JP2007238741A - 捺染用インクジェットインクセット及び捺染用インクジェットインクセットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク色材を選択することで、ポリアミド繊維を捺染する際に、広い色域を備えると共に、形成した画像の堅牢性と、インクの貯蔵安定性に優れた捺染用インクジェットインクセットとその製造方法を提供する。
【解決手段】酸性染料をそれぞれ含有する少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから構成される捺染用インクジェットインクセットにおいて、該イエローインクが、酸性染料としてC.I.Acid Yellow 79を含有し、該マゼンタインクが、酸性染料としてC.I.Acid Red 249を含有し、該シアンインクが、酸性染料としてC.I.Direct Blue 87を含有し、かつ該ブラックインクが、酸性染料としてC.I.Acid Black 52:1を含有することを特徴とする捺染用インクジェットインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、捺染用インクジェットインクセットとその製造方法に関し、詳しくは、インク色材を選択することで、広い色域を備えると共に、形成した画像の堅牢性と、インクの貯蔵安定性に優れた捺染用インクジェットインクセットとその製造方法に関するものである。
インクジェット方式による画像の印刷方法は、インクの微小液滴をインクジェット記録ヘッドより飛翔させ、対象となる記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。インクジェット方式は、その機構が比較的簡便で、安価であり、かつ高精細で高品位な画像を形成できることが利点である。
一方、現在の布帛印刷は、スクリーン印刷等で行われている。これらは、印刷に先だって、印刷用の版銅やスクリーン版を作製する必要がある。版の製作は、時間と人手が掛かり、非常に高価であり、一定量以上の生産を行わないと、コスト的に引き合わない為、小規模生産や見本作り等の目的に、最近無製版の印刷システムが要望されている。
これに対し、染料を布に、直接供給できる上記のようなインクジェット方式を用いたインクジェット捺染が提案されている。インクジェット捺染は、従来の捺染とは異なり、版を作製する必要がなく、手早く階調性に優れた画像を形成できる利点を有しており、納期短縮、少量多品種生産対応、製版工程が必要ない等のメリットを備えている。更に、形成画像として必要な量のインクのみを使用するため、従来方法に比較すると廃液が少ない等の環境的利点も有する優れた画像形成方法であるといえる。
捺染においては、布帛中の繊維の種類により、使用される染料の種類が限定され、ポリエステル等の繊維の染色に対しては、一般に分散染料が用いられる。インクジェット捺染用に分散染料を用いる場合、従来の捺染用の染料選択の基準である色調、堅牢性等の性能の他に、インクジェット記録方式は微細なノズルからの吐出となるため、微細な粒子にするための分散適性、ノズル目詰まり防止、分散安定性等の制約があり、染料選択に対する制約が多い。また、インクジェット捺染で、ポリアミド繊維を主体とする布帛への画像形成する場合には、酸性染料を用いる方法が提案されている。
インクジェット捺染に各種染料を用いる場合、従来の捺染用の染料選択の基準である色調、堅牢性等の性能の他に、インクジェット記録方式は微細なノズルからの吐出となるため、微細な粒子にするための分散適性、ノズル目詰まり防止、分散安定性等の制約があり、染料選択に対する制約が多い。
上記インクジェット捺染の中でも、ポリアミド繊維を主体とする布帛への画像形成方法として、酸性染料を用いる方法が、例えば、特開昭52−253659号公報、特開昭62−253658号公報、特開昭62−253660号公報等に提案されているが、一般に、インクジェット捺染用インクに対しては、以下の特性が要求される。
(1)洗浄後も十分な濃度で発色していること、
(2)色再現性に優れていること、
(3)布帛上で不規則な滲みが生じないこと、
(4)記録ヘッドのノズルを目詰りさせないこと、
(5)インク保存中に物性上(例えば、粘度)の変化や固形分の析出がないこと、
(6)長期間保存した後でも、吐出特性に変化がなく安定した吐出が行えること、
(7)形成した画像の堅牢性に優れていること、
等の諸性能が要求される。
これらの要求品質を満足させるために、従来から、以下のような様々な対策が講じられてきた。
上記(1)項の課題に対しては、インク中の染料濃度を高くすることで、十分な濃度を与えるというのが一般的な方法である。しかし、この様な高濃度染料インクでは、ノズル先端からの水や水溶性有機溶剤等の蒸発のより高増度化したり、あるいは固形分である染料が析出し、(4)項に記載の問題を引き起こす結果となる。そこで、上記(4)項に対しする改良方法としては、特定の水溶性溶剤等を用いる方法が提案されている、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエチレングリコールを水溶性有機溶剤として用いる方法、あるいはスルホン化ポリエチレンオキシドをインクへ添加する方法が提案されているが、使用する染料と水溶性有機溶剤の極めて特異的な組み合わせ以外では、満足な結果は得られていない。
