JP2007272995A - 磁気ディスク装置および非磁性基板の良否判定方法、磁気ディスク、並びに磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置および非磁性基板の良否判定方法、磁気ディスク、並びに磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型のスライダやアモルファスガラス基板を用いた場合でも、安定した浮上性能を得ることのできる磁気ディスク装置および非磁性基板の良否判定方法、磁気ディスク、並びに磁気ディスク装置を提供すること。
【解決手段】周方向のテクスチャー加工が施された非磁性基板の主表面に磁気記録層を含む複数の層が積層され、周方向の磁気的異方性が付与された磁気ディスクにおいて、原子間力顕微鏡により測定したディスク表面の表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下を磁気ディスクの良否判定基準とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高密度磁気記録が可能な磁気ディスク装置および非磁性基板の良否判定方法、磁気ディスク、並びにこの磁気ディスクを用いた磁気ディスク装置に関するものである。
磁気ディスク装置は、磁気ディスクを回転駆動する駆動機構と、磁気ディスクに対して情報の記録または/および再生を行うヘッド素子を保持するスライダと、このスライダを支持するヘッドサスペンションアセンブリとを有しており、情報の再生時・記録時、スライダは、磁気ディスクの表面から浮上した状態にある。その際、スライダの浮上量は、磁気ディスクの高記録密度化に対応することを目的に10.0nm以下に設定する必要がある。但し、このような低浮上走行を行うと、スライダが磁気ディスク表面の凸部と接触し、その熱により、ヘッド素子からの出力が変動する現象(サーマルアスペリティ)や信頼性低下が発生しやすくなるため、安定した浮上性能を得るには、磁気ディスクの表面粗さを制御する必要がある。
一方、磁気ディスクでは、非磁性基板の表面にテクスチャー加工を施すことにより、磁気記録層を構成するCo合金層の磁化容易軸を円周方向に配向させ、磁気ディスクに磁気的異方性を付与すれば、SN比などを向上させることが可能となる。但し、テクスチャー加工を施すと、ディスク表面の凸部が削り取られるため、磁気ディスクに対する磁気ヘッドの吸着性が高くなってしまう。従って、磁気ディスクについては、サーマルアスペリティおよび吸着性の双方の観点から、ディスク面の表面粗さを制御する必要がある。
このような表面粗さを制御するにあたって、算術平均粗さRaなどを指標とすることが多いが、テクスチャー加工を施したディスク面のように、算術平均粗さRaが低い場合には、算術平均粗さRaを指標にしても、サーマルアスペリティおよび吸着性などの浮上性能を安定化することができない。そこで、表面粗さ負荷曲線において接触比率が50%となる高さを基準として、高さが1.0nm以上の領域における接触比率値「BH1.0nm」を7%以上15%以下に制御することが提案されている(特許文献1)。
かかる構成は、スライダがディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれていることを前提に表面粗さを制御しようとする考えに基づくものである。
特開2005−78708号公報
磁気ディスク装置に用いるスライダに関しては、それを小型化すると、磁気ディスクの内側および外側でのデータ領域の拡大が可能であること、質量低下に伴い、シークスピードが向上すること、振動性や耐衝撃性が向上すること、磁気ディスク表面の凹凸への追従性が向上することなどの利点があることから、ミニ・スライダ、マイクロ・スライダ、ナノ・スライダ、ピコ・スライダへと小型化が図られており、上記特許文献に記載の条件によれば、ピコ・スライダまでは安定した浮上性能を得ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の指標は、磁気ディスクの表面に形成された凸部がわずかに押し込まれている状態のみを想定しているため、フェムト・スライダを用いた場合には、表1を参照して説明する以下の理由から、安定した浮上性能を得ることができないという問題点がある。
Figure 2007272995
表1には、ミニ・スライダ、マイクロ・スライダ、ナノ・スライダ、ピコ・スライダ、フェムト・スライダのサイズ、質量、バネ荷重を示してあり、ミニ・スライダからフェムト・スライダに推移するに伴って質量が低下していることがわかる。これに対して、バネ荷重については、マイクロ・スライダからピコ・スライダに推移するまでは小さくなっているにもかかわらず、ピコ・スライダからフェムト・スライダに推移しても、そのサイズ変化に対応できるまでバネ荷重を小さくできていないという事情がある。その結果、ピコ・スライダからフェムト・スライダに推移してもロード時に加わる力が変わらず、逆に、スライダの面積が小さくなった分、スライダと磁気ディスクとの間に加わる圧力が大きくなっている。それ故、スライダがディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれる度合いは、ピコ・スライダとフェムト・スライダとの間で大きく変化しているので、フェムト・スライダを用いる場合には、さらに低い位置までの表面粗さを考慮した厳密な指標が必要になっている。
