JP2007223260A - サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間の保存においても、サーマルヘッドとプラテンローラとの貼り付きによる固着を防止するので、記録媒体の搬送を安定化せしめ、良好な印画を形成することが可能なサーマルヘッドおよびサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に設けられた蓄熱層と、前記蓄熱層上に設けられた発熱抵抗体層と、前記発熱抵抗体層上に形成された個別電極及び共通電極と、前記発熱抵抗体層と前記個別電極及び共通電極とを被覆する保護膜層からなるサーマルヘッドにおいて、前記保護膜層の表面に、フッ素系樹脂粒子を揮発性溶剤に溶解したものを塗布および乾燥させ、樹脂被覆層を形成させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ファクシミリやレシートプリンタ等の印画素子として用いられるサーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタに係り、特にサーマルヘッドと記録媒体送り機構部品であるプラテンローラが常に密着しており、離間できないタイプに関するものである。
ファクシミリやレシートプリンタ等の感熱記録や熱転写記録の印画素子としてサーマルヘッドが用いられている。
従来のサーマルヘッドとしては、例えば図2に示すとおり、アルミナセラミックス等から成る基板1上に形成したガラス等の蓄熱層2の上面に、多数の発熱抵抗体層3と個別電極4を直線状に配列させた上、これらを窒化珪素や酸化珪素等の無機質材料から成る保護膜6で被覆した構造のものが知られており、感熱紙等の記録媒体9を外部のプラテンローラ8で保護膜表面に摺動させながら、多数の発熱抵抗体層3を外部からの画像データに基づいて個々に選択的に通電発熱させるとともに、発熱した熱を記録媒体に伝導させ、記録媒体に所定の印画を形成する。
尚、前記保護膜層6は発熱抵抗体層3や個別電極4および共通電極5上を感熱紙等の摺動による磨耗や大気中に含まれている水分等による腐食から保護するためのものであり、係る保護膜層5の形成は、上述の無機質材料を従来スパッタリング等によって発熱抵抗体層3および個別電極4や共通電極5の表面に、所定の厚みを成膜させることによって行なわれる。
さらに、この上にフッ素系の樹脂を焼き付けて、紙カス付着やそれらに伴う記録媒体の搬送不良(スティッキング)を防止しようというものが知られている。
特開2003-039718号公報
しかしながら、上述した特許文献1のサーマルヘッドは、本発明と同様にフッ素系樹脂を使用しているが、以下に述べる機構により構成されるようなサーマルプリンタの要求には対応できない場合がある。
一般に、サーマルプリンタは、サーマルヘッドとサーマルヘッドに対して記録媒体を押圧しつつ搬送するプラテンローラなどの部品で構成される。記録媒体をこの両者の間に挿入する方法しては、両者を離間させて行う場合とそうでない場合がある。離間できない構造のものは、一般に、記録媒体がサーマルヘッドとプラテンローラに近接する位置にあることを確認した場合に、プラテンローラが回転し始め、サーマルヘッドとプラテンローラに挟み込んで搬送を開始する。しかしながら、このサーマルヘッドとプラテンローラが離間できない構造のものは、工場からの出荷後に記録媒体が無い状態で長期間保存された場合などに、一般にゴム製材料であるプラテンローラが、サーマルヘッドの保護膜に張り付いて固着してしまうことがある。
上述した特許文献1のサーマルヘッドの場合、発熱抵抗体層上の保護膜表面にはフッ素系樹脂が存在しないような構成としているため、部分的には張り付きが発生してしまう。また、もし発熱体部の全面に樹脂被覆層の被覆を施した場合、サーマルヘッドの発熱に影響して印画品質を損ねてしまう可能性が高い。
このようなサーマルヘッドとプラテンローラを離間できない構造のものは、記録媒体がない状態で長期間保存されないように、スペーサ等の部材を挟んでおき、使用開始直前に外すというのが一般的であった。
