JP2007273012A - 回折素子、対物レンズユニット、光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents

回折素子、対物レンズユニット、光ピックアップ及び光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、使用温度に拘らず、回折効率EFを殆ど変化させないようにできる。
【解決手段】本発明は、CD用回折パターンPTcを有するベース層20Cと、上記ベース層20Cを覆うカバー層20Dとを有し、−40[℃]から75[℃]まで変化したときの、当該カバー材料RAにおけるカバー材屈折率nAの変化量及び当該ベース材料RBにおけるベース材屈折率nBの変化量がほぼ同一になるように、カバー材料RA及びベース材料RBが選定されるようにする。
【選択図】図8

Description

本発明は、回折素子、対物レンズユニット、光ピックアップ及び光ディスク装置に関し、光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、使用されるレーザ光の波長などが異なる例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBD(Blu-ray Disc:登録商標)などの各種方式のうち、複数の方式の光ディスクに対応するようになされたものがある。
このような光ピックアップとして、対物レンズの前段に回折素子を設け、入射するレーザ光の波長に応じて当該レーザ光を回折及び透過させ、その焦点距離などを複数の方式の光ディスクに適合させることにより、複数の波長のレーザ光を1つの対物レンズで集光することのできる技術が確立されつつある。
この回折素子として、樹脂材料を用いて階段状の回折パターンを形成すると共に、他の樹脂材料によって当該回折パターンを覆い、平面状のカバー層を形成するようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−302270公報
ところでかかる構成の回折素子においては、使用するレーザ光の波長及び回折パターンの形状に加えて、カバー層を形成する樹脂の屈折率から回折パターンを形成する樹脂の屈折率を引いた屈折率差分によってその回折効率が決定されることが知られている。
しかしながら、一般的に樹脂材料は屈折率に温度依存性を有しているため、使用される温度によって屈折率が変化してしまい、これに応じて屈折率差分も変化してしまうため、回折素子の回折効率が設定した値から変化してしまうという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、使用温度に拘らず、回折効率が殆ど変化しない回折素子、対物レンズユニット、光ピックアップ及び光ディスク装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、入射される光ビームの波長に応じて当該光ビームを回折させる回折素子であって、第1の樹脂材料でなり、所定の回折パターンを有するベース部と、第2の樹脂材料でなり、回折パターンを覆うカバー部とを設け、第1の樹脂材料及び第2の樹脂材料は、一の温度から他の温度に変化したときの第1の樹脂材料における屈折率の変化量と、一の温度から他の温度に変化したときの第2の樹脂材料における屈折率の変化量とがほぼ同一であるようにした。
これにより、一の温度から他の温度までの温度範囲内において、温度が変化したときであっても、第1の樹脂材料の屈折率における変化量及び第2の樹脂材料の屈折率における変化量を相殺することができ、第1の樹脂材料の屈折率から第2の樹脂材料の屈折率を引いた屈折率差分をほぼ一定にできる。
本発明によれば、一の温度から他の温度までの温度範囲内において、温度が変化したときであっても、第1の樹脂材料の屈折率における変化量及び第2の樹脂材料の屈折率における変化量を相殺することができ、第1の樹脂材料の屈折率から第2の樹脂材料の屈折率を引いた屈折率差分をほぼ一定にでき、かくして使用温度に拘らず、回折効率が変化しない回折素子、対物レンズユニット、光ピックアップ及び光ディスク装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)光ディスク装置の構成
(1−1)光ディスク装置の全体構成
図1において、光ディスク装置1はCD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式又はBD(Blu-ray Disc、登録商標)方式といった3方式のいずれかでなる光ディスク100を再生し得るようになされている。
