以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーションシステムの概略図である。図示するように、本実施形態のナビゲーションシステムは、車両に搭載された車載用ナビゲーション装置1000と、無線基地局3000およびネットワーク4000を介して接続された交通情報配信センタ2000と、FM多重放送局5000と、ビーコン5500と、交通情報管理センタ6000と、天気情報管理センタ7000と、を有する。
交通情報管理センタ6000は、各地域の最新の交通情報を管理しており、これらの交通情報を、交通情報配信センタ2000、FM多重放送局5000およびビーコン5500に配信する。
天気情報管理センタ7000は、各地域の天気情報を管理しており、これらの天気情報を、FM多重放送局5000に配信する。
FM多重放送局5000は、交通情報管理センタ6000より配信された各地域の交通情報に基づいて作成された、地図を複数に分割することで得られるメッシュ領域各々の概略現況交通データをFM多重放送信号として放送する。概略現況交通データは、対応するメッシュ領域に存在する道路を構成するリンク毎に、現在(最新)の交通情報より定まるリンク渋滞度を含んでいる。また、FM多重放送局5000は、交通規制されているリンクの情報である交通規制情報をFM多重放送信号として放送する。さらに、FM多重放送局5000は、天気情報管理センタ7000より配信された各地域の天気情報をFM多重放送信号として放送する。なお、天気情報管理センタ7000からの天気情報は、FM多重放送局5000からではなく、後述する交通情報配信センタ2000から配信されることもあり得る。
ビーコン5500は、ビーコンが設置された地域周辺の概略現況交通情報を電波または光を媒体として後述するビーコン受信装置13に配信する。電波ビーコンは主に高速道路に設置され、光ビーコンは主に主要幹線道路に設置される。
交通情報配信センタ2000は、図2に示すように、そのデータベース2010に地図データのバージョン2101毎に現況交通データ2100を管理している。また、地図を複数に分割することで得られるメッシュ領域(メッシュID)2102毎に現況交通データ2100を管理している。現況交通データは、対応するメッシュ領域に存在する道路を構成するリンク(リンクID)2103毎に、現在(最新)の交通情報より定まるリンク旅行時間(あるいはリンク移動速度)とリンク渋滞度とを含んでいる。
さらに、交通情報配信センタ2000は、そのデータベース2010に、未提供リンク補間情報2200をメッシュID2203毎に管理している。ここで未提供リンク補間情報について説明する。現況交通データは、特定のリンクに設置された車両感知器や渋滞感知器等の交通情報収集装置から受信した現況の交通情報から定められる。交通情報収集装置は、通常、効率よく交通情報を収集するため、交通量の多い地点や主要交差点近辺等、信号機の配備されている周辺地点に設置される。したがって、地図データとしてリンクIDが規定されていても、旅行時間(移動速度)等の現況交通データ2100が提供されないリンク(「未提供リンク」という)も存在する。本実施形態では、このような未提供リンクについて、未提供リンク補間情報を用いて、旅行時間、移動速度を求める。これにより、未提供リンクを含めて経路探索でき、より精度の高い推奨経路探索が可能となる。
未提供リンク補間情報は、交通情報配信センタ2000において、現況の交通情報を基に生成される。未提供リンク補間情報は、例えば、交通情報配信センタ2000の不図示の情報算出部より以下のようにして生成される。まず、情報算出部は、メッシュ毎に、そのメッシュの中で同じ属性を有するリンクを抽出する。次に、情報算出部は、抽出したリンクの現況交通データから、同じ属性のリンク毎に、平均旅行時間、平均移動速度等を求める。データベース2010は、求めた平均旅行時間、平均移動速度を、その属性を有する未提供リンクの補間情報として格納する。この未提供リンク補間情報の生成方法によれば、周囲の状況、例えば、渋滞の度合いに応じて、未提供リンク補間情報も変化する。したがって、未提供リンクについて、より現況の交通状況に近い旅行時間、移動速度を求めることができる。また、未提供リンクについて、統計交通データを用いるよりも、より現況の交通状況に近い旅行時間、移動速度を求めることができる。
未提供リンク補間情報としては、例えば、道路属性(都市間高速道路、国道、県道といった属性)2201毎の速度パラメータ2202、道幅毎の速度パラメータ等が挙げられる。
車載用ナビゲーション装置1000は、メッシュ領域毎に、統計交通データを保持している。統計交通データは、対応するメッシュ領域に存在する道路を構成するリンク毎に、過去に収集された交通情報の統計値より定まるリンク旅行時間(あるいはリンク移動速度)とリンク渋滞度とを含んでいる。
以上のような構成において、車載用ナビゲーション装置1000は、FM多重放送局5000、ビーコン5500により受信した現在地(自車位置)周辺に対応するメッシュ領域の概略現況交通データに従い、必要に応じて、無線基地局3000およびネットワーク4000を介して、交通情報配信センタ2000にアクセスし、現在地周辺に対応するメッシュ領域の現況交通データを入手する。そして、交通情報配信センタ2000から入手した現況交通データ、および、車載用ナビゲーション装置1000が予め保持している統計交通データを用いて、現在地から目的地まで推奨経路を探索する。この際、利用する統計交通データを決定するために、FM多重放送局5000より受信した現在地周辺の天気情報を参照する。
なお、交通情報配信センタ2000は、地図データのバージョン毎、メッシュ領域毎に、現況交通データを管理する機能、車載用ナビゲーション装置1000より要求されたメッシュ領域の現況交通データを読み出して車載用ナビゲーション装置1000に送信する機能、未提供リンク補間情報を管理する機能を備えるものであればよい。このような交通情報配信センタ2000は、既存の技術を用いてコンピュータシステム上に構築することができるので、本実施形態では、その詳細な説明を省略する。また、交通情報管理センタ6000、天気情報管理センタ7000、FM多重放送局5000およびビーコン5500についても、既存のシステムを利用して実現可能であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、車載用ナビゲーション装置1000について詳細に説明する。図3は、車載用ナビゲーション装置1000の概略構成図である。図示するように、本実施形態の車載用ナビゲーション装置1000は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、地図・統計交通データ記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、ネットワーク接続装置10と、車内LAN装置11と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13とを有する。
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出し、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを地図・統計交通データ記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている地図データおよび統計交通データと、交通情報配信センタ2000より入手した現況交通データとを用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットで、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。また、演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
地図・統計交通データ記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データおよび統計交通データが記憶されている。
図4は、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている地図データの構成例を示す図である。図示するように、メッシュ領域毎に地図データ310が記憶されている。地図データ310は、メッシュ領域の識別コード(メッシュID)311、および、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ312を有する。リンクデータ312は、リンクの識別コード(リンクID)3121、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報3122、リンクを含む道路の種別情報3123、リンクの長さを示すリンク長情報3124、リンクの旅行時間(あるいは移動速度)情報3125、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)3126などを有する。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、地図データ310には、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。
