JP2007242913A - 試料載置電極及びそれを用いたプラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極温度制御の能力増大と静電吸着力の全面均一性の確保が可能な、ヒータを用いた温度制御型の試料載置電極を提供する。
【解決手段】処理室内に設けられ被処理基板0112が配置される試料載置電極0113であって、試料載置面を有する誘電体膜0122と、誘電体膜0122を挟んで試料載置面と相対応するように設けられ、静電吸着用電極とヒータ電極とを兼ねる実質的に同じ高さの層からなる電極薄膜0123と、電極薄膜0123にヒータ用の交流電力0118と静電吸着用の直流電力0117とを同時に供給し得る電源装置とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】処理室内に設けられ被処理基板0112が配置される試料載置電極0113であって、試料載置面を有する誘電体膜0122と、誘電体膜0122を挟んで試料載置面と相対応するように設けられ、静電吸着用電極とヒータ電極とを兼ねる実質的に同じ高さの層からなる電極薄膜0123と、電極薄膜0123にヒータ用の交流電力0118と静電吸着用の直流電力0117とを同時に供給し得る電源装置とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は試料載置電極及びそれを用いたプラズマ処理装置に係り、特に、温度制御電極を備えた試料載置電極及びそれを用いたプラズマ処理装置に関するものである。
エッチング装置などのプラズマ処理装置では、真空容器内にマイクロ波もしくは高周波を用いて、プラズマを形成し、処理すべき試料を載置する電極を設け、そこにバイアス高周波を印加して、処理を実施する。電極は試料を静電的にチャックする。同時に試料のエッチング均一性やエッチング形状をコントロールするために、電極表面上の温度分布を径方向に分布をつけ、試料表面に温度分布をつける。
試料表面上に温度分布をつけるためには、電極本体内部に温度の異なる冷却水等の複数の冷媒供給系統を配置する方法(第一の方法)、電極表面と試料裏面との間に熱伝達のために供給Heガスの供給系統を複数とし、その複数の供給系統のHeの圧力を制御する方法(第二の方法)、さらには、薄い誘電体層を介して電極本体に薄いヒータ電極を設置する方法(第三の方法)が知られている。第三の方法に関しては、例えば、特許文献1及び特許文献2には、静電吸着電極の下部にヒータ電極を設置した上下2層の電極構造が開示されており、特許文献3には、同じ電極を用途に応じて静電チャックにしたりヒータにしたりすることのできるウエハ支持部材が開示されている。
上記第一の方法は、一般に液冷媒を使用するものであるため電極の温度分布を急変させることが出来ないという問題がある。上記第二の方法は、たとえばLSIゲート加工用のエッチング装置のようにプラズマからの入熱が小さいときには、電極表面内において十分な温度変化が得られないという問題がある。上記第三の方法すなわちヒータ電極を利用した温度制御は応答性が良いので、上記のような問題を避けることができるが、以下に述べるような技術的困難がある。
まず、前提として、試料を静電的にチャックするために、100μm程度の薄い誘電体膜の下部にW薄膜等でできた薄い吸着電極を電極のほぼ全面にわたって設置する必要がある。電極全面にわたって設置するのは、静電吸着力を全面にわたって確保する必要があるためである。上記の試料表面の温度制御のために、ヒータ電極を配置する方法を取る場合でも、電極本体に薄い誘電膜を介して、W薄膜等で出来たヒータ電極を設置する。このとき、上述の静電吸着用の電極も設置する必要がある。従来は、ヒータ電極と吸着電極とを上下2層に設置する必要があった。このような2層構造をとると、かりに吸着電極を下部に持ってくると吸着が不十分になるし、また仮に、特許文献1や特許文献2に開示されているようにヒータ電極を下部に持ってくると、温度制御が不十分になるといった問題があった。また2層の薄膜を、薄膜誘電体層の中に埋め込む技術は難しく、コストアップとなる問題もあった。特許文献3に開示されている方式では、ヒータ電極と吸着電極を同時に備えることについては、なんら開示が無い。
