JP2007200708A - 光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】対極側から光を入射する構成においても、発電特性の低下をまねくことのない、光電変換素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る光電変換素子10は、透明な第一基材11と該第一基材の一面に配された第一透明導電膜12とを備えてなる対極13、導電性の第二基材14と該第二基材の一面に配され、少
なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層16とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第一透明導電膜と対向して配置される作用極17、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層20、から構成され、前記電解質層が、電解液18及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子19からなるナノコンポジットゲルである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る光電変換素子10は、透明な第一基材11と該第一基材の一面に配された第一透明導電膜12とを備えてなる対極13、導電性の第二基材14と該第二基材の一面に配され、少
なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層16とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第一透明導電膜と対向して配置される作用極17、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層20、から構成され、前記電解質層が、電解液18及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子19からなるナノコンポジットゲルである。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素増感太陽電池に代表される湿式太陽電池などの光電変換素子の構造に関する。
色素増感太陽電池(DSC;Dye-Sensitized Solar Cell) に代表される湿式太陽電池は、図6に示すように、第一基材102の一面に第一導電層104と色素を担持させた酸化チタン等の多孔質半導体層106を順に重ねてなる作用極108と、第二基材103の一面に第二導電層107を設けてなる対極109と、この両者(作用極108、対極109)間に、例えば電解質層110としてヨウ素電解液(もしくは電解質ゲル)を挟み込んだ構造をしている。
第一基材102と第一導電層104を透明な部材で構成することにより、作用極108側から光を入射させることが可能となる。これに対して、対極109側から光を入射させる場合には、第二基材103と第二導電層107を透明な部材で構成すればよい。前者の場合は作用極108が、後者の場合は対極109が、それぞれ窓側電極(または窓極)として機能するものであった(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。
第一基材102と第一導電層104を透明な部材で構成することにより、作用極108側から光を入射させることが可能となる。これに対して、対極109側から光を入射させる場合には、第二基材103と第二導電層107を透明な部材で構成すればよい。前者の場合は作用極108が、後者の場合は対極109が、それぞれ窓側電極(または窓極)として機能するものであった(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。
図6に示した湿式太陽電池は、光を入射させる方向の如何に関わらず、図7に示すようなメカニズムによって電気が流れる。まず、多孔質半導体層106に担持された色素が光エネルギーを吸収して電子(e− )を放出し、多孔質半導体層106を構成する酸化チタン(TiO2 )がその電子を受けて一方の電極(第一導電層104)へと引き渡す。色素に残ったホール(h+ )はヨウ素イオンを酸化し、ヨウ化物イオン(I− )を三ヨウ化物イオン(I3 −)へと変える。この酸化されたヨウ素イオンは対極109を構成する他方の電極(第二導電層107)で再び電子(e− )を受けて還元され、両極間をサイクルすることによって電池として機能する。なお、図6において、106Rはヨウ素Redox層であり、多孔質半導体層106の表層域に形成されている。
つまり、電解質層110を構成するヨウ素電解液の濃度が高いほど、上述したメカニズムは有効に機能する。しかしながら、対極109側から光を入射する構成においては、このヨウ素濃度の増加は電解質層110の光透過率を減少させるため、多孔質半導体層106に担持された色素まで光エネルギーを十分に届けることが困難になり、ひいては発電特性が低下するという問題があった。
特開平10−255863号公報
