JP2007247606A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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文彦 佐藤
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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置に関し、アクセル開度の変化が大きい場合にも、即時に必要なトルクを発生させる。
【解決手段】アクセル開度の変化が基準変化量よりも大きいか否かを判定し、アクセル開度の変化量が基準変化量よりも大きいと判定された場合に、スロットルバルブ32の開度を、目標トルクの発生に必要な吸入空気量に応じて設定される目標開度よりも、大きな大スロットル開度になるように設定する。また、点火時期を、大スロットル開度において、目標トルクを発生させるタイミングに設定する。
【選択図】 図3

Description

この発明は内燃機関の制御装置に関する。更に具体的には、アクセルペダルの操作量と独立して制御可能なスロットルバルブと、気筒内に配置された点火プラグとを備える内燃機関の制御装置に関するものである。
特開平3−182667号公報には、内燃機関の過渡運転時において点火時期と燃料噴射量とを、実際に発生するトルクに応じて制御する制御装置が開示されている。具体的に、この装置においては、まずアクセル操作量に基づいて目標トルクが算出される。その後、目標トルクを発生するために必要な吸入空気量が求められ、この吸入空気量に応じてスロットルバルブの開度(スロットル開度)が設定される。しかし、スロットルバルブ下流の吸気通路の容積により、スロットル開度が設定された開度に変更された直後、スロットルバルブを通過する空気量と、実際に気筒内に供給される空気量との間には差が生じている。つまり、スロットル開度が、目標トルクの発生に必要な吸入空気量に対応したスロットル開度に変更されてから、実際にその量の空気が気筒内に供給されるまでには応答遅れ(位相遅れ)が生じる。その結果、目標トルクと実際に発生する実トルクとの間にズレが生じることとなる。
上記従来技術においては、このような吸入空気量の位相遅れを補償するため、点火時期や燃料噴射量の決定に先立って、実際に気筒内に供給される空気量が算出され、算出された空気量に基づいて、実際に発生する実トルクが算出される。その後、実トルクに応じて、最適な燃料噴射量と最適な点火時期とが決定される。このような制御により上記従来技術によれば、吸入空気量の位相遅れを補償して、過渡の運転時においても各気筒に燃料と空気とを過不足なく供給し、最適なタイミングにおいて点火を行うことができるものとしている。
特開平3−182667号公報 特開2000−356153号公報
しかしながら、上記従来技術においては目標トルクに基づいて吸入空気量が算出された後、更に、その位相遅れを補償する実際の空気量が算出され、実際の空気量から実トルクが求められた後、実トルクに基づいて最適な燃料噴射量と点火時期とが決定される。このため制御のパラメータの演算負荷が高まり、却って制御遅れを発生する場合がある。また、この制御は、算出された実トルクに基づいて最適点火時期と燃料噴射量とを決定するものであるが、吸入空気量の位相遅れにより生じる目標トルクと実トルクとの間の制御の遅れを補償するものではない。すなわち、アクセル操作量に基づく要求に応じて、必要な目標トルクを直ちに発生させることは困難である。
従って、この発明は上記の問題を解決し、アクセル開度の変化が大きく、要求されるトルクの増加が大きい場合にも、吸入空気量の吸気の遅れを抑えて、必要なトルクを即時に発生させることができるように改良した内燃機関の制御装置を提供するものである。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記アクセル開度の変化が基準変化量よりも大きいか否かを判定するアクセル変化判定手段と、
前記アクセル開度に応じて目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、
内燃機関の吸気通路に配置されたスロットルバルブの開度を、設定された開度に制御するスロットル開度制御手段と、
前記内燃機関の気筒内に配置された点火プラグの点火時期を、設定された点火時期に制御する点火時期制御手段と、
前記アクセル開度の変化量が前記基準変化量よりも大きいと判定された場合に、前記スロットルバルブの開度を、前記目標トルクの発生に必要な吸入空気量に応じて設定される目標開度よりも、大きな大スロットル開度になるように設定する変化時スロットル開度設定手段と、