本発明の目的は、電極温度制御の能力増大と静電吸着力の全面均一性の確保が同じ層の電極で実現可能な試料載置電極を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、上記ヒータ電極と、吸着電極とを兼ねた電極薄膜を実質的に1層で、実現する。
本発明の特徴の1つは、処理室内に設けられ被処理基板が配置される試料載置電極であって、試料載置面を有する誘電体膜と、前記誘電体膜を挟んで前記試料載置面と相対応するように設けられ、静電吸着用電極とヒータ電極とを兼ねる実質的に同じ高さの層からなる電極薄膜と、前記電極薄膜にヒータ用の交流電力と静電吸着用の直流電力とを同時に供給し得る電源装置とを備えた試料載置電極にある。
本発明によれば、簡単な構成にて、静電吸着力により試料のほぼ全面を確実に吸着しながら、電極上の試料表面の平均温度ならびに径方向温度分布を、高速に変更することが出来る。これにより、エッチングレートならびに、形状の均一性を、試料面内で確保することが出来る。
以下、図を参照しながら本発明を用いた実施例を説明する。
図1〜図5により、本発明の実施例1を説明する。図1は、本発明の実施例1に係る試料載置電極の詳細構造を示す図である。図2は、実施例1に係る試料載置電極を採用したエッチング装置の構成の概略を示す縦断面図である。図3にヒータ・吸着兼用電極の平面構造を示す。図4はヒータ・吸着兼用電極の縦断面構造を示すと共に作用を説明する図である。
まず、図1により、試料載置電極の内部の詳細構造を説明する。基板電極(電極本体)0113は、基材部0120と誘電体薄膜0122を備えている。すなわち、電極本体の下部には、AlまたはTi等の金属で構成される基材部0120があり、その中に、基材温度を調節するための温度調節用の冷媒が流れる通路0121が設けられている。この通路0121は、外部で温調器0119に接続され、例えば液冷媒の循環量が制御される。基材部0120にはバイアス電源0115が接続されている。
基材部0120の上部には、たとえば溶射法によって、Al2O3等の誘電体薄膜0122を形成する。誘電体薄膜0122は、その膜内にヒータ電極と静電吸着電極の両機能を兼ね備えた電極薄膜(ヒータ・吸着兼用電極)0123を有しており、この電極薄膜0123に静電吸着電源(直流電源)0117とヒータ電源(交流電源)0118とが接続されている。
誘電体薄膜0122の形成方法としては、まず基材部0120の上に100〜300μmのAl2O3からなる第1の誘電体薄膜(図4:0122a)を溶射法によって形成し、次に、その上に、タングステンW等の金属材料を10〜100μmの厚みで溶射して実質的に同じ高さ(厚み)の層からなる電極薄膜0123を形成し、その上に、再びAl2O3からなる第2の誘電体薄膜(図4:0122b)を50〜150μmの厚みで溶射する。
なお、電極薄膜を形成するために溶射する金属材料として、上記説明ではWを例に取ったが、ヒータに好適となるように抵抗率を制御したニッケル・クロム合金でもよいし、Wに適当な添加金属を混ぜ抵抗率を制御したものでもよい。溶射金属の厚みも、用いた金属素材の抵抗率、所要発熱パワー、電源が供給可能な電圧・電流能力、用いるヒータ電極の線幅によって決められる。
第2の誘電体薄膜の表面には、被処理基板0112(試料)を載置する試料載置面と、Heガスが流入する隙間としての凹部等が形成される。
基板電極0113は、被処理基板0112と電極の試料載置面との熱伝導を行うHe供給系0116(図2参照)を備えており、Heガスが通路を介して上記凹部等に供給される。
基板電極0113は、自動整合器0114を介してバイアス電源0115に接続されている。また、基板電極0113には、静電吸着用の直流電源0117と、ヒータ温度制御のためのヒータ電源0118とが接続されている。すなわち、直流に交流を重畳したヒータ・吸着兼用電極の電源装置がヒータ・吸着兼用電極123に接続されている。
電極本体の外部には、ヒータ電源と静電吸着電源を一体化した給電電源が接続されている。このように、本実施例の特徴の1つは、ヒータ給電回路と、静電チャック給電回路を一体化した回路を採用することにある。
