JP2007266084A - サーモモジュール用基板、サーモモジュールおよびサーモモジュールの製造方法 - Google Patents

サーモモジュール用基板、サーモモジュールおよびサーモモジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造工程を少なくして低コスト化および製造期間の短縮化が図れるサーモモジュール用基板、サーモモジュールおよびサーモモジュールの製造方法を提供すること。
【解決手段】 下部基板11の上面と上部基板12の下面に、それぞれ熱電素子15の端面を1個だけ接合できる大きさの下部電極13と上部電極14を前後左右方向に一定間隔を保って形成してサーモモジュール用下部基板11aとサーモモジュール用上部基板12aとを構成した。そして、所定の下部電極13間をハンダからなる下部接続部17で接続するとともに、所定の上部電極14間をハンダからなる上部接続部18で接続し、対向する下部電極13と上部電極14とに熱電素子15の端面を接合することにより、下部電極13、上部電極14および熱電素子15を、下部接続部17と上部接続部18とを介して電気的に接続してサーモモジュール10を構成した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱電変換を行うためのサーモモジュールの形成に用いられるサーモモジュール用基板、サーモモジュールおよびサーモモジュールの製造方法に関する。
従来から、熱電変換の一つであるペルチェ効果を利用して熱変換を行うサーモモジュールが加熱・冷却装置等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。このサーモモジュールは、対向して配置された下部基板と上部基板とからなる一対の基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面を接合することにより、一対の基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。そして、この場合の電極は、長方形に形成され、電極の一方の端部にN型熱電素子が取り付けられると、他方の端部にはP型熱電素子が取り付けられるといったようにして各電極にそれぞれ一対の熱電素子が取り付けられている。このようにして、すべてのN型熱電素子とP型熱電素子とが電極を介して電気的に直列に接続されている。
特開2002−111084号公報
しかしながら、従来のサーモモジュールでは、下部基板と上部基板とが異なる電極パターンを備えており、さらに、その下部基板と上部基板との電極パターンもサーモモジュールの大きさや形状によって種々の形状に形成される。このため、種々の形状の電極パターンの形成が必要になり、この種々の形状の電極パターンを形成するために、一般的には、レジストを用いた半導体の回路形成技術(フォトリソグラフィー技術)が用いられている。しかしながら、この半導体の回路形成技術で前述した従来の電極パターンを形成すると、工程数が多くなり、高価につくほか、各電極パターンに応じて各種の露光マスクなどを作成しなければならなくなり製造期間も長くなるという問題がある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、電極パターンを1種類にすることにより、製造工程を少なくして低コスト化および製造期間の短縮化が図れるサーモモジュールに用いられるサーモモジュール用基板、サーモモジュールおよびサーモモジュールの製造方法を提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係るサーモモジュール用基板の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板と、一対の絶縁基板の対向する両面にそれぞれ所定間隔を保って形成した複数の電極とからなり、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合することによって製造されるサーモモジュールに用いられるサーモモジュール用基板であって、一対の絶縁基板の対向する両面に形成される各電極を熱電素子の端面を1個だけ接合するためのものとして形成するとともに、電極を前後左右方向に一定間隔を保って配置したことにある。
