JP2007255509A - 車両の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重等に対応したギヤ段にシフトアップされる車両の変速制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンの出力を車輪に伝達するギヤ式トランスミッションを備え、予め設定された変速マップに基づき運転状態に応じてトランスミッションのギヤ段を自動的にシフトアップする車両の変速制御装置において、エンジン回転加速度を検出するエンジン回転加速度検出手段(ステップ11)と、エンジン回転加速度に応じてシフトアップするギヤ段を変更するギヤ段変更手段(ステップ13〜16)とを備え、例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重等に対応したギヤ段にシフトアップされるようにした。
【選択図】図7

Description

本発明は、運転状態に応じてギヤ式トランスミッションのギヤ段を自動的にシフトアップする車両の変速制御装置の改良に関するものである。
従来、トラック等の車両に、メイン変速機に副変速機を組み合わせる多段トランスミッションが搭載される。
High側オート変速モードとLow側オート変速モードの切り換えはドライバが車両の積載荷重等に応じてスイッチを操作して行うようになっている。
例えば12段のギヤ段を切り換えるトランスミッションに設けられる変速制御装置は、図6の(a)に示す変速パターンにしたがってシフトアップされる。
High側オート変速モードでは図6の(a)の上列に示すように、ギヤ段が1High→2High→3High→4High→5Low→5High→6Low→6Highの順にシフトアップが行われる。
Low側オート変速モードでは図6の(a)の下列に示すように、ギヤ段が1Low→2Low→3Low→4Low→5Low→5High→6Low→6Highの順にシフトアップが行われる。
特開2004−293761号公報 実開平6−8825号公報
しかしながら、このような従来の車両の変速制御装置にあっては、上記の予め決められたパターンのみでシフトアップが行われるため、例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重によってシフトアップされるギヤ段が高すぎたり低すぎる運転状況が生じ、スムーズな加速が行われないという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重等に対応したギヤ段にシフトアップされる車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
本発明では、エンジンの出力を車輪に伝達するギヤ式トランスミッションを備え、運転状態に応じてトランスミッションのギヤ段を自動的にシフトアップする車両の変速制御装置において、エンジン回転加速度aを検出するエンジン回転加速度検出手段と、エンジン回転加速度aに応じてシフトアップするギヤ段を変更するギヤ段変更手段とを備える。
本発明によると、検出されるエンジン回転加速度aに応じてシフトアップするギヤ段が変更される。例えば車両が上り坂を走行しているような状況ではエンジン回転加速度aが低くなることに対応して予め設定されたギヤ段より低いギヤ段に段埋めシフトアップが行われ、変速回数を増やしてスムーズな加速が行われる。また、例えば車両が下り坂を走行しているような状況ではエンジン回転加速度aが高くなることに対応して予め設定されたギヤ段より高いギヤ段に段飛びシフトアップが行われ、変速回数を減らしてスムーズな加速が行われる。
本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両のパワートレインは、エンジン1の出力軸の回転がクラッチ2を介してトランスミッション3の入力軸に伝えられ、トランスミッション3の出力軸の回転が図示しないプロペラシャフト、ドライブシャフトを介して車輪に伝達される。
エンジン1は燃料噴射ポンプ1Aを介して供給される燃料を燃焼して出力を発生するディーゼルエンジンが用いられ、エンジンコントロールユニット12により燃料噴射ポンプ1Aを介して燃料噴射量が制御される。
なお、エンジン1は例えばガソリンやガス燃料を燃焼する火花点火式エンジンを用いても良い。