さらに、地図・統計交通データ記憶装置3には、地図データ310の作成時期等が認識できるようなバージョン情報340が含まれている。
図5は、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている統計交通データの構成例を示す図である。図示するように、メッシュ領域毎に統計交通データ320が記憶されている。統計交通データ320は、メッシュ領域のメッシュID321、および、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクの交通情報統計値(過去に収集された交通情報の統計値)を管理するための管理データ322を有する。メッシュID321は、地図データ310のメッシュID311と同じものを用いている。管理データ322は、階層構造を有する複数のテーブル3221〜3224で構成されている。
テーブル3221は、日の種類を登録するテーブルである。日の種類は、交通情報統計値が異なる傾向を示す単位毎に定めるとよい。ここでは、日の種類として、休日前の平日「平日(休日前)」、休日明けの平日「平日(休日後)」、盆、正月などといった特異日前の平日「平日(特異日前)」、特異日明けの平日「平日(特異日後)」、その他の平日「平日(一般)」、特異日の初日「休日(特異日初め)」、特異日の終日「休日(特異日終り)」、その他の休日「休日(一般)」を含めている。
テーブル3222は、天気の種類を登録するためのテーブルであり、テーブル3221に登録されている日の種類毎に設けられている。天気の種類は、交通情報統計値が異なる傾向を示す単位毎に定めるとよい。ここでは、天気の種類として、「晴れ・曇り」、「雨」、「大雨」、「雪」、「大雪」を含めている。
テーブル3223は、メッシュID321により登録されるメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクIDを登録するためのテーブルであり、テーブル3222に登録されている天気の種類毎に設けられている。リンクIDは、地図データ310のリンクID3121と同じものを用いている。
テーブル3224は、時間帯毎の交通情報統計値を登録するためのテーブルであり、テーブル3223に登録されているリンクID毎に設けられている。時間帯毎の交通情報統計値は、これらの基となる複数の交通情報により特定されるリンク旅行時間(あるいは移動速度)、リンク旅行時間(あるいは移動速度)のばらつき度(分散度)およびリンク渋滞度を含んでいる。また、時間帯毎の交通情報統計値は、これらの基となる交通情報の収集条件(基となる交通情報が収集された日の種類および天気の種類)と対象のリンクとによって分類される。つまり、あるテーブル3224に登録されている時間帯毎の交通情報統計値の対象リンクは、このテーブル3224に対応付けられているテーブル3223のリンクIDにより特定されるリンクであり、これらの統計値の基となる交通情報は、このリンクIDが登録されているテーブル3223に対応付けられているテーブル3222の天気の種類により特定される天気であって、かつ、この天気の種類が登録されているテーブル3222に対応付けられているテーブル3221の日の種類により特定される日に収集された交通情報である。
なお、上記のように、交通情報統計値には、リンク渋滞度(図5では、渋滞、混雑および順調の3レベル)が含まれている。一般に、渋滞度を算出するには、各リンクの制限速度と交通情報統計値から得られる移動速度(リンク長と旅行時間から算出)を比較し決定する必要がある。渋滞度を予め交通情報統計値に含めておくことで、各リンクの渋滞度を、各リンクの制限速度情報を用いることなく決めることができるので、リンクデータに制限速度情報をもたせる必要がなくなる。これにより、リンクデータのデータサイズを小さくできる
また、交通情報統計値には、入手元についての情報である情報源が含まれている。情報源を予め交通情報統計値に含めておき、表示に利用することで、交通情報統計値の確からしさをユーザに判断させることが可能となる。
また、交通情報統計値には、これらの基となる複数の交通情報により特定されるリンク旅行時間のばらつき度(分散度)が含まれている。ばらつき度を予め交通情報統計値に含めておき、表示に利用することで、交通情報統計値より特定されるリンク旅行時間の信頼度をユーザに判断させることが可能となる。
なお、地図・統計交通データ記憶装置3には、上記の地図データおよび統計交通データの他に、座標情報からその座標情報により特定される地点を含むメッシュ領域のメッシュIDを特定するための変換テーブルである第1変換テーブルが記憶されている。ただし、特定地点の座標情報(経度、緯度等)に基づいて計算により、特定地点を含むメッシュ領域のメッシュIDを特定する場合は、第1変換テーブルは必須ではない。また、年月日からテーブル3221で管理されている日の種類を特定するための変換テーブルである第2変換テーブルが記憶されている。
図6は、第2変換テーブルの構成例を示す図である。図示するように、日付331と、その日付331に対応する日の種類332とが対応付けられて登録されている。このような第2変換テーブルを用いることで、日付より日の種類を簡単に特定することができる。例えば、計算ロジックにより日付から日の種類を特定する処理を、車載用ナビゲーション装置に組み込まれたソフトウエアで実行する場合、日の種類の分類をさらに細分化するためには、車載用ナビゲーション装置に組み込まれているソフトウエアを書き換えなければならない。また、年末、盆、GWといった特異日の特定処理が複雑になる。この点、本実施形態では、図6に示すような変換テーブルを用いているので、地図・統計交通データ記憶装置3を構成するDVD-ROMやCD-ROMを交換するだけで、車載用ナビゲーション装置に組み込まれているソフトウエアの変更なしで、分類の細分化に対応することができる。また、特異日も変換テーブルから特定できるようにすることで、複雑な処理なしに対応することができる。
なお、交通情報配信センタ2000は、対応するメッシュ領域の現況交通データをメッシュIDに対応付けて管理している。このメッシュIDは、地図データ310のメッシュID311および統計交通データ320のメッシュID321と同じものである。また、現況交通データは、リンク毎にリンク旅行時間(あるいはリンク移動時間)およびリンク渋滞度がリンクIDに対応付けられて登録されている。リンクIDは、地図データ310および統計交通データ320で用いるリンクIDと同じものである。また、リンク渋滞度は、統計交通データ320で用いるリンク渋滞度と同じ基準により設定される。
図3に戻って説明を続ける。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力すると共に、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットで、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置で現在地(自車位置)を検出するために使用するものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行方向および進行方位を測定する。
ネットワーク接続装置10は、例えば車載用ナビゲーション装置1000に接続された携帯電話等の無線通信装置を制御し、無線基地局3000と公衆回線網やインターネットなどのネットワークとを介して、交通情報配信センタ2000にアクセスする。そして、交通情報配信センタ2000と通信を行う。
車内LAN装置11は、本実施形態の車載用ナビゲーション装置が搭載された車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、ライトの点灯状態情報、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける。
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局5000から送られてくる概略現況交通データ、交通規制情報、および、天気情報を受信する。
ここで、概略現況交通データは、対象とする地域(例えば都道府県単位)に含まれるメッシュ領域毎に、メッシュID(地図データ、統計交通データおよび現況交通データで用いられるメッシュIDと同じもの)と、そのメッシュ領域に含まれる各リンクのリンクIDおよびリンク渋滞度(統計交通データおよび現況交通データで用いられるリンク渋滞度と同じ基準により設定されたもの)と、を含んでいる。
また、交通規制情報は、規制対象リンクのリンクIDと、当該規制対象リンクを含むメッシュのメッシュIDと、を含んでいる。
