JP2007236606A - 超音波信号解析装置、超音波信号解析方法、超音波解析プログラム、超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 - Google Patents

超音波信号解析装置、超音波信号解析方法、超音波解析プログラム、超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来手法の問題点を解決し、簡単かつ迅速なデータ処理によって、高精度にて二次元(又は三次元)的な組織の移動又は変形に関する情報を映像化できる超音波信号解析装置等を提供すること。
【解決手段】Bモード動画データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、組織の複数点に関して求め、組織ドプラ動画データに基づいて、超音波走査方向に沿った組織の複数点の移動速度を求め、第1の移動ベクトルと移動速度とに基づいて、組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求め、当該第2の移動ベクトルに基づいて、組織の運動に関する画像を生成することを特徴とする超音波信号解析装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、組織の動き又は変形の様子を映像化する機能を有する超音波信号解析装置等に関する。
超音波診断装置は、生体内に超音波を送信し、かつ生体内から反射・散乱されてくる超音波を受信することにより、生体内の構造を映像化する医療用映像装置である。近年は、生体内の構造だけでなく、組織の移動や変形の様子(運動情報)を映像化する機能が診断装置上で実現され、その手法が研究されてきている(例えば、特許文献1参照)。それらの手法を大別すると、以下の二つに分類することができる。
一つは、組織ドプラ法と呼ばれる手法である。これは、血液に対するドプラ法と同様なドプラ法を用いて、組織の移動速度を得る手法である。現在では、本手法を実現するハードウェアが、ほとんどの超音波診断装置に実装されている。本手法を実現する処理自体は比較的簡単であるため、リアルタイムにて画像化することが可能であるという長所がある。一方、短所としては、組織の直接的な移動速度はわからず、実際の移動速度の走査線への射影成分しか得ることができない点である。
もう一つは、二次元(又は三次元)トラッキング法と呼ばれる手法である。これは、例えば、二次元トラッキング法を例に取れば、二次元に分布させた受信信号又は超音波画像を用いて、二次元的なトラッキング処理を行う手法である。トラッキング処理としては、相互相関法が代表的である。トラッキング処理により二次元的な移動速度や移動距離が求められ、これを用いて二次元的な変化を評価することが可能である。その一方で、処理が複雑なため多くのデータ処理時間を要すること、フレーム間に発生する信号の変形により追跡が不十分となり、十分な推定精度が得られない等の短所がある。
従って、上記何れかの手法を採用して運動情報を映像化する従来の超音波診断装置では、各手法の短所を抱えることになり、組織の直接的な移動速度の把握、データ処理の迅速性、推定精度のいずれかにおいて十分ではない。
特開2003−175041号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、上記二つの手法の問題点を解決し、簡単かつ迅速なデータ処理によって、高精度にて二次元(又は三次元)的な組織の移動又は変形に関する情報を映像化できる超音波信号解析装置等を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
本発明の第1の視点は、被検体の組織を第1の撮影モードによって超音波走査し取得される複数フレームの第1の超音波データと、前記組織を組織ドプラモードによって超音波走査し取得される複数フレームの第2の超音波データと、を記憶する記憶手段と、前記第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求める第1の移動ベクトル取得手段と、前記第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求める速度演算手段と、前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求める第2の移動ベクトル取得手段と、前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波信号解析装置である。
本発明の第2の視点は、被検体の組織を第1の撮影モードによって超音波走査し取得される複数フレームの第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求めるステップと、前記組織を組織ドプラモードによって超音波走査し取得される複数フレームの第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求めるステップと、前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求めるステップと、前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成するステップと、を具備することを特徴とする超音波信号解析方法である。