ヒータ電源0118としては、たとえば商用周波数(50/60HZ)、500Wを用い、静電吸着電源0117としては100〜2000Vを出力できる直流電源を用いる。ヒータ電源0118は、絶縁トランス0124を介して、静電吸着電源0117と結合されている。静電吸着電源0117は、電流値0.1〜10mA、電圧100〜2000V定格のものを用いるので、減流抵抗0125をつけて回路を保護している。ヒータ電源0118には、例えば電圧10〜200Vの可変電圧電源を用い、電流は1〜20A程度のものを用いる。このような回路構成によって、ヒータ電源0118と、静電吸着電源0117は相互に干渉することなく、同一の兼用電極0123に交流および直流を印加することが出来る。
なお、上記説明において、直流高電圧がヒータ電源0118側に流れ込まないよう、絶縁トランス0124を用いるとしたが、絶縁トランスに代えて絶縁コンデンサを採用してもよい。
ヒータおよび静電吸着用の電極薄膜0123への給電線上には、バイアス高周波が流れ込まないようなカットフィルタ0130が設置してある。すなわち、高周波は0115から出て、基材部0120を介して、試料0131に供給されるが、その一方で、電極薄膜0123の層を経由して、ヒータ電源・静電吸着電源(0117、0118)方向にリークしようとする。これを防止するために、途中にカットフィルタ0130が設置される。カットフィルタとしては、通常インダクタンスが用いられる。
次に、図2により、上記試料載置電極を採用したエッチング装置について説明する。エッチング装置は処理室0111を備えており、この処理室0111の内側に、処理対象である被処理基板0112がその上に載置される基板電極0113を備えている。処理室0111には図示しない真空排気系とガス導入系が接続されており、プラズマ処理に適した雰囲気、圧力に保持することができる。処理室0111内上部で被処理基板0112の上方に平板形状の石英窓及び分散プレート0105が配置されている。ガス導入系により、この分散プレート0105に配置された複数の開口から処理用ガスが分散されて処理室0111内の基板電極0113上方の空間に供給される。電磁波放射手段としてのマイクロ波源0101は、マイクロ波あるいはUHF帯の電磁波を供給する。このマイクロ波等は、導波管0104を伝播して処理室0111内に放射される。一方、処理室0111の上部周囲には、磁場供給手段としての複数のコイル0106が配置されている。なお、処理室0111の壁は接地されている。
被処理試料0112が基板電極0113上に吸着保持され、電磁波放射手段により投入されたマイクロ波により、処理室0111内に供給されたプロセスガスがプラズマ化(0109)され、被処理試料0112に所定のプラズマ処理を行うことができる。また、被処理試料0112の表面は基板電極0113でその温度分布が制御される。
基板電極0113上の被処理試料0112には、自動整合器0114を介してバイアス電源0115により400KHz〜4MHz程度のバイアス電位を加えることができる。これによりプラズマ0109中のイオンを被処理基板に引き込み、プラズマエッチング処理の高速化や高品質化を図ることができる。
被処理基板0112の処理の際に生成された反応生成物は、基板電極0113の下方に配置された排気口から、これに連結された真空ポンプ(図示省略)の動作によって、排気される。
なお、プラズマの生成手段は、上記マイクロ波を用いた手段に限定されるものではなく、高周波を用いた静電結合手段または誘導結合手段によるプラズマ生成手段でもよい。
本実施例では、W電極にかける印加直流電圧と試料との間にかかるクーロン力によって被処理基板0112を試料載置面に吸着させるので、Al2O3からなる誘電体薄膜0122の上部厚み0122bは、耐電圧に問題がない程度に薄くする。たとえば、印加電圧を1500VDCとし、10kPa程度の吸着力を得るために、誘電体薄膜0122の上部厚み0122bは100μmとする。
なお、本実施例では、誘電体薄膜0122は、溶射膜を例にとって説明しているが、一般に焼結膜、結晶膜等の絶縁物皮膜でもよい。