この光ディスク装置1は、制御部2によって全体を統括制御するようになされており、光ディスク100が装填された状態で、図示しない外部機器からの再生指示等を受け付けると、当該制御部2から駆動部3及び信号処理部4を制御することにより当該光ディスク100に記録された情報を読み出すようになされている。
実際上、信号処理部4は、制御部2の制御に基づき、光ピックアップ7により対物レンズユニット9から所定の光ビームを光ディスク100の信号記録面に照射させる。
これと同時に駆動部3は、制御部2の制御に基づき、スピンドルモータ5により光ディスク100を所定の回転速度で回転させ、スレッドモータ6により光ピックアップ7を光ディスク100の径方向であるトラッキング方向へ大きく移動させ、さらに2軸アクチュエータ8により対物レンズユニット9を光ディスク100に対して近接又は離隔させる方向であるフォーカス方向及びトラッキング方向の2方向へそれぞれ細かく移動させることにより、所望のトラックに対して光ビームを合焦させる。
これに応じて信号処理部4は、光ディスク100の信号記録面において光ビームが反射されてなる反射光を検出し、その検出結果を基に再生信号を生成して、制御部2を介してこの再生信号を図示しない外部機器へ送出させる。
光ピックアップ7は、いわゆる3波長対応型となっており、対物レンズユニット9から、CD方式でなる光ディスク100(以下、これをCD方式ディスク100cと呼ぶ)に対して波長約780[nm]の光ビームを照射し、またDVD方式でなる光ディスク100(以下、これをDVD方式ディスク100dと呼ぶ)に対して波長約650[nm]の光ビームを照射し、さらにBD方式でなる光ディスク100(以下、これをBD方式ディスク100bと呼ぶ)に対して波長約405[nm]の光ビームを照射するようになされている。
このように光ディスク装置1は、CD方式、DVD方式、又はBD方式でなる光ディスク100に対してそれぞれの方式に適した光ビームを照射することにより、当該光ディスク100を再生し得るようになされている。
(1−2)光ピックアップの構成
図2に示すように、光ピックアップ7は、光ビームの光源として、CD方式用の波長約780[nm]でなる光ビーム(以下、これをCD用光ビームLcと呼ぶ)及びDVD方式用の波長約650[nm]でなる光ビーム(以下、これをDVD用光ビームLdと呼ぶ)を出射し得るレーザダイオード11と、BD方式用の波長約405[nm]でなる光ビーム(以下、これをBD用光ビームLbと呼ぶ)を出射し得るレーザダイオード12とを有している。
カップリングレンズ13は、レーザダイオード11から出射された光ビームの光学倍率を変換するようになされている。
ビームスプリッタ14は、反射透過面14Aにおいて、光ビームをその波長に応じて反射又は透過させるようになされており、当該反射透過面14Aにおいて、波長約780[nm]でなるCD用光ビームLc及び波長約650[nm]でなるDVD用光ビームLdを反射させ、また波長約405[nm]でなるBD用光ビームLbを透過させるようになされている。
偏光ビームスプリッタ15は、偏光面15Aにおいて、光ビームをその偏光方向により反射又は透過させるようになされており、ビームスプリッタ14側から入射された光ビームを透過させ、また偏光方向が調整された上でコリメータレンズ16側から入射された光ビームを反射させるようになされている。
コリメータレンズ16は、偏光ビームスプリッタ15から入射され発散光でなる光ビームを平行光に変換し、また立ち上げミラー17から入射され平行光でなる光ビームを収束光に変換するようになされている。
立ち上げミラー17は、コリメータレンズ16から入射される水平方向の光ビームを反射して垂直方向、すなわち光ディスク100に対してほぼ垂直に入射させる方向に立ち上げ、また1/4波長板18からほぼ垂直に入射された光ビームを反射して水平方向に寝かせるようになされている。
1/4波長板18は、光ビームにおける一部成分の位相を1/4波長分遅延させることにより、立ち上げミラー17から入射される光ビームを直線偏光から円偏光へ変換し、或いは対物レンズユニット9から入射される光ビームを円偏光から直線偏光に変換するようになされている。
対物レンズユニット9は、図3に斜視図を示すように、略筒状でなる鏡筒部19(図3では一部切断面を示す)の下部に扁平な円盤状でなる回折素子20が取り付けられていると共に、当該鏡筒部19の上部から中央部にかけて、当該回折素子20とほぼ同様の大きさでなる扁平な円盤状部の下面に当該円盤よりも若干小径の紡錘形部が一体に形成されたような形状でなる対物レンズ21が取り付けられている。
