JP2007246722A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 着色剤と、水と、剪断減粘性付与剤と、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体から選ばれる増粘抑制剤とからなり、インキ組成物中にポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体以外の水溶性有機溶剤を含有しないボールペン用水性インキ組成物、或いは、着色剤、水、水溶性有機溶剤、剪断減粘性付与剤、増粘抑制剤からなり、水溶性有機溶剤がインキ組成物中10重量%以下であり、前記増粘抑制剤を含むボールペン用水性インキ組成物、及び、それを収容したボールペン。
【選択図】 なし
Description
前記インキ組成物に剪断減粘性を付与する物質(剪断減粘性付与剤)としては、キサンタンガム等の多糖類が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記剪断減粘性付与剤は耐ドライアップ性能を阻害することがあり、水溶性有機溶剤等の湿潤剤や尿素等の固体湿潤剤といった添加剤を併用して耐ドライアップ性能を向上させる試みがなされるとしても、乾燥防止効果は不十分であり、しかも、インキ粘度が上昇してかすれ等の筆記不良を生じ易くなる。
具体的には、尿素を過度に添加すると、筆記先端部から水分が蒸発して水溶性有機溶剤の濃度が上昇し、固形分が前記筆記先端部に析出する、所謂、花咲き現象を生じて見栄えが悪くなると共にかすれ等を生じる。更に、水溶性有機溶剤や尿素を多量に添加すると、多湿環境下で筆記先端部を下向きに放置した際、垂れ下がりが発生するなどの弊害を生じ易くなる。
前述のように、インキ組成物に耐ドライアップ性を向上させる手段は多々存在するものの、筆跡のかすれや垂れ下がり等のボールペンに要求される他の性能の低下をもたらすことがあった。
更に、非筆記時に筆記先端部(ボールペンチップ)が常に大気中に開放された状態のキャップを要しない構成のボールペン(キャップレスボールペン)に使用する場合、耐ドライアップ性能は重要な要件となる。
更には、前記水溶性有機溶剤全量中に溶解度パラメーターが8〜11の水溶性有機溶剤を80〜100重量%含有してなること、前記剪断減粘性付与剤が多糖類であること、前記剪断減粘性付与剤がキサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカンから選ばれること、前記着色剤が染料であること等を要件とする。
更には、前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンレフィルを軸筒内に収容したボールペン、前記ボールペン用水性インキ組成物を軸筒内に内蔵したボールペン、前記ボールペン用水性インキ組成物をボールペンレフィル内に収容してなり、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没するキャップレスボールペン等を要件とする。
前記ポリアルキレングリコールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロックポリマー(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー)等が挙げられる。
前記ポリエチレングリコールとして具体的には、三洋化成工業(株)製、商品名:PEG200(平均分子量:200)、PEG300(平均分子量:300)、PEG400(平均分子量:400)、PEG600(平均分子量:600)、PEG1000(平均分子量:1000)、PEG1500(平均分子量:1550)、PEG1540(平均分子量:1450)、PEG2000(平均分子量:2000)、PEG4000S(平均分子量:3300)、PEG4000N(平均分子量:3000)、PEG6000S(平均分子量:8300)、PEG6000P(平均分子量:8300)、PEG10000(平均分子量:11000)、PEG13000(平均分子量:13000)、PEG20000(平均分子量:20000)、PEG20000P(平均分子量:20000)を例示でき、このうち、平均分子量が300以上のものを選択して用いることによって、より大きな増粘抑制剤としての効果を奏する。
前記ポリプロピレングリコールとして具体的には、三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスPP−200(平均分子量:200)、PP−400(平均分子量:400)、PP−950(平均分子量:950)、PP−1000(平均分子量:1000)、PP−1200(平均分子量:1150)、PP−2000(平均分子量:2000)、PP−3000(平均分子量:3000)、PP−4000(平均分子量:4000)を例示できる。
前記ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロックポリマー(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー)として具体的には、三洋化成工業(株)製、商品名:ニューポールPE−61(平均分子量:1950)、PE−62(平均分子量:2200)、PE−64(平均分子量:2900)、PE−68(平均分子量:8750)、PE−71(平均分子量:2300)、PE−74(平均分子量:3400)、PE−75(平均分子量:4100)、PE−78(平均分子量:10250)、PE−108(平均分子量:16250)、PE−128(平均分子量:20000)を例示できる。
前記ポリプロピレングリコール誘導体としては、ポリプロピレングリコールモノエーテル(ポリオキシプロピレングリコールモノエーテル)、ポリオキシプロピル化グリセリン(ポリプロピレングリコールとグリセリンとのエーテル)、ポリオキシプロピル化ソルビトール(ポリプロピレングリコールとソルビトールとのエーテル)等が挙げられる。
