JP2007242511A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池のセルピッチを増大させることなく、圧縮シールの高さをできるだけ大きくしてシール寿命を改善する。
【解決手段】セパレータ10のガス用マニフォールド孔11aのシール領域27と、膜電極結合体30のガス用マニフォールド孔31aとの間に、セル内ガス流路14に連通する間隙部28を形成する。この間隙部は、ガス用マニフォールド孔の内径部31iが、シール領域外径部27pよりも外側に位置するように形成し、前記内径部と外径部とのあいだの径方向の隙間として形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は燃料電池に関し、特にそのセル内のシール構造の改良に関する。
燃料電池の流体には、燃料ガス、酸化ガス、冷却水の3流体が流れるものが一般的である。これら全てのシールを行ったうえで発電運転を行うが、各流体のシール方法は様々である。例えば、セル内反応領域での冷却水を圧縮シールにより、同じく燃料ガス、酸化ガスを接着シールによりシールしたセル構造が特許文献1に開示されている。
この種の燃料電池では、メンテナンス性を考慮し、単セルを構成する部品レベルもしくは単セルや数セルレベルでの取り外しができるように、取り外せるユニット毎に圧縮シールを使用しており、この圧縮シールのへたり量がシール寿命を決めている。すなわちシール寿命はシール高さを確保して圧縮代を大きくとるほど長くすることができる。
特開2003−77499号公報
しかしながら、特許文献1のものでは、マニフォールドからのガスを、樹脂フレームに形成した流路を通してセル内の反応領域に導入する構造となっているので、ガス導入部分の流路高さを大きくするためには厚手の樹脂フレームとする必要がある。このような構成では、結果として圧縮シールの高さが少なくなり、長寿命化という観点からは必ずしも十分なものではない。
一方、シール高さを大きくとろうとしても寸法上の制約により限度が生じる。特に、車両等の移動体用の燃料電池では、定置用の燃料電池とは異なり、車両への積載、ユーティリティスペースの確保等のために空間上の制約が大きく、また出力密度をできるだけ高くするという要求もあることから、セル構成部品の小型化は重要な課題となる。燃料電池スタックは、必要出力に応じて数十セルから数百セルといった多数のユニットを積層して構成されるので、個々のセルの厚さはできるだけ小さくする必要があり、この結果として圧縮シールの寿命が制約されることになる。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、燃料電池の寸法を増大させることなく、圧縮シールの高さを可能な限り大きくとることを目的としている。
本発明は、膜電極結合体と、その両面に接合し、燃料ガスまたは酸化剤ガスが流通するセル内ガス流路を膜電極結合体との間に形成する第1セパレータおよび第2セパレータを備えた単位セルを多数積層してスタックを構成する燃料電池である。
この燃料電池は、積層状態にて互いに隣接する単位セルの第1のセパレータと第2のセパレータとの間に冷却水が流通するセル内冷却水流路を備えると共に、膜電極結合体と各セパレータとを積層方向に貫通して前記ガス流路に連通するガス用マニフォールド孔と、前記セル内冷却水流路に連通する冷却水用マニフォールド孔とを有し、第1セパレータと第2セパレータとのあいだに冷却水流路の外周部とガス用マニフォールド孔の周囲とを封止する圧縮シールを介装してある。
本発明では、前記セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域と、膜電極結合体のガス用マニフォールド孔との間に、セル内ガス流路に連通する間隙部を形成し、この間隙部を、膜電極結合体のガス用マニフォールド孔の内径部が、セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域外径部よりも外側に位置するように形成し、前記内径部と外径部とのあいだの径方向の隙間として形成し、または、前記間隙部を、膜電極結合体の一部を、セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域に対向する部分について薄肉に形成し、この薄肉部とシール領域とのあいだの積層方向の隙間として形成する。
本発明によれば、セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域と膜電極結合体のガス用マニフォールド孔との間に設けた間隙部を介して、ガス用マニフォールド孔に流入したガスをセル内のガス流路に供給し、あるいはセル内ガス流路からのガスをガス用マニフォールドへと排出することができる。このような構成においては、前記ガス用マニフォールド孔のシール領域がガス流通の障害にならないので、当該シール領域の高さすなわち圧縮シールの高さを、冷却水流路の外周部を封止する圧縮シールと同等以上とすることができ、したがってセルピッチを増大させることなくシール寿命の改善を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明の第1の実施形態を示している。図において、10と20は金属製のセパレータ、30は膜電極結合体(以下「MEA」という。)を示しており、燃料電池の単位セルはMEA30の両面に前記第1のセパレータ10と第2のセパレータ20とを接合して構成されている。この単位セルを、必要電力が得られるように多数積層することで燃料電池スタックが構成される。
