゴットの引上げでは、石英などで形成されたルツボに、原料となる塊状の多結晶シリコンを入れて加熱することで、ルツボ内にシリコン融液を形成し、このシリコン融液からシリコン単結晶インゴットを引上げる。シリコン単結晶インゴットは、バッチ方式で製造されるため、製造コストの削減には、1バッチあたりに原料である塊状の多結晶シリコンの仕込み量を増やすことが、重要な手段であった。
こうした多結晶シリコンの仕込み量を増やすことによる製造コストの削減では、石英ルツボのサイズを増径すれば、1バッチあたりの原料仕込み量を増加させていくのは容易だが、ルツボのコストの増加、ルツボのサイズに見合った、引上装置の設備投資が必要になり、効果的にコスト削減することは難しい。そこで、既存のサイズのルツボの高さ一杯に、充填率を上げて原料を仕込んだり、ルツボの高さを若干高くして、原料仕込み量を増加させる改善が一般的になされている。
ところが、ルツボの中ほどよりも上まで原料である塊状の多結晶シリコンが仕込まれていると、図5(a)に示すように、溶融工程において、ルツボC下部には溶融シリコンSが形成されつつもルツボ上部では原料が溶融せずにルツボ内に突っ張って固体のまま残るブリッジBと称される状態を引き起こしたり、図5(b)に示すように、原料の一部B1が、ルツボ上部の側壁に付着して固体のまま残るといった状態を生じさせる。こうしたブリッジBやルツボCに付着した原料B1などを生じたままルツボCを加熱して原料の溶融を続けると、ブリッジBや付着原料B1の重量により、加熱によって軟化しているルツボCの形状を著しく変形させ、変形が著しい場合には結果的に引き上げがおこなえなくなるといった状態になったり、固体として残っていた原料B1やブリッジBが崩落してルツボ内のシリコン融液に落下してルツボ内壁等に損傷を与えるといった懸念があった。さらに、このるつぼC内壁の損傷に起因して、引き上げる単結晶の特性が低下する可能性があった。
従来、このようなルツボ内での原料の不均一溶融によって生じるブリッジや原料のルツボ付着などを改善するために、例えば、原料溶融中にヒーターに対するルツボの位置を変更したり、ヒーターの出力を調整することで対応していた。
特開平10−279391号公報 特開平10−297994号公報 特開2001−240494号公報
しかしながら、ヒーターに対するルツボの位置調整や、ヒーターの出力調整だけでは、上述したブリッジの発生や原料のルツボ付着などを確実にコントロールすることは難しく、対処の機会、方向が間違っていると、ブリッジ、原料のルツボヘの付着などを誘発し、ルツボ変形、引き上げた結晶の品質劣化が発生する。こうした不具合は、原料の仕込み方にも依存し、経験豊富な熟練作業者でも判断が困難なのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ルツボの変形や劣化、さらに結晶品質・特性の劣化を引き起こすことなく、安定して均一なシリコン融液を確実に形成することが可能なシリコン融液の溶融工程を有するシリコン単結晶引上方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、ルツボに収容した多結晶シリコンを溶融して前記ルツボにシリコン融液を形成する溶融工程と、チョクラルスキー法により前記シリコン融液からシリコン単結晶を引上げる引上工程とを有するシリコン単結晶引上方法であって、前記溶融工程において、溶融される前記多結晶シリコンが付着して前記ルツボ内面の状態に悪影響を与えることを防止するように前記ルツボ内に磁場を印加する溶融時磁場印加工程を備えたことを特徴とするシリコン単結晶引上方法が提供される。
前記磁場が水平磁場とされ、その強度が2000G以上に設定されることが好ましい。また、前記磁場は、その中心高さが前記ルツボの上端から底部の範囲内になるように設定されればよい。
