JP2007207652A - 燃料電池用触媒層及びこれを用いた膜電極接合体並びに燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池に利用される膜電極接合体、およびそれに利用される白金触媒4と電解質3と無定形炭素1からなる触媒層において、低白金触媒量でも出力特性の高い触媒層を提供し、さらにこれを用いた膜電極接合体及び燃料電池を提供する。
【解決手段】プロトン伝導度が、0.01S/cm以上であるスルホン酸基が導入された無定形炭素2を含み、また、スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】プロトン伝導度が、0.01S/cm以上であるスルホン酸基が導入された無定形炭素2を含み、また、スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素を含む触媒層、並びにこれを用いた膜電極接合体および燃料電池に関する。
近年、高いエネルギー効率を有し、環境負荷の少ない燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素やメタノール等の燃料を酸素または空気を用いて電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すものである。
このような燃料電池は、用いる電解質の種類によって、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、アルカリ型等に分類される。このうち、陽イオン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、用いる電解質膜を薄くすることにより燃料電池内の内部抵抗を低減できるため高電流で操作でき、小型化が可能である。このような利点から固体高分子型の研究が盛んになってきている。
上記、固体高分子型燃料電池は、一般的に多数の単セルが積層されて構成されている。単セルは、二つの電極(アノード極とカソード極)でプロトン伝導性高分子電解質膜を挟んで接合した膜・電極接合体を、燃料ガスまたは酸化剤ガスのガス流路を有するセパレータで挟んだ構造をしている。
固体高分子型燃料電池が実用的に普及するうえで、膜・電極接合体における触媒層で使用される白金触媒の低減化が要求特性のひとつとして挙げられる。その理由のひとつは、地球全体における白金の埋蔵量が限られているためである。たとえば、現在の自動車台数がすべてガソリン車から燃料電池車に置き換わったと仮定した場合、現在の単位面積あたりの白金使用量では地球の白金埋蔵量をオーバーしてしまうと言われている。2点目の理由は、コストの問題である。現在の単位面積あたりの白金使用量では、燃料電池が普及するにあたり膜・電極接合体に求められる実用可能なコストを越えてしまうと言われている。
白金量の低減化を図るためには、白金触媒の有効利用率を高めることが重要である。図5は、従来の触媒層の一例の部分模式図である。従来のようにプロトン伝導性高分子電解質13と白金触媒14付きカーボンのみを溶媒にいれて触媒ワニスを作る方法では、溶媒中で混合された白金触媒14付きカーボンがワニス中で凝集してしまう。そして電解質13にプロトンを供給できる白金触媒付きカーボン11と供給できない白金触媒付きカーボン12が出来てしまう。すなわち、凝集した触媒層の内部にプロトン伝導性高分子電解質13が浸透できず、凝集内部の白金触媒付きカーボン12がプロトンを生じさせても、プロトン伝導性高分子電解質がなく白金触媒付きカーボンが有効利用できていない。結果として、白金触媒14の有効利用率を高めることが困難となり、単位白金量あたりで得られる電池性能が低下してしまうという欠点があった。特に、車載用で用いる場合では瞬時に大電流の発生を必要とするためにコジェネレーション用として用いる場合と比べて燃料ガスの拡散性が不足し電池性能が低下する傾向がある。
本発明の目的は、低白金触媒量でも出力特性の高い触媒層を提供し、さらにこれを用いた膜電極接合体及び燃料電池を提供する。
上記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、触媒層にプロトン伝導能力があるスルホン酸基導入無定形炭素を含有させれば、同じ炭素である白金触媒付きカーボンと馴染みが良い為に凝集した白金触媒付きカーボン内部に浸透でき、凝集内部の白金触媒付きカーボンが有効利用でき、白金触媒の量を減らすことができると考え、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(11)を提供するものである。
(1)請求項1の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素を含むことを特徴とする燃料電池用触媒層としたものである。
図1は本発明の触媒層の一例の部分模式図である。スルホン酸基が導入された無定形炭素2を含んだ触媒層は同じ炭素である白金触媒4付きカーボン1と馴染みが良い為に凝集した白金触媒4付きカーボン1内部に浸透でき、凝集内部の白金触媒4付きカーボン1が有効利用でき、出力特性が高く、白金触媒4の量を減らすことができる。なお、図の符号3は電解質である。
(2)請求項2の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01S/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒層としたものである。ここでプロトン伝導度は、温度80℃湿度100%条件下で交流インピーダンス法により測定した値とする。
