JP2007256129A - 非ヒト動物の腫瘍の診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非ヒト哺乳動物の腫瘍診断方法及び腫瘍診断用キットを提供する。
【解決手段】 非ヒト哺乳動物由来のサンプル中のアセチルポリアミン量を測定することを特徴とする該非ヒト哺乳動物の腫瘍診断方法であって、該サンプルが尿または血清であり、該非ヒト哺乳動物がイヌまたはネコであり、該アセチルポリアミンがジアセチルスペルミン又はジアセチルスペルミジンであり、該アセチルポリアミンの検出方法がアセチルポリアミンに対する抗体を用いた免疫測定法であることを特徴とする、非ヒト哺乳動物の腫瘍診断方法及び腫瘍診断用キット。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミンに対する抗体を用いた非ヒト動物の腫瘍の診断方法に関する。
ポリアミンは2個以上のアミノ基をもつアルキルアミンの総称である。ヒトの体内には、プトレッシン(H2N(CH2)4NH2)、カダベリン(H2N(CH2)5NH2)、スペルミジン(H2N(CH2)4NH(CH2)3NH2)及びスペルミン(H2N(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2)の4種類とそれらのアセチル体が存在する。
比較的近年になって、わずかな量ではあるがN1,N8-ジアセチルスペルミジン(以下「DiAcSpd」という)及びN1,N12-ジアセチルスペルミン(以下「DiAcSpm」という)という2種類のジアセチルポリアミンが尿中に排泄されていることが見出された。健常者の尿中では、これらの成分はそれぞれ総ポリアミンの1.4%、0.6%を占めるにすぎないが、癌患者においては、他のポリアミン成分と比較して増加の割合が際立って高く、また、その他にも腫瘍マーカーとしての特性を示す物質であることが示されてきた(非特許文献1、2)。
DiAcSpd及びDiAcSpmは、当初はHPLCによる分画測定系と酵素法による検出系を組み合わせた方法(非特許文献3)によって定量されたが、その後簡便な測定法の開発が進められ、特に、DiAcSpmの測定に関しては、特異的抗体を利用したELISA法が開発された(非特許文献4)。
近年、藤原らによってDiAcSpmに対するモノクローナル抗体が作製された(特許文献1)。これらの抗体は、DiAcSpmに対する免疫反応の50%結合阻害活性がN1-アセチルスペルミジン(以下「N1-AcSpd」という)に対する免疫反応の50%結合阻害活性の100倍程度しか達成できていない。さらにスペルミンのモノアセチル体であるN1-アセチルスペルミン(以下「N1-AcSpm」という)に対する免疫反応の50%結合阻害活性の20倍程度しか達成できていない。従って、DiAcSpmの測定感度を高めるためには、さらにN1-AcSpd及びN8-アセチルスペルミジン(以下「N8-AcSpd」という)に対する交差反応性の低いDiAcSpmに特異的な抗体の開発が必要である。
ところで、近年になってペットしてイヌやネコを飼う家庭が多くなっている。しかし、イヌやネコであっても病気に罹患することは多く、癌にかかることも稀ではない。
従来、イヌやネコの癌が発見されたときには手遅れのことが多かったため、ペットに対する癌の早期発見が望まれていた。
特開平11−75839号公報 Sugimoto, M. et al., J. Cancer Res. Clin. Oncol., 121, 317-319 (1995) Hiramatsu, K. et al., J. Cancer Res. Clin. Oncol., 123, 539-545 (1997) Hiramatsu, K. et al., J. Biochem., 117, 107-112 (1995) Hiramatsu, K. et al., J. Biochem., 124, 231-236 (1998)
本発明は、ポリアミンに対する抗体を用いた非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、イヌやネコなどの非ヒト哺乳動物から採取されたサンプルをポリアミンに対する抗体と反応させた結果、当該非がヒト哺乳動物の腫瘍を検出し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)非ヒト哺乳動物由来のサンプル中のアセチルポリアミンを検出することを特徴とする、当該非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断方法。
サンプルとしては、例えば尿又は血清が挙げられる。本発明において、診断の対象となる非ヒト哺乳動物は、例えばイヌまたはネコ等の愛玩動物である。
本発明において、尿中のアセチルポリアミンとしては、例えばジアセチルスペルミン又はジアセチルスペルミジンが挙げられる。当該アセチルポリアミンは、アセチルポリアミンに対する抗体を用いた免疫測定法により検出することができる。ここで、アセチルポリアミンに対する抗体としては、例えばジアセチルスペルミンに対する抗体又はジアセチルスペルミジンに対する抗体であり、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれであってもよい。
モノクローナル抗体としては、以下の性質を有するものが挙げられる。
(a) ジアセチルスペルミンに対するモノクローナル抗体:
ジアセチルスペルミンと当該抗ジアセチルスペルミン特異的モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミン又は検体N1-アセチルスペルミジンを存在させる反応系において、当該検体中のジアセチルスペルミンによる前記免疫反応の阻害活性が、当該検体中のN1-アセチルスペルミジンによる前記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも1000倍となる測定条件を満たす。
上記モノクローナル抗体は、例えば受託番号FERM P-20090である細胞株により産生される。
(b) ジアセチルスペルミジンに対するモノクローナル抗体:
ジアセチルスペルミジンと当該モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミジン又は検体N8-アセチルスペルミジン若しくはアセチルプトレッシンを存在させる反応系において、当該検体ジアセチルスペルミジンによる前記免疫反応の50%阻害活性が、当該検体N8-アセチルスペルミジン又はアセチルプトレッシンによる前記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも180倍以上となる測定条件を満たす。
上記モノクローナル抗体は、例えば受領番号FERM AP-20668である細胞株により産生される。
(2)アセチルポリアミンに対する抗体を含む、非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断用キット。
本発明のキットを使用する対象となる非ヒト哺乳動物、キットに含まれる抗体は、前記(1)に記載のものを例示することができる。