また、本発明に係るサーモモジュールの構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両面にそれぞれ複数の電極を所定間隔を保って形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合して構成されるサーモモジュールであって、一対の絶縁基板に形成される各電極の大きさを熱電素子の端面を1個だけ接合できる大きさに設定するとともに、複数の電極を前後左右に一定間隔を保って配置し、複数の電極のうちの所定の電極間を導電性接合材で接続することにより、複数の電極と複数の熱電素子とを電気的に接続したことにある。
本発明に係るサーモモジュールは、熱電素子の端面を1個だけ接合できる大きさに設定された電極を、絶縁基板の表面に前後左右方向に一定間隔で配置して構成されたサーモモジュール用基板を用いている。この場合の電極としては、例えば、正方形の形状の電極を絶縁基板の表面における前後左右の方向に配置して格子状にしたものが好ましい。そして、このサーモモジュール用基板における隣り合った任意の電極同士を導電性接合材で接続することにより種々の電極パターンを形成することができる。
すなわち、前後方向に並んだ所定の2個の電極間を導電性接合材で接続することにより前後方向に長い電極を形成した場合と同じ機能を備えた電極を得ることができ、左右方向に並んだ所定の2個の電極間を導電性接合材で接続することにより左右方向に長い電極を形成した場合と同じ機能を備えた電極を得ることができる。このため、形成する電極パターンの形状に応じて各電極間の所定の部分を導電性接合材で接続することにより目的の電極パターンを容易に形成することができる。この結果、サーモモジュール用基板の製造工程を少なくすることができ、これによって、低コスト化および製造期間の短縮化が図れるサーモモジュールを得ることができる。
また、本発明に係るサーモモジュールの他の構成上の特徴は、導電性接合材が、ハンダまたは銀ロウであることにある。導電性接合材として、ハンダを用いることにより、電極間の接続を安価で確実に行うことができる。また、導電性接合材として、銀ロウを用いることにより、電極間に形成される接続部の融点が高くなるため、接続部を形成して電極間を接続したのちに、熱電素子を電極に接合する際に使用する接合材料の選択肢が広がる。
また、本発明に係るサーモモジュールのさらに他の構成上の特徴は、導電性接合材を、ハンダまたは銀ロウおよび架橋ブロックとで構成したことにある。この場合、所定の電極間に架橋ブロックを配置した状態で、電極と架橋ブロックとをハンダまたは銀ロウで固定するようになる。この架橋ブロックとしては、銅を用いることが好ましく、これによると、接続部の電気抵抗が小さくなるため、より性能のよいサーモモジュールが得られる。さらに、架橋ブロックを電極間に掛け渡すようにすれば、電極間の接続を確実にすることができる。また、架橋ブロックに用いられる銅以外の材料としては、ニッケル、鉄等の金属およびこれらの合金を用いることができる。さらに、導電性を備えた材料であって、電極間を接続できるものであればそれ以外の材料を用いることもできる。
また、本発明に係るサーモモジュールの製造方法の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両面にそれぞれ複数の電極を所定間隔を保って形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を固定してサーモモジュールを製造するサーモモジュールの製造方法であって、絶縁基板の表面に、熱電素子の端面を1個だけ接合できる大きさの電極を前後左右に一定間隔を保って形成するサーモモジュール用基板の形成工程と、サーモモジュール用基板の形成工程で形成されたサーモモジュール用基板における所定の電極間を導電性接合材で接続する電極間接続工程と、電極間接続工程において所定の電極間が接続されたサーモモジュール用基板を一対準備して対向させ、その一対のサーモモジュールの対向する各電極に熱電素子の端面をそれぞれ接合する熱電素子接合工程とを備えたことにある。
