JP2007201646A - 状態監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】監視対象の状態の変化を検知する装置において、ハードウェア資源の削減および処理の高速化を図る。
【解決手段】統計値更新部12は、測定データの揺らぎを算出する。フィルタリング処理部13は、適応型ラティスフィルタを利用して、測定データの揺らぎから正規白色雑音成分を抽出する。統計検定部14は、正規白色雑音成分の分散が基準分布における所定の範囲から外れているか否かを判定する。変化判定部15は、外れ値の検出率に基づいて、対象システムの状態の定常的な変化を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、監視対象の状態の変化を検知する装置および方法に係わる。
従来より、通信システムあるいは各種設備の異常またはその予兆を検出するために、その振舞いを継続的に監視して分析する技術が研究されている。この種の分析では、監視データの特性に応じてパラメータ毎に予め様々な閾値を設定する必要があった。しかし、適切な閾値を予め決めることは容易ではない。
これに対し、特許文献1には、監視対象の状態を判断するための閾値が統計学を利用して動的に生成される方法が記載されている。しかし、この方法では、下記の2つの前提条件を満たすことが必要である。
条件1:扱うデータは、ランダム(無相関)である
条件2:データは、特定の分布に従う
ところが、一般に、監視対象の状態の変化を検知するためには、その監視対象についての計測データを時系列に収集して解析する必要がある。しかし、時系列データは、過去のデータと相関が存在するのでランダムなデータとはいえず、また、得られるデータが特定の分布に従うとは限らない。このため、時系列データにそのまま統計的手法を適用することは困難である。
この課題を解決するために、時系列データに対するモデル化誤差がランダムで正規分布に従う白色雑音になることに着目し、その白色雑音に対して統計的検定を適用することで時系列データの変化を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載の方法は、以下の通りである。
監視対象から取得したデータに対してカルマンフィルタを適用する。そのカルマンフィルタによるデータの推定値と取得したデータとの残差系列Y(t)が正常である場合、残差系列Y(t)は、平均値がゼロであり且つ共分散行列がV(t)である正規白色雑音ベクトルとなる。よって、この正常時の白色雑音ベクトルの共分散行列V(t)を予め求めておき、カイ自乗検定を利用して残差系列Y(t)について白色性検定を行うことにより、系が正常であるか否かを判定することができる。
このように、公知文献2に記載の方法によれば、上述の条件1、2を満たしていない時系列データを監視する場合であっても、監視対象の異常を検知できる。
特開2005−285040号公報 特開2005−157579号公報
特許文献2に記載の方法で使用するカルマンフィルタは、計算量が多く、大規模なシステムをリアルタイムで監視することは困難である。また、特許文献2に記載の方法では、過去のデータ系列を保持しておく必要があるので、大きなメモリを必要とする。さらに、この方法では、基準となる分布を予め用意しておく必要がある。
本発明の課題は、監視対象の状態変化を検知する装置において、ハードウェア資源の削減および処理の高速化を図ることである。
本発明の状態監視装置は、監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、を有する。
上記発明において、抽出手段により得られる雑音成分は、時系列に収集されるデータの揺らぎに対応するので、時系列データである。また、この雑音成分は、ランダムなデータであり且つ正規分布に従う。よって、この雑音成分を利用すれば、監視対象の状態が変化したか否かを統計的に判定することができる。ここで、適応型ラティスフィルタは計算量も少ないので、高速処理が可能であり、また、必要なメモリ量も少ない。
上記状態監視装置において、検出手段は、前記正規白色雑音成分の分散が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有するようにしてもよい。
また、上記状態監視装置において、適応型ラティスフィルタにおいて使用される忘却係数に基づいて統計的検定のための標本数を推定する推定手段をさらに備えるようにしてもよい。この場合、第1の判定手段は、推定された標本数の統計的検定により、分散が基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する。標本数を導入することにより、統計的検定(例えば、F検定、カイ自乗検定など)を使用することが可能になる。
さらに、上記状態監視装置において、監視対象の状態が変化したと判定されたときの前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する基準値更新手段をさらに有するようにしてもよい。この構成によれば、監視対象の状態が変化した後は、新しい基準値でその状態が監視されるので、適切な判定が得られる。
