JP2007256151A - 診断薬用磁性ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

診断薬用磁性ポリマー粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気分離性に優れ、かつ、生体関連物質との結合量が多い診断薬用磁性ポリマー粒子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】球状の磁性母粒子を熱的におよび/または機械的に変形させることにより、長径/短径=1.1〜2.0である優れた磁気分離性および生体関連物質との高い結合性を有する診断用磁性ポリマー粒子を得る。磁性ポリマー粒子は磁性微粒子を含むコアと、ポリマー部を含むことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気分離性に優れ、かつ、生体関連物質との結合量が多い診断薬用磁性ポリマー粒子およびその製造方法に関する。
近年、磁性ポリマー粒子は、抗原と抗体との免疫反応ならびにDNA同士またはDNAとRNAとのハイブリダイゼーションにおいて優れた反応場を提供できることから、特に診断薬や医薬品研究用などへの応用が活発になっている(例えば、特開2004−205481号公報)。
磁性ポリマー粒子は一般に、粒径が小さいほど単位重量あたりの表面積が大きく、また、単位重量あたりの表面積が大きいほど、単位重量あたりの生体関連物質の結合量が多い。すなわち、磁性ポリマー粒子においては、通常、粒径が小さいほど単位重量あたりの生体関連物質の結合量が多くなる。
しかしながら、一般に、磁性ポリマー粒子は、粒径が小さくなるほど、磁気分離性が低下する。一方、磁気分離性を重視して、粒径の大きな磁性ポリマー粒子を使用した場合、粒径が大きいほど、単位重量あたりの生体関連物質の結合量は減少する。すなわち、優れた磁気分離性と、生体関連物質との高い結合能とを両立することが困難である。
特開2004−205481号公報
本発明は、磁気分離性に優れ、かつ、生体関連物質との結合量が多い診断薬用磁性ポリマー粒子およびその製造方法を提供する。
本発明者らは、球状の磁性母粒子を熱的におよび/または機械的に変形させることにより、長径/短径=1.1〜2.0である磁性ポリマー粒子が得られ、この磁性ポリマー粒子が優れた磁気分離性および生体関連物質との高い結合能を有することを見出し、本発明に至った。
本発明の第1の態様の診断薬用磁性ポリマー粒子は、長径/短径=1.1〜2.0である。
本発明において、粒子の「長径」とは、粒子の中心を通る断面の径のうち最大の径をいい、粒子の「短径」とは、粒子の中心を通る断面の径のうち最小の径をいう。
前記診断薬用磁性ポリマー粒子において、磁性体微粒子を含むコアと、ポリマー部を含むシェルとを含むことができる。この場合、前記コアは、非磁性体核粒子と、該核粒子の表面に設けられた磁性体層とを含むことができる。さらにこの場合、核粒子の長径/短径が1.1〜2.0であることができる。
本発明の第2の態様の診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法は、球状の磁性ポリマー粒子を熱的に変形させる工程を含む、上記磁性ポリマーの製造方法である。
本発明の第3の態様の診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法は、球状の磁性ポリマー粒子を機械的に変形させる工程を含む、上記磁性ポリマーの製造方法である。
本発明の第4の態様の診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法は、
長径/短径が1.1〜2.0である核粒子の表面に磁性体層を形成する工程と、
前記磁性体層の外側にポリマー部を形成する工程と、
を含む。
前記診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法において、球状の非磁性体核粒子を熱的に変形させて、長径/短径が1.1〜2.0である核粒子を形成する工程をさらに含むことができる。
前記診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法において、球状の非磁性体核粒子を機械的に変形させて、長径/短径が1.1〜2.0である核粒子を形成する工程をさらに含むことができる。
前記診断薬用磁性ポリマー粒子によれば、高い生体関連物質結合能と優れた磁気分離性とを両立できる。したがって、前記診断薬用磁性ポリマー粒子は、例えば、生化学分野、塗料、紙、電子写真、化粧品、医薬品、農薬、食品、触媒などの広い分野で利用できる。前記診断薬用磁性ポリマー粒子は特に、高い生体関連物質結合能と優れた磁気分離性とを両立できるため、医療用診断薬用担体などの生化学用担体、自動測定器対応粒子として有用である。