また、非磁性基板を構成する材料によって、スライダがディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれる度合いが変化する。すなわち、非磁性基板として結晶性ガラス基板を用いた場合と、アモルファスガラス基板とを用いた場合には、凸部の形状が相違するなどの影響で、スライダがディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれる度合いが変化するので、この点でも、より厳密な指標が必要になっている。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、小型のスライダやアモルファスガラス基板を用いた場合でも、安定した浮上性能を得ることのできる磁気ディスク装置および非磁性基板の良否判定方法、磁気ディスク、並びに磁気ディスク装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、非磁性基板の主表面に磁気記録層を含む複数の層が積層された磁気ディスクの良否判定方法において、ディスク表面の表面粗さ負荷曲線を求め、当該負荷曲線において、占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であるものを良品と判定することを特徴とする。
本発明では、磁気ディスク用の非磁性基板の良否判定方法において、主表面の表面粗さ負荷曲線を求め、当該負荷曲線において、占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であるものを良品と判定することを特徴とする。
本発明では、非磁性基板の主表面に磁気記録層を含む複数の層が積層された磁気ディスクにおいて、ディスク表面の表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明では、原子間力顕微鏡により測定した表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さ(基準)から1.0nm低い位置での占有率(OBA-1.0)が30%以下、かつ、基準から1.5nm低い位置での占有率(OBA-1.5)が65%以下であることを良好な浮上安定性が得られる指標とする。
本発明では、2つの占有率(OBA-1.0、OBA-1.5)を基準に基づいて表面粗さを規定しているため、基準から1箇所の占有率で表面粗さを規定する場合と比較して厳密に表面粗さを制御できる。それ故、非磁性基板がアモルファスガラスからなる場合や、フェムト・スライダを用いた場合のように、スライダがディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれる度合いが深くなっても浮上安定性との相関性が高い。それ故、テクスチャー加工を施した非磁性基板を用いた磁気ディスクにおいて浮上安定性を確保できる。
本発明は、前記非磁性基板がアモルファスガラスからなる場合に適用すると効果的である。
本発明は、前記磁気ディスクを回転駆動する駆動機構と、前記磁気ディスクに対して情報の記録または/および再生を行うヘッド素子を保持するスライダと、該スライダを支持するヘッドサスペンションアセンブリとを有する磁気ディスク装置において、前記磁気ディスクに対する前記スライダの走行時の浮上量が10.0nm以下である場合に適用すると効果的である。
また、本発明は、前記スライダとして、前記磁気ディスクと対向する面のサイズが1mm×1mm未満のスライダを用いた場合に適用すると効果的である。
本発明では、2つの占有率(OBA-1.0、OBA-1.5)を基準に基づいて表面粗さを規定しているため、ディスク面の凸部の比較的高い1箇所の占有率で表面粗さを規定する場合と比較して厳密に表面粗さを制御できる。それ故、非磁性基板がアモルファスガラスからなる場合や、フェムト・スライダを用いた場合のように、スライダがディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれる度合いが深くなっても浮上安定性との相関性が高い。それ故、テクスチャー加工を施した非磁性基板を用いた磁気ディスクにおいて浮上安定性を確保できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(非磁性基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク装置の構成)
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した磁気ディスクを示す平面図、およびその概略断面図である。図2は、磁気ディスク装置の要部構成を示す説明図である。
図1(a)、(b)に示す磁気ディスク1は、各種情報を磁気的に記録、再生するための情報記録媒体であり、中心穴111を備えた円形の非磁性基板11の主表面110に下地層12、磁性層13、保護層14、および潤滑層15がこの順に積層された構造を有している。