本発明によれば、監視対象の状態変化を検知する装置において、ハードウェア資源の削減および処理の高速化を図ることである。また、事前に様々な閾値を設定しておく必要がないので、監視対象の構成が変わっても、継続してその状態を監視できる。
本発明は、監視対象の状態の変化を自動的に検知する方法に係わる。ここで、監視対象は、特に限定されるものではないが、例えば、通信システム、工場内の各種設備(工作機械等)を想定する。通信システムの状態を監視する際は、例えば、パケットの遅延時間、トラヒック量、パケットの廃棄率、エラー率等のデータが時系列に収集される。また、各種設備の状態を監視する際は、例えば、機器の振動の振幅値などが時系列に収集される。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の状態監視装置の構成を示す図である。状態監視装置1は、1台または複数台のコンピュータにより実現され、予め記述されたプログラムを実行することにより状態変化検知機能を提供する。
計測データ収集部11は、監視対象の状態に係わるデータを収集する。ここで、データの収集は、所定の時間間隔で定期的に行ってもよいし、何らかのイベント(例えば、パケットの送信または受信)が発生したことを契機として行ってもよい。
統計値更新部12は、計測データ収集部11が計測データを取得する毎に、その計測データの揺らぎを計算する。フィルタリング処理部13は、計測データの揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用することにより、正規白色雑音成分の分散を算出する。
統計検定部14は、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて使用される係数パラメータに基づいて、正規白色雑音成分の分散を統計的に処理する際の標本数を推定する。また、統計検定部14は、基準値学習部17により与えられる基準値およびフィルタリング処理部13により抽出された分散値に対して統計的検定を適用し、外れ値を検出する。変化判定部15は、外れ値検定における有意水準および外れ値検出率に基づいて母比率検定を行い、分散値の定常的な変化を検知する。変化通知部16は、この分散値の定常的な変化が検出されると、監視対象の状態が変化したものとしてアラームを出力する。
基準値学習部17は、変化判定部15により状態変化が検出されたときの分散値を新たな基準値として学習する。なお、タイマ18により計時される所定間隔ごとに、新たな基準値を学習するようにしてもよい。統計値メモリ19は、状態監視装置1が上述の処理において使用するデータおよび各種パラメータを保持する。
このように、状態監視装置1は、計測データの揺らぎ基づいて対象システムの状態の変化を検出する。状態変化が検出される様子を図2に示す。
図3は、状態監視装置1の概略動作を示すフローチャートである。この処理は、監視対象から計測データを取得する毎に実行される。なお、このフローチャートの処理は、図1を参照しながら説明した通りなので、説明を省略する。
以下、状態監視装置1の動作を詳しく説明する。
<データの揺らぎの計算方法>
(1)第1の方法
第1の方法では、データの平均値としてEWMA(Exponential Weighted Moving Average)を算出する。そして、その平均値(即ち、EWMA)と計測データとの差分をデータの揺らぎとして定義する。すなわち、時刻nにおける計測データの平均値Tは、下式により表される。
T[n] =(1−λ)T[n−1]+λx[n]
ここで、x[n] は、時刻nにおける計測データである。また、λ(0<λ≪1)は、予め設定される忘却係数である。そして、データの揺らぎpは、下式により表される。
p[n] =x[n]−T[n]
なお、EWMAを利用してデータの揺らぎを算出する方法においては、直前の演算で使用したデータは必要であるが、それよりも古い過去の計測データを保持しておく必要がない。
(2)第2の方法
第2の方法では、新たな計測データと直前の計測データとの差分をデータの揺らぎとして定義する。すなわち、この方法では、データの揺らぎpは、下式により表される。
p[n] =x[n]−x[n−1]
<適応型ラティスフィルタを利用して正規白色雑音成分の分散を抽出する方法>
ここでは、時刻nにおけるデータの揺らぎp[n] は、m次の自己回帰(AR:Auto Regressive)モデルに従うものとする。すなわち、下式が満たされるものとする。
ここで、ARパラメータai (i=1,2,・・・,m)の次数mは、計測データを取得する毎に、後述する赤池情報基準値AICに従って決定される。また、ε[n] は、モデル化に際して予測される予測誤差を表し、白色雑音に相当する。すなわち、ε[n] の平均はゼロであり、且つ、ε[n] の分散は正規分布に従う。換言すれば、ARモデルの予測誤差の分散は、監視対象の状態に対応する時系列データであるにもかかわらず、統計的手法を適用することができる。したがって、ARモデルの予測誤差の分散を用いて監視対象の状態の変化を検出することができる。