無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01S/cm以上であれば、カーボン内部に発生したプロトンを効率良く伝導できる。0.01S/cm以下であれば、プロトン伝導性が低すぎて白金触媒量を減らすことができない。
(3)請求項3の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出され、プロトン伝導性を示すことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒層としたものである。
このようなスルホン酸基が導入された無定形炭素は白金触媒付きカーボンのカーボンとその縮合芳香族炭素6員環によりπ−πスタッキングされ、凝集を防ぐことができる。その結果、効率良く触媒内部のプロトンを伝導させることができる。
(4)請求項4の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素の粉末X線回折において炭素(002)面の回折ピークのみが検出される請求項1に記載の燃料電池用触媒層としたものである。
このような純度の高いスルホン酸基が導入された無定形炭素を使用すると、さらに効率良く触媒内部のプロトンを伝導させることができる。
(5)請求項5の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、2〜12mmol/gである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池用触媒層としたものである。
スルホン酸密度が2mmol/g以下であるとプロトン伝導性が低い。12mmol/g以上はスルホン酸基が導入された無定形炭素自体の合成における収率が悪くなる。
(6)請求項6の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素が重量比で0.1%から50%含まれるところの請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池用触媒層としたものである。
触媒層の中の全固形分における重量比で0.1%以下であると白金触媒の凝集が防げず、白金触媒の量が減らすことができない。また、50%以上であるとスルホン酸基が導入された無定形炭素が多すぎて触媒層の三相界面が形成できず、逆に発電能力が悪くなる。
(7)請求項7の発明は、スルホン酸基が導入された無定形炭素が重量比で0.5%から10%含まれるところの請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池用触媒層としたものである。
特に0.5%から10%の重量比にすると、白金の有効利用ができ、特に発電能力が高い。
(8)請求項8の発明は、白金担持量が単極で0.3mg/cm2以下で80℃1A時0.7W/cm2以上の出力を満たすところの請求項1乃至7のいずれか一項に記載の燃料電池用触媒層としたものである。
このような触媒層を用いれば従来1mg/cm2と多く使用されてきた白金量を大幅に低減でき、環境に適応する。
(9)請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の触媒層を用いたことを特徴とする膜電極接合体としたものである。
このようにして作った膜電極接合体は白金触媒を有効利用できるので非常に性能が良い。
(10)請求項10の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の触媒層を用いたことを特徴とする燃料電池としたものである。
このようにして作った燃料電池は白金触媒を有効利用できるので、非常に性能が良い。
本発明により、プロトン伝導性が高く耐熱性に優れ、出力特性が高く、低コストであるスルホン酸基導入無定形炭素を含有する触媒層を提供することができ、さらにこれを用いた膜電極接合体及び燃料電池を提供することができる。これにより、白金触媒の使用率が高いと大きい値を示す水素吸着面積が、従来に比べ上昇し、白金触媒量が少なくても膜電極接合体の出力特性が従来に比べ大幅に向上することができる。また、触媒ワニスにスルホン酸基が導入された無定形炭素を含有させることで触媒の凝集が防げるので、ワニス中の溶媒量を従来よりも減らすことができ環境負荷を減らすことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
従来、プロトン伝導性高分子電解質と白金触媒付きカーボンで構成されていた触媒層に、本発明の組成物はさらにスルホン酸基導入無定形炭素を含むことを特徴とするものである。
スルホン酸基導入無定形炭素は、スルホン酸基を持ち、無定形炭素としての性質を示す物質であればどのようなものでもよい。ここで「無定形炭素」とは、炭素からなる物質であって、ダイヤモンドや黒鉛のような明確な結晶構造を持たない物質をいい、より具体的には、粉末X線回折において、明確なピークが検出されないか、あるいは幅の広いピークが検出される物質を意味する。
好適なスルホン酸基導入無定形炭素としては、(1)以下の(A)、(B)及び(C)の性質を持つスルホン酸基導入無定形炭素、(2)以下の(A)、(B)及び(C)の性質、並びに以下の(D)及び/又は(E)の性質を持つスルホン酸基導入無定形炭素、(3)以下の(C)、及び(F)の性質を持つスルホン酸基導入無定形炭素を例示できる。(A)13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出される。