前記大スロットル開度において、前記目標トルクを発生させるタイミングに、点火時期を設定する変化時点火時期設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記変化時スロットル開度設定手段は、前記大スロットル開度を、制御最大開度とすることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記基準変化量を、前記アクセル開度に応じて設定する基準変化量設定手段を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、
前記アクセル開度が基準開度よりも大きくなっている時間が、基準時間よりも長く継続しているか否かを判定するアクセル継続判定手段と、
前記基準開度よりも大きいアクセル開度の状態が、前記基準時間よりも長く継続していると判定された場合に、前記スロットルバルブの開度を、前記目標開度に設定する目標開度設定手段と、
点火時期を、前記目標開度において、前記目標トルクを発生させる目標点火時期に設定する目標点火時期設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記スロットルバルブの開度が、前記目標開度に制御された後、前記気筒に実際に供給される空気量を推定する空気量推定手段と、
前記推定された空気量において、前記目標トルクを発生させる点火時期に、点火時期を設定する点火時期徐変手段と、
前記設定された点火時期が、前記目標点火時期まで進角したか否かを判定する点火時期進角判定手段と、を備え、
前記目標点火時期設定手段は、前記設定された点火時期が、前記目標点火時期まで進角した場合に、点火時期を前記目標点火時期に設定することを特徴とする。
また、第6の発明は、第4の発明において、
前記スロットルバルブの開度が、前記目標開度に制御された後、点火時期を現在の点火時期から一定角度進角させた点火時期に設定する点火時期進角手段と、
前記進角された点火時期が、前記目標点火時期まで進角したか否かを判定する点火時期進角判定手段と、を備え、
前記目標点火時期設定手段は、前記進角された点火時期が、前記目標点火時期まで進角した場合に、点火時期を前記目標点火時期に設定することを特徴とする。
第1の発明によれば、アクセル開度の変化量が基準変化量よりも大きいと判定された場合に、スロットルバルブの開度は、目標トルクの発生に必要な吸入空気量に応じて設定される目標開度よりも、大きな大スロットル開度になるように設定される。従って、目標トルクの変化量が大きい場合にも、必要な吸入空気量の空気を迅速に気筒内に吸入させることができる。従って、気筒内への吸気の遅れを抑えて、必要なトルクを即時に発生させることができる。また、このとき点火時期は、設定された大スロットル開度に応じて、目標トルクを発生させるタイミングに設定される。従って、スロットル開度を大スロットル開度にすることにより吸入空気量が必要量より多くなる場合にも、目標トルクに応じたトルクを発生させることができる。
第2の発明によれば、アクセル開度の変化量が基準変化量よりも大きいと判定された場合、スロットル開度は制御最大開度に設定される。従って、目標トルクの増加量が大きい場合に、スロットル開度の演算負荷を抑えて、直ちに、吸入可能な最大量の吸入空気量が吸入される状態とすることができる。したがって、目標トルクの発生に必要な吸入空気量以上の空気をより早く気筒内に吸入させることができる。従って、目標トルクの増大の要求に応じて、直ちに要求されるトルクを発生させることができる。
第3の発明によれば、アクセル開度の変化量を判定する基準変化量が、検出されたアクセル開度に応じて設定される。従って、アクセル開度の変化量に対する目標トルクの変動量の、アクセル開度による違いを踏まえて、目標トルクの増加量が大きい場合に、確実にスロットル開度を大スロットル開度とする制御を適用させることができる。
第4の発明によれば、基準開度よりも大きいアクセル開度の状態が、基準時間よりも長く継続している場合に、スロットルバルブの開度は、目標トルクを発生させるのに必要な吸入空気量に応じた目標開度に設定され、点火時期は、スロットル開度が目標開度の場合に、目標トルクを発生させる目標点火時期に設定される。これにより、アクセル開度が大きい状態が継続される場合には、燃費の良い運転状態に切り替えることができ、燃費の向上を図ることができる。
第5の発明によれば、スロットルバルブの開度が、目標開度に制御された後、気筒に実際に供給される空気量を推定し、推定空気量において目標トルクを発生させる点火時期に、点火時期が設定される。従って、点火時期を目標点火時期に進角されるまでの間のトルク変動を抑えることができる。
第6の発明によれば、点火時期が目標点火時期になるまで、点火時期を一定角度ずつ進角させる。従って、点火時期が目標点火時期に進角されるまでの間のトルク変動を抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態.