本発明の方法によれば、イヌやネコなどの愛玩動物(ペット)の尿や血清を測定サンプルとしてポリアミンに対する抗体と反応させることにより、簡便かつ高感度にポリアミンを検出することができる。この検出結果は、癌との相関関係を示すことから、本発明の方法及びキットは、非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断に有用である。
本発明は、非ヒト動物中のポリアミンを腫瘍マーカーとして利用する。具体的には、本発明は、ポリアミンに対する抗体を非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断に使用するというものである。
1.腫瘍マーカーとしてのポリアミン
本発明において、DiAcSpmやDiAcSpdなどのポリアミンを腫瘍マーカーとして使用するには、測定サンプルに含まれるポリアミンを高感度に検出することが重要である。その検出手段として、本発明においては例えばDiAcSpm又はDiAcSpdに対する抗体を採用することができる。
本発明は、ポリアミン特異抗体の開発、および尿中ポリアミン測定キットの開発の技術を確立し、ポリアミンを非ヒト哺乳動物の腫瘍マーカーとして活用する方法を提供するものである。
ポリアミンとは、2個以上のアミノ基をもつアルキルアミンの総称であり、ヒトの体内に存在する4つのポリアミンとそのアセチル体が存在する。近年、ポリアミンは、癌患者の尿中に高濃度に存在することが見出されている。
しかし、このようなポリアミンが、ペットなどの非ヒト哺乳動物において癌マーカーとなり得るかどうかについては明らかではなかった。
そこで、本発明者は、ポリアミンに対して特異性の高い抗体を樹立し、これを非ヒト哺乳動物に適用した結果、非ヒト哺乳動物に対しても腫瘍を検出し得ることが分かった。
本発明において腫瘍マーカーとなるポリアミンは、特に限定されるものではなく、プトレッシン(H2N(CH2)4NH2)、カダベリン(H2N(CH2)5NH2)、スペルミジン(H2N(CH2)4NH(CH2)3NH2)及びスペルミン(H2N(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2)の4種類とそれらのアセチル体が挙げられるが、N1,N8-ジアセチルスペルミジン(「DiAcSpd」という)、及びN1,N12-ジアセチルスペルミン(「DiAcSpm」という)という2種類のジアセチルポリアミンが好ましい。

2.ポリアミンに対する抗体の作製
以下に、DiAcSpm、DiAcSpdなどのポリアミンに対する抗体の作製方法について説明する。
本発明において「抗体」とは、抗原であるポリアミンに結合し得る抗体分子全体または抗原抗体反応活性を有する活性フラグメントを意味する。抗体分子は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。活性フラグメントとしては、例えばFab、F(ab')2断片、Fv、組換えFv体、1本鎖Fvなどが挙げられる。
本発明の抗体(ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体並びに活性フラグメント)は、種々の方法のいずれかによって製造することができる。このような抗体の製造法は当該分野で周知である。
以下、抗体作製について、実験および実施例を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
(1)抗原の調製
DiAcSpmやDiAcSpdは、低分子量のアルキルアミンであるため、これを直接マウスに免疫しても抗原特異的な抗体を得ることはできない。そこで、DiAcSpmに対する抗体を作製するには、キャリア蛋白質であるウシ血清アルブミンとN1-AcSpmをアシルアミド結合させ、DiAcSpm類似物質を側鎖として多数持つ免疫抗原を作製する。また、DiAcSpdに対する抗体を作製するには、キャリア蛋白質であるウシ血清アルブミンとN8-AcSpdとをアシルアミド結合させ、DiAcSpd類似物質を側鎖として多数持つ免疫抗原を作製する。
DiAcSpmに対する抗体を作製する場合は、免疫抗原は公知の方法に準じて作製することができる(Hiramatsu, K. et al., J. Biochem., 124, 231-236(1998))。まず、キャリア蛋白質であるBSAと無水アセチルメルカプトコハク酸(以下「AMS」という)を反応させ、反応生成物であるAMS-BSA複合体を作製する。次に、AMS-BSAに二価性架橋試薬であるGMBS(N-(4-Maleimidobutyryloxy)succinimide)を介して、AcSpmをアシルアミド結合させ、免疫抗原AcSpm-GMB-AMS-BSAを作製する。
一方、DiAcSpdに対する抗体を作製するには、免疫抗原は公知の方法に準じて作製することができる(Kunio Fujiwara. et al.,Journal of Immunological Methods, 61, 217-226(1983))。まず、キャリア蛋白質であるBSAと無水アセチルメルカプトコハク酸(以下「AMS」という)を反応させ、反応生成物であるAMS-BSA複合体を作製する。次に、AMS-BSAに二価性架橋試薬であるGMBS(N-(4-Maleimidobutyryloxy)succinimide)を介して、N8-AcSpdをアシルアミド結合させ、免疫抗原N8-AcSpd -GMB-AMS-BSAを作製する。
(2)ポリアミンに対するポリクローナル抗体の作製
上記の通り作製した抗原を哺乳動物に投与する。哺乳動物は特に限定されるものではなく、例えばラット、マウス、ウサギなどが挙げられるが、ウサギが好ましい。
抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは5〜2mgであり、アジュバントを用いるときは5〜2mgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内等に注入することにより行う。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。
そして、最終の免疫日から6〜60日後に、酵素免疫測定法(ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)又は EIA(enzyme immunoassay))、放射性免疫測定法(RIA;radioimmuno assay)等で抗体価を測定し、最大の抗体価を示した日に採血し、抗血清を得る。
その後は、BSAなどを用い、これらタンパク質に対する抗血清中のポリクローナル抗体の反応性をELISA法などで測定する。
前述の通り、DiAcSpmやDiAcSpdは、Spd、Spmなどの混合物中に微量存在するものである。そこで、本発明においては、DiAcSpm又はDiAcSpdに反応する抗体をさらに高精度に選択する。