摩擦式クラッチ2はその断続を駆動するクラッチブースタ2Aを備え、クラッチブースタ2Aはエアタンク31からクラッチ制御バルブ27を介して導かれる空気圧により作動する。摩擦式クラッチ2の断続は、T/M(トランスミッション)コントロールユニット11によりクラッチ制御バルブ27を介して制御される。
図2に示すように、トランスミッション3は、インプットシャフト(入力軸)36、メインシャフト37、アウトプットシャフト(出力軸)38、メインカウンタシャフト39、レンジカウンタシャフト40を備える。
ギヤ式トランスミッション3は、メイン変速機33のメインギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3、ZmR−ZcR(前進3速後退1速)、その前側(入力側)に配置されるスプリッタ副変速機34のスプリッタギヤ列Zm4−Zc4、Zm5−Zc5(Low、High)、同じく後側(出力側)に配置されるレンジ副変速機35のレンジギヤ列Zr1−Zcr1、Zr2−Zcr2(High、Low)を備えるものであり、メインギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3の切り換えと、スプリッタギヤ列Zm4−Zc4、Zm5−Zc5の切り換えと、さらにレンジギヤ列Zr1−Zcr1、Zr2−Zcr2の切り換えとにより前進12段(1Low〜6High)に変速可能に構成される(図4、参照)。
ギヤシフトユニット3Aは、その内部において、メインギヤZm3〜ZmRのシフタ41〜43を選択すると共にこれをメインギヤZm3〜ZmRに対するギヤ入れ(ギヤセット)とギヤ抜き(ニュートラル)との2位置に切り換えるメインアクチュエータ(図示せず)と、スプリットギヤZm5、Zm4のシフタ44をLowとHighとの2位置に切り換えるスプリットアクチュエータ47(図3、参照)と、レンジギヤZr1、Zr2のシフタ45をLowとHighとの2位置に切り換えるレンジアクチュエータ46(図3、参照)とを備える。
図3に示すように、レンジアクチュエータ46およびスプリットアクチュエータ47としてエアシリンダがそれぞれ用いられる。レンジアクチュエータ46のピストンロッド46aにレンジギヤZr1、Zr2のシフタ45が係合され、電磁弁MVRL、MVRHのON・OFFにより、レンジ切り換えのほか、背圧の導入およびオンアフタが処理される。スプリットアクチュエータ47のピストンロッド47aにスプリットギヤZm5、Zm4間のシフタ44が係合し、電磁弁MVSH、MVSLのON・OFFにより、スプリッタ切り換えのほか、オンアフタが処理される。
図3において、48aはレンジLowスイッチであり、48bはレンジHighスイッチであり、49aはスプリットLowスイッチであり、49bはスプリットHighスイッチであり、これらはトランスミッション3のシフト位置を検出するギヤポジションスイッチの一部を構成する。
インプットシャフト36は、スプリッタギヤZm5、Zm4間のシフタ44がlow位置の場合、スプリッタLowギヤZm5を介してメインカウンタシャフト39に連結され、同じくシフタ44がHigh位置の場合、スプリッタHighギヤZm4を介してメインカウンタシャフト39に連結される。
メインカウンタシャフト39は、メインギヤZm3〜ZmR間の各シフタ41〜43の1つがギヤ入れ位置の場合、そのメインギヤZm3またはZm2またはZm1またはZmRを介してメインシャフト37に連結される。
メインシャフト37は、レンジギヤZr1、Zr2間のシフタ45がHigh位置の場合、アウトプットシャフト38に直結され、同じくシフタ45がLow位置の場合、レンジHighギヤZr1、レンジカウンタシャフト40、レンジLowギヤZr2を介してアウトプットシャフト38に連結される。
図4に示すように、スプリッタギヤ列Zm4−Zc4、Zm5−Zc5は、トランスミッション3が1段毎に変速する都度、LowからHighまたはHighからLowへ切り換わる一方、レンジギヤ列Zr1−Zrc1、Zr2−Zcr2は、トランスミッション3が1Low〜2Highから3Low〜6Highまたはその逆方向へ変速するときにのみ、LowからHighまたはHighからLowへ切り換わるようになっている。
