JP2007242597A - 電力用ガス遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】投入制御機構を保護して、電力用ガス遮断器の信頼性を向上させる。
【解決手段】電力用ガス遮断器は、接点を開閉する遮断ばね26および投入ばね28と、主レバー5と同心上に固定され筐体1内に回転自在に支持された回転軸4と、回転軸に固定され周方向の一部に部分歯車53を取り付けた大歯車52と、この大歯車および部分歯車に噛合う小歯車51とを有する。投入ばね蓄勢後も小歯車が回転し続けるときに大歯車と小歯車との噛合いが解除される。投入ばねと大歯車とを投入ばねリンク27が接続する。回転軸の軸心を通り投入ばねの動作方向に平行な軸X1を基準として、投入ばねの蓄勢が完了する際に投入ばねリンクの軸線と軸X1とのなす角度は0°から約10°の範囲にある。
【選択図】図3

Description

本発明は電力用ガス遮断器に係り、特に変電所や開閉所などの高電圧仕様に好適な電力用ガス遮断器に関するものである。
従来の投入ばね蓄勢装置の他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載のばね操作機構では、投入ばねの蓄勢装置が、一部が欠歯している大歯車とこの大歯車に噛合い駆動源により回転駆動される小歯車とを備える。大歯車の欠歯部に揺動可能な2個の同期爪を設け、投入ばねの蓄勢完了直後に小歯車と同期爪の第1歯を噛合わせ、同期爪の第2歯を閉路動作開始直後に噛合わせる。これにより、投入ばねの蓄勢完了後に電動機が回転し続けても、大歯車の同期爪の揺動により、小歯車から大歯車に過大な荷重が加わるのを回避でき、投入制御機構に過大な負荷が加わるのを防止する。
投入ばね蓄勢装置の他の例が、特許文献3に記載されている。この公報に記載のばね操作機構では、小歯車と同一軸線上にクラッチ駆動要素を設けている。投入ばねの蓄勢が完了する瞬間にクラッチが切れて電動機からの駆動力が小歯車に伝わらないので、投入ばねの蓄勢完了後に電動機が回転し続けても、小歯車及び大歯車が駆動されない。これにより、投入制御機構に過大な負荷が加わるのを防止する。
特開2001−283691号公報 特許第2529309号公報 特許第3644187号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のばね操作機構では、大歯車と小歯車とが常に噛合っているので、投入ばねの蓄勢完了後に電動機及び小歯車が回転し続けるような異常状態が発生すると、投入制御機構に過大な負荷が加わる。その結果、機構部品が破損する恐れがある。手動で小歯車を回転させるような事態が生じると、作業者が気づかずに操作し続けて、投入制御機構に過大な負荷を加えるおそれもある。
上記特許文献2に記載のばね操作機構では、投入ばね蓄勢完了後に投入制御機構に過大な負荷が加わるのを防止できる。しかし、同期爪に衝突負荷が繰り返し発生するので、同期爪の強度を大きくしなければならない。また、次の投入動作で大歯車と小歯車が再び噛合うときに、歯面の噛合いにともないかなりの騒音が発生する。
上記特許文献3に記載のばね操作機構は、クラッチを設けて投入ばね蓄勢完了後に投入制御機構に過大な負荷が加わるのを防止している。しかし、クラッチを切るタイミングを規定するカム機構の調整に多大な時間を要する。また、カム機構が、大歯車とフレームとの間に配設されており、外部から目視で点検することが困難であるとともに、クラッチを修理交換する際には多大な工数を要する。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、投入制御機構を保護して、ガス遮断器の信頼性を向上させることにある。本発明の他の目的は、投入制御機構の保護機構を調整不要にし、交換を容易にすることにある。また、本発明の他の目的は、投入ばね蓄勢時に保護機構の状態を監視し、異常を検出することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、遮断ばねと投入ばねの蓄勢力により固定接触子と可動接触子を有する接点を開閉して電力の遮断と投入を切り換える電力用ガス遮断器において、投入ばねを蓄勢する蓄勢手段を設け、この蓄勢手段は小歯車とこの小歯車に噛合う大歯車および部分歯車を有し、大歯車は周方向の一部が欠損した形状に形成されており、この欠損部に大歯車よりも噛合い強度の低い部分歯車を取り付けたことにある。