上記(1)式に登場するARパラメータaを推定し、白色雑音εを抽出するアルゴリズムとして適応型ラティスフィルタを利用する。ただし、本発明において適応型ラティスフィルタを利用する目的は、白色雑音そのものを抽出することではなく、適応型ラティスフィルタアルゴリズムの計算過程で登場する白色雑音の分散に相当するパラメータを抽出することである。なお、適応型ラティスフィルタは、非定常な時系列データに対するパラメータを推定することができるアルゴリズムとして公知の技術であり、下記の非特許文献1に詳しく記載されている。
非特許文献1:Benjamin Friedlander, “Lattice Filters for Adaptive Processing,” Proceedings of the IEEE, Vol. 70, No. 8, August 1982
以下、適応型ラティスフィルタのアルゴリズムを示す。
まず、下記のパラメータに対して初期値を与える。初期値は、各次数について与えられる。例えば、m=2であれば、m=0,1,2に対してそれぞれ初期値が与えられる。なお、「M」は、次数mの上限値である。
続いて、ゼロ次のパラメータについて時間更新を計算する。時間更新は、下記(2)式に従う。なお、ω(0≪ω<1)は、忘却係数であり、予め設定される。
さらに、下記(3)式に従ってARモデルの次数を更新する。なお、(3a)式は、相互共分散Δの時間更新を表す。(3b)式は、時刻nにおける予測誤差についての次数の更新を表す。ここで、「ε」及び「ρ」は、それぞれ、前向き予測誤差および後向き予測誤差である。そして、この前向き予測誤差εが(1)式の予測誤差に相当する。(3c)式は、時刻nにおける予測誤差εと揺らぎpとの間の共分散についての次数の更新を表す。ここで、
は、それぞれ、前向き予測誤差についての共分散および後ろ向き予測誤差についての共分散である。「γ」は、尤度パラメータを表す。
上記適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて登場するパラメータ
に「1−ω」を乗ずることにより得られる値
は、標本数が1/(1−ω)である場合の予測誤差εの分散σ2 に相当する。なお「ω」は、(2)式または(3a)式において使用される忘却係数である。すなわち、状態監視装置1においては、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて使用されるパラメータの1つである忘却係数ωから統計処理のための標本数が推定される。
ARモデルの次数mは、0≦m<Mの範囲において、(4)式に示す赤池情報量基準AICを最小にする値が選択される。
例として、赤池情報量基準AICに基づいてm=2が得られる過程を示す。まず、(2)式に従ってゼロ次のパラメータが算出される。続いて、算出されたゼロ次のパラメータを(3)式に代入することにより、1次のパラメータが算出される。このとき、(4)式に従い、1次の赤池情報量基準AIC1 を求めておく。さらに、算出された1次のパラメータを(3)式に代入することにより、2次のパラメータが算出される。このときも同様に2次の赤池情報量基準AIC2 を求める。そして、算出された赤池情報量基準AICi (i=1,2)を最小とする2次のパラメータの1つである
が、時刻nにおけるデータの揺らぎに対応する予測誤差の分散を得るために抽出される。
このようにして選択された次数mが適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて使用されると、時刻nにおける予測誤差の分散σ2 [n] は、正規白色雑音成分の分散となる。すなわち、この分散値は、無相関なデータであり、また、正規分布に従う。よって、この分散値に対して一般的な統計的手法(F検定、カイ自乗検定など)を適用することができる。すなわち、この分散値に対して一般的な統計的検定手法を適用することにより、監視対象の状態が定常的に変化したのか否かを統計的に判定することができる。
このように、実施形態の状態監視装置1は、時刻nにおいて計測データx[n] を取得すると、そのデータの揺らぎp[n] を算出する。そして、その揺らぎp[n] に適応型ラティスフィルタを適用したときの計算過程で得られるパラメータを利用して、時刻nにおける計測データの揺らぎをモデル化する際の予測誤差の分散σ2[n] を算出する。
<分散の最大値を逐次的に計算する方法>
後述する統計的検定において分散σ2 をそのまま使用することも可能である。ただし、上述のようにして得られる分散σ2 は、時間経過に対して不規則に変化しやすい。このため、この実施形態では、忘却係数を利用して短い時間領域内における分散の最大値を算出し、その分散の最大値に対して統計的検定を行う構成を導入する。なお、以下の説明においては「分散の最大値」のことを単に「分散」と呼ぶことがある。