(B)粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出される。
(C)プロトン伝導性を示す。
(D)スルホン酸密度が0.5〜14mmol/gである。
(E)スルホン酸基が結合した炭素原子が全炭素原子の3%〜20%である。
(F)硫黄含有量は、0.3〜15atm%である。
(B)粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出される。
(C)プロトン伝導性を示す。
(D)スルホン酸密度が0.5〜14mmol/gである。
(E)スルホン酸基が結合した炭素原子が全炭素原子の3%〜20%である。
(F)硫黄含有量は、0.3〜15atm%である。
上記(B)の性質に関して、検出される回折ピークは(002)面以外のものがあってもよいが、(002)面の回折ピークのみが検出されることが好ましい。
上記(C)の性質に関して、プロトン伝導度は特に限定されないが、0.01S/cm以上であることが好ましい。無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01S/cm以上であれば、カーボン内部に発生したプロトンを効率良く伝導できる。0.01S/cm以下であれば、プロトン伝導性が低すぎて白金触媒量を減らすことができない。(前記プロトン伝導度は、温度80℃、湿度100%条件下、交流インピーダンス法によって測定される値である。)。
上記(D)の性質に関し、スルホン酸密度は0.5〜14mmol/gであればよいが、2〜12mmol/gであることが好ましい。スルホン酸密度が低すぎるとプロトン伝導能力に劣り白金の使用量の低減化ができなく、一方高すぎるとスルホン酸基導入無定形炭素自体の合成における収率が悪い。
上記(F)の性質に関し、硫黄含有量は0.3〜15atm%であればよいが、3〜10atm%であることが好ましい。
スルホン酸基導入無定形炭素は、例えば、有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理することによって製造することができる。この製造方法の概略を図2に示す。有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理すると、炭化、スルホン化、環同士の縮合が起きる。この結果、図2に示すようなスルホン酸基導入無定形炭素が生成する。
濃硫酸又は発煙硫酸中の有機化合物の加熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性ガス気流中、あるいは乾燥空気気流中で行うことがスルホン酸密度の高い無定形炭素を製造する上で必要である。より好ましい処理は有機化合物を加えた濃硫酸又は発煙硫酸に窒素、アルゴン等の不活性ガス、あるいは乾燥空気を吹き込みながら加熱を行うことである。濃硫酸と芳香族化合物の反応によって芳香族スルホン酸と水が生成するが、この反応は平衡反応である。したがって反応系内の水が増えると、逆反応が早く進むため、無定形炭素に導入されるスルホン酸の量が著しく低下する。不活性ガスや乾燥空気気流中で反応を行うか、反応系にこれらのガスを吹き込みながら反応を行い、水を反応系から積極的に除去するこ
とによって高いスルホン酸密度をもつ無定形炭素を合成することができる。
とによって高いスルホン酸密度をもつ無定形炭素を合成することができる。
加熱処理においては、有機化合物の部分炭化、環化及び縮合などを進行させると共に、スルホン化を起こさせる。従って、加熱処理温度は、前記反応を進行させる温度であれば特に限定されないが、工業的には、100℃〜350℃、好ましくは150℃〜250℃である。処理温度が100℃未満の場合、有機化合物の縮合、炭化が十分でなく、炭素の形成が不十分であることがあり、また、処理温度が350℃を超えると、スルホン酸基の熱分解が起きる場合がある。
加熱処理時間は、使用する有機化合物や処理温度などによって適宜選択できるが、通常、5〜50時間、好ましくは10〜20時間である。
使用する濃硫酸又は発煙硫酸の量は特に限定されないが、有機化合物1モルに対し、通常、2.6〜50.0モルであり、好適には6.0〜36.0モルである。
有機化合物としては、芳香族炭化水素類を使用することができるが、それ以外の有機化合物、例えば、グルコース、砂糖(スクロース)、セルロースのような天然物、ポリエチレン、ポリアクリルアミドのような合成高分子化合物を使用してもよい。芳香族炭化水素類は、多環式芳香族炭化水素類でも単環式芳香族炭化水素類でもよく、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ペリレン、コロネンなどを使用することができ、好適には、ナフタレンなどを使用することができる。有機化合物は、一種類だけを使用してもよいが、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、必ずしも精製された有機化合物を使用する必要はなく、例えば、芳香族炭化水素類を含む重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを使用してもよい。