特開平10−112337号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、対極側から光を入射する構成においても、発電特性の低下をまねくことのない、光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る光電変換素子は、第一基材と該第一基材の一面に配された第一透明導電膜とを備えてなる対極、導電性の第二基材と該第二基材の一面に配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第一透明導電膜と対向して配置される作用極、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、から構成され、前記電解質層が電解液と微粒子からなるナノコンポジットゲルであることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光電変換素子は、第三基材と該第三基材の一面に配された第二透明導電膜とを備えてなる対極、第四基材と該第四基材の一面に、第三透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第二透明導電膜と対向して配置される作用極、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、から構成され、前記電解質層が電解液と微粒子からなるナノコンポジットゲルであることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る光電変換素子は、請求項1又は2において、前記微粒子は、シリコン酸化物であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光電変換素子は、第三基材と該第三基材の一面に配された第二透明導電膜とを備えてなる対極、第四基材と該第四基材の一面に、第三透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第二透明導電膜と対向して配置される作用極、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、から構成され、前記電解質層が電解液と微粒子からなるナノコンポジットゲルであることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る光電変換素子は、請求項1又は2において、前記微粒子は、シリコン酸化物であることを特徴とする。
本発明の請求項1及び請求項2に係る光電変換素子は何れも、対極側から光を入射する構成とされているが、電解質層として電解液と微粒子からなるナノコンポジットゲルを採用したことにより、ヨウ素電解液の濃度にそれほど影響されることなく電解質層の光透過率を高く維持できる。また、対極と多孔質酸化物半導体層と間においては、微粒子の外面に付着したヨウ素Redox層が電子の移動を促すことにより、上述した湿式太陽電池の発電メカニズムが効率よく機能する。ゆえに、本発明によれば、対極側から光を入射する構成において、発電特性の優れた光電変換素子が得られる。
特に、請求項2の光電変換素子は、対極側に加えて作用極側からも光入射する構成としたことにより、請求項1の光電変換素子よりも更に多くの入射光量を利用できるので、一段と優れた発電特性を備えることができる。
特に、請求項2の光電変換素子は、対極側に加えて作用極側からも光入射する構成としたことにより、請求項1の光電変換素子よりも更に多くの入射光量を利用できるので、一段と優れた発電特性を備えることができる。
以下、本発明に係る光電変換素子の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る光電変換素子の一例を示す模式的な断面図である。
図1に示した光電変換素子10は、透明な第一基材11と該第一基材11の一面に配された第一透明導電膜12とを備えてなる対極13、導電性の第二基材14と該第二基材14の一面に配され、少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層16とを備え、該多孔質酸化物半導体層16が前記第一透明導電膜12と対向して配置される作用極17、及び、前記対極13と前記作用極17との間の少なくとも一部に配された電解質層20、から構成される。すなわち、光電変換素子10は対極13側から光を入射する構成であり、対極13が窓極として機能する。
図1に示した光電変換素子10は、透明な第一基材11と該第一基材11の一面に配された第一透明導電膜12とを備えてなる対極13、導電性の第二基材14と該第二基材14の一面に配され、少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層16とを備え、該多孔質酸化物半導体層16が前記第一透明導電膜12と対向して配置される作用極17、及び、前記対極13と前記作用極17との間の少なくとも一部に配された電解質層20、から構成される。すなわち、光電変換素子10は対極13側から光を入射する構成であり、対極13が窓極として機能する。
