JP2007200923A - 積層コモンモードチョークコイル - Google Patents
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Abstract
【課題】 焼成における導体パターンの断線不良を防止でき、高周波でのインピーダンス特性を良好に得ることができる積層コモンモードチョークコイルを提供すること
【解決手段】 導体パターン1を含むコイル層10と、非磁性層11とを適宜な順に積層するとともに、コイル層に挟まれた非磁性層の所定位置にビアを設けて導体パターンを接続することにより当該積層体の内部に2つのコイルを内蔵し、その2つのコイルは電気的に相補動作する配置とする。コイル層は、導体パターンの周囲にZnフェライトなどの非磁性フェライト4が位置するように形成する。非磁性層は、アルミナ,シリカ等の磁性フェライトよりも低誘電率の誘電体から形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 導体パターン1を含むコイル層10と、非磁性層11とを適宜な順に積層するとともに、コイル層に挟まれた非磁性層の所定位置にビアを設けて導体パターンを接続することにより当該積層体の内部に2つのコイルを内蔵し、その2つのコイルは電気的に相補動作する配置とする。コイル層は、導体パターンの周囲にZnフェライトなどの非磁性フェライト4が位置するように形成する。非磁性層は、アルミナ,シリカ等の磁性フェライトよりも低誘電率の誘電体から形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、積層コモンモードチョークコイルに関するもので、より具体的には、積層体の内部に2つのコイルを内蔵させる積層構造について、当該コイルパターンを覆い含ませる膜層領域の組成および配置の改良に関する。
よく知られるように、パーソナル・コンピュータなどのデジタル電子機器では、データ伝送について差動伝送方式が広く普及している。この差動伝送方式は、一対の伝送線路に逆位相の2種類の信号を一度に伝送する方式であり、外来ノイズに強くノイズ発生も少ないメリットがあって高速化データ伝送に適し、例えばUSB,IEEEl394,LVDSなど、多くの高速化デジタル通信に使われている。しかし差動伝送方式では、一対の伝送線路のわずかな伝送特性の違いにより同相成分(コモンモード)が発生してノイズ電流となる問題があり、コモンモードノイズを効果的に除去するために、コモンモードチョークコイルを用いている。
コモンモードチョークコイルは、同一巻数とした2つのコイルからなり、通常の差動信号(ディファレンシャルモード)に対しては2つのコイルに発生する磁束が打ち消し合って信号をそのまま通過させ、コモンモードに対しては2つのコイルに発生する磁束が強め合って大きなインピーダンスが生じ、このためコモンモードノイズを除去する動作となる。
このコモンモードチョークコイルとしては、コアに線材を巻く巻線型もあるが、例えば特許文献1などに見られるように、積層体の内部にコイルを内蔵する積層型があり、積層型は巻線型と比べて小型化できることから好まれている。
特許2949244号公報
しかしながら、そうした従来の積層コモンモードチョークコイルでは以下に示すような問題がある。コイルを構成する導体パターンが存在するコイル層は、導体パターンの周囲に非磁性体が存在する構成となっており、その導体パターンを構成する材料(Agペースト等)と非磁性体を構成する材料(アルミナ、シリカ等)との熱収縮率の相違から、焼成時に導体パターンの非磁性体の境界部において線幅が細い導体パターンにストレスがかかり、導体パターンの断線を生じるおそれがある。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、小型化が行える積層型の構成を採り、焼成における導体パターンの断線不良を防止できる積層コモンモードチョークコイルを提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る積層コモンモードチョークコイルは、導体パターンを含むコイル層と、非磁性層とを適宜な順に積層するとともに、前記コイル層,前記非磁性層の所定位置にビア(スルーホールも含む概念)を設けて前記導体パターンを接続することにより当該積層体の内部に2つのコイルを内蔵し、前記2つのコイルは電気的に相補動作する配置とする積層コモンモードチョークコイルにおいて、前記導体パターンは渦巻き形状とし、前記積層体は前記導体パターンの渦巻き形状の中央部および外側部を磁性体から形成するとともに、上下の最外層も磁性体として前記2つのコイルに対する中央ヨークおよび外ヨークとし、前記コイル層が、前記導体パターンと、その導体パターンの周囲に位置する非磁性フェライトと、を含むように構成した。コイル層が、導体パターンの周囲に非磁性フェライトを配置されているため、焼成時に導体パターンにかかるストレスが低減され、断線不良が防止される。
前記非磁性層は、アルミナ,シリカ等の磁性フェライトよりも低誘電率の誘電体から構成するとよい。また、非磁性層は、非磁性フェライトから構成されるようにしても良い。そして、前記非磁性フェライトは、Znフェライトを用いることができる。