また、前記診断薬用磁気ポリマー粒子の製造方法によれば、球状の磁性ポリマー粒子を熱的におよび/または機械的に変形させる工程を含むことにより、前記磁性ポリマー粒子を簡便にかつ効率良く製造することができる。
さらに、前記診断薬用磁気ポリマー粒子の製造方法によれば、長径/短径が1.1〜2.0である核粒子の表面に磁性体層を形成する工程と、前記磁性体層の外側にポリマー部を形成する工程とを含むことにより、前記診断薬用磁気ポリマー粒子の磁性ポリマー粒子を簡便にかつ効率良く製造することができる。
1.磁性ポリマー粒子およびその製造方法
1.1.磁性ポリマー粒子
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子は、長径/短径=1.1〜2.0である扁平な形状を有する。ここで、長径/短径が1.1未満であると、高い生体関連物質結合能と磁気分離性とを両立できず、一方、長径/短径が2.0を超えると、再分散性に劣る。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子の長径および短径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影された前記粒子の写真から測定することができる。この点は、後述する核粒子の長径および短径も同様である。例えば、後述する実施例においては、走査型電子顕微鏡(SEM)によって得られた300個の粒子の写真から粒子の長径および短径を測定し、300個の粒子における長径の数平均と短径の数平均とをそれぞれ求め、この長径の数平均と短径の数平均との比を長径/短径とする。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子において、長径/短径は、後述する熱処理温度や機械処理条件、使用するポリマーの種類、ならびに分子量によって調節することができる。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子の長径は、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。前記粒径が0.05μm未満である場合、十分な磁気分離性が発現されず、当該粒子を分離するために相当に長い時間を要し、また、分離するために相当に大きい磁力が必要となるため場合がある。一方、前記粒径が10μmを超える場合、当該粒子が分散媒中で沈降しやすくなるため、生体関連物質と結合する際に分散媒を攪拌する操作が必要となり、また、粒子の重量に対する表面積の割合が小さくなるため、十分な量の生体関連物質と結合することが困難となる場合がある。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子は好ましくは、磁性体微粒子(M)とポリマー部(P)とを含む。
磁性体微粒子(M)は、特に制限はないが、酸化鉄系の物質が代表的であり、MFe(M=Co、Ni、Mg、Cu、Li0.5Fe0.5等)で表現されるフェライト、Feで表現されるマグネタイト、あるいはγFeが挙げられる。特に、飽和磁化が高く、かつ残留磁化が低い磁気材料として、γFe、Feが好ましい。残留磁化が少ないため、磁気による分離精製の後の再分散性が良好である点から、磁性体微粒子(M)は、超常磁性磁気材料からなることが好ましく、例えば、粒径5〜20nm程度のフェライトおよび/またはマグネタイトの微粒子が好適に使用できる。
ポリマー部(P)は、例えば(メタ)アクリレート系ポリマー、スチレン系ポリマーなどのラジカル重合性ポリマーからなるのが好ましい。ポリマー部(P)が粒子の最表面を構成する場合、ポリマー部(P)は、生体関連物質と結合可能な官能基を有するポリマーであることが好ましく、例えば、ポリスチレンやポリシクロヘキシルメタクリレートなどの疎水性基を有するポリマー、または、カルボキシル基やトシル基などの表面官能基を有するポリマーからなることがより好ましい。
このような、磁性体微粒子(M)とポリマー部(P)とを含む磁性ポリマー粒子の具体的な構造としては、例えば、ポリマー部(P)の連続相中に磁性体微粒子(M)が分散している粒子(構造I)、磁性体微粒子(M)の2次凝集体をコアとし、ポリマー部(P)をシェルとする粒子(構造II)、有機ポリマー等の非磁性体核粒子と、該核粒子の表面に設けられた磁性体微粒子(M)の2次凝集体層(磁性体層)とを有する母粒子をコアとし、該母粒子の外層であるポリマー部(P)をシェルとする粒子(構造III)等が挙げられる。これらの中では、構造IIまたはIIIの粒子(すなわち、磁性体微粒子を含むコアと、ポリマー部を含むシェルとを含む磁性ポリマー粒子)が好ましく、構造IIIの粒子がより好ましい。構造IIIの粒子において、核粒子の長径/短径は1.1〜2.0であるのが好ましい。構造IIIの粒子の具体的な重合方法については、例えば、特開2004−205481号公報等に開示されている通りである。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子は、分散媒に分散させて使用することができる。分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。水系媒体は特に限定されないが、例えば、水、水系溶剤を含む水が挙げられる。水系溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、エタノール、アルキレングリコール、モノアルキルエーテルなど)が挙げられる。