また、光電変換素子10は、電解質層20として、電解液18及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子19からなるナノコンポジットゲルを用いている。このような構成としたナノコンポジットゲルは、微粒子を含む電解液であっても、電解液のみと同様の光学的な透明性が確保されるので、対極13側から入射する光は、多孔質半導体層16に担持された色素まで到達することができる。
図1に示した光電変換素子10においては、図4に示すようなメカニズムによって電気が流れる。まず、多孔質半導体層16に担持された色素が、対極側から入射した光エネルギーを吸収して電子(e− )を放出し、多孔質半導体層16を構成する酸化チタン(TiO2 )がその電子を受けて一方の電極(導電性の第二基材14)へと引き渡す。色素に残ったホール(h+ )はヨウ素イオンを酸化し、ヨウ化物イオン(I− )を三ヨウ化物イオン(I3 −)へと変える。この酸化されたヨウ素イオンは対極13を構成する他方の電極(第一透明導電膜12)で再び電子(e− )を受けて還元され、両極間をサイクルすることによって電池として機能する。その際、光電変換素子10においては、微粒子19の表面に形成されたヨウ素Redox層が、従来とは異なる電子の流れを誘導する。
すなわち、光電変換素子10では、微粒子19が対極13と多孔質半導体層16の間を埋めるように互いに接して充填され、微粒子19同士の隙間に電解液18が存在するように構成されているので、個々の微粒子19の表面には、ヨウ素Redox層が形成されている。ゆえに、各微粒子19の表面に存在するヨウ素Redox層を通して、対極13を構成する他方の電極(第一透明導電膜12)から多孔質半導体層16へ向けて電子(e− )が伝導可能となっている。
よって、本発明の構成によれば、電解液18を構成するヨウ素濃度を低くしても、電子(e− )は確実に対極13から多孔質半導体層16へ流れるので、優れた発電特性(I−V曲線)を有する光電変換素子が得られる(図3において二点鎖線により示した曲線)。
これに対して、従来の対極側から光を入射するタイプの光電変換素子は、図5に示すように、電解液のヨウ素濃度を高くしないと電子(e− )の伝導を十分に確保できなかった。しかしながら、このような高いヨウ素濃度は対極側からの光の入射を阻害し、対極および電解液を通して色素まで光が届かない状況をつくってしまう。よって、前述した本発明の光電変換素子に比べて従来の光電変換素子は、電流密度(mA/cm2 )において2/3程度の数値しか得られない(図3において実線により示した曲線)。
したがって、本発明によれば、対極側から光を入射するタイプの光電変換素子において、電解質層20として、電解液18及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子19からなるナノコンポジットゲルを採用することにより、従来のおよそ150%に相当する電流密度とともに、従来より高い電圧が得られる。よって、本発明は、優れた発電特性を備えた光電変換素子の提供に寄与する。
図2は、本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す模式的な断面図である。
図2に示した光電変換素子30は、透明な第三基材31と該第三基材31の一面に配された第二透明導電膜32とを備えてなる対極33、透明な第四基材34と該第四基材34の一面に、第三透明導電膜35を介して配され、少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層36とを備え、該多孔質酸化物半導体層36が前記第二透明導電膜32と対向して配置される作用極37、及び、前記対極33と前記作用極37との間の少なくとも一部に配された電解質層40、から構成される。すなわち、光電変換素子30は対極33と作用極37の両側から光を入射する構成であり、対極33と作用極37の両方が窓極として機能する。
図2に示した光電変換素子30は、透明な第三基材31と該第三基材31の一面に配された第二透明導電膜32とを備えてなる対極33、透明な第四基材34と該第四基材34の一面に、第三透明導電膜35を介して配され、少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層36とを備え、該多孔質酸化物半導体層36が前記第二透明導電膜32と対向して配置される作用極37、及び、前記対極33と前記作用極37との間の少なくとも一部に配された電解質層40、から構成される。すなわち、光電変換素子30は対極33と作用極37の両側から光を入射する構成であり、対極33と作用極37の両方が窓極として機能する。
また、光電変換素子30は、上述した光電変換素子10と同様に、電解質層40として、電解液38及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子39からなるナノコンポジットゲルを用いている。このような構成としたナノコンポジットゲルは、微粒子を含む電解液であっても、電解液のみと同様の光学的な透明性が確保されるので、対極33側から入射する光は、多孔質半導体層36に担持された色素まで到達することができる。