すなわち、DiAcSpmに対する抗体を取得する場合は、DiAcSpmに強い反応性を示す抗体であって、(i)N1-AcSpdとの交差反応性が0.1%以下、及び/又は(ii)尿中に存在するDiAcSpm類似物質との交差反応による測定結果への干渉の総和が5%以下(好ましくは3%以下)であるものを選択する。DiAcSpdに対する抗体を取得する場合は、DiAcSpdに強い反応性を示す抗体であって、(i)N1-AcSpmとの交差反応性が0.1%以下、及び/又は(ii)尿中に存在するDiAcSpd類似物質との交差反応による測定結果への干渉の総和が5%以下(好ましくは3%以下)であるものを選択する。
本発明においては、免疫により抗体価が吸光度レベルで2以上上昇したのち、抗体価が吸光度レベルで0.05〜1、好ましくは0.05〜0.5、より好ましくは0.05まで低下するまで、2〜6ヶ月間、好ましくは4〜6ヶ月間、より好ましくは6ヶ月間動物を放置することで、ポリアミンに対する特異性の高い抗体を取得することも可能である。その場合は、再度免疫を数週間間隔で1又は複数回行い、最終免疫日から数日後に、好ましくは3〜5日後に脾臓細胞を摘出する。また、動物の足蹠皮下に抗原を注入した場合には、免疫回数1回で、7〜13日後に、好ましくは8〜10日後に所属リンパ節を摘出する。採血の間隔は、免疫して1〜4週間後、好ましくは1〜2週間後に行う。
「放置」とは、免疫を施さずに動物を飼うことを意味し、その期間としては2〜6ヶ月、好ましくは4〜6ヶ月、より好ましくは6ヶ月である。
抗体価の下降レベルは、吸光度レベルで0.05〜1、好ましくは0.05〜0.5、より好ましくは0.05である。
(3)ポリアミンに対するモノクローナル抗体の作製
(i) 抗体産生細胞の採取
前記のようにして作製した抗原を、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは500〜200μgであり、アジュバントを用いるときは500〜200μgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から1〜60日後、好ましくは1〜14日後に抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
(ii) 細胞融合
ハイブリドーマを得るため、抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞としては、例えば P3X63-Ag.8.U1(P3U1)、NS-Iなどのマウスミエローマ細胞株が挙げられる。
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI-1640培地などの動物細胞培養用培地中で、1×106〜1×107個/mlの抗体産生細胞と2×105〜2×106個/mlのミエローマ細胞とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比5:1が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量1000〜6000ダルトンのポリエチレングリコール等を使用することができる。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
(iii) ハイブリドーマの選別及びクローニング
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎児血清含有RPMI-1640培地などで適当に希釈後、マイクロタイタープレート上にまき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で培養開始後、14日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
次に、増殖してきたハイブリドーマの培養上清中に、ポリアミン(例えばDiAcSpm)に反応する抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫測定法等によってスクリーニングすることができる。
融合細胞のクローニングは、限界希釈法等により行う。この場合も、ポリクローナル抗体の項で説明したのと同様に、DiAcSpmに対する抗体を取得する場合はDiAcSpmに強い反応性を示す抗体であって、(i)N1-AcSpdとの交差反応性が0.1%以下、及び/又は(ii)尿中に存在するDiAcSpm類似物質との交差反応による測定結果への干渉の総和が5%以下(好ましくは3%以下)である抗体を産生するハイブリドーマを選択し、樹立する(DiAcSpdに対する抗体についても前記と同様である)。
(iv) モノクローナル抗体の採取
樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を採用することができる。
細胞培養法においては、ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5% CO2濃度)で7〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。
腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜2週間後に腹水を採集する。
上記抗体の採取方法において抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わせることにより精製することができる。
本発明において使用されるモノクローナル抗体は、動物への免疫方法について、従来とは異なる方法を採用することにより得ることもできる。すなわち、抗原を免疫して抗体価が吸光度レベルで2以上のレベルまで上昇した段階でしばらく免疫された動物を放置し、やがて抗体価が吸光度レベルで0.05〜1、好ましくは0.05〜0.5、より好ましくは0.05のレベルに下がった後に、さらに免疫を行ったのちに抗体産生細胞を調製することができる。
抗体価の上昇レベルは、吸光度レベルで2以上である。「放置」の期間は前記と同様である。
本発明において高親和性のモノクローナル抗体が提供されることにより、固相化DiAcSpmの免疫反応が50%阻害されるDiAcSpmの濃度が1nM以下となる測定条件を選択することが可能になる。その結果、類似構造物質が多量に存在する尿検体中に微量に含まれるDiAcSpmを、類似構造物質による妨害を避けて酵素免疫法によって正確に定量することができる。
また、本発明により、DiAcSpd特異的なモノクローナル抗体が提供され、このモノクローナル抗体により、DiAcSpdの免疫反応が50%阻害されるDiAcSpd(競合DiAcSpd)の濃度として200nM以下、例えば50nM以下となる測定条件を選択することが可能になる。その結果、類似構造物質が多量に存在する尿検体中に微量に含まれるDiAcSpdを、類似構造物質による妨害を避けて酵素免疫法によって正確に定量することができる。
本発明において、DiAcSpmに対するモノクローナル抗体を産生する細胞株(ハイブリドーマ)は、「Anti-DiAcSpm hybridoma CN647」と称し、2004年6月18日付で、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6)に寄託した。その受託番号は「FERM P-20090」である。