図1に示すように、車両の変速制御に用いられる検出手段として、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ29、アクセルペダル7の踏み込み量(アクセル開度θ)を検出するアクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)28、クラッチ2のストローク位置を検出するクラッチストロークセンサ22、トランスミッション3のシフト位置(スプリッタギヤ列Zm4−Zc4、Zm5−Zc5の選択位置、メインギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3、ZmR−ZcRの選択位置、レンジギヤ列Zr1−Zcr1、Zr2−Zcr2の選択位置)を検出するギヤポジションスイッチ(ギヤシフトユニット3Aに内蔵される)、トランスミッション3の出力軸に連結するプロペラシャフト回転数を検出する車速センサ21、トランスミッション3のメインギヤZm1の回転数を検出するメインギヤ回転センサ23、トランスミッション3のレンジギヤZr1の回転数を検出するレンジギヤ回転センサ17、クラッチペダル6の初期位置(解放状態)と作動位置(踏込状態)を検出するクラッチペダルスイッチ24、25が備えられる。
トランスミッション3の変速指示手段として運転室にシフトレバーユニット4を備え、シフトレバー4Aのシフト位置に応じた変速指示信号として、シフトアップ信号、シフトダウン信号、ニュートラル信号、リバース信号、現在段を保持するためのホールド信号が出力される。
シフトレバー4Aの握り部(ノブ)にモード選択スイッチ5が設けられる。このモード選択スイッチ5によって、車両の変速操作が運転者の変速指示に応じて行われるマニュアル変速モードと、運転状態に応じて自動的に行われるオート変速モードとが選択される。
運転室には、トランスミッション3のシフト位置などを表示するディスプレイユニット13と、ブレーキペダル(図示せず)の踏込みを検出するブレーキペダルスイッチ26と、ブザー等の警報手段13Aが設けられる。
T/Mコントロールユニット11およびエンジンコントロールユニット12は、通信回線(LAN)を介して結ばれ、互いに制御に必要な情報を交換し、変速制御を行うようになっている。
マニュアル変速モードにて、T/Mコントロールユニット11は、シフトレバーユニット4の変速指示信号がトランスミッション3のギヤポジションスイッチに基づくシフト位置と一致しないときに変速指示信号に対応する目標位置へのシフト要求(変速指令)を表示させる。
オート変速モードにて、T/Mコントロールユニット11は、アクセル開度センサ28の検出信号およびトランスミッション3のギヤポジションスイッチの信号に基づくシフト位置から変速マップに基づいて変速ポイントを求め、変速ポイントに達したときに目標ギヤ段へのシフト要求(変速指令)を出力する。
これらシフト要求の出力に基づいてエンジンコントロールユニット12は燃料噴射ポンプ1Aを介して燃料噴射量を制御し、T/Mコントロールユニット11はクラッチブースタ2Aとギヤシフトユニット3Aの作動を制御し、目標位置へのギヤシフトが行われる。
図5は各ギヤ段1Low〜6Highのギヤレシオ等を示す表である。図5において最も右側列の欄に示す数値は、1Low→2Low→3Low→4Low→5Low→6Lowまたは1High→2High→3High→4High→5High→6Highと切り換わるときの段間比(ギヤ段間のギヤレシオ比)を示し、図5において右から2番目列の欄に示す数値は、スプリッタ副変速機34がLowからHighまたはHighからLowへ切り換わることにより1Low→1High→2Low→2High→3Low→3High→4Low→4High→5Low→5High→6Low→6Highと切り換わるときの段間比を示す。例えば2High→3Highの段間比は1.802であり、2High→3Lowの段間比は1.233である。
図6はT/Mコントロールユニット11がシフトアップを行う制御例を示す。High側オート変速モードでは、図6の(a)の上列に示すように、ギヤ段が1High→2High→3High→4High→5Low→5High→6Low→6Highの順にシフトアップが行われ、車両発進時は1Highのギヤ段が用いられる。Low側オート変速モードでは、図6の(a)の下列に示すように、ギヤ段が1Low→2Low→3Low→4Low→5Low→5High→6Low→6Highの順にシフトアップが行われ、車両発進時は2Lowのギヤ段が用いられる。