図1は、第1のセパレータの燃料ガスが導入される側の面を、図2は冷却水が導入される側の面を、それぞれ示している。図示したように外形は略矩形状であり、その長手方向の一端部にそれぞれ燃料ガス、冷却水、酸化剤ガスが流通するガス用マニフォールド孔11a、冷却水用マニフォールド孔12a、ガス用マニフォールド孔13aが開口しており、他端部にも燃料ガス用のマニフォールド孔11b、冷却水用のマニフォールド孔12b、酸化剤ガス用のマニフォールド孔13bが開口している。前記マニフォールド孔の組合せのうち、同一の流体が流れるものは何れか一方が入口、他方が出口となる。
図1においては、マニフォールド孔11aは燃料ガスの入口、マニフォールド孔11bは出口であり、これらの間の領域はMEA30の燃料極側の反応領域36(図3参照)に対向する部分であり、燃料ガスをこの反応領域に均等に配分するための多数の通路部からなる内部ガス流路14が形成されている。ただしガス流路14の詳細な構成は図面記載を省略してある。
図1に符号15にて示した太線部分はMEA30との接合シール部を示しており、図示したようにマニフォールド孔11a〜13a、11b〜13bおよび内部ガス流路14の全体を包囲するとともに、燃料ガス用以外のマニフォールド孔12a、12b、13a、13bを個々に包囲するように設けられている。この接合シール部15に沿って、例えば接着によりMEA30の基材である樹脂フィルム部分にセパレータ10を接合することで、セパレータ10とMEA30との接合面間に燃料ガス用のガス流路が画成されると共に、セパレータ外部への燃料ガスのリーク、または冷却水や酸化剤ガスとのあいだの相互のリークが封止される。
MEA30の反対側の面つまり酸素極側の面に接合される第2のセパレータ20も、その接合シール部の構成が、酸化剤ガス用の出入口のマニフォールド孔(13a、13b)を酸化剤ガス用の内部ガス流路を介して相互に連通するように形成されている点を除いて、第1のセパレータ10と同様に形成されている。また、MEA30には、セパレータ10または20の各マニフォールド孔11a〜13a、11b〜13bと対応する位置にマニフォールド孔31a〜33a、31b〜33bが開口している。
単位セルは、前述したようにMEA30の両面に2つのセパレータ10、20を接合してなり、これらを多数積層することでスタックを構成する。スタックを構成した状態で、各単位セルのマニフォールド孔は積層方向に一連の内部マニフォールドを形成し、燃料ガスや冷却水等の流体を各単位セルに均等に分配する機能を発揮する。
次に、冷却水用のセル内流路の構成とそのシール構造につき、図2または図5を参照しながら説明する。冷却水用の流路は、前記のように単位セルを積層したときに、第1のセパレータ10と、隣接する他の単位セルの第2のセパレータ20とのあいだに画成される。すなわち、図1に示したセパレータ10の背面側に位置する他の単位セルの第2のセパレータ20との間に冷却水用の流路が画成されることになる。
このためにセパレータ10の裏面側は、図2に示したように冷却水用のマニフォールド12aと12bとが中間のセル内冷却水流路24を介して接続するように形成されている。なお、セル内冷却水流路24の詳細な構成は図面記載を省略してある。
図2において、破線で示したのは隣接する他のセパレータ(この場合、第2のセパレータ)との間のシール部を示しており、図示したように各マニフォールド孔とセル内流路の全体を包囲する第1のシール部25と、燃料ガス用または酸化剤ガス用のマニフォールド孔11a、11b、13a、13bの周囲のみを包囲する第2のシール部26とからなっている。前記シール部25、26は、冷却水用マニフォールド孔12a、12bの周囲およびセル内冷却水流路24の部分に比較してMEA20側に突出するように形成されている(図5参照)。前記の突出高さは後述する圧縮シールの圧縮状態での高さの略二分の一である。以下、前記ガス用マニフォールド孔周囲のシール部26における突出部分をシール領域27と呼ぶことにする。
図5は、単位セルの第1のセパレータ10と、隣接する他の単位セルの第2のセパレータ20との間に合成ゴム等の高弾性材料からなる圧縮シール42および43を介装して積層した状態を示している。圧縮シール42は、冷却水流路部分全体を包囲する前記第1のシール部25に、圧縮シール43はガス用マニフォールド孔を包囲する前記第2のシール部26に、それぞれ適合する寸法形状を有するように加工された環状のシール材である。これら圧縮シール42と43は、例えば第2のセパレータのシール部(25、26)に沿って、射出成形または加硫接着により設けられている。