また、上記(2)項の課題については、用いる染料の構造等に留意し、布帛への染着性を均一にすることで、同じパターンの印刷物を得る際に、安定した色再現性が得られるように工夫されてきた。しかしなかがら、発色処理工程において、pHが変化するような酸性染料を用いた捺染方式では、使用する水中の金属塩の種類やその含有量の違いにより、染料そのものの色調が不規則に変化したり、濃度が低下するという問題があり、使用する染料の構造等の選択だけでは、所望の色再現性は得がたく、特に、複数の色を混合することで多種類の色や階調を表現することを目的としたインクジェット捺染方式においては、満足できる結果が得られていないというのが現状である。
また、上記(3)項の課題については、特定の化合物をインク中に存在させることによる改良が試みられている。例えば、タンニンをインクに添加する方法、あるいはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩をインク中に添加する方法など数多くの提案がされてきたが、いずれも上記(5)項及び(6)項の問題は、避けられない。
また、上記(5)、(6)、(7)の課題についても、染料の構造に起因する場合があるが、詳しい検討がなされておらず問題解決には至っていない。
以上の様に、従来の技術範囲では、個々の性能を単独である程度満足させる方法は見出せても、これら(1)〜(7)項の特性を同時に満足させ、かつ、上記の各課題を同時に解決できるインクジェット捺染用インクは、未だ得られていないのが現状である。
また、上記(2)項に関し、ポリアミド系繊維の色再現性を向上させる目的で、特定の色材を組み合わせたインクジェットインクが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。しかしながら、これら開示されている色材の組み合わせでは、特定色の色再現性の改良にはある程度の効果が発揮されるものの、それらのインクジェットインクにより形成される画像の堅牢性、耐久性が十分でなく、また色材の選択によっては、インクジェットインクを長期間にわたり保存した際のインク保存安定性が十分でなく、インク保存後の出射安定性に課題を抱えている。
特開平6−57649号公報 特開2002−348504号公報 特開2003−201684号公報 特開2004−182862号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インク色材を選択することで、ポリアミド繊維を捺染する際に、広い色域を備えると共に、形成した画像の堅牢性と、インクの貯蔵安定性に優れた捺染用インクジェットインクセットとその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.酸性染料をそれぞれ含有する少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから構成される捺染用インクジェットインクセットにおいて、該イエローインクが、酸性染料としてC.I.Acid Yellow 79を含有し、該マゼンタインクが、酸性染料としてC.I.Acid Red 249を含有し、該シアンインクが、酸性染料としてC.I.Direct Blue 87を含有し、かつ該ブラックインクが、酸性染料としてC.I.Acid Black 52:1を含有することを特徴とする捺染用インクジェットインクセット。
2.特色インクとしてオレンジインク及びブルーインクを有し、該オレンジインクが、酸性染料としてC.I.Acid Orange 95を含有し、該ブルーインクが、酸性染料としてC.I.Acid Blue 112を含有することを特徴とする前記1に記載の捺染用インクジェットインクセット。
3.前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクが含有する塩素イオン量がそれぞれ300ppm以下であって、かつ硫酸イオン量がそれぞれ300ppm以下であることを特徴とする前記1に記載の捺染用インクジェットインクセット。
4.前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクが含有する塩素イオン量がそれぞれ300ppm以下であって、かつ硫酸イオン量がそれぞれ300ppm以下であることを特徴とする前記2に記載の捺染用インクジェットインクセット。
5.前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクのカルシウム含有量がそれぞれ200ppm以下で、鉄含有量がそれぞれ20ppm以下で、かつマグネシウム含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする前記3に記載の捺染用インクジェットインクセット。
6.前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクのカルシウム含有量がそれぞれ200ppm以下で、鉄含有量がそれぞれ20ppm以下で、かつマグネシウム含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする前記4に記載の捺染用インクジェットインクセット。
7.前記1に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクに精製処理を施して、塩素イオン含有量をそれぞれ300ppm以下、硫酸イオン含有量をそれぞれ300ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