分散の最大値σ2 max[n] は、下記(5)式に従って算出される。ここで、μ(0≪μ<1)は忘却係数である。
このように、時刻nにおける分散σ2 [n] が時刻n−1において得られている分散の最大値σ2 max[n−1] よりも大きければ、時刻nにおける分散が新たな最大値として設定される。そうでない場合は、分散の最大値σ2 maxは、時刻nにおける分散σ2 [n] および忘却係数μを利用して更新される。ここで、分散およびその最大値の振舞いを図4に示す。
<分散の算出および以降の処理の概略>
図5は、分散の算出から状態変化の検出までの処理を示すフローチャートである。この処理は、監視対象から計測データを取得する毎に実行される。
ステップS1では、取得した計測データに基づいて、正規白色雑音成分の分散σ2 を算出する。ステップS2では、先に得られている分散の最大値σ2 maxとステップS1で得られた分散σ2 とを比較する。そして、分散σ2 が最大値σ2 max以下であれれば、ステップS3において、忘却係数μを利用して最大値σ2 maxを更新する。一方、分散σ2が最大値σ2 maxよりも大きければ、ステップS4において、その分散値を新たな最大値として設定する。
ステップS5では、外れ値を検出する。すなわち、ステップS4で得られた最大値が基準分布の所定の範囲から外れていれば、その最大値を「外れ値」と判定する。そして、ステップS6において、外れ値の検出確率に基づいて監視対象の状態が変化したか否かを判断する。すなわち、外れ値の検出確率が所定値を越えると、監視対象の状態が定常的に変化したと判断する。このように、外れ値の検出および状態変化の判断は、新たに得られた分散σ2 が先に得られている分散の最大値σ2 maxよりも大きかったときに実行される。
<外れ値の検出方法>
(1)F検定
以下の説明において、基準値σ2 0は、基準値学習部16により保持されているものとする。また、時刻nにおける正規白色雑音の分散σ2 max[n] は、上述のようにして算出されたものである。ここで、σ2 0、σ2 max[n] は、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて導出され、その標本数は1/(1−ω)である。よって、F検定のF値は、下記(6)式で表される。
ここで、自由度φ0 、φ1 のF分布において有意水準αの両側F検定を行うものとすると、分散σ2 maxが外れ値であるか否かは、下記のルールに従って判定される。なお、自由度φ0、φ1 は、それぞれ「標本数−1(すなわち、{1/(1−ω)}−1」である。また、Fa0 、φ1)、Fa0 、φ1 )は、それぞれ、自由度φ0 、φ1 のF分布における上側α点、下側α点を表す。
図6示すF分布において、F値が上側α/2点よりも大きければ、そのF値は上側外れ値と判定される。また、F値が下側α/2点よりも小さければ、そのF値は下側外れ値と判定される。ここで、上側α/2点は、F分布の上側α/2点よりも大きなF値が検出される確率がα/2パーセントとなる値である。同様に、下側α点は、F分布の下側α/2点よりも小さなF値が検出される確率がα/2パーセントとなる値である。すなわち、F値が外れ値である確率は、統計的には、αパーセントである。なお、αは、監視対象のシステムに応じて決定されるが、例えば、数パーセントである。
(2)カイ自乗検定
カイ自乗検定においては、予め十分に多くの分散σ2 を収集し、基準値の母分散Σ2 0を算出しておく。そして、計測データに対応する分散σ2 maxについて基準値Σ2 0からの差分をカイ自乗検定で判定し、その分散σ2 maxが外れ値であるか否か調べる。ここで、分散σ2 maxは、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて導出され、その標本数は1/(1−ω)である。よって、カイ自乗検定のカイ自乗値は、下記(7)式で表される。
ここで、自由度φのカイ自乗分布において有意水準αの両側カイ自乗検定を行うと、分散σ2 maxが外れ値であるか否かは、下記のルールに従って判定される。なお、自由度φは「標本数−1」である。また、χ2(a)(φ)、χ2 a(φ)は、それぞれ、自由度φのカイ自乗分布における上側α点、下側α点を表す。
<定常的な変化を検出する方法>
(1)母比率検定
監視対象の状態が変化すると、上述の外れ値が発生する。換言すれば、監視対象の状態が瞬間的に変化しただけで、外れ値が検出されてしまう。これに対して、実施形態の状態監視装置1は、監視対象の状態の定常的な変化を検知することを目的する。そこで、状態監視装置1は、複数回の外れ値検定に基づいて、監視対象の状態が定常的に変化したか否かを判断する。
以下の説明では、一定期間の外れ値検定の回数をWとする。また、その期間内に上側外れ値および下側外れ値が検出された回数をそれぞれk1 、k2 とする。そうすると、上側外れ値および下側外れ値が検出される確率π1 、π2 は、それぞれ下式により表される。
π1 =k1 /W
π2 =k2 /W