本実施例では、電極薄膜(ヒータ・吸着兼用電極)0123がダイポールタイプの静電吸着方式を取るものとし、電極薄膜0123は大きく内周側と、外周側に分かれて形成されている。それぞれ、外側吸着電極と内側吸着電極は、面積がほぼ同じになるようにしてあり、それぞれたとえば+1500V、−1500Vと正負の電圧を印加する。このダイポール方式を取るのは、試料を電極に搬送して、試料を載置したのち、プラズマを着火する前から吸着電圧を印加して、あらかじめ吸着を開始することができるためである。
また、試料を吸着するための吸着方式として、上記のクーロン吸着方式以外に、ジョンソンラーベック力を利用する方式であってもよい。この場合、誘電体膜は、たとえばAl2O3にチタン酸化物等の添加物を含んだものを溶射することで実現される。
図3に、本実施例のダイポール方式を採用した電極薄膜0123の平面構造の一例を示す。電極薄膜0123は、略円形の試料載置面の全面に対応する外側吸着電極0123aと内側吸着電極0123bとがあり、各々その中の一定のエリアが外側ヒータ電極と吸着用電極を兼ねるコモンエリア0123c(c1,c2)、内側ヒータ電極と吸着用電極を兼ねるコモンエリア0123d(d1,d2,d3)として定義される。外、内のコモンエリアは、半径方向ギャップGrを有するほぼ一定幅及び一定高さの環状若しくは螺旋状の電極面を有し、夫々行き戻りの2端子126x、126y、127x、127yから商用周波のヒータ用交流電力が供給される。換言すると、コモンエリア0123cの両端部に2つの端子126x、126yから交流電力が印加されることで外側ヒータ電極となり、コモンエリア0123dの両端部に2つの端子127x、127yから交流電力が印加されることで内側ヒータ電極となる。
図3の例では、コモンエリアとしては、内側3ターン、外側2ターンを図示した。このターン数は一般にシングルターンまたは複数ターンをとる。
なお、環状若しくは螺旋状の電極面の半径方向ギャップGrは、0.5mm〜1.0mmとするのが良い。
一方、静電吸着エリアは、この内外2つのコモンエリア(0123c、0123d)と1つ若しくは複数のブランチエリアとで構成される。すなわち、静電吸着エリアは、コモンエリアに加えて、これらのコモンエリアとは狭い幅のブリッジ部(0128a、0128b、0129a、0129b)を介して接続された、ブランチエリアすなわち非ヒータ・吸着専用エリア(0123e、0123f、0123g、0123h)とで構成される。
例えば、外側吸着電極のブランチエリア0123e、0123f1は、端子126xと端子126yの外側や内側にあり、しかもコモンエリア0123c1、c2との間に狭いブリッジ部0129a、0129bがある。そのため、これらのブランチエリアは、2つの端子126x、126yの間に交流電力が印加されたとき実質的な電気的回路を構成せず、従って、ヒータ電極エリアとはならない。同様に、内吸着電極のブランチエリア0123hや0123gは、端子127xと端子127yの外側にあり、しかもコモンエリア0123d1やd3との間に狭いブリッジ部0128a、0128bがある。そのため、これらのブランチエリアもヒータ電極エリアとはならない。
即ち、吸着エリア全体は、上記の端子126x、126y、127x、127yから、コモンモードにて直流電圧が一様に供給され、それによって吸着エリア全体に吸着力が生じる。また、吸着専用エリアには、ヒータ用の電流が流れ込むことはない。
ブランチエリアにおける電極面は、試料載置面のスペースを有効に活用して設ければよく、必ずしも平面形状が一定である必要はない。このように、本実施例では、ヒータ・吸着兼用電極を実現するための電極の平面状の構造に工夫がなされている。
なお、ブランチエリアとコモンエリアを接続するブリッジ部(0128a、0128b、0129a、0129b)は、ヒータ用の電流が流れ込まないように夫々円周方向に1箇所にのみ設ける。もし、両エリア間に複数のブリッジ部を設けると、ブランチエリアに出入り口が形成されるためヒータ用の電流が流れてしまう。このブリッジ部の幅Bwは、ブリッジ部付近における円周方向長さの1〜10%程度にするのが良い。