図1は、この発明の実施の形態における内燃機関の制御システムの構成について説明するための模式図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は気筒12を備えている。図1においては1の気筒12の断面のみを表しているが、内燃機関10は複数の気筒12を備えている。気筒12内部にはピストン14が配置されている。ピストン14は、コンロッドを介してクランクシャフト(図示せず)に接続されている。クランクシャフトの近傍には、内燃機関10のエンジン回転数に応じた出力を発する回転数センサ16が配置されている。
気筒12内のピストン14上部には燃焼室18が設けられている。燃焼室18の天井部(シリンダヘッド)中央には、先端のギャップが燃焼室18内に突出するように点火プラグ20が組み付けられている。燃焼室18の天井部には、吸気ポート22及び排気ポート24が連通している。吸気ポート22には、先端の噴射口が吸気ポート22内に突出するようにポートインジェクタ26が設置されている。
各気筒12の吸気ポート22には共通の吸気通路30が接続されている。吸気通路30には、電子制御式のスロットルバルブ32が設けられている。スロットルバルブ32はその開度を変更することにより、吸気通路30内に流入する空気量を調整する。スロットルバルブ32の開度(スロットル開度)は、アクチュエータを介して、アクセル操作などによる加減速要求等に基づいて電気的に制御される。すなわち、アクセル開度に基づかずにスロットル開度を制御することができる。スロットルバルブ32の近傍には、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ34が設けられている。スロットルバルブ32の上流において、吸気通路30には、エアフロメータ36が配置されている。エアフロメータ36は、吸気通路30内に流入する空気流量に応じた出力を発する。
内燃機関10は、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40は、回転数センサ16、スロットル開度センサ34、エアフロメータ36、及びアクセル開度センサ42等の各種センサから、内燃機関10の制御に必要な情報を取得する。また、取得した情報に基づいて、点火プラグ20の点火時期、スロットル開度、ポートインジェクタ26からの燃料噴射量と噴射のタイミング等を制御する。
ところで、一般に、内燃機関の運転中には、アクセル開度やエンジン回転数に応じて、その時の運転条件において要求される目標トルクが算出され、算出された目標トルクに基づいて、目標トルクの発生に必要な吸入空気量が求められる。その後、吸入空気量に応じたスロットル開度が設定され、スロットル開度を制御することにより吸入空気量が制御される。このとき点火時期は、その吸入空気量とエンジン回転数において燃費や出力が最良となると想定される点火時期MBT(minimum advance for best torque)に設定される。
しかしながら、スロットルバルブ32下流の吸気通路30の容積により、スロットル開度が変更された直後、スロットルバルブ32を通過する空気量と、実際に気筒12内に吸入される空気量との間にはズレが生じる。つまり、目標トルクに応じたスロットル開度に変更されてから、実際にその開度に応じた空気量の空気が気筒12内に供給されるまでには吸気遅れが生じる。その結果、目標トルクと実際に発生する実トルクとの間には、ズレが生じることとなる。従って、目標トルクが大きく増加した場合、目標トルクの発生に必要な吸入空気量に応じてスロットル開度を設定しても、直ちに増大した目標トルクに応じたトルクを発生することは困難である。このため、ドライバの要求に対して応答の遅れを生じることとなる場合がある。
そこで、本実施の形態では、加速要求などトルク増大の要求に対して即時の応答を可能とするため、アクセル開度ACCの変化量が基準変化量より大きい場合、目標トルクに関わらず、スロットル開度を直ちに制御最大開度(WOT;wide open throttle)に制御する。つまり目標トルクに応じた吸入空気量の算出によるスロットル開度設定を行わずに、直ちにスロットル開度をWOTに制御する。これにより、スロットル開度算出に伴う演算負荷なく、直ちにスロットル開度を制御し、吸入可能な範囲で最大の吸入空気量が吸入される状態とすることができる。従って、目標トルクの増加量が大きい場合であっても、直ちに必要な吸入空気量を確保できる状態とすることができる。また、WOTに対応した最大の吸入空気量を吸気通路30内に導入することができるため、気筒12内に実際に吸入される空気量をより早い段階で増加させることができる。従って、吸気遅れを最小限に抑えて、即時に必要な、あるいはそれ以上の空気量の空気を気筒12内に吸気することができる。