前記ポリプロピレングリコールモノエーテル(ポリオキシプロピレングリコールモノエーテル)として具体的には、三洋化成工業(株)製、商品名:ニューポールLB−65(平均分子量:340)、LB−285(平均分子量:1200)、LB−385(平均分子量:1500)、LB−625(平均分子量:1870)、LB−1145(平均分子量:1980)、LB−1715(平均分子量:2400)、LB−3000(平均分子量:2800)、LB−300X(平均分子量:1200)、LB−650X(平均分子量:1870)、LB−1800X(平均分子量:2400)、LB−400XY(平均分子量:1500)を例示でき、水溶性の良好な平均分子量1500以下のものが好ましい。
前記ポリオキシプロピル化グリセリン(ポリプロピレングリコールとグリセリンとのエーテル)として具体的には、三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスGP−250(平均分子量:250)、GP−400(平均分子量:400)、GP−600(平均分子量:600)、GP−1000(平均分子量:1000)、GP−3000(平均分子量:3000)、GP−4000(平均分子量:4000)を例示でき、このうち、水溶性の良好な平均分子量2000以下のものが好ましい。
前記ポリオキシプロピル化ソルビトール(ポリプロピレングリコールとソルビトールとのエーテル)として具体的には、三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスSP−750(平均分子量:700)を例示できる。
前記ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体は平均分子量が200以上、20000以下の範囲のものが有効であり、平均分子量が大きい程、増粘抑制効果をいっそう発現できるため、少量の添加量で増粘抑制剤として十分な効果を奏する。
なお、増粘抑制剤としては、前記分子量範囲のいずれの化合物も有効であるが、ポリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコール誘導体は平均分子量が大きくなると水溶性が低下するため、比較的小さい平均分子量のものが好適に用いられる。
また、水溶性有機溶剤全量が従来のインキ組成物よりも少ないため、該水溶性有機溶剤の吸水性によって筆記先端部にインキが溜まり(垂れ下がり)、良好な筆跡の形成を損なったり、誤って衣類を汚染する不具合を防止することもできる。
なお、剪断減粘性付与剤と前記増粘抑制剤を含有するインキ組成物において、インキ全量中から水が40重量%蒸発した時の粘度/初期のインキ粘度(EMD型粘度計、1rpm、20℃で測定)で示される数値(x)が2以下、好ましくは0.01以上、2以下であるとボールペンに収容して実用に供した際、耐ドライアップ性能に優れ、初期及び経時後の書き出しが良好であると共に、安定した筆記性能を持続させることができる。
前記数値が2を越えるとインキ中の水が40重量%蒸発した時の粘度と初期のインキ粘度の変化が大きく、よって、粘度上昇によりかすれや筆記不能を生じ易くなる。
水溶性有機溶剤を含有する系においては、前記水溶性有機溶剤全量中に溶解度パラメーターが8〜11、好ましくは8〜10の水溶性有機溶剤を80〜100重量%、好ましくは90〜100重量%含有することにより、耐ドライアップ性の効果を更に向上させることができる。
前記溶解度パラメーターが8〜11の水溶性有機溶剤としては、ブチルアルコール、総炭素数5又は6の多価アルコール類、総炭素数4〜13のグリコールエーテル類、炭素数5〜9のグリコールアセテート類、炭素数5〜10のグリコールモノエーテルアセテート類、炭素数5〜10のヒドロキシカルボン酸エステル類、炭素数4〜12のカルボン酸アミド類等が好適に用いられる。
以下に好適な溶解度パラメーターが8〜11の水溶性有機溶剤を例示する。
前記多価アルコール類としては炭素数5又は6の水酸基を2個有するジオール類が好適であり、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。
前記グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等が挙げられる。
グリコールアセテート類としては、ジエチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート等が挙げられる。
グリコールモノエーテルアセテート類としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸エステル類としては乳酸エステルが好適であり、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル等が挙げられる。
カルボン酸アミド類としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
C.I.Pigment Blue 15:3B〔商品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分22%、山陽色素(株)製〕、
C.I. Pigment Red 146〔商品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分24%、山陽色素(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔商品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Red220/166〔商品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業(株)製〕等を挙げることができる。
また、水溶性樹脂を用いた水分散顔料としては、
C.I.Pigment Black 7〔商品名:WA color Black
A250、顔料分15%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Green 7〔商品名:WA−S color Green、顔料分8%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Violet 23〔商品名:マイクロピグモ WMVT−5、顔料分20%、オリエント化学工業(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 83〔商品名:エマコールNSイエロー4618、顔料分30%、山陽色素(株)製〕が挙げられる。
