JP2007262365A - 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール及び熱収縮性ラベル - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルムロール及び熱収縮性ラベル Download PDF

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Abstract

【課題】飲料容器ラベルとしての加工適性を有し、滑り性不足による問題を解決する熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法を提供。
【解決手段】フィルムロールであって、フィルムから10×10cmの正方形状に切り出した複数の試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が20%以上、長尺フィルムから所定の要件で切り出したフィルム試料の面同士の動摩擦係数(μd)が全ての試料において0.27以下。且つ、フィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数が全て0.30以下であると共に、全ての試料のμdがこの平均値±0.06の範囲に収まっている。
【選択図】なし

Description

本発明はラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻き取ってなるフィルムロールに関するものであり、さらに詳しくは、飲料ボトル用ラベルとして用いたときの外面の滑り性が良好な熱収縮性ポリエステル系易滑性フィルムを巻き取ってなるフィルムロールに関する。
近年、包装品の、外観向上のための外装、内容物の直接衝撃を避けるための包装、ガラス瓶またはプラスチックボトルの保護と商品の表示を兼ねたラベル包装等を目的として、
加熱により収縮する性質をもつ熱収縮プラスチックフィルムが広範に使用されている。これらの目的で使用されるプラスチック素材としては、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルムなどの延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス容器などの各種容器において、ラベルやキャップシールあるいは集積包装の目的で使用されている。
ラベル等を製造するには、通常、以下の方法が採用されている。すなわち、原料ポリマーを連続的に溶融押出し、未延伸フィルムを製造する。次いで、延伸を行ってフィルムロールを得る。このフィルムロールからフィルムを繰り出しながら、所望幅にスリットし、再びロール状に巻回する。続いて、各種製品名等の文字情報や図柄を印刷する。印刷終了後は、溶剤接着等の手段でフィルムの左右端部を重ね合わせて接合してチューブを製造する(チュービング工程)。なお、スリット工程と印刷工程は順序が逆の場合もある。得られたチューブを適宜長さに裁断すれば筒状ラベルとなり、この筒状ラベルの一方の開口端を接合すれば袋を製造できる。
そして、上記ラベルや袋等を容器に被せ、スチームを吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(スチームトンネル)や、熱風を吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(熱風トンネル)の内部を、ベルトコンベアー等にのせて通過させ、ラベルや袋等を熱収縮させることにより、容器に密着させて、最終製品(ラベル化容器)を得ている。
しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは収縮特性には優れるが、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となるなどの問題を抱えている。また、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容器などの収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用する際に、ラベルと容器を分離しなければならないという問題がある。
一方、ポリスチレン系フィルムは、収縮後の仕上がり外観性が良好な点は評価できるが、耐溶剤性に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない。また、ポリスチレン系樹脂は、高温で焼却する必要がある上に、焼却時に多量の黒煙と異臭が発生するという問題がある。
これらの問題のないポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向にある。
しかし、従来の熱収縮性ポリエステルフィルム及びフィルムロールもその特性においてさらなる改良が求められていた(例えば、特許文献1参照)。すなわち、収縮ラベルはPET容器入りの飲料の容器外面を被覆した状態で使用されるが、このラベルの滑り性が不足していると、自動販売機内部での商品搬送の際に、商品が通路内で詰まって出口に到達しなかったり、商品同士がフィルム外面において付着しあって多重に排出されてしまうといった問題が発生したため、フィルム(ラベル)の滑り性を向上してほしいという要望がユーザーサイドからあった。
特開2003−170494号公報
本発明では、長尺フィルムが巻回されたロールから熱収縮性ラベル・袋等を製造し、これらを容器に被せて熱収縮させて、ラベル化容器製品を提供するに当たり、上記のような各工程における数々の問題を解決し、不良品の発生を低減することのできる熱収縮性ポリエステル系フィルムロール、およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻取ってなるフィルムロールであって、この熱収縮性ポリエステル系フィルムが、下記要件(1)および(2)を満足するところに要旨を有する。
(1)上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始めの端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、それぞれ10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が、全ての試料について20%以上である。
(2)上記(1)に記載された各試料切り出し部から別途切り出された各試料について、切り出された試料の少なくとも一方の面同士の動摩擦係数(μd)が全ての試料において0.27以下であり、且つ、フィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数が全て0.30以下である。
また、本発明のフィルムロールは、さらに、下記要件(3)を満足することが好ましい。
(3)上記用件(1)における記載された各試料切り出し部から別途切り出された各試料について、切り出されたフィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数の平均値を算出したときに、全ての試料のμdがこの平均値±0.06の範囲に収まっている。