また、天気情報は、対象とする地域(例えば都道府県単位)に含まれるメッシュ領域のメッシュID(地図データ、統計交通データおよび現況交通データで用いられるメッシュIDと同じもの)、その対象地域の天気の種別(統計交通データ320のテーブル3222に登録されている天気の種類)、および、その天気が続く時間帯(対象時間帯と呼ぶ)の情報を含んでいる。
なお、天気情報は、車載用ナビゲーション装置1000が搭載された車両のワイパー作動状況や、当該車両に搭載された外気温センサの検出値を、車内LAN装置11を介して受信し、その受信結果に基づいて天気を判断してもよい。
ビーコン受信装置13は、ビーコン5500から、FM多重放送受信装置12と同様に、概略現況交通データ、交通規制情報等を受信する。
図7は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、地図・統計交通データ記憶装置3から読み出した地図データ、統計交通データや交通情報配信センタ2000より入手した現況交通データや演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
図8は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路・現況交通データ記憶部43と、経路誘導部44と、地図表示処理部45と、現在位置演算部46と、マップマッチ処理部47と、データ読込部48と、軌跡記憶部49と、メニュー表示処理部50と、グラフィックス処理部51と、現況交通データ更新部52と、ネットワーク通信部55と、未提供リンク補間情報記憶部53とを有する。
現在位置演算部46は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である現在地(X′,Y′)を定期的に演算し、マップマッチ処理部47に出力する処理を行う。ここで、自車の回転した角度と進む方位との関係を一致させるため、地磁気センサ7から得られる方位データS6と、ジャイロ8から得られる角加速度データS7を積分した角度データとを参照して、自車が進行している方向の絶対方位を推定する。なお、車輪速センサ6のデータおよびジャイロ8のデータを各々積分してゆくと、誤差が蓄積するため、ある時間周期でGPS受信装置9から得られた位置データS8をもとに蓄積した誤差をキャンセルするという処理を施して、現在地の情報をマップマッチ処理部47に出力する。
マップマッチ処理部47は、データ読込部48によって読み込まれた現在地周辺の地図データと、後述する軌跡記憶部49に記憶されている走行軌跡とを互いに照らし合わせ、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在位置演算部46より定期的に出力される現在地を合わせ込むというマップマッチ処理を行う。現在位置演算部46で得られる現在地の情報にはセンサ誤差が含まれているため、さらに位置精度を高めることを目的に、マップマッチ処理を行う。これにより、現在地は、多くの場合、走行道路と一致するようになる。
軌跡記憶部49は、マップマッチ処理部47でマップマッチ処理が施された現在地の情報を、軌跡データとして自車が所定距離走行する度に記憶する。なお、この軌跡データは、これまで走行してきた道路につき、対応する地図上の道路に軌跡マークを描画するために用いられる。
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を地図表示部45に要求し、さらに、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
現況交通データ更新部52は、ネットワーク接続装置10を介して交通情報配信センタ2000から現況交通データを入手し、経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データを更新する。
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のうち最も短い時間で目的地へ到達可能な経路(コスト(旅行時間)の最も少ない経路)を、地図データから検索し、その結果得られた経路を推奨経路として経路・現況交通データ記憶部43に蓄える。本実施形態では、2地点間を結ぶ経路のコスト計算のために、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている統計交通データおよび経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データを用いるようにしている。また、経路探索部42は、予想旅行時間算出・予想到着時刻、信頼度・推定誤差、および、渋滞レベル表示区間・各区間の渋滞レベルも求める処理も行う。
経路誘導部44は、経路・現況交通データ記憶部43に蓄えられた推奨経路の情報と、マップマッチ処理部47から出力された現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また。ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
また、経路誘導部44は、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている統計交通データおよび経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データを用いて、マップマッチ処理部47から出力された現在地から目的地までの予想旅行時間を計算する。そして、計算した予想旅行時間を現在時刻に加算することで、目的地への予想到着時刻を算出し、ユーザに通知する。
さらに、経路誘導部44は、推奨経路の出発地からマップマッチ処理部47より出力された現在地に至るまでに要した実際の旅行時間を計測する。そして、この旅行時間と、経路探索部42がこの推奨経路の探索に用いたコスト(旅行時間)のうち前記出発地から前記現在地に至るまでの区間のコストとを比較し、その比較結果に応じて推奨経路の再探索の必要性を判断する。再探索の必要性ありと判断した場合には、マップマッチ処理部47から出力された現在地を出発地とし、現在時刻を出発時刻として、推奨経路の再探索を経路探索部42に要求する。
データ読込部48は、ディスプレイ2への表示が要求される領域や、経路探索のために要求される領域(出発地および目的地を含む領域)にある地図データおよび統計交通データを、地図・統計交通データ記憶装置3から読み込み準備するように動作する。
地図表示処理部45は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データを地図・統計交通データ記憶装置3から受け取り、グラフィック処理部51が、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、誘導経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、ユーザ操作解析部41から出力される命令を受けて、ディスプレイ2への表示が要求される統計交通データを地図・統計交通データ記憶装置3から受け取り、また、ディスプレイ2への表示が要求される現況交通データを経路・現況交通データ記憶部43から受け取り、ディスプレイ2に表示中の地図上に、各道路の交通情報を重ねて表示するように地図描画コマンドを生成する。
メニュー表示処理部50は、ユーザ操作解析部41から出力される命令を受け、グラフィック処理部51が、様々な種類のメニューやグラフなどを描画するようにメニュー描画コマンドを生成する。
グラフィックス処理部51は、地図表示処理部45およびメニュー表示処理部50で生成されたコマンドを受け、ディスプレイ2に表示する画像データをVRAM26にイメージ展開する。
ネットワーク通信部55は、ネットワーク接続装置10、無線基地局3000、ネットワーク4000を介して、交通情報配信センタ2000から現況交通データや未提供リンク補間情報等の交通に関する情報の受信を行う。
未提供リンク補間情報記憶部53は、交通情報配信センタ2000から配信され、ネットワーク接続装置10、FM多重放送受信装置12、ビーコン受信装置等を介して受信した未提供リンク補間情報を記憶する。
(動作の説明)次に、車載用ナビゲーション装置1000の動作について説明する。図9は、本実施形態の車載用ナビゲーション装置1000の動作の概略を示すフロー図である。
このフローは、ユーザ操作解析部41が、音声入出力装置4あるいは入力装置5を介してユーザより推奨経路の探索要求または予想旅行時間計算等の要求を受け付けることで開始する。そして、出発地設定、目的地設定、出発時刻設定(S100)、経路探索(S101)、推奨経路のディスプレイ表示(S105)を行う。
経路探索処理(S101)は、図10に示すように、統計交通データのみを用いた探索処理(経路探索処理A)(S103)と、統計交通データおよび現況交通データを用いた探索処理(経路探索処理B)(S104)とがある。これらについては後述する。
