JP2007201646A - 状態監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】統計値更新部12は、測定データの揺らぎを算出する。フィルタリング処理部13は、適応型ラティスフィルタを利用して、測定データの揺らぎから正規白色雑音成分を抽出する。統計検定部14は、正規白色雑音成分の分散が基準分布における所定の範囲から外れているか否かを判定する。変化判定部15は、外れ値の検出率に基づいて、対象システムの状態の定常的な変化を検出する。
【選択図】図1
Description
条件1:扱うデータは、ランダム(無相関)である
条件2:データは、特定の分布に従う
ところが、一般に、監視対象の状態の変化を検知するためには、その監視対象についての計測データを時系列に収集して解析する必要がある。しかし、時系列データは、過去のデータと相関が存在するのでランダムなデータとはいえず、また、得られるデータが特定の分布に従うとは限らない。このため、時系列データにそのまま統計的手法を適用することは困難である。
図3は、状態監視装置1の概略動作を示すフローチャートである。この処理は、監視対象から計測データを取得する毎に実行される。なお、このフローチャートの処理は、図1を参照しながら説明した通りなので、説明を省略する。
<データの揺らぎの計算方法>
(1)第1の方法
第1の方法では、データの平均値としてEWMA(Exponential Weighted Moving Average)を算出する。そして、その平均値(即ち、EWMA)と計測データとの差分をデータの揺らぎとして定義する。すなわち、時刻nにおける計測データの平均値Tは、下式により表される。
T[n] =(1−λ)T[n−1]+λx[n]
ここで、x[n] は、時刻nにおける計測データである。また、λ(0<λ≪1)は、予め設定される忘却係数である。そして、データの揺らぎpは、下式により表される。
p[n] =x[n]−T[n]
なお、EWMAを利用してデータの揺らぎを算出する方法においては、直前の演算で使用したデータは必要であるが、それよりも古い過去の計測データを保持しておく必要がない。
(2)第2の方法
第2の方法では、新たな計測データと直前の計測データとの差分をデータの揺らぎとして定義する。すなわち、この方法では、データの揺らぎpは、下式により表される。
p[n] =x[n]−x[n−1]
<適応型ラティスフィルタを利用して正規白色雑音成分の分散を抽出する方法>
ここでは、時刻nにおけるデータの揺らぎp[n] は、m次の自己回帰(AR:Auto Regressive)モデルに従うものとする。すなわち、下式が満たされるものとする。
非特許文献1:Benjamin Friedlander, “Lattice Filters for Adaptive Processing,” Proceedings of the IEEE, Vol. 70, No. 8, August 1982
以下、適応型ラティスフィルタのアルゴリズムを示す。
は、それぞれ、前向き予測誤差についての共分散および後ろ向き予測誤差についての共分散である。「γ」は、尤度パラメータを表す。
に「1−ω」を乗ずることにより得られる値
は、標本数が1/(1−ω)である場合の予測誤差εの分散σ2 に相当する。なお「ω」は、(2)式または(3a)式において使用される忘却係数である。すなわち、状態監視装置1においては、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて使用されるパラメータの1つである忘却係数ωから統計処理のための標本数が推定される。
が、時刻nにおけるデータの揺らぎに対応する予測誤差の分散を得るために抽出される。
<分散の最大値を逐次的に計算する方法>
後述する統計的検定において分散σ2 をそのまま使用することも可能である。ただし、上述のようにして得られる分散σ2 は、時間経過に対して不規則に変化しやすい。このため、この実施形態では、忘却係数を利用して短い時間領域内における分散の最大値を算出し、その分散の最大値に対して統計的検定を行う構成を導入する。なお、以下の説明においては「分散の最大値」のことを単に「分散」と呼ぶことがある。
<分散の算出および以降の処理の概略>
図5は、分散の算出から状態変化の検出までの処理を示すフローチャートである。この処理は、監視対象から計測データを取得する毎に実行される。
<外れ値の検出方法>
(1)F検定
以下の説明において、基準値σ2 0は、基準値学習部16により保持されているものとする。また、時刻nにおける正規白色雑音の分散σ2 max[n] は、上述のようにして算出されたものである。ここで、σ2 0、σ2 max[n] は、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて導出され、その標本数は1/(1−ω)である。よって、F検定のF値は、下記(6)式で表される。
(2)カイ自乗検定
カイ自乗検定においては、予め十分に多くの分散σ2 を収集し、基準値の母分散Σ2 0を算出しておく。そして、計測データに対応する分散σ2 maxについて基準値Σ2 0からの差分をカイ自乗検定で判定し、その分散σ2 maxが外れ値であるか否か調べる。ここで、分散σ2 maxは、適応型ラティスフィルタアルゴリズムにおいて導出され、その標本数は1/(1−ω)である。よって、カイ自乗検定のカイ自乗値は、下記(7)式で表される。
(1)母比率検定
監視対象の状態が変化すると、上述の外れ値が発生する。換言すれば、監視対象の状態が瞬間的に変化しただけで、外れ値が検出されてしまう。これに対して、実施形態の状態監視装置1は、監視対象の状態の定常的な変化を検知することを目的する。そこで、状態監視装置1は、複数回の外れ値検定に基づいて、監視対象の状態が定常的に変化したか否かを判断する。
π1 =k1 /W
π2 =k2 /W