非磁性基板11は、例えば、アルミノシリケートガラスなどのアモルファスガラスからなり、図示を省略するが、非磁性基板11の主表面110には、周方向にテクスチャー加工が施されている。非磁性基板11において内端部112および外端部113は各々、面取り加工が施されている。但し、図1(b)には面取り部分の図示を省略してある。このような非磁性基板11は、例えば、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより、アルミノシリケートガラスからなるガラス基板を得、これに、形状加工工程、研磨剤スラリーなどを用いた研磨加工、化学強化処理、ダイアモンドスラリーなどを用いたテクスチャー加工などを施すことにより得られる。化学強化処理としては、ガラス基板表層に含まれる一部のイオンを、そのイオンより大きなイオン半径を有する化学強化処理液中のイオンで置換することにより化学強化を行うイオン交換による化学強化処理法や、ガラス基板表層に含まれるアルカリイオンを除去することにより化学強化を行う脱アルカリ処理による化学強化処理法等が挙げられる。
以下、非磁性基板11に対して複数の層を順次形成して磁気ディスク1を製造する方法を説明しながら、磁気ディスク1の構成をさらに詳述する。磁気ディスク1を製造するには、まず、非磁性基板11の主表面110に対してスパッタ法などの気相成膜法を利用して下地層12を形成する。下地層12は、例えば厚さが10nmのCr系合金膜であり、磁性層13の結晶構造を良好にするために形成される。次に、下地層12の上層に対してスパッタ法などの気相成膜法を利用して磁性層13を形成する。磁性層13は、例えば厚さが15nmのCoCrPtB合金からなる。次に、磁性層13の上層に対してCVD法やスパッタ法などの気相成膜法を利用して保護層14を形成する。保護層14は、ダイヤモンドライクカーボンからなり、耐摩耗性を向上させて磁性層13を保護する機能を担っている。次に、保護層14の表面に潤滑層15を浸漬成膜法により形成する。潤滑層15は、磁気ヘッドとの接触した際の衝撃を緩和するなどの機能を担っており、厚さが3nm以下の薄いパーフルオロポリエーテル層などから構成されている。ここで、潤滑層15は、2nm以下、例えば、1.0nm位まで薄膜化される傾向にある。
このように構成した磁気ディスク1を備えた磁気ディスク装置のうち、例えば、図2に示すLUL(ロード・アンロード)方式を採用したハードディスクドライブ装置100は、ケース8内に、複数枚の磁気ディスク1、これらの磁気ディスク1を支持するとともに回転駆動するスピンドルモータを備えた駆動機構3、磁気ディスク1に対して情報の記録、再生を行うヘッド素子(図示せず)を保持するスライダ2、このスライダ2を磁気ディスク1に対して移動自在に支持するヘッドサスペンションアセンブリ4などを有している。また、図2に示すハードディスクドライブ装置100では、LUL(ロード・アンロード)方式が採用されており、スライダ2は磁気ディスク1が停止しているときは、磁気ディスク1の外側付近に位置するランプと称せられる傾斜台5上に待機しており、磁気ディスク1が回転した後、ガイド機構(図示せず)によってスライダ2がディスク面上に移動してきて記録、再生を行う。
このように構成したハードディスクドライブ装置100において、磁気ディスク1が回転した際の浮上量が10.0nm以下に設定されている。また、スライダ2は、フェムト・スライダであり、ヘッドサスペンションアセンブリ4の先端部に設けられたジンバルばね(図示せず)などにより磁気ディスク1に向けて所定の荷重が印加されている。
このようなハードディスクドライブ装置100において、スライダ2が低浮上走行を行う際、スライダ2が磁気ディスク1表面の凸部と接触した際の熱により、サーマルアスペリティや信頼性低下が発生しやすくなるため、安定した浮上性能を得るには、磁気ディスク1の表面粗さを制御する必要がある。また、非磁性基板11にテクスチャー加工を周方向に施すことにより、磁気記録層を構成するCo合金層の磁化容易軸を円周方向に配向させて、磁気ディスク1に磁気的異方性を付与すれば、SN比などを向上させることができる一方、テクスチャー加工によってディスク表面の凸部が削り取られるため、磁気ディスク1に対するスライダ2の吸着性が高くなってしまう。従って、磁気ディスク1については、サーマルアスペリティおよび吸着性の双方の観点から、ディスク面の表面粗さを制御する必要がある。
(表面粗さの判定基準)
本形態では、磁気ディスク1のディスク面の表面粗さを制御するにあたって、まず、表面粗さに関して以下の判定基準を設け、この判定基準を満たすように、非磁性基板11に対するテクスチャー加工条件などを管理する。また、このような判定基準に基づいて磁気ディスク1の良否判定を行う。
図3(a)、(b)は、原子間力顕微鏡(AFM)により測定した磁気ディスクの表面粗さ負荷曲線を示すグラフ、およびこのグラフに対応するディスク表面の凸部分布の説明図である。本形態では、判定基準を規定するにあたって、まず、原子間力顕微鏡により、図3(a)に示す磁気ディスクの表面粗さ負荷曲線を測定する。そして、占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であるものを良品とする。