また、DiAcSpdに対するモノクローナル抗体を産生する細胞株(ハイブリドーマ)は、「Anti-DiAcSpd-MAb 19C10」と称し、2005年9月27日付で、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6)に寄託した。その受付番号を示す受領番号(受領書に記載)は、「FERM AP-20668」である。
(4)モノクローナル抗体の性質
(4-1) 抗DiAcSpmモノクローナル抗体
本発明のモノクローナル抗体は、抗原の競合阻害アッセイ系、すなわち、固相化されたジアセチルスペルミンと当該ジアセチルスペルミンに対する特異的モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミン又は検体ジアセチルスペルミジンを存在させる反応系において、以下の性質を備える。
(i) 検体中のDiAcSpmによる上記免疫反応の阻害活性は、当該検体中のN1-AcSpdによる上記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも1000倍となる測定条件を満たす。
ここで、プレートの底にDiAcSpmを固定して固相化し、これにDiAcSpmに対するモノクローナル抗体を添加してDiAcSpmと抗体とを反応させる系を考える。競合物質が存在しない反応系では、当該モノクローナル抗体は固相化されたDiAcSpmと反応する。この反応系に、遊離のDiAcSpmを検体として添加する。この遊離のDiAcSpmは固相化されたDiAcSpmと競合して抗体と反応する。固相のDiAcSpmと抗体との結合が、50%阻害されたとき、つまり、競合DiAcSpm(遊離のDiAcSpm)を添加したときの上記モノクローナル抗体と固相DiAcSpmとの結合量が、遊離の競合DiAcSpmが存在しないときの上記モノクローナル抗体と固相DiAcSpmとの結合量と比較して50%まで低下するときの当該遊離DiAcSpmの量又は濃度の逆数を免疫反応の「阻害活性」として定義することができる。
遊離のDiAcSpmとN1-AcSpdのそれぞれについて、上記阻害活性を測定し、遊離のDiAcSpmを用いたときの阻害活性が、尿中に多く遊離しているN1-AcSpdを用いたときの阻害活性と比較して1000倍以上、同様に尿中に多く遊離しているN8-AcSpdを用いたときの阻害活性と比較して10万倍以上となるような反応条件を満たす抗体を、本発明の抗体として選択することができる。このことは、本発明のモノクローナル抗体がN1-AcSpd等と交差反応せず、DiAcSpmに特異的であることを意味する。
(ii) 上記(i)の条件を満たすときの検体中のDiAcSpmの濃度(プレート中の反応系における濃度)は、2nM以下であり、好ましくは0.1〜2nMである。
上記性質を有する本発明の抗体は、特開平11-75839号公報に記載のモノクローナル抗体と比較して、少なくとも1000倍の親和性を有するものである。また、本発明で上記抗体を得るために用いた免疫方法は、高親和性抗体産生B細胞が生体内で記憶され、その記憶B細胞を効率よく活性化させる方法である。このことは、本発明の抗体がDiAcSpmに対して高親和性であることを意味する。
(4-2) 抗DiAcSpdモノクローナル抗体
本発明のモノクローナル抗体は、抗原の競合阻害アッセイ系、すなわち、ジアセチルスペルミジンと当該ジアセチルスペルミジンに対する特異的モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミジンを存在させる反応系において、以下の(i)〜(iii) からなる群から選択される少なくとも1つの性質を備える。なお、上記競合阻害アッセイ系は固相化ジアセチルスペルミジンを用いた系であることが好ましい。
(i) 検体中のDiAcSpdによる上記免疫反応の50%阻害活性は、当該検体中のN8-AcSpdおよびAcPutによる上記免疫反応の50%阻害活性と比較して少なくとも180倍以上の阻害活性を有する。
ここで、プレートの底にDiAcSpdを固定して固相化し、これにDiAcSpdに対するモノクローナル抗体を添加してDiAcSpdと抗体とを反応させる系を考える。競合物質が存在しない反応系では、当該モノクローナル抗体は固相化されたDiAcSpdと反応する。この反応系に、遊離のDiAcSpdを検体として添加する。この遊離のDiAcSpdは固相化されたDiAcSpdと競合して抗体と反応する。固相のDiAcSpdと抗体との結合が、50%阻害されたとき、つまり、競合DiAcSpd(遊離のDiAcSpd)を添加したときの上記モノクローナル抗体と固相DiAcSpdとの結合量が、遊離の競合DiAcSpdが存在しないときの上記モノクローナル抗体と固相DiAcSpdとの結合量と比較して50%まで低下するときの当該遊離DiAcSpdの量又は濃度の逆数を阻害活性として定義することができる。
遊離のDiAcSpd並びにN8-AcSpdおよびAcPutのそれぞれについて、上記阻害活性を測定し、遊離のDiAcSpdを用いたときの阻害活性が、尿中に多く遊離しているN8-AcSpd又はAcPutを用いたときの阻害活性と比較して180倍以上となるような反応条件を満たす抗体を、本発明の抗体として選択することができる。このことは、本発明のモノクローナル抗体がN8-AcSpdおよびAcPut等と交差反応が低く、DiAcSpdに特異的であることを意味する。
上記条件を満たすときの検体中のDiAcSpdの濃度は、200nM以下、好ましくは10〜200nMであり、より好ましくは50nM以下である。
(ii) DiAcSpdの類似構造物質として尿中に約8倍多く存在するN8-AcSpdとの交差反応性は0.7%以下であり、好ましくは0.5%以下である。
(iii) 尿中に存在するDiAcSpd類似構造物質の交差反応性の総和は20%以下であり、好ましくは18%以下であり、より好ましくは12%以下である。

4.腫瘍の診断方法
ポリアミンは、癌の臨床マーカー(腫瘍マーカー)として利用することができるため、本発明の抗体を非ヒト哺乳動物の生体試料と反応させ、生体試料中のDiAcSpm又はDiAcSpdを検出(測定又は定量)することにより、その検出結果を指標として非ヒト哺乳動物が腫瘍に罹っているかどうかを診断することができる。
DiAcSpmまたはDiAcSpdの検出は、一般に行われるハプテン免疫測定法として知られている方法のいずれの方法によっても行うことができ、特に限定されない。
腫瘍としては、特に限定されるものではないが、例えば以下の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。検出対象となる腫瘍の種類は、1種類でもよく2種類以上が併発したものでもよい。
(1)口腔、鼻、咽頭
舌癌、歯肉癌、悪性リンパ腫、上顎癌、鼻癌、鼻腔癌、喉頭癌、咽頭癌
(2) 脳神経系
脳腫瘍、神経膠腫、髄膜腫
(3)甲状腺、内分泌器
甲状腺癌(甲状乳頭腺癌、甲状腺濾胞癌、甲状腺髄様癌)、副腎腫瘍
(4) 呼吸器
肺癌(扁平上皮癌、腺癌、肺胞上皮癌、大細胞性未分化癌、小細胞性未分化癌、カルチノイド)
(5) 乳房
乳癌、乳腺腫瘍、乳房ページェット病、乳房肉腫