このサーモモジュールの製造方法によると、1種類の簡単な構造の電極パターンを形成し、その電極パターンを構成する複数の電極のうちの任意のものを導電性接合材で接続することにより、電気的に接続された種々の形状の電極パターンを形成することができる。このため、形成しようとする各電極パターンの形状に応じて各種の露光マスクなどを作成する必要がなくなり、製造工程を少なくして低コスト化が図れるとともに、製造期間の短縮化も図れる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて詳しく説明する。図1および図2は、同実施形態によるサーモモジュール10を示している。サーモモジュール10は、アルミナからなる四角板状の下部基板11と上部基板12とからなる一対の絶縁基板を備えている。そして、下部基板11の上面に一定間隔を保って平面視が正方形に形成された複数の銅パターンからなる厚肉の下部電極13が取り付けられ、上部基板12の下面に一定間隔を保って下部電極13と同形の銅パターンからなる厚肉の上部電極14が取り付けられている。
なお、これらの下部電極13および上部電極14を構成する銅パターンの表面には、ニッケルメッキまたはニッケルメッキと金メッキからなるメッキ層を形成しておくことが好ましい。そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子15が、それぞれ下端面を下部電極13にハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極14にハンダ付けにより固定されて下部基板11と上部基板12を一体的に連結している。
図3は、下部電極13と熱電素子15とが取り付けられた下部基板11を上方から見た状態を示している。このサーモモジュール10においては、48個の下部電極13が下部基板11の上面に形成されており、その48個の下部電極13は、下部基板11の上面において横方向(図3の左右方向)に6列並べられ、その横方向6列の下部電極13の各列に8個ずつの下部電極13が縦方向(図3の上下方向で下部基板11の長手方向)に並んで配置されている。
また、図4は、上部電極14と熱電素子15とが取り付けられた上部基板12を上方から見た状態を示しており、上部基板12の下面には、48個の上部電極14が形成されている。48個の上部電極14は、上部基板12の下面において、横方向に6列並べられ、その横方向6列の上部電極14の各列に8個ずつの上部電極14が縦方向に並んで配置されている。また、下部基板11および上部基板12の四隅の角のうちの前端側(図示の下側)の2箇所の下部電極13および上部電極14の間には、熱電素子15は設けられていない。
そして、下部基板11の四隅の角に形成された熱電素子15が設けられていない2個の下部電極13には、それぞれリード線16a,16bが取り付けられ、外部の機器等に対して接続可能になっている。なお、上部基板12の前端側の角部に取り付けられた2個の上部電極14には、熱電素子15もリード線も設けられていない。このため、熱電素子15は、46個で構成され、この46個の熱電素子15は、縦横の列が全て直線状になるようにして格子状に配列されている。また、下部電極13および上部電極14も、熱電素子15と同様、それぞれの縦横が一定間隔を保った状態で格子状に配列されている。
また、48個の下部電極13のうちの所定の下部電極13,13間は、ハンダによって構成された下部接続部17で接続され、48個の上部電極14のうちの所定の上部電極14,14間は、ハンダによって構成された上部接続部18で接続されている。これによって、上部基板12の前端側の角部に取り付けられた2個の上部電極14を除く、すべての下部電極13、上部電極14および熱電素子15が下部接続部17および上部接続部18を介して電気的に接続されている。
すなわち、図3における熱電素子15a,15bの上端面が、上部電極14a,14bおよび上部接続部18aを介して接続され、つぎの熱電素子15c,15dの上端面が、上部電極14c,14dおよび上部接続部18bを介して接続されるといったようにして順次、各熱電素子15が下部電極13と上部電極14とに、下部接続部17および上部接続部18を介して接続されている。このサーモモジュール10に電流を流した際の電流の流れを、図3に線aで示している。図3に示した線aにおける下部電極13および下部接続部17のない部分は、上部電極14および上部接続部18を通っている部分を示している。