8.前記1に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクに精製処理を施して、カルシウム含有量をそれぞれ200ppm以下、鉄含有量をそれぞれ20ppm以下、マグネシウム含有量をそれぞれ30ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
9.前記2に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクに精製処理を施して、塩素イオン含有量をそれぞれ300ppm以下、硫酸イオン含有量をそれぞれ300ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
10.前記2に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクに精製処理を施して、カルシウム含有量をそれぞれ200ppm以下、鉄含有量をそれぞれ20ppm以下、マグネシウム含有量をそれぞれ30ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
本発明により、インク色材を選択することで、ポリアミド繊維を捺染する際に、広い色域を備えると共に、形成した画像の堅牢性と、インクの貯蔵安定性に優れた捺染用インクジェットインクセットとその製造方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、酸性染料をそれぞれ含有する少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから構成される捺染用インクジェットインクセットにおいて、該イエローインクが、酸性染料としてC.I.Acid Yellow 79を含有し、該マゼンタインクが、酸性染料としてC.I.Acid Red 249を含有し、該シアンインクが、酸性染料としてC.I.Direct Blue 87を含有し、かつ該ブラックインクが、酸性染料としてC.I.Acid Black 52:1を含有することを特徴とする捺染用インクジェットインクセットにより、ポリアミド繊維を捺染する際に、広い色域を備えると共に、形成した画像の堅牢性と、インクの貯蔵安定性に優れた捺染用インクジェットインクセットを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《捺染用インクジェットインクセット》
本発明の捺染用インクジェットインクセット(以下、単にインクセットともいう)を構成する各色の捺染用インクジェットインク(以下、単にインクともいう)は、色材として特定の酸性染料を使用することを特徴とし、その他に、水、有機溶媒、各種添加剤等から構成される。
〔色材〕
本発明のインクセットを構成する各色インクでは、優れた色再現域を実現し、画像堅牢性及び吐出安定性の観点から、特定の酸性染料、すなわち、イエローインクにはC.I.Acid Yellow 79、マゼンタインクにはC.I.Acid Red 249、シアンインクにはC.I.Direct Blue 87、ブラックインクにはC.I.Acid Black 52:1を含有することを特徴とする。特に、本発明に係るインクは、2色以上のインクにより混色部を安定して布帛上に形成するため、使用する酸性染料同士間で特別な相性が要求されるため、本発明で規定する酸性染料構成とすることが必要となる。
本発明に係る各色インクを構成する色材は、それぞれ本発明で規定する酸性染料のみで構成されていても良いが、本発明の目的効果を損なわない範囲で、その他の染料を併用することを妨げるものではないが、各色インクにおける全色材中、本発明で規定する酸性染料の含有率は70質量%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、特に色材の全てを本発明で規定する酸性染料で構成することが好ましい。
また、本発明のインクセットにおいては、特に、特色領域での色再現性をより向上させる観点から、本発明に係るイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクと共に、酸性染料としてC.I.Acid Orange 95を含有するオレンジインク、酸性染料としてC.I.Acid Blue 112を含有するブルーインクを用いることが好ましい。
本発明に係る各色のインクにおいて、インク中の色材の含有量は、十分な画像濃度を得ると共に、インク保存安定性を考慮すると、0.1質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上、13質量%以下であることがより好ましい。
〔インク、色材の精製処理〕
本発明のインクセットを構成する各色インクにおいて、構成する酸性染料は市販品をそのままの状態で使用してもよいが、長期保存を行った際のインク保存安定性をより向上させる観点から、酸性染料、あるいは酸性染料を含むインクに精製処理を施すことが好ましい。本発明に適用可能な精製方法としては、特に制限はなく、例えば、公知の再結晶方法、洗浄等を用いることができる。酸性染料そのものに精製処理に施す場合には、酸性染料の種類に応じて、有機溶媒を選択し、それを用いて精製処理を行うことが好ましい。
一般に、酸性染料は反応性染料に比べ溶解性が低いといわれている。そのため、酸性染料の純度が低く、不純物を含有している場合には、析出などの問題が起こりやすくなる。