そしてこの特徴において、部分歯車の歯が大歯車の歯よりも先んじて破損して小歯車との噛合いが解除するように設定するのがよい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、固定接触子と可動接触子を有する接点を開閉して電力の遮断と投入を切り換える遮断部と、接点を開閉する遮断ばねおよび投入ばねと、投入ばねの駆動力をカムに伝達して遮断ばねを蓄勢し、投入ばねを電動機と歯車列により蓄勢する投入ばね蓄勢装置とを備えた電力用ガス遮断器において、カムと同心上に固定され筐体内に回動自在に支持された回転軸と、この回転軸に固定され周方向の一部に部分歯車を取り付けた大歯車と、この大歯車および部分歯車に噛合う小歯車と、投入ばねと大歯車とを接続する投入ばねリンクとを備え、回転軸の軸心を通り投入ばねの動作方向に平行な軸X1を基準として、投入ばねの蓄勢が完了する際に投入ばねリンクの軸線と軸X1とのなす角度が0°から約10°の範囲にあるものである。
そして上記いずれかの特徴において、部分歯車を大歯車に着脱自在に構成するのがよく、大歯車に着脱自在な部分歯車の歯は、大歯車の歯と同一モジュールで同一ピッチでなければならない。また、大歯車の欠損部は溝であり、この溝に部分歯車を嵌合した後にねじ締結するのがよく、大歯車と部分歯車とを異なる材質で構成してもよく、部分歯車の歯が形成された部分の幅方向長さが大歯車の歯幅より狭くてもよい。部分歯車の歯元面に幅方向に延びるスリットを形成してもよく、部分歯車の歯が形成されていない部位に、大歯車と締結するための孔を形成してもよく、部分歯車において、端部側の歯の歯面強度を他の歯よりも大としてもよい。
また、上記目的を達成する本発明の他の特徴は、大歯車および部分歯車の歯を検出するように光電センサを筐体に配設し、演算処理装置と異常状態を表示可能な表示手段を備えたことによる。そして、この特徴において、部分歯車の歯が破損していない基準状態における光電センサの出力波形を演算処理装置に蓄積しておき、部分歯車の歯が破損した場合などの異常状態を検出可能に構成するとよい。
本発明によれば、駆動源にばねを用いるガス遮断器において、投入ばねの蓄勢が完了する瞬間に小歯車と噛合う大歯車の歯を大歯車本体に着脱可能で機械的強度が大歯車本体より低い別ピースの歯としたので、投入制御機構を保護できる。また、その結果、ガス遮断器の信頼性が向上する。また、投入制御機構の保護機構の調整が不要であり、交換も容易になる。
以下、本発明の実施例を、図1ないし図12を用いて説明する。
図9はガス遮断器100の正面図である。
図9において、ガス遮断器100では、円筒形の接地容器103を架台105上に設置している。接地容器103には、絶縁性のガス、例えばSF6 ガス(6弗化硫黄ガス)が規定の圧力で封入されている。接地容器103の軸方向中間部から斜め上方に、ブッシング101,102が突き出ている。ブッシング101,102内には、変電所や開閉所の中の電線を接続して電路を構成する導体が収納されている。架台105の側部には、ガス遮断器100のばね操作機構を収納する操作箱104が取り付けられている。
接地容器103内には固定接触子62と可動接触子63を有する接点が配設されている。図9の状態は、接点が投入されている状態であり、可動接触子63が固定接触子62に接している。遮断動作時には、可動接触子63が固定接触子62から離れる。可動接触子63は、固定接触子62との接触端と反対端で、絶縁材64に接続されている。接地容器103に、回転軸66が回転自在に支持されている。この回転軸66に、リンク65およびリンク67の一端が固定されている。リンク65の他端は、絶縁材64の一端に接続されている。同様に、リンク67の他端は、リンク68に接続されている。
操作箱104内に、ばね操作機構の主軸4が配設されている。主軸は、回転箱104に回動自在に支持されている。主軸4を中心としてばね操作機構が配置されている。主軸4に、リンク69の一端が固定されている。リンク69の他端は、リンク68に接続されている。主軸4およびリンク69,リンク68,リンク67,回転軸66が、4節リンク機構を形成している。4節リンク機構は、ばね操作機構と遮断部とを接続する。
このように構成したガス遮断器100の動作を、以下に説明する。通電時に電力が図示しない系統から上流側のブッシング102に供給される。電力はブッシング102から接地容器103内の接点に導かれ、下流側のブッシング101を経て、再び系統に供給される。