本発明では表面にシリコーン成分を含有する易滑層が形成されていることが好ましく、上記各要件を満足するフィルムロールを得やすい。そして、易滑層が形成されたフィルムロールを製造するには、溶融押出された未延伸ポリエステルフィルムまたは無花果ポリエステル系フィルムの少なくとも片面に、易滑層用塗布液を塗布した後、この塗布フィルムを二軸延伸または一軸延伸する工程を含むインラインコート法が好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムロールは、フィルムロール内での滑り性、表面特性の変動により発生する自動販売機内での詰り等の発生による不良の発生が極めて少なく、また、フィルムの製膜性、加工性に優れ工業生産上においても非常に有用なものである。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールに巻回されているフィルムは、下記要件(1)を満足するものでなければならない。
上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始めの端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、それぞれ10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が、全ての試料について20%以上である。
まず、上記要件(1)の「フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域」の意味について説明する。「フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域」とは、フィルム製造時に製膜工程や延伸工程が安定して行われ、フィルム物性がほぼ均一状態を示す領域である。本発明では、製膜工程や延伸工程が安定した定常状態で運転されているときに得られた長尺フィルムにおいて、熱収縮特性や滑り性等の特性を従来レベルよりも高度に均一化することを技術思想としている。実操業上は、フィルム製造中に、フィルムの組成が原料供給方法や製膜条件によって変動することがあるが、本発明では原料供給量や製膜条件が不安定なときに得られたフィルムにまで均一化を要求するものではない。このため、均一化を要求する特性を評価するときのサンプリングは製膜工程や延伸工程が安定した定常状態で運転されている領域、すなわち「定常領域」においてのみ行うことを前提条件とした。
従って、例えば、ロールの巻き始めから10m程度が定常運転されていない時のフィルムであれば、この部分からはサンプリングせず、巻き始めから10m目をフィルムの第1端部としてサンプリングする。
前記定常領域(定常運転領域)の数は、通常一本のフィルムロール当たり1箇所(フィルムロール全体に亘って1箇所)である。ただし、製造状況によっては複数箇所存在するような場合もありうるので、この場合は定常領域のみからサンプリングする。前記定常領域は、例えば、後述する方法でフィルムの最大収縮方向の熱収縮率を測定することによって評価できる。すなわち、熱収縮率が20%程度以内の幅(複数のサンプルの熱収縮率の最大値と最小値の差が20%程度以内)となっているところを定常領域であると見ればよい。
前記定常領域(定常運転領域)の数は、通常、一本のフィルムロール当たり1箇所(フィルムロール全体に亘って1箇所)である。ただし、製造状況によっては複数箇所に存在するような場合もあり得るので、この場合は定常領域のみからサンプリングする。前記定常領域は、例えば、後述する方法でフィルムの最大収縮方向の熱収縮率を測定することによって評価できる。すなわち、熱収縮率が20%程度以内の幅(複数のサンプルの熱収縮率の最大値と最小値の差が20%程度以内)となっているところを定常領域であると見ればよい。
続いて、サンプリングの方法を説明する。一本のロールに巻かれていたフィルムについて、上記定常領域におけるフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部からその内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部からその内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けることにより、フィルムの定常領域の全長に亘って略等間隔に試料を選択する。なお、「約100m毎」というのは、100m±1m程度のところで試料を切り出しても構わないという意味である。
上記サンプリング方法をより詳細に説明する。例えば、全長が定常領域で、長さが498mの熱収縮性フィルムがロールに巻き回されている場合、フィルムの巻き終り(第2端部)から2m以内までの間で、最初の試料Aを切り取る。切り取る面積は測定する物性値に応じて適宜選択される。続いて、最初の試料Aを切り取ったところから約100m離れたところで、2番目の試料Bを切り取る。同様にして、約200m目で3番目の試料Cを、約300m目で4番目の試料Dを、約400m目で5番目の試料Eを切り取る。ここで、残りは100mよりも短くなるため、6番目(最終)の試料Fはフィルムの巻き始め(第1端部)から2m以内のいずれかの部分を切り取る。
本発明の前記要件(1)は、このようにして切り取った全ての試料の最大収縮方向の熱収縮率が、20%以上というものである。熱収縮性ポリエステル系フィルムの熱収縮率が20%未満であると、フィルムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたときに、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましくない。より好ましい熱収縮率は40%以上、さらに好ましくは60%以上である。
ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、最大収縮方向は、切り取った正方形の試料の縦方向または横方向の長さで決められる。また、熱収縮率(%)は、10cm×10cmの試料を、85℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸漬した後の、フィルムの縦および横方向の長さを測定し、下記式に従って求めた値である(以下、この条件で測定した最大収縮方向の熱収縮率を、単に「熱収縮率」と省略する)。
熱収縮率=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
本発明の要件(2)は、上記要件(1)における各試料切り出し部から別途切り出された各試料についての同一面同士の摩擦係数μdを測定したときに、全ての試料のμdが0.27以下であると共に、フィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数が全て0.30以下である、というものである。試料のサンプリング方法の詳細は、要件(1)のときと同じである。
要件(2)を満足する長尺フィルムは滑り性に優れていることを示している。この長尺フィルムは、特に飲料用のPETボトルのラベルとして使用されたときに、自動販売機内での滑り性に優れているので、例えば自動販売機内部や隣接商品との接触面積が大きく詰りが発生しやすい角型ボトルであっても詰りの発生を防止することができる。しかし、この滑り性の範囲を超えると滑り性は不足となり、自動販売機で詰まるといったトラブルが発生する。
要件(3)は、上記用件(1)における記載された各試料切り出し部から別途切り出された各試料について、切り出されたフィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数μdの平均値を算出したときに、全ての試料のμdがこの平均値±0.06の範囲に収まっている、というものである。試料のサンプリング方法の詳細は、要件(1)のときと同じである。