ところで、上記の予め決められたパターンのみでシフトアップが行われた場合、例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重によってシフトアップされるギヤ段が高すぎたり低すぎる可能性がある。
例えば上り坂での加速時において、ギヤ段が2High→3Highにシフトアップされると、段間比が1.802となり、シフトアップされるギヤ段が高すぎて変速後のエンジン1の回転数が低く、エンジン1の加速が遅れる。このような運転状況ではギヤ段が2High→3Lowに段埋めシフトアップすることにより、段間比が1.233となり、車両を速やかに加速することができる。
また、下り坂での加速時において、ギヤ段が2High→3Highにシフトアップされると、シフトアップされるギヤ段が低すぎて変速後のエンジン1の回転数が高く、エンジン1の加速によりすぐに次の3High→4Highのシフトアップが行われる。このような運転状況ではギヤ段が2High→4Lowに段飛びシフトアップすることにより、段間比が2.385となり、車両をスムーズに加速することができる。
これに対処して、本発明は、T/Mコントロールユニット11にエンジン回転加速度aを検出するエンジン回転加速度検出手段と、エンジン回転加速度aに応じてシフトアップするギヤ段を変更するギヤ段変更手段とを備え、例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重等に対応したギヤ段にシフトアップされるようにする。
図7のフローチャートはエンジン回転加速度aに応じてシフトアップするルーチンを示しており、T/Mコントロールユニット11において一定周期毎に実行される。
これについて説明すると、まずステップ1にてエンジン回転センサ29の検出信号に基づいてエンジン回転加速度aを算出する。このステップ1にて行われる処理がエンジン回転加速度検出手段に相当する。
続くステップ2にて、クラッチストロークセンサ22の検出信号に基づいて、クラッチ2の接続が解除される、変速ポイントに到達したと判定された場合、ステップ3に進んで、算出されるエンジン回転加速度aを判定する。
ステップ3にて、エンジン回転加速度aが所定範囲A1≦a≦A2にあると判定された場合、ステップ4に進んでメイン変速機33、レンジ副変速機35の作動によるメイン1段のシフトアップを指令する。
なお、エンジン回転加速度aを判定する規定値A1、A2は、現在のギヤ段や他の運転条件に応じて予め設定される。
ステップ3にて、エンジン回転加速度aが所定範囲a<A1にある低加速時と判定された場合、ステップ5に進んで現在のスプリッタ変速機34のギヤ段がLow側にあるか否かを判定する。
ステップ5にて、Low側にあると判定された場合、ステップ6に進んで、スプリッタ変速機34の作動によるLowからHighへのシフトアップを指令する。これにより段埋めシフトが行われる。
ステップ5にて、High側にあると判定された場合、ステップ7に進んで、メイン変速機33、レンジ副変速機35の作動によるメイン1段のシフトアップと、スプリッタ変速機34の作動によるHighからLowへのシフトダウンを指令する。これにより段埋めシフトが行われる。
ステップ3にて、エンジン回転加速度aが所定範囲a>A2にある高加速時と判定された場合、ステップ8に進んで現在のスプリッタ変速機34のギヤ段がLow側にあるか否かを判定する。
ステップ8にて、Low側にあると判定された場合、ステップ9に進んで、メイン変速機33、レンジ副変速機35の作動によるメイン1段のシフトアップと、スプリッタ変速機34の作動によるLowからHighへのシフトアップを指令する。これにより段飛びシフトが行われる。
ステップ5にて、High側にあると判定された場合、ステップ10に進んで、メイン変速機33、レンジ副変速機35の作動によるメイン2段のシフトアップと、スプリッタ変速機34の作動によるHighからLowへのシフトダウンを指令する。これにより段飛びシフトが行われる。
なお、このステップ3〜10にて行われる処理がギヤ段変更手段に相当する。
図8のフローチャートは現在のギヤ段が2Highにある場合、エンジン回転加速度aに応じてシフトアップするルーチンを示している。