ここで、確率π1 、π2 がそれぞれ外れ値検定における有意水準α/2よりも小さいときは、基準値σ2 0(カイ自乗検定においては、Σ2 0)は妥当であると仮定する。また、確率π1 、π2 がそれぞれ有意水準α/2よりも十分に大きいときは、基準値σ2 0(カイ自乗検定においては、Σ2 0)は変化していると仮定する。これらの仮定は、下式により表すことができる。
上側変化
H0 :π1≦α/2
H1 :π1>α/2
下側変化
H0 :π2≦α/2
H1 :π2>α/2
したがって、定常的な変化が発生しているか否かは、母比率検定に帰着して考えることができる。ここで、統計検定量Z1 、Z2 を下記(8)式に表す。
とすると、定常的な変化が発生しているか否かは、下記のルールにより判定される。
であれば、上側に定常的に変化している。
であれば、下側に定常的に変化している。
(2)外れ値検出率πを逐次的に計算する方法
外れ値検出率πは、忘却係数η(0<η≪1)を用いて下式で表すようにしてもよい。ここで、D[n]は、外れ値が検出されたときに1となり、外れ値が検出されなかったときにゼロとなる離散変数である。
π[n] =(1−η)π[n−1]+ηD[n]
この場合、πは、外れ値検定の回数が1/η回である場合の外れ値検出率に相当する。すなわち、この方法を導入すれば、監視対象から計測データを取得する毎に、外れ値検出率を得ることができる。したがって、このようにして得られるπ[n] を上述した(8)式に代入すれば、逐次的に、監視対象の状態が定常的に変化しているか否かを判定できる。
(1)時刻nにおいて監視対象から測定データx[n] を取得する
(2)測定データの揺らぎp[n] を算出する
(3)適応型ラティスフィルタを利用して正規白色雑音成分の分散σ2 を算出する。
(4)分散の最大値σ2 maxを算出する。
(5)F値(カイ自乗検定においては、カイ自乗値)を算出する。
(6)算出されたF値がF分布において外れ値であるか否かを調べる。
(7)外れ値の発生確率が所定値を超えていた場合に、監視対象の状態が定常的に変化したと判定する。
<基準値を学習する方法>
(1)基準値学習部17は、監視対象の状態が定常的に変化したとき、基準値σ2 0を更新する。この場合、監視対象の状態の定常的な変化が検出されたときの分散σ2 maxが新たな基準値として設定される。
(2)定期的な更新
図7は、基準値を更新する処理のフローチャートである。基準値は、上述したように、監視対象の状態が定常的に変化したときに更新される(ステップS11〜S13)。ただし、監視対象の状態が変化しない場合であっても、タイマ18により計時される所定時間が経過すると、基準値は更新される(ステップS15、S16、S13)。ここで、ステップS11〜S13によって基準値が更新されると、タイマ18はリセットされる(ステップS14)。すなわち、所定時間継続して外れ値が検出されなければ、基準値が更新されることになる。このような学習処理を行うことにより、常に、適切な基準値を使用することができる。
<実施例1>
図8は、時系列データとその揺らぎとの関係を示す図である。ここでは、データの揺らぎを計算するために移動平均(EWMA)が使用されている。
<実施例2>
図10は、ネットワーク監視システムの構成および動作を説明する図である。なお、実施形態の状態監視装置1は、ネットワーク監視装置A、Bにそれぞれ設けられている。
<実施例3>
図15は、状態監視装置1の処理手順を示す図である。この例では、時系列データとして通信ネットワークにおける遅延時間が与えられ、その平均値としてEWMAが使用されるものとする。そして、状態監視装置1は、遅延データが与えられる毎にF値を算出し、そのF値に基づいてネットワークの状態の定常的な変化を監視する。なお、この実施例では、有意水準αは5パーセントである。したがって、統計的に5パーセントしか発生しないようなイベントが所定の割合よりも高い確率で発生したときに、「ネットワークの状態が定常的に変化した」と判定される。
<ハードウェア構成>
状態監視装置1は、上述の処理を記述したプログラムをコンピュータで実行することにより実現される。そのプログラムを実行するコンピュータ100のブロック図を図16に示す。
(1)コンピュータにインストールされて提供される。この場合、プログラムは、例えば、コンピュータ100の出荷前にそのコンピュータ100にインストールされる。
(2)可搬型記録媒体に格納されて提供される。この場合、可搬性記録媒体105に格納されるプログラムは、基本的に、記録媒体ドライバ104を介して記憶装置102にインストールされる。
(3)ネットワーク上に設けられているプログラムサーバから提供される。この場合、コンピュータ100は、プログラムサーバからダウンロードすることにより対応するプログラムを取得する。或いは、コンピュータ100は、プログラムサーバにそのプログラムの実行を依頼し、実行結果を受け取るようにしてもよい。
<特許文献2との対比>
図17は、本発明の方法と特許文献2に記載の方法との差異を説明する図である。特許文献2に記載の方法および本発明に係る方法は、いずれも、時系列データについて統計的な検定を行って状態の変化を検出することができる。しかし、両者は以下の点で互いに異なっている。
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、
を有する状態監視装置。
(付記2)
前記収集手段は、通信ネットワークにおける通信パラメータに係わるデータを収集する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記3)
前記算出手段は、前記収集手段が新たなデータを取得すると、その新たなデータのEWMAを用いてデータの揺らぎを算出する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記4)
前記算出手段は、前記収集手段が新たに取得したデータとその直前に取得したデータとの差分をデータの揺らぎとして出力する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記5)