また、各熱電素子15(熱電素子15a,15b,15c,15dを含む。)は、P型熱電素子またはN型熱電素子で構成されており、このサーモモジュール10においては、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に位置するようにして配置されている。また、P型熱電素子とN型熱電素子とは、ともにビスマス、テルルを含む合金で構成されているが、若干異なる組成からなっている。
また、サーモモジュール10を構成する各部分の寸法は、以下のように設定されている。すなわち、下部基板11と上部基板12は、ともに、縦方向の長さが33mm、横方向の長さが25mm、厚みが1mmに設定されている。また、下部電極13と上部電極14は、ともに縦方向および横方向の長さが3mm、厚みが0.15mmに設定され、各下部電極13間どうしおよび各上部電極14どうしの前後左右方向の間隔はすべて0.8mmに設定されている。そして、熱電素子15は、縦横の長さがともに、2mmに設定され、高さが0.8mmに設定されている。また、下部接続部17および上部接続部18を構成する導電性接合材としては、Au−Snハンダを用いた。
つぎに、以上のように構成したサーモモジュール10を製造する方法について説明する。このサーモモジュール10を製造する場合には、まず、前述した大きさの下部基板11の上面と上部基板12の下面とに、それぞれ、0.8mm間隔で横6列縦8列の合計48個の下部電極13と上部電極14とをフォトグラフィー技術を用いた金属パターンメッキで形成する。このフォトグラフィー技術は、例えば、光が当たると薬品に溶け易くなる性質を持った物質(フォトレジスト)を用いて下部電極13と上部電極14とを形成するもので、まず、下部基板11の上面と上部基板12の下面とにフォトレジストを塗り付けてレジスト層を形成する。
つぎに、下部基板11の上面と上部基板12の下面とに形成されたレジスト層の表面の所定部分をマスキングした状態でレジスト層の表面を露光したのちに、現像液に浸し、レジスト層におけるマスキングした部分を除去する。そして、所定形状になったレジスト層の間に、電極を形成して残りのレジスト層を除去することにより下部電極13と上部電極14とが形成される。このうちの下部基板11と下部電極13とによって構成される本発明のサーモモジュール用下部基板11aを、図5に示した。なお、上部基板12と上部電極14とで構成されるサーモモジュール用上部基板12a(図7参照)も図5に示したサーモモジュール用下部基板11aと同一構造になるため、図示は省略する。
つぎに、サーモモジュール用下部基板11aにおける前後方向に配置された各列の各8個の下部電極13をそれぞれ前後の2個一組に分けて24組とし、この2個一組の下部電極13の間をそれぞれAu−Snハンダを用いて接続して下部接続部17を形成する。これによって、図6に示したように、前後2個の下部電極13がそれぞれ下部接続部17で接続されたサーモモジュール用下部基板11bを得ることができる。また、サーモモジュール用上部基板12aにおける最前列と最後列の上部電極14を除く、前後方向に配置された各列の各6個の上部電極14をそれぞれ前後の2個一組に分けて18組とし、この2個一組の上部電極14の間をそれぞれAu−Snハンダを用いて接続して上部接続部18を形成する。
また、サーモモジュール用上部基板12aにおける最前列の6個の上部電極14のうちの両側の上部電極14を除いた4個の上部電極14を左右2個一組に分けて2組とし、この2組の上部電極14間をそれぞれAu−Snハンダを用いて接続して上部接続部18を形成する。さらに、サーモモジュール用上部基板12aにおける最後列の6個の上部電極14を左右2個一組に分けて三組とし、この三組の上部電極14間をそれぞれAu−Snハンダを用いて接続して上部接続部18を形成する。
これによって、図7に示したサーモモジュール用上部基板12bを得ることができる。なお、図7には、サーモモジュール用上部基板12bの下面を示しているが、このサーモモジュール用上部基板12bの上部電極14および上部接続部18は左右対称に形成されているため、サーモモジュール用上部基板12bを、熱電素子15を介してサーモモジュール用下部基板11bに組み付けた場合にも、上部電極14および上部接続部18は図7と同様の配置になる。