要件(3)を満足する長尺フィルムは、滑り性がフィルムの長さ方向に高いレベルで均一化されているので、1個1個のラベル、袋等の滑性の変動が小さくなるため、被覆収縮後の製品1個1個の滑り性の変動が小さくなるため、自動販売機内での詰りのトラブルを一層低減させることができる。切り出されたフィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数μdの上限は0.28がより好ましく、変動の度合いは動摩擦係数の平均値±0.05以内であることがより好ましい。
フィルム同一面同士の動摩擦係数μdは、JIS K 7125に準拠して、23℃、65%RHの環境下で測定した値である。この面は、ラベルとして用いられるときに外側(容器と接触する面の反対側の面)となる面である。後述する易滑層が形成されている場合は、この易滑層同士の動摩擦係数μdを測定する。
次に、ポリエステルの構成成分について説明する。ポリエステル系樹脂としては、多価カルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、これらのエステル形成性誘導体の1種以上を用い、多価アルコール成分と重縮合した公知の(共重合)ポリエステルを用いることができる
芳香族ジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4―もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。また脂肪族ジカルボン酸としては、ダイマー酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等が挙げられる。また、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多価のカルボン酸を、必要に応じて併用してもよい。中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4―もしくは−2,6−ジカルボン酸が好ましい。また、エステル形成性誘導体としては、ジアルキルエステル、ジアリールエステル、酸ハライド等の誘導体が挙げられる。
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ダイマージオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどのアルキレングリコール、ビスフェノール化合物又はその誘導体のアルキレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。またポリエステルの合成には、ε―カプロラクトンも使用可能である。
ポリエステルの主たる構成ユニットは、フィルムの耐破れ性、強度、耐熱性等を考慮すれば、エチレンテレフタレートユニットが好ましく、具体的には、ポリエステル原料の構成ユニット100モル%中、エチレンテレフタレートユニットが50モル%以上となるように選択することが推奨される。従って、ジカルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸成分を50モル%以上、多価アルコール成分100モル%中、エチレングリコール成分を50モル%以上、とすることが好ましい。エチレンテレフタレートユニットは、55モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。
そして、エチレンテレフタレートユニット以外の副次的構成ユニットは、ポリエステル原料の構成ユニット100モル%中、5モル%以上、好ましくは7モル%以上、さらに好ましくは9モル%以上とすることが推奨される。非晶性向上成分を上記程度導入することで、フィルムの溶剤接着性や熱収縮性を確保することが可能となるからである。
エチレンテレフタレートユニット以外の副次的構成ユニットとしては、プロピレングリコールを多価アルコール成分とするユニット、イソフタル酸を多価カルボン酸成分とするユニット等のエチレンテレフタレートユニット以外のユニットがいずれも選択可能である。しかし、1,4−シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸からなるユニット、ネオペンチルグリコールとテレフタル酸からなるユニット、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸からなるユニットのいずれかが好ましいものとして挙げられる。これらの副次的構成ユニットがポリエステルに含まれることによって、良好な溶剤接着性が発現すると共に、低温から高温までの幅広い温度域における熱収縮性が確保でき、美麗な収縮仕上がりを得ることができる。特に、1,4−シクロヘキサンジメタノールやネオペンチルグリコールはポリエステルを非晶化する作用に優れ、熱収縮性を高めることができる。従って、最多副次的構成ユニットは、1,4−シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸からなるユニットかネオペンチルグリコールとテレフタル酸からなるユニットが最も好ましい。これらのユニットを同量として最多副次構成ユニットを2種類としてもよい。
また、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸からなるユニットは、フィルムのガラス転移温度を低下されるため低温での熱収縮性の発現に役立つが、あまり多すぎるとフィルム強度等が低下することがあるので、最多副次的構成ユニットとするよりも、第2副次的構成ユニットとすることが好ましい。
上記好適組成のポリエステルフィルムを得るためには、例えば、
(1)ポリエチレンテレフタレート(PET)と、ポリシクロヘキシレンジメ
チルテレフタレートを組み合わせる、
(2)ポリエチレンテレフタレート(PET)と、ネオペンチルグリコールと
テレフタル酸からなるホモポリエステルを組み合わせる、
(3)ポリエチレンテレフタレート(PET)と、ポリブチレンテレフタレー
ト(1,4−ブタンジオールとテレフタル酸)からなるホモポリエステルを組み合わせる、
(4)上記4種類のホモポリエステルを組み合わせる、
(5)PETとネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルおよび1,4−ブタンジオールよりなる群から選択される1種以上のジオールからなる混合ジオール成分(必要によりエチレングリコールも加えてもよい)とテレフタル酸とからなる共重合ポリエステルを組み合わせる、
等の方法が採用できる。
すなわち、ホモポリエステルまたは共重合ポリエステルのチップをそれぞれ製造して、上記組み合わせ例に従って、チップを混合すればよい。なお、異なる組成のホモポリエステル同士、あるいはホモポリエステルと共重合ポリエステルとを混合しても、相溶性が悪いために起こるフィルムの白化等の問題は起こらない。これは、押出機内での溶融混練工程で原料ポリエステルがかなり加熱されるため、それぞれのポリエステルの間でエステル交換反応が起こり、押出機から押し出されるときには、同じような組成の共重合ポリエステルの混合物に変性してしまうからである。このことは、フィルムのTgを示すピークが一つしか観察されないことからも確認されている。
ポリエステルは常法により溶融重合することによって製造できるが、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを直接反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、多価カルボン酸のジメチルエステル体と多価アルコール成分をエステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエステル交換法等が挙げられ、任意の製造法を適用することができる。また、その他の重合方法によって得られるポリエステルであってもよい。ポリエステルの重合度は、固有粘度にして0.5〜1.3dl/gのものが好ましい。