ここで、確率π1 、π2 がそれぞれ外れ値検定における有意水準α/2よりも小さいときは、基準値σ2 0(カイ自乗検定においては、Σ2 0)は妥当であると仮定する。また、確率π1 、π2 がそれぞれ有意水準α/2よりも十分に大きいときは、基準値σ2 0(カイ自乗検定においては、Σ2 0)は変化していると仮定する。これらの仮定は、下式により表すことができる。
上側変化
0 :π1≦α/2
1 :π1>α/2
下側変化
0 :π2≦α/2
1 :π2>α/2
したがって、定常的な変化が発生しているか否かは、母比率検定に帰着して考えることができる。ここで、統計検定量Z1 、Z2 を下記(8)式に表す。
また、標準正規分布の上側β点を
とすると、定常的な変化が発生しているか否かは、下記のルールにより判定される。
であれば、上側に定常的に変化している。
であれば、下側に定常的に変化している。
(2)外れ値検出率πを逐次的に計算する方法
外れ値検出率πは、忘却係数η(0<η≪1)を用いて下式で表すようにしてもよい。ここで、D[n]は、外れ値が検出されたときに1となり、外れ値が検出されなかったときにゼロとなる離散変数である。
π[n] =(1−η)π[n−1]+ηD[n]
この場合、πは、外れ値検定の回数が1/η回である場合の外れ値検出率に相当する。すなわち、この方法を導入すれば、監視対象から計測データを取得する毎に、外れ値検出率を得ることができる。したがって、このようにして得られるπ[n] を上述した(8)式に代入すれば、逐次的に、監視対象の状態が定常的に変化しているか否かを判定できる。
このように、実施形態の状態監視装置1は、監視対象から取得する測定データに基づいて、監視対象の状態が定常的に変化したか否かを判定する。このシーケンスを下記にまとめる。
(1)時刻nにおいて監視対象から測定データx[n] を取得する
(2)測定データの揺らぎp[n] を算出する
(3)適応型ラティスフィルタを利用して正規白色雑音成分の分散σ2 を算出する。
(4)分散の最大値σ2 maxを算出する。
(5)F値(カイ自乗検定においては、カイ自乗値)を算出する。
(6)算出されたF値がF分布において外れ値であるか否かを調べる。
(7)外れ値の発生確率が所定値を超えていた場合に、監視対象の状態が定常的に変化したと判定する。
<基準値を学習する方法>
(1)基準値学習部17は、監視対象の状態が定常的に変化したとき、基準値σ2 0を更新する。この場合、監視対象の状態の定常的な変化が検出されたときの分散σ2 maxが新たな基準値として設定される。
(2)定期的な更新
図7は、基準値を更新する処理のフローチャートである。基準値は、上述したように、監視対象の状態が定常的に変化したときに更新される(ステップS11〜S13)。ただし、監視対象の状態が変化しない場合であっても、タイマ18により計時される所定時間が経過すると、基準値は更新される(ステップS15、S16、S13)。ここで、ステップS11〜S13によって基準値が更新されると、タイマ18はリセットされる(ステップS14)。すなわち、所定時間継続して外れ値が検出されなければ、基準値が更新されることになる。このような学習処理を行うことにより、常に、適切な基準値を使用することができる。
<実施例1>
図8は、時系列データとその揺らぎとの関係を示す図である。ここでは、データの揺らぎを計算するために移動平均(EWMA)が使用されている。
EWMAにより計算される平均値は、データが急激に変化すると、追従が遅れる。このため、データが急激に変化すると、データの揺らぎは大きくなる。したがって、実施形態の状態監視装置1によれば、データの急激な変化を検出することができる。
図9は、時系列データが与えられたときのシミュレーション結果を示す図である。図9に示すように、実施形態の状態監視装置1によれば、振幅変化の小さい時系列データに対しても、そのデータが急激に変化した場合には、その変化を検出できる。
<実施例2>
図10は、ネットワーク監視システムの構成および動作を説明する図である。なお、実施形態の状態監視装置1は、ネットワーク監視装置A、Bにそれぞれ設けられている。
ネットワーク監視装置A、Bは、それぞれ、それらの間でプロービングパケットを送信し、エンド・エンドでの遅延を計測する。そして、各監視装置は、それぞれ、観測される遅延データの挙動に基づいてネットワークの状態を監視する。この監視方法においては、ネットワークの動作に係わる閾値(例えば、遅延時間)を予め設定しておく必要はなく、観測される時系列データから自動的にネットワークの状態の「変化」を検出することにより、ネットワークの異常な振る舞いを検知することができる。なお、ネットワークの状態を監視するための適切な閾値を予め決定することは容易ではなく、また、システム構成が変わった場合には、その閾値を再設定する必要がある。