一方、スロットル開度をWOTとした結果、気筒12に供給される空気量が目標トルクに応じた空気量よりも多くなることが考えられる。従って、スロットル開度を目標トルクに関わらずWOTとした状態で、点火時期がMBTに設定されると、発生トルクは目標トルクよりも大きくなることとなる。従って、発生トルクを目標トルクと一致させるため、点火時期の制御を行う。図2は、点火時期と発生トルク、負荷率との関係を説明するためのグラフである。図2において、横軸は点火時期(°CA)を表し、縦軸は発生トルクTR(N・m)を表している。また、図2おいて、各曲線(a),(b),(c)は、それぞれ負荷率(%)が、80、60、40の場合の例を表している。
図2より、発生するトルクが最大となるタイミングに、点火時期MBTは設定されており、点火時期がMBTより遅角するにつれて、発生トルクが低下することがわかる。このような関係に基づいて、点火時期がMBTの場合に発生するトルクよりも、所定量低下させたトルクを発生させるのに必要な点火時期の遅角量を求めることができる。すなわち、スロットル開度をWOTとし、点火時期をMBTとした場合の最大トルクTRmaxと、目標トルクTRtgとのトルク差TRDを相殺し、目標トルクTRtgにまで発生トルクを低下させるために必要な点火時期遅角量ΔTを求めることができる。本実施の形態において、スロットル開度WOTに制御した場合の点火時期Twotは、MBTを、求められた点火時期遅角量ΔTに従って遅角したタイミングに設定される。その結果、スロットル開度をWOTとした場合にも、目標トルクTRtgに応じたトルクを発生させることができる。
本実施の形態のシステムは、図2の関係に基づいて求められた、トルク差TRD(TRmax-TRtg)と負荷率とをパラメータとするマップを予め記憶している。従って、このマップに従って、トルク差TRDと負荷率とに応じた点火時期遅角量ΔTが求められ、点火時期MBTを遅角することにより、点火時期Twotが決定される。
ここで、点火時期の制御は、気筒12内に組み付けられた点火プラグ20をECU40からの制御信号により制御することにより行われる。従って、点火時期は、求められた点火時期Twotに応じて、直ちに制御することができる。このため、アクセル開度が増大した場合、スロットル開度は直ちにWOTに設定して、最大の吸入空気量が吸入される状態として、点火時期の遅角制御により発生トルクを制御することとすれば、加速要求に応じて、直ちに必要な吸入空気量を確保し、必要なトルクを発生させるように制御することができる。
なお、ここで、アクセル開度変化に対する目標トルクの変化量は、アクセル開度が小さいときには大きなもとのなり、大きい場合には小さなものとなる。従って、スロットル開度をWOTとし、点火時期を遅角する制御を行うか否かの判定の基準となる、基準変化量は、本実施の形態においては、アクセル開度に応じた値として設定される。本実施の形態のシステムは、アクセル開度ACCをパラメータとする基準変化量のマップを予め記憶しているものとする。
ところで、上記したように、点火時期MBTは、その吸入空気量、エンジン回転数NE等の条件下で、最良の出力、燃費が得られる点火時期として設定されるものである。つまり、スロットル開度WOTの吸入空気量下で、点火時期をMBTから遅角することにより目標トルクを発生させる制御は、点火時期をMBTとする運転条件の場合と比較すると、トルク損失が大きく、燃費の大きな運転状態となる。また、点火時期遅角により、排気温度が高温になることも考えられる。従って、上記のスロットル開度をWOTとし点火時期を遅角して目標トルクを発生させる制御は、アクセル開度ACCの増加量が大きく、即時の応答が要求される場合に有効であるが、燃費向上のためには、短時間で、通常のスロットル開度下で点火時期をMBTとする制御に切り替えることが好ましい。
従って、アクセル開度ACCが基準開度以上の状態が一定時間以上継続した場合、スロットル開度を目標トルクに応じて求められる目標開度にとし、点火時期をMBTとする運転条件に切り替える。具体的には、点火時期をMBTと想定した場合に、目標トルクの発生に必要となる吸入空気量に応じて目標開度が求められ、スロットル開度は、WOTから直ちに目標開度に切り替えられる。
スロットル開度をこのように目標開度に設定した場合、点火時期は、遅角された状態からMBTまで進角させる必要がある。しかしながら、スロットル開度の変化に対して、実際に気筒12内に吸入される空気量の変動には吸気遅れが生じる。すなわち、スロットル開度をWOTから目標開度に一気に切り替えても、実際に気筒12内に吸入される空気量の変動は緩やかなものとなり、切り替え直後においては、気筒12内に実際に供給される空気量は、目標開度に応じた吸入空気量よりも多くなっている。従って、直ちに点火時期をMBTとすると、発生トルクが目標トルクよりも大きくなり、切り替え時にトルク変動が生じることが考えられる。従って、切り替え時のトルク変動を抑えるため、スロットル開度を切り替えてから気筒12内に目標トルクに応じた吸入空気量が実際に供給されるまでの間、気筒12内に実際に供給される空気量に応じて、トルクに変動が生じないように、点火時期を制御することが好ましい。