(6)血液、リンパ腺
急性骨髄性白血病、急性前髄性白血病、急性骨髄性単球白血病、急性単球性白血病、急性リンパ性白血病、急性未分化性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫(リンパ肉腫、細網肉腫、ホジキン病)、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、リンパ腫
(7) 消化器
食道癌、胃癌、胃・腸悪性リンパ腫、膵臓癌、胆道癌、胆嚢癌、小腸又は十二指腸癌、大腸癌、肛門癌、肝臓癌
(8) 雌性性器
子宮癌、卵巣癌、子宮肉腫(平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、リンパ肉腫、細網肉腫)
(9) 泌尿器
尿路悪性腫瘍(前立腺癌、腎癌、膀胱癌、精巣腫瘍、尿道癌)
(10) 運動器
横紋筋肉腫、線維肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、組織球肉腫、滑液膜肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、ユーイング肉腫、多発性骨髄腫
(11) 皮膚
皮膚癌、上皮癌(扁平上皮癌、移行上皮癌等)、皮膚ボーエン病、皮膚ページェット病、皮膚悪性黒色腫
(12) その他
血管周皮腫、肥満細胞腫
検出又は診断の対象となる非ヒト哺乳動物としては、ペット、家畜、競走馬など任意の哺乳動物が挙げられるが、例えばイヌ、ネコなどのペット(愛玩動物)であることが好ましい。
癌が疑われる非ヒト哺乳動物から生体試料を採取し、DiAcSpm又はDiAcSpd測定試料を調製する。生体試料としては、血液、尿、組織等が挙げられるが、取り扱いが容易で動物への負担が少ない点で尿が好ましい。また、微量ではあるが癌の早期診断を考えると血液が好ましい。
次いで、前記測定試料と前記抗体とを反応させる。ポリアミンの測定は、一般に行われるELISAにより行うことができる。ELISAで測定するには、まず、マイクロプレートに抗原(DiAcSpm又はDiAcSpd)をコートしておく。一方、あらかじめ生体試料及び標準液中のポリアミンと抗ポリアミン特異抗体を反応させた後、この反応液をプレートにまく。未反応のまま残った抗体はプレート上のポリアミンと結合する。そして、2次抗体であるHRP標識抗ウサギIgG抗体をプレートに添加して反応させる。最後に、HRPにより触媒される発色反応により生体試料中のポリアミンを定量する。2次抗体で用いる標識酵素はHRP(ペルオキシダーゼ)の他に、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸脱水酵素、α-グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼなどを用いることもできる。
本発明においては、前記検出結果を指標として腫瘍の状態を評価することができる。検出結果が所定の基準値を超えるものをポリアミン陽性、所定の基準値以下のものをポリアミン陰性とし、陽性の場合には、癌を発症している可能性があると診断し、腫瘍の状態を評価することができる。
腫瘍の状態とは、腫瘍の罹患の有無又はその進行度を意味し、癌発症の有無、癌の進行度、癌の悪性度、癌の転移の有無及び癌の再発の有無等が挙げられる。上記評価に際し、これらの腫瘍の状態は1つを選択してもよく、複数個を適宜組み合わせて選択してもよい。癌の有無を評価するには、癌に罹患しているか否かを判断する。癌の悪性度は、癌がどの程度進行しているのかを示す指標となるものであり、病期(Stage)を分類して評価し、あるいは、いわゆる早期癌、進行癌を分類して評価することも可能である。癌の転移は、原発巣の位置から離れた部位に新生物が出現しているか否かにより評価する。再発は、間欠期又は寛解の後に再び癌が現れたか否かにより評価する。

5.ポリアミンに対する抗体を含むキット
本発明においては、ポリアミンに対するモノクローナル抗体を当該ポリアミンの検出用キット又は試薬として使用することができる。また、本発明のキットは、上記腫瘍の診断用に使用することができる。
従来から一般生化学検査としてポリアミン類を測定する場合は、尿中のポリアミン類は類似構造体として数種類がひとまとまりに測定され、類似構造体の各々と各種の病態との関連の検討は皆無に等しかった。そこで、ポリアミン測定法の中でも、尿中のポリアミン量を区別して測定する方法が確立されているが、特にポリアミンの一種であるDiAcSpm又はDiAcSpdが癌の発症時及び治療後の再発時に非常に高値になることが確認されている。このことは、ジアセチルポリアミンを簡便かつ正確に測定する方法を開発することができれば、新規の腫瘍マーカーとして非ヒト哺乳動物における癌診療において、大きな需要が見込まれることを示している。また、本発明の抗体は、微量のポリアミンを高感度に検出できるため、従来では極めて困難であった血清中のポリアミンの測定や異常の初期の段階での検出に期待できる。
本発明の腫瘍診断用キットは、固相化抗原濃度を低濃度側に調整することで、スタンダード領域を0.1〜2nMに設定することができる。固相化抗原濃度としては、0.1〜1μg/mL、好ましくは0.07μg/mLである。その結果、尿中ポリアミンを測定するのに、十分な感度及び測定精度を達成することができる。
測定精度とは、同一の試料を複数の試験管又はウェルに分けて1回のアッセイを行ったときに、それぞれの測定値がどの程度ばらつくかを示す指標となるものであり、統計学的には、変動係数(CV:Coefficient of variation)、すなわち平均値に対する標準偏差の割合(%)として表現される。本発明においては、この変動係数(CV)を再現性という。再現性は15%以下であるが、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
本発明のキットの性能は、最低検出実測値:(0.1nM)、検体測定検出感度:0.4nM(0.1×4)。また、同時再現性は10%以下、好ましくは5%前後であり、日間再現性は10%以下、好ましくは約8〜10%である。いずれの再現性もCV=10%以下である。共存物質の影響については、抱合型ビリルビン、グルコース、ヘモグロビン、アスコルビン酸において、ポリアミン測定に影響はない。
本発明において、ポリアミンに対する抗体を腫瘍の診断用キットとして用いる場合には、抗体を他の溶媒や溶質と組み合わせて組成物とすることができる。例えば、蒸留水、pH緩衝試薬、塩、タンパク質、界面活性剤などを組み合わせることができる。
本発明のキットには、本発明の抗体の他に、抗原固相化マイクロプレート、ポリアミン標準品(STD)、抗体希釈溶液、HRP標識-抗ウサギIgG抗体、OPD(オルトフェニレンヂアミン)錠、基質液、反応停止液、濃縮洗浄液などから選ばれる少なくとも一種を含めることができる。また、標識酵素として、HRP(ペルオキシダーゼ)の他に、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸脱水酵素、α-グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼなどを用いることもできる。