精製処理は、酸性染料そのものに精製処理を施してもよく、また全ての構成物を含むインクを調製した後に精製処理を施してもよい。
本発明のインクセットにおいては、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから構成されるインクセット、あるいはイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクから構成されるインクセットで、全てのインクに含まれる塩素イオン量がそれぞれ300ppm以下であって、かつ硫酸イオン量がそれぞれ300ppm以下となるように、精製処理を施すことが好ましい。塩素イオン量あるいは硫酸イオン量が300ppmを超えると、インク保存性が不安定となり、各イオンのナトリウム塩などの析出が起こりやすくなり、その結果、画像形成時のインクジェット記録ヘッドからの出射が不安定になる。特に、低温では析出が顕著となり、インクジェット記録ヘッドのノズルで目詰まりが発生する。より好ましくは、塩素イオン量が5ppm以上、100ppm以下で、かつ硫酸イオン量が20ppm以上、100ppm以下であり、この各イオン量の範囲とすることにより、常温保存での出射性が安定し、加えて、低温保存におけるナトリウム塩の析出がさらに抑えられる。
また、本発明のインクセットにおいては、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから構成されるインクセット、あるいはイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクから構成されるインクセットで、全てのインクに含まれるカルシウム含有量をそれぞれ200ppm以下、鉄含有量をそれぞれ20ppm以下、マグネシウム含有量をそれぞれ30ppm以下となるように、精製処理を施すことが好ましい。
上記の各多価金属塩の含有量が、本発明で規定する上記の範囲を超えると、インクそのものの色調が変動したり、画像形成後の濃度低下を引き起こす。より好ましくは、カルシウム含有量が0.01ppm以上、100ppm以下で、鉄含有量が0.1ppm以上、10ppm以下で、かつマグネシウム含有量が0.01ppm以上、10ppm以下であり、記の各多価金属塩の含有量をこの範囲とすることにより、長期保存時の析出が防止することができる。
インク中における各イオンあるいは各多価金属塩の定量方法としては、公知の定量分析手段を用いて求めることができ、例えば、原子吸光法等を用いることができる。
本発明のインクセットを構成するインクあるいはそれに使用する酸性染料の具体的な精製方法としては、インクあるいは適切な有機溶媒に溶解した酸性染料溶液を、吸着剤(例えば、活性炭、ゼオライト、ケイソウ土等)もしくはイオン交換樹脂と混合し、攪拌後、濾別する、または、吸着剤もしくはイオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂)が充填されたカラム中を通過させる、あるいは限外濾過装置によって脱塩精製を行なうなどいずれかの精製工程を単独、あるいは組み合わせて行うことにより、所望の不純物含有量以下に調整することができるが、本発明では、これら例示した精製方法に限定されるものではない。
〔有機溶媒〕
本発明に係るインクに適用可能な有機溶媒としては、水溶性有機溶媒であることが好ましく、例えば、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等)、一価アルコール類(例えばメタノール、エタノール、ブタノール等)、多価アルコールのアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、2,2′−チオジエタノール、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、複素環類(2−ピロリドン等)、アセトニトリル等が挙げられる。
水溶性有機溶媒量としては、全インク質量に対して10質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明に係るインクには、保存安定性、出射安定性、出射精度等を高める観点から、各種界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれの界面活性剤も用いることができる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
これらの各界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることができ、インク全量に対して、0.001質量%以上、1.0質量%以下の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
〔防腐剤〕
本発明に係るインクにおいては、長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加することができる。防腐剤、防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol CMK;バイエル社製)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL;アビシア社製)などが挙げられる。
〔各種添加剤〕