ポリエステルには、着色やゲル発生等の不都合を起こさないようにするため、酸化アンチモン、酸化ゲルモニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩 を、生成ポリエステルに対し各々金属イオンとして300ppm(質量基準、以下同じ)以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エステル誘導体を燐(P)換算で200ppm以下添加してもよい。
上記重合触媒以外の金属イオンの総量がポリエステルに対し300ppm、またP量が200ppmを越えるとポリマーの着色が顕著になるのみならず、ポリマーの耐熱性や耐加水分解性も著しく低下するため好ましくない。
このとき、耐熱性、耐加水分解性等の点で、総P量(P)と総金属イオン量(M)との質量比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好ましい。質量比(P/M)が0.4未満または1.0を越える場合には、フィルムが着色したり、フィルム中に粗大粒子が混入することがあるため好ましくない。
上記金属イオンおよびリン酸及びその誘導体の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属イオン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するのが好ましい。
また、必要に応じて、シリカ、二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子ヲ添加してもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤等を添加することもできる。
次に、全長に亘って均一な熱収縮挙動や滑り性等の特性を示す長尺フィルムの好ましい製造方法を説明する。
一般に、熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮特性と強度等を両立させる観点から、前述したように、2種以上の種類・組成の異なるポリマーをブレンドしたり、共重合モノマー成分を複数にする等して、主たる構成ユニット以外に副次的構成ユニットを原料ポリマー中に導入して、得られるフィルムの特性を変化させる手法が採用されている。このとき、1以上の副次的構成ユニットをフィルム中に含有させる手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリマーを単独使用する方式と、異なる種類のホモポリマーあるいは共重合ポリマーをブレンドする方式がある。
また、滑剤や帯電防止剤を内部添加する場合、いずれかのポリマーにこれらを添加しておき(マスターバッチ)、このポリマーの使用量を調整して、滑剤や帯電防止剤の必要量を確保することが一般的に行われる。
共重合ポリマーを単独使用する方式では、ロールに巻回された長尺フィルムにおいて、滑剤等の量の変動はほとんどおこらない。
一方、ブレンド方式では、ブレンド比率を変更するだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種のフィルムの工業生産にも対応できるため、工業的には広く行われている。そして、このようなポリマーブレンドの場合に、1本のロールに巻かれるフィルムの滑剤等の量の変動や物性変動が大きくなることが見出されているため、本発明で規定する各要件を満足するフィルムロールを得るには、下記の手法を用いることが好ましい。
(1)チップ形状の均一化
ブレンド方式では、通常、組成の異なる複数の原料ポリマーチップをホッパ内でブレンドした後、押出機内へチップ混合物を導入し、ポリマーを溶融混練して押出して、フィルム化する。例えば、原料となるポリマーが3種類ある場合、3個のホッパにそれぞれのポリマーチップを連続式あるいは間欠式に供給し、必要に応じて緩衝ホッパを介して、最終的には、押出機直前あるいは直上のホッパ(便宜上「最終ホッパ」という)で3種類のポリマーチップを混ぜながら、押出機の押出量に合わせて原料チップを定量的に押出機に供給してフィルムを形成するのである。ところが、最終ホッパの容量あるいは形状によっては、最終ホッパ内のチップ量が多い場合と残量が少なくなった場合に、最終ホッパから押出機へと供給されるチップの組成が異なってくるという原料偏析の現象が発生していることが見出された。この問題は、各種ポリマーチップの形状あるいは比重が異なっている場合、特に、顕著に現れる。原料偏析の現象が発生して押出機より押出されるポリマーの組成もそれに従って変動すると、製造される熱収縮性フィルムの熱収縮挙動の変動の原因となる。また、いずれかのチップにのみ滑剤や帯電防止剤が含まれていると、原料偏析の結果、長尺フィルムの滑り性が変動してしまうのである。
従って、使用量の最も多いポリマーと、このポリマーとは組成の異なる他のポリマー1種以上を混合して溶融押出する工程を含む熱収縮性ポリエステル系フィルムロールを製造する際には、ポリマー組成のみならず、滑剤量についても変動を低減させる必要があり、このような原料組成物の組成変動を低減する手段として、使用する複数種のポリマーチップの形状を合わせてホッパ内での原料偏析現象を抑止することが好ましい。
ポリエステルフィルムの原料チップを製造するには、通常、重合後、溶融状態のポリマーを重合装置からストランド状で取り出し、直ちに水冷した後、ストランドカッターでカットする方法が採用されている。このため、ポリエステルのチップは、通常、断面が楕円形の楕円柱状となる。このとき、使用量の最も多いポリマーチップに混合される他のポリマーの原料チップとして、使用量の最も多いポリマーの原料チップの断面楕円の平均長径(mm)、平均短径(mm)および平均チップ長さ(mm)に対して、それぞれ±20%以内の範囲であるものを用いれば、上記原料偏析を低減させ得ることが分かった。これらの平均値がそれぞれ±15%以内の範囲のものを用いることがより好ましい。
チップの大きさに違いがあると、最終ホッパ内をチップの混合物が落下していくときに、小さいチップは先に落下し易いため、最終ホッパ内のチップ残量が少なくなると、大きいチップの比率が多くなって、これが原料偏析の原因になるのである。しかし、上記範囲内のチップを用いることで、これらの原料偏析を低減させることができ、組成の均一な長尺フィルムを得ることができる。
原料チップは予め混合した後、いくつかの中間(緩衝)ホッパを介して、最終ホッパおよび押出機に供給してもよい。複数種の原料チップを混合する際には、原料チップを連続的に定量供給できる装置を用いてホッパ内で混合する方法、あるいは、ブレンダー等を使用して事前に混合する方法等があるが、後者の場合には、混合物の排出時に原料偏析が発生しないように、原料チップのサイズ等に留意することが好ましい。
(2)ホッパ形状の適正化
フィルムを得るに当たっては押出機が用いられるが、最終ホッパ形状の適正化も、組成が均一な長尺フィルムを得るための好ましい手段である。すなわち、漏斗状ホッパの傾斜角が60°より小さいと、小さいチップのみが先に落下してしまって、原料偏析の原因になるからである。傾斜角が65°以上のホッパを用いることで、大きいチップも小さいチップと同様に落とし易くすることができ、内容物(チップ)の上端部が水平面を保ちつつホッパ内を下降していくため、原料偏析の低減に役立つ。より好ましい傾斜角は70°以上である。なお、ホッパの傾斜角とは、漏斗状の斜辺と、水平な線分の間の角度である。最終ホッパの上流に複数のホッパを使用してもよく、この場合、いずれのホッパにおいても、傾斜角を65°以上、より好ましくは70°以上とするとよい。