これに加えて、光電変換素子30においては、作用極37を構成する第四基材34および第三透明導電膜35が両方とも透明部材からなるので、作用極37側から入射する光も、多孔質半導体層36に担持された色素まで到達することができる。
したがって、光電変換素子30は対極33と作用極37の両側から入射する光を有効に活用することができる。
これに加えて、光電変換素子30においては、作用極37を構成する第四基材34および第三透明導電膜35が両方とも透明部材からなるので、作用極37側から入射する光も、多孔質半導体層36に担持された色素まで到達することができる。
したがって、光電変換素子30は対極33と作用極37の両側から入射する光を有効に活用することができる。
図2に示した光電変換素子30においても、上述した光電変換素子10と同様に、図4に示すようなメカニズムによって電気が流れる。まず、多孔質半導体層36に担持された色素が、作用極側と対極側からそれぞれ入射した光エネルギーを吸収して電子(e− )を放出し、多孔質半導体層36を構成する酸化チタン(TiO2 )がその電子を受けて一方の電極(第三透明導電膜35)へと引き渡す。色素に残ったホール(h+ )はヨウ素イオンを酸化し、ヨウ化物イオン(I− )を三ヨウ化物イオン(I3 −)へと変える。この酸化されたヨウ素イオンは対極33を構成する他方の電極(第二透明導電膜32)で再び電子(e− )を受けて還元され、両極間をサイクルすることによって電池として機能する。その際、光電変換素子30においては、微粒子39の表面に形成されたヨウ素Redox層が、従来とは異なる電子の流れも誘導する。
すなわち、光電変換素子30では、微粒子39が対極33と多孔質半導体層36の間を埋めるように互いに接して充填され、微粒子39同士の隙間に電解液38が存在するように構成されているので、個々の微粒子39の表面には、ヨウ素Redox層が形成されている。ゆえに、各微粒子39の表面に存在するヨウ素Redox層を通して、対極33を構成する他方の電極(第二透明導電膜32)から多孔質半導体層36へ向けて電子(e− )が伝導可能となっている。
したがって、本発明の構成によれば、電解液38を構成するヨウ素濃度を低くしても、電子(e− )は確実に対極33から多孔質半導体層36へ流れるので、優れた発電特性(I−V曲線)を有する光電変換素子が得られる(図3において点線により示した曲線)。特に、光電変換素子30は対極33と作用極37の両側から入射する光を有効に活用することができるので、上述した片側(対極側)から光を入射させた光電変換素子10よりも一段と高い発電特性を有することができる。
上述した光電変換素子10(30)を構成する電解質層20(40)はとしては何れも、電解液18(38)、及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子19(39)からなるナノコンポジットゲルが用いられる。その際、微粒子19(39)としては、電解液18(38)と同程度の透明性を備える、シリコン酸化物やポリメチルメタクリレート(PMMA)、フッ素樹脂、CaF2 、MgF2 等が好適である。中でも、二酸化珪素(SiO2 )とした場合には、微粒子19(39)の表面上に安定したヨウ素Redox層を形成できるので望ましい。また、微粒子19(39)が上述した効果を発揮するためには、対極13(33)と多孔質半導体層16(36)に挟まる空間内に存在し、多孔質半導体層16(36)の孔内には入り込まないサイズが望ましい。また、乱反射を起こすほど大きなサイズであっても芳しくない。ゆえに、本発明に係る微粒子19(39)としては、その平均粒径が1〜1000nm程度のものが好適であり、より好ましくは5〜50nm程度である。
上述した電解液の吸光度が大きい理由は、電解液に含まれるI− /I3 −酸化還元対のうち、I3 −イオンの吸光度が大きいためである。電解液の光吸収はこのイオン濃度を変化させることにより調整可能であるが、酸化還元対の量が変化すると、電解液の電荷移動効率が低下するため、濃度の薄い電解液を用いると有効光強度が上がり、発電電流は増加するが、形状因子FF(図3に示すようなI−V特性において高い電圧域でも電流を維持する能力)は低下する傾向があった。
なお、形状因子FFとは、次式により定義される。ここで、Iscは短絡電流密度、Vocは開放電圧、ηはエネルギー変換効率、Δは単位面積あたりの照射光量を表す。つまり、形状因子FFは、短絡電流密度と開放電圧から算出した発電電力(=そのセルの発電し得る最高の出力)と実際の発電量(内部抵抗や部分短絡により内部で消失する電流の影響を受けた後の出力)との比である。
そこで、本発明においては、上述した電荷移動効率を下げずにI3 −イオンの量を減らす工夫として、電解質層にナノコンポジットゲルを使用した。ここで、ナノコンポジットゲルとは、微粒子の添加によって擬固体化した電解質、を意味する。ナノコンポジットゲルを用いると、以下に示す2つの作用・効果により、入射する光に対して高い透過率を有する電解質層が得られる。