この場合、ステップ11にて、エンジン回転加速度aを算出し、続くステップ12にて、変速ポイントに到達したと判定された場合、ステップ13に進んで、算出されるエンジン回転加速度aを判定する。
ステップ13にて、エンジン回転加速度aが所定範囲A1≦a≦A2にあると判定された場合、ステップ14に進んで2High→3Highのメイン1段のシフトアップを指令する。
ステップ13にて、エンジン回転加速度aが所定範囲a<A1にある低加速時と判定された場合、ステップ15に進んで2High→3Lowの段埋めシフトアップを指令する。
ステップ13にて、エンジン回転加速度aが所定範囲a>A2にある高加速時と判定された場合、ステップ16に進んで2High→4Lowの段飛びシフトアップを指令する。
図6の(b)は上記図8のフローチャートにしたがってシフトアップが行われる制御例を示す。
例えば車両が平坦路を走行しているような状況ではエンジン回転加速度aが所定範囲A1≦a≦A2にあるため、2High→3Highのシフトアップが行われ、スムーズな加速が行われる。
例えば車両が上り坂を走行しているような状況ではエンジン回転加速度aが所定範囲a<A1の低加速時になるため、2High→3Lowの段埋めシフトアップが行われ、変速回数を増やしてスムーズな加速が行われる。
例えば車両が下り坂を走行しているような状況ではエンジン回転加速度aが所定範囲a>A2の高加速時になるため、2High→4Lowの段飛びシフトアップが行われ、変速回数を少なくしてスムーズな加速が行われる。
図9のフローチャートは現在のギヤ段が2Lowにある場合、エンジン回転加速度aに応じてシフトアップするルーチンを示している。
この場合、ステップ21にて、エンジン回転加速度aを算出し、続くステップ22にて、変速ポイントに到達したと判定された場合、ステップ23に進んで、算出されるエンジン回転加速度aを判定する。
ステップ23にて、エンジン回転加速度aが所定範囲A1≦a≦A2にあると判定された場合、ステップ24に進んで2Low→3Lowのメイン1段のシフトアップを指令する。
ステップ23にて、エンジン回転加速度aが所定範囲a<A1にある低加速時と判定された場合、ステップ25に進んで2Low→2Highの段埋めシフトアップを指令する。
ステップ23にて、エンジン回転加速度aが所定範囲a>A2にある高加速時と判定された場合、ステップ26に進んで2Low→3Highの段飛びシフトアップを指令する。
以上のように、本実施形態は、エンジン1の出力を車輪に伝達するギヤ式トランスミッション3を備え、予め設定された変速マップに基づき運転状態に応じてトランスミッション3のギヤ段を自動的にシフトアップする車両の変速制御装置において、エンジン回転加速度aを検出するエンジン回転加速度検出手段と、エンジン回転加速度aに応じてシフトアップするギヤ段を変更するギヤ段変更手段とを備えたため、例えば上り坂または下り坂等の道路勾配あるいは車両の積載荷重に対応したギヤ段にシフトアップされ、車両をスムーズに加速することができる。
トランスミッション3は複数のギヤ段をLow、Highの2段階に切り換えるスプリッタ副変速機34を備え、ギヤ段変更手段はエンジン回転加速度aが規定値A1より低い低加速時にスプリッタ副変速機34を作動させて前記変速マップに基づいてシフトアップされるギヤ段の段間比より小さい段間比で段埋めシフトアップを行う構成としたため、例えば車両が上り坂を走行しているような状況や積載荷重が大きい走行時ではエンジン回転加速度aの上昇が遅れることに対応して小さい段間比で段埋めシフトアップされることにより、変速回数を増やしてスムーズな加速が行われる。
さらに、ギヤ段変更手段はエンジン回転加速度aが規定値A2より高い高加速時にスプリッタ副変速機34を作動させて前記変速マップに基づいてシフトアップされるギヤ段の段間比より大きい段間比で段飛びシフトアップを行う構成としたため、例えば車両が下り坂を走行しているような状況や積載荷重が小さい走行時ではエンジン回転加速度aの上昇が速いことに対応して大きい段間比で段飛びシフトアップされることにより、変速回数を少なくしてスムーズな加速が行われる。
次に他の実施形態について説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を用いる。