前記検出手段は、
前記正規白色雑音成分の分散が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記6)
前記適応型ラティスフィルタにおいて使用される忘却係数に基づいて統計的検定のための標本数を推定する推定手段をさらに備え、
前記第1の判定手段は、前記推定された標本数の統計的検定により、前記分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする付記5に記載の状態監視装置。
(付記7)
前記第1の判定手段は、前記分散に対してF検定を適用することにより、その分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする付記6に記載の状態監視装置。
(付記8)
前記第1の判定手段は、前記分散に対してカイ自乗検定を適用することにより、その分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする付記6に記載の状態監視装置。
(付記9)
前記第2の判定手段は、前記所定の範囲を定義する有意水準および前記正規白色雑音成分の分散が前記所定の範囲から外れていることが検出される割合を表す検出率を用いた母比率検定を行うことにより、前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する
ことを特徴とする付記5に記載の状態監視装置。
(付記10)
前記検出率は、過去の検出率を徐々に忘却しながら更新される
ことを特徴とする付記9に記載の状態監視装置。
(付記11)
前記監視対象の状態が変化したと判定されたときの前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する基準値更新手段をさらに有する
ことを特徴とする付記5に記載の状態監視装置。
(付記12)
前記基準値更新手段は、所定時間が経過するごとに、新たに得られる前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する
ことを特徴とする付記11に記載の状態監視装置。
(付記13)
前記検出手段は、
先に得られている前記正規白色雑音成分の分散の最大値、新たに得られた前記正規白色雑音成分の分散、および忘却係数を用いてその最大値を更新する最大値更新手段と、
前記更新手段により更新された分散の最大値が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有する
ことを特徴とする付記1に記載の状態監視装置。
(付記14)
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集し、
前記収集したデータの揺らぎを算出し、
前記算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、
その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出し、
前記抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する
状態監視方法。
(付記15)
コンピュータを、
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、を有する状態監視装置
として動作させる状態監視プログラム。
11 計測データ収集部
12 統計値更新部
13 フィルタリング処理部
14 統計検定部
15 変化判定部
16 変化通知部
17 基準値学習部
18 タイマ
19 統計値メモリ
Claims (5)
- 監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、
を有する状態監視装置。 - 前記検出手段は、
前記正規白色雑音成分の分散が基準値に対応する所定の範囲から外れているか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて前記監視対象の状態が変化したか否かを判定する第2の判定手段、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の状態監視装置。 - 前記適応型ラティスフィルタにおいて使用される忘却係数に基づいて統計的検定のための標本数を推定する推定手段をさらに備え、
前記第1の判定手段は、前記推定された標本数の統計的検定により、前記分散が前記基準値に基づいて決まる所定の範囲に入っているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の状態監視装置。 - 前記監視対象の状態が変化したと判定されたときの前記正規白色雑音成分の分散を用いて前記基準値を更新する基準値更新手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項2に記載の状態監視装置。 - コンピュータを、
監視対象の状態に係わるデータを時系列に収集する収集手段と、
前記収集手段により得られるデータの揺らぎを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された揺らぎに対して適応型ラティスフィルタを適用し、その適応型ラティスフィルタの計算過程で登場するパラメータの中から前記揺らぎに対応する正規白色雑音成分を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された正規白色雑音成分の振る舞いに基づいて前記監視対象の状態の変化を検出する検出手段、を有する状態監視装置
として動作させる状態監視プログラム。
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