1.2.磁性ポリマー粒子の製造方法
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子の製造方法としては、例えば、(i)扁平磁性体の水分散体中でモノマーを重合する方法、(ii)球状磁性ポリマー粒子を熱的に変形させる方法、(iii)球状磁性ポリマー粒子を機械的に変形させる方法、(iv)扁平非磁性体核粒子と、該核粒子の表面に設けられた磁性体微粒子(M)の2次凝集体層(磁性体層)とを有する母粒子をコアとして、該母粒子の外側にポリマー部(P)のシェルを形成する方法などが挙げられる。
上記(i)の方法における扁平磁性体としては、例えば、針状マグヘマタイト、板状バリウムフェライトなどを使用することができる。ここで、扁平磁性体は、長径/短径が1.1〜2.0であることが好ましい。扁平磁性体の水分散体は、扁平磁性体を分散剤水溶液に分散させることにより得ることができる。モノマーの重合によって、扁平磁性体からなるコアと、ポリマー部(P)からなるシェルとを形成することができる。モノマーとしては、例えばラジカル重合性モノマーが好ましい。
上記(ii)および(iii)の方法で用いる球状磁性ポリマー粒子のポリマー部(P)としては、例えば(メタ)アクリレートポリマー、スチレンポリマーなどの熱可塑性樹脂が好適に使用できる。また、粒子間の融着を防止するために、架橋した熱可塑性樹脂がポリマー部(P)としてさらに好適に使用できる。
上記(ii)球状磁性ポリマー粒子を熱的に変形させる方法としては、例えば、重力場で粉体の球状磁性ポリマー粒子を加熱することにより、該粒子の熱塑性によって該粒子を変形させる方法が挙げられる。
上記(iii)球状磁性ポリマー粒子を機械的に変形させる方法としては、例えば、球状磁性ポリマー粒子に対して物理的に強い力を外部から加えて変形させる方法が挙げられる。物理的に強い力を負荷する方法としては、例えば、乳鉢、自動乳鉢、ボールミル、ブレード加圧式粉体圧縮法、メカノフュージョン法のようなメカノケミカル効果を利用するもの、あるいは、ジェットミル、ハイブリダイザー等の高速気流中衝撃法を利用するものが挙げられる。球状磁性ポリマー粒子を効率よく変形させるには、加える力が強いことが望ましく、球状磁性ポリマー粒子を強い力で変形させる方法としては、より具体的には、攪拌翼付き容器中で、攪拌翼の周速度が好ましくは15m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上、さらに好ましくは40〜150m/秒にて球状磁性ポリマー粒子を変形させることが挙げられる。撹拌翼の周速度が15m/秒より低いと、粒子が変形しないことがある。なお、撹拌翼の周速度の上限については、特に制限はないが、使用する装置、エネルギー効率等の点から自ずと決定される。
上記(iv)の方法で使用する扁平非磁性体核粒子としては、例えば、公知の棒状、板状粒子を使用することができ、例えば、棒状の微結晶セルロースコロイド粒子、お椀状の架橋スチレン系粒子などが挙げられる。あるいは、上記(iv)の方法で使用する扁平非磁性体核粒子として、球状の非磁性体核粒子を変形させることにより得られた扁平非磁性体核粒子を用いてもよい。より具体的には、扁平非磁性体核粒子は、球状の核粒子を熱的におよび/または機械的に変形させて、長径/短径が1.1〜2.0になるように形成されたものであってもよい。この場合、扁平非磁性体核粒子の表面に磁性体層を形成してコア(母粒子)を形成した後、該コアの外側にポリマー部(P)を形成することにより、長径/短径が1.1〜2.0である磁性ポリマー粒子を形成するのが好ましい。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子の製造方法は、(ii)球状磁性ポリマー粒子を熱的に変形させる工程、および(iii)球状磁性ポリマー粒子を機械的に変形させる工程の一方または両方を含むことがより好ましい。
1.3.用途