コモンエリアやブランチエリアの高さは、実質的に同じ高さとし、できるだけ低く形成するのが望ましい。もちろん、コモンエリアとブランチエリアの高さを若干異なるものにしても良いが、両者は実質的に同じ高さの層として形成するのがよい。
コモンエリアとブランチエリアは、兼用電極として同じ材料を使用し、同じプロセスで同時に形成する。但し、ヒータ・吸着兼用電極とならない、ブランチエリアは、兼用電極のエリアとは別の材料、別のプロセスで製作しても良い。
次に、図4で、ヒータエリアと非ヒータ・吸着専用エリアを含めた静電吸着エリア全体による静電吸着の動作を説明する。端子126x、126y及び127x、127yから電極薄膜0123に静電吸着用の直流高電圧を印加すると、被処理基板0112と電極薄膜0123との間で、正負のチャージが誘起され、そのジャージ間の静電気力で、試料に力Fcが加わる。この場合、端子126及び127間において、電極薄膜0123の抵抗値は例えば30Ω、誘電体薄膜0122bは抵抗率が108〜1016Ωcmなので、抵抗値は例えば2MΩ、被処理基板0112は抵抗率が10Ωcm程度なので、抵抗値は約2〜5Ωとなる。すなわち、電極薄膜0123や被処理基板0112の抵抗値に比べて誘電体薄膜0122bの抵抗値がはるかに大きい。従って、電流は特定の領域に集中することなく静電吸着エリア全体に対応した誘電体薄膜0122の略全面を経て流れる。
なお、電極薄膜0123には同時に、ヒータ温度制御のために端子126x、126y間及び端子、127x、127y間にヒータ用交流電力も供給されるが、電極薄膜0123の抵抗値が誘電体薄膜0122の抵抗値に比べてはるかに小さいので、ヒータ用の電流はヒータエリアのみを流れることは言うまでも無い。
そのため、端子126及び127間に直流高電圧を印加すると、電極パターンの如何にかかわらず、またヒータエリアへ供給される交流電力の如何にかかわらず、誘電体薄膜0122bの全体を介して電流が流れるので、試料0131の全面に対応して試料と電極薄膜0123との間で、均一に正負のチャージが誘起され、均一な静電気力が発生する。
ヒータエリアの定義面積ならびに位置は、試料表面温度の温度制御範囲要求仕様によって、決める。たとえば、図5にその設計例の一例を示す。なお、計算条件は次の通りである。
Heガス圧力=1KPa、内側ヒータエリアの径方向位置=0〜95mm、外側ヒータエリアの径方向位置=100〜145mm、プラズマ入熱=160W(パラボラ分布)、溶射膜の材質=Al2O3、基材の材質=Al
図5によれば、内側ヒータを220W、外側ヒータを0Wとすることで、試料表面温度は滑らかな温度差がついた凸分布の温度分布を、形成することが出来る。また、内側0W、外側360Wとすることで、逆に凹分布型の温度分布を形成することが出来る。さらに、両側にヒータパワー(内側220W、外側360W)を投入することで、ほぼフラットの温度分布を得ることが出来、両側に0Wを投入したときに比べて全体的に約10℃の温度上昇を形成することが出来る。
Heガス圧力=1KPa、内側ヒータエリアの径方向位置=0〜95mm、外側ヒータエリアの径方向位置=100〜145mm、プラズマ入熱=160W(パラボラ分布)、溶射膜の材質=Al2O3、基材の材質=Al
図5によれば、内側ヒータを220W、外側ヒータを0Wとすることで、試料表面温度は滑らかな温度差がついた凸分布の温度分布を、形成することが出来る。また、内側0W、外側360Wとすることで、逆に凹分布型の温度分布を形成することが出来る。さらに、両側にヒータパワー(内側220W、外側360W)を投入することで、ほぼフラットの温度分布を得ることが出来、両側に0Wを投入したときに比べて全体的に約10℃の温度上昇を形成することが出来る。