落雷などで系統に事故が発生すると、操作箱104内の操作部を駆動して、主軸4およびリンク69を反時計回りに回転させて、リンク68を下方に移動させる。リンク68が移動すると、リンク67および回転軸66,リンク65が反時計回りに回転し、絶縁材64を左方に移動させる。固定接触子62が可動接触子63から離れて接点が開く。接点が開いたので、下流側への電力の供給が遮断される。
なお、本実施例では接地容器103を水平方向に延在しているが、鉛直方向に延在してもよい。接地容器103にブッシングを直接取り付けた単体のガス遮断器について説明するが、ガス絶縁開閉装置の中に組み込まれていてもよい。SF6 ガスを使用したガス遮断器を例にとり説明するが、真空遮断器など他の開閉装置であってもよい。
図1から図3に、図9で示した操作箱104内に収容するばね操作機構400を模式図で示す。図1から図3に変化するにしたがって、順に遮断部接点の開閉動作が進行する。
図1は、ばね操作機構400の投入ばね28及び遮断ばね26が共に圧縮されている投入状態を示す図である。
図2は遮断動作が終了した状態を示す図である。
図3は投入動作が終了した状態であって、投入ばね28が開放状態の図である。
この図3の状態の後に、投入ばね28を圧縮して図1の状態に戻す図である。
以上の動作については、後に詳述する。
図1に示すように、ばね操作機構400は、主軸4および遮断ばね26を有する遮断操作部403と、カム軸2および投入ばね28を有する投入操作部404と、投入ばね28の駆動力を保持開放する投入制御機構402と、遮断ばね26の駆動力を保持開放する遮断制御機構401と、図3に詳細を示す投入ばね蓄勢装置405とを有している。
遮断操作部403の主軸4には、略Y字型の主レバー5の中間部が取り付けられている。略Y字型をした主レバー5の2つの端部には、ローラ6,7が取り付けられている。また、主レバー5の残りの端部には、遮断ばねリンク25の一端がピン25aを介して回動自在に取り付けられている。遮断ばねリンク25の他端には、フランジ34が取り付けられている。フランジ34は、遮断ばねリンク25の外周に配置された遮断ばね26を保持する。遮断ばね26は、フランジ34で保持された端部と反対側を、筐体1で保持されている。
投入操作部404および投入ばね蓄勢装置405の構造を、図1ないし図4を用いて説明する。筐体1内に回動自在に支持されたカム軸2の一端にカム3が、他端に大歯車52が取り付けられている。大歯車52の中間部には、投入ばねリンク27の一端が回動自在に取り付けられている。投入ばねリンク27の他端部には、ばね受35が取り付けられている。ばね受35は、投入ばね28の一端側を保持する。投入ばね28は、投入ばねリンク27の外周に配置されている。ばね受35の反対側は、筐体1に保持されている。
ここで、大歯車52の外周部の一部には、大歯車52の歯と同一モジュールで同一ピッチの歯を有する弧状の部分歯車53が取り付けられている。部分歯車53は、大歯車52の同心円状に形成した溝部に嵌合している。部分歯車53の内径側は、大歯車52の外径と同心円状をしており、側部は台形状になっている。したがって、内径側ほど周方向長さが長く、大歯車の溝に嵌合したときに遠心力で抜け出ない形状に構成されている。通常状態では、部分歯車53の歯が小歯車51の歯と噛合った状態で静止している。
図4は歯車操作部の詳細縦断面図である。
図4において、小歯車51には、図示を省略した電動機から駆動力が伝達可能である。投入ばねを蓄勢する際には、小歯車51が駆動側になり、大歯車52が従動側となる。投入動作では、逆に大歯車52が駆動側になり、小歯車51が従動側になる。小歯車51が固定された軸51aの一端は、筐体1に回動自在に支持されている。軸51aの他端には、手動操作ハンドル56を取り付ける嵌合部51bが形成されている。手動操作ハンドル56を軸51aに常時取り付ける必要はなく、手動操作時のみ取り付ける。
遮断操作部403に隣り合って、遮断制御機構401が配置されている。遮断制御機構401では、筐体1に固定した軸8aに、第2遮断ラッチ8の中間部が回動自在に取り付けられている。第2遮断ラッチ8の一端部に形成した係合部8bは、略Y字型の主レバー5の一端に設けたローラ7に係合する。第2遮断ラッチ8の他端部にはローラ10が取り付けられている。第2遮断ラッチ8は、軸8a部で折れ曲がった形状に形成されている。軸8aと第2遮断ラッチの係合部8bとの中間に、第2遮断ラッチ8を元の位置に復帰させる復帰ばね9の一端部が取り付けられている。この復帰ばね9の他端部は、筐体1に固定されている。