対物レンズユニット9は、1/4波長板18から入射され平行光でなる光ビームを回折素子20及び対物レンズ21により収束光に変換し、これを光ディスク100の信号記録面に合焦させるようになされている。
また光ピックアップ7は、光ディスク100の信号記録面において反射され発散光となった光ビームを、対物レンズユニット9の対物レンズ21及び回折素子20により平行光に変換し、1/4波長板18により円偏光から直線偏光に変換し、立ち上げミラー17により水平方向、すなわち偏光ビームスプリッタ15が設けられている方向へ寝かせ、コリメータレンズ16により平行光から収束光に変換した後、偏光ビームスプリッタ15へ入射させる。
この場合、偏光ビームスプリッタ15は、光ビームの偏光方向に応じて偏光面15Aにおいて当該光ビームを反射し、これをコンバージョンレンズ22へ入射させる。
コンバージョンレンズ22は、CD用光ビームLc及びDVD用光ビームLdとBD用光ビームLbとの光学倍率の変換を行うようになされている。また光軸合成素子23は、レーザダイオード11から出射されたCD用光ビームLc及びDVD用光ビームLdの光軸とレーザダイオード12から出射されたBD用光ビームLbの光軸とを一致させるようになされている。
フォトディテクタ24は、その上面(すなわちコンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23を通過した光ビームが照射される面)においてそれぞれ所定形状でなる複数の検出領域がそれぞれ所定の位置に形成されており、照射された光ビームの光量をそれぞれ検出して光電変換することにより複数の検出信号を生成し、これを信号処理部4(図1)へ供給するようになされている。
これに応じて信号処理部4は、フォトディテクタ24(図2)からの検出信号を用いた所定の演算処理等を行うことにより再生RF信号を生成し、当該再生RF信号を基に所定の復号化処理や復調処理等を経て再生信号を生成するようになされている。
また信号処理部4(図1)は、フォトディテクタ24(図2)からの検出信号を用いた所定の演算処理等を行うことにより、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成し、これらを制御部2へ供給するようになされている。これに応じて制御部2は、駆動部3を介してトラッキング制御やフォーカス制御等を行い、光ディスク100に対する光ビームの照射状態を調整して所望のトラックに追従させ、再生信号を正常に生成し得るようになされている。
(1−2−1)CD方式ディスクの場合
実際上、制御部2(図1)は、所定のディスク種別判定手法により光ディスク100がCD方式ディスク100cであることを認識した場合、光ピックアップ7(図2)におけるレーザダイオード11の発光点11Aから発散光でなるCD用光ビームLcを発射させ、カップリングレンズ13を介してビームスプリッタ14へ入射させる。
光ピックアップ7は、ビームスプリッタ14によりCD用光ビームLcを反射透過面14Aにおいて反射させ、偏光ビームスプリッタ15を透過させて、コリメータレンズ16により発散光から平行光に変換し、立ち上げミラー17により水平方向から垂直方向に立ち上げ、1/4波長板18により直線偏光から円偏光に変換した後、当該CD用光ビームLcを対物レンズユニット9へ入射させる。
対物レンズユニット9は、1/4波長板18から入射されたCD用光ビームLcを回折素子20及び対物レンズ21により収束光に変換し、これをCD方式ディスク100cの信号記録面に合焦させる。
また対物レンズユニット9は、CD方式ディスク100cの信号記録面において反射され発散光となったCD用光ビームLcを、対物レンズ21及び回折素子20により平行光に変換し、1/4波長板18へ入射させる。
その後光ピックアップ7は、1/4波長板18に入射されたCD用光ビームLcを円偏光から直線偏光に変換させ、立ち上げミラー18により水平方向へ寝かせ、コリメータレンズ16により平行光から収束光に変換させた後、偏光ビームスプリッタ15により偏光面15Aにおいて反射させ、コンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23を順次通過させてフォトディテクタ24へ照射させる。
フォトディテクタ24は、照射されたCD用光ビームLcの光量を複数の検出領域によりそれぞれ検出して複数の検出信号を生成し、これを信号処理部4(図1)へ供給する。