(経路探索開始のタイミング)図9では、ユーザにより出発地設定、目的地設定、出発時刻設定を受け付けた後、経路探索するようになっているが、本実施形態は、これに限られない。
例えば、イグニション(IGN)ON時に自動的に経路探索を開始するようにしてもよい。図11は、イグニションON時に誘導経路が設定されている場合は、自動的に経路探索を開始する流れを示すフロー図である。この場合、車載用ナビゲーション装置1000は、電源がバッテリーにより供給開始されたことをトリガーとしてイグニションONを判別する。このフローでは、まず、経路探索部42が、イグニションONを確認した後、イグニションOFFからONまでに所定時間(交通状況に変化がないと思われる時間、例えば20分)が経過したかを判定する(S10012)。所定時間経過していない場合は、経路探索部42は、本フローを終了し、通常の処理に戻る。所定時間を経過している場合(S10012でYes)、経路探索部42は、誘導経路が設定されているか判定する(S10013)。誘導経路が設定されていない場合は、経路探索部42は、処理を終了する。誘導経路が設定されている場合、経路探索部42は、出発地を現在地、出発時刻を現在時刻として経路探索を開始する(S10014)。このフローによれば、イグニションOFFからONまでに所定時間が経過し、かつ、誘導経路が設定されている場合、イグニションON後、自動的に経路探索が開始(S10014)される。したがって、ユーザが旅行を再開した時点における推奨経路を自動的に探索するので、最新の現況交通データを考慮した、より精度の高い推奨経路をユーザに提供するものとなる。また、交通状況に変化がないと思われる時間では、再経路探索はしないので、ナビゲーション装置1000の処理負担を軽減できる。具体的に、以下の例を用いて説明する。
通常、ユーザは、目的地に向かって旅行を開始する場合、旅行前に推奨経路探索をして、探索された推奨経路を誘導経路として設定する。ナビゲーション装置1000は、設定された誘導経路を表示する。ユーザは、表示された誘導経路にしたがって旅行を始める。ここで、ユーザが目的地に到着する前に、パーキングエリア等で休憩のために停止することは良くあることである。そして、ユーザは、パーキングエリアで休憩した後、再び、目的地に向かって運転を開始する。以上の旅行の形態において、休憩時間が長いと、その間に交通状況が大きく変化している場合がある。かかる場合、旅行前に設定した誘導経路が必ずしも最適経路とはならない場合がある。これに対して、図11に示すフローによれば、休憩後、車のイグニションがONされれば、自動的に再び経路探索を行う。したがって、現況の交通状況が大きく変化した場合であっても、それを考慮した推奨経路をユーザに提供することができる。一方で、イグニションをOFFしてからONするまでが短時間であった場合(休憩時間が短かった場合等)は、現況の交通状況は変化していないと思われるので、再び経路探索は行わない。これにより、ナビゲーション装置1000が無駄な処理を行うのを防止できる。
また、図12に示すように、イグニションON時に(S10021)、統計交通データのみを使用して探索した経路が予め選択されている場合、例えば、統計交通データのみを使用して経路探索し、その結果が表示されている場合等には(S10022でYes)、イグニションON後、現況交通データを入手し(S10023)、入手した現況交通データを用いて経路探索を開始(S10025)するようにしてもよい。このフローでは、経路探索部42が、統計交通データのみを使用して探索した経路が予め選択されているか否か、すなわち、ユーザから、統計交通データのみを使用して経路探索をして、その結果を表示するように要求されているか否かを判断する。このフローによれば、イグニションONと同時に現況交通データを加味した経路探索を改めて行うので、ユーザにとって使い勝手がよく、かつ、より精度の高い経路探索結果を提供するものとなる。
さらに、図13のフロー図に示すように経路探索処理を進行してもよい。このフローでは、まず、出発地、目的地等を設定後(S10031)、現況交通データの入手を開始する(S10032)。現況交通データの入手が完了(若しくは所定量以上の現況交通データの入手。以下同じ)するまでの間に、統計交通データのみを用いた経路探索処理を行い(S10033)、その探索結果を表示する(S10034)。現況交通データの入手が完了すると(S10035でYes)、統計交通データおよび現況交通データを用いた経路探索処理を行う(S10036)。そして、その結果を表示する(S10037)。なお、どの程度の現況交通データを入手した場合に、現況交通データの入手が完了したと判断するかにつては、予め定めてもよいし、経路探索の目的、現況交通データの入手方法によって変化させてもよい。例えば、出発時刻から、交通状況の変化がないと思われる時刻までに到着しうるリンクについて現況交通データを入手した場合に、現況交通データの入手が完了したと判断することができる。また、出発地から予め定めた範囲内(例えば、10km以内)にある各リンクの情報を入手した場合、到着予想時刻が予め定めた範囲内(例えば、1時間以内)にある各リンクの情報を入手した場合に、況交通データの入手が完了したと判断するようにしてもよい。経路探索の目的に応じて、その目的を達成できる範囲の現況交通データを入手した場合に、入手が完了したとしてもよい。例えば、幹線道路のみで経路探索する場合は、出発地周辺の幹線道路の現況交通データを入手した場合に、入手が完了したと判断できる。また、現況交通データ入手元が、FM多重放送局5000やビーコン5500である場合は、その時に受信できる現況交通データを入手した場合に、入手を完了したと判断してもよい。
このフローによれば、通信手段の影響等で現況交通データを入手するまでに時間がかかる場合であっても、予め記憶された統計交通データを用いて経路探索を行い推奨経路を表示できる。そして、現況交通データが入手され次第、それを用いた経路探索を再び行うので、最終的に精度の高い経路探索結果を表示することとなる。したがって、ユーザにとっては、経路探索結果が表示されるまで長時間待たされることがなく、かつ、最終的に精度の高い経路探索結果を得られるので使い勝手のよいものとなる。
図9に戻って説明する。以下に、それぞれの処理について、具体的に説明する。
出発地、目的地、出発時刻設定処理(S100)では、ユーザ操作解析部41が、出発地、目的地、出発時刻を経路探索部42に設定する。具体的には、推奨経路の探索要求を受け付けた時にマップマッチ処理部47より出力された現在地を出発地に設定する。また、現在時刻を出発時刻に設定する場合は、図示していない内蔵タイマなどを用いて推奨経路の探索要求を受け付けた時に取得した現在時刻を出発時刻に設定する。目的地の設定は、ユーザの指示に基づき行われる。例えばユーザ操作解析部41が、メニュー表示処理部50およびグラフィックス処理部51を介してディスプレイ2に、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3から読み込んだ地図データに登録されている地図構成物の情報を表示させ、音声入出力装置4あるいは入力装置5を介してユーザより、この表示中の地図構成物の情報の中から目的地を選択させる。あるいは、ユーザによって予めRAM22などの記憶装置に登録されている地点(登録地)の情報を表示させ、音声入出力装置4あるいは入力装置5を介してユーザより、この表示中の登録地の情報の中から目的地を選択させる。さらには、ユーザ操作解析部41が、地図表示処理部45およびグラフィックス処理部51を介してディスプレイ2に、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3から読み込んだ地図データより特定される地図を表示させ、音声入出力装置4あるいは入力装置5を介してユーザより、地図上にて地点の指定を受け付けることで、目的地を選択させる。
(経路探索処理)次に、経路探索処理(S101)について説明する。以下は経路探索処理の一例である。
ここで説明する経路探索処理には、図10に示すように、統計交通データのみを用いた探索処理(経路探索処理A)と、統計交通データおよび現況交通データを用いた探索処理(経路探索処理B)とがある。
そこでまず、経路探索処理Bで用いられる現況交通データの更新動作について説明する。図14は、現況交通データ更新動作を説明するためのフロー図である。
まず、現況交通データ更新部52は、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3より上記の第1変換テーブルを読み出す。そして、第1変換テーブルを用いて、マップマッチ処理部47より出力された現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを特定する。それから、現況交通データ更新部52は、FM多重放送受信装置12を介してFM多重放送局5000から受信した概略現況交通データの中に、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ概略現況交通データが含まれているか否かを判断する(S301)。