ここで、スロットル開度を切り替えてから、実際に気筒12に供給される空気量が、そのスロットル開度に応じた空気量になるまでの空気量の変化は、エンジン回転数NEや、吸気温、大気圧、スロットル開度等に応じて、ある程度正確に予想することができる。従って、本実施の形態において、スロットル開度が切り替えられた後の点火時期は、この推定される気筒12内への実際の空気量GAsに応じて、発生トルクを変動させないタイミングに設定される。ここで、推定される空気量GAsは、スロットル開度WOTに応じた最大の吸入空気量が吸入される状態から、目標開度に応じた目標吸入空気量に至るまでの間、次第に減少する。点火時期は、空気量GAsの減少に伴い、スロットル開度WOTに対応して遅角された状態から、次第に進角する。最終的に推定された空気量GAsが目標吸入空気量と一致した時、点火時期はMBTにまで進角していると考えられるため、点火時期がMBTとなった段階で、点火時期の遅角を終了することとなる。
点火時期は、気筒12に配置された点火プラグ20をECU40により直接制御するものであるため、設定された点火時期に応じて直ちに制御することができる。従って、吸気遅れを生じる吸入空気量については、スロットル開度をWOTから一気に目標開度に切り替えることで、早く変化するように制御し、一方、吸入空気量変動によるトルクの変動は、即時に制御可能な点火時期の制御により、抑えることができる。すなわち、スロットル開度を一気に切り替えて、点火時期を制御することにより、トルク変動を抑えつつ、より早い段階で、燃費の良好な運転状態に切り替えることができる。
図3は、この発明の実施の形態においてシステムが実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図3に示すルーチンは、点火時期の設定において繰り返し実行されるルーチンである。図3に示すフローチャートにおいて、まず、エンジン回転数NEが検出される(ステップS102)。エンジン回転数NEは、エンジン回転数センサ16の出力に基づいて検出される。次に、アクセル開度ACCが検出される(ステップS104)。次に、目標トルクTRtgが算出される(ステップS106)。目標トルクTRtgは、エンジン回転数NEとアクセル開度ACC等に応じて求められる。
次に、WOT設定フラグがOFFとされているか否かが判定される(ステップS108)。WOT設定フラグは、後述する制御において、スロットル開度がWOTとされたときにONとされるフラグである。ステップS108においてWOT設定フラグ=OFFの成立が認められた場合には、次に、アクセル開度の変化量が算出される(ステップS110)。アクセル開度の変化量は、ステップS104において検出されたアクセル開度ACCの、前回検出されたアクセル開度に対する変化量として求められる。次に、基準変化量が読み出される(ステップS112)。基準変化量は、アクセル開度をパラメータとするマップに従って、ステップS104において検出されたアクセル開度ACCに応じて読み出される。
次に、アクセル開度ACCの増加量が基準変化量より大きいか否かが判定される(ステップS114)。つまり、目標トルクに大きな増加が要求されているかが判定される。ステップS114においてアクセル開度ACCの増加が基準変化量以上であることが認められない場合には、スロットル開度が、ステップS106において求められた目標トルクTRtgの発生に必要な吸入空気量に応じた目標開度に設定される(ステップS116)。すなわち、目標開度は、エンジン回転数NEと目標トルクTRtgに応じて求められた吸入空気量に基づいて設定される。この目標開度は、点火時期MBT、エンジン回転数NEにおいて、目標トルクTRtgを発生するのに必要な吸入空気量に応じたスロットル開度である。従って、次に点火時期がMBTに設定される(ステップS118)。その後、一旦このルーチンが終了する。
一方、ステップS114において、アクセル開度ACCの増加量が基準変化量より大きいと認められた場合、スロットル開度が直ちにWOTに制御される(ステップS120)。具体的には、ECU40からの制御信号がアクチュエータに伝達されることに、スロットルバルブ32が制御最大開度(全開)にまで開かれる。これにより、直ちに吸入可能な最大量の空気が吸気通路30内に流通する状態とされる。次に、WOT設定フラグがONとされる(ステップS122)。WOT設定フラグは、スロットル開度がWOTにする制御が行われている間ONとされるフラグである。