グルコース、セルロース等の天然物や合成高分子化合物を原料とするときは、濃硫酸又は発煙硫酸中での加熱処理の前に、これらの原料を不活性ガス気流中で加熱し、部分炭化させておくことが好ましい。このときの加熱温度は、通常、100〜350℃であり、処理時間は、通常、1〜20時間である。部分炭化の状態は、加熱処理物の粉末X線回折パターンにおいて、半値幅(2θ)が30°の(002)面の回折ピークが検出されるような状態が好ましい。
芳香族炭化水素類、又はこれを含む重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを原料とする場合、濃硫酸又は発煙硫酸中での加熱処理の後、生成物を真空加熱することが好ましい。これは、過剰の硫酸を除去すると共に、生成物の炭化・固化を促進させ、生成物の収率を増加させる。真空排気は排気速度10L/min以上、到達圧力13.3kPa以下の排気装置を用いることが好ましい。好ましい加熱温度は140〜300℃、より好ましい温度は200〜280℃である。この温度における真空排気の時間は、通常2〜20時間である。
またスルホン酸基が導入された無定形炭素を原料にフッ素化等、化学処理したものも本発明に好適に用いることができる。特にフッ素化することで酸が強くなり良い。
本発明において使用するプロトン伝導性高分子電解質としては、プロトンを伝導させる高分子電解質であれば好適に用いられる。その中でもスルホン化されたプロトン伝導性高分子電解質は特にプロトン伝導性が良い。これらの高分子電解質として以下に例示する樹脂をスルホン化したものが使用できる。またこれらは単独又は二種類以上混合して使用することができ、これらの樹脂の変性体や共重合体を使用してもよい。樹脂としては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、プロピレン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニリデン樹脂、フラン樹脂、ウ
レタン樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、ビニル樹脂、カルボン酸樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できるが、これらに限定されない。また、上記のように有機樹脂だけでなく、有機無機ハイブリッド樹脂やシリケート樹脂、水ガラス、各種無機ポリマー等も使用できる。この中でもスルホン化されたフッ素樹脂が優れた性質を示す。このようなもので市販されているものとしてはデュポン社製ナフィオン(登録商標)や旭硝子社製フレミオン(登録商標)等のフッ素系プロトン伝導性高分子電解質がある。また、部分的にフッ素化された部分フッ素化スルホン化樹脂も性能が良い。
レタン樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、ビニル樹脂、カルボン酸樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できるが、これらに限定されない。また、上記のように有機樹脂だけでなく、有機無機ハイブリッド樹脂やシリケート樹脂、水ガラス、各種無機ポリマー等も使用できる。この中でもスルホン化されたフッ素樹脂が優れた性質を示す。このようなもので市販されているものとしてはデュポン社製ナフィオン(登録商標)や旭硝子社製フレミオン(登録商標)等のフッ素系プロトン伝導性高分子電解質がある。また、部分的にフッ素化された部分フッ素化スルホン化樹脂も性能が良い。
エンジニアリングプラスチックとしては、耐熱性が100℃以上あり、強度が49.0MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上ある樹脂であれば特に限定されない。このようなものには以下のようなものなどがある。すなわち、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが好適に用いられる。この中でも変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルは安定性に優れ、特に好ましい。これらをスルホン化したものも優れた出力特性を示す。
本発明のスルホン酸基が導入された無定形炭素を用いて、膜電極接合体を製造する方法の一例としては、以下の方法を示すことができる。まず、スルホン酸基が導入された無定形炭素とプロトン伝導性高分子電解質と白金触媒付きカーボンとを溶媒に混合し触媒ワニスを作る。次にこのワニスをカーボン繊維やカーボンペーパー等に塗布し乾燥を行い、触媒層を含有する電極を作る。この電極をプレス機等でナフィオンやスルホン化されたエンジニアリングプラスチック等の電解質膜に熱圧着することで、膜電極接合体が得られる。この時、熱圧着を良くする為にプロトン伝導性高分子電解質を溶剤に溶かした結着剤が使用されることもある。ここにセパレータや補助的な装置(ガス供給装置、冷却装置など)を組み立て、単一あるいは積層することにより燃料電池を作製することが出来る。また、一例として熱圧着を挙げたが、スプレー等でワニスをカーボン繊維やカーボンペーパー等に塗布しても良い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
[触媒ワニスの調製]
表1に示す重量%濃度でスルホン酸基が導入された無定形炭素とプロトン伝導性高分子電解質と白金触媒付きカーボンとを溶媒に混合し触媒ワニスを調製した。ここで固形分とはスルホン酸基が導入された無定形炭素とプロトン伝導性高分子電解質と白金触媒付きカーボンをいう。これらをボールミルで混錬し調製した。全固形分%が10%、15%のものを用意した。粘度は山一電機株式会社製ビスコメイトVM−1A−MHで測定した。