本発明に係るインクおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、比抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料、還元防止剤等である。
《布帛》
本発明のインクセットを用いたインクジェット捺染方法において、使用する布帛を構成する素材としては、本発明の目的効果をより発揮できる観点から、ポリアミド繊維を含む布帛であることが好ましく、中でもナイロン、絹、羊毛が好ましい。上記ポリアミド繊維は、織物、編物、不織布等いずれの形態でも使用できる。
布帛は、ポリアミド繊維100%のものが好適であるが、混紡率30%以上、好ましくは、50%以上であれば、ポリアミド繊維と他の素材、例えば、レーヨン、綿、アセテ−ト、ポリウレタン、アクリル等との混紡織布または混紡不織布等であっても、本発明における捺染用布帛として使用することができる。
布帛を構成するポリアミド繊維及びポリアミド繊維から構成される糸の物理特性には好適な範囲があり、例えば、ナイロンの場合、ナイロン繊維の平均太さが1〜10d(デニール)、更に好ましくは、2〜6dに制御され、該ナイロン繊維から構成されるナイロン糸の平均太さが20〜100d、更に好ましくは、25〜80d、更に好ましくは、30〜70dに制御されたものが好ましく用いられる。また、絹の場合は、繊維自体の特性として、絹繊維の平均太さが2.5〜3.5d、更に好ましくは2.7〜3.3dに制御され、該絹繊維から構成される絹糸の平均太さが14〜147d、更に好ましくは14〜105dに制御され、公知の方法により布帛としたものが好ましく用いられる。
〔前処理〕
本発明に適用される捺染用布帛は、必要に応じて従来の前処理方法を併用することができる。特に、尿素、水溶性金属塩、水溶性高分子等を、0.01〜20質量%含有させたものがより好ましい。更に、撥水剤、界面活性剤等を付与することもできる。
水溶性高分子としては、例えば、トウモロコシ、小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、ローカストビーンガム、トラントガム、グアーガム、タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等の公知の天然水溶性高分子が挙げられる。
また、合成高分子としては、例えば、公知のポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系高分子やセルロース系高分子が好ましい。
水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型的なイオン結晶を形成するものであって、pH4〜10である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例としては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、Na2SO4、KCl、CH3COONa等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、CaCl2、MgCl2等が挙げられる。中でも、Na、K、Caの塩類が好ましい。
撥水剤としては、例えば、パラフィン系、フッ素系化合物、ピリジニウム塩類、N−メチロールアルキルアミド、アルキルエチレン尿素、オキザリン誘導体、シリコーン系化合物、トリアジン系化合物、ジルコニウム系化合物、或はこれらの混合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの撥水剤の中でも、パラフィン系及びフッ素系撥水剤は、滲み防止、濃度の点において特に好ましい。撥水剤は布帛に対して0.05〜40質量%付与することが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。これは、0.05質量%未満ではインクの過度の浸透を防止する効果が少なく、40質量%を超えて含有させても性能的に大きな変化がないからである。
界面活性剤としては、アニオン系、非イオン系や両性界面活性剤等が使用できる。
アニオン系の界面活性剤としては、スルホン酸型、カルボン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等が挙げられ、スルホン酸型としては、アルキルスルホネート系、アルキルアリルスルホネートエステル系のスルホネート系界面活性剤等、カルボン酸型としては、石鹸、脂肪蛋白質縮合物等、硫酸エステル型としては、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールEO付加物硫酸エステル、オレフィンの硫酸エステル、脂肪酸の硫酸エステル等、リン酸エステル型としては、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールEO付加物リン酸エステル等が挙げられる。
非イオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、アセチレングリコール等のエーテル型や、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミノエーテル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型等を使用することができる。特に、HLB12.5以上、好ましくは14以上の非イオン系界面活性剤を用いることが好ましい。