次に、点火時期をMBTとした仮定した場合に、現在の運転条件で発生するトルクTRmaxが算出される(ステップS124)。つまり、トルクTRmaxは、スロットル開度をWOTにした時の吸入空気量、エンジン回転数NEにおいて、最良の出力が得られるタイミングMBTで点火された場合の発生トルクである。次に、MBT時のトルクTRmaxと、ステップS106において算出された目標トルクTRtgとの間のトルク差TRDが求められる(ステップS126)。つまり、トルク差TRDは、TRD=TRmax-TRtgによって求められる。次に、点火時期遅角量ΔTが算出される(ステップS128)。点火時期遅角量ΔTは、トルク差TRDを相殺するために必要な、MBTに対する遅角量であり、トルク差TRDと負荷率とをパラメータとするマップに従って、トルク差TRDと負荷率に応じて求められる。次に、点火時期Twotが設定される(ステップS130)。点火時期Twotは、算出された点火時期遅角量に従って、点火時期MBTを遅角することにより設定される。その後一旦この処理が終了する。
一方、ステップS108において、WOT設定フラグ=OFFの成立が認められなかった場合、すなわち、前回までの制御において、加速要求が認められスロットル開度がWOTに設定されている場合、アクセル開度ACCが基準開度以上の状態であるか否かが判定される(ステップS132)。アクセル開度ACCが基準開度以上の状態であることが認められない場合、スロットル開度が、エンジン回転数NEと目標トルクTRtgに応じた吸入空気量に基づいて、目標開度に設定され(ステップS134)、その後、点火時期が、その吸入空気量、エンジン回転数NEに応じたMBTに設定される(ステップS136)。その後、WOT設定フラグ=OFFとされ(ステップS138)、一旦この処理が終了する。
一方、アクセル開度ACCが基準開度以上の状態であることが認められると、次に、アクセル開度ACCが基準開度以上の状態が、基準時間以上継続しているか否かが判定される(ステップS140)。つまり、アクセル開度が基準開度とされてからの継続時間が、基準時間以上であるか否かが判定される。
ステップS140のおいてアクセル開度が基準開度以上の状態が基準時間以上経過していることが認められない場合には、上記同様にステップS124〜S130が実行される。すなわち、アクセル開度がWOTの状態のまま、現在のエンジン回転数NEとWOT時の吸入空気量において、点火時期をMBTとした場合の発生トルクTRmaxが算出され(ステップS124)、トルク差TRDが算出され(ステップS126)、トルク差TRDに応じて点火時期遅角量ΔTが求められ(ステップS128)、点火時期Twotが設定される(ステップS130)。その後、この処理が一旦終了する。
一方、ステップS140において、基準開度以上のアクセル開度の状態が基準時間以上継続していると判定された場合には、次に、スロットル開度が目標開度に設定される(ステップS142)。目標開度は、現在のエンジン回転数NEと目標トルクTRtgに応じて必要な吸入空気量が求められ、この吸入空気量の吸入に必要なスロットル開度として求められる。
次に、実際に気筒12内に供給されている空気量GAsが推定される(ステップS144)。この空気量GAsは、スロットル開度がWOTから目標開度に切り替えられた後、気筒12内に実際に供給される空気量の変化のマップに従って推定される。次に、点火時期Tsが設定される(ステップS146)。点火時期Tsは、推定された空気量GAsが気筒12に供給される場合に、目標トルクTRtgを発生させるために必要な点火時期に設定される。具体的に、点火時期Tsは、推定された空気量GAsとエンジン回転数NEとに応じて、その目標トルクTRtgを発生するために必要な点火時期として設定される。ここでは、スロットル開度がWOTから目標開度に切り替えられているため、空気量GAsは、徐々に減少する。従って、ここで設定される点火時期Tsは、前回の点火時期に比べて進角されたものとなると考えられる。
次に、設定された点火時期が、MBTよりも進角しているか否かが判定される(ステップS148)。求められた点火時期TsがMBTより進角していると認められない場合には、点火時期Tsは、ステップS144において設定された空気量GAsに応じた点火時期Tsとされ、一旦この処理が終了する。
一方、ステップS148において、点火時期がMBTより進角していると判定された場合、すでに推定された空気量GAsは、スロットル開度に応じた目標吸入空気量となっていると考えられる。従って、この吸入空気量に応じて、目標トルクTRtgを発生させるように、点火時期がMBTに設定される(ステップS150)。その後、WOT設定フラグがOFFとされる(ステップS152)。WOT設定フラグがOFFとされることにより、ステップS114において検知した加速要求に対しても通常の制御で運転されている状態となり、スロットル開度をWOTとして点火時期により発生トルクを制御する制御状態から、通常の点火時期をMBTとする運転状態への移行が終了することとなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基準以上のトルク増加の要求があった場合に、直ちにスロットル開度がWOTに設定される。