図11は、トラヒック環境と遅延特性の関係を示す図である。ここで、図11(a)は観測対象の経路にVoIPトラヒックのみが与えられたときのシミュレーション結果を示している。また、図11(b)は観測対象の経路にVoIPトラヒック、FTPトラヒック、HTTPトラヒックが与えられたときのシミュレーション結果を示している。図11(a)および図11(b)に示すように、ネットワークにかかる負荷が同程度である場合は、混在トラヒックが与えられたときの方が大きな遅延が発生する。なお、時刻800〜1000において遅延データが検出されていない期間があるが、これは、過剰な負荷によってプロービングパケットが検出されない状態等に相当する。
図12は、遅延データに基づいてネットワークの状態を判定する処理のフローチャートである。この処理は、図10に示すシステムにおいてプロービングパケットを受信することに実行される。
図12(a)に示す処理フロー1において、ステップS21では、新たに受信したプロービングパケットについての遅延データを取得する。ステップS22では、EWMAを用いて遅延時間の揺らぎを算出する。ステップS23では、遅延時間の揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、正規白色雑音成分を抽出する。ステップS24では、標本数を推定し、正規白色雑音成分の分散を求める。ステップS25では、F検定(または、カイ自乗検定)により、正規白色雑音成分の分散が基準値に対して外れ値であるか否かを調べる。ステップS26では、F検定の結果に応じて、ネットワークの状態が定常的に変化したのか否かを判断する。なお、ネットワークの状態の変化が検出されたときは、ステップS27において、基準値が更新される。
図12(b)に示す処理フロー2では、処理フロー1のステップS22の代わりにステップS31が実行される。すなわち、処理フロー2では、直前に得られた遅延データと新たに得られた遅延データとの差分が遅延時間の揺らぎとして出力される。
図13および図14は、図11に示す負荷がネットワークに与えられたときの状態監視装置1の動作を示すシミュレーション結果である。ここで、図13は、図12(a)に示す処理フロー1が実行されたときの動作例を示し、図14は、図12(b)に示す処理フロー2が実行されたときの動作例を示している。
これらのシミュレーションによれば、いずれのケースにおいても、ネットワークの負荷が50パーセントを超えると、トラヒックの揺らぎが大きくなり、状態変化を表すアラームが生成されている。なお、図中に示す上向き矢印は、遅延時間の揺らぎに起因する正規白色雑音の分散が基準値に対して上側に変化したことを示すアラームである。同様に、下向き矢印は、その正規白色雑音の分散が基準値に対して下側に変化したことを示すアラームである。
<実施例3>
図15は、状態監視装置1の処理手順を示す図である。この例では、時系列データとして通信ネットワークにおける遅延時間が与えられ、その平均値としてEWMAが使用されるものとする。そして、状態監視装置1は、遅延データが与えられる毎にF値を算出し、そのF値に基づいてネットワークの状態の定常的な変化を監視する。なお、この実施例では、有意水準αは5パーセントである。したがって、統計的に5パーセントしか発生しないようなイベントが所定の割合よりも高い確率で発生したときに、「ネットワークの状態が定常的に変化した」と判定される。
分散の最大値σ2 maxは、新たに算出された分散σ2 [n] がその時点で保持されている最大値σ2 max[n−1] よりも大きかったときに更新される。この例では、時刻2、3、122において、新たに算出された分散が最大値として設定されている。尚、分散σ2[n] が最大値σ2 max[n−1] 以下であれば、忘却係数ωに従って更新される。
F値が所定値(ここでは、F0.05/2)を超えると外れ値が発生したとみなし、それに基づいて母比率検定が行われる。この例では、時刻3、122において母比率検定が行われている。そして、母比率検定に基づいてネットワークの状態が定常的に変化したのか否かを判定する。この例では、時刻122においてネットワークの状態が変化したと判断されている。
基準値σ2 0は、ネットワークの状態が定常的に変化したと判断されると、更新される。この例では、時刻123において基準値が更新されている。
<ハードウェア構成>
状態監視装置1は、上述の処理を記述したプログラムをコンピュータで実行することにより実現される。そのプログラムを実行するコンピュータ100のブロック図を図16に示す。
CPU101は、上述した処理を記述したプログラムを記憶装置102からメモリ103にロードして実行する。記憶装置102は、例えばハードディスクであり、上記プログラムを格納する。なお、記憶装置102は、コンピュータ100に接続される外部記憶装置であってもよい。メモリ103は、例えば半導体メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。
記録媒体ドライバ104は、CPU101の指示に従って可搬型記録媒体105にアクセスする。可搬型記録媒体105は、例えば、半導体デバイス、磁気的作用によりデータが入出力される媒体(フレキシブルディスク、磁気テープ等)、光学的作用によりデータが入出力される媒体(光ディスク等)を含むものとする。通信制御装置106は、CPU101の指示に従って、ネットワークを介してデータを送受信する。