本発明のシリコン単結晶引上方法によれば、多結晶シリコンを溶融していく過程において、ルツボ内に磁場を印加させることによって、ルツボ内の熱対流が抑制され、ルツボの中心部よりも外周部の温度が高くなる温度勾配を生じさせる。ルツボの中心部よりも外周部の温度を高くすれば、ルツボの回転や付着防止のための過剰な昇温によらなくても、ルツボの上部で多結晶シリコンが溶融せずにルツボに突っ張ったまま残るブリッジや、多結晶シリコンの一部が、ルツボ上部の側壁に付着して固体のまま残ることを防止する。多結晶シリコンの一部がルツボに付着したまま残って、軟化しているルツボの形状を著しく変形させたり、ブリッジが崩落してルツボに損傷を与えるといったことを確実に防止することが可能になる。これにより、引き上げ工程を確実におこなうことができるとともに、多結晶シリコン溶融工程に起因したシリコン単結晶の品質低下を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のシリコン単結晶引上方法に用いられるシリコン単結晶引上装置の一例を示す一部破断斜視図である。シリコン単結晶引上装置10は、略円筒形の外殻11を備え、内部にシリコンを溶融して貯留する石英ルツボ12を収容する。外殻11は、例えば内部に一定の隙間を形成した二重壁構造であればよく、この隙間に冷却水13を流すことによって、石英ルツボ12を加熱した際に外殻11が高温化することを防止する。
また、外殻11には、給排気管21が備えられ、シリコン単結晶の引上時にはシリコン単結晶引上装置10の内部にアルゴンなどの不活性ガスが導入される。外殻11の頂部には、引上駆動装置14が備えられる。引上駆動装置14は、シリコン単結晶インゴット5の成長核となる種結晶6およびそこから成長するシリコン単結晶インゴット5を回転させつつ上方に引上げる。
外殻11の内側には、保温筒15が備えられる。保温筒15は、例えば黒鉛で形成されれば良く、石英ルツボ12の加熱中の温度低下を軽減するとともに、外殻11の昇温を抑制する役割りを果たす。
保温筒15の内側には、略円筒形の側面ヒータ16が備えられる。側面ヒータ16は、石英ルツボ12の円筒形の胴部12aを加熱する。この側面ヒータ16の内側に、石英ルツボ12およびルツボ支持体(黒鉛ルツボ)17が収容される。石英ルツボ12は、全体が石英で一体に形成され、上方が開放面12cを成す略円筒形の胴部12aおよびこの胴部12aの下方を閉塞するすり鉢状の底部12bとからなる。
石英ルツボ12には、原料である塊状の多結晶シリコンが仕込みされ、これを溶融したシリコン融液7が貯留される。ルツボ支持体17は、例えば全体が黒鉛で形成され、石英ルツボ12を包むように密着して支持する。ルツボ支持体17は、シリコンの溶融時に軟化した石英ルツボ12の形状を維持し、石英ルツボ12を支える役割りを果たす。石英ルツボ12の上面には、シリコン融液7の上面を覆うように遮蔽筒31が形成されている。
こうした遮蔽筒31は、引上げたシリコン単結晶インゴット5が石英ルツボ12のシリコン融液7から輻射熱を受けて熱履歴が変化し、品質が劣化することを防止する。
ルツボ支持体17の下側にはルツボ支持装置(リフト)19が備えられる。ルツボ支持装置19は、ルツボ支持体17および石英ルツボ12を下側から支えるとともに、育成に伴って変化するシリコン融液7の液面位置に対応して、石英ルツボ12の位置を上下動させる。
シリコン単結晶引上装置10の外殻11の外側には、この外殻11を取り巻くように磁場発生装置32が備えられている。磁場発生装置32は、石英ルツボ12に向けて例えば水平磁場を生じさせるものであり、例えば、電磁コイル等から構成されていればよい。
こうした磁場発生装置32は、後述する原料の多結晶シリコンを溶融して石英ルツボ12にシリコン融液7を形成する溶融工程において、石英ルツボ12内に磁場を与える役割りを果たす。