FM多重放送局5000から受信した概略現況交通データの中に現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ概略現況交通データが含まれている場合(S301でYes)、現況交通データ更新部52は、経路・現況交通データ記憶部43に、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データが既に記憶されているか否かを調べる(S302)。
S302において、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データが既に記憶されている場合、現況交通データ更新部52は、図示していない内蔵タイマ等を用いて、前回現況交通データを入手してから第1の所定時間(それより短い時間では交通状況の変化が期待できない時間間隔、例えば10分)を経過しているか否かをさらに調べる(S303)。第1の所定時間を経過している場合(S303でYes)、現況交通データ更新部52は、現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれているリンク各々について、概略現況交通データが示すリンク渋滞度と現況交通データが示すリンク渋滞度との差分を求める。そして、この差分が所定値より大きいリンクのリンク数(もしくはこのリンク数の現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれている全リンク数に対する割合)が、所定の閾値より多いか否をさらに調べる(S304)。
さて、現況交通データ更新部52は、前記差分が所定値より大きいリンクのリンク数(もしくはこのリンク数の現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれている全リンク数に対する割合)が、前記所定の閾値より多い場合(S304でYes)、ネットワーク接続装置10を介して交通情報配信センタ2000にアクセスし、交通情報配信センタ2000から現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データを入手する。そして、入手した現況交通データを、経路・現況交通データ記憶部43に記憶する(S311)。それから、S312に移行する。
一方、現況交通データ更新部52は、前回現況交通データを入手してから第1の所定時間を経過していない場合(S303でNo)、あるいは、前記差分が所定値より大きいリンクのリンク数(もしくはこのリンク数の現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれている全リンクに対する割合)が、前記所定の閾値より少ない場合(S304でNo)、S309に移行する。
S302において、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データが未だ経路・現況交通データ記憶部43に記憶されていない場合、現況交通データ更新部52は、FM多重放送受信装置12を介してFM多重放送局5000から、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDおよび現在時刻を含む時間帯の天気情報を入手する(S305)。なお、車内LAN装置11を介して受信したワイパーの作動状況情報や外気温情報から天気を判断し、その判断結果を天気情報として利用してもよい。
次に、現況交通データ更新部52は、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3より上記の第2変換テーブルを読み出す。そして、第2変換テーブルを用いて、本日(出発日)の日の種類を特定する(S306)。なお、本日の日付が第2変換テーブルに登録されていない場合は、計算ロジックにより日付から日の種類を特定する処理を、車載用ナビゲーション装置に組み込まれたソフトウエアで実行することで、本日に対応する日の種類を特定するようにしてもよい。このようにすることで、第2変換テーブルに登録されている日付の範囲を超えた場合でも、処理を継続実行させることができる。
次に、現況交通データ更新部52は、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3より、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ統計交通データ320を読み出す。そして、読み出した統計交通データ320から、S305で特定した日の種類およびS306で入手した天気情報により特定される天気の種類に対応付けられている各リンクについて、現在時刻を含む時間帯の交通情報統計値を特定する(S307)。
それから、現況交通データ更新部52は、現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれているリンク各々について、概略現況交通データが示すリンク渋滞度と特定した交通情報統計値が示すリンク渋滞度との差分を求める。そして、この差分が所定値より大きいリンクのリンク数(もしくはこのリンク数の現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれている全リンク数に対する割合)が、所定の閾値より多いか否をさらに調べる(S308)。
さて、S308において、前記差分が所定値より大きいリンクのリンク数(もしくはこのリンク数の現在地周辺を含むメッシュ領域に含まれている全リンク数に対する割合)が、前記所定の閾値より多い場合、現況交通データ更新部52は、S311に移行し、交通情報配信センタ2000から入手した現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データを、経路・現況交通データ記憶部43に記憶する(S311)。それから、S312に移行する。一方、前記所定の閾値より少ない場合は、S309に移行する。
次に、S309において、現況交通データ更新部52は、FM多重放送受信装置12を介してFM多重放送局5000から受信した交通規制情報の中に、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ交通規制情報が含まれているか否か或いは交通規制情報に変化が発生したかを調べる。含まれている或いは変化した場合、現況交通データ更新部52は、S311に移行し、交通情報配信センタ2000から入手した現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データを、経路・現況交通データ記憶部43に記憶する(S311)。それから、S312に移行する。一方、含まれていない或いは変化しない場合は、S310に移行する。
次に、S310において、現況交通データ更新部52は、図示していない内蔵タイマ等を用いて、前回現況交通データを入手してから第2の所定時間(交通状況の変化が期待できる時間間隔であって第1の所定時間より長い時間、例えば30分)を経過しているか否かを調べる。第2の所定時間を経過している場合(S310でYes)、現況交通データ更新部52は、S311に移行し、交通情報配信センタ2000から入手した現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データを、経路・現況交通データ記憶部43に記憶する(S311)。それから、S312に移行する。一方、第2の所定時間を経過していない場合(S310でNo)、直ちにS312に移行する。
S312において、現況交通データ更新部52は、図示していない内蔵タイマ等を用いて、第3の所定時間(概略現況交通データの更新が期待できる時間間隔であって第1の所定時間より短い時間、例えば5分)を経過するのを待って、S301に戻る。
このフローによれば、(1)統計交通データが示すリンク渋滞度と最新の概略現況交通データが示すリンク渋滞度とが異なる場合、(2)経路・現況交通データ記憶部43に記憶済みの現況交通データが示すリンク渋滞度と最新の概略現況交通データが示すリンク渋滞度とが異なる場合、(3)現在地周辺の交通規制情報を入手した場合、(4)現況交通データを前回入手してから第2の所定時間を経過した場合の、いずれかに該当する場合に、新たな現況交通データが入手されて経路・現況交通データ記憶部43に記憶される。但し、現況交通データを前回入手してから第1の所定時間を経過していない場合、現況交通データの入手は行われない。このようにすることで、交通情報配信センタ2000へのアクセスを頻度が抑制しつつも、現況交通データが古くなりすぎるのを防止できる。
以上、現況交通データの更新動作の一例について説明したが、本実施形態はこれに限られない。概略現況交通データは、ビーコン5500からビーコン受信装置13を介して入手することもできる。また、現況交通データの入手は、以下のようにしてもよい。