本発明の第3の視点は、コンピュータに、被検体の組織を第1の撮影モードによって超音波走査し取得される複数フレームの第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求める機能と、
本発明の第4の視点は、前記組織を組織ドプラモードによって超音波走査し取得される複数フレームの第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求める機能と、前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求める機能と、前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成する機能と、を実現させることを特徴とする超音波信号解析プログラムである。
本発明の第5の視点は、供給される駆動信号に応答して被検体に対し超音波を送信し、当該被検体からのエコー信号を受信する超音波プローブと、前記超音波プローブに前記駆動信号を供給する駆動手段と、第1の撮影モードによって前記被検体の組織を超音波走査し複数フレームの第1の超音波データを取得するように、且つ組織ドプラモードによって前記組織を超音波走査し複数フレームの第2の超音波データを取得するように、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求める第1の移動ベクトル取得手段と、前記第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求める速度演算手段と、前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求める第2の移動ベクトル取得手段と、前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成する画像生成手段と、前記組織の運動に関する画像を表示する表示手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置である。
本発明の第6の視点は、被検体を超音波走査し超音波画像を取得する超音波診断装置の制御方法であって、制御手段が、第1の撮影モードによって前記被検体の組織を超音波走査し複数フレームの第1の超音波データを取得するように、且つ組織ドプラモードによって前記組織を超音波走査し複数フレームの第2の超音波データを取得するように、超音波プローブに駆動信号を供給する駆動手段を制御し、第1の移動ベクトル取得手段が、前記第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求め、速度演算手段が、前記第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求め、第2の移動ベクトル取得手段が、前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求め、画像生成手段が、前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成し、表示手段が、前記組織の運動に関する画像を表示すること、を具備することを特徴とする超音波診断装置の制御方法である。
以上本発明によれば、トラッキング法のみ、又は組織ドプラ法のみによって実現される従来の問題点を解決し、簡単かつ迅速なデータ処理によって、高精度にて二次元(又は三次元)的な組織の移動又は変形に関する情報を映像化できる超音波信号解析装置等を実現できる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
まず、本実施形態に係る超音波診断装置10の構成を、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、本超音波診断装置10は、超音波プローブ11、受信回路13、送信回路14、ビームフォーマ15、コントロールユニット16、B/M処理部19、CFM処理部21、スキャンコンバータ22A、22B、ビデオI/F24、モニタ25、記憶部26、入力ユニット27を具備している。
超音波プローブ11は、送信回路14からの駆動信号(駆動パルス)に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。当該超音波プローブ11から被検体に超音波が送信されると、送信超音波は体内組織の音響インピーダンスの境界、微小散乱等により後方散乱され、反射波(エコー信号)として超音波プローブ11に受信される。
受信回路13は、超音波プローブ11が受信したエコー信号をチャンネル毎に増幅し、ビームフォーマ15に増幅後のエコー信号を出力する。