本発明に係わるプログラムは、例えば、以下の任意の方法で提供される。
(1)コンピュータにインストールされて提供される。この場合、プログラムは、例えば、コンピュータ100の出荷前にそのコンピュータ100にインストールされる。
(2)可搬型記録媒体に格納されて提供される。この場合、可搬性記録媒体105に格納されるプログラムは、基本的に、記録媒体ドライバ104を介して記憶装置102にインストールされる。
(3)ネットワーク上に設けられているプログラムサーバから提供される。この場合、コンピュータ100は、プログラムサーバからダウンロードすることにより対応するプログラムを取得する。或いは、コンピュータ100は、プログラムサーバにそのプログラムの実行を依頼し、実行結果を受け取るようにしてもよい。
<特許文献2との対比>
図17は、本発明の方法と特許文献2に記載の方法との差異を説明する図である。特許文献2に記載の方法および本発明に係る方法は、いずれも、時系列データについて統計的な検定を行って状態の変化を検出することができる。しかし、両者は以下の点で互いに異なっている。
(1)本発明では適応型ラティスフィルタを使用するのに対し、特許文献2ではカルマンフィルタを使用する。カルマンフィルタにおいては、過去のデータ列を利用して白色雑音を抽出するので、所定期間に渡って過去のデータ列を保持しておく必要がある。このため、データを保持しておくためのメモリサイズが大きくなる。これに対して本発明に係る状態監視装置1においては、過去のデータに対する演算結果および新たに与えられるデータを利用して白色雑音を抽出することができる。したがって、保持すべきデータの量は少なくなる。なお、本発明に係る状態監視装置1の統計値メモリ19が保持するデータは、前回のデータ、前回のデータに対応する平均値、前回のデータに対応する適応型ラティスフィルタのパラメータ、基準値、忘却係数などである。さらに、適応型ラティスフィルタは、カルマンフィルタと比べて計算量が大幅に少ないので、処理の高速化が実現される。
(2)特許文献2に記載の方法では、統計処理に必要な時系列データのデータ長が予め固定的に与えられる。これに対して、本発明に係る方法では、統計的検定を行う際の標本数は、適応型ラティスフィルタにおいて使用される忘却係数に基づいて推定される。
(3)特許文献2に記載の方法では、通常時の振る舞いを事前に設定しておく必要がある。これに対して、本発明に係る方法では、統計的処理のための基準値または基準分布を動的に学習(すなわち、更新)することができる。このため、監視対象の構成が変わったときでも、あらためて基準値または基準分布を生成する必要がない。したがって、本発明の方法は、スケーラビリティにおいて有利である。
(付記1)
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、
を有する状態監視装置。
(付記2)
前記収集手段は、通信ネットワークにおける通信パラメータに係わるデータを収集する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記3)
前記算出手段は、前記収集手段が新たなデータを取得すると、その新たなデータのEWMAを用いてデータの揺らぎを算出する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記4)
前記算出手段は、前記収集手段が新たに取得したデータとその直前に取得したデータとの差分をデータの揺らぎとして出力する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記5)
前記検出手段は、
前記正規白色雑音成分の分散が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記6)
前記適応型ラティスフィルタにおいて使用される忘却係数に基づいて統計的検定のための標本数を推定する推定手段をさらに備え、
前記第1の判定手段は、前記推定された標本数の統計的検定により、前記分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする付記5に記載の状態監視装置。
(付記7)
前記第1の判定手段は、前記分散に対してF検定を適用することにより、その分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする付記6に記載の状態監視装置。
(付記8)
前記第1の判定手段は、前記分散に対してカイ自乗検定を適用することにより、その分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする付記6に記載の状態監視装置。
(付記9)
前記第2の判定手段は、前記所定の範囲を定義する有意水準および前記正規白色雑音成分の分散が前記所定の範囲から外れていることが検出される割合を表す検出率を用いた母比率検定を行うことにより、前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する