現況交通データの入手は、ネットワーク通信部55が、ネットワーク接続装置10、無線基地局3000、ネットワーク4000を介して行う。かかる場合、図15に示すように、ネットワーク通信部55は、まず、自己が保有する地図データ310のバージョン情報340を交通情報配信センタ2000に送る。これに応じて、交通情報配信センタ2000は、地図データのバージョンに適合した現況交通データを、ネットワーク通信部55に送る。これにより、車載用ナビゲーション装置1000が保有する地図データが旧バージョンのものである場合であっても、旧バージョンの地図データに適合した現況交通データを受信することができる。具体的には、例えば、車載用ナビゲーション装置1000が保有する地図データ310が旧バージョンであり、旧バージョンの地図データでは、ある道路が1リンクとして扱われていたが、新バージョンの地図データでは2リンクとして扱われている場合がある。かかる場合に、旧バージョンのリンクで表現された現況交通データと、新バージョンのリンクで表現された現況交通データを両方同時に受信し、その中から旧バージョンのリンクで表現された現況交通データのみを採用するとすると処理効率が悪い。一方、旧バージョンの地図データを保有していることを、あらかじめ交通情報配信センタ2000に伝えるようにすれば、旧バージョンのリンクで表現された現況交通データのみを効率よく入手でき、迅速な処理をすることができるようになる。
以上、現況交通データの更新処理について説明した。
次に、経路探索処理について、図10のフロー図を用いて説明する。
まず、経路探索部42は、経路・現況交通データ記憶部43に、現在地周辺を含むメッシュ領域のメッシュIDを持つ現況交通データが記憶されているか否かを調べる(S102)。記憶されていない場合は、S103に移行し、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている統計交通データを利用して推奨経路を探索する(経路探索処理A)。一方、記憶されている場合は、S104に移行し、経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データおよび地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されている統計交通データを利用して推奨経路を探索する(経路探索処理B)。
次に、上記の経路探索処理Aについて説明する。図16は、図10のS103での処理(経路探索処理A)を説明するためのフロー図である。
先ず、経路探索部42は、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3より上記の第1変換テーブルを読み出す。読み出した第1変換テーブルを用いて、設定された出発地および目的地を含む領域に含まれる各メッシュ領域のメッシュIDを特定する。そして、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3より、特定したメッシュIDを持つ地図データ310各々に登録されている各リンクデータ312を入手する。また、経路探索部42は、データ読込部48を介して地図・統計交通データ記憶装置3より上記の第2変換テーブルを読み出す。そして、第2変換テーブルを用いて、出発日の日の種類を特定する。なお、出発日の日付が第2変換テーブルに登録されていない場合は、計算ロジックにより日付から日の種類を特定する処理を、車載用ナビゲーション装置に組み込まれたソフトウエアで実行することで、出発日に対応する日の種類を特定するようにしてもよい。このようにすることで、第2変換テーブルに登録されている日付の範囲を超えた場合でも、処理を継続実行させることができる(S10301)。
次に、経路探索部42は、S10301で地図・統計交通データ記憶装置3から読み込んだリンクデータ312を用いて、後述するS10308でヒープテーブルから抽出されたリンク(抽出リンクと呼ぶ)の終了ノードを開始ノードとするリンクを、推奨経路を構成するリンクの候補(候補リンクと呼ぶ)として選出する。ただし、S10308での処理が行われていない場合、つまり、ヒープテーブルにリンクが登録されていない初期段階では、抽出リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクを候補リンクとして選出する代わりに、出発地が存在あるいは出発地に近接する少なくとも1つのリンクを、候補リンクとして選出する(S10302)。
ここで、ヒープテーブルとは、候補リンクのリンクデータを、出発地から当該候補リンクの終了ノードまでの総コスト(総旅行時間)と共に登録するためのテーブルであり、メモリ等の記憶装置に記憶される。
次に、経路探索部42は、抽出リンクの終了ノードへの到着予想時刻を算出する。これは、出発時刻に、ヒープテーブルに登録されている抽出リンクの総コスト(総旅行時間)を加算することで算出できる。また、経路探索部42は、第1変換テーブルを用いて、抽出リンクの終了ノードが位置するメッシュ領域のメッシュIDを特定する。ただし、S10308での処理が行われていない場合、つまり、ヒープテーブルにリンクが登録されていない初期段階では、出発地が位置するメッシュ領域のメッシュIDを特定する。そして、経路探索部42は、FM多重放送受信装置12を介して、前記特定したメッシュIDと、抽出リンクの終了ノードへの到着予想時刻が属する対象時間帯(注目時間帯と呼ぶ)とを有する天気情報を入手する(S10303)。なお、車内LAN装置11を介して受信したワイパーの作動状況情報や外気温情報から天気を判断し、この判断結果を天気情報として利用してもよい。
次に、経路探索部42は、地図・統計交通データ記憶装置3に記憶されているS10303で特定したメッシュIDを持つ統計交通データ320に、データ読込部48を介してアクセスする。そして、この統計交通データ320の管理データ322を用いて、候補リンク各々について、注目時間帯の交通情報統計値であって、且つ、S10301で特定した日の種類およびS10303で入手した天気情報により特定される天気の種類に対応付けられている交通情報統計値を入手する(S10304)。
それから、経路探索部42は、候補リンク各々について、S10304で入手した交通情報統計値を用いて当該候補リンクのコスト(旅行時間)を求める(S10305)。交通情報統計値に旅行時間が含まれている場合は、これをコストとする。旅行時間の代わりに移動速度が含まれている場合は、この移動速度とリンクデータ312より特定されるリンク長とを用いてリンクの旅行時間を計算し、これをコストとする。なお、候補リンクのうち、S10304で交通情報統計値を入手できなかったものがある場合、このリンク候補のリンクデータ312に含まれている旅行時間、あるいは、当該リンクデータ312に含まれている移動速度およびリンク長を用いて計算したリンクの旅行時間を、当該候補リンクのコストとする。
次に、経路探索部42は、候補リンク各々の総コスト(出発地から候補リンクの終了ノードまでの総旅行時間)を算出する。具体的には、ヒープテーブルに登録されている抽出リンクの総コストに、S10305で算出した候補リンクのコストを加算し、その加算結果を当該候補リンクの総コストとする。ただし、ヒープテーブルに抽出リンクが登録されていない初期段階では、S10305で算出した候補リンクのコストを当該候補リンクの総コストとする。それから、経路探索部42は、候補リンク各々のリンクデータおよび総コストをヒープテーブルに追加する(S10306)。
次に、経路探索部42は、直前に行ったS10306にてヒープテーブルに新たに追加されたリンクの中に、目的地が存在あるいは目的地に近接するリンク(目的地リンクと呼ぶ)があるか否かを調べる(S10307)。
目的地リンクがないと判断した場合(S10307でNo)、経路探索部42は、ヒープテーブルに登録されている未抽出のリンクの情報を総コストの小さい順にソートし、最初に位置するリンクを抽出するなどして、ヒープテーブルから総コストが最小の未抽出のリンクを抽出する(S10308)。それから、S10302に戻る。
一方、目的地リンクがあると判断した場合(S10307でYes)、経路探索部42は、推奨経路決定処理を行う。具体的には、ヒープテーブルから、目的地リンクを発生させたリンク(目的地リンクの開始ノードを終了ノードとするリンク)を検索し、検出したリンクを推奨経路を構成する構成リンクに決定する。次に、構成リンクが、出発地が存在あるいは出発地に近接する出発地リンクであるか否かを調べ、出発地リンクでないならば、この構成リンクを発生させたリンクを検索し、検出したリンクを構成リンクに決定して、それが出発リンクであるか否かをさらに調べる。この処理を、構成リンクが出発リンクであると判断されるまで繰り返すことで、推奨経路を構成する各構成リンクを決定する。それから、経路探索部42は、推奨経路を構成する各構成リンクについて、リンクデータ312およびS10304で入手した交通情報統計値を、経路・現況交通データ記憶部43に記憶する(S10309)。