これに応じて信号処理部4は、複数の検出信号を基に再生RF信号を生成した上で再生信号を生成し、またトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成するようになされている。
(1−2−2)DVD方式ディスクの場合
制御部2(図1)は、所定のディスク種別判定手法により光ディスク100がDVD方式ディスク100dであることを認識した場合、光ピックアップ7(図2)におけるレーザダイオード11の発光点11Bから発散光でなるDVD用光ビームLdを発射させ、カップリングレンズ13を介してビームスプリッタ14へ入射させる。
その後、光ピックアップ7は、CD方式ディスク100cの場合と同様、DVD用光ビームLdをカップリングレンズ13、ビームスプリッタ14、偏光ビームスプリッタ15、コリメータレンズ16、立ち上げミラー17及び1/4波長板18の順に通過又は反射させ、対物レンズユニット9において当該DVD用光ビームLdを回折素子20及び対物レンズ21により収束光に変換し、これをDVD方式ディスク100dの信号記録面に合焦させる。
また対物レンズユニット9は、CD方式ディスク100cの場合と同様、DVD方式ディスク100dの信号記録面において反射され発散光となったDVD用光ビームLdを、対物レンズ21、回折素子20により平行光に変換した後、1/4波長板18、立ち上げミラー17、コリメータレンズ16、偏光ビームスプリッタ15、コンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23の順に通過又は反射させ、フォトディテクタ24へ照射させる。
フォトディテクタ24は、CD方式ディスク100cの場合と同様、照射されたDVD用光ビームLdの光量を複数の検出領域によって検出することにより複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部4(図1)へ供給する。
これに応じて信号処理部4は、再生RF信号を生成した上で再生信号を生成し、またトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成するようになされている。
(1−2−3)BD方式ディスクの場合
制御部2(図1)は、所定のディスク種別判定手法により光ディスク100がBD方式ディスク100bであることを認識した場合、光ピックアップ7(図2)におけるレーザダイオード12の発光点12Aから発散光でなるBD用光ビームLbを発射させ、ビームスプリッタ14へ入射させる。
この場合、ビームスプリッタ14は、BD用光ビームLbを反射透過面13Aにおいて透過させ、これを偏光ビームスプリッタ15へ入射させる。
その後光ピックアップ7は、CD方式ディスク100cの場合と同様、BD用光ビームLbを偏光ビームスプリッタ15、コリメータレンズ16、立ち上げミラー17及び1/4波長板18の順に通過又は反射させ、対物レンズユニット9において当該BD用光ビームLbを対物レンズ21により収束光に変換し、これをBD方式ディスク100bの信号記録面に合焦させる。
因みに対物レンズユニット9の回折素子20は、BD用光ビームLbを回折せずそのまま透過させるようになされている(詳しくは後述する)。
また対物レンズユニット9は、CD方式ディスク100cの場合と同様、BD方式ディスク100bの信号記録面において反射され発散光となったBD用光ビームLbを、対物レンズ21により平行光に変換した後、1/4波長板18、立ち上げミラー17、コリメータレンズ16、偏光ビームスプリッタ15、コンバージョンレンズ22及び光軸合成素子23の順に通過又は反射させ、フォトディテクタ24へ照射させる。
フォトディテクタ24は、CD方式ディスク100cの場合と同様、照射されたBD用光ビームLbの光量を複数の検出領域によって検出することにより複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部4(図1)へ供給する。
これに応じて信号処理部4は、再生RF信号を生成した上で再生信号を生成し、またトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等といった駆動制御用の信号を生成するようになされている。
このように光ピックアップ7は、光ディスク100がCD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d或いはBD方式ディスク100bのいずれであっても、対物レンズユニット9により、CD用光ビームLc、DVD用光ビームLd又はBD用光ビームLbを当該光ディスク100の信号記録面に合焦させ得ると共に、その反射光をフォトディテクタ24により検出し得るようになされている。