本発明は上記欠点に鑑みて考案されたもので、その目的は、長期間の保存においても、サーマルヘッドとプラテンローラとの貼り付きによる固着を防止して、記録媒体の搬送を安定化せしめ、その後の印刷開始後には、記録媒体に良好な印画を形成することが可能なサーマルヘッド及びサーマルプリンタを提供することにある。
絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に設けられた蓄熱層と、前記蓄熱層上に設けられた発熱抵抗体層と、前記発熱抵抗体層上に形成された個別電極及び共通電極と、前記発熱抵抗体層と前記個別電極及び共通電極とを被覆する保護膜層からなるサーマルヘッドにおいて、前記保護膜層の表面に、フッ素系樹脂粒子を揮発性溶剤に溶解したものを塗布および乾燥させ、樹脂被覆層を形成させた。
その結果、サーマルヘッドの表面上には、妨汚作用があり摩擦係数の小さなフッ素系樹脂粒子による樹脂被覆層が形成され、サーマルヘッドとプラテンローラの長期間の保存によって張り付くことがなくなる。
また、このフッ素系樹脂粒子は、弱い接着力でサーマルヘッドの保護膜上に付着しているだけなので、最初の記録紙の搬送によって、樹脂被覆層が簡単に発熱体部より掻出されて、その後のサーマルプリンタの印画品質に影響を与えることがない。
本発明によれば、基板の上面に多数の発熱抵抗体層を配列させるとともに該多数の発熱抵抗体層を無機質材料から成る保護膜を被覆してなるサーマルヘッドにおいて、前記保護膜の表面に、フッ素系樹脂から成る樹脂被覆層を被着させるようにしたことから、樹脂被覆層を形成するフッ素系樹脂の防汚作用や摩擦係数が小さいという特性により、サーマルヘッドとプラテンローラが貼り付くことがなくなるので、サーマルヘッドとプラテンローラが離間できないサーマルプリンタにおいても、長期間の保存後においても安定して記録紙の搬送を行うことが可能になる。
また、このフッ素系樹脂粒子は、溶剤に溶解された状態で、サーマルヘッドの保護膜上に塗布されたものなので、弱い接着力で付着しているだけであり、最初の記録紙の搬送によって、樹脂被覆層が簡単に発熱体部より掻出される。その結果、その後のサーマルヘッドの発熱と記録紙の搬送が繰り返されるサーマルプリンタの印画品質に影響を与えることがない。
さらに、本発明の方法によれば、サーマルヘッド表面にフッ素系樹脂粒子を揮発性溶剤に溶解したものを塗布し、常温による自然乾燥を行うだけなので、熱処理を伴う方法等と比較して非常に簡便に被覆することが可能であるので、製造コストを著しく抑えることが可能である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係るサーマルプリンタのサーマルヘッドとプラテンローラの断面図、図2は従来の通常のサーマルプリンタのサーマルヘッドとプラテンローラの断面図ある。
基板1は、サーマルヘッドで一般的に用いられるアルミナセラミックス基板等の絶縁性基板である。アルミナセラミックス基板を使用する場合、基板1上には発熱した発熱抵抗体層3の熱量を基板に放出させにくくするためのガラス等の蓄熱層2が形成される。
以下、薄膜プロセスを用いたサーマルヘッドを例に詳述する。蓄熱層2上には、スパッタリングやCVD(化学気相成長法)、蒸着等の薄膜形成法によって、窒化タンタル、ニクロムをはじめとする金属化合物等による発熱抵抗体層3を積層し、フォトレジスト材料を用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングを行った後、非フォトレジスト被覆部分を除去するエッチング工程を経て、発熱抵抗体層3のパターンを形成する。同様にアルミニウム、銅、金、銀などからなる個別電極4の配線パターンを積層し、発熱抵抗素子部を形成する。
共通電極6は、個別電極5のみの配線だけでは電圧降下等の問題があるため、必要に応じて蒸着等によりアルミニム等を厚く成膜したり、銀やパラジウム、白金等を印刷で厚く形成する工程等を追加することによって、配線抵抗値の低減を図る。なお、本工程は、発熱体抵抗体層3および個別電極4のパターン形成前に工程設定を行なっても良い。
さらに、上層には発熱抵抗体層3、個別電極4や共通電極5を、感熱紙等の摺動による磨耗や大気中に含まれている水分等の接触による腐食ら保護するための保護膜層6が被覆される。この材料としては、一般的には窒化珪素や酸化珪素系の材料が知られており、その他五酸化タンタルや、サイアロン、炭化シリコン、ダイヤモンドライクカーボンなどが使用されている。