反応媒体として、反応の至適条件を与えるか、反応生成物質の安定化などに有用な緩衝液、反応物質の安定化剤なども含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
免疫抗原は以下の通り作製した(Hiramatsu, K. et al., J. Biochem., 124, 231-236 (1998))。
DiAcSpmは、低分子量のアルキルアミンであり、これを直接ウサギに免疫してもDiAcSpmに特異的な抗体を得ることはできない。そこで、キャリア蛋白質である牛血清アルブミン(以下略:BSA)とAcSpmをアシルアミド結合させ、DiAcSpm類似構造物を側鎖として多数持つ免疫抗原AcSpm-GMB-BSA を作製した。まずキャリア蛋白質となるBSAとS-アセチルメルカプト琥珀酸を反応させ、反応生成物であるS-アセチルメルカプト琥珀酸-BSA(以下略:AMS-BSA)を作製した。さらにAMS-BSAに二価性架橋試薬であるGMBSを介して、AcSpmをアシルアミド結合させ、免疫抗原AcSpm-GMB-BSAを作製した。
免疫は、免疫抗原とアジュバント(初回免疫:コンプリートアジュバント、追加免疫:インコンプリートアジュバント)を等量混和したエマルジョンを背部皮下に免疫する方法で行った。免疫は2週間おきに、初回免疫1mg/羽、追加免疫0.3mg/羽の条件下で行った。また、3回目免疫後7日目に部分採血を行い、ELISA法にて抗血清中の抗体価をチェックした。
得られた19羽の抗血清の内、高い抗体価を示した3種の抗DiAcSpmポリクローナル抗血清(JPW9、NZW2、NZW9とする)より、尿中DiAcSpm測定系に使用できる精度の特異抗体が得られるか、段階的な親和性精製を行い検討した。親和性精製については、AcSpmおよびN8-AcSpdでカルボキシトヨパールを誘導化したDiAcSpmカラム、DiAcSpdカラムを用いて、段階的な親和性精製を行った(Hiramatsu, K. et al., J. Biochem., 124, 231-236 (1998))。
その結果、NZW2の抗血清は、DiAcSpmの類似物質として尿中に約30倍多く存在するN1-AcSpdとの交差反応性が0.1%以下となる抗体であった。また、尿中に存在するDiAcSpm類似物質との交差反応による測定結果への干渉の総和は2.9%であり、交差性5%以下を達成することができた(表1)。
ジアセチルスペルミン(以下DiAcSpm)に特異的なモノクローナル抗体の作製
(1)抗原の作製
免疫抗原は、実施例1に準じてAcSpm-GMB-AMS-BSAを作製した。
(2)抗原の評価
抗原の評価は、DiAcSpm特異的なポリクローナル抗体を用いて行った。(1)で作製した抗原6種類に関して、固相化AcSpm-HMC-peptideに対する抗DiAcSpmポリクローナル抗体の反応を阻害する活性を調べた。活性の測定は以下の実験例1の通り行った。
その結果、No.1とNo.6の2抗原が最も高い阻害活性があり、次いでNo.5が阻害活性が高かった(図1)。これらの抗原がDiAcSpm類似構造物として比較的最適な抗原であるので、これらを免疫抗原として選択した。
実験例1(抗原の評価法)
モノアセチルスペルミンを配しアシルアミド結合によりDiAcSpm類似構造体をもつもの(AcSpm-HMC-peptideという)を固相化抗原として、PBS(pH7.0)で0.07μg/mLに調製し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに、50μLずつ添加し、25℃で1.5時間放置した。次に、0.05% Tween20を含むPBS(pH7.0)(PBST)で3回洗浄後、0.5%ゼラチンを含むPBST(ブロッキング液)を各ウェルに200μLずつ添加し、25℃で1時間静置した。次に、プレートを−30℃で一晩冷凍し、ブロッキング液を凍結させ、凍結乾燥を行い、凍結乾燥プレートを作製した。希釈用プレートに10μg/mLの抗DiAcSpmポリクローナル抗体70μLと各濃度に段階的に調製した各ロットの免疫抗原AcSpm-GMB-AMS-BSA70μLを各ウェルに混合して添加し、25℃で1時間静置しプレ反応を行った。
次に、凍結乾燥プレートの各ウェルにPBSTを300μLずつ添加し、25℃で30分間静静置後、再度PBSTで1回洗浄した。そこに、プレ反応した反応液50μLを各ウェルに添加し、25℃で1時間静置した。次に、PBSTで3回洗浄後、各ウェルに80倍希釈したHRP標識抗ウサギIgG抗体(Bio-Rad社)を50μLずつ添加し、25℃で1時間静置した。次に、PBSTで3回洗浄後、各ウェルに0.012%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸リン酸緩衝液(pH5.0)で0.5mg/mLに調製したo-フェニレンジアミン溶液100μLを添加し、25℃で9分間静置した後に、492nmの吸光度をELISAリーダーによって測定した。
(3)マウスへの免疫
マウスの免疫に用いた抗原は、(2)で選択した3抗原を用いて行った。マウスへの免疫は2通りの方法で行った。
第一の方法(免疫法1という)は、以下の通り行った。すなわち、2mg/mLに調製した免疫抗原をFCAと等量混合し、エマルジョンを形成させたものを100μLずつマウスの背部皮下に投与し、その後2週間間隔で1mg/mLの免疫抗原とFIAと等量混合し、エマルジョンを形成させたものを100μLずつマウスの背部皮下に投与した。合計3回抗原を投与し、ELISAにより抗体の力価を確認し、抗体価の高かったものに対して、1mg/mLの免疫抗原とIFAのエマルジョンを100μLずつマウスの腹腔内に最終投与し、その3日後に細胞融合用に脾臓を摘出した。
第二の方法(免疫法2という)は以下の通り行った。すなわち、第一の方法の3回目までの抗原投与までは同じだが、その後半年間抗体価が下がるまでマウスを放置し、再度1mg/mLの免疫抗原とIFAのエマルジョンをマウスの背部皮下に投与し、その2週間後に1mg/mLの免疫抗原とIFAのエマルジョンをマウスの腹腔内に最終投与し、その3日後に細胞融合用に脾臓を摘出した。
(4)脾臓細胞の調製と細胞融合
摘出した脾臓細胞をすりつぶし、抗DiAcSpm抗体産生細胞を含む脾臓細胞を調製した。両免疫方法共に、1匹あたり約1×108個の脾臓細胞を調製できた。一方で、ミエローマ細胞であるP3U1を培養し、細胞融合当日に生細胞率が95%以上のP3U1を調製した。これら脾臓細胞とP3U1を5:1で混ぜ、50%濃度の分子量1,450のポリエチレングリコールにより細胞融合を行った。融合後、培地で洗浄し、HAT培地に懸濁したものを、96穴培養プレートの各ウェルに脾臓細胞が0.5×105個/ウェルとなるように細胞を播きこんだ。細胞融合後、10〜12日目に各ウェルのコロニーを確認したところ、免疫法1と2の両方とも95%以上のコロニー陽性率であった。
(5)抗体産生陽性クローンのスクリーニング
細胞融合後、12日目の培養上清を回収し、抗体産生陽性クローンのスクリーニングを下記実験例2の通り行った。