(1−3)対物レンズユニットの構成
次に、CD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d及びBD方式ディスク100bと、対物レンズユニット9との拡大断面図を図4に示す。
因みに、対物レンズユニット9には2軸アクチュエータ8(図1)が取り付けられているものの、図4では省略している。
一般に、CD方式、DVD方式及びBD方式では、互換性等の観点から、情報を読み出すための光ビームの波長、当該光ビームを集光する際の開口数、及び各光ディスク100における下面から信号記録面までの部分(いわゆるカバー層)の厚みがそれぞれ規格により規定されている。
具体的にCD方式では、波長が約780[nm]、開口数が約0.45、カバー層の厚みが1.2[mm]と規定されており、またDVD方式では、波長が約650[nm]、開口数が約0.65、カバー層の厚みが0.6[mm]と規定されており、さらにBD方式では、波長が約405[nm]、開口数が約0.85、カバー層の厚みが0.1[mm]と規定されている。以下、このCD、DVD及びBD方式で使用される各使用波長λをそれぞれCD波長λc、DVD波長λd及びBD波長λbと表す。
また対物レンズユニット9では、対物レンズ21の特性上、当該対物レンズ21からCD用光ビームLc、DVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbがそれぞれ照射される場合の焦点距離がそれぞれ異なっている。
このため光ディスク装置1では、実際には光ディスク100の高さを固定したまま2軸アクチュエータ8(図1)を介して対物レンズユニット9の高さ(すなわち光ディスク100との間隔)を調整することにより、各光ビームを各光ディスクの信号記録面に合焦させるようになされている。
因みに図4では、説明の都合上、対物レンズユニット9を固定し光ディスク100の高さを変化させている。このため図4では、各光ディスクの下面の高さが異なっている。また図4では、CD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d及びBD方式ディスク100bについて、いずれもカバー層のみを表している。
ところで対物レンズ21は、BD用光ビームLbの相対的な強度やBD方式で規定されている開口数等の観点から、CD用光ビームLcやDVD用光ビームLdよりも優先して当該BD用光ビームLbに最適化された設計となっている。
このため対物レンズユニット9の対物レンズ21は、当該対物レンズ21の下側からBD用光ビームLbが平行光として入射されると、当該BD用光ビームLbを収束光に変換し、BD方式ディスク100bの信号記録面に合焦させることができる。
しかしながら対物レンズ21は、BD用光ビームLbに最適化されているため、仮にCD用光ビームLc又はDVD用光ビームLdが対物レンズ21の下側から平行光として入射された場合、収束光に変換することはできるものの、収差が発生してしまうため光ディスク100の信号記録層に正しく合焦させることができない。
そこで対物レンズユニット9は、回折素子20によりCD用光ビームLc又はDVD用光ビームLdのみを選択的に回折させ非平行光として対物レンズ21に入射させると共に、BD用光ビームLbを平行光のまま当該対物レンズ21に入射させるようになされている。
具体的に回折素子20は、CD用光ビームLcを回折すると共にDVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbを回折しないようなホログラムでなるCD用回折格子DGcが上層部20Aに形成されており、図4に示したように、当該CD用回折格子DGcによってCD用光ビームLcをやや外方へ回折させるようになされている。
すなわち回折素子20の上層部20Aは、DVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbをそのまま透過させてCD用光ビームLcのみを選択的に回折させることができ、換言すれば、CD用光ビームLcの収差のみを補正するレンズとして機能することになる。
これに応じて対物レンズ21は、図4に示したように、回折素子20から入射されるCD用光ビームLcをその下面及び上面においてそれぞれ屈折させ、収束光に変換する。この結果、対物レンズユニット9は、CD用光ビームLcの収差を補正することができ、対物レンズ21から照射するCD用光ビームLcをCD方式ディスク100cの信号記録面に合焦させることができる。