〔実施例〕
[触媒ワニスの調製]
表1に示す重量%濃度でスルホン酸基が導入された無定形炭素とプロトン伝導性高分子電解質と白金触媒付きカーボンとを溶媒に混合し触媒ワニスを調製した。ここで固形分とはスルホン酸基が導入された無定形炭素とプロトン伝導性高分子電解質と白金触媒付きカーボンをいう。これらをボールミルで混錬し調製した。全固形分%が10%、15%のものを用意した。粘度は山一電機株式会社製ビスコメイトVM−1A−MHで測定した。
触媒ワニスを表1に示す。
プロトン伝導性高分子電解質 :ナフィオン
:スルホン化エンジニアリングプラスチック
全固形分%=(化合物orベンゼンスルホン酸重量+プロトン伝導性高分子電解質重量+白金触媒付きカーボン重量)/(化合物orベンゼンスルホン酸重量+プロトン伝導性高分子電解質重量+白金触媒付きカーボン重量+溶媒重量)×100。
[化合物]
ナフタレンを濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。スルホン酸密度は4.5mmol/gであった。この化合物をふるいにかけ、プロトン伝導度は0.1S/cmであった。
ナフタレンを濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。スルホン酸密度は4.5mmol/gであった。この化合物をふるいにかけ、プロトン伝導度は0.1S/cmであった。
[触媒層の形成と膜電極接合体の製造]
上記触媒ワニスa〜hをカーボン繊維に白金触媒担持量が0.3mg/cm2になるよう塗布し乾燥を行い、触媒層を含有する電極を作った。この電極をプレス機でナフィオン112またはスルホン化エンジニアリングプラスチックの電解質膜に熱圧着することで、アノード及びカソード電極が形成された膜電極接合体を得た。
上記触媒ワニスa〜hをカーボン繊維に白金触媒担持量が0.3mg/cm2になるよう塗布し乾燥を行い、触媒層を含有する電極を作った。この電極をプレス機でナフィオン112またはスルホン化エンジニアリングプラスチックの電解質膜に熱圧着することで、アノード及びカソード電極が形成された膜電極接合体を得た。
膜電極接合体の例と、それぞれの白金触媒担持量を表2に示す。
[評価方法]
水素吸着面積:各種膜電極接合体にセパレータを張り合わせ、これを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)で40℃RH100%の条件下、サイクリックボルタンメトリーを行い、水素脱着波から面積を求めた。値が高い方が多くの白金触媒を有効に使っていることになり良い。
出力特性:各種膜電極接合体にセパレータを張り合わせ、これを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)で80℃RH100%の条件下、電流電圧測定を行い、1A/cm2時の出力mW/cm2を計測した。この時一方の極には酸素を、一方の極には水素を流し発電させた。
水素吸着面積:各種膜電極接合体にセパレータを張り合わせ、これを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)で40℃RH100%の条件下、サイクリックボルタンメトリーを行い、水素脱着波から面積を求めた。値が高い方が多くの白金触媒を有効に使っていることになり良い。
出力特性:各種膜電極接合体にセパレータを張り合わせ、これを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)で80℃RH100%の条件下、電流電圧測定を行い、1A/cm2時の出力mW/cm2を計測した。この時一方の極には酸素を、一方の極には水素を流し発電させた。
これらの測定結果を各例毎に表3に示す。
スルホン酸基導入無定形炭素を3%含有した触媒層は水素吸着面積が280cm2/mgと高く、出力特性も700mW・/cm2と高い値を示した(実施例1)。一方、スルホン酸基導入無定形炭素を含まないで作製した触媒層は水素吸着面積が220cm2/mgと低く、出力特性も530mW・/cm2と低い値を示した(比較例1)。また、スルホン酸基導入無定形炭素ではなくベンゼンスルホン酸を使用したところ、水素吸着面積は220cm2/mgと比較例1と変わらず、出力特性も500mW/cm2と低い値を示した(比較例3)。また、実施例1で用いたワニスaの粘度はスルホン酸基導入無定形炭素を3%含有させると、含有させていない時の粘度である400mPa・Sから60mPa・Sと粘度が大きく下げ、白金触媒付きカーボンの凝集を妨げていることがわかった。さらにベンゼンスルホン酸ではこの粘度を下げる効果は小さく、380mPa・Sと低く白金触媒付きカーボンの凝集を妨げていないことがわかった(表1)。
これらのことから図1のように白金触媒付きカーボンとスルホン酸基導入無定形炭素が馴染み、使用されていない白金触媒付きカーボンの量を減らし、その結果、白金触媒付きカーボンに水素を多く供給させ水素吸着面積があがったことが示唆される。またベンゼンスルホン酸よりも芳香環の面積が大きいスルホン酸基導入無定形炭素では、カーボンとのπ−πスタッキングがより強固にできるので、粘度減少の効果がベンゼンスルホン酸よりも飛躍的に大きかったと思われる。ここでπ−πスタッキングとは芳香族に特有の分子間力である。なお、粘度を400mPa・Sにする為に溶媒の量を減らしたワニスbを用いた実施例2でも水素吸着面積が290cm2・/mgと高く、出力特性も720mW/cm2と高い値を示した。このように本発明では溶媒を減らすことができ、環境負荷を低減することができる。この効果は5%低減と低く見えるが大量生産すればするほどその効果は大きくなる。