免疫法1では、1320ウェル中24ウェルでBSA陰性、DiAcSpm陽性であった。免疫法2では、2880ウェル中247ウェルでBSA陰性、DiAcSpm陽性であった。これらを選択したウェルの細胞を24 ウェルプレートに移し、1〜2日間培養し、再度スクリーニングをしたところ最終的に、免疫法1では、16ウェル分、免疫法2では208ウェル分がDiAcSpm陽性であった。
実験例2(抗体のスクリーニング法)
抗体のスクリーニング法
実験例1と同じ方法で作製した凍結乾燥プレートとPBS(pH7.0)で1mg/mLに調製したBSAを96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに50μL添加し、25℃で一晩静置したものを以下に使用した。凍結乾燥したプレート及びBSA固相化プレートの各ウェルにPBSTを300μLずつ添加し、25℃で30分間静置後、再度PBSTで1回洗浄した。洗浄後、培養上清を原液のまま各ウェルに50μLずつ添加し、25℃で40分静置した。次に、PBSTで3回洗浄後、各ウェルに80倍希釈したHRP標識抗マウスIgG抗体(KPL社)を50μLずつ添加し、25℃で40分静置した。次に、PBSTで3回洗浄後、各ウェルに0.012%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸リン酸緩衝液(pH5.0)で0.5mg/mLに調製したo-フェニレンジアミン溶液100μLを添加し、25℃で9分間静置した後に、492nmの吸光度をELISAリーダーによって測定した。
(6)抗体産生陽性クローンの交差反応性試験
上記のDiAcSpm陽性ウェルの中から比較的抗体価の高かった51クローンに関して、これまでの研究で尿中に多く存在し、比較的交差反応しやすいと考えられるN1-AcSpdに対する交差反応性試験を以下の実験例3の方法で行った。
その結果、N1-AcSpdの50%反応阻害活性がDiAcSpmの約800倍であったものが2ウェル分、3000倍であったものが1ウェル分であり、それ以外は0〜200倍であった。
実験例3(交差反応試験)
希釈した培養上清中の抗体価を測定し、492nmにおける吸光度が1となる希釈倍率を設定した。希釈用プレートに上記で設定した希釈倍率で希釈した培養上清70μLと各濃度に段階的に調製したDiAcSpm溶液とその類似構造物質(N1-AcSpm、N1-AcSpd、DiAcSpd等)を各濃度に段階的に調製したもの70μLを各ウェルに混合して添加し、25℃で1時間静置しプレ反応を行った。次に、上記(2)と同じ方法で作製した凍結乾燥プレートの各ウェルにPBSTを300μLずつ添加し、25℃で30分間静静置後、再度PBSTで1回洗浄した。そこに、プレ反応した反応液50μLを各ウェルに添加し、25℃で1時間静置した。次に、PBSTで3回洗浄後、各ウェルに80倍希釈したHRP標識抗マウスIgG抗体(KPL社)を50μLずつ添加し、25℃で1時間静置した。次に、PBSTで3回洗浄後、各ウェルに0.012%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸リン酸緩衝液(pH5.0)で0.5mg/mLに調製したo-フェニレンジアミン溶液100μLを添加し、25℃で9分間静置した後に、492nmの吸光度をELISAリーダーによって測定した。
(7)クローニング
DiAcSpmに対する特異性の高かった1ウェル分を限界希釈法でクローニングを行った。すなわち、細胞を20%のFCSを含むRPMI培地で2.5個/mLに調製し、96穴培養プレート2枚分の各ウェルに200μLずつ添加した。5日後、シングルコロニーの確認をしたところ、96穴培養プレート2枚中17ウェルでシングルコロニーを確認した。10日後、実験例2の方法で培養上清中のDiAcSpmに対する抗体価を測定したところ、3ウェルが陽性であった。その3ウェル分をさらに培養し、上記(6)に記載の交差反応試験と同様の方法でAcSpm、N1-AcSpd、N8-AcSpd、DiAcSpd、AcPutに対する交差反応性試験を行った。その結果、3ウェルともにDiAcSpmの50%阻害活性がN1-AcSpdの50%阻害活性の約1000倍、AcSpmの約70倍、DiAcSpdの約10万倍、N8-AcSpdとAcPutの約50万倍以上となり、目的を十分果たすような抗体であった(図2)。その内の一つを樹立クローンCN647とした。
なお、樹立クローンCN647は、「Anti-DiAcSpm hybridoma CN647」と称し、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている(受託番号:「FERM P-20090」)。
(7)抗体の精製
樹立クローンCN647から目的のモノクローナル抗体を以下の方法で精製した。まず、樹立クローンCN647を市販の無血清培地(Hybridoma SFM:Invitrogen社)に懸濁し、4×105個/mLになるように調製した。T225フラスコにその細胞懸濁液を50mL入れ、37℃、5.0% CO2環境下で約2週間培養した。培養後、培養上清を回収した。回収後、その培養上清をプロテインGカラムにアプライし、グリシンバッファー(pH3)で溶出し、モノクローナル抗体を精製した。精製した抗体は、活性を保持していた。さらに、精製した抗体のタイピングを行ったところ、IgG1のκであることが分かった。
ジアセチルスペルミジン(以下DiAcSpd)に特異的なモノクローナル抗体の作製
(1)抗原の作製
免疫抗原は、実施例2に準じて作製し、免疫抗原であるN8-AcSpd -GMB-AMS-BSAを得た。
(2)マウスへの免疫
マウスへの免疫は実施例2の方法に準じて行った。
(3)脾臓細胞の調製と細胞融合
細胞融合は、実施例2に準じて行った。
(4)抗体産生陽性クローンのスクリーニング
細胞融合後、12日目の培養上清を回収し、抗体産生陽性クローンのスクリーニングを実施例2に準じて行った。その結果、最終的に、第一の免疫方法では75ウェル分、第二の免疫方法では90ウェル分がDiAcSpd陽性であった。
(5)抗体産生陽性クローンの交差反応性試験
上記のDiAcSpd陽性ウェル165クローンに関して、これまでの研究で尿中に多く存在し、比較的交差反応しやすいと考えられるN8-AcSpdに対する交差反応性試験を実験例2の方法で行った。その結果、N8-AcSpdの50%反応阻害活性がDiAcSpdの約180倍以上であったものが2ウェル分あり、それ以外は0〜100倍であった。
(6)クローニング
DiAcSpdに対する特異性の高かった2ウェル分を限界希釈法でクローニングを行った。すなわち、細胞を20%のFCSを含むRPMI培地で2.5個/mLに調製し、96穴培養プレート2枚分の各ウェルに200μLずつ添加した。10日後、実験例1の方法で培養上清中のDiAcSpdに対する抗体価を測定し、陽性であることを確認した。その後さらに培養し、実験例2の方法でAcSpm、N1-AcSpd、N8-AcSpd、DiAcSpd、AcPutに対する交差反応性試験を行った。その結果、2クローンともにDiAcSpdの50%阻害活性がN8-AcSpdの50%阻害活性の約180倍以上となり、本発明において目的とする特異性を十分に備えた抗体であった。それぞれ樹立クローン19C10(図3)、15C5とした(図4)。