図5は本発明の特徴的な構成を示しており、すなわちMEA30に形成したガス用マニフォールド孔31a(または31b,33a、33b。以下同様。)は、セパレータ10のそれよりも開口面積を大きく、より詳細にはその内径部31iを前記ガス用マニフォールド11a周囲のシール領域27の外径部27pよりも大となるように形成し、前記内径部31iと外径部27pとの間に径方向に間隙部28を設けている。
前記構成に基づく作用効果につき、図4および図5を参照して説明する。一般的に、セパレータと樹脂フィルム部分を持つMEAとを積層してセルを構成する場合、それぞれのマニフォールド孔の寸法・形状は略同一とされる。このような構成において、マニフォールド孔周囲のシール領域27の高さ、つまり圧縮シール43の高さを他の外周側の圧縮シール42と同程度に確保しようとすると、図4に示したように燃料ガス用のマニフォールド孔11aの内側域がシール領域27に接してセル内流路14との連通が遮断され、燃料ガスの供給が不能となってしまう。このため従来はシール領域27に相当する部分のシール高さを低くしてMEA30との間に流路を確保しており、この結果として該シール領域のシール高さが低くなりシール寿命が短くなってしまっていた。
これに対して本実施形態の構成によれば、図5に示したように、セパレータ10のシール領域27とMEA30のガス用マニフォールド孔31aとの間に設けた間隙部28を介して、ガス用マニフォールド孔31aに流入したガスを矢印で示したようにセル内のガス流路14に供給し、あるいはセル内ガス流路14からのガスをガス用マニフォールド(31b)へと排出することができる。このような構成においては、前記ガス用マニフォールド孔11aのシール領域27がガス流通の障害にならないので、当該シール領域の高さすなわち圧縮シール43の高さを、冷却水流路24の外周部を封止する圧縮シール42と同等以上とすることができ、したがってセルピッチを増大させることなくシール寿命を改善することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。各実施形態について図面上対応する部分には同一の符号を付して説明することとする。
図6は本発明の第2の実施形態である。これは、前述したようにシール領域27がMEA30のガス用マニフォールド孔31aと干渉しないことを利用して、図示したようにシール流域27の高さMEA30の厚さよりも小の範囲内でさらに高くとり(図の寸法d分)、それだけ圧縮シール43の寿命をさらに改善しうるようにしたものである。
図7は本発明の第3の実施形態である。これはMEA30のマニフォールド孔31aに臨むシール領域27に、MEA30の厚さと略同等の高さを有し、かつ圧縮シール43に比較して高度の高い材料からなるリブ状の支持部材29を設けたものである。シール領域27の上面が空間となっている図5のような構成においては、セパレータ10または20の剛性によっては圧縮シール43からの反力によりシール領域27が変形してシール性能が損なわれるおそれを生じる。これに対して、本実施形態によれば、前記支持部材29により隣接するセパレータ10、20間で前記シール反力が支持されるので、セパレータ10、20の変形を防止して良好なシール性能を確保することができる。
図8は本発明の第4の実施形態である。これはMEA30のガス用マニフォールド孔31aを、セル内ガス流路14側の縁部のみ拡径して、流路14側にのみ間隙28を設けるようにしたものである。マニフォールド孔31aの流路14側以外の領域はガス供給の必要性がなく、このような構成によっても十分にガス流路14にガス供給を行うことが可能である。また、こうすることによりシール領域27に圧縮シール43の反力が作用したときにMEA30によって支持されない部分を限定して、前述したセパレータ10または20の変形を最小限に抑えることができる。
図9は本発明の第5の実施形態である。これはセパレータ10(20)のガス用マニフォールド孔11a(21a)の開口縁部を外側に折り返した態様の折返し部44を設けたものである。前記折返し部44によりマニフォールド孔周辺のセパレータ10または20の剛性が向上するため、圧縮シール43の反力による変形を抑えて良好なシール性能を発揮させることができる。
図10は本発明の第6の実施形態である。これは、MEA30の一部を、セパレータ10のシール領域27に対向する部分について薄肉に加工し、この薄肉部45とシール領域27とのあいだに積層方向の隙間として間隙部28を形成したものである。MEA30を構成する樹脂フィルムが多層構造である場合にはその一部の層をシール領域27に対向する部分について除去することで薄肉部45を形成するようにしてもよい。この実施形態においては、マニフォールド孔31aから内部ガス流路14への連通路が前記薄肉部45とシール領域27との間に確保される。この実施形態では、薄肉部45がシール領域27に対向しているため、シール領域27の高さつまり圧縮シールの高さ43は相応に制約を受けるので、他の実施形態に比較するとシール寿命はやや短くなるが、MEA30を構成する樹脂フィルム部分がシール領域27とこれに対向する他のセパレータとの間に介在するので、絶縁性能の点では有利である。