両性界面活性剤としては、ベタイン型等を使用することができる。
界面活性剤は、布帛に対して0.01〜30質量%付与することが好ましい。更に、使用する染料の特性等に応じて還元防止剤、酸化防止剤、均染剤、濃染剤、キャリヤー、還元剤、酸化剤といった添加剤を入れることが好ましい。
前処理において、上記各化合物を布帛に含有させる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬法、パッド法、コーティング法、スプレー法、インクジェット法等を挙げることができる。
《インクジェット捺染方法》
本発明のインクセットを用い、布帛に印字を行うインクジェット捺染方法は、インク出射後、印字された布帛を巻き取り、加熱により発色し、布帛を洗浄、乾燥させることが望ましい。インクジェット捺染において、インクを布帛に印字し、そのまま放置しておくだけではうまく染着させることができない。また、長尺の布帛に長時間印字し続ける場合などは、布帛が延々と出てくるため床などに、印字した布帛が重なっていき場所をとるしそれは不安全でありまた予期せず汚れてしまう場合がある。そのため、印字後、巻き取る操作が必要となる。この操作時に布帛と布帛の間に紙や布、ビニール等の印字に関わらない媒体を挟んでもかまわない。ただし、途中で切断する場合や短い布帛に対しては必ずしも巻き取る必要はない。
本発明に係るインクを、インクジェット記録ヘッドより付与した布帛は、好ましくは後処理に付され、酸性染料の繊維への定着を促進させ、その後、定着しなかった着色剤、その他のインク成分、前処理剤を十分除去することが好ましい。
本発明において、後処理はいくつかの工程に別れる。まず、本発明に係るインクを布帛に付着させた後、この布帛を常温〜150℃に0.5〜30分放置し、インクを予備乾燥することが好ましい。この予備乾燥により印捺濃度を向上させ、かつ滲みを有効に防止できる。なお、この予備乾燥とはインクが布帛中に浸透することも含む。
本発明に係るインクジェット捺染方法によれば、予備乾燥を連続工程で加熱乾燥することも可能である。布帛をロール状にしてインクジェット印捺機に供給して印捺し、その後、印捺布を巻き取る以前に乾燥工程を通す。乾燥機は印捺機に直結してもよく、分離したものであってもよい。乾燥機における乾燥は150℃以下で0.5〜30分行われることが好ましい。また、好ましい乾燥方法としては、空気対流方式、加熱ロール直付け方式、照射方式等が挙げられる。
本発明に係るインクジェット捺染方法によれば、後処理工程のうち定着工程は、布帛の種類によってその条件、特に、その時間を変化させることが好ましい。例えば、布帛が羊毛である場合、時間は20〜120分が好ましく、より好ましくは30〜90分程度である。また、布帛が絹である場合、時間は5〜40分が好ましく、より好ましくは15〜30分程度である。さらに、布帛がナイロンである場合、5〜90分程度が好ましく、より好ましくは10〜60分程度である。
このようにしてインクジェット記録されたインクのうち、大部分の染料は布帛に固着するが、この中の一部の染料は繊維に染着しないものがある。この未固着染料は洗い流しておくことが好ましい。未固着染料の除去は、従来公知の洗浄方法が採用できる。例えば、数10℃から100℃のお湯を使用したり、アニオン、ノニオン系のソーピング剤を使用することが好ましい。未固着の色材が完全に除去されていないと、洗濯堅牢性、耐水堅牢性、耐汗堅牢性において良好な結果が得られない場合がある。
洗浄後は乾燥が必要である。洗浄した布帛を絞ったり脱水した後、干したりあるいは乾燥機、ヒートロール、アイロン等を使用して乾燥させる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《インクセットの調製》
以下に記載の方法に従って、各色インクの調製及びインクセットを調製した。
〔インクセット1の調製:本発明〕
(イエローインク1の調製)
C.I.アシッドイエロー79 5%
グリセリン 15%
ジエチレングリコール 15%
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.3%
以上の各添加剤にイオン交換水を加え、全量を100%とし、イエローインク1を調製した。
(マゼンタインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、C.I.アシッドイエロー79に代えて、C.I.アシッドレッド249を用いた以外は同様にして、マゼンタインク1を調製した。
(シアンインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、C.I.アシッドイエロー79に代えて、C.I.ダイレクトブルー87を用いた以外は同様にして、シアンインク1を調製した。
(ブラックインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、C.I.アシッドイエロー79に代えて、C.I.アシッドブラック52:1を用いた以外は同様にして、ブラックインク1を調製した。
(オレンジインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、C.I.アシッドイエロー79に代えて、C.I.アシッドオレンジ95を用いた以外は同様にして、オレンジインク1を調製した。
(ブルーインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、C.I.アシッドイエロー79に代えて、C.I.アシッドブルー112を用いた以外は同様にして、ブルーインク1を調製した。
なお、上記各色インクの調製に用いた各酸性染料は、精製処理は行わず、市販品をそのまま使用した。
以上の様にして調製した各色のインクのセットを、インクセット1とした。
〔インクセット2の調製:本発明〕
上記インクセット1の調製において、各色のインク調製に用いた各酸性染料に、表1に記載の各イオン量、各多価金属塩量となるように、脱塩処理とイオン交換樹脂処理を施した以外は同様にして、各色インクを調製し、インクセット2を得た。
〔インクセット3の調製:比較例〕
上記インクセット1の調製において、各色インクの調製で用いる酸性染料を下記のように変更した以外は同様にして、インクセット3を調製した。なお、インクセット3の調製に用いた各酸性染料は、精製処理は行わず、市販品をそのまま使用した。
(イエローインク3の調製)
上記イエローインク1の調製において、C.I.アシッドイエロー79に代えて、C.I.アシッドイエロー110を用いた以外は同様にして、イエローインク3を調製した。
(マゼンタインク3の調製)
上記マゼンタインク1の調製において、C.I.アシッドレッド249に代えて、C.I.アシッドレッド254を用いた以外は同様にして、マゼンタインク3を調製した。
(シアンインク3の調製)
上記シアンインク1の調製において、C.I.ダイレクトブルー87に代えて、C.I.アシッドブルー224を用いた以外は同様にして、シアンインク2を調製した。
(ブラックインク3の調製)
上記ブラックインク1の調製において、表1に記載の各イオン量、各多価金属塩量となるように、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カルシウムを適宜添加した以外は同様にして、ブラックインク3を調製した。
(オレンジインク3の調製)
上記オレンジインク1の調製において、C.I.アシッドオレンジ95に代えて、C.I.アシッドオレンジ94を用いた以外は同様にして、オレンジインク3を調製した。
(ブルーインク3の調製)
上記ブルーインク1の調製において、C.I.アシッドブルー112に代えて、C.I.アシッドブルー225を用いた以外は同様にして、ブルーインク3を調製した。
表1に記載の各インクのイオン量は、クロマトグラフ法と電気泳動法を用いて測定し、多価金属塩量は、原子吸光法により測定を行った。
Figure 2007238741
《インクセットの評価》
〔画像形成〕
(前処理布の作製)
絹100%からなる平織り12匁の絹布帛に、30g/Lの硫酸アンモニウム溶液をパッド塗布し(絞り率:80%)、40℃で30分乾燥した。
(印字)
Nassenger−V(液滴量20ng/drop)を用い、インクパックに封入した各インクセットを装着し、540dpi×720dpiで、各色のベタ画像を印字した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。
(発色・洗浄)
印字した布帛を完全に乾燥した後、飽和蒸気中、103℃で30分間固着させ、冷水で10分、40℃の温水で5分すすいだ後、3%のソーピング剤を溶解したソーピング液を用いて40℃で洗い上げ、再度40℃で5分、そして冷水で10分すすいだ後、乾燥した。
〔形成画像の評価〕
(耐光性の評価)
各ベタ画像について、キセノンフェードメータを用いて、ISO 105−B02に準じて測定し、下記の基準に従って耐光性の評価を行った。
◎:4級以上のランクである
○:3級以上、4級未満のランクである
△:2級以上、3級未満のランクである
×:1級以上、2級未満のランクである
(変褪色耐性の評価)
各ベタ画像について、ISO 105−E04II(酸性汗耐性、アルカリ性汗耐性)に準じて測定し、下記の基準に従って変褪色耐性の評価を行った。
◎:4級以上のランクである
○:3級以上、4級未満のランクである
△:2級以上、3級未満のランクである
×:1級以上、2級未満のランクである
(色再現性の評価)
〈濃度の評価〉
各ベタ画像について、各濃度と濃度ムラについて目視観察し、下記の基準に従って濃度を評価した。
○:十分な濃度があり、濃度ムラもない
△:やや濃度が低いが、濃度ムラの発生はない
×:やや濃度が低く、濃度ムラの発生も認められる
〈色再現性の評価〉
各ベタ画像について、基準の各色票との色相を比較し、下記の基準に従って色再現性を評価した。
○:基準の各色票との色相差がない
△:基準の各色票に対しやや色相が異なる
×:基準の各色票に対し明らかに色相が異なる
〔インク保存性の評価〕
(高温保存性の評価)
各インクを、透明パックに泡が混入しないように充填した後、密閉して60℃の恒温槽中で3日間保存した後、インクの状態を目視観察し、泡の発生が認められないものを「○」、明らかに泡の発生が認められるものを「×」と判定した。
(濾過性の評価:ノズル部でのインク目詰まりの代用評価)
〈常温保存性の評価〉
各インク100gをガラス瓶に入れ、23℃の環境下で10日間保存した。次いで、0.2ミクロンのフィルターで濾過を行ない、その時の濾過圧の変化を観察し、下記の基準に従って、常温保存性を評価した。
〈低温保存性1の評価〉
各インク100gをガラス瓶に入れ、−5℃の環境下で10日間保存した。次いで、0.2ミクロンのフィルターで濾過を行ない、その時の濾過圧の変化を観察し、下記の基準に従って、常温保存性を評価した。