なお、樹立クローン19C10は、「Anti-DiAcSpd-MAb 19C10」と称し、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている(受領番号(受領書に記載)「FERM AP-20668」)。
非ヒト哺乳動物の癌の診断
DiAcSpm測定方法としては、固相化抗原にAcSpm-HMC-peptideを用いた競合ELISA法を採用した。1次抗体は、実施例1で作製したポリクローナル抗体の内、最も尿中交差性の低かったNZW2を使用し、2次抗体は市販のヤギ由来HRP標識抗ウサギIgG抗体(BIO-RAD社)とした。固相化抗原濃度は尿中DiAcSpm正常値がおよそ100nM程度であることから、スタンダード領域6.25nM~200nMを想定し、この領域において最も理想的な競合曲線を描く固相化濃度0.07μg/mLを求めた。抗DiAcSpm抗体濃度については、固相化濃度0.07μg/mlにおいて最大反応効率の50%となる条件で定めた結果、0.02μg/mlとなった。また、2次抗体であるヤギ由来HRP標識抗ウサギIgG抗体については、希釈倍数2000倍が最も感度が良かった。よってヤギ由来HRP標識抗マウスIgG抗体は、2000倍を2次抗体の条件とした。
また、測定に使用した検体は、原尿、×10倍希釈、×100倍希釈の尿を2Well= n =1として各希釈尿をn =1で測定した。
使用したイヌ(一部ネコを含む)の種別、性別、疾患の一覧を表2に示す。
表2において、「mix」とは雑種を意味し、「spay」とは卵巣除去(メスの去勢)を意味し、「cast」とは精巣除去(オスの去勢)を意味する。
結果を図5に示す。
図5より、犬(猫)尿検体のDiAcSpm濃度は、コントロールの平均値+2SD値の1215 nM/g・creatinineを基準値とした場合、疾患検体のうち基準値を超えた値は疾患検体の35.3%であった。
以上のことから、抗DiAcSpmポリクローナル抗体を使用すると、非ヒト哺乳動物の癌を診断することが可能になった。
492nmにおける吸光度による免疫抗原の評価を示す図。 CN647株培養上清における各物質の結合阻害活性を示す図。 19C10株培養上清における各物質の結合阻害活性を示す図。 15C5株培養上清における各物質の結合阻害活性を示す図。 癌疾患イヌと対照イヌの尿検体におけるDiAcSpmの測定結果を示す図。

Claims (17)

  1. 非ヒト哺乳動物由来のサンプル中のアセチルポリアミンを検出することを特徴とする、当該非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断方法。
  2. サンプルが尿又は血清である請求項1記載の方法。
  3. 非ヒト哺乳動物がイヌまたはネコである請求項1記載の方法。
  4. アセチルポリアミンがジアセチルスペルミン又はジアセチルスペルミジンである請求項1記載の方法。
  5. アセチルポリアミンの検出法が、アセチルポリアミンに対する抗体を用いた免疫測定法である請求項1記載の方法。
  6. アセチルポリアミンに対する抗体が、ジアセチルスペルミンに対する抗体又はジアセチルスペルミジンに対する抗体である請求項5記載の方法。
  7. ジアセチルスペルミンに対する抗体が、以下の性質を有するモノクローナル抗体である請求項6記載の方法:
    ジアセチルスペルミンと当該抗ジアセチルスペルミン特異的モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミン又は検体N1-アセチルスペルミジンを存在させる反応系において、当該検体中のジアセチルスペルミンによる前記免疫反応の阻害活性が、当該検体中のN1-アセチルスペルミジンによる前記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも1000倍となる測定条件を満たす。
  8. ジアセチルスペルミジンに対する抗体が、以下の性質を有するモノクローナル抗体である請求項6記載の方法:
    ジアセチルスペルミジンと当該モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミジン又は検体N8-アセチルスペルミジン若しくはアセチルプトレッシンを存在させる反応系において、当該検体ジアセチルスペルミジンによる前記免疫反応の阻害活性が、当該検体N8-アセチルスペルミジン又はアセチルプトレッシンによる前記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも180倍以上となる測定条件を満たす。
  9. ジアセチルスペルミンに対する抗体が、受託番号FERM P-20090である細胞株により産生されるモノクローナル抗体である請求項6記載の方法。
  10. ジアセチルスペルミジンに対する抗体が、受領番号FERM AP-20668である細胞株により産生されるモノクローナル抗体である請求項6記載の方法。
  11. アセチルポリアミンに対する抗体を含む、非ヒト哺乳動物の腫瘍の診断用キット。
  12. 非ヒト哺乳動物がイヌまたはネコである請求項11記載のキット。
  13. アセチルポリアミンに対する抗体がジアセチルスペルミンに対する抗体又はジアセチルスペルミジンに対する抗体である請求項11記載のキット。
  14. ジアセチルスペルミンに対する抗体が、以下の性質を有するモノクローナル抗体である請求項13記載のキット:
    ジアセチルスペルミンと当該抗ジアセチルスペルミン特異的モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミン又は検体N1-アセチルスペルミジンを存在させる反応系において、当該検体中のジアセチルスペルミンによる前記免疫反応の阻害活性が、当該検体中のN1-アセチルスペルミジンによる前記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも1000倍となる測定条件を満たす。
  15. ジアセチルスペルミジンに対する抗体が、以下の性質を有するモノクローナル抗体である請求項13記載のキット:
    ジアセチルスペルミジンと当該モノクローナル抗体との免疫反応が阻害されるように検体ジアセチルスペルミジン又は検体N8-アセチルスペルミジン若しくはアセチルプトレッシンを存在させる反応系において、当該検体ジアセチルスペルミジンによる前記免疫反応の阻害活性が、当該検体N8-アセチルスペルミジン又はアセチルプトレッシンによる前記免疫反応の阻害活性と比較して少なくとも180倍以上となる測定条件を満たす。
  16. ジアセチルスペルミンに対する抗体が、受託番号FERM P-20090である細胞株により産生されるモノクローナル抗体である請求項13記載のキット。
  17. ジアセチルスペルミジンに対する抗体が、受領番号FERM AP-20668である細胞株により産生されるモノクローナル抗体である請求項13記載のキット。




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