(a)ナノコンポジットゲルに用いる微粒子として、例えばSiO2 等の屈折率の小さいものを使用することにより、入射する光にとって透明なゲルが得られる。つまり、屈折率が高いと光散乱中心となってしまう問題が解消される。このゲルは微粒子を添加した分だけ電解液が減っており、結果として同体積あたりのI3 −イオンの量が減少するため透過率が向上する。
(b)電解質層をナノコンポジットゲル化することにより電荷移動速度の向上がもたらされる。これは、図4に示すようなメカニズムにより、微粒子の表面に形成されたヨウ素Redox層が、従来とは異なる電子の流れも誘導することに起因すると考えられる。そのため、電解液中のI3 −イオンの濃度を低下させても、図3に示すように、セルの形状因子FFを維持することができる。
(実験例)
以下では、図1の構成からなる光電変換素子においては、電解質層としてナノコンポジットゲルを用いた効果について検証した例について述べる。
次の手順により、光電変換素子を作製した。
以下では、図1の構成からなる光電変換素子においては、電解質層としてナノコンポジットゲルを用いた効果について検証した例について述べる。
次の手順により、光電変換素子を作製した。
(1)洗浄したガラス基板(SHOTT社製:TEMPAX#8330)の上に、SPD法によりITO膜とFTO膜を積層してなる透明導電体を、10Ω/□の比抵抗を有するように形成したものを透明導電ガラス基板とし、また、洗浄した200μm厚の圧延チタン箔を金属チタン基板として、それぞれ用意した。
(2)金属チタン基板の上にセロハンテープ(一般名詞)をスペーサとして酸化チタンペースト(Solaronix 社製:Ti-nanoxide T )を所望の膜厚に塗布し、450℃にて焼成した後、N3色素(Solaronix 社製:Ruthenium535)のエタノール溶液に浸漬して、作用極基板とした。また、透明導電ガラス基板の上に白金ペースト(Solaronix 社製:Pt-Catalyst T/SP)を塗布し、450℃で焼成したものを対極とした。
(3)両極の間に、揮発性電解液を挟んでなる試料(セルAと呼ぶ)と、ナノコンポジットゲル(セルAの電解液に、10wt%のSiO2 を加えて混練したもの)を挟んでなる試料(セルBと呼ぶ)をそれぞれ作製した。ここで、揮発性電解液とは、次に示す(a1)の中に(a2)〜(a5)を溶解したものである。
(a1)メトキシアセトニトリル溶媒
(a2)0.3 M:1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide
(a3)0.1 M LiI
(a4)(0.05 ×α) M I2
ただし、係数αは、1.0、0.8、0.6、0.4、0.2、0である。
(a5)0.5 M TBP
(a1)メトキシアセトニトリル溶媒
(a2)0.3 M:1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide
(a3)0.1 M LiI
(a4)(0.05 ×α) M I2
ただし、係数αは、1.0、0.8、0.6、0.4、0.2、0である。
(a5)0.5 M TBP
(4)上記(3)とは別に、両極の間に、不揮発性電解液を挟んでなる試料(セルCと呼ぶ)と、ナノコンポジットゲルを挟んでなる試料(セルDと呼ぶ)をそれぞれ作製した。ここで、不揮発性電解液とは、次に示す(b1)の中に(b2)と(b3)を溶解したものである。
(b1)1-ethyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethanesulfony) imide 溶媒
(b2)2 M:1-ethyl-3-methylimidazolium iodide
(b3)(0.2 ×α) M I2
ただし、係数αは、1.0、0.8、0.6、0.4、0.2、0である。
(b1)1-ethyl-3-methylimidazolium bis (trifluoromethanesulfony) imide 溶媒
(b2)2 M:1-ethyl-3-methylimidazolium iodide
(b3)(0.2 ×α) M I2
ただし、係数αは、1.0、0.8、0.6、0.4、0.2、0である。
以上の通り作製したセルA〜Dについて各々、エネルギー変換効率ηと形状因子FFとを評価した。その結果を纏めて表1に示す。
表1の結果から、以下の点が明らかとなった。
(イ)ナノコンポジットゲルを適用したセルBとセルDはそれぞれ、セルAとセルCに比べて、上述したナノコンポジットゲル化の効果により、光透過率の向上が図られた結果、低濃度の電解液を使用した場合(αが0.6〜0.2の場合)にも、セルの形状因子FFの低下が抑制され、高いエネルギー変換効率ηが得られた。
(ロ)溶媒の種類に依存せず、ナノコンポジットゲルを適用した対極入射型のセルBとセルDは、高いエネルギー変換効率の光電変換素子を得ることができる。
(イ)ナノコンポジットゲルを適用したセルBとセルDはそれぞれ、セルAとセルCに比べて、上述したナノコンポジットゲル化の効果により、光透過率の向上が図られた結果、低濃度の電解液を使用した場合(αが0.6〜0.2の場合)にも、セルの形状因子FFの低下が抑制され、高いエネルギー変換効率ηが得られた。