スルホン酸基導入無定形炭素の量を3%から20%と増やしたところ、水素吸着面積が280cm2/mg、出力特性が650mW/cm2と少し悪い値を示した(実施例3)。これは逆にプロトン伝導性高分子電解質の量が減ってしまいプロトン伝導性を損なった為と思われる。さらにスルホン酸基導入無定形炭素の量を55%と多くしすぎると、プロトン伝導性高分子電解質が少なすぎて逆に無い場合に比べ出力特性が悪くなった(比較例4)。このことからスルホン酸基導入無定形炭素とプロトン伝導性高分子電解質の割合が重要であることがわかる。
スルホン酸基含有エンジニアリングプラスチックを用いて作成した触媒層でも、スルホン酸基導入無定形炭素を含有することにより、水素吸着面積が280cm2/mgと高く、出力特性も550mW/cm2と高い値を示した(実施例4)。一方、スルホン酸基導入無定形炭素を含有しない場合は、水素吸着面積が200cm2/mgと低く、出力特性も400mW/cm2と低く(比較例2)、ナフィオン112以外の電解質でも効果があることがわかった。
このようにスルホン酸基導入無定形炭素を含有した触媒層は高い水素吸着面積と出力特性が得られる。
スルホン基導入無定形炭素はスルホン化と炭化という非常に簡便なステップで合成され、スルホン酸密度も4.5mmol/gと非常に高くプロトン伝導度が高い材料である。この材料は合成しなくても硫酸ピッチとして大量に産業廃棄されており、リサイクルすることで環境負荷を大幅に低減させることが可能となる。
スルホン酸基導入無定形炭素について、以下の参考例及び参考試験例において詳しく説明する。
最初に本参考例等で用いた測定装置及び測定法について説明する。
13C MAS(Magic angle spinning)核磁気共鳴スペクトルの測定:ASX200(Bruker社製、測定周波数:50.3MHz)を使用して測定した。
X線解析装置:Geigerflex RAD−B,CuKα(株式会社リガク社製)を使用した。
閃光燃焼を用いた元素分析計:CHSN−932(米国LECO社製)を使用した。
プロトン伝導度の測定:交流インピーダンス法によって測定した。即ち、100%相対
湿度下に置かれた直径10mmのフィルム状試料を、白金電極に挟み、密閉セルに封入し、インピーダンスアナライザー(HYP4192A)を用いて、周波数5〜13MHz、印加電圧12mV、温度20℃、50℃、100℃にてセルのインピーダンスの絶対値と位相角を測定した。得られたデータは、コンピュータを用いて発振レベル12mVにて複素インピーダンス測定を行い、プロトン伝導度を算出した。
湿度下に置かれた直径10mmのフィルム状試料を、白金電極に挟み、密閉セルに封入し、インピーダンスアナライザー(HYP4192A)を用いて、周波数5〜13MHz、印加電圧12mV、温度20℃、50℃、100℃にてセルのインピーダンスの絶対値と位相角を測定した。得られたデータは、コンピュータを用いて発振レベル12mVにて複素インピーダンス測定を行い、プロトン伝導度を算出した。
スルホン酸密度の測定:製造した材料1gを蒸留水100mLに分散させ、0.1M水酸化ナトリウム水溶液で滴定することによって求めた。なお、中和点はpHメータを用いて決定した。
〔参考例1〕 ナフタレンからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
20gのナフタレンを300mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
20gのナフタレンを300mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
このスルホン酸基導入無定形炭素の粉末を加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。80℃、湿度100%における上記スルホン酸残基導入無定形炭素のプロトン伝導度は1.1×10-1S/cmであることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
〔参考例2〕 重油からのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
10gの重油を300mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
10gの重油を300mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
このスルホン酸残基導入無定形炭素の粉末を加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。80℃、湿度100%における上記スルホン酸残基導入無定形炭素のプロトン伝導度は1.0×10-1S/cmであることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
〔参考試験例1〕 X線構造解析
参考例1〜2で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の構造を、前述したX線解析装置を用いて解析した。この結果、参考例1〜2で製造したいずれのスルホン酸残基導入無定形炭素においても、X線回折パターンにはいかなる構造も確認することができず、これらの物質はアモルファスであることがわかった。