本発明の第1の実施形態に係るセパレータの平面図。 同じくセパレータの裏面図。 同じくMEA(膜電極結合体)の平面図。 図1のA−A線に沿った部分の参考構造例を示した要部断面図。 図1のA−A線に沿った要部断面図。 本発明の第2の実施形態の図5に相当する要部断面図。 本発明の第3の実施形態の図5に相当する要部断面図。 本発明の第4の実施形態の図5に相当する要部断面図。 本発明の第5の実施形態の図5に相当する要部断面図。 本発明の第6の実施形態の図5に相当する要部断面図。
符号の説明
10,20 セパレータ
11a,11b,31a,31b 燃料ガス用マニフォールド孔
12a,12b,32a,32b 冷却水用マニフォールド孔
13a,13b,33a,33b 酸化剤ガス用マニフォールド孔
14 セル内ガス流路
24 セル内冷却水流路
25,26 シール部
27 シール領域
28 間隙部
29 支持部材
30 膜電極結合体(MEA)
36 反応領域
42,43 圧縮シール
44 折返し部

Claims (6)

  1. 膜電極結合体と、その両面に接合し、燃料ガスまたは酸化剤ガスが流通するセル内ガス流路を膜電極結合体との間に形成する第1セパレータおよび第2セパレータを備えた単位セルを多数積層してスタックを構成する燃料電池であって、
    積層状態にて互いに隣接する単位セルの第1のセパレータと第2のセパレータとの間に冷却水が流通するセル内冷却水流路を設けると共に、膜電極結合体と各セパレータとを積層方向に貫通して前記ガス流路に連通するガス用マニフォールド孔と、前記セル内冷却水流路に連通する冷却水用マニフォールド孔とを設け、
    第1セパレータと第2セパレータとのあいだに冷却水流路の外周部とガス用マニフォールド孔の周囲とを封止する圧縮シールを介装した燃料電池において、
    前記セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域と、膜電極結合体のガス用マニフォールド孔との間に、セル内ガス流路に連通する間隙部を形成し、
    前記間隙部は、膜電極結合体のガス用マニフォールド孔の内径部が、セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域外径部よりも外側に位置するように形成し、前記内径部と外径部とのあいだの径方向の隙間として形成したことを特徴とする燃料電池。
  2. 膜電極結合体と、その両面に接合し、燃料ガスまたは酸化剤ガスが流通するセル内ガス流路を膜電極結合体との間に形成する第1セパレータおよび第2セパレータを備えた単位セルを多数積層してスタックを構成する燃料電池であって、
    積層状態にて互いに隣接する単位セルの第1のセパレータと第2のセパレータとの間に冷却水が流通するセル内冷却水路を設けると共に、膜電極結合体と各セパレータとを積層方向に貫通して前記ガス流路に連通するガス用マニフォールド孔と、前記セル内冷却水流路に連通する冷却水用マニフォールド孔とを設け、
    第1セパレータと第2セパレータとのあいだに冷却水流路の外周部とガス用マニフォールド孔の周囲とを封止する圧縮シールを介装した燃料電池において、
    前記セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域と、膜電極結合体のガス用マニフォールド孔との間に、セル内ガス流路に連通する間隙部を形成し、
    前記間隙部は、膜電極結合体の一部を、セパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域に対向する部分について薄肉に形成し、この薄肉部とシール領域とのあいだの積層方向の隙間として形成したことを特徴とする燃料電池。
  3. 前記膜電極結合体のマニフォールド孔に臨むセパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域の高さを、膜電極結合体の厚さよりも小の範囲内で高く設定した請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記膜電極結合体のマニフォールド孔に臨むセパレータのガス用マニフォールド孔のシール領域に、膜電極結合体の厚さと略同等の高さを有し、かつ圧縮シールに比較して高度の高い材料からなる支持部材を設けた請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記間隙部は、ガス用マニフォールド孔の、セル内ガス流路側の縁部にのみ設けてある請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
  6. 前記セパレータのガス用マニフォールド孔は、その開口縁部を外側に折り返した態様の折返し部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
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