従って、加速要求等トルク増加の要求の際、スロットル開度を算出することなく、スロットル開度が直ちにWOTに設定される。このため、スロットル開度の演算負荷を抑えると共に、最大吸入空気量を流入させることで、必要な量の空気量を気筒12内により早い段階で吸入させることができる。従って、吸気遅れによる、ドライバの要求に対する応答の遅れを抑えることができる。また、加速要求に応じた目標トルクが発生するように点火時期が遅角制御される。点火時期の制御は、ECU40から直接気筒12内に配置された点火プラグ20による点火時期を制御することにより、直接制御することができる。従って、算出された点火時期に基づいて、応答の遅れを生じることなく制御することができる。従って、ドライバの要求に応じてトルクを即時に発生させることができる。
また、アクセル開度が基準開度以上の状態が継続する場合には、スロットル開度をWOTの状態から目標開度に戻し、点火時期をMBTにまで進角制御する。従って、燃費の良好な運転状態とすることができる。従って、加速要求に応じた高い応答性を確保しつつ、燃費の悪化を避けることができる。また、スロットル開度をWOTから基準開度に切り替える際、点火時期は、実際に気筒12内に供給されると推定される空気量GAsにおいて、目標トルクTRtgを発生する点火時期に設定しながら徐々に進角するように制御される。従って、スロットルWOTの状態から燃費の良好な運転状態に移行する際のトルクの変動を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、アクセル開度の変化量が基準変化量以上であった場合に、スロットル開度をWOTに設定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではない。ここでのスロットル開度は、目標トルクに応じて求められるスロットル開度(目標開度)よりも大きな開度であればよく、この場合にもある程度の応答遅れを解消することができる。
また、スロットル開度をWOTとした場合の点火時期を、スロットル開度WOTの場合の吸入空気量と、目標トルクTRtgに応じて設定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、スロットル開度をWOTにした後、実際に気筒12内に供給される空気量の変化を推定するマップを予め記憶しておいて、このマップに従って気筒12内に吸入される空気量を推定し、この空気量に従って、点火時期を設定するものとしてもよい。
また本実施の形態ではスロットル開度をWOTとするか否かを判定する際の、アクセル開度の基準変化量を、アクセル開度ACCに応じて設定する場合について説明した。しかしこの発明はこれに限るものではなく、例えば、基準変化量を一律に同じ値としたものであっても良い。
また、本実施の形態では、実際に推定される空気量GAsの変化に応じて、点火時期を算出し、徐々に点火時期がMBTまで進角するように制御する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、1サイクルごとに一定角度ずつ徐々に点火時期を進角してMBTに戻すように制御するものであってもよい。このようにする場合にも進角量を、スロットル開度の変化により予想される気筒12内に実際に吸入される空気量GAsの変化に基づいて、予め決定しておけばよい。これにより、ある程度トルクの変動を抑えることができ、振動の発生を抑えつつMBTへの進角を行うことができる。また、必ずしも、点火時期を徐変させるものに限るものではなく、例えば即時の応答性が要求されるような場合には、点火時期を直ちにMBT、あるいは他の適正な点火時期に進角するものであっても良い。
また、スロットル開度をWOTから目標開度に切り替えた後、点火時期をMBTとする場合について説明した。つまり、吸入空気量に応じて最良の燃費、出力を得られるよう、点火時期をMBTを基準とする場合について説明した。しかし、点火時期の基準はMBTの場合に限るものではなく、設定される他の点火時期を、求められた点火時期遅角量により制御するものであってもよい。
また、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、本実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