そして、導体パターンに接する非磁性層に誘電率が低い誘電体を配置することで、コイル間の浮遊容量が大幅に低減し、高周波特性が良好となる。
本発明に係る積層コモンモードチョークコイルでは、細幅の導体バーンが形成されるコイル層の非磁性体を非磁性フェライトで構成したため、非磁性フェライトと導体パターンの熱収縮率の差が少なく、導体パターンに加わるストレスを抑制し、焼成時における導体パターンの断線不良を防止できる
図1から図3は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施の形態の積層コモンモードチョークコイルは、導体パターン1を含むコイル層10と非磁性層11とを適宜な順に積層した積層体の最上層と最下層に磁性層12を配置した構成をとる。
コイル層10は、渦巻き状にパターニングされた導体パターン1と、その周囲に位置する非磁性フェライト4とを備え、さらに、その中央部位に矩形状の磁性体3aを設けるとともに、長手側の両側縁に帯状の磁性体3bを設けた構成をとる。導体パターン1は、例えば、銀ペーストなどにより形成する。また、非磁性フェライト4は例えばZnフェライトなどを用いる。これにより、導体パターン1と非磁フェライト4の熱収縮率が比較的近くなり、焼成時に導体パターン1に加わるストレスが抑制できる。
非磁性層11は、その大部分は誘電体6から構成され、その中央部位に矩形状の磁性体3aを形成するとともに、長手側の両側縁に帯状の磁性体3bを形成する。さらに、所定位置に、ビア2を形成し、そのビア2を介して上下に位置するコイル層10の導体パターン1同士を導通させる。誘電体6は、アルミナ,シリカ等の低誘電率(たとえば、ε=5程度)の材料を用いる。
さらにコイル層10,非磁性層11の所定位置にはビア2を設け、そのビア2によって導体パターン1を適宜に接続することにより当該積層体の内部に2つのコイルを内蔵するように構成する。2つのコイルは電気的に相補動作する配置とする。
コイル層10に形成した渦巻き形状の導体パターン1は、上下に隣接するコイル層を飛び越して接続し、2つのコイルパターンは交互に噛み合う状態としている。つまり、渦巻き形状の導体パターン1は第2,第4,第6,第8層に形成し、第2,第6層の導体パターン1は第3〜第5層を貫くビア2を設けて接続し、これを一方のコイルAとし、そして第4,第8層の導体パターン1は第5〜第7層を貫くビア2を設けて接続し、これを他方のコイルBとしている。
また、コイル層10の磁性体3aと、非磁性層11の磁性体3aとは、上下方向に重なるように配置され、同様にコイル層10の磁性体3bと、非磁性層11の磁性体3bとは、上下方向に重なるように配置される。さらに、これら磁性体3a,3bは、その上下端がそれぞれ磁性層12に接続され、磁性体3aが中央ヨーク,磁性体3bと磁性層12が外ヨークを構成する。なお、磁性体3a,3b並びに磁性層12を構成する磁性体は、通常の磁性フェライトである。この磁性フェライトの誘電率は、10程度である。
本実施の形態では、中間層となる第2層〜第8層は積層印刷により形成した。また、上下面となる第1層と第9層は、図2に示すように複数の磁性体シート5をシート成形法により圧着させて所定厚の膜層に形成した。但し、本発明ではこれに限ることはなく、例えば、磁性層12を1枚で所定厚の磁性体シートをシート成形法により圧着して形成してもよく、各種の製造法を用いることができる。
本発明にあっては、コイル層10が、細幅で渦巻き状に形成した導体パターン1の周囲にZnフェライト等の非磁性フェライト4が位置しているので、焼成時に導体パターン1に加わるコイル層10の面方向のストレスは、抑制される。また、非磁性層11は、誘電体6から形成されているため、導体パターン1と熱収縮率が異なるものの、焼成時に誘電体6から導体パターン1に加わるストレスは、導体パターン1と誘電体6の接触面において、当該面と平行な方向となり、さほど大きくならないとともに係る方向のストレスに対しては非磁性フェライト4の存在により強くなるので、導体パターン1の断線発生を抑制できる。
また、コモンモードチョークコイルとしては、コモンモードにおけるインピーダンスが大きいほどノイズ除去効果に優れており、またディファレンシャルモードにおけるインピーダンスが小さいほど信号をスムーズに通過させることができる。これらの特性は、コイルのインダクタンス(L),2つのコイルにおける浮遊容量(C)および結合により決まり、特性を良好に得るにはLを大きくコイル間の結合も良好とし、そしてCを小さくする必要がある。
係る面からみると、各層の導体パターン1は渦巻き形状のコイルパターンとするので、1層あたりの巻きターン数を多くすることができ、したがって、積層数は少ない設定を保ちつつ高インダクタンスを得ることができる。その結果、高インダクタンス化,小型化を両立できてコモンモード・インピーダンスを大きくすることができる。
各層の渦巻き形状の導体パターン1は積層順に接続するのではなく、上下に隣接する相手側導体パターン層を飛び越して接続し、2つのコイルパターンは交互に噛み合う状態に積層する構成であることから、コイル間の結合がよくなる。その結果、ディファレンシャルモード・インピーダンスを低く抑えることができ、コモンモード・インピーダンスを高く得ることができる。そして、高周波でのコモンモード・インピーダンスの低下も低減でき、周波数特性を良好にできる。