以上により、推奨経路を構成する各構成リンクの旅行時間は、次のようになる。すなわち、推奨経路を構成する1番目のリンクの旅行時間として、出発時刻(現在時刻)を含む時間帯に対応する交通情報統計値より求まる旅行時間が用いられる。また、推奨経路を構成するn番目(n≧2)のリンクの旅行時間として、当該n番目のリンクと接続するn-1番目のリンクの終了ノードへの予想到着時刻を含む時間帯に対応する交通情報統計値より求まる旅行時間が用いられる。
次に、上記の経路探索処理Bについて説明する。図17は、図10のS104での処理(経路探索処理B)を説明するためのフロー図である。
先ず、経路探索部42は、図16のS10301と同様の処理により、出発地および目的地を含む領域に含まれる各メッシュ領域の各リンクデータ312を入手する。また、本日(出発日)の日の種類を特定する(S10401)。
次に、経路探索部42は、S10401で入手した各リンクデータ312を用いて、後述するS10409でヒープテーブルから抽出された抽出リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクを、推奨経路を構成する候補リンクとして選出する。ただし、S10409での処理が行われていない場合、つまり、ヒープテーブルにリンクが登録されていない初期段階では、抽出リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクを候補リンクとして選出する代わりに、出発地が存在あるいは出発地に近接する少なくとも1つのリンクを、候補リンクとして選出する(S10402)。
次に、各候補リンクのコスト計算を行う(S10420)。図18に、各候補リンクのコスト計算処理の流れを示す。
まず、経路探索部42は、候補リンクが、現況交通データを得たエリア内に存在するリンクかどうかを判定する(S10421)。候補リンクが、現況交通データを得たエリア内に存在するリンクでない場合(S10421でNo)、経路探索部42は、図16のS10403〜S10405と同様に、統計交通データを用いて候補リンクのコスト計算を行う(S10425)。一方、候補リンクが、現況交通データを得たエリア内に存在するリンクである場合(S10421でYes)、経路探索部42は、経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データに、候補リンクのリンク旅行時間(あるいはリンク移動速度)が含まれているか否かを調べる(S10423)。含まれている場合(S10423でYes)、経路探索部42は、経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データから、候補リンクのリンク旅行時間を入手する。あるいは、候補リンクのリンク移動速度を入手する。そして、候補リンクのリンク移動速度と候補リンクのリンクデータ312に含まれているリンク長と用いて、候補リンクのリンク旅行時間を算出し、算出した候補リンクのリンク旅行時間を候補リンクのコストとする(S10426)。
一方、経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データに、候補リンクのリンク旅行時間(あるいはリンク移動速度)が含まれていない場合(S10423でNo)、未提供リンク補間情報が提供されているか調べる(S10424)。未提供リンク補間情報が提供されていない場合(S10424でNo)、経路探索部42は、統計交通データを用いて候補リンクのコスト計算を行う(S10425)。一方、未提供リンク補間情報が提供されている場合(S10424でYes)、経路探索部42は、未提供リンク補間情報を用いて旅行時間等を求めた後、候補リンクのコストを計算する(S10427)。
未提供リンク補間情報を用いた旅行時間の算出は、例えば以下のようにして行う。未提供リンク補間情報として、道路属性(都市間高速道路、国道、県道といった属性)に応じた速度パラメータが提供されている場合は、まず、候補リンクがどの道路に属すかを判断する。次に、その属性に対応する速度パラメータを未提供リンク補間情報記憶部53より検索する。そして、検索した速度パラメータを用いて旅行時間を算出する。速度パラメータが、同じ属性のリンクの平均速度である場合は、その平均速度を未提供リンクの移動速度とする。未提供リンク補間情報として、道幅毎の速度パラメータが提供された場合、渋滞度毎の速度パラメータが提供された場合も上記と同様にして、未提供リンクについて旅行時間を求めることができる。
上記、図18に示す処理を各候補リンクについて行う。上記フローによれば、出発地(現在地)周辺については、現況交通データ、未提供リンク補間情報、統計交通データの順に優先的に用いて候補リンクのコスト計算を行う。出発地(現在地)の遠方については、統計交通データを用いて候補リンクのコスト計算を行う。しがって、精度の高いリンクコストが提供できる。
なお、S10423において、経路・現況交通データ記憶部43に記憶されている現況交通データに、候補リンクのリンク旅行時間(あるいはリンク移動速度)が含まれると判断した場合(S10423でYes)、以下の処理をするようにしてもよい。まず、経路探索部42は、抽出リンクの終了ノードへの到着予想時刻を算出する。そして、この予想到着時刻と現在時刻との差分が所定値以内であるか否かをさらに調べる。ここで、所定値は、交通状況に大きな変化が表れるには短すぎると考えられる時間、つまり、現在時刻から所定値を経過した後でも、現況交通データが示す交通状況から大きく変化していることはないと考えられる時間(例えば30分)に設定するとよい。抽出リンクの終了ノードへの到着予想時刻と現在時刻との差分が所定値以上であり、当該到着予想時刻での交通状況が、現況交通データが示す交通状況から大きく変化している可能性が高いと判断された場合、経路探索部42は、S10425に移行し、図16のS10403〜S10405と同様の処理を行う。これにより、統計交通データの交通情報統計値を用いて、各候補リンクのコストを計算する。
図17に戻って説明する。経路探索部42は、候補リンク各々の総コスト(出発地から候補リンクの終了ノードまでの総旅行時間)を算出する。具体的には、ヒープテーブルに登録されている抽出リンクの総コストに、S10425、S10426あるいはS10427で算出した候補リンクのコストを加算し、その加算結果を当該候補リンクの総コストとする。ただし、ヒープテーブルに抽出リンクが登録されていない初期段階では、S10425、S10426あるいはS10427で算出した候補リンクのコストを当該候補リンクの総コストとする。それから、経路探索部42は、候補リンク各々のリンクデータおよび総コストをヒープテーブルに追加する(S10407)。
次に、経路探索部42は、直前に行ったS10407にてヒープテーブルに新たに追加されたリンクの中に、目的地リンクがあるか否かを調べる(S10408)。
目的地リンクがないと判断した場合(S10408でNo)、経路探索部42は、ヒープテーブルに登録されているリンクの情報を総コストの小さい順にソートし、最初に位置するリンクを抽出するなどして、ヒープテーブルから総コストが最小の候補リンクを抽出する(S10409)。それから、S10402に戻る。
一方、目的地リンクがあると判断した場合(S10408でYes)、経路探索部42は、図16のS10309と同様の処理により推奨経路の決定を行い、推奨経路を構成する各構成リンクについて、リンクデータ312および交通情報統計値あるいは現況交通データを、経路・現況交通データ記憶部43に記憶する(S10410)。
以上、経路探索処理(経路探索処理A及び経路探索処理B)について説明したが、本発明に適用できる経路探索処理は、上記に限られない。上記の経路探索処理では、第一変換テーブルを用いて、出発地および目的地を含む領域に含まれる各メッシュ領域のメッシュIDを特定している。本実施形態はこれに限らず、第一変換テーブルを用いずに、位置情報(経度、緯度)を基に、計算により、対応するメッシュIDを特定するようにしてもよい。また、本発明をその要旨の範囲で実施可能であれば、他の経路探索方法を採用することもできる。例えば、想定されるメッシュ領域に含まれる、出発地から目的地までのすべての経路についてダイクストラ法により総当りで調べたのち、その経路の中で旅行時間が最短となる経路を探索する経路探索方法を採用してもよい。この場合でも、未提供リンクについては未提供リンク補間情報を用いて旅行時間を算出することで、未提供リンクを含めて経路探索をすることができる。
また、推奨経路は、特定の条件下における出発地・目的地間の旅行時間が最も短くなる経路としてもよい。例えば、高速道路を除外して経路探索した結果を推奨経路にしたり、特定地方のリンクを除外して経路探索した結果を推奨経路にしたりするなど、ユーザの好みに応じた条件で探索した経路を推奨経路としてもよい。
(予想旅行時間・予想到着時刻を求める処理)予想旅行時間等を求める処理については、上述の経路探索処理の中でも概略を説明した。すなわち、経路探索部42は、経路・現況交通データ記憶部43に登録されている推奨経路を構成する各リンクのリンクデータおよび交通情報統計値あるいは現況交通データを用いて、図16のS10305、図18のS10425、S10426、S10427と同様の処理により各リンクのコストを算出する。そして、推奨経路を構成する各リンクのコストの総和を当該推奨経路の予想旅行時間とする。また、出発時刻(現在時刻)に予想旅行時間を加算した時刻を目的地への予想到着時刻とする。