第2遮断ラッチ8の一端に設けたローラ10と係合可能に、遮断ラッチ11が配置されている。遮断ラッチ11の中間部は、筐体1に支持された軸11aに回動自在に取り付けられている。遮断ラッチ11は、軸11a部で折れ曲がった形状に形成されており、軸11aとローラ13との中間に、筐体に一端が固定された遮断ラッチ11を元の位置に復帰させる復帰ばね12の一端部が取り付けられている。遮断ラッチ11がローラ10と係合する係合部11bの反対側にはローラ13が取り付けられている。ローラ13と係合可能に、略L字形状をした遮断トリガ14aの先端部が当接している。この先端部は、曲面に形成されている。
遮断トリガ14aの略L字の角部は、軸14cに取り付けられている。軸14cには水平方向に伸びる部材14bが取り付けられており、この部材14bに当接可能に遮断用電磁石201のプランジャ211が配置されている。遮断トリガ14bの中間部に、復帰ばね15が取り付けられている。復帰ばねの一端は筐体1に固定されており、遮断トリガ14を元の位置に復帰させる。
投入制御機構402は、投入ラッチ19を有している。投入ラッチ19は、カム3に取り付けられたローラ18に係合可能である。投入ラッチ19は略V字形をしており、その屈曲部を軸19aに回動自在に取り付けている。投入ラッチ19のV字の一端には、カム3のローラ18に係合する係合部19bが形成されている。投入ラッチ19のV字型の他端には、ローラ21が取り付けられている。
ローラ21に一端部が当接可能に、投入トリガ22が配置されている。投入トリガ22は折れ曲がった形に形成されており、その折れ曲がり部を軸22aに回動自在に取り付けられている。回転軸22aは、筐体1に回転自在に支持されている。軸19aから投入ラッチ19のローラ21までの中間に、一端が筐体1に固定された復帰ばね20が取り付けられている。投入トリガ22がローラ21に当接する側の反対端には、投入トリガ22bが形成されている。投入トリガ22bに当接可能に、投入用電磁石202のプランジャ212が配置されている。
このように構成した本実施例のガス遮断器では、第2遮断ラッチ8に取り付けた復帰ばね9、遮断ラッチ11に取り付けた復帰ばね12、遮断トリガ14aに取り付けた復帰ばね15のそれぞれは、図1に示す投入保持状態で圧縮状態になっている。本実施例ではこれらの復帰ばね9,12,15をコイルばねで形成したが、ねじりコイルばねや皿ばねなどのばねでもよい。
ガス遮断器100の動作を、以下に説明する。初めに図1に示した投入状態から遮断状態へ移行する動作について述べる。投入状態において、遮断指令が入力されると、遮断器100は遮断動作を開始する。遮断制御機構401の遮断用電磁石201が励磁され、遮断用電磁石201のプランジャ211が突出する。プランジャ211は、トリガレバー14bを押圧する。その結果、遮断トリガ14と遮断ラッチ11との係合が外れる。
遮断トリガ14aとの係合が外れて、遮断ラッチ11は回動自由になる。遮断ラッチ11は、第2遮断ラッチ8のローラ10から押圧されているので、軸11a回りに左回転する。回動が規制されていた第2遮断ラッチ8が回動自由になり、主レバー5のローラ7からの押圧力により、第2遮断ラッチ8が軸8a回りに左回転する。主レバー5のローラ7と第2遮断ラッチ8との係合が外れて、主レバー5が回動自由となる。圧縮状態にある遮断ばね26の規制が外れたので、遮断ばね26が放勢され、主レバー5が反時計回りに回転する。接点の遮断動作が実行される。遮断ばね26が放勢しきると、遮断動作が終了する。主レバー5の端部のローラ6が、カム3の外周面にほぼ当接して止まる(図2参照)。
接点が遮断状態から図3に示す投入状態に移る動作を、以下に説明する。図2に示す遮断状態で、遮断器100に投入指令が入力されると、投入用電磁石202が励磁される。投入用電磁石202のプランジャ212が下方向に突出し、投入トリガ22bを押圧する。投入トリガ22が反時計回りに回動し、投入ラッチ19のローラ21と投入トリガ22との係合が解除される。
回動が規制されていた投入レバー19が回動自由になり、カム3のローラ18からの押圧力により、投入ラッチ19が反時計回りに回動する。投入ラッチ19とカム3のローラ18との係合が、解除される。カム3の回動の規制がなくなったので、投入ばね28のばね力が放勢される。投入ばねリンク27が下方向に移動し、大歯車52およびカム軸2,カム3が反時計回りに回転する。