また、図6に示したサーモモジュール用下部基板11bは、図8に示したサーモモジュール用下部基板21と同様の機能を備えるものであり、図7に示したサーモモジュール用上部基板12bは、図9に示したサーモモジュール用上部基板22と同様の機能を備えるものである。すなわち、サーモモジュール用下部基板21は、下部基板11の上面に、2個の熱電素子15を両側に設置することのできる長方形の下部電極23を、長手方向を前後方向に向けて、横6列縦4列に形成して構成されている。そして、各下部電極23どうしの縦横の間隔は、0.8mmに設定されている。すなわち、下部電極23の大きさは、サーモモジュール用下部基板11aにおける2個一組の下部電極13とその間の隙間の大きさを加えた大きさに設定されている。
また、サーモモジュール用上部基板22は、上部基板12の下面(図9では上面)に、2個の熱電素子15を両側に設置することのできる長方形に形成された上部電極24と、1個の熱電素子15を設置できる大きさの正方形に形成された上部電極24aとを、所定の方向に向けて形成して構成されている。すなわち、サーモモジュール用上部基板22の前端の両側部には、それぞれ上部電極24aが形成され、両上部電極24a間に、2個の上部電極24が長手方向を左右に向けて間隔を保って形成されている。
また、最後列には、3個の上部電極24が長手方向を左右に向けて間隔を保って形成され、最前列の上部電極24,24aと最後列の上部電極24との間には、18個の上部電極24が横6列縦3列になって長手方向を前後に向けて形成されている。そして、各上部電極24,24aどうしの縦横の間隔は、サーモモジュール用下部基板21と同様、0.8mmに設定されている。
また、図9は、サーモモジュール用上部基板22の下面を示しているが、このサーモモジュール用上部基板22の上部電極24,24aは左右対称に形成されているため、サーモモジュール用上部基板22を熱電素子15を介してサーモモジュール用下部基板21に組み付けた場合にも、上部電極24,24aは図9と同様の配置になる。なお、このサーモモジュール用下部基板21とサーモモジュール用上部基板22との製造は、下部電極23のパターンと上部電極24,24aのパターンとが異なるため、サーモモジュール用下部基板11bとサーモモジュール用上部基板12bとの製造に比較して製造工程が複雑になり製造に要する時間も長くなる。
つぎに、サーモモジュール用下部基板11bの前端部両側の下部電極13を除く全ての下部電極13の上面に熱電素子15を、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互になるように配置する。そして、各熱電素子15の上面に上部電極14を位置させるようにして、サーモモジュール用上部基板12bを設置し、下部電極13の上面と熱電素子15の下面および上部電極14の下面と熱電素子15の上面とを、Sn−Sbハンダで接合する。これによって、図1および図2に示したサーモモジュール10が得られる。Sn−Sbハンダによって、下部電極13および上部電極14と熱電素子15を接合する際には、サーモモジュール10全体が加熱されるが、Sn−SbハンダよりもAu−Snハンダの方が融点が高いため、Sn−Sbハンダを溶融させるための加熱では下部接続部17および上部接続部18に影響は生じない。
つぎに、図8に示したサーモモジュール用下部基板21と、図9に示したサーモモジュール用上部基板22と、熱電素子15とを用いてサーモモジュール(図示せず)を製造して比較例とし、この比較例によるサーモモジュールと、サーモモジュール10とに対して、サーモモジュールの性能測定を行った。このサーモモジュールの性能測定は、図10および図11に示した装置を用いて行った。すなわち、図10では、排熱用ヒートシンク25の上面に温調用のペルチェモジュール26を載せ、さらにペルチェモジュール26の上面に銅板27aを介してサーモモジュール10等を設置した。
そして、サーモモジュール10等の上面に銅板27bを載せた。また、サーモモジュール10等の下部基板11に接する銅板27aにはTh(高温側温度)測定用熱電対28aを接続し、サーモモジュール10等の上部基板12に接する銅板28bにはTc(低温側温度)測定用熱電対28bを接続した。そして、温調用のペルチェモジュール26を作動させることによって、Th測定用熱電対28aの指示値Thが100℃になるように維持しながら、被測定用のサーモモジュール10等に電流を流し、Tc測定用熱電対28bの指示値Tcを測定した。