以下に、本発明によるフッ素系樹脂被覆層の形成に関して詳述する。
本発明に使用するフッ素系樹脂粒子は、ポリテトラフロロエチレンやポリクロロトリフロロエチレンなどのフッ素重合体の樹脂である。その中でも、特にポリテトラフロロエチレンは、摩擦係数や耐熱温度が非常に優れており、市場でも最も流通しているフッ素系樹脂である。
本発明では、この樹脂を粉末状にした粒径0.05μm〜5μmものを使用する。この粉末は揮発性溶媒に少量のバインダーとともに混合して使用する。揮発性溶媒は、オゾン破壊係数がゼロのものを使用するのが望ましく、たとえばハイドロフロロエーテルなどが適当である。
このようにして調合されたものを、サーマルヘッドの発熱体部の保護膜層6上に塗布する(塗布工程)。塗布の方法は限定されるものではなく、刷毛等によって行われるのが簡便で望ましい。塗布後、上記の溶剤は非常に揮発性が高く速乾性であり、10秒程度放置すれば樹脂被覆層7が形成される(乾燥工程)。この場合、塗布の回数や溶剤の量によって、形成される樹脂被覆層7の膜厚をおおまかに制御することが可能である。なお、この厚みは0.5μm〜20μmに設定されることが望ましい。
上記サーマルヘッドが組み込まれるサーマルプリンタには、サーマルヘッドの発熱抵抗体層3上に直径5mm〜20mm程度のプラテンローラ8が回転可能な状態で支持され、このプラテンローラ8によって記録媒体9をサーマルヘッドの表面に押圧しつつ記録媒体9を発熱抵抗体層3の配列方向と直交する方向に搬送しながら、サーマルヘッドの発熱抵抗体層3を外部からの画像データに基づいて選択的に発熱させ、これらの熱を記録媒体に伝導させて印画を形成することによって一連の記録動作が行なわれる。
通常、フッ素系樹脂の被覆はサーマルヘッド上に行うだけで良いが、サーマルヘッドではなくプラテンローラ8の方に行っても良い。また、効果を高めるためには、図3に示すように双方に行っても良い。プラテンローラ8に処理する場合、刷毛等による塗布は作業時間が多大となるため、溶液にプラテンローラ8を浸漬する方法が効率的である。
サーマルヘッドとプラテンローラが離間できない構造であるサーマルプリンタは、完成後使用されるまで、サーマルヘッドの保護膜層6とプラテンローラ8が常に押圧された状態にある。この場合、保存時間や保存環境によって、ゴム製材料であるプラテンローラ8がサーマルヘッドの保護膜層6に張り付いてしまうことがある。
本発明によれば、基板の上面に多数の発熱抵抗体層3を配列させるとともに該多数の発熱抵抗体層3を無機質材料から成る保護膜層6を被覆してなるサーマルヘッドにおいて、前記保護膜層6の表面に、フッ素系樹脂から成る樹脂被覆層7を被着させるようにしたことから、樹脂被覆層7を構成するフッ素系樹脂の防汚作用や摩擦係数が小さいという特性により、サーマルヘッドとプラテンローラが貼り付くことがなくなるので、サーマルヘッドとプラテンローラが離間できないサーマルプリンタにおいて、長期間保存後においても常に安定して記録紙の搬送を行うことが可能になる。
このようなサーマルヘッドとプラテンローラが離間できないサーマルプリンタの使用例としては、サーマルヘッドとプラテンローラ8に近接する位置に記録媒体9の有無を感知するセンサを備え、記録媒体9を検出するとプラテンローラ8が回転し、記録媒体9を搬送し始める構造のサーマルプリンタがある。
以上のように、樹脂被覆層7の防汚作用や摩擦係数が小さいという特性により、サーマルヘッドとプラテンローラが貼り付くことがなくなる反面、サーマルヘッドの保護膜上に膜状のものが存在する場合に、印画品質への影響が考えられる。サーマルヘッドとプラテンローラの間に十分な膜厚がある材料が存在する場合、発熱が記録媒体9に伝導しにくくなることが予想されるので、印画品質に悪影響を及ぼすことが容易に推測される。
しかしながら、このフッ素系樹脂粒子は、溶剤に溶解された状態で、サーマルヘッドの保護膜層6上に塗布されたものなので、弱い接着力で付着しているだけであり、最初の記録媒体9の搬送によって、樹脂被覆層7が容易に発熱体部の保護膜層6の上より掻出される。その結果、その後のサーマルヘッドの発熱動作と記録媒体9の搬送が繰り返されるサーマルプリンタの印画品質に影響を与えることがない。