また回折素子20は、DVD用光ビームLdを回折すると共にCD用光ビームLc及びBD用光ビームLbを回折しないようなホログラムでなるDVD用回折格子DGdが下層部20Bに形成されており、図4に示したように、当該DVD用回折格子DGdによってDVD用光ビームLdをわずかに外方へ回折させるようになされている。
すなわち回折素子20の下層部20Bは、CD用光ビームLc及びBD用光ビームLbをそのまま透過させ、DVD用光ビームLdのみを選択的に回折させることができ、換言すれば、DVD用光ビームLdの収差のみを補正するレンズとして機能することになる。
これに応じて対物レンズ21は、図4に示したように、回折素子20から入射されるDVD用光ビームLdをその下面及び上面においてそれぞれ屈折させ、収束光に変換する。この結果、対物レンズユニット9は、DVD用光ビームLdの収差を補正することができ、対物レンズ21から照射するDVD用光ビームLdをDVD方式ディスク100dの信号記録面に合焦させることができる。
このように対物レンズユニット9は、回折素子20の上層部20AによりCD用光ビームLcのみを回折させて収差を補正し、また回折素子20の下層部20BによりDVD用光ビームLdのみを回折させて収差を補正することにより、BD用光ビームLbに最適化された対物レンズ21から照射するCD用光ビームLc、DVD用光ビームLd及びBD用光ビームLbを、CD方式ディスク100c、DVD方式ディスク100d、及びBD方式ディスク100bの信号記録面にそれぞれ合焦させ得るようになされている。
(1−4)回折素子の構成
回折素子20は、図5(A)に示すように、全体的に扁平な円盤状に形成されたベース層20Cを中心に構成されており、上述したように上層部20AにCD用回折格子DGcが形成され、また下層部20BにDVD用回折格子DGdが形成されている。
ベース層20Cは、所定の屈折率を有する透明な樹脂材料でなり、屈折率の異なる他の物質や空気との境界面において、光ビームを屈折させるようになされている。なお、ベース層20Cを形成するベース材料RBは、シクロオレフィン系樹脂であり、そのガラス転移点TgBが168[℃]でなる。
上層部20Aは、図5(B)に部分拡大断面図を示すように、ベース層20Cの上面に階段状でなるCD用回折パターンPTcが周期的に形成されており、その上側に透明な樹脂材料でなるカバー層20Dが接合されている。
CD用回折パターンPTcは、3段の階段状に形成されており、全体の高さ、すなわち1段目と3段目との距離は約12[μm]とされ、またCD用回折パターンPTcごとの周期は約18[μm]とされている。またCD用回折パターンPTcは、図3に示したように、回折素子20の上面における、中心から外径の半分程度までの範囲に同心円状に形成されている。
カバー層20Dは、ベース層20Cと異なる屈折率を有する透明な材料によって構成されており、その下面がCD用回折パターンPTcと隙間無く接合するように形成されると共に、その上面が平面状に形成されている。なお、このカバー層20Dを形成するカバー材料RAは、アクリル系の紫外線硬化型樹脂であり、硬化後のガラス転移点TgAが88[℃]でなる。
このように回折素子20の上層部20Aは、ベース層20Cの上面に階段状でなるCD用回折パターンPTcが周期的に形成され、その上側に当該ベース層20Cと異なる屈折率を有するカバー層20Dが接合されており、これにより光ビームをその波長に応じて回折又は透過させ、結果的にCD用光ビームLcのみを回折させるCD用回折格子DGcとして機能するようになされている。
ここで、図5のCD用回折パターンPTcを模式的に示した図6のように、一般的な階段状の回折パターンPTにおいては、通過する光ビームをその波長λに応じて透過(以下、これを0次回折と呼ぶ)又は回折(以下、これを一次回折と呼ぶ)させる。次に、光ビームがこの回折パターンPTを通過するときの光路について、着目領域AR1に着目して説明する。
着目領域AR1を光ビームL1が通過する場合、当該光ビームL1は屈折率nAでなる材料M1内を通過するため、当該着目領域AR1における光路、すなわち階段1段分の光路は(nA×Dd)となる。同様に、着目領域AR1を光ビームL2が通過する場合、当該光ビームL2は屈折率nBでなる材料M2内を通過するため、当該着目領域AR1における光路、すなわち階段1段分の光路は(nB×Dd)となる。