ビームフォーマ15は、増幅されたエコー信号をA/D変換し、受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、整相加算によるフォーカシングを行う。このフォーカシングにより、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向性(走査線)が決定される。
送信回路14は、送信超音波を形成するため、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)でレートパルスを繰り返し発生し、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。また、送信回路14は、必要な遅延時間が与えられたレートパルスに従って、プローブ11に対してチャンネル毎に駆動電圧パルスを印加する。
なお、後述する移動ベクトル生成処理をリアルタイムで実行する場合には、例えばBモード撮影と組織ドプラモード撮影とを並行して実行する必要がある。係る場合には、送信回路14は、コントロールユニット16の制御のもと、例えば各走査線について数回のBモード送信と後数回のドプラ送信とを実行するように、送信波形を形成する。
コントロールユニット16は、CPU160、メモリ161を有しており、システム全体の制御中枢として、本超音波診断装置10を静的又は動的に制御する。当該コントロールユニット16の制御のもと、データ(超音波信号)は、各ユニットで種々の処理を受け次段のユニットに送り出されるとともに、メモリ161を介して又は直接記憶部26等に保存される。なお、すべての段階での超音波信号を記憶部26に記憶する必要はなく、必要に応じて選択的に記憶してもよい。また、各ユニット内部で処理中の信号が保存可能な構成であってもよい。
また、コントロールユニット16は、後述する移動ベクトル生成処理に関する制御を実行する。より具体的には、記憶部26に記憶されているプログラムを読み出し、これに基づいてメモリ161にシステムを展開することで、本移動ベクトル生成処理を実行する。なお、これに限定されず、ハードウェア構成によって本移動ベクトル生成処理を実行してもよい。
B/M処理部19は、所定の周波数帯域の反射波成分を減衰させ、所望の周波数帯域の反射波成分を抽出するバンドパスフィルタ処理を行った後、包絡線検波を行うことでその包絡線成分を検出する。その後、B/M処理部19は、エコー信号に対して対数圧縮処理及び必要に応じてエッジ強調処理等を実行する。
CFM処理部21は、エコー信号を組織信号と血流信号とに分離するためのハイパスフィルタ処理(「MTIフィルタ処理」、又は「Wallフィルタ処理」とも呼ばれる。)、組織や血流の移動速度を検出するための自己相関処理を実行する。また、CFM処理部21は、必要に応じてエコー信号中の組織信号を低減・削除するための非線形処理を実行する。
スキャンコンバータ22A、22Bは、B/M処理部19、CFM処理部21から入力した信号列を、超音波ビームの送受信に対応した位置にマッピングし、画像化する。
ビデオI/F24は、Bモード/Mモード用の画像信号、CFMからの画像信号、これらの三次元画像、その他の超音波画像に関する種々の情報を各画像と組み合わせ、モニタ表示用にレイアウトされた表示画像を構成し、モニタ25に当該表示画像を表示する。
モニタ25は、DSC23からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的譲歩や、血流情報を画像として表示する。また、造影剤を用いた場合には、造影剤の空間的分布、つまり血流或いは血液の存在している領域を求めた定量的な情報量に基づいて、輝度画像やカラー画像を表示する。
記憶部26は、過去に撮影したBモード画像、組織ドプラ画像等をフレーム毎に記憶している。また、記憶部26は、リアルタイムで撮影されるBモード画像、組織ドプラ画像、後述する運動情報に関する画像等は、メモリ161に一次記憶されると共に、所定の操作に応答して、記憶部26に記憶される。
入力ユニット27は、装置10の本体に接続され、オペレータからの各種指示・命令・情報を装置本体にとりこむための入力装置(マウスやトラックボール、モード切替スイッチ、キーボード等)が設けられる。
(移動ベクトル生成処理)
次に、本超音波診断装置10によって実現される移動ベクトル生成処理について説明する。本処理は、図2に示すように、大きく次のステップに分類することができる。
(1)Bモード動画像等(連続する複数フレームに関するBモード画像等)を利用して、粗くサンプルした追跡点の移動を二次元トラッキング法によって推定し、各点に関する移動ベクトルを求める(ステップS1)。
(2)さらに細かいサンプル点に関する移動ベクトルを、補間処理によって求める(ステップS2)。
(3)全画素において、(2)で求めた移動ベクトルと走査線との角度を用いて、組織ドプラにより別途取得されている速度値を角度補正し、補正速度を求める(ステップS3)。
(4)上記(1)によって求めた移動ベクトルの移動方向と上記(3)によって求めた補正速度とから、各サンプル点に関する第2の移動ベクトルを求める(ステップS4)。