(3)ホッパ容量の適正化
ホッパ内での原料偏析を低減する手段として、ホッパの容量を適正化することも好ましい手段である。ホッパの適正な容量としては、押出機の1時間当たりの吐出量の15〜120質量%の範囲内である。この吐出量の15質量%程度以上の容量がホッパにないと原料の安定供給が難しいこと、また大きすぎるホッパでは、原料チップ混合物が長時間に亘ってホッパ内に留まることとなって、その間にチップの偏析が生じるおそれがあること等が、ホッパ容量を上記範囲内とする理由である。ホッパの容量は押出機の1時間当たりの吐出量の20〜10質量%の範囲内がより好ましい。
(4)微粉体の低減
組成が均一な長尺フィルムを得るためには、使用する原料チップの削れ等により発生する微粉体の比率を低減することも好ましい手段である。微粉体が原料偏析の発生を助長するので、工程内で発生する微粉体を除去して、ホッパ内に含まれる微粉体の比率を低減することが好ましい。含まれる微粉体の比率は、原料チップが押出機に入るまでの全工程を通じて、原料100質量%中、1質量%以内に制御することが好ましく、0.5質量%以内に制御することがさらに好ましい。具体的には、ストランドカッターでチップを製造した後に、篩を通す方法、原料チップを空送等する場合にサイクロン式エアフィルタを通す方法等により、微粉体を除去すればよい。
上記(1)〜(4)の手段によって、押出機から押し出されるフィルムの組
成は長尺フィルム全体に亘って均一なものとなるので、チップに添加されていた滑剤や帯電防止剤も、長尺フィルム全体に亘ってその量が均一に存在することになり、本発明の要件を満足することができる。
添加型滑剤・帯電防止剤として使用可能なものは、易滑層形成用塗布液に用いることのできるものとして後述する各種化合物である。また、無機粒子、有機塩粒子や架橋高分子粒子等の粒子タイプのものも、滑り性付与に効果的である。
この無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リオチウム等が挙げられる。特に、良好なハンドリング性を得た上に更にヘイズの低いフィルムを得るためには無機粒子としては1次粒子が凝集してできた凝集体のシリカ粒子が好ましい。有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いても良い。
上記滑剤の添加方法としては、フィルム原料として使用するポリエステルの重合工程中で該滑剤を分散する方法、又は重合後のポリエステルを再度溶融させて添加する方法等が挙げられる。なお、フィルムに滑り性を付与しようとする場合、上記滑剤粒子等により表面を粗面化し接触面積を減少させる方法があるが、多量に入れすぎるとフィルムの透明性が低下し、商品価値を損なうことがあるので滑剤粒子を減らすか、使用せず、後述する易滑層を減らすか、使用せず、後述する易滑層を形成してフィルムに滑り性を付与することが推奨される。
前記要件(2)、(3)を満足するためには、易滑層をフィルムの少なくとも片面に形成することが好ましい。また、易滑層を形成するには、易滑層形成用と不易をフィルムコーティングする方法が最も簡便であり、滑剤の脱落を防止し、フィルムの溶剤接着性を高めるためには塗布液中にバインダー樹脂を含有させることが望ましい。
滑剤として粒子状の滑剤成分を使用すると、フィルムの透明性を阻害することがあり、また、粒子が凝集することもあるので注意すべきである。こうした問題を生じることのない好ましい滑剤としては、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン−アクリル系ワックス、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリル、シロキサン、高級アルコール系高分子、ステアリルアルコール、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛 シリコーン(ジメチルシロキサン)系の低分子量物(オイル)又はシリコーン(ジメチルシロキサン)系の樹脂などが挙げられ、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を併用しても構わない。これらの中でもシリコーン系の低分子量物(オイル)やシリコーン系の樹脂が特に推奨される。フィルム表面の動摩擦係数を低減し、かつ、熱水処理前後の同摩擦係数の変化が少ない上、フィルムの溶剤接着性を阻害し難いためである。
ここでシリコーン系とは、オルガノシロキサン類をいい、その性状は油状、ゴム状、樹脂状のものがあり、それぞれシリコーン油、シリコーンゴム、シリコーン樹脂と呼ばれる。これらは、何れも撥水作用、潤滑作用、離型作用などを有しているので、フィルム最表層部に含有させることで表面の摩擦を低下させるのに有効である。また飲料容器ラベルとして使用する際には、蒸気や熱風を利用して熱収縮させて装着することが多く、耐水性の低い易滑層では、蒸気を用いた熱収縮処理で滑性低下を起こし易いが、シリコーン本来の撥水効果により、蒸気処理後も良好な滑り性を維持できるのである。
シリコーン系の中でも特に好ましいのはシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂とは、オルガノポリシロキサンが3次元的に結合した網状構造のものをいい、ポリエステル系フィルムの表面に易滑層として形成した後ロール状に巻き取ったときに、接触するフィルム裏面への転写を起こり難くする。また、飲料ラベルとして使用する際にはその表面に印刷加工が施されるが、印刷性を該することが少ない。シリコーン樹脂の中でも、分子中に有機基としてメチル基を有するものは耐熱性にも優れており、ホット飲料容器ラベルとしての適性も備えているので特に推奨される。
シリコーン樹脂の含有量は、易滑層中に占める存在量として10〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜70%である。含有量が10重量%未満では滑り性の改善効果が小さく、80重量%を超えると、ロール状に巻いたとき裏面に易滑層成分が転写しやすくなる。
さらに、易滑層成分中にはバインダーの働きをもつ樹脂成分を含むことが推奨される。
樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。また、本発明におけるバインダーとして使用する樹脂は耐水性が必要であるため、本質的に水不溶性である必要がある。
特に、疎水性共重合ポリエステル樹脂を幹ポリマーとすることが好ましい。該ポリエステル樹脂を有機溶媒中でラジカル重合性単量体をグラフト重合し、水添加、有機溶媒留去することにより得られるグラフト重合反応物は、密着性、耐水性に優れる上、水分散樹脂の形態であり、作業環境面、塗布性の点からも好ましいことから推奨される。好ましい幹ポリマーのポリエステル樹脂構成成分としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、等の脂肪族ジカルボン酸成分等から選択される成分に加えて、フマル酸、マレイン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸等の重合性不飽和2重結合を有する成分を0.5〜10モル%程度含有することが好ましく、グリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールや1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等から選択される成分を含有することが好ましい。また、グラフト部位は重合性不飽和単量体から構成されるが、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸等から選択される成分に加えてスチレン、α―メチルスチレン等のスチレン系化合物を含有すると、前述の滑剤との組合せでより優れた滑性を発揮するので好ましい。