(信頼度・推定誤差を求める処理)次に、予想旅行時間および予想到着時刻の信頼度・推定誤差を求める処理について説明する。
経路探索部42は、経路探索部経路・現況交通データ記憶部43に登録されている推奨経路を構成する各リンクの交通情報統計値に含まれるばらつき度を用いて、推奨経路を構成する各リンクのコストの誤差を算出する。例えば、ばらつき度「小」の場合は誤差率3%、ばらつき度「中」の場合は誤差率5%、そして、ばらつき度「大」の場合は誤差率10%とする。そして、リンクのコストに、当該リンクのばらつき度に対応する誤差率を乗算して、当該リンクの誤差を算出する。この処理を推奨経路を構成する各リンクに対して行う。なお、交通情報統計値の代わりに現況交通データが登録されているリンクについては、そのリンクのコストに、交通情報統計値より低く設定された所定の誤差率(例えば1%)を乗じて当該リンクの誤差を算出する。また、交通情報統計値および現況交通データの両方共に登録されていないリンク、未提供リンクについては、そのリンクのコストに、交通情報統計値より高く設定された所定の誤差率(例えば15%)を乗じて当該リンクの誤差を算出する。次に、各リンクのコストの誤差の総和を算出し、これを予想旅行時間および予想到着時刻の推定誤差とする。また、推定誤差の予想旅行時間に対する割合(誤差率)を求め、その値に応じて予想旅行時間および予想到着時刻の信頼度を決定する。例えば、前記割合が5%未満ならば信頼度「高」、10%未満ならば信頼度「中」、そして、10%以上ならば信頼度「低」に決定する。
(渋滞レベルを求める処理)次に、渋滞レベルを求める処理について説明する。
経路探索部42は、推奨経路の渋滞レベル表示区間および各表示区間の渋滞レベルを決定する。本実施形態では、推奨経路を複数の区間(渋滞レベル表示区間)に分け、区間単位で渋滞レベルをディスプレイ2に表示できるようにしている。
この処理は、例えば次のようにして行う。すなわち、推奨経路を構成する各リンクの交通情報に含まれる渋滞度を参照し、隣接するリンクが互い同じ渋滞レベルである場合、両リンクを同じ渋滞レベル表示区間に割り当てる。そして、当該区間を前記同じ渋滞レベルに設定する。
あるいは、推奨経路を構成する各リンクの交通情報に含まれる移動速度、もしくは、旅行時間およびリンクデータに含まれているリンク長より求まる移動速度の平均値を参照し、隣接するリンク各々の移動速度の平均値が、予め設定された複数の移動速度帯のうちの同じ移動速度帯に属し、且つ、前記隣接するリンク各々のリンクデータに含まれている道路種別や制限速度が同じである場合、前記隣接するリンク各々を同じ渋滞レベル表示区間に割り当てる。そして、当該区間を、前記移動速度帯と前記道路種別との組み合わせや、前記移動速度帯と前記制限速度と比に応じた渋滞レベルに設定する。
あるいは、推奨経路を複数リンク毎に分割し、その結果得られた区間各々を渋滞レベル表示区間に設定する。そして、渋滞レベル表示区間各々について、当該区間に含まれる複数リンクの交通情報に含まれている移動速度の平均値、もしくは、旅行時間の平均値および前記複数リンクのリンクデータに含まれているリンク長の総和より求まる移動速度の平均値を求める。また、前記複数リンクのリンクデータに含まれている制限速度の平均値を求める。そして、渋滞レベル表示区間各々について、当該区間の渋滞レベルを、前記移動速度の平均値と前記制限速度と比に応じた渋滞レベルに設定する。
なお、渋滞度の交通情報を持たないリンクについては、渋滞レベル不明の渋滞レベル表示区間として取り扱う。
(表示処理)次に、上述のようにして得られた情報の表示処理について説明する。
上記のようにして、予想旅行時間・予想到着時刻、信頼度・推定誤差、および、渋滞レベル表示区間・各区間の渋滞レベルが決定されたならば、ディスプレイ2は、これらの情報を表示する(S105)。具体的には、メニュー表示処理部50は、グラフィックス処理部51を介してディスプレイ2に、予想旅行時間・予想到着時刻、および、渋滞レベル表示区間・各区間の渋滞レベルが分かるようにグラフ表示する。また、予想旅行時間の信頼度・推定誤差、および、予想旅行時間・予想到着時刻の算出に用いた交通情報の情報源も表示する。
図19は、これらの情報の表示の一例を示している。この例は、現在時刻(9時)に出発した場合の予想旅行時間等を表示している。棒グラフ804の長さは予想旅行時間806に比例している。また、グラフ804は、渋滞レベル805を示す少なくとも1つの渋滞レベル表示区間で構成されており、この表示区間の長さも当該区間の旅行時間に比例している。ユーザは、渋滞レベルの高い渋滞レベル表示区間のグラフに示す割合を確認することにより、出発時間候補ごとの経路Xの混雑状況を判断することができる。また、予想旅行時間(予想到着時刻)806に対応付けられて、予想旅行時間(予想到着時刻)の信頼度(推定誤差)807が表示されており、ユーザは、経路Xを使った場合に、どの程度の誤差が生じる可能性があるかを確認することができる。さらに、予想旅行時間(予想到着時刻)806に対応付けられて、予想旅行時間(予想到着時刻)の算出に用いた交通情報の情報源808が表示されている。ユーザは、この情報源808を参照することでも、予想旅行時間(予想到着時刻)806の信頼度をおおよそ判断することができる。
また、図20に示すように、地図表示してもよい。図20では、出発地903および目的地904間の推奨経路905が、各渋滞レベル表示区間での渋滞レベル906が識別できるようにして、地図909上に表示している。また、図15において、符号901は出発時刻、符号907は目的地の予想旅行時間(予想到着時刻)、符号908は予想旅行時間(予想到着時刻)907の信頼度(推定誤差)、そして、符号911は予想旅行時間(予想到着時刻)907の算出に用いた交通情報の情報源である。なお、渋滞レベル表示区間毎に、その渋滞レベル表示区間に到達する予想到着時刻(その渋滞レベル表示区間の1つ前の渋滞レベル表示区間を構成する最終リンクの終了ノードへの予想到着時刻)を、地図上におけるその渋滞レベル表示区間の開始位置に合わせて表示するようにしてもよい。また、渋滞レベル表示区間各々につて、交通情報統計値に基づくものと、現況交通データに基づくものとが識別できるように、表示してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明した。
本実施形態によれば、以上の構成により、現況交通情報の性質を考慮して効率的に入手し、利用することで、効率よく精度の高いナビゲーション装置の処理を行うことができる。
また、交通データを受信する際に、ナビゲーション装置自身が保有する地図データのバージョンを交通データの配信元に予め知らせることで、旧バージョンの地図データを保有している場合であっても、旧バージョンの地図データにあるリンクに適合するよう表現された交通データを効率よく受信することができる。
また、未提供リンク補間情報を受信し、その情報を未提供リンクの旅行時間算出に利用することで、未提供リンクを含めて経路探索ができ、より精度の高い推奨経路探索ができる。
また、イグニションON時に最新の現況交通データを用いて自動的に経路探索を開始するので、ユーザにとって使い勝手のよい車載用ナビゲーション装置が提供される。
なお、上記の実施形態では、FM多重放送信号、ビーコン信号、通信ネットワークを利用して概略現況交通データや天気情報を入手している。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、デジタル地上波放送や衛星ディジタル放送により、概略現況交通データや天気情報を入手するようにしてもかまわない。
また、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
1…演算処理部、2…ディスプレイ、3…地図・統計交通データ記憶装置、4…音声出入力装置、5…入力装置、6…車輪速センサ、7…地磁気センサ、8…ジャイロ、9…GPS受信機、10…ネットワーク接続装置、11…車内LAN装置、12…FM多重放送受信装置、13…ビーコン受信装置、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…DMA、25…描画コントローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、28…A/D変換器、29…SCI、30…PIO、31…カウンタ、41…ユーザ操作解析部、42…経路探索部42…経路・現況交通データ記憶部、44…経路誘導部、45…地図表示処理部、46…現在位置演算部、47…マップマッチ処理部、48…データ読込部、49…軌跡記憶部、50…メニュー表示処理部、51…グラフィックス処理部、53…未提供リンク補間情報記憶部、55…ネットワーク通信部