(5)上記(1)乃至(4)の各処理を、各フレーム画像について実行する(ステップS5、S6)。
以下、各ステップについて、図2、及び図3乃至図5を参照しながら詳しく説明する。なお、以下の説明においては、事前に収集され記憶部26に一旦記憶された動画データ(Bモードデータ、組織ドプラデータ)を利用して、事後的に移動ベクトルを生成する場合を例とする。しかしながら、言うまでもなく、撮影によって得られた画像を利用してリアルタイムに移動ベクトルを生成する構成であってもよい。
[ステップS1]
まず、図3に示すように、一のフレーム画像において粗いサンプル点を追跡点として設定し、これと連続するフレーム画像とを利用して、その移動を二次元トラッキング法によって推定し、各点に関する移動ベクトルを求める。ここで、サンプル点の設定は、例えば(これに限定されるものではないが)、一のフレーム画像上に3mm間隔の格子状のマーカを設定し、格子の交点に相当する位置のデータをサンプル点とすることにより、実現することができる。二次元トラッキングとしては、どのような手法を採用しても構わない。本実施形態では、最も代表的な手法の一つである相互相関法を採用する。
相互相関関数R(x´,y´)を、例えば次の式(1)で定義する。
R(x´,y´)=∫∫[f(x+x´,y+y´)・g(x,y)]dxdy (1)
ここで、g(x,y)は当該画像における所定領域を表す関数であり、f(x,y)は、当該画像の次の時相についての画像における所定領域を表す関数である。この相互相関関数R(x´,y´)の値を最大とする(x´,y´)が、次時相画像においてf(x,y)と最も相互関連性(類似性)の高い領域であり、移動領域であると推定することができる。この推定を、上記粗くサンプルした全ての追跡点(又はこれを含む領域)について実行することで、各追跡点のトラッキングを行うことができる。
移動ベクトルの大きさ(ノルム)は、各サンプル点の移動量によって定義され、そのベクトル方向は各サンプル点の移動方向によって定義される。上記トラッキングによって、各サンプル点の移動量、移動方向を求めることができるから、この二つの物理量によって、各サンプル点についての移動ベクトルを定義する。また、必要に応じて、移動量をフレーム間の時間差で除することにより、当該点に関する移動速度を求めることも可能である。
なお、相互相関関数としては、例えば次の式(2)によって定義される最小二乗についての相関関数R(x´,y´)を採用する構成であってもよい。
R(x´,y´)=∫∫[f(x+x´,y+y´)−g(x,y)]dxdy (2)
[ステップS2]
図4に示すように、さらに細かいサンプル点に関する移動ベクトルを、補間処理によって求める。なお、さらに細かいサンプル点とは、本実施形態においては全画素に関するサンプル点を意味するものとするが、これに限定する必要はない。
補間処理による細かいサンプル点は、(1)において求めた粗いサンプル点に関する移動ベクトルに基づいて、各サンプル点のx座標、y座標を例えば線形補間等の補間処理を実行することで、求めることができる。
なお、本ステップでの移動ベクトルの取得は、補間処理に限らず、例えばフィッティング処理等によって実現してもよい。
[ステップS3]
次に、(2)で求めた各サンプル点の移動ベクトルと走査線との角度を用いて、組織ドプラ画像データの各点(各サンプルに対応する点)における速度値を角度補正し、補正速度を求める。この角度補正は、次の式(3)に従って実行される。
(補正後の速度)=(組織ドプラ法で得られた速度)/cosθ (3)
ここで、θ(ドプラ角)は、図5に示すように、二次元トラッキングで得られた移動方向と走査線とのなす角である。
一般に、ドプラ法においては、走査線方向に沿った速度のみを得る。従って、上記式(3)によって各フレームにおける各点の移動速度を補正することで、通常の組織ドプラのみから求めたものよりも精度の高い移動速度を求めることができる。なお、以下の説明において、式(3)によって補正された移動速度を「補正速度」と呼ぶ。
[ステップS4]
次に、上記(1)によって求めた移動ベクトルの移動方向と、上記(3)によって得られた補正速度とに基づいて、各サンプル点に関する第2の移動ベクトルを再定義する。すなわち、ベクトル方向については、上記(1)において求められた移動方向を採用し、その移動量については、上記(3)において求められた移動速度とフレーム間の時間差との積を採用することで、新たな移動ベクトル(第2の移動ベクトル)を再定義する。
なお、上記(3)での角度補正は、ドプラ角θが大きくなるに従って、その信頼性が低くなる。従って、本実施形態では、ドプラ角θが大きくなるに従って、補正速度による移動量よりも上記(2)で求めた移動ベクトルによる移動量を優先させることが、精度の観点から好ましい。
すなわち、(3)のドプラ速度の補正による補正速度によって求められる移動量をDdop、(1)、(2)のトラッキングによって求められる移動量をDtrackとすると、例えば次の式(4)によって第2の移動ベクトルの移動量Dsecを再定義することができる。
sec=f(θ)・Ddop+(1−f(θ))・Dtrack (4)