参考例1〜2で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の構造を、前述したX線解析装置を用いて解析した。この結果、参考例1〜2で製造したいずれのスルホン酸残基導入無定形炭素においても、X線回折パターンにはいかなる構造も確認することができず、これらの物質はアモルファスであることがわかった。
〔参考試験例2〕 硫黄含有量の測定
参考例1〜2で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素を酸素気流中下で燃焼させ、前述した元素分析計を用いて硫黄含有量を測定した。この結果、参考例1、2のスルホン酸残基導入無定形炭素の硫黄含有量は、それぞれ7.1atm%、3.5atm%であり、いずれの物質にも多くのスルホン酸基が存在することが確認された。
参考例1〜2で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素を酸素気流中下で燃焼させ、前述した元素分析計を用いて硫黄含有量を測定した。この結果、参考例1、2のスルホン酸残基導入無定形炭素の硫黄含有量は、それぞれ7.1atm%、3.5atm%であり、いずれの物質にも多くのスルホン酸基が存在することが確認された。
〔参考試験例3〕 熱安定性の評価
参考例1〜2で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の大気中での分解温度を、昇温
脱離法(日本ベル株式会社マルチタスクTPD)及び熱重量分析法(島津製作所DTG−60/60H)により測定した。この結果、参考例1、2のスルホン酸残基導入無定形炭素の分解温度は、それぞれ250℃であり、いずれの物質も熱的安定性が高いことが確認された。
参考例1〜2で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の大気中での分解温度を、昇温
脱離法(日本ベル株式会社マルチタスクTPD)及び熱重量分析法(島津製作所DTG−60/60H)により測定した。この結果、参考例1、2のスルホン酸残基導入無定形炭素の分解温度は、それぞれ250℃であり、いずれの物質も熱的安定性が高いことが確認された。
〔参考例3〕ナフタレンからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造(別法)
20gのナフタレンを300mLの96%濃硫酸に加え、この混合物に窒素ガスを30ml/minで吹き込みながら250℃で15時間加熱することによって黒色の液体が得られた。この液体を排気速度50L/min、到達圧力1.33Pa以下の高真空ロータリーポンプで真空排気しながら250℃で5時間加熱することによって過剰の濃硫酸の除去と炭化の促進を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末を不活性気流中下180℃で12時間加熱した後、300mLの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が前述した閃光燃焼を用いた元素分析計による元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。得られたスルホン酸基導入無定形炭素の13C核磁気共鳴スペクトルを図3に示す。核磁気共鳴スペクトルは、前述した13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定法に従って測定した。図3に示すように、130ppm付近には縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れ、140ppm付近にはスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れた。なお、図3中で、SSBと示したピークは、13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定で特徴的に観測されるスピニングサイドバンドであり、炭素種に由来するものではない。図4には前述したX線解析装置で測定した粉末X線回折パターンを示した。図4に示すように、炭素(002)面と(004)面の回折ピークが確認された。(002)面の回折ピークの半値幅(2θ)は11°であった。また、このスルホン酸基導入無定形炭素のスルホン酸密度は4.9mmol/gであった。
20gのナフタレンを300mLの96%濃硫酸に加え、この混合物に窒素ガスを30ml/minで吹き込みながら250℃で15時間加熱することによって黒色の液体が得られた。この液体を排気速度50L/min、到達圧力1.33Pa以下の高真空ロータリーポンプで真空排気しながら250℃で5時間加熱することによって過剰の濃硫酸の除去と炭化の促進を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末を不活性気流中下180℃で12時間加熱した後、300mLの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が前述した閃光燃焼を用いた元素分析計による元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。得られたスルホン酸基導入無定形炭素の13C核磁気共鳴スペクトルを図3に示す。