本実施形態において、T/Mコントロールユニット11は、前記ギヤ段変更手段として、アクセル開度センサ28の検出信号に基づいて、アクセル開度θが所定値α以上の加速要求時を判定し、この加速要求時に前記段飛びシフトアップを許可する構成とする。
図10のフローチャートはアクセル開度θとエンジン回転加速度aに応じてシフトアップするルーチンを示しており、T/Mコントロールユニット11において一定周期毎に実行される。
これについて説明すると、まずステップ31にて、現在の運転条件が変速中か否かを判定する。ここでは、クラッチストロークセンサ22の検出信号に基づいて、クラッチ2の接続状態を変速中でないと判定し、クラッチ2の接続が解除されている状態を変速中と判定する。
変速中と判定された場合、ステップ41に進んで、後述する段飛びフラグEをクリアする。
変速中でないと判定された場合、ステップ32に進んで、エンジン回転センサ29の検出信号に基づいてエンジン回転加速度aを算出する。
続くステップ33に進んで、算出されるエンジン回転加速度aが所定範囲a≦A2にあるか否かを判定する。
エンジン回転加速度aが所定範囲a≦A2にあると判定された場合、ステップ41に進んで、後述する段飛びフラグEをクリアする。
エンジン回転加速度aが所定範囲a>A2の高加速時にあると判定された場合、続くステップ34に進んで、アクセル開度θが所定範囲θ≧αにある加速要求時か否かを判定する。
ここで、θ<αの非加速要求時であると判定された場合、ステップ40に進んでこの非加速要求時が規定時間D以上に経過したことが判定された場合、ステップ41に進んで、段飛びフラグEをクリアする。
一方、θ≧αにある加速要求時と判定された場合、ステップ35に進んでこの加速要求時が規定時間C以上に経過したことを判定し、ステップ36に進んで、段飛びフラグEをセットする。
続くステップ37に進んで、現在の運転条件が変速ポイントに到達していることが判定された場合、ステップ38に進んで、段飛びフラグEがセットされているか否かを判定する。
ここで、段飛びフラグEがセットされていると判定された場合、ステップ39に進んで、(通常+1)段アップのシフトアップを指令する(図7のステップ8、9、10、参照)。すなわち、スプリッタ変速機34のギヤ段がLow側にある場合、メイン変速機33、レンジ副変速機35の作動によるメイン1段のシフトアップと、スプリッタ変速機34の作動によるLowからHighへのシフトアップを指令する。また、スプリッタ変速機34のギヤ段がHigh側にあると判定された場合、メイン変速機33、レンジ副変速機35の作動によるメイン2段のシフトアップと、スプリッタ変速機34の作動によるHighからLowへのシフトダウンを指令する。
一方、段飛びフラグEがクリアされていると判定された場合、ステップ42に進んで、(通常)段アップのシフトアップを指令する(図7のステップ4、参照)。
図11はアクセル開度θとエンジン回転加速度aの変化に対応して段飛びフラグEがセットされる運転領域を示す図である。図11は次の運転領域に分けられる。
(1)エンジン回転加速度aが規定値A2より高い高加速時であり、かつアクセル開度θが規定値α以上の加速要求時である段飛びフラグセット領域。この段飛びフラグセット領域にある運転状態が規定時間C以上に継続したことが判定された場合に段飛びフラグEがセットされ、変速ポイントに到達するとスプリッタ副変速機34を作動させて変速マップに基づいてシフトアップさせるギヤ段の段間比より大きい段間比で段飛びシフトアップされる。
(2)エンジン回転加速度aが規定値A2より高い高加速時であり、かつアクセル開度θが規定値αより低い非加速要求時である遅延クリア領域。この遅延クリア領域にある運転状態が規定時間D以上に継続したことが判定された場合に段飛びフラグEがクリアされ、通常のシフトアップが行われる。フラグセット領域から遅延クリア領域になっても、規定時間D以上が経過する前に変速ポイントに到達した場合は段飛びフラグEが引き続いてセットされており、段飛びシフトアップが行われる。
(3)エンジン回転加速度aが規定値A2より低い低加速時である即クリア領域。この即クリア領域では、即座に段飛びフラグEがクリアされ、通常のシフトアップが行われる。