(ロ)溶媒の種類に依存せず、ナノコンポジットゲルを適用した対極入射型のセルBとセルDは、高いエネルギー変換効率の光電変換素子を得ることができる。
本発明は、対極側から光を入射する構成においても、発電特性の低下をまねくことのない、光電変換素子の提供に寄与する。対極に加えて作用極からも光を入射する構成とした際には、より高い発電特性を有する光電変換素子が得られる。
10、30 光電変換素子(色素増感太陽電池)、11 第一基材、12 第一透明導電膜、13 対極、14 第二基材、16 多孔質酸化物半導体層、17 作用極、18 電解液、19 微粒子、20 電解質層、30 光電変換素子、31 第三基材、32 第二透明導電膜、33 対極、34 第四基材、35 第三透明導電膜、36 多孔質酸化物半導体層、37 作用極、38 電解液、39 微粒子、40 電解質層。
Claims (3)
- 透明な第一基材と該第一基材の一面に配された第一透明導電膜とを備えてなる対極、導電性の第二基材と該第二基材の一面に配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第一透明導電膜と対向して配置される作用極、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、から構成され、
前記電解質層が、電解液及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子からなるナノコンポジットゲルであることを特徴とする光電変換素子。 - 透明な第三基材と該第三基材の一面に配された第二透明導電膜とを備えてなる対極、透明な第四基材と該第四基材の一面に、第三透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記第二透明導電膜と対向して配置される作用極、及び、前記対極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、から構成され、
前記電解質層が電解液及び該電解液と略同一の屈折率を有する微粒子からなるナノコンポジットゲルであることを特徴とする光電変換素子。 - 前記微粒子は、シリコン酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2006017751A JP2007200708A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 光電変換素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006017751A JP2007200708A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 光電変換素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007200708A true JP2007200708A (ja) | 2007-08-09 |
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ID=38455106
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006017751A Pending JP2007200708A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 光電変換素子 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP2007200708A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009133806A1 (ja) | 2008-05-02 | 2009-11-05 | ペクセル・テクノロジーズ株式会社 | 色素増感型光電変換素子 |
| CN112967980A (zh) * | 2020-08-13 | 2021-06-15 | 重庆康佳光电技术研究院有限公司 | 芯片转移组件及其制作方法、芯片转移方法 |
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2006
- 2006-01-26 JP JP2006017751A patent/JP2007200708A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009133806A1 (ja) | 2008-05-02 | 2009-11-05 | ペクセル・テクノロジーズ株式会社 | 色素増感型光電変換素子 |
| CN112967980A (zh) * | 2020-08-13 | 2021-06-15 | 重庆康佳光电技术研究院有限公司 | 芯片转移组件及其制作方法、芯片转移方法 |
| CN112967980B (zh) * | 2020-08-13 | 2021-12-24 | 重庆康佳光电技术研究院有限公司 | 芯片转移组件及其制作方法、芯片转移方法 |
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