ここで、(1)式に示すように、光ビームL1及びL2の光路差が波長λの整数S倍で表されるとき、回折が生じないため、当該光ビームL1及びL2を最も高い0次回折効率EF0で0次回折させる。
Figure 2007273012
この(1)式を変形することにより、次式に示すように、0次回折の回折効率EF0が最大となる段差Ddである0次回折段差Dd0が表され、レーザ光の波長λ及び任意の整数Sの積を、回折パターンPTに接合された領域である材料M1の屈折率nAから当該回折パターンPTを形成する材料M2の屈折率nBの差分(以下、これを屈折率差分(nA−nB)と呼ぶ)で除算した値になる。
Figure 2007273012
回折素子20の上層部20A(図5)では、回折パターンPTと接合された領域がカバー材料RA、回折パターンPTがベース材料RBによってそれぞれ形成されていることから、以下、屈折率nAをカバー材料RAのカバー材屈折率nAとし、屈折率nBをベース材料RBのベース材屈折率nBとして説明する。
ここで、CD波長λcがBD波長λbのほぼ整数倍(2倍)でなることから、屈折率差分(nA−nB)の値が一定であった場合、CD用光ビームLcの0次回折段差Dd0の値がBD用光ビームLb0の0次回折段差Dd0の値とほぼ一致してしまう。このため、BD用光ビームLBを透過させる0次回折段差Dd0の値がCD用回折パターンPTcにおける設定段差d(図5)として設定されると、CD用光ビームLcをも回折させることなく透過させてしまうことになる。
そこで、図7(A)に示すように、上層部20Aでは、カバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBがそれぞれ相違するようにカバー材料RA及びベース材料RBが選定されていると共に、カバー材料RAとして光ビームの波長に対する屈折率nの分散性(以下、これを屈折率波長分散性と呼ぶ)が高い材料が選定され、かつベース材料RBとして屈折率波長分散性の低い材料が選定されている。
これにより、上層部20Aは、CD波長λcについての屈折率差分(nA−nB)と、BD波長λbについての屈折率差分(nA−nB)とを相違させて(2)式における分母の値を変化させることにより、CD用光ビームLcの0次回折段差Ddの値と、BD用光ビームLbの0次回折段差Ddの値をずらすことができる。
実際上、図7(B)に示すように、上層部20Aでは、CD用光ビームLcを回折させてBD用光ビームLbを透過させるような屈折率差分(nA−nB)になるように、カバー材料RA及びベース材料RBが選定されている。
そして、上層部20Aでは、BD用光ビームLb及びDVD用光ビームLdを0次回折させる0次回折効率EF0がほぼ最大となり、かつCD用光ビームLcを一次回折させる一次回折効率EF1がほぼ最大となるときの最大効率段差値が算出されると共に、この最大効率段差値が設定段差d(図5)として選定されている。
ところで、一般的な樹脂材料は、その温度変化に応じて屈折率が変化する、いわゆる屈折率温度依存性を有している。この温度変化に応じて屈折率差分(nA−nB)が変化した場合、0次の回折効率EF0が最大となる0次回折段差Dd0((2)式)の値がシフトする。
これに伴って回折効率EF(CD用光ビームLcの1次回折効率EF1、並びにBD用光ビームLb及びDVD用光ビームLdの0次回折効率EF0)が最大値をとる最大効率段差値が設定段差dからずれてしまうため、各使用波長λにおける回折効率EFの値が最大効率段差値で設定された回折効率EFの値よりも低下してしまう。
本発明における上層部20Aは、温度変化に対する屈折率差分(nA−nB)をほぼ一定にすることにより、回折効率EFの低下を防止するようになされている。
具体的に、上層部20Aは、温度と屈折率nの関係を表す図8に示すように、各使用波長λにおいて温度変化に対するカバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBの値が直線的に変化すると共に、その変化率がほぼ同一になるような2種類の樹脂材料がカバー材料RA及びベース材料RBとしてそれぞれ選定されている。
すなわち以下の(3)式に示すように、屈折率差分(nA−nB)は、温度をtとしたときのカバー材屈折率nAを表すnA(t)から、ベース材屈折率nBを表すnB(t)を引いたときの差分値として表され、このときの値が殆ど変動しないようにカバー材料RA及びベース材料RBが選定されている。
Figure 2007273012
この(3)式において、ある温度をTとし、T[℃]から+t[℃]だけ変化したときのカバー材屈折率nAの変化量をΔnA(+t)、ベース材屈折率nBの変化量をΔnB(+t)で表した場合、屈折率差分(nA−nB)は以下の(4)式で表される。