エッチング装置では、被加工試料は多層膜で形成されていることが多く、それぞれの膜に好適な表面温度分布ならびに平均温度が異なっていることが多い。そのため、電極はエッチングされる多層膜中の膜が切り替わるたびに、数秒以内で電極温度を高速に切り替える必要が生じる。本実施例によるヒータ・吸着兼用電極方式の温度可変電極は実質的に単一の層となっており、上下2層構造の電極とは異なりヒータ電極と試料載置面との距離を短くできるので応答性が良い。よって、温度切り替えの高速変化にも十分に対応できる。また、静電吸着力を確保しつつ広いヒータ面積を確保できるので、種々の温度特性の制御も可能である。これらによって、従来では不可能であった、電極温度制御の能力増大と、吸着力の全面均一性の確保、ならびに低コスト化が可能となる。
なお、本実施例はヒータが2系統の場合を述べたが、ヒータは一般に複数系統でもよい。実施例のヒータ2系統では、試料表面温度が、凸からフラットさらには凹分布を作ることはできるが、同じ凸分布でも、凸分布の凸さ加減が被エッチング膜によって微妙に異なることがある。すなわち、試料の内周部と外周部の中間部の温度を、数度高めに、あるいは数度低めに制御することが必要となってくる。このために、中間部の第3、第4のヒータ電極を装備した構成が有用である。
このように、本実施例によれば、共通の層に形成されたヒータ・吸着兼用電極とこれに接続された静電吸着用電源及びヒータ用電源を備えた簡単な構成により、異なるサイズのヒータ電極エリアと静電吸着エリアとを同時に、かつ、用途に応じて使用できる。そのため、静電吸着力により試料のほぼ全面を確実に吸着しながら、電極上の試料表面の平均温度ならびに径方向温度分布を、高速に変更することが出来る。これにより、エッチングレートならびに、形状の均一性を、試料面内で確保することが出来る。
本発明は、静電吸着電極がモノポールタイプのものについても有効である。
図6に、本発明の第2の実施例になる電極構造の例を示す。基板電極(電極本体)0113には、電極薄膜として、連続した帯状の電極面0123kが半径方向ギャップ0.5mm〜1.0mmを介して螺旋状に巻かれてヒータ・吸着兼用の電極薄膜0123が形成されている。本実施例では、電極薄膜に接続されるヒータ端子が試料載置面の外周付近と中央部及びそれらの中間に、0140a,0140b,0140c,0140dと4個あり、電極薄膜におけるヒータエリアは、各端子間の0140a〜0140b,0140b〜0140c、0140c〜0140dの3領域に分かれる。
図6に、本発明の第2の実施例になる電極構造の例を示す。基板電極(電極本体)0113には、電極薄膜として、連続した帯状の電極面0123kが半径方向ギャップ0.5mm〜1.0mmを介して螺旋状に巻かれてヒータ・吸着兼用の電極薄膜0123が形成されている。本実施例では、電極薄膜に接続されるヒータ端子が試料載置面の外周付近と中央部及びそれらの中間に、0140a,0140b,0140c,0140dと4個あり、電極薄膜におけるヒータエリアは、各端子間の0140a〜0140b,0140b〜0140c、0140c〜0140dの3領域に分かれる。
図7を用いて、第2の実施例の基板電極0113の内部の詳細構造を説明する。誘電体薄膜0122は、実施例1で述べたのと同様な方法で形成される。例えば、基材部0120の上に100〜300μmのAl2O3からなる第1の誘電体薄膜を溶射法によって形成し、その上に、W等の金属材料を、図6に示したパターンに従って10〜100μmの厚みで溶射して実質的に同じ高さ(厚み)の層からなる電極薄膜0123を形成し、さらに、その上に、Al2O3からなる第2の誘電体薄膜を50〜150μmの厚みで溶射する。
この例では、静電吸着用の電極はモノポールタイプであり、電極薄膜123の各ヒータ端子0140a,0140b,0140c,0140dに減流抵抗125を介して、例えば電流値0.1〜10mA、電圧100〜2000Vを出力できる正又は負極性の直流電源0117が接続されている。また、ヒータの3領域に対応して、端子0140a,0140b,0140c,0140d間には、絶縁トランスを有するヒータ用の第1交流電源0118A、第2交流電源0118B、第3交流電源0118Cがそれぞれ接続されている。各ヒータ電源は、商用周波数(50/60HZ)で、かつ、夫々10〜200V、500W以下の範囲で出力調整可能に構成されている。ヒータ・吸着兼用電極0123の各ヒータ端子0140a,0140b,0140c,0140dへの給電線上には、バイアス高周波が流れ込まないようなカットフィルタ0130が設置してある。