すなわち、図3(b)に模式的に示すように、スライダが磁気ディスクの表面に接触してディスク表面の凸部が、占有率が0.5%となる高さから1.0nm低い位置まで押し込まれた際、スライダのディスク表面との接触率が30%以下であって、占有率が0.5%となる高さから1.5nm低い位置まで押し込まれた際でも、スライダのディスク表面との接触率が65%以下であるものを良品とする。言い換えれば、本形態の判定基準は、スライダとディスク面が接触した際、ディスク表面の凸部は、占有率が0.5%となる高さから1.0nm〜1.5nm低い位置まで押し込まれる可能性があり、このような場合でも、接触率が所定の値以下であれば、スライダと磁気ディスクとの吸着に起因する不具合が発生しないという考え方に基づいて設定されたものである。
(判定基準と磁気ディスクの吸着性との関係)
次に、上記の判定基準と、磁気ディスクの吸着性との関係を評価するため、表面粗さ負荷曲線において占有率が0.5%となる高さから0.5nm、1.0nm、1.5nm、2.0nm低い位置での占有率(OBA-0.5、OBA-1.0、OBA-1.5、OBA-2.0)が表2に示すように相違する磁気ディスク(試料a−1、a−2、a−3、b−1、b−2、b−3)を準備した後、これらの磁気ディスクの吸着性を調査するため、図4(a)に示すTD(タッチダウン)−TO(テイクオフ)試験装置で試験を行った。
Figure 2007272995
図4(a)、(b)は、TD−TO試験装置の説明図、およびその試験結果を示す説明図である。図5は、磁気ディスクの判定基準の技術的な意味を示すグラフである。図4(a)に示すように、TD−TO試験装置200では、排気ポンプ(図示せず)が接続されたデシケータ250内に磁気ディスク1が配置され、磁気ディスク1は、デシケータ250内で駆動機構260によって回転駆動される。また、デシケータ250内には、先端に試験用のスライダ2′を備えたアーム4′が配置されており、試験用のスライダ2′は、磁気ディスク装置と同様、アーム4′により磁気ディスク1に向かう所定の荷重が印加されている。また、アーム4′には、スライダ2′と磁気ディスク1との接触の程度を検出するアコースティックエミッション(AE)センサ(図示せず)が設けられており、AEセンサの検出結果は、A/D変換器210を介してパーソナルコンピュータ220に入力される。
このようなTD−TO試験装置200では、磁気ディスク1を高速回転させた状態で、デシケータ250内を0.001atmずつ減圧していくと、図4(b)に矢印A1で示すように、AEセンサの出力は微増するだけで推移する。そして、デシケータ250内がある圧力に達した時点でスライダ2′が磁気ディスク1表面に接触すると、矢印A2で示すように、AEセンサの出力が急激に増加する。そのときの圧力がTDP(タッチダウン圧力)である。次に、矢印A3で示すように、デシケータ250内の圧力を上げていってもAEセンサの出力は微減するだけであるが、ある圧力まで戻ると、スライダ2′が再び磁気ディスク1表面から浮上し、矢印A4で示すように、AEセンサからの出力が突然低下する。そのときの圧力がTOP(テイクオフ圧力)である。ここで、TOPとTDPとの差が磁気ディスク1の吸着性を表わし、その差tsが小さい場合、磁気ディスク1の吸着性が低く、良好といえる。
そこで、表2に示す各試料についてTD−TO試験を行い、その差tsが小さい場合には、表2に良品(Good)と示し、差tsが大きい場合には、表2に不具合(Not Good)と示した。また、試料b−1、b−2については、再浮上しなかったため、「−」で示してある。表2から分かるように、TD−TO試験において、試料a−1、a−2、a−3は良品で、試料b−1、b−2、b−3は不具合品であるという結果であった。なお、本試験は、気圧が0.91atmの場所で行った。
また、図5には、各試料a−1、a−2、a−3、b−1、b−2、b−3の表面粗さ負荷曲線において占有率が0.5%となる高さ(基準)から下がった寸法(0.5nm、1.0nm、1.5nm、2.0nm)と、占有率(OBA-0.5、OBA-1.0、OBA-1.5、OBA-2.0)との関係をプロットした。その結果、TD−TO試験で良品と判定された試料a−1、a−2、a−3は占有率が低い方に位置し、TD−TO試験で不具合品と判定された試料b−1、b−2、b−3は占有率が高い方に位置する。従って、図5に示すグラフにおいて、TD−TO試験で良品と判定された試料a−1、a−2、a−3の結果と、TD−TO試験で不具合品と判定された試料b−1、b−2、b−3の結果の境界を辿れば、磁気ディスク1の吸着性に関する判定基準を設定できることになる。
但し、表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さ(基準)から0.5nm低い位置での占有率(OBA-0.5)と、基準から2.0nm低い位置での占有率(OBA-2.0)とでは、TD−TO試験で良品と判定された試料a−1、a−2、a−3の結果と、TD−TO試験で不具合品と判定された試料b−1、b−2、b−3の結果との間に明確な差が見られない。