ここで、f(θ)は、図6に示すように、θが90度から離れる程大きく、90度に近い程小さくなる0≦f(θ)≦1を満たす関数である。
[ステップS5、S6]
以上ステップS1乃至ステップS4の処理を動画に含まれるフレーム分繰り返すことで、全フレーム(全時相)で正確な移動ベクトルを求めることができる。なお、必要に応じて、各第2の移動ベクトルの大きさ(移動量)をフレーム間の時間差で除することにより、各点に関する移動速度を求めることも可能である。
なお、上記ステップS1及びステップS2において使用される動画データは、いずれの処理段階のデータであってもよい。例えば、スキャンコンバージョン前のデータ(生データ)や圧縮前のデータを使用すれば、移動ベクトルにより多くの情報を反映させることができる。
(運動量情報の画像化)
上述した処理によって得れらたフレーム毎の移動ベクトルに基づいて、種々の運動情報に関する画像を生成し、表示することができる。以下、生成可能な運動情報に関する画像を幾つか例示する。
(歪み画像:picture of strain)
フレーム毎の移動ベクトル情報を使用して、歪み画像を生成することができる。これは、例えばLagrangian Strain(歪み)を採用した場合、初期の長さL(t)を基準として、一般的に式(5)で定義される。
(t)=[L(t)−L(t)]/L(t) (5)
(t):Lagrangian Strain
L(t):基準時刻tでの長さ
L(t):基準時刻tでの長さ
なお、図7に、L(t)及びL(t)の関係を表してある。
このS(t)は、追跡した対の各点での変位を求め、この変位の対間の差分を取って初期長で規格化することによって算出することもできる。すなわち、Lの間隔を有する2点(a点、b点)をt時相で設定し、これを基準とした歪みは、次の式(6)によって求めることができる。
(t)=(a点の追跡変位−b点の追跡変位)/L (6)
上記式(6)のa点又はb点の追跡変位を、本手法によって得られた移動ベクトルを利用して求めることができる。これを各点について演算することで、各フレームの各点に関する歪みを求め、これを連続的に表示することで、歪み画像を表示することができる。
なお、歪み率は、(a点の追跡速度−b点の追跡速度)/Lによって定義される。従って、移動ベクトルを用いてこの歪み率を計算し、各時相において出力すれば、組織追跡を行った理想的な歪み率を出力画像として得ることも可能である。
これら歪み画像、歪み率画像の生成については、例えば特願平2002−272845号により詳しい記載がある。
(移動量画像:picture of displacement)
フレーム毎の移動ベクトル情報を使用して、移動量画像を生成することができる。これは、各点に関する移動ベクトルから移動量を求め、これに従って各点をフレーム毎に移動させることで、移動量画像を生成することができる。
なお、この移動量画像は、臨床学的に意味のある一定期間における移動量を示すものであることが好ましい。例えば、図8に示すようなECG波形において、R波とT波との間の期間では心臓は収縮する(収縮期)。従って、この収縮期における移動量画像を生成し表示すれば、心筋が収縮する様子を観察することができる。
(移動ベクトル画像:picture of displacement vector)
フレーム毎の移動ベクトル情報を使用して、移動ベクトル画像を生成することができる。これは、例えば図4に示した様に、各点に関する移動ベクトルを矢印によって表し、当該各点における移動方向及び移動量を視覚化するものである。この様な画像を観察することで、各点における移動状況を容易且つ迅速に把握することができる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置によれば、二次元(又は三次元)トラッキング法に基づいて得られた情報によって移動ベクトルの方向を、組織ドプラ法による移動速度を角度補正した補正速度に基づいて移動ベクトルの大きさ(移動量)を定義している。従って、従来の二次元トラッキング法のみ、又は組織ドプラ法のみによって定義される移動ベクトルよりも、高精度で移動ベクトルを定義することができる。さらに、この移動ベクトルを利用して生成された運動情報に関する画像も、従来よりも信頼性の高いものとなり、画像診断の質の向上に寄与することができる。
また、本超音波診断装置は、補間処理によって更に細かいサンプリング点の移動ベクトルを求めている。従って、全ての点について二次元トラッキングを行っていた従来に比して、処理すべき情報量を減少させることができる。その結果、処理時間を大幅に短縮することができ、迅速かつ正確な診断情報を提供、特にリアルタイムでの診断情報提供を実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、トラッキング法のみ、又は組織ドプラ法のみによって実現される従来の問題点を解決し、簡単かつ迅速なデータ処理によって、高精度にて二次元(又は三次元)的な組織の移動又は変形に関する情報を映像化できる超音波信号解析装置等を実現できる。