ことを特徴とする付記5に記載の状態監視装置。
(付記10)
前記検出率は、過去の検出率を徐々に忘却しながら更新される
ことを特徴とする付記9に記載の状態監視装置。
(付記11)
前記監視対象の状態が変化したと判定されたときの前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する基準値更新手段をさらに有する
ことを特徴とする付記5に記載の状態監視装置。
(付記12)
前記基準値更新手段は、所定時間が経過するごとに、新たに得られる前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する
ことを特徴とする付記11に記載の状態監視装置。
(付記13)
前記検出手段は、
先に得られている前記正規白色雑音成分の分散の最大値、新たに得られた前記正規白色雑音成分の分散、および忘却係数を用いてその最大値を更新する最大値更新手段と、
前記更新手段により更新された分散の最大値が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記14)
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集し、
前記収集したデータの揺らぎを算出し、
前記算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、
その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出し、
前記抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する
状態監視方法。
(付記15)
コンピュータを、
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、を有する状態監視装置
として動作させる状態監視プログラム。
本発明の実施形態の状態監視装置の構成を示す図である。 状態変化が検出される様子を示す図である。 状態監視装置の概略動作を示すフローチャートである。 分散およびその最大値の振舞いを示す図である。 分散の算出から状態変化の検出までの処理を示すフローチャートである。 F検定による外れ値を説明する図である。 基準値を更新する処理のフローチャートである。 時系列データとその揺らぎとの関係を示す図である。 時系列データが与えられたときのシミュレーション結果である。 ネットワーク監視システムの構成および動作を説明する図である。 トラヒック環境と遅延特性の関係を示す図である。 遅延データに基づいてネットワークの状態を判定する処理のフローチャートである。 状態監視装置の動作を示すシミュレーション結果(その1)である。 状態監視装置の動作を示すシミュレーション結果(その2)である。 状態監視装置の処理手順を示す図である。 本発明の機能を記述したプログラムを実行するコンピュータのブロック図である。 本発明と特許文献2との差異を説明する図である。
符号の説明
1 状態監視装置
11 計測データ収集部
12 統計値更新部
13 フィルタリング処理部
14 統計検定部
15 変化判定部
16 変化通知部
17 基準値学習部
18 タイマ
19 統計値メモリ

Claims (5)

  1. 監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
    前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、
    を有する状態監視装置。
  2. 前記検出手段は、
    前記正規白色雑音成分の分散が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の状態監視装置。
  3. 前記適応型ラティスフィルタにおいて使用される忘却係数に基づいて統計的検定のための標本数を推定する推定手段をさらに備え、
    前記第1の判定手段は、前記推定された標本数の統計的検定により、前記分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の状態監視装置。
  4. 前記監視対象の状態が変化したと判定されたときの前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する基準値更新手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の状態監視装置。
  5. コンピュータを、
    監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
    前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、を有する状態監視装置
    として動作させる状態監視プログラム。
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