さらに本実施の形態では、非磁性層11を誘電率が低い誘電体4により構成したため、コイル間の浮遊容量が大幅に低減する。このため、高周波でのインピーダンス特性を良好に得ることができる。
図4は、本発明の他の実施の形態を示している。本実施の形態では、非磁性層11もZnフェライトなどの非磁性フェライトを用いて形成した。すなわち、図1から図3に示す誘電体6の形成領域を非磁性フェライト4で形成する。これにより、導体パターン1の3次元方向の全周囲が非磁性フェライトで覆われることとなり、熱膨張率の相違から焼成時に導体パターン1に加わるストレスがさらに小さくなり、パターンの断線のおそれがさらに抑制される。
図5は、他の例を示している。この例では、図1から図3に示す実施の形態と同様に、非磁性層11を誘電率の低い誘電体6で構成する(もちろん、ヨークを構成する磁性体3,3bは設ける)。そして、この例では、コイル層10が、導体パターン1の周囲にアルミやシリカ等の誘電率の低い(例えばε=5程度)誘電体6を配置するように構成される。もちろん、このコイル層10も、ヨークを構成する磁性体3,3aは設ける。換言すると、図1から図3に示す非磁性フェライト4の形成領域を誘電体6で形成する。これにより、素子全体の誘電率が低下し、コイル間の浮遊容量がより大幅に低減させることができる。このため、高周波でのインピーダンス特性をより良好に得ることができる。
本発明の効果を実証するため、複数の構成例について解析演算を行い、インピーダンス特性を評価した。本発明に係る構成例は、積層体の内部の構成をそれぞれ一部変更した3種類とし、図3に示す積層構成による本発明1、図4に示す積層構成による本発明2、図5に示す積層構成による例1を用意した。つまり、本発明1は図3に示すように、コイル層10は、導体パターン1の周囲に非磁性フェライト4としてZnフェライトを配置し、非磁性層11は誘電率εが5程度の誘電体6により形成している。そして、本発明2は図4に示すように、導体パターン1を覆い含ませる膜層領域の全てをZnフェライトから形成しており、例1は図5に示すように、導体パターン1を覆い含ませる膜層領域の全てを誘電率εが5程度の誘電体6から形成している。
これらの構成例についてインピーダンスの周波数特性を解析したところ、図6,図7に示す結果を得た。すなわち、図6から明らかなように、本発明1および例1にあっては、少なくとも非磁性層11に誘電率の低い誘電体を用いていることから浮遊容量を小さくすることができ、このため、全ての層にZnフェライトを用いた本発明2に比べて、コモンモード・インピーダンスは高周波での低下が少なく、ノイズを低減する作用,効果がより大きく得られる。
また、図7から分かるように、誘電体を用いた例1では、ディファレンシャルモード・インピーダンスは共振周波数が高周波にシフトしており、このため、信号をより高周波まで透過させることができる。そして、浮遊容量は導体パターン1の幅、コイルA,コイルB間の距離、コイル間の部材の誘電率でほぼ決定するため、導体パターン1に接する層間の膜層だけを誘電体とした本発明1であっても高周波域のインピーダンスを良好にし得ると予見でき、解析の結果、例1と同等のインピーダンス特性を得ることができることを確認した。
1 導体パターン
2 ビア
3a,3b 磁性体
4 非磁性フェライト
5 磁性体シート
6 誘電体
10 コイル層
11 非磁性層
12 磁性層
2 ビア
3a,3b 磁性体
4 非磁性フェライト
5 磁性体シート
6 誘電体
10 コイル層
11 非磁性層
12 磁性層
Claims (4)
- 導体パターンを含むコイル層と、非磁性層とを適宜な順に積層するとともに、前記コイル層,前記非磁性層の所定位置にビアを設けて前記導体パターンを接続することにより当該積層体の内部に2つのコイルを内蔵し、前記2つのコイルは電気的に相補動作する配置とする積層コモンモードチョークコイルにおいて、
前記導体パターンは渦巻き形状とし、前記積層体は前記導体パターンの渦巻き形状の中央部および外側部を磁性体から形成するとともに、上下の最外層も磁性体として前記2つのコイルに対する中央ヨークおよび外ヨークとし、
前記コイル層が、前記導体パターンと、その導体パターンの周囲に位置する非磁性フェライトと、を含むように構成されていることを特徴とする積層コモンモードチョークコイル。 - 前記非磁性層は、アルミナ,シリカ等の磁性フェライトよりも低誘電率の誘電体から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層コモンモードチョークコイル。
- 前記非磁性層は、非磁性フェライトから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層コモンモードチョークコイル。
- 前記非磁性フェライトは、Znフェライトであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の積層コモンモードチョークコイル。
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2006
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