上記滑剤およびバインダー樹脂成分の何れについても、水溶性または水分散性のものを使用することは、安全性や環境対応という観点からも好ましい。
塗布液の量は、延伸後のフィルム上に存在する量としては0.002〜0.5g/m2が好ましく、より好ましくは0.005〜0.4g/m2である。0
.002g/m2未満では、滑り性が小さくなり、0.5g/m2を超えると、フ
ィルムの透明性の低下が発生する他、溶剤接着性の低下が起こることがあるため、好ましくない。
インラインコート方式としては、前記の塗布量を均一で精度よく得るために、ファウンテンダイコート・スムージングバー方式が推奨される。本発明の要件を満足するためには、ダイリップギャップは100〜600μm、ノズルギャップは100〜400μmの範囲が好ましい。スムージングバーは回転式で、且つ回転周速変動の変動度合いが±1%以内のものを用いることが好ましい。
また、フィルム縦(長手)方向に連続して均一な塗布量を得るためには、前述の長さ方向かつ幅方向に安定したフィルム物性をもつフィルム状に塗布するとともに、塗布液の塗工性変動を抑止することが好ましい。これには、塗布液の表面エネルギー変動幅をできるだけ小さく維持することが有効である。
ファウンテンダイコート・スムージングバー方式では、塗布液はファウンテンダイからフィルムに供給される。次に、スムージングバーを用いて均一な塗布量になるように余分な塗布液を掻き落とす。このとき掻き落とされた液は、タンクに戻し、再度、塗布液として利用するのがコスト面で有利である。しかし、一度ファウンテンダイから供給され、掻き落とされる工程を経ると、揮発し易い成分の一部が揮発し、時間が経つと共に全体の液組成が変化してしまうことが多い。これに伴い、液の表面エネルギーが変化し、塗工性の変化、フィルムの表面物性の変化に繋がるおそれがある。
この、液組成変動を抑止するためには、揮発する成分・量を連続的に添加する方法が推奨される。
但し、揮発成分を添加する際、特に水分散性の樹脂等を使用する場合においては添加方法によって液の分散状態を不安定にすることが少なくないため、注意が必要である。添加する成分を希釈してから加える、あるいは液滴を小さくして加える等の方法により分散性の悪化を抑止する方法が好ましい。
具体的なポリエステルフィルムの製造例を説明する。まず、手段(■)を満
足する大きさに制御した原料チップを、ホッパドライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度でフィルム状に押出す。あるいは、未乾燥のポリエステル原料をベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィルム状に押出す。押出し後は、キャスティングロールで冷却して(急冷)未延伸フィルムを得る。なお、この「未延伸フィルム」には、フィルム送りのために必要な張力が作用したフィルムも含まれるものとする。
この未延伸フィルムに対して延伸処理を行う。延伸処理は、蒸気キャスティングロール等による冷却後、連続して行ってもよいし、冷却後、一旦ロール状に巻き取って、その後行ってもよい。
本発明の目的を達成するには、最大収縮方向がフィルム横(幅)方向であることが、生産効率上実用的であるので、以下、主収縮方向を横方向とする場合の遠心法の例を示す。なお、最大収縮方向をフィルム縦(長手)方向とする場合も、下記方法における延伸方向を90°変える等、通常の操作に準じて延伸することができる。
長尺フィルムの熱収縮特性は、前述のフィルム組成変動の他に、フィルムを延伸する際の工程変動によってばらつくことがある。長尺フィルムの熱収縮挙動の変動を低減することは、製品の不良率低下につながるため好ましい。熱収縮挙動の変動低減のためには、フィルムを延伸する工程での温度変動を抑止して、フィルムの表面温度の変動幅をできるだけ低減することが好ましい。
ポリエステルフィルムの場合、テンターを用いて横方向に1軸延伸する際には、延伸前の予備加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、最延伸処理工程等がある。特に、予備加熱工程、延伸工程および延伸後の熱処理工程において、任意ポイントにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅が、平均温度±1℃以内に制御することは、熱収縮挙動の均一化のための好ましい手段である。平均温度±0.5℃以内であればさらに好ましい。
予備加熱工程と延伸工程と延伸後の熱処理工程での温度変動は、熱収縮率(最大収縮方向および直行方向)や最大熱収縮応力値の変動に大きく影響を及ぼす。従って、これらの工程でのフィルムの表面温度の変動幅が小さいと、フィルム全長に亘って同一温度で延伸や熱処理されることになって、熱収縮挙動が均一化する。もちろん、緩和処理や最延伸処理工程においても、フィルムの表面温度の変動幅が小さいことが好ましい。
フィルム表面温度の変動を小さくするには、例えば、フィルムを加熱する熱風の風速を制御できるようにインバーターを取り付けた風速変動抑制設備を用いたり、熱源に500kPa以下(5kgf/cm2以下)の低圧蒸気を使用し
て、熱風の温度変動を抑制できる設備等を用いるとよい。
任意ポイントにおいて測定されるフィルム表面温度の変動幅とは、例えば、延伸工程に入ってから2m経過したところで、フィルム製造中、連続的にフィルム表面温度を、例えば赤外式の非接触表面温度計で測定した場合の変動幅をいう。1ロール分のフィルム製造が終了した時点で、平均温度が算出できるので、フィルム表面温度の変動幅が、平均温度±1℃以内であれば、フィルムの定常領域の全長に亘って同条件で延伸されていることとなり、熱収縮挙動の変動も小さくなる。
また、目的とする熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚み分布を均一化させることに着目すれば、テンター等を用いて横方向に延伸する際、延伸工程に先立って予備加熱工程を行うことが好ましく、この予備加熱工程では、熱伝導係数を0.0013カロリー/cm2・sec・℃以下となるように、低風速で、フィルム表面温度がTg+0℃〜Tg+60℃の範囲内のある温度になるまで加熱を行うことが好ましい。
横方向の延伸は、Tg−20℃〜Tg+40℃の範囲内の所定温度で、2.3〜7.3倍、好ましくは2.5〜6.0倍に延伸する。その後、60℃〜110℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるいは0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じて40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理をして、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得る。この横延伸工程においては、前記したようにフィルム表面温度の変動を小さくすることのできる設備を使用することが好ましい。