カム3の回動に伴い、カム3の外周面が主レバー5のローラ6に当接する。主レバー5が時計回りに回転する。カム3が反時計回りに略半回転すると、カム3の最大曲率半径部分でカム3の外周面が主レバー5のローラ6に当接する。このとき、主レバー5に接続した遮断ばねリンク25が、遮断ばね26をほぼ元の位置まで圧縮する。
投入ばね28が放勢しきると、接点が投入される。なお、投入動作終了時に遮断制御機構401の各レバー8,11,14が復帰ばね9,12,15の力により元の位置に復帰する。これにより、遮断ばね26力が保持される。投入動作が終了した状態が図3である。遮断指令が入力されるとすぐに、遮断動作が可能となる。すなわち、遮断動作2回および投入動作1回の駆動エネルギーを、初回の遮断動作の前に蓄えておき、JEC−2300に規定された高速度再閉路の動作責務、O−0.35秒−CO動作が可能となる。ここで、Oは遮断動作を、COは投入動作に引き続き遮断動作を実行することである。
投入動作が終了した後に、投入ばねを蓄勢する動作を以下に説明する。図3において、図示を省略した電動機と歯車列を介して小歯車51を時計回りに回転させる。小歯車51と噛合う大歯車52が反時計回りに回動する。これに伴い、投入ばねリンク27が反時計回りに揺動し、投入ばね28が圧縮される。投入ばね28を蓄勢させる時点では、小歯車51の軸心と大歯車52の軸心を結ぶ直線上に部分歯車53が位置している。
投入ばね28を蓄勢開始するときに、大歯車52の基準位置が鉛直下方に位置する点を基準とする。この点と大歯車52の中心を結ぶ線からの大歯車の回転角度をθで表す。すなわち、投入ばね28を蓄勢開始するときがθ=0である。大歯車52がほぼ半回転すると、図示しないリミットスイッチの指令により電動機が停止する。
圧縮された投入ばね28の駆動力により、大歯車52がさらに反時計回りに回転しようとする。大歯車52と同軸のカム3のローラ18が投入レバー19に、投入レバー19が投入トリガ22にそれぞれ係合しているので、カム3および大歯車52の回動が阻止され、投入ばね28のばね力が保持される。これにより、図1に示すように接点が投入保持状態になり、遮断ばね26と投入ばね28が圧縮された初期状態に戻る。
通常動作において、投入ばね28を蓄勢したときに大歯車52および小歯車51の歯面に作用する荷重Fを、図8を用いて説明する。
図8の横軸は、大歯車の回転角θである。大歯車52と投入ばねリンク27は、スライダ・クランク機構を構成する。角度θが約90°で最大荷重Fmaxに達する。角度θが90°を越えると、歯面の荷重Fは減少する。大歯車52および小歯車51の諸元は、角度θが約90°のときの歯面に作用する荷重Fmaxから決定される。一方、投入ばね28の蓄勢が完了する角度θ=180°付近では、歯面の荷重Fは小さい。そこで、投入ラッチ19の諸元を投入ばね28の駆動力だけに基づいて設計する。
これに対して、投入ばね28を蓄勢した後も電動機および小歯車51が回転し続ける異常状態では、従来の蓄勢装置の大歯車52の荷重Fは、回転角度θ=180°付近で大きくなる。大歯車52が損傷する限界強度より大歯車52の応力がはるかに下回っていても、歯面の荷重Fがカム3のローラ18を介して投入レバー19に作用し、投入レバー19に過大な荷重が作用する。その結果、投入制御機構402が破損するおそれがあった。破損を回避するには、投入制御機構40の部品強度を大幅に増加させる必要があり、投入制御機構が大型化する。
このような不具合を解消するために、本実施例では、大歯車の歯の噛合い強度を部分的に低下させている。異常状態が発生したときには、強度を低下させた部分歯車53の3枚の歯53e〜53gが破損し、小歯車51との噛合いが断たれ、投入制御機構40を保護する。具体的には、部分歯車53を大歯車52より機械的強度が低い低弾性率の金属や非金属,樹脂のいずれかで構成している。
大歯車52に嵌合する部分歯車53の位置は、破損時に他の部品に影響の少ない位置に定める。具体的には、図1に示す位置とする。この状態では、投入ばね28の蓄勢が完了したときに、部分歯車53の最左側の歯53dが小歯車51とは噛合わない。本実施例によれば、異常状態で歯53e〜53gが破損しても、部分歯車53の端部の歯53dだけは破損しない。部分歯車53の歯が破損しても、次の投入動作の初期に小歯車51と部分歯車53との噛合いが復旧し、投入動作が可能となる。特に、部分歯車53の歯の破損が不完全な場合でも、投入動作初期の投入ばね28の駆動力による大歯車52の回転により、機械的強度が低い部分歯車53の歯の破損が進み、小歯車51と大歯車52とが滑らかに噛合うことが可能となる。また、投入動作終了後の投入ばねの再蓄勢動作も可能である。