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置10の構成を示した図である。 図2は、移動ベクトル生成処理を含む一連の画像生成処理の流れを示したフローチャートである。 図3は、一のフレーム画像の粗いサンプル点に関して求められた移動ベクトルを模式的に示した図である。 図4は、粗いサンプル点に関して求められた移動ベクトルに基づいて、補間処理によって求められた各点における移動ベクトルを模式的に示した図である。 図5は、各点における速度値の角度補正処理を説明するための図である。 図6は、移動ベクトル生成処理において使用される重み付け関数y=f(θ)のグラフを示した図である。 図7は、Lagrangian Strainを説明するための図である。 図8は、移動量画像の生成を説明するための図である。
符号の説明
10…超音波診断装置、11…超音波プローブ、13…受信回路、14…送信回路、15…ビームフォーマ、16…コントロールユニット、19…B/M処理部、21…CFM処理部、22A、22B…スキャンコンバータ、24…ビデオI/F、25…モニタ25、26…記憶部、27…入力ユニット

Claims (15)

  1. 被検体の組織を第1の撮影モードによって超音波走査し取得される複数フレームの第1の超音波データと、前記組織を組織ドプラモードによって超音波走査し取得される複数フレームの第2の超音波データと、を記憶する記憶手段と、
    前記第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求める第1の移動ベクトル取得手段と、
    前記第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求める速度演算手段と、
    前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求める第2の移動ベクトル取得手段と、
    前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成する画像生成手段と、
    を具備することを特徴とする超音波信号解析装置。
  2. 前記第2の移動ベクトル取得手段は、
    前記第1の移動ベクトルによって前記第2の移動ベクトルの移動方向を定義し、
    前記第1の移動ベクトルと前記超音波走査方向とのなす角により前記移動速度を角度補正して得られる補正速度に基づいて、前記第2の移動ベクトルの移動量を定義すること、
    を特徴とする請求項1記載の超音波信号解析装置。
  3. 前記第1の移動ベクトル取得手段は、
    前記組織の複数点のうちの一部については前記二次元又は三次元トラッキングによって前記第1の移動ベクトルを求め、
    残りの部分については、前記一部に基づく補間処理又はフィッティング処理によって前記第1の移動ベクトルを求めること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の超音波信号解析装置。
  4. 前記第1の移動ベクトル演算手段は、相互相関法により前記二次元又は三次元トラッキングを実行することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波信号解析装置。
  5. 前記第1の撮影モードは、Bモードであることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波信号解析装置。
  6. 前記画像生成手段は、前記組織の一定期間に渡る移動距離、前記組織の一定期間に渡る歪み、前記組織の歪み率、前記組織の移動又は変形のうちのいずれかに関する画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波信号解析装置。
  7. 前記第1の超音波データ又は前記第2の超音波データは、スキャンコンバージョン前の生データであること特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波信号解析装置。
  8. 被検体の組織を第1の撮影モードによって超音波走査し取得される複数フレームの第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求めるステップと、
    前記組織を組織ドプラモードによって超音波走査し取得される複数フレームの第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求めるステップと、
    前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求めるステップと、
    前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成するステップと、
    を具備することを特徴とする超音波信号解析方法。
  9. 前記第2の移動ベクトルを求めるステップにおいては、
    前記第1の移動ベクトルによって前記第2の移動ベクトルの移動方向を定義し、