延伸の方法としては、テンターでの横1軸延伸ばかりでなく、縦方向に1.0倍〜4.0倍、好ましくは1.1倍〜2.0倍の延伸を施してもよい。このように2軸延伸を行う場合は、逐次2軸延伸、同時2軸延伸のいずれでもよく、必要に応じて、再延伸を行ってもよい。また、逐次2軸延伸においては、延伸の順序として、縦横、横縦、縦横縦、横縦横等のいずれの方式でもよい。これらの縦延伸工程あるいは2軸延伸工程を採用する場合においても、横延伸と同様に、予備加熱工程、延伸工程等において、フィルム表面温度の変動をできるだけ小さくすることが好ましい。
延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、巾方向のフィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、延伸工程の熱伝達係数は0.0009カロリー/cm2・sec・℃以上とすることが好ましい。0.0013〜0.0020カロリー/cm2・sec・℃がより好ましい。
本発明における熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、幅0.2m以上の熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻き取りコア(芯)に長さ300m以上巻取ったものであることが好ましい。幅が0.2mに満たないフィルムのロールは、工業的に利用価値の低いものであり、また、長さ300mに満たないフィルムロールは、フィルムの巻長が少ないために、フィルムの全長に亘る滑り性や熱収縮挙動の変動が小さくなるので、本発明の効果が発現しにくくなる。熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの幅は0.3m以上がより好ましく、0.4m以上がさらに好ましい。また、ロールに巻回される熱収縮性ポリエステル系フィルムの長さは400m以上がより好ましく、500m以上がさらに好ましい。
フィルムロールの幅および巻長の上限は特に制限されるものではないが、取扱いのしやすさから、一般的には幅1.5m以下、巻長はフィルム厚み45μmの場合に6000m以下が好ましい。また、巻取りコアとしては、通常、3インチ、6インチ、8インチ等のプラスチックコア、金属製コアあるいは紙管を使用することができる。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールを構成するフィルムの厚みは特に限定するものではないが、例えばラベル用熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合は、本発明に含まれる。なお、実施例および比較例で得られたフィルムの物性の測定方法は以下の通りである。
(1)定常領域の確認と試料切り出し部の設定
後述する実施例および比較例で得られた長さ1000mのフィルムが巻回されたフィルムロールについて、フィルムの第2端部(巻き終り部)から20m間隔で5点試料を切出し、フィルムの第1端部(巻き始め部)から200m内側の部分から前記第1端部に向けて20m間隔で5点の試料を切出し、これら試料の最大収縮方向の熱収縮率(後述)を測定した。各試料の熱収縮率のばらつきは、20%以内の幅に収まっていた。しかもフィルムの製造中、製造・延伸工程は安定していた。従って各フィルムロールは、フィルムの全長に亘って定常領域に該当していることが確認された。
(2)最大収縮方向の熱収縮率
フィルムを長手方向およびその直交方向に沿うように10cm×10cmの正方形に裁断し、85℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の水中に10秒浸漬した後、試料の縦および横方向の長さを測定し、下記式に従って求めた。最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とした。
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
(3)摩擦係数
フィルム面同士の動摩擦係数μdをJIS K−7125に準拠し、23℃,65%RH環境下で測定した。
温水処理後の動摩擦係数に関しては、フィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後、前記同様の測定を行った。
(4)ヘイズ
ヘイズはJIS K7136に準じて、ヘイズメーター(日本精密機械社製)を用いて測定した。ヘイズが8.0%以下の場合を○、8.0%を超える場合を×とした。
(5)溶剤接着性
フィルムの一方の面に1,3−ジオキソランを塗布し、この塗布面に他方の面を圧着し、チューブ状に接合加工した。チューブを加工時の流れ方向と直行方向に15mmは場に切断してサンプルとし、JIS K 6854に準じ、接合部分の上記方向についてのT型剥離試験を引張速度200mm/分の条件で行った。なお、溶剤接着性は以下の基準に基づいて評価した。
剥離接着強度3N/15mm以上:○
剥離接着強度1N/15mm以上:△
剥離接着強度1N/15mm未満:×
フィルムロール1
(ポリエステルの合成)
撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、グリコール成分として、エチレングリコール(EG)70モル%とネオペンチルグリコール(NPG)30モル%を、グリコールがモル比でメチルエステルの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)と、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)添加し、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、280℃で26.7Paの減圧条件のもとで重縮合反応を行い固有粘度0.73dl/gのポリエステルAを得て、これをチップ化した。
ポリエステル原料チップAと同様な方法により、表1に示すポリエステル原料チップB、Cを得た。表中、BDは、1,4−ブタンジオールである。ポリエステルチップBの固有粘度は、0.72dl/g、ポリエステルチップCの固有粘度は、1.20dl/gであった。なお、後述する実験例において無機滑剤を添加する場合は、チップB用のポリエステルの中に、使用する無機滑剤を0.7質量%の割合で添加してマスターバッチとし、これを必要量使用した。滑剤の添加方法は、予めエチレングリコール中に滑剤を分散し、上記方法で重合する方法を採った。
各々別個に予備乾燥された表1に示したポリエステルチップAを66質量%、Bを9質量%、Cを25質量%を、それぞれ押出し機直上のホッパに定量スクリューフィーダーで連続的に別供給して、ホッパ内で混合し、280℃で単軸式押出し機で溶融押出しし、急冷して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。このとき、ホッパの容量は原料重量にして150kgで、押出し機の押出し量は1時間あたり450kg、ホッパの傾斜角は70度であった。
(塗布液の調合)
ジメチルシリコーン樹脂(SE4005 日新化学研究所製)の固形分を塗布液中の全固形分中70質量%、共重合ポリエステル樹脂の水分散液(AGN702 東洋紡製)の固形分を固形分中20質量%、アセチレングリコール誘導体(サーフィノール486 信越化学工業製)の固形分を固形分中10質量%含み、イソプロパノール20質量%を含む水系液100kgを調合しタンク内に投入した。
上記未延伸フィルムに塗布液をファウンテンダイコート・スムージングバー方式でダイリップギャップ320μm、ノズルギャップ200μm、スムージングバーは径8mmのものを用いて回転数110±1(回転/分)とし、20kg/minの速度で塗布液を供給した。なお、タンク内には80g/分の量で水/イソプロピルアルコール=50/50の混合液を連続的に追加した。