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子は、例えば、生化学分野、塗料、紙、電子写真、化粧品、医薬品、農薬、食品、触媒など広い分野で利用できる。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子は、特に、診断薬用担体、細菌分離用担体、細胞分離用担体、核酸分離精製用担体、タンパク質分離精製用担体、固定化酵素用担体、ドラッグデリバリー等の用途に有用である。より具体的には、前記磁性ポリマー粒子にタンパク質等の抗原あるいは抗体を結合して、測定対象である抗体あるいは抗原との抗原抗体反応に基づく受身凝集反応による溶液の濁度変化を利用した定量・定性検出用途,前記磁性ポリマー粒子に抗体を結合して、抗原(生物(例えば、ウイルス、細菌、細胞など)、生体関連物質(例えば、ホルモンなど)、化学物質(例えば、ダイオキシン類など))を前記抗体に結合させて回収・濃縮する用途,前記磁性ポリマー粒子にDNAなどの核酸アナログを結合して、ハイブリダイゼーションを利用して該核酸アナログに核酸を結合させて回収・検出したり、核酸に結合するタンパク質や色素等の化学物質を前記核酸アナログに結合させて回収・検出したりする用途,前記磁性ポリマー粒子にアビジン類(またはビオチン類)を結合し、前記アビジン類(またはビオチン類)にビオチン類(あるいはアビジン類)を有する分子を結合させて回収して検出する用途,前記磁性ポリマー粒子に抗体または抗原を結合し、比色法や化学発光を利用した酵素免疫測定法用の担体として前記磁性ポリマー粒子を使用する用途などが挙げられる。
また、本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子を用いて、96穴プレート等の担体を、磁性を利用した自動分析機に置き換えて使用できる。例えば、アンチプラスミン検査用抗アンチプラスミン抗体、Dダイマー検査用抗Dダイマー抗体、FDP検査用抗FDP抗体、tPA検査用抗tPA抗体、TAT検査用抗トロンビン=アンチトロンビン複合体抗体、FPA検査用抗FPA抗体等の凝固線溶関連検査用抗原または抗体;BFP検査用抗BFP抗体、CEA検査用抗CEA抗体、AFP検査用抗AFP抗体、フェリチン検査用抗フェリチン抗体、CA19−9検査用抗CA19−9抗体等の腫瘍関連検査用抗原または抗体;アポリポタンパク検査用抗アポリポタンパク抗体、β2−ミクロブロブリン検査用抗β2−ミクロブロブリン抗体、α1−ミクログロブリン検査用抗α1ッミクログロブリン抗体、免疫グロブリン検査用抗免疫グロブリン抗体、CRP検査用抗CRP抗体等の血清蛋白関連検査用抗原または抗体;HCG検査用抗HCG抗体等の内分泌機能検査用抗原または抗体;HBs抗原検査用抗HBs抗体、HBs抗体検査用HBs抗原、HCV抗体検査用HCV抗原、HIV−1抗体用HIV−1抗原、HIV−2抗体検査用HIV−2抗原、HTLV−1検査用HTLV−1抗原、マイコプラズマ症検査用マイコプラズマ抗原、トキソプラズマ検査用トキソプラズマ抗原、ASO検査用ストレプトリジンO抗原等の感染症関連検査用抗原または抗体;抗DNA抗体検査用DNA抗原、RF検査用熱変成ヒトIgG等自己免疫関連検査用抗原または抗体;ジゴキシン検査用抗ジゴキシン抗体、リドカイン検査用抗リドカイン抗体等の薬物分析用抗原または抗体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。抗体としては、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちらを用いてもかまわない。
本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子において、検査対象となる物質は、免疫検査用試薬および被検査試料に含まれる生体関連物質、化学物質、ならびに生物である。本発明において、「生体関連物質」とは、生体に関わるすべての物質をいう。生体関連物質としては、例えば、生体に含まれる物質、生体に含まれる物質から誘導された物質、生体内で利用可能な物質が挙げられる。
検査対象となる生体関連物質は特に限定されないが、例えば、タンパク質(例えば、酵素、抗体、アプタマー、受容体等)、ペプチド(例えばグルタチオン等)、核酸(例えば、DNAやRNA等)、糖質、脂質、およびその他の細胞または物質(例えば、血小板、赤血球、白血球等の各種血球細胞を含む各種血液由来物質、ホルモン(例えば、黄体形成ホルモン、甲状腺刺激ホルモン等)、ウイルス・細菌・真菌・原虫・寄生虫などの構成要素であるタンパク質や核酸が挙げられる。タンパク質としては、より具体的には、生体由来のタンパク質、前立腺特異マーカー、膀胱ガンマーカー等のガンのマーカーとなるタンパク質が挙げられる。
検査対象となる化学物質は特に限定されないが、例えば、ダイオキシン類等の環境汚染物質、医薬品(例えば、抗生物質、抗がん剤、抗てんかん剤等)があげられる。
検査対象となる生物は特に限定されないが、例えば、各種ガン細胞、各種浮遊細胞、ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、HIVウイルス、風疹ウイルス、インフルエンザウイルス等)、細菌(例えば、淋菌、MRSA、大腸菌等)、真菌(例えば、カンジダ、白癬菌、クリプトコックス、アルペルギルス等)、原虫・寄生虫(例えば、トキソプラズマ、マラリア等)等が挙げられる。