次に、こうした磁場発生装置を備えたシリコン単結晶引上装置10を用いた、本発明のシリコン単結晶引上方法について説明する。シリコン単結晶インゴットの引き上げにあたっては、まず、図2に示すように、石英ルツボ12内に原料となる塊状の多結晶シリコン7aを規定量投入する。そして、側面ヒータ16を動作させて石英ルツボ12内の多結晶シリコン7aの溶融を開始する(溶融工程)。
側面ヒータ16による多結晶シリコン7aの溶融の開始とともに、磁場発生装置32を動作させて、石英ルツボ12内に水平磁場を印加させる(溶融時磁場印加工程)。磁場発生装置32による石英ルツボ12内への磁場の印加は、溶融工程の開始時、あるいは数時間後に磁場を印加すればよい。
磁場印加のタイミングは、多結晶シリコン7aが溶け始める温度状態になる前までに実施すればよく、石英ルツボ12のザイズ、原料となる多結晶シリコンの配合によって適宜選択されれば良い。励磁速度は特に注意の必要は無いが、10分以上30分くらいで徐々に一定速度で励磁するのが好ましい。
印加する磁場が水平磁場とされ、その強度が2000G以上に設定されるのが好ましい。また、印加する磁場は、磁場の中心高さが石英ルツボ12の上端である開放面12cから底部12bの範囲内で印加されるように磁場発生装置32を形成すれば良い。さらに、磁場中心位置は、多結晶シリコン7aの溶解時に、シリコン融液部分7bの液面位置に対して多少低めになるように設定して、後述するように、多結晶シリコン7aの溶融段階で石英ルツボ12の中心部よりも外周部の温度が高くなる温度勾配を生じる状態とすることが好ましい。また、多結晶シリコン7aの溶融途中にあっては、シリコン融液部分7bの液面位置の変化に追随して、磁場中心高さが変化するようにしても良い。なお、ここで磁場中心位置とは、水平磁場にあっては磁場発生コイルの中心が位置する高さ位置を意味する。
図3に示すように、側面ヒータ16により多結晶シリコン7aを溶融していく過程において、石英ルツボ12内には既に溶融したシリコン融液部分7bと、まだ溶融していない多結晶シリコン7aとが混在している状態になる。こうした多結晶シリコン7aの溶融途上(溶融工程)で、磁場発生装置32によって石英ルツボ12内に磁場を印加させる(溶融時磁場印加工程)ことによって、石英ルツボ12内の熱対流が抑制する。こうした磁場の印加による熱対流の抑制によって、融液表面の中心部よりも外周部の温度が高くなる温度勾配を生じさせる。
このように、融液表面の中心部よりも外周部の温度を高くすれば、石英ルツボ12の回転や付着防止のための過剰な昇温によらなくても、石英ルツボ12の上部で多結晶シリコン7aが溶融せずに石英ルツボ12に突っ張ったまま残るブリッジや、多結晶シリコン7aの一部が、石英ルツボ12上部の側壁に付着して固体のまま残ることを防止する。多結晶シリコン7aの一部が石英ルツボ12に付着したまま残って軟化している石英ルツボ12の形状を著しく変形させたり、ブリッジが崩落して石英ルツボ12に損傷を与えるといったことを確実に防止することが可能になる。また、付着した多結晶シリコン7aが剥離することによる石英ルツボ12内面の品質が低下すること、および、石英ルツボ12内面の品質低下に起因する引き上げ結晶への寄与により引き上げ結晶の特性が劣化することを防止できる。
実施例1)
本出願人は、本発明の効果を検証した。検証に当たっては、直径28インチ、高さ428mmの石英ルツボを準備し、この石英ルツボに220kgの原料である多結晶シリコンを仕込んだ。こうした原料を仕込んだ石英ルツボを、無磁場、水平磁場印加(1000G,2000G,3000G,4000G)のそれぞれの条件で加熱し、原料を溶融した。磁場は溶解工程開始時から印加していた。