これに対して、表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さ(基準)から1.0nm低い位置での占有率(OBA-1.0)と、基準から1.5nm低い位置での占有率(OBA-1.5)とでは、TD−TO試験で良品と判定された試料a−1、a−2、a−3の結果と、TD−TO試験で不具合品と判定された試料b−1、b−2、b−3の結果との間に明確な差が見られる。
従って、表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さ(基準)から1.0nm低い位置での占有率(OBA-1.0)と、基準から1.5nm低い位置での占有率(OBA-1.5)を判定基準に用いれば、良品と不具合品とを確実に判定できるといえ、本発明では、かかる検討を繰り返し行った結果から、表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さ(基準)から1.0nm低い位置での占有率(OBA-1.0)が30%以下、かつ、基準から1.5nm低い位置での占有率(OBA-1.5)が65%以下である磁気ディスク1について吸着性が良好であると規定した。
このように本発明では、2つの占有率(OBA-1.0、OBA-1.5)を基準に基づいて表面粗さを規定しているため、ディスク面の凸部の比較的高い1箇所の占有率で表面粗さを規定する場合と比較して厳密に表面粗さを制御できる。それ故、非磁性基板11がアモルファスガラスからなる場合や、フェムト・スライダを用いた場合のように、スライダ2がディスク表面に接触した際、ディスク表面の凸部が押し込まれる度合いが深くなっても浮上安定性との相関性が高い。それ故、テクスチャー加工を施した非磁性基板11を用いた磁気ディスク1において浮上安定性を確保できる。
(良否判定基準の利用方法)
本発明に係る良否判定基準については、それをクリアするような条件で磁気ディスク1の製造条件を設定するのに用いてもよく、また、製造した磁気ディスク1の検査に適用してもよい。
さらに、磁気ディスク1の製造に用いる非磁性基板11においてテクスチャー加工を終えた後の検査に適用してもよい。このような非磁性基板11を用いれば、良否判定基準をクリアできる磁気ディスク1を製造することができる。
(a)、(b)は、本発明を適用した磁気ディスクを示す平面図、およびその概略断面図である。 磁気ディスク装置の要部構成を示す説明図である。 (a)、(b)は、磁気ディスクの表面粗さ負荷曲線を示すグラフ、およびこのグラフに対応するディスク表面の凸部分布の説明図である。 (a)、(b)は、TD−TO試験装置の説明図、およびその試験結果を示す説明図である。 本発明における磁気ディスクの判定基準の技術的な意味を示すグラフである。
符号の説明
1 磁気ディスク
2 スライダ
3 駆動機構
4 ヘッドサスペンションアセンブリ
11 非磁性基板
12 下地層
13 磁性層
14 保護層
15 潤滑層
100 ハードディスクドライブ装置(磁気ディスク装置)

Claims (6)

  1. 非磁性基板の主表面に磁気記録層を含む複数の層が積層された磁気ディスクの良否判定方法において、
    ディスク面の表面粗さ負荷曲線を求め、
    当該負荷曲線において、占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であるものを良品と判定することを特徴とする磁気ディスクの良否判定方法。
  2. 磁気ディスク用の非磁性基板の良否判定方法において、
    主表面の表面粗さ負荷曲線を求め、
    当該負荷曲線において、占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であるものを良品と判定することを特徴とする磁気ディスク用の非磁性基板の良否判定方法。
  3. 非磁性基板の主表面に磁気記録層を含む複数の層が積層された磁気ディスクにおいて、
    ディスク表面の表面粗さ負荷曲線で占有率が0.5%となる高さを基準とし、当該基準から1.0nm低い位置での占有率をOBA-1.0とし、前記基準から1.5nm低い位置での占有率をOBA-1.5としたとき、OBA-1.0が30%以下、かつ、OBA-1.5が65%以下であることを特徴とする磁気ディスク。
  4. 前記非磁性基板は、アモルファスガラスからなることを特徴とする請求項3に記載の磁気ディスク。
  5. 請求項3または4に記載の磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置であって、
    前記磁気ディスクを回転駆動する駆動機構と、前記磁気ディスクに対して情報の記録または/および再生を行うヘッド素子を保持するスライダと、該スライダを支持するヘッドサスペンションアセンブリとを有し、
    前記磁気ディスクに対する前記スライダの走行時の浮上量が10.0nm以下であることを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 前記スライダは、前記磁気ディスクと対向する面のサイズが縦1mm未満、かつ、横1mm未満であることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスク装置。
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