前記金属光沢顔料としては、アルミニウムや真鍮等の金属光沢顔料、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した金属光沢顔料(パール顔料)、透明又は着色透明フィルムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、透明性樹脂層を複数積層した虹彩性フィルムを細かく裁断した虹彩性を有する金属光沢顔料が例示できる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲で用いられる。
特に、筆記先端部にボールを抱持したボールペンは、筆記時の高剪断応力下においてはボール近傍のインキが筆記に適した低粘度となり、ボールとボールハウスの間隙を毛細管力によって移動して紙面に転移されるインキ特性が必要であり、また、非筆記時には、ボール近傍も含めてすべてのインキの粘度が高くなり、インキの漏出を防止したり、インキの分離、逆流を防止する必要があり、E型回転粘度計による100rpmにおけるインキ粘度が20〜200mPa・s(25℃)を示し、且つ、剪断減粘性指数が0.1〜0.8を示すインキ組成物が好適である。
尚、剪断減粘性指数nは実験式T=Kjn(T:剪断応力値、j:剪断速度、Kは計算された定数)に数値をあてはめることにより得られる。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
前記剪断減粘性付与剤とポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体から選ばれる増粘抑制剤を併用することにより、インキ中の水分が減少した際、剪断減粘性付与剤は半膨潤状態となり、その結果、インキ粘度は殆ど上昇しない。
なお、前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカンが好適に用いられ、インキの安定性に優れる。
単糖や二糖は乾燥皮膜の形成が充分ではなく、吸水性が高いためにボールペンに適用した場合、筆記先端部を下向きで放置すると垂れ下がりが発生しやすい。また、3糖〜8糖程度では、単糖や二糖に比べて吸水性は低くなるが、十分な垂れ下がり防止性能を得るには至らない。
前記糖類は分子量が大きくなるに従い吸湿性が低くなり、乾燥皮膜を形成し易くなることから、10糖以上の糖類を用いることによりキャップオフ性能を維持したままインキの垂れ下がりを防止できる。
前記10糖以上の糖類としては、澱粉の酵素分解等によって得られる澱粉糖化物、又は、澱粉糖化物の末端基を還元した還元澱粉糖化物を用いることができる。
なお、澱粉を分解していくと、様々な重合度の糖類が生成するため、10糖以上の糖類のみを完全に単離することは技術的に困難であり、製造コストもかかってしまう。そこで9糖以下の糖類が存在する糖混合物において、前記10糖以上の糖類を40重量%以上含有することにより、前記性能を十分に発現させることができる。
前記糖混合物はインキ組成物全量に対して0.5〜10.0重量%、好ましくは1.0〜8.0重量%の範囲で配合される。0.5重量%未満では垂れ下がり防止効果が得られ難く、10.0重量%を超えるとインキの粘度が上昇して泣き出しやボテを生じたり、筆記時のインキ追従性を損なうことがある。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではないが、例えば、インキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に抱持したボールペンチップに連通しており、さらにインキ組成物の端面にはインキ逆流防止体組成物が密接しているボールペンレフィルを軸筒内に収容したボールペンを例示できる。
更に、インキ組成物を充填した軸筒を有し、該軸筒はボールを先端部に抱持したボールペンチップに連通しており、さらにインキ組成物の端面にはインキ逆流防止体組成物が密接しているボールペンであってもよい。
前記した構造のボールペンはキャップを備えることが好ましい。
ボールペンチップの構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させて形成したボール抱持部にボールを抱持する機構、金属材料のドリル等による切削加工により、チップ部を形成して、ボール抱持部にボールを抱持する機構、バネ体によりボールを前方に付勢させた機構、或いは、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けた機構を例示できる。
前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.1〜3.0mm径程度のものが適用できるが、好ましくは0.3〜1.0mm、より好ましくは0.3〜0.7mmのものが用いられる。
前記インキ組成物を収容するインキ収容管、或いは、軸筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
更に、前記インキ収容管、或いは、軸筒として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
また、前記ボールペン用水性インキ組成物をキャップレスボールペンに収容する場合、キャップレスボールペンの構造、形状は特に限定されるものではなく、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧にすることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に
設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記キャップレスボールペンは軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなる複合式キャップレスボールペンであってもよい。
なお、前記ボールペンレフィルを構成するインキ収容管や軸筒は樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