さらに、本発明の方法によれば、サーマルヘッド表面にフッ素系樹脂粒子を揮発性溶剤に溶解したものを塗布し、常温による自然乾燥を行うだけなので、熱処理を伴う方法等と比較して非常に簡便に被覆することが可能であるので、作業工数を低く抑えることができ、製造コストを著しく抑えることが可能である。
また、本発明のように、液体状で塗布することで、材料コストも低く抑えることが可能である。具体的に必要な材料コストは10000円/kg程度であり、2インチサイズのサーマルヘッドは10000個以上処理できるので、1個当たりのコストは1円以下で済むことになる。
尚、本発明は以上述べてきた形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
たとえば、本発明の実施例は、薄膜型サーマルヘッドを使用して説明を行ったが、もちろん厚膜型サーマルヘッドにおいても、同様の効果を得ることが可能である。
本発明に係る第一の実施形態のサーマルヘッドの断面図である。 従来の通常のサーマルヘッドの例(断面図)である。 本発明に係る他の実施形態のサーマルヘッドの断面図である。
符号の説明
1 基板
2 蓄熱層
3 発熱抵抗体層
4 個別電極
5 共通電極
6 保護膜層
7 樹脂被覆層
8 プラテンローラ
9 記録媒体

Claims (11)

  1. 絶縁性基板と、
    前記絶縁性基板上に設けられた蓄熱層と、
    前記蓄熱層上に設けられた発熱抵抗体層と、
    前記発熱抵抗体層上に形成された個別電極及び共通電極と、
    前記発熱抵抗体層と前記個別電極及び共通電極とを被覆する保護膜層と、
    前記保護膜層の表面に、フッ素系樹脂粒子を揮発性溶剤に溶解したものを塗布および乾燥させたことにより形成した樹脂被覆層と、を含むサーマルヘッド。
  2. 前記フッ素系樹脂粒子は、ポリテトラフロロエチレン樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記フッ素系樹脂粒子は、粒径が0.05μm〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記樹脂被覆層の厚みは0.5μm〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のサーマルヘッドと、前記保護膜層に対して記録媒体を押圧しつつ搬送するプラテンローラと、を備えたことを特徴とするサーマルプリンタ。
  6. 前記プラテンローラに、フッ素系樹脂被覆層を形成させたことを特徴とする請求項5に記載のサーマルプリンタ。
  7. 前記サーマルプリンタは、該サーマルヘッドと前記プラテンローラが離間できない構造であることを特徴とする請求項5に記載のサーマルプリンタ。
  8. 前記サーマルプリンタは、該サーマルヘッドと前記プラテンローラに近接する位置に前記記録媒体の有無を感知するセンサを備え、前記記録媒体を検出すると前記プラテンローラが回転し、前記記録媒体を搬送し始めることを特徴とする請求項5に記載のサーマルプリンタ。
  9. 前記サーマルプリンタは、前記記録媒体を押圧しつつ搬送するにつれて、前記樹脂被覆層が前記保護膜層表面より掻出されることを特徴とする請求項6に記載のサーマルプリンタ。
  10. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に設けられた蓄熱層と、
    前記蓄熱層上に設けられた発熱抵抗体層と、前記発熱抵抗体層上に形成された個別電極及び共通電極と、前記発熱抵抗体層と前記個別電極及び共通電極とを被覆する保護膜層とからなるサーマルヘッドの製造方法において、
    前記保護膜層の表面に、フッ素系樹脂粒子を揮発性溶剤に溶解したものを塗布する塗布工程と、
    前記フッ素系樹脂粒子を前記揮発性溶剤に溶解したものを乾燥させ樹脂被覆層を形成する乾燥工程と、を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  11. 前記乾燥工程は、5℃〜40℃で乾燥させたことを特徴とする請求項11記載のサーマルヘッドの製造方法。
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