核磁気共鳴スペクトルは、前述した13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定法に従って測定した。図3に示すように、130ppm付近には縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れ、140ppm付近にはスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れた。なお、図3中で、SSBと示したピークは、13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定で特徴的に観測されるスピニングサイドバンドであり、炭素種に由来するものではない。図4には前述したX線解析装置で測定した粉末X線回折パターンを示した。図4に示すように、炭素(002)面と(004)面の回折ピークが確認された。(002)面の回折ピークの半値幅(2θ)は11°であった。また、このスルホン酸基導入無定形炭素のスルホン酸密度は4.9mmol/gであった。
このスルホン酸基導入無定形炭素の粉末を加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。プロトン伝導度は1.1×10-1S/cmであることが確認された。この結果は、上記スルホン酸基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
1・・・白金触媒付きカーボン
2・・・スルホン酸基が導入された無定形炭素
3・・・電解質
4・・・白金触媒
11・・・電解質にプロトンを供給できる白金触媒付きカーボン
12・・・電解質にプロトンを供給できない白金触媒付きカーボン
13・・・プロトン伝導性高分子電解質
14・・・白金触媒
2・・・スルホン酸基が導入された無定形炭素
3・・・電解質
4・・・白金触媒
11・・・電解質にプロトンを供給できる白金触媒付きカーボン
12・・・電解質にプロトンを供給できない白金触媒付きカーボン
13・・・プロトン伝導性高分子電解質
14・・・白金触媒
Claims (10)
- スルホン酸基が導入された無定形炭素を含むことを特徴とする燃料電池用触媒層。
- スルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01S/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒層。
- スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出され、プロトン伝導性を示すことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒層。
- スルホン酸基が導入された無定形炭素の粉末X線回折において炭素(002)面の回折ピークのみが検出される請求項1に記載の燃料電池用触媒層。
- スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、2〜12mmol/gである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層。
- スルホン酸基が導入された無定形炭素が重量比で0.1%から50%含まれるところの請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層。
- スルホン酸基が導入された無定形炭素が重量比で0.5%から10%含まれるところの請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層。
- 白金担持量が単極で0.3mg/cm2以下で80℃1A時0.7W/cm2以上の出力を満たすところの請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の触媒層を用いたことを特徴とする膜電極接合体。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の触媒層を用いたことを特徴とする燃料電池。
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|---|---|---|---|---|
| JP2008066110A (ja) * | 2006-09-07 | 2008-03-21 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用電解質および燃料電池 |
| JP2008218260A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-09-18 | Toppan Printing Co Ltd | 燃料電池用電極触媒層、それを用いて成るmea(電解質膜電極接合体)および固体高分子型燃料電池 |
| JP2009231158A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Toppan Printing Co Ltd | 燃料電池用電極触媒層、膜電極接合体、燃料電池及び燃料電池用電極触媒層の製造方法 |
-
2006
- 2006-02-03 JP JP2006026848A patent/JP2007207652A/ja active Pending
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