    前記第1の移動ベクトルと前記超音波走査方向とのなす角により前記移動速度を角度補正して得られる補正速度に基づいて、前記第2の移動ベクトルの移動量を定義すること、
    を特徴とする請求項8記載の超音波信号解析方法。
  10. 前記第1の移動ベクトルを求めるステップにおいては、
    前記組織の複数点のうちの一部については前記二次元又は三次元トラッキングによって前記第1の移動ベクトルを求め、
    残りの部分については、前記一部に基づく補間処理又はフィッティング処理によって前記第1の移動ベクトルを求めること、
    を特徴とする請求項7又は8記載の超音波信号解析方法。
  11. コンピュータに、
    被検体の組織を第1の撮影モードによって超音波走査し取得される複数フレームの第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求める機能と、
    前記組織を組織ドプラモードによって超音波走査し取得される複数フレームの第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求める機能と、
    前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求める機能と、
    前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成する機能と、
    を実現させることを特徴とする超音波信号解析プログラム。
  12. 前記第2の移動ベクトルを求める機能は、
    前記第1の移動ベクトルによって前記第2の移動ベクトルの移動方向を定義し、
    前記第1の移動ベクトルと前記超音波走査方向とのなす角により前記移動速度を角度補正して得られる補正速度に基づいて、前記第2の移動ベクトルの移動量を定義すること、
    を特徴とする請求項11記載の超音波信号解析プログラム。
  13. 前記第1の移動ベクトルを求める機能は、
    前記組織の複数点のうちの一部については前記二次元又は三次元トラッキングによって前記第1の移動ベクトルを求め、
    残りの部分については、前記一部に基づく補間処理又はフィッティング処理によって前記第1の移動ベクトルを求めること、
    を特徴とする請求項11又は12記載の超音波信号解析プログラム。
  14. 供給される駆動信号に応答して被検体に対し超音波を送信し、当該被検体からのエコー信号を受信する超音波プローブと、
    前記超音波プローブに前記駆動信号を供給する駆動手段と、
    第1の撮影モードによって前記被検体の組織を超音波走査し複数フレームの第1の超音波データを取得するように、且つ組織ドプラモードによって前記組織を超音波走査し複数フレームの第2の超音波データを取得するように、前記駆動手段を制御する制御手段と、
    前記第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求める第1の移動ベクトル取得手段と、
    前記第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求める速度演算手段と、
    前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求める第2の移動ベクトル取得手段と、
    前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成する画像生成手段と、
    前記組織の運動に関する画像を表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  15. 被検体を超音波走査し超音波画像を取得する超音波診断装置の制御方法であって、
    制御手段が、第1の撮影モードによって前記被検体の組織を超音波走査し複数フレームの第1の超音波データを取得するように、且つ組織ドプラモードによって前記組織を超音波走査し複数フレームの第2の超音波データを取得するように、超音波プローブに駆動信号を供給する駆動手段を制御し、
    第1の移動ベクトル取得手段が、前記第1の超音波データを利用した二次元的又は三次元的トラッキングに基づいて、前記組織の移動量及び移動方向により定義される第1の移動ベクトルを、前記組織の複数点に関して求め、
    速度演算手段が、前記第2の超音波データに基づいて、前記超音波走査方向に沿った前記組織の複数点の移動速度を求め、
    第2の移動ベクトル取得手段が、前記第1の移動ベクトルと前記移動速度とに基づいて、前記組織の複数点に関する第2の移動ベクトルを求め、
    画像生成手段が、前記組織の複数の点に関する前記第2の移動ベクトルに基づいて、前記組織の運動に関する画像を生成し、
    表示手段が、前記組織の運動に関する画像を表示すること、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置の制御方法。
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