そして、指示値Thと指示値Tcとの差である温度差の最大値ΔTを測定結果として比較した。すなわち、サーモモジュール10等においては、下部基板11と上部基板12との間に生じる温度差が大きいほど発電量が大きくなるため、最大温度差ΔTの値が大きいサーモモジュールほど効率のよいサーモモジュールであると判断できる。また、図11に示した装置は、図10に示した装置の銅板28bの上面にヒータ29を設置したこと以外は、図10に示した装置と同一である。
そして、ヒータ29を作動させて発熱させ、Th測定用熱電対28aの指示値Thと、Tc測定用熱電対28bの指示値Tcが同じ温度、(例えば、27℃になるように、温調用のペルチェモジュール26の作動によって制御する。)になるように被測定用のサーモモジュール10等に電流を流す。つぎに、ヒータ29の出力を徐々に増加させるとともに、サーモモジュール10等に流す電流を増加させ、その状態でも、指示値Thと指示値Tcとが同じ温度に維持されるように調節する。
そして、サーモモジュール10等に流す電流を増加させても、指示値Thと指示値Tcとを同じ温度に維持することができなくなったときのヒータ29の出力をサーモモジュール10等の最大吸熱量として比較した。すなわち、サーモモジュール10等においては、サーモモジュール10等を通過する熱量が大きいほど発電量が大きくなるため、サーモモジュール10等の熱源からの吸熱量が大きいほど効率のよいサーモモジュールであると判断できる。
このサーモモジュールの性能測定の結果、サーモモジュール10の性能は、最大温度差が93K、最大吸熱量が37Wであった。また、比較例によるサーモモジュールの性能は、最大温度差が90K、最大吸熱量が40Wであった。この結果から、サーモモジュール10は、比較例によるサーモモジュールと同等の性能を備えていることが分かる。また、サーモモジュール10は、比較例のサーモモジュールに比べて、下部電極13と上部電極14との形成が極めて簡単になり、製造工程を少なくして低コスト化が図れるとともに、製造期間の短縮化も図れるという利点を備えている。
このように、本実施形態に係るサーモモジュール10は、下部電極13と上部電極14とを、それぞれ熱電素子15を1個だけ接合できる大きさに設定し、所定の下部電極13どうしを下部接続部17で接続するとともに、所定の上部電極14どうしを上部接続部18で接続することにより種々の電極パターンを形成することができるようにしている。このため、種々の電極パターンを容易に形成することができ、製造工程を少なくして低コスト化および製造期間の短縮化が図れる。
また、所定の下部電極13どうしを接続する下部接続部17および所定の上部電極14どうしを接続する上部接続部18を構成する導電性接合材としてAu−Snハンダを用い、下部電極13および上部電極14を熱電素子15に接合するための接合材料としてAu−Snハンダよりも融点が低いSn−Sbハンダを用いている。このため、下部接続部17および上部接続部18を形成したのちに、下部電極13および上部電極14を熱電素子15に接合しても、下部接続部17および上部接続部18に熱による影響が出ることがなくなる。
(第2実施形態)
また、本発明の第2実施形態として、下部接続部17および上部接続部18を構成する導電性接合材として、Au−Snハンダに代えて銀ロウを用いた。この場合、銀ロウ箔を所定の下部電極13間および上部電極14間に置いて、窒素雰囲気中で800℃に加熱することにより下部接続部17および上部接続部18を形成して所定の下部電極13間および上部電極14間の接続を行った。そして、下部接続部17および上部接続部18を構成する導電性接合材以外の部分は、前述したサーモモジュール10と同一の構成にしてサーモモジュールを製造した。
また、このサーモモジュールに対して、前述したサーモモジュールの性能測定を行った結果、このサーモモジュールの性能は、最大温度差が94K、最大吸熱量が36Wであった。この結果から、第2実施形態に係るサーモモジュールは、比較例によるサーモモジュールと同等の性能を備えていることが分かる。また、このサーモモジュールによると、下部接続部17および上部接続部18の融点がAu−Snハンダを用いた場合よりもさらに高くなるため、下部接続部17および上部接続部18を形成したのちに、下部電極13および上部電極14を熱電素子15に接合するために用いる接合材料の選択肢が大幅に広がる。この第2実施形態に係るサーモモジュールのそれ以外の作用効果については、前述したサーモモジュール10と同様である。
(第3実施形態)