なお、例えば、本実施の形態において、ステップS104が実行されることにより、この発明の「アクセル開度検出手段」が実現し、ステップS112が実行されることにより「基準変化量設定手段」が実現し、ステップS114が実行されることにより「アクセル変化判定手段」が実現し、ステップS120が実行されることにより「変化時スロットル開度設定手段」が実現し、ステップS126〜S130が実行されることにより「変化時点火時期設定手段」が実現する。また、例えば、ステップS132及びステップS134が実行されることにより、この発明の「アクセル継続判定手段」が実現し、ステップS142が実行されることにより「目標開度設定手段」が実現し、ステップS144が実行されることにより「空気量推定手段」が実現し、ステップS146が実行されることにより「点火時期徐変手段」が実現し、ステップS148が実行されることにより「点火時期進角判定手段」が実現し、ステップS150が実行されることにより「目標点火時期設定手段」が実現する。
この発明の実施の形態におけるシステムの構成を説明するための模式図である。 内燃機関の回転数とトルクと点火時期との関係を説明するためのグラフである。 この発明の実施の形態においてシステムが実行する制御のルーチンを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 気筒
13 ピストン
16 回転数センサ
18 燃焼室
20 点火プラグ
22 吸気ポート
24 排気ポート
26 ポートインジェクタ
30 吸気通路
32 スロットルバルブ
34 スロットル開度センサ
36 エアフロメータ
40 ECU
42 アクセル開度センサ

Claims (6)

  1. アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    前記アクセル開度の変化が基準変化量よりも大きいか否かを判定するアクセル変化判定手段と、
    前記アクセル開度に応じて目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、
    内燃機関の吸気通路に配置されたスロットルバルブの開度を、設定された開度に制御するスロットル開度制御手段と、
    前記内燃機関の気筒内に配置された点火プラグの点火時期を、設定された点火時期に制御する点火時期制御手段と、
    前記アクセル開度の変化量が前記基準変化量よりも大きいと判定された場合に、前記スロットルバルブの開度を、前記目標トルクの発生に必要な吸入空気量に応じて設定される目標開度よりも、大きな大スロットル開度になるように設定する変化時スロットル開度設定手段と、
    前記大スロットル開度において、前記目標トルクを発生させるタイミングに、点火時期を設定する変化時点火時期設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記変化時スロットル開度設定手段は、前記大スロットル開度を、制御最大開度とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記基準変化量を、前記アクセル開度に応じて設定する基準変化量設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記アクセル開度が基準開度よりも大きくなっている時間が、基準時間よりも長く継続しているか否かを判定するアクセル継続判定手段と、
    前記基準開度よりも大きいアクセル開度の状態が、前記基準時間よりも長く継続していると判定された場合に、前記スロットルバルブの開度を、前記目標開度に設定する目標開度設定手段と、
    点火時期を、前記目標開度において、前記目標トルクを発生させる目標点火時期に設定する目標点火時期設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記スロットルバルブの開度が、前記目標開度に制御された後、前記気筒に実際に供給される空気量を推定する空気量推定手段と、
    前記推定された空気量において、前記目標トルクを発生させる点火時期に、点火時期を設定する点火時期徐変手段と、
    前記設定された点火時期が、前記目標点火時期まで進角したか否かを判定する点火時期進角判定手段と、を備え、
    前記目標点火時期設定手段は、前記設定された点火時期が、前記目標点火時期まで進角した場合に、点火時期を前記目標点火時期に設定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記スロットルバルブの開度が、前記目標開度に制御された後、点火時期を現在の点火時期から一定角度進角させた点火時期に設定する点火時期進角手段と、
    前記進角された点火時期が、前記目標点火時期まで進角したか否かを判定する点火時期進角判定手段と、を備え、
    前記目標点火時期設定手段は、前記進角された点火時期が、前記目標点火時期まで進角した場合に、点火時期を前記目標点火時期に設定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
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