よって、部分歯車53の歯が破損した状態においても、遮断器の動作が可能である。ただし、破損片が他の機構部位に噛みこまれて不具合が発生するリスクがある。そこで、部分歯車の歯が破損した場合には、図2に示した投入動作終了の状態で、大歯車52から部分歯車53を取り外して交換できる。よって、短時間で遮断器を復旧できる。
本発明に係る遮断器の他の実施例を、図5ないし図7を用いて説明する。
図5は投入ばね蓄勢装置が備える大歯車52と部分歯車53の斜視図である。
図6は部分歯車53だけの斜視図である。図7は、大歯車52だけの斜視図である。
本実施例では、大歯車52の歯幅b1を部分歯車53の歯幅b2より大きくする(b2<b1)。部分歯車53の歯元には、幅方向に延びるスリット53hを形成している。大歯車52に嵌合する部分の部分歯車53の幅は大歯車52と同じであるが、部分歯車53で歯が形成されていない部分には、締結用の孔53aを形成する。小ねじ55を介して部分歯車53を、大歯車52に締結固定する。大歯車52には溝部52bおよび締結用のねじ孔52aが形成されている。
着脱自在の部分歯車53を大歯車に嵌合するようにしたので、大歯車52よりも機械的強度の劣る部分歯車53でも使用可能になる。その結果、投入ばね蓄勢動作中に異常事態が発生しても、部分歯車53の歯が先に破損するので投入制御機構を保護することができる。
また、歯元にスリット53hを形成したので、異常状態が発生するとスリットの形成された歯53e〜53gが他の歯に先んじて折損するので、小歯車51と確実に噛合わなくなる。小ねじ55を用いて大歯車52に部分歯車53を締結したので、部分歯車53が破損しても交換が容易になる。部分歯車53の材質は、大歯車52と同一であってもよいし、大歯車よりも強度の劣るものでもよい。また、上記実施例では、部分歯車の噛合い終り側の歯の根元にスリットを形成しないで歯面の強度を他の歯よりも大にしているが、噛合い終り側の歯の幅方向長さを長くし、他の歯にスリットを形成しないようにしても、同様の効果が得られる。
さらに、本発明に係る遮断器の他の実施例を図10ないし図12を用いて説明する。
図10は部分歯車53の異常検出構成を示す図である。
図11は部分歯車53の歯に破損が無い標準状態での電動機指令および光電センサの出力線図である。
図12は部分歯車53の歯が1枚破損した異常状態での出力線図である。
図10は投入ばね蓄勢中の一状態である。光電センサ58が筐体1に固定されており、その検出面が大歯車52および部分歯車の歯の側面に対向している。光電センサ58は、演算処理装置59に接続され、この演算処理装置59と表示手段60が接続されている。
図11の標準状態の場合、電動機が起動すると光電センサ58も起動して、それぞれ61−1および62−1の出力線図が演算処理装置59に蓄積される。光電センサは大歯車52および部分歯車53の歯を検出するとON状態となり、投射光が歯間に出て反射光が検出面に戻らない場合にはOFF状態となる。
一方、図10において、部分歯車53の歯57が折損した場合には、図12の63−2に示すように、光電センサの投射光が折損歯57の上方を透過するため、光電センサのOFF状態が長くなる。よって、演算処理装置59に蓄積した出力線図との比較により、部分歯車53の歯の折損を検出することができる。さらに、表示手段60に部分歯車53の歯の破損を表示することにより、遮断器の保守担当者が早期に部分歯車53の交換を行うことができる。このように、本実施例によれば、光電センサにより部分歯車53の歯の破損を早期に精度良く検出することが可能であり、遮断器の信頼性を向上させることができる。
本発明に係る電力用ガス遮断器の一実施例の模式図。 図1に示した電力用ガス遮断器の操作を説明する図である。 図1に示した電力用ガス遮断器の操作を説明する図である。 図1に示した電力用ガス遮断器が有するばね蓄勢装置の正面断面図である。 図1に示した電力用ガス遮断器に用いる大歯車の他の実施例の斜視図である。 図5に示した大歯車に取り付ける部分歯車の斜視図である。 図5に示した大歯車から部分歯車を取り去った状態の斜視図である。 大歯車の負荷を説明する図である。 本発明に係る電力用ガス遮断器の一実施例の正面図である。 本発明に係る電力用ガス遮断器の一実施例の模式図である。 部分歯車の歯の破損が無い場合の光電センサの出力線図である。 部分歯車の歯の破損が有る場合の光電センサの出力線図である。