また、本発明の第3実施形態として、下部接続部17および上部接続部18を構成する導電性接合材として、Au−Snハンダと銅製の架橋ブロックとを用いた。図12は、本発明の第3実施形態に係るサーモモジュールが備えるAu−Snハンダと銅製の架橋ブロックとからなる下部接続部および上部接続部としての接続部31を示している。この接続部31は、下部電極および上部電極としての電極32間を接続しており、電極32間に架橋ブロックを設置し、Au−Snハンダで、電極32と架橋ブロックとを固定することにより形成されている。また、図12の接続部31における実線で示した部分は、溶融したのちに固化したAu−Snハンダの部分を示し、破線で示した部分31aは架橋ブロックを示している。
この場合の架橋ブロックとしては、幅、長さがともに1mmで、厚みが0.2mmの銅製の架橋ブロックを用いた。そして、接続部31を構成する導電性接合材以外の部分は、前述したサーモモジュール10と同一の構成にしてサーモモジュールを製造した。また、このサーモモジュールに対して、前述したサーモモジュールの性能測定を行った結果、このサーモモジュールの性能は、最大温度差が95K、最大吸熱量が39Wであった。この結果から、第3実施形態に係るサーモモジュールは、比較例によるサーモモジュールと同等の性能を備えていることが分かる。また、このサーモモジュールによると、電極32間の接続が確実になるとともに、電気抵抗が低くなる。この第3実施形態に係るサーモモジュールのそれ以外の作用効果については、前述したサーモモジュール10と同様である。
(第4実施形態)
また、図13は、本発明の第4実施形態に係るサーモモジュールが備える下部電極および上部電極としての電極33および隣接する2個の電極33を接続する接続部34を示している。この電極33は、前後方向および左右方向の各部分における中央側部分が両側部分よりも突出した段状の形状に形成されて、隣接する電極33間の最短距離が小さくなっている。この場合の電極33間の距離は、0.5mmに設定されている。このため、接続部34を構成する導電性接合材の量を少なくすることができる。なお、この接続部34は、Au−Snハンダで構成されている。そして、電極33以外の部分は、前述したサーモモジュール10と同一の構成にしてサーモモジュールを製造した。
また、このサーモモジュールに対して、前述したサーモモジュールの性能測定を行った結果、このサーモモジュールの性能は、最大温度差が93K、最大吸熱量が37Wであった。この結果から、第4実施形態に係るサーモモジュールは、比較例によるサーモモジュールと同等の性能を備えていることが分かる。また、このサーモモジュールによると、電極33間の距離が短くなり、導電性接合材であるAu−Snハンダの使用量を減少できるとともに、電極33間の接続をより確実にすることができる。この第4実施形態に係るサーモモジュールのそれ以外の作用効果については、前述したサーモモジュール10と同様である。
また、本発明に係るサーモモジュール用基板、サーモモジュールおよびサーモモジュールの製造方法は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した各実施形態では、下部電極13や上部電極14等の電極をフォトグラフィー技術を用いて形成された金属パターンメッキで構成しているが、この下部電極13や上部電極14等の電極の形成は、フォトグラフィー技術に限らず、金属材料をスクリーン印刷してから焼成するセラミックメタライズや、金属箔をロウ付けする方法等で行うこともできる。
また、前述した第3実施形態では、導電性接合材を構成する架橋ブロックとして、銅製の架橋ブロックを用いているが、この架橋ブロックとしては、ニッケル、鉄等の金属およびこれらの合金を用いることもできる。要は、導電性を備え電極部間を接続できる材料であればよい。さらに、前述した、第4実施形態では、電極33を、前後方向および左右方向の各部分における中央側部分が両側部分よりも突出した段状の形状に形成しているが、この電極の形状としては、菱形や円形、楕円形等種々の形状にすることができる。要は、熱電素子を1だけ接合するための同形の電極が規則正しく配置されていればよい。また、前述した各実施形態で用いられる絶縁基板や熱電素子等の材質、形状配置等は、前述した各実施形態に限定されず、適宜変更が可能である。