上述したように、本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子は、生体関連物質結合用粒子として用いることができる。この場合、例えば、本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子に、生体関連物質を結合させるための物質を固体化させてもよい。例えば、かかる生体関連物質としては、ビオチン類が挙げられ、生体関連物質を結合させるための物質としては、アビジン類が挙げられる。このような生体関連物質結合用粒子(ビオチン類結合用粒子)の製造方法としては、例えば、アビジン類にビオチン類を結合させる公知の方法を適用して、本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子にアビジン類を結合させる方法が挙げられる。
例えば、リン酸緩衝液または1M塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液中において、前記ビオチン類結合用粒子と、ビオチン類によって修飾されたタンパク質またはオリゴヌクレオチド(ビオチン類結合プローブ)とを室温で10分間〜1時間混合した後、固液分離操作によって未反応のタンパク質またはオリゴヌクレオチドを除去することにより、タンパク質またはオリゴヌクレオチドが固定化されたプローブ結合粒子を調製することができる。なお、この方法によって、前記ビオチン類結合用粒子の表面に固定化されたアビジン類に、ビオチン類を結合させることができる点は言うまでもない。
ここで、ビオチン類としては、例えば、ビオチン−ε−N−リンジン、ビオシチンヒドラジド、2−イミノビオチン、ビオチニル−ε−N−アミノカプロン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルのアミノまたはスルヒドリル誘導体、スルホスクシンイミドイミノジオチン、ビオチンブロモアセチルヒドラジド、p−ジアゾベンゾイルビオチン、3−(N−マレインイミドピロピオニル)ビオチンなどのビオチン誘導体を用いることができる。
ビオチン類によってタンパク質またはオリゴヌクレオチドを修飾する方法としては、例えば、(i)ビオチン類とN−ヒドロキシイミド類とのエステル(例えば、ビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミド)をタンパク質分子のアミノ基に反応させることにより、ビオチン類によってタンパク質を修飾する方法、(ii)オリゴヌクレオチドの5’末端に、フタルイミドトリエチレングリコールを結合した後、これを水酸化アンモニウムによって加水分解することにより第一級アミノ基を形成し、このアミノ基に例えばビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドを結合することにより、ビオチン類によってオリゴヌクレオチドの5’末端を修飾する方法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、公知の種々の方法を利用することができ、適宜の方法により、ビオチン類によってオリゴヌクレオチドの3’末端を修飾することもできる。
本発明の一実施形態の磁性ポリマー粒子は、粒子を用いたバイオチップ、例えば、特開2005−148048号公報で開示されたバイオチップなどにも好適に使用することができる。
なお、本発明の一実施形態に係る磁性ポリマー粒子の用途は生化学用担体用途に限定されるわけではなく、例えば、上述した各分野で使用可能である。
2.実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
2.1.評価方法
後述する実施例および比較例で得られた扁平磁性ポリマー粒子の評価は、以下の方法により行なった。また、扁平磁性ポリマー粒子の粒径は、特に説明がない限り以下の方法により測定された。
2.1.1.ビオチン結合量の評価
生体関連物質としてビオチンを用い、各実施例および比較例で得られた扁平磁性ポリマー粒子のビオチン結合量の評価を行なった。
各実施例および比較例で得られたビオチン結合用粒子2mgを水1.0mlに分散させた後、8000pmolのビオチン(蛍光標識化ビオチン(Lucifer yellow cadaverine biotin-X, dipotassium salt))を加えて37℃で15分間転倒混和を行った。次に、磁気分離により前記粒子を分離し、上清の蛍光強度を蛍光分光光度計(PF−777,JASCO社)で測定することにより、未反応の蛍光標識化ビオチンの量を算出した。さらに、未反応の蛍光標識化ビオチンの量と、結合前の蛍光標識化ビオチン溶液の量(4000pmol)との差を求め、この差を粒子の質量で除することにより、粒子1mgあたりのビオチン結合量(pmol/mg)を求めた。
すなわち、各実施例または比較例で得られた扁平磁性ポリマー粒子のビオチン結合量は、以下の式(1)より算出された。
ビオチン結合量(pmol/mg)=
{(結合前の蛍光標識化ビオチンの量(pmol))−(結合後の未反応蛍光標識化ビオチンの量(pmol))}/(扁平磁性ポリマー粒子の質量(mg))