符号の説明
1…筐体、2…カム軸、3…カム、5…主レバー、26…遮断ばね、28…投入ばね、51…小歯車、52…大歯車、53…部分歯車、58…光電センサ、59…演算処理装置、60…表示手段、400…ばね操作機構、401…遮断制御機構、402…投入制御機構、403…遮断操作部、404…投入操作部、405…投入ばね蓄勢装置。

Claims (15)

  1. 遮断ばねと投入ばねの蓄勢力により固定接触子と可動接触子を有する接点を開閉して電力の遮断と投入を切り換える電力用ガス遮断器において、前記投入ばねを蓄勢する蓄勢手段を設け、この蓄勢手段は小歯車とこの小歯車に噛合う大歯車および部分歯車を有し、前記大歯車は周方向の一部が欠損した形状に形成されており、この欠損部に大歯車よりも噛合い強度の低い前記部分歯車を取り付けたことを特徴とする電力用ガス遮断器。
  2. 前記部分歯車の歯が前記大歯車の歯よりも先んじて破損して小歯車との噛合いが解除するように設定したことを特徴とする請求項1記載の電力用ガス遮断器。
  3. 前記部分歯車を、大歯車に着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の電力用ガス遮断器。
  4. 前記大歯車に着脱自在な部分歯車の歯は、前記大歯車の歯と同一モジュールで同一ピッチであることを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  5. 前記大歯車の欠損部は溝であり、この溝に前記部分歯車を嵌合した後にねじ締結したことを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  6. 前記大歯車と前記部分歯車とを異なる材質で構成したことを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  7. 前記部分歯車の歯が形成された部分の幅方向長さが前記大歯車の歯幅より狭いことを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  8. 前記部分歯車の歯元面に幅方向に延びるスリットを形成したことを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  9. 前記部分歯車の歯が形成されていない部位に、前記大歯車と締結するための孔を形成したことを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  10. 前記部分歯車において、端部側の歯の歯面強度を他の歯よりも大としたことを特徴とする請求項3記載の電力用ガス遮断器。
  11. 前記大歯車を回動自在に支持する筐体に光電センサを配設し、前記光電センサの検出部が前記大歯車および部分歯車の歯に対向するように構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電力用ガス遮断器。
  12. 投入ばねの蓄勢開始時に光電センサの起動指令が入力され、投入ばね蓄勢完了後に光電センサの指令を切断するように構成したことを特徴とする請求項11記載の電力用ガス遮断器。
  13. 前記部分歯車の歯が破損していない状態における前記光電センサの出力波形を演算処理装置に蓄積しておき、前記部分歯車の歯が破損した場合などの異常状態を検出可能に構成したことを特徴とする請求項12記載の電力用ガス遮断器。
  14. 前記部分歯車の歯が破損した場合に、異常状態を表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする請求項13に記載の電力用ガス遮断器。
  15. 前記演算処理装置には、前記光電センサの出力の他、開閉指令を検出するセンサや前記可動接触子のストロークを算出可能な変位センサ、あるいは接点の開閉のタイミングを検出可能なセンサなどの出力も接続されていることを特徴とする請求項14記載の電力用ガス遮断器。
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