ヒータの3領域に対応して第1〜第3の交流電源か設置されているので、この3領域ヒータによって各ヒータ領域の温度を個別に制御でき、これにより、試料の径方向温度分布を任意に制御することができる。例えば、温度分布が凸分布であって凸さ加減が被エッチング膜によって微妙に異なる場合に、試料の内周部と外周部の中間部の温度を、数度高めに、あるいは数度低めに制御することができる。
図8で、モノポールタイプの電極における静電吸着の動作を説明する。プラズマの着火された状態で電極薄膜(W電極)0123に直流高電圧を印加すると、電極薄膜から試料及びプラズマを介して処理室0111の壁の接地電位に到る電気的回路が形成され、ESC電流として100μA〜1000μA程度の電流が流れる。この場合も、電極薄膜や試料、プラズマ及び処理室壁の抵抗値に比べて誘電体薄膜0122bの抵抗値がはるかに大きい。従って、特定の領域に集中することなく誘電体薄膜の全面を経て電流が流れる。そのため、各ヒータ領域へ交流電力の供給の如何にかかわらず、被処理基板0112の全面と電極薄膜0123との間で、均一に正負のチャージが誘起され、均一な静電気力が発生する。
なお、ヒータは任意の複数系統とすることができる。また、実施例ではヒータ3系統であるが、用途に応じて、例えば第2交流電源118Bの出力をゼロにすれば、実質的にヒータ2系統となる。また、電極エリアは、実施例に示した1個の螺旋状の帯エリアに限定されるものではない。吸着兼用電極として実質的に試料載置面のほぼ全面をカバーし得る吸着機能を発揮できるものであれば良い。例えば、平行に伸びた複数の直線エリアと、これらの直線エリアの各終端をつなぐ弧状エリアとで連続した1つの帯状電極エリアが、試料載置面の全面内を実質的にカバーするように構成しても良い。
本実施例によれば、共通の層に形成されたヒータ・吸着兼用電極とこれに接続された静電吸着用電源及びヒータ用電源を備えた簡単な構成により、異なる出力を発生し得る複数のヒータ電極エリアと、試料の全面を吸着する静電吸着エリアとを同時に、かつ、用途に応じて使用できる。そのため、静電吸着力により試料のほぼ全面を確実に吸着しながら、電極上の試料表面の平均温度ならびに径方向温度分布を、高速に変更することが出来る。これにより、エッチングレートならびに、形状の均一性を、試料面内で確保することが出来る。
0101・・・・・・・マイクロ波源
0111・・・・・・・処理室
0112・・・・・・・被処理基板
0113・・・・・・・基板電極
0114・・・・・・・自動整合器
0115・・・・・・・バイアス電源
0116・・・・・・・He供給系
0117・・・・・・・静電吸着電源
0118・・・・・・・ヒータ電源
0119・・・・・・・温調器
0120・・・・・・・基材部
0121・・・・・・・通路
0122・・・・・・・誘電体薄膜
0123・・・・・・・電極薄膜
0124・・・・・・・絶縁トランス
0125・・・・・・・減流抵抗
0123a・・・・・・・外電極
0123b・・・・・・・内電極
0123c,d・・・・・・コモンエリア(ヒータおよび吸着エリア)
0123e,f,g,h・・・吸着専用エリア。
0111・・・・・・・処理室
0112・・・・・・・被処理基板
0113・・・・・・・基板電極
0114・・・・・・・自動整合器
0115・・・・・・・バイアス電源
0116・・・・・・・He供給系
0117・・・・・・・静電吸着電源
0118・・・・・・・ヒータ電源
0119・・・・・・・温調器
0120・・・・・・・基材部
0121・・・・・・・通路
0122・・・・・・・誘電体薄膜
0123・・・・・・・電極薄膜
0124・・・・・・・絶縁トランス
0125・・・・・・・減流抵抗
0123a・・・・・・・外電極
0123b・・・・・・・内電極
0123c,d・・・・・・コモンエリア(ヒータおよび吸着エリア)
0123e,f,g,h・・・吸着専用エリア。
Claims (10)
- 処理室内に設けられ被処理基板が配置される試料載置電極であって、
試料載置面を有する誘電体膜と、