・・・・・(1)
2.1.2.磁気分離時間の評価
各実施例および比較例で得られた扁平磁性ポリマー粒子を水で希釈して、磁性粒子を0.01重量%含む試験液を調製した。この試験液をよく分散させて光路長1cmの角型光学セルに入れ、分光光度計(日本分光(株)製,V−550型)にセットし、このセルホルダー横に表面磁力密度2900ガウスのネオジム磁石を置いた時刻(t)を0として、550nmにおける吸光度が初期値(t=0における吸光度)の90%に減衰するまでの時間を測定し、この時間を磁気分離時間とした。
2.1.3.扁平磁性ポリマー粒子の長径/短径の評価
扁平磁性ポリマー粒子のSEM観察を行ない、倍率5,000倍の写真を用いて300個の粒子の長径および短径を計測し、長径の数平均および短径の数平均をそれぞれ求め、得られた長径の数平均および短径の数平均の値から、長径/短径の値を求めた。
2.2.実施例1
2.2.1.熱的に変形させる工程を用いた扁平磁性母粒子の作製
特開平07−238105号公報記載の重合方法を参考にして、スチレン/ジビニルベンゼン=99/1共重合体(平均粒径1.5μm)を重合し、遠心分離により3回水洗した。この含水スラリー100gを100℃の乾燥機で24時間乾燥して、熱により変形した扁平ポリマー核粒子の粉体を得た。このポリマー核粒子の長径/短径の数平均は、1.2であった。
平均粒径が10nmの磁性体微粒子の分散体である油性磁性流体(商品名:「EXPシリーズ」,(株)フェローテック製)にアセトンを加えて磁性体微粒子を析出沈殿させた後、これを分別して乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子粉体を得た。
上記扁平ポリマー核粒子の粉体15gと、上記疎水化処理された磁性体微粒子粉体15gとをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−O型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)、80℃で5分間処理して、30gの扁平磁性母粒子を得た。
2.2.2.扁平磁性ポリマー粒子の作製
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.5重量%を含む水溶液(以下「分散剤水溶液(D)」という)750gを1Lセパラブルフラスコに投入し、次に、上記扁平磁性母粒子30gを投入し、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。次いで、別の容器に計量した分散剤水溶液(D)50gに、メタクリル酸シクロヘキシル30g、メタクリル酸7.5g、およびターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート(日本油脂社製;パーブチルO)1.5gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに2時間かけて滴下した。滴下後、この液を80℃に昇温させて2時間反応させた。
得られた磁性粒子の水分散体を磁気精製および重力沈降精製してから、固形分濃度を1%に調製することにより、扁平磁性ポリマー粒子の水分散体を得た。長径/短径の値および磁気分離時間の測定結果を表1に示す。
2.2.3.ビオチン結合用粒子の作製
前記固形分濃度1%の扁平磁性ポリマー粒子の水分散体1mLを磁気分離し、0.1mM MES緩衝液(pH6.0)1mLに置換した。1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(同仁化学社製)1mgを溶解した0.1mM MES緩衝液(pH6.0)0.1mLを添加し、さらに、ストレプトアビジン(シグマ社製)0.4mgを溶解した0.1mM MES緩衝液(pH6.0)0.1mLを添加し、室温で8時間回転攪拌することより、粒子の表面にストレプトアビジンを固定化させた。次いで、これを磁気分離処理した後、固形物に、0.1%牛血清アルブミンを含むリン酸塩緩衝液(PBS,0.1%BSA/PBS,pH=7.2)を添加して磁気分離処理する操作を3回繰り返すことにより、未反応のストレプトアビジンを除去した。こうして得られたビオチン結合用粒子を、0.1%牛血清アルブミンを含むリン酸塩緩衝液(PBS,0.1%BSA/PBS,pH=7.2)に分散させることにより、固形分濃度1%の分散液を調製し、ビオチン結合量を評価した。結果を表1に示す。
2.3.実施例2
2.3.1.熱的および機械的に変形させる工程による扁平磁性母粒子の作製
特開平07−238105号公報記載の重合方法を参考にして、スチレン/ジビニルベンゼン/n−ブチルアクリレート=85/4/11共重合体(平均粒径1.5μm)を重合し、遠心分離により3回水洗した。この含水スラリー100gを60℃の乾燥機で24時間乾燥させて、扁平ポリマー核粒子の粉体を得た。この扁平ポリマー核粒子の長径/短径の数平均は1.1であった。