そして、溶融時に発生したブリッジの回数を測定した。溶解の途中、ブリッジの発生あるいは、原料が石英ルツボに付着した場合、ヒーター出力を上昇させて、それらを回避し、引上工程に移行した。引上終了後、石英ルツボ内表面に、ブリッジ、原料付着した跡が石英ルツボ内に窪み傷として残っているので、深さ2mm以上の窪み傷の個数を傷の個数としてカウントし磁場印加なしの場合を100として相対表記した。また、ルツボの変形回数、および引上げた単結晶インゴットの無転移化率の向上度合いを測定した。これらの検証結果を表1に示す。
Figure 2007197300
表1に示す検証結果によれば、水平磁場であれば2000G以上を原料の溶融工程において印加することによって、石英ルツボに生じる傷や石英ルツボの変形、ブリッジの発生が効果的に抑制されることが確認された。また、単結晶インゴットの無転移化率の向上にも寄与することが確認された。
(実施例2)
また、本出願人は、原料溶融時の磁場印加による融液表面温度勾配の変化を検証した。
上述した実施例1と同様のルツボ条件で、磁場印加なし、水平磁場印加(2000G,3000G)のそれぞれの条件で加熱し、原料を溶融した。そして、融液表面中心と融液表面ルツボ縁、および融液表面中心と融液表面ルツボ縁との中間点(R/2)の3点で、それぞれの融液温度を測定した。これらの検証結果を図4に示す。
図4に示す検証結果によれば、水平磁場を3000G以上印加すると、磁場を印加しない場合に比べて、融液表面中心ではほぼ同温度であるにもかかわらず、融液表面ルツボ縁で20℃以上高くなり、融液表面でより大きな温度勾配を形成することが可能になることが確認された。こうした融液表面ルツボ縁の温度を高くすることにより、ルツボ内壁への原料の多結晶シリコンの付着や、ブリッジの形成を効果的に阻止することができる。これにより、ブリッジや付着した原料によるルツボ壁の変形、あるいは、付着した原料による単結晶品質低下を防止できることがわかる。
なお、特許文献1〜3に記載された技術は、溶融されたシリコン融液とルツボとの間における関係性から結晶品質に対する寄与を制御するが、本願発明は溶融時における多結晶シリコンからルツボ内壁へのダメージを低減することができるものである。
図1は、本発明のシリコン単結晶引上方法に用いられるシリコン単結晶引上装置の概略を示す一部破断斜視図である。 図2は、本発明のシリコン単結晶引上方法を示す説明図である。 図3は、本発明のシリコン単結晶引上方法を示す説明図である。 図4は、本発明の検証結果を示すグラフである。 図5は、従来の引き上げ方法を示す説明図である。
符号の説明
7 シリコン融液 10 シリコン単結晶引上装置 12 石英ルツボ 16 側面ヒータ 19 ルツボ支持装置(リフト) 31 遮蔽筒 32 磁場発生装置。

Claims (3)

  1. ルツボに収容した多結晶シリコンを溶融して前記ルツボにシリコン融液を形成する溶融工程と、チョクラルスキー法により前記シリコン融液からシリコン単結晶を引上げる引上工程とを有するシリコン単結晶引上方法であって、
    前記溶融工程において、溶融される前記多結晶シリコンが付着して前記ルツボ内面の状態に悪影響を与えることを防止するように前記ルツボ内に磁場を印加する溶融時磁場印加工程を備えたことを特徴とするシリコン単結晶引上方法。
  2. 前記磁場が水平磁場とされ、その強度が2000G以上に設定されることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶引上方法。
  3. 前記磁場は、その中心高さが前記ルツボの上端から底部の範囲内になるように設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶引上方法。


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CN113005509A (zh) * 2019-12-20 2021-06-22 胜高股份有限公司 单晶硅锭的制造方法

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