〈低温保存性2の評価〉
各インク100gをガラス瓶に入れ、−5℃の環境下で30日間保存した。次いで、0.2ミクロンのフィルターで濾過を行ない、その時の濾過圧の変化を観察し、下記の基準に従って、常温保存性を評価した。
〈濾過テストでの評価基準〉
○:濾過圧が一定になった後の圧力上昇が全く認められない
△:濾過圧が一定になった後の圧力上昇が10kPa未満である
×:濾過圧が一定になった後の圧力上昇が10kPa以上である
××:目視段階ですでに析出物に発生が認められる
以上により得られた結果を、票2に示す。
Figure 2007238741
表2に記載の結果より明らかなように、本発明のインクセット(インク)は、比較例に対し、優れた色再現性と高い濃度を有していると共に、形成した画像の耐光性、変褪色耐性に優れていること分かる。また、インクセットを構成するインクは、様々な環境下で保存されても、高いインク安定性を備えていることが分かる。

Claims (10)

  1. 酸性染料をそれぞれ含有する少なくともイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから構成される捺染用インクジェットインクセットにおいて、該イエローインクが、酸性染料としてC.I.Acid Yellow 79を含有し、該マゼンタインクが、酸性染料としてC.I.Acid Red 249を含有し、該シアンインクが、酸性染料としてC.I.Direct Blue 87を含有し、かつ該ブラックインクが、酸性染料としてC.I.Acid Black 52:1を含有することを特徴とする捺染用インクジェットインクセット。
  2. 特色インクとしてオレンジインク及びブルーインクを有し、該オレンジインクが、酸性染料としてC.I.Acid Orange 95を含有し、該ブルーインクが、酸性染料としてC.I.Acid Blue 112を含有することを特徴とする請求項1に記載の捺染用インクジェットインクセット。
  3. 前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクが含有する塩素イオン量がそれぞれ300ppm以下であって、かつ硫酸イオン量がそれぞれ300ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の捺染用インクジェットインクセット。
  4. 前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクが含有する塩素イオン量がそれぞれ300ppm以下であって、かつ硫酸イオン量がそれぞれ300ppm以下であることを特徴とする請求項2に記載の捺染用インクジェットインクセット。
  5. 前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクのカルシウム含有量がそれぞれ200ppm以下で、鉄含有量がそれぞれ20ppm以下で、かつマグネシウム含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする請求項3に記載の捺染用インクジェットインクセット。
  6. 前記イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクのカルシウム含有量がそれぞれ200ppm以下で、鉄含有量がそれぞれ20ppm以下で、かつマグネシウム含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の捺染用インクジェットインクセット。
  7. 請求項1に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクに精製処理を施して、塩素イオン含有量をそれぞれ300ppm以下、硫酸イオン含有量をそれぞれ300ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
  8. 請求項1に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクに精製処理を施して、カルシウム含有量をそれぞれ200ppm以下、鉄含有量をそれぞれ20ppm以下、マグネシウム含有量をそれぞれ30ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
  9. 請求項2に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクに精製処理を施して、塩素イオン含有量をそれぞれ300ppm以下、硫酸イオン含有量をそれぞれ300ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
  10. 請求項2に記載の捺染用インクジェットインクセットを製造する捺染用インクジェットインクセットの製造方法であって、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、オレンジインク及びブルーインクに精製処理を施して、カルシウム含有量をそれぞれ200ppm以下、鉄含有量をそれぞれ20ppm以下、マグネシウム含有量をそれぞれ30ppm以下とすることを特徴とする捺染用インクジェットインクセットの製造方法。
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