次いで、平均粒径が10nmの磁性体微粒子の分散体である油性磁性流体(商品名:「EXPシリーズ」,(株)フェローテック製)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子粉体を得た。
上記扁平ポリマー核粒子の粉体15gと、上記疎水化処理された磁性体微粒子粉体15gとをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−O型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)、120℃で5分間処理して、30gの扁平磁性母粒子を得た。
2.3.2.扁平磁性ポリマー粒子の作製
前記2.2.2と同様の方法で扁平磁性ポリマー粒子の水分散体を得た。長径/短径の値および磁気分離時間の測定結果を表1に示す。
2.3.3.ビオチン結合用粒子の作製
前記2.2.3と同様の方法でビオチン結合用粒子の分散液を調製し、ビオチン結合量を評価した。結果を表1に示す。
2.4.比較例1
2.4.1.球状磁性核粒子の作製
特開平07−238105号公報記載の重合方法を参考にして、スチレン/ジビニルベンゼン=80/20共重合体(平均粒径1.7μm)を重合し、遠心分離により3回水洗した。この含水スラリー100gを60℃の乾燥機で24時間乾燥させて、ポリマー核粒子の粉体を得た。このポリマー核粒子の長径/短径の数平均は、1.0であった。
次に、平均粒径が10nmの磁性体微粒子の分散体である油性磁性流体(商品名:「EXPシリーズ」,(株)フェローテック製)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子粉体を得た。
次いで、上記ポリマー核粒子の粉体15gと、上記磁性体微粒子粉体15gとをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−O型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)にて80℃で5分間処理して、磁性母粒子を30g得た。
2.4.2.磁性ポリマー粒子の作製
前記2.2.2と同様の方法で磁性ポリマー粒子の水分散体を得た。長径/短径の値および磁気分離時間の測定結果を表1に示す。
2.4.3.ビオチン結合用粒子の作製
前記2.2.3と同様の方法でビオチン結合用粒子の分散液を調製し、ビオチン結合量を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007256151
表1の結果から、実施例1,2で得られた磁性ポリマー粒子によれば、長径/短径=1.1〜2.0であることにより、生体関連物質(ビオチン)との結合量が多く、かつ、磁気分離性に優れていた。これに対して、比較例1で得られた磁性ポリマー粒子は、長径/短径が1.1未満であることにより、磁気分離性および生体関連物質の結合量がいずれも、実施例1,2で得られた磁性ポリマー粒子よりも劣っていた。

Claims (9)

  1. 長径/短径=1.1〜2.0の診断薬用磁性ポリマー粒子。
  2. 請求項1において、
    磁性体微粒子を含むコアと、ポリマー部を含むシェルとを含む、診断薬用磁性ポリマー粒子。
  3. 請求項2において、
    前記コアは、非磁性体核粒子と、該核粒子の表面に設けられた磁性体層とを含む、診断薬用磁性ポリマー粒子。
  4. 請求項3において、
    前記核粒子の長径/短径が1.1〜2.0である、診断薬用磁性ポリマー粒子。
  5. 球状の磁性ポリマー粒子を熱的に変形させる工程を含む、請求項1に記載の診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法。
  6. 球状の磁性ポリマー粒子を機械的に変形させる工程を含む、請求項1に記載の診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法。
  7. 長径/短径が1.1〜2.0である核粒子の表面に磁性体層を形成する工程と、
    前記磁性体層の外側にポリマー部を形成する工程と、
    を含む、診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法。
  8. 請求項7において、
    球状の非磁性体核粒子を熱的に変形させて、長径/短径が1.1〜2.0である核粒子を形成する工程をさらに含む、診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法。
  9. 請求項7または8において、
    球状の非磁性体核粒子を機械的に変形させて、長径/短径が1.1〜2.0である核粒子を形成する工程をさらに含む、診断薬用磁性ポリマー粒子の製造方法。
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