前記誘電体膜を挟んで前記試料載置面と相対応するように設けられ、静電吸着用電極とヒータ電極とを兼ねる実質的に同じ高さの層からなる電極薄膜と、
前記電極薄膜にヒータ用の交流電力と静電吸着用の直流電力とを同時に供給し得る電源装置と、
を備えたことを特徴とする試料載置電極。 - 請求項1の試料載置電極において、
前記電極薄膜は、実質的に同じ金属薄膜で構成され、
該金属薄膜の層が上下の誘電体膜で挟まれており、該上側の誘電体膜が前記試料載置面を有する、
ことを特徴とする試料載置電極。 - 請求項2の試料載置電極において、
前記金属薄膜は、溶射膜による積層構造からなる
ことを特徴とする試料載置電極。 - 請求項2の試料載置電極において、
前記誘電体膜間に形成される前記金属薄膜は、Wまたは金属合金によって抵抗率が管理されていることを特徴とする試料載置電極。 - 請求項1の試料載置電極において、
前記電極薄膜は、面積がほぼ同じ大きさの外側吸着電極と内側吸着電極から構成され、
前記外側吸着電極と内側吸着電極に夫々設けられたコモンエリアと、
前記コモンエリアの少なくとも一方にブリッジ部を介して接続された少なくとも一つのブランチエリアと、
前記外側吸着電極と前記内側吸着電極間に直流電力を印加する直流電源装置と、
前記各コモンエリアの両端部に交流のヒータ電力を印加する交流電源装置と、
を備えたことを特徴とする試料載置電極。 - 請求項5の試料載置電極において、
前記コモンエリアは、平面形状として一定の幅を有する帯状の電極エリアが半径方向のギャップを介して周方向に複数回巻かれて構成されている、
ことを特徴とする試料載置電極。 - 請求項1の試料載置電極において、
前記電極薄膜は、実質的に試料載置面のほぼ全面をカバーし得る連続した帯状の電極面として構成されており、
前記連続した帯状の電極面の両端部及びそれらの間に設けられた全体として3個以上のヒータ端子を備えており、
前記電極薄膜に直流電力を印加する直流電源装置と、
前記3個以上のヒータ端子間に接続された交流のヒータ電力を印加するための出力調整可能な複数の交流電源装置と、
を備えたことを特徴とする試料載置電極。 - 内部が減圧排気される処理室と、
前記処理室内に設けられ被処理基板が載置される試料載置電極と、
前記処理室内にプラズマを発生させるための電磁波発生装置と、
前記処理室内に処理ガスを供給するガス供給系と、
前記処理室内を排気するための真空排気系とを有するプラズマ処理装置において、
前記試料載置電極は、
試料載置面を有する誘電体膜と、
前記誘電体膜を挟んで前記試料載置面と相対応するように設けられ、静電吸着用電極とヒータ電極とを兼ねる実質的に同じ高さの層からなる電極薄膜と、
前記電極薄膜にヒータ用の交流電力と静電吸着用の直流電力とを同時に供給し得る電源装置と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項8のプラズマ処理装置において、
前記電極薄膜は、面積がほぼ同じ大きさの外側吸着電極と内側吸着電極から構成され、
前記外側吸着電極と内側吸着電極に夫々設けられたコモンエリアと、
前記コモンエリアの少なくとも一方にブリッジ部を介して接続された少なくとも一つのブランチエリアと、
前記外側吸着電極と前記内側吸着電極間に直流電力を印加する直流電源装置と、
前記各コモンエリアの両端部に交流のヒータ電力を印加する交流電源装置と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項8のプラズマ処理装置において、
前記電極薄膜は、実質的に試料載置面のほぼ全面をカバーし得る連続した帯状の電極面として構成されており、
前記連続した帯状の電極面の両端部及びそれらの間に設けられた全体として3個以上のヒータ端子を備えており、
前記電極薄膜に直流電力を印加する直流電源装置と、
前記3個以上のヒータ端子間に接続された交流のヒータ電力を印加するための出力調整可能な複数の交流電源装置と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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