続いて、テンターで、コーティングフィルムを100℃で10秒間予熱後、横方向に80℃で4.0倍延伸し、80℃にて10秒間熱処理を行い、連続的に厚さ45μm、コート量0.02g/m2の熱収縮性ポリエステル系フィルムを製膜した。フィルムを1000m連続して製膜する際のフィルム表面の温度変動は、予熱工程で平均温度±0.7℃、延伸工程で平均温度±0.5℃、熱処理工程で平均温度±0.5℃の範囲内であった。
得られたフィルムを幅0.5m、長さ1000mにスリットして3インチ紙管に巻き取って熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表1、2に示す。
フィルムロール2
塗布液について、シリコーン水分散液(TSM6343 東芝シリコーン製)の固形分を塗布液中の全固形分中70質量%、ポリエステル樹脂の水分散液(バイロナールMD1500 東洋紡製)の固形分を固形分中20質量%、アセチレングリコール誘導体(サーフィノール485 信越化学工業製)の固形分を固形分中10質量%含み、イソプロパノール20質量%を含む水系液を塗布液とした以外は、フィルムロール1と同じ方法で熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表2に示す。
フィルムロール3
塗布液について、アミノ酸型両性活性剤水溶液(ビスターSLA 松本油脂製)の固形分を塗布液中の全固形分中90質量%、ポリエステル樹脂の水分散液(バイロナールMD1500 東洋紡製)の固形分を固形分中10質量%含み、イソプロパノール20質量%を含む水系液を塗布液とした以外は、フィルムロール1と同じ方法で熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表2に示す。
フィルムロール4
塗布液について、スルホン酸塩水溶液(TB214 松本油脂製)の固形分を塗布液中の全固形分中90質量%、共重合ポリエステル樹脂の水分散液(AGN709 東洋紡製)の固形分を固形分中10質量%含み、イソプロパノール20質量%を含む水系液を塗布液とした以外は、実施例1と同じ方法で熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表2に示す。
フィルムロール5
フィルムロール1において塗布液を塗布しない以外は同様の方法にて熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表2に示す。
フィルムロール6
フィルムロール1において追添添加液を水100%とした以外は実施例1と同様の方法にて熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表3に示す。
フィルムロール7
実施例1において追添添加液をイソプロピルアルコール100%とした以外は実施例1と同様の方法にて熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表3に示す。
フィルムロール8
フィルムロール1において追添添加液を添加しない以外は実施例1と同様の方法にて熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールのフィルムの物性値を表3に示す。
Figure 2007262365
Figure 2007262365
Figure 2007262365
フィルムロール7ではファウンテンで液の詰りが発生し、工程中、塗工斑が目視で確認できた。
フィルムロール1〜5について高さ180mm、円周220mmの筒状ラベルを作成した。1〜4についてはコート層側が外面となるようした。
上記ラベルをFuji Astec Inc製スチームトンネル(型式:SH−1500−L)を用い、通過時間15秒、第1ゾーン温度70℃、第2ゾーン温度75℃、第3ゾーン温度82℃で、500mlのPETボトル飲料に熱収縮、装着した。自動販売機に投入したとき、フィルムロール1、2では500個のうち、詰りの発生はなく、フィルムロール3、フィルムロール4で500個のうち6件の詰り、実施例5で500個中9件の詰りが発生した。
本発明の熱収縮性フィルムロールは、加熱収縮処理により飲料容器のラベルとして用いた場合に、容器同士の摩擦を低く抑えることができ、フィルムロール内での滑り性、表面特性の変動により発生する自動販売機内での詰り等の発生による不良の発生を防止することができる。また、フィルムの製膜性、加工性に優れ工業生産上においても有用である。

Claims (7)

  1. 熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻きとってなるフィルムロールであって、この熱収縮性ポリエステル系フィルムは、下記要件(1)および(2)を満足することを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
    (1)上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始めの端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、それぞれ10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大熱収縮方向の熱収縮率が、全ての試料について20%以上である。
    (2)上記(1)に記載された各試料切り出し部から別途切り出された各試料について、切り出された試料の少なくとも一方の面同士の動摩擦係数(μd)が全ての試料において0.27以下であり、且つ、フィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数が全て0.30以下である。
  2. 熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻きとってなるフィルムロールであって、この熱収縮性ポリエステル系フィルムは、下記要件(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
    (3)請求項1(1)に記載された各試料切り出し部から別途切り出された各試料について、切り出されたフィルムを80℃の温水中で主収縮方向に10%熱収縮させつつ20秒間浸漬してから引き上げ、23℃、相対湿度65%の雰囲気中で24時間自然乾燥させた後の、少なくともフィルム片面同士の動摩擦係数の平均値を算出したときに、全ての試料のμdがこの平均値±0.06の範囲に収まっている。
  3. フィルムの少なくとも片面側に、最外層として滑剤成分を含む易滑層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
  4. 前記易滑層がコート法によって設けられたものであることを特徴とする請求項3に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
  5. フィルムが溶剤接着可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
  6. 易滑層にシリコーン成分を含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールから作成されたことを特徴とする熱収縮性ラベル。
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