以上のように、本実施形態は、ギヤ段変更手段として、アクセル開度センサ28の検出信号に基づいて、アクセル開度θが所定値α以上の加速要求時を判定し、この加速要求時に前記段飛びシフトアップを許可する構成としたため、ドライバがアクセルペダルを踏み込んで加速を要求している場合に段飛びシフトアップが行われ、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合に変速マップに基づく通常のシフトアップが行われ、ドライバの加速要求意図にしたがったシフトアップが行われる。
また、ギヤ段変更手段は加速要求時でありかつ高加速時である段飛び条件を満たしている時間が規定時間C以上経過している場合に前記段飛びシフトアップを許可する構成としたため、ドライバの加速要求意図を的確に判定できる。
次に他の実施形態について説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を用いる。
本実施形態において、T/Mコントロールユニット11は、前記ギヤ段変更手段として、自動発進時にクラッチ負荷量wを算出し、算出されるクラッチ負荷量wが規定値W未満のクラッチ低負荷時を判定し、このクラッチ低負荷時に前記段飛びシフトアップを許可する構成とする。
ここで、クラッチ負荷量wは、クラッチ2の接続時に吸収されるエネルギであり、エンジン回転数とトランスミッション3のインプットシャフト36(クラッチ2)の回転数の差nと、エンジン発生トルクT、経過時間tを変数とした積分値として求められる。
図12のフローチャートはクラッチ負荷量wに応じてシフトアップするルーチンを示しており、T/Mコントロールユニット11において一定周期毎に実行される。
これについて説明すると、まずステップ51にて、自動発進中か否かを判定する。ここでは、車速センサの検出信号とクラッチストロークセンサ22の検出信号に基づいて、車両の発進、変速を自動的に行うオート変速モードにて、車速が0であり、クラッチ2が断状態から接続状態に至る過程にある運転状態を自動発進中と判定する。
ここで自動発進中と判定された場合、ステップ52に進んで、クラッチ負荷量wを算出する。
なお、オート変速モードが解除されたマニュアル変速モードであっても、ドライバのクラッチ操作によって発進する際にクラッチ負荷量wを算出することは可能である。
続くステップ53に進んで、算出されるクラッチ負荷量wが規定値W未満であることを判定し、ステップ54に進んで、段飛びフラグFをセットする。
続くステップ55に進んで、車両停車時か否かを判定する。ここで車両停車時であると判定された場合、続くステップ56に進んで、段飛びフラグFをクリアする。これにより、車両の発進時毎にクラッチ負荷量wに応じて段飛びフラグFが設定されるため、停車中に荷物が積まれた場合等に対応できる。
一方、車両停車時でない車両走行時と判定された場合、サブルーチン57に進んで段飛びフラグEの設定が行われる。サブルーチン57では、前記図10のステップ31〜36、40、41と同様の処理が行われ、アクセル開度θとエンジン回転加速度aに応じて段飛びフラグEがセットされ、あるいはクリアされる
続くステップ58に進んで、現在の運転条件が変速ポイントに到達していることが判定された場合、ステップ59に進んで、段飛びフラグFがセットされているか否かを判定する。
ここで、段飛びフラグFがクリアされていると判定された場合、ステップ60に進んで、段飛びフラグEがセットされているか否かを判定する。
ステップ9、10において、段飛びフラグEまたは段飛びフラグFがセットされていると判定された場合、ステップ61に進んで、(通常+1)段アップのシフトアップを指令する(図7のステップ8、9、10、参照)。
一方、ステップ9、10において、段飛びフラグEと段飛びフラグFの両方がクリアされていると判定された場合、ステップ62に進んで、(通常)段アップのシフトアップを指令する(図7のステップ4、参照)。
例えば積載荷重が小さい走行時には、自動発進時のクラッチ負荷量wが小さいことに対応して段飛びフラグFがセットされているので、ステップ59からステップ61に進んで段飛びシフトアップが行われる。
積載荷重が大きい走行時には、自動発進時のクラッチ負荷量wが大きいことに対応して段飛びフラグFがクリアされるが、例えば車両が下り坂を走行しているような状況ではエンジン回転加速度aが高くなることに対応して段飛びフラグEがセットされるため、ステップ60からステップ61に進んで段飛びシフトアップが行われる。