なお、表中の数値は重量%を示す。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100−L、染料分20%
(2)アイゼン(株)製、商品名:フロキシン
(3)山陽色素(株)製、商品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分22%
(4)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルのエタノールアミン塩、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフM208B
(5)三晶(株)製、商品名:ケルザン
(6)三洋化成工業(株)製、商品名:PEG400
(7)三洋化成工業(株)製、商品名:PEG20000
(8)三洋化成工業(株)製、商品名:ニューポールPE−68
(9)三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスPP−200
(10)三洋化成工業(株)製、商品名:ニューポールLB−65
(11)三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスGP−250
前記実施例1乃至3、比較例1乃至3のインキ組成物を直径0.5mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたインキ収容管に充填し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防止体を充填してボールペンレフィルを得た。
前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、ボールペンを得た。
なお、前記ボールペンはキャップを備えてなる。
前記実施例4乃至6、比較例4乃至6のインキ組成物を直径0.4mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたインキ収容管に充填し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防止体を充填してボールペンレフィルを得た。
前記ボールペンレフィルを軸筒内に組み込み、キャップレスボールペンを得た。
なお、前記キャップレスボールペンは、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、軸筒後端部に設けられた出没機構(ノック機構)の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造である。
前記のようにして得たボールペン及びキャップレスボールペンを倒立状態(筆記先端部が下向き)で25℃、60日間放置した後、筆記を行ない、筆跡の状態を目視により観察した。
なお、ボールペンについては、キャップを外した状態で試験を行った。
前記インキ組成物の各x値〔インキ中の水がインキ全量に対して40重量%蒸発した時の粘度/初期のインキ粘度(EMD型粘度計、1rpm、20℃で測定)〕と耐ドライアップ試験結果を以下の表に示す。
耐ドライアップ試験
◎:均一でかすれのない良好な筆跡が得られる。
○:かすれのない筆跡が得られる。
×:筆跡にかすれが見られる。
Claims (12)
- 着色剤と、水と、剪断減粘性付与剤と、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体から選ばれる増粘抑制剤とから少なくともなり、インキ組成物中に前記ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体以外の水溶性有機溶剤を含有しないことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物。
- 着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、剪断減粘性付与剤と、増粘抑制剤とから少なくともなり、前記水溶性有機溶剤がインキ組成物中10重量%以下であり、且つ、増粘抑制剤がポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール誘導体から選ばれるボールペン用水性インキ組成物。
- 前記水溶性有機溶剤全量中に溶解度パラメーターが8〜11の水溶性有機溶剤を80〜100重量%含有してなる請求項2記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記剪断減粘性付与剤が多糖類である請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記剪断減粘性付与剤がキサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカンから選ばれる請求項4記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 前記着色剤が染料である請求項1乃至5のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンレフィルを軸筒内に収容したボールペン。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を軸筒内に内蔵したボールペン。
- ボールペン用水性インキ組成物後端面にインキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体を配設してなる請求項7又は8記載のボールペン。
- キャップを備えてなる請求項7乃至9のいずれかに記載のボールペン
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物をボールペンレフィル内に収容してなり、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没するキャップレスボールペン。
- ボールペン用水性インキ組成物の後端面にインキ消費に伴って追従するインキ逆流防止体を配設してなる請求項11記載のキャップレスボールペン。
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