本発明の第1実施形態に係るサーモモジュールを示した斜視図である。 図1に示したサーモモジュールの側面図である。 図1に示したサーモモジュールの下部基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示した平面図である。 図1に示したサーモモジュールの上部基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示した平面図である。 サーモモジュール用基板を示した平面図である。 サーモモジュール用下部基板の所定の下部電極間を下部接続部で接続した状態を示した平面図である。 サーモモジュール用上部基板の所定の上部電極間を上部接続部で接続した状態を示した底面図である。 図6に示したサーモモジュール用下部基板と同様の機能を備えた従来のサーモモジュール用下部基板を示した平面図である。 図7に示したサーモモジュール用上部基板と同様の機能を備えた従来のサーモモジュール用上部基板を示した底面図である。 サーモモジュールの性能のうち最大温度差を測定するための装置を示した概略正面図である。 サーモモジュールの性能のうち最大吸熱量を測定するための装置を示した概略正面図である。 本発明の第3実施形態に係るサーモモジュールが備えるハンダと架橋ブロックからなる接続部で電極間を接続した状態を示した説明図である。 本発明の第4実施形態に係るサーモモジュールが備える接続部で電極間を接続した状態を示した説明図である。
符号の説明
10…サーモモジュール、11a…サーモモジュール用下部基板、11…下部基板、12…上部基板、12a…サーモモジュール用上部基板、13…下部電極、14…上部電極、15…熱電素子、17…下部接続部、18…上部接続部、31,34…接続部、32,33…電極。

Claims (5)

  1. 対向させて配置した一対の絶縁基板と、前記一対の絶縁基板の対向する両面にそれぞれ所定間隔を保って形成した複数の電極とからなり、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合することによって形成されるサーモモジュールに用いられるサーモモジュール用基板であって、
    前記一対の絶縁基板の対向する両面に形成される各電極を前記熱電素子の端面を1個だけ接合するためのものとして形成するとともに、前記電極を前後左右方向に一定間隔を保って配置したことを特徴とするサーモモジュール用基板。
  2. 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両面にそれぞれ複数の電極を所定間隔を保って形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合して構成されるサーモモジュールであって、
    前記一対の絶縁基板に形成される各電極の大きさを前記熱電素子の端面を1個だけ接合できる大きさに設定するとともに、前記複数の電極を前後左右に一定間隔を保って配置し、前記複数の電極のうちの所定の電極間を導電性接合材で接続することにより、前記複数の電極と前記複数の熱電素子とを電気的に接続したことを特徴とするサーモモジュール。
  3. 前記導電性接合材が、ハンダまたは銀ロウである請求項2に記載のサーモモジュール。
  4. 前記導電性接合材は、ハンダまたは銀ロウおよび架橋ブロックとからなる請求項2に記載のサーモモジュール。
  5. 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両面にそれぞれ複数の電極を所定間隔を保って形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を固定してサーモモジュールを製造するサーモモジュールの製造方法であって、
    絶縁基板の表面に、前記熱電素子の端面を1個だけ接合できる大きさの電極を前後左右に一定間隔を保って形成するサーモモジュール用基板の形成工程と、
    前記サーモモジュール用基板の形成工程で形成されたサーモモジュール用基板における所定の電極間を導電性接合材で接続する電極間接続工程と、
    前記電極間接続工程において所定の電極間が接続されたサーモモジュール用基板を一対準備して対向させ、その一対のサーモモジュールの対向する各電極に前記熱電素子の端面をそれぞれ接合する熱電素子接合工程と
    を備えたことを特徴とするサーモモジュールの製造方法。
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