以上のように、本実施形態は、前記ギヤ段変更手段として、自動発進時にクラッチ負荷量wを算出し、算出されるクラッチ負荷量wが規定値W未満のクラッチ低負荷時を判定し、このクラッチ低負荷時に前記段飛びシフトアップを許可する構成としたため、例えば積載荷重が小さい走行時に、自動発進時のクラッチ負荷量wが小さいことに対応して大きい段間比で段飛びシフトアップされることにより、変速回数を少なくしてスムーズな加速が行われる。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明の実施形態を示す車両の変速制御装置のシステム図。 同じくトランスミッジョンの構成図。 同じくレンジアクチュエータおよびスプリッタアクチュエータの説明図。 同じく変速パターンの説明図。 同じくギヤレシオ等を示す図。 同じく変速制御例を示す図。 同じくシフトアップするルーチンを示すフローチャート。 同じくシフトアップするルーチンを示すフローチャート。 同じくシフトアップするルーチンを示すフローチャート。 本発明の他の実施形態を示すフローチャート。 同じく段飛びフラグEがセットされる運転領域を示す図 本発明の他の実施形態を示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン
2 クラッチ
3 トランスミッション
3A ギヤシフトユニット
4 シフトレバーユニット
11 トランスミッション(T/M)コントロールユニット
12 エンジンコントロールユニット
21 車速センサ
22 クラッチストロークセンサ
28 アクセル開度センサ
29 エンジン回転センサ
33 メイン変速機
34 スプリッタ副変速機
35 レンジ副変速機
46 レンジアクチュエータ

Claims (6)

  1. エンジンの出力を車輪に伝達するギヤ式トランスミッションを備え、予め設定された変速マップに基づき運転状態に応じてトランスミッションのギヤ段を自動的にシフトアップする車両の変速制御装置において、
    エンジン回転加速度aを検出するエンジン回転加速度検出手段と、エンジン回転加速度aに応じてシフトアップするギヤ段を変更するギヤ段変更手段とを備えたことを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. 前記トランスミッションはギヤ段をLow、Highの2段階に切り換える副変速機を備え、前記ギヤ段変更手段はエンジン回転加速度aが規定値A1より低い低加速時を判定し、この低加速時に変速ポイントに達すると副変速機を作動させて前記変速マップに基づいてシフトアップされるギヤ段の段間比より小さい段間比で段埋めシフトアップを行う構成としたことを特徴とする請求項1に記載の車両の変速制御装置。
  3. 前記トランスミッションはギヤ段をLow、Highの2段階に切り換える副変速機を備え、前記ギヤ段変更手段はエンジン回転加速度aが規定値A2より高い高加速時を判定し、この高加速時に変速ポイントに達すると副変速機を作動させて前記変速マップに基づいてシフトアップされるギヤ段の段間比より大きい段間比で段飛びシフトアップを行う構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の変速制御装置。
  4. アクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度θとして検出するアクセル開度検出手段を備え、前記ギヤ段変更手段はアクセル開度θが所定値α以上の加速要求時を判定し、この加速要求時に前記段飛びシフトアップを許可する構成としたことを特徴とする請求項3に記載の車両の変速制御装置。
  5. 前記ギヤ段変更手段は前記加速要求時でありかつ前記高加速時である段飛び条件を満たしている時間が規定時間C以上経過している場合に前記段飛びシフトアップを許可する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の車両の変速制御装置。
  6. 前記ギヤ段変更手段として、自動発進時にクラッチ負荷量wを算出し、算出されるクラッチ負荷量wが規定値W未満のクラッチ低負荷時を判定し、このクラッチ低負荷時に前記段飛びシフトアップを許可する構成としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の車両の変速制御装置。
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