Figure 2007273012
(4)式を書き換えると、以下に示す(5)式になる。
Figure 2007273012
この(5)式では、カバー材屈折率nAの変化量ΔnA(+t)及びベース材屈折率nBの変化量ΔnB(+t)が同一となって相殺されるとき、屈折率差分(nA−nB)の変化量ΔABがほぼゼロとなり、温度T[℃]のときと、温度T[℃]から+t[℃]だけ変化したときの屈折率差分(nA−nB)が同一となることを表している。
実際上、図9に示すように、カバー材料RA及びベース材料RBとして、25[℃]及び75[℃]の屈折率差分(nA−nB)の値がBD波長λbでそれぞれ0.1506及び0.1507、DVD波長λdで0.1226及び0.1230、CD波長λcで0.1160及び0.1158といずれも同等となる樹脂材料が選定されている。
上述したように、カバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBが温度変化に対して直線的に変化することから、25[℃]及び75[℃]の屈折率差分(nA−nB)の値が同等であることは、この25[℃]及び75[℃]の温度範囲におけるカバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBの変化率がほぼ同一であることを表しており、この温度範囲において屈折率差分(nA−nB)を殆ど変化させないため、回折効率EFの低下が生じない。
図10に示すように、25[℃]及び75[℃]における上層部20Aの実際の回折効率EFは、いずれの使用波長λにおいても変化がみられず、温度変化による影響を殆ど受けていないことがわかる。
このように25[℃]及び75[℃]におけるカバー材屈折率nAとベース材屈折率nBの変化量を同等にしたことにより、温度変化に拘らず回折効率EFをほぼ一定にすることができる。
なお、図示しないが、上層部20Aは、−40[℃]から25[℃]の範囲においてもカバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBの変化率が25[℃]から75[℃]のときとほぼ同一であり、−40[℃]から75[℃]に変化したときの屈折率差分(nA−nB)の変化量ΔABがほぼゼロになるようにカバー材料RA及びベース材料RBがそれぞれ選定されている。
さらに、この上層部20Aを有する回折素子20は、通常−40[℃]から75[℃]で使用されることが想定されている。従って、カバー材料RA及びベース材料RBは、−40[℃]から75[℃]における屈折率差分(nA−nB)の変化量ΔABが、以下の(6)式に示すようにその絶対値がほぼゼロ、具体的には0.0005未満になることが望ましい。
Figure 2007273012
この屈折率差分(nA−nB)の変化量ΔABが(6)式を満たすことにより、図11に示すように、回折効率EFの変化量における最大値となる回折効率最大変化量EFmaxを全ての使用波長λにおいて0.3%以下に抑えることができ、−40[℃]から75[℃]の範囲において使用上問題を生じさせないようにできる。
なお、本実施の形態におけるガラス転移点Tg及びTgは、DMS(Dynamic Mechanical Spectrometer)法により、昇温速度2[℃/min]、測定範囲40〜200[℃]、試料寸法10×20×0.5[mm]、荷重10[g]、振動数1[Hz]、引張モードで測定されたものである。
(3)動作及び効果
以上の構成において、所定の回折パターンであるCD用回折パターンPTcを有するベース層20Cと、上記ベース層20Cを覆うカバー層20Dとを有し、一の温度である−40[℃]から他の温度である75[℃]まで変化したときの、当該カバー材料RAにおけるカバー材屈折率nAの変化量及び当該ベース材料RBにおけるベース材屈折率nBの変化量がほぼ同一になるように、カバー材料RA及びベース材料RBが選定されるようにした。
これにより、温度変化に対するカバー材屈折率nAの変化量及びベース材屈折率nAの変化量が互いにキャンセルされるため、温度変化に拘らず、カバー材屈折率nAからベース材屈折率nBを引いた屈折率差分(nA−nB)をほぼ一定にできる。この結果、上層部20Aでは、CD用光ビームLcの1次回折効率EF1と、BD用光ビームLb及びDVD用光ビームLdの0次回折効率EF0との3つの回折効率EFが最大になるときの段差Ddの値である最大効率段差値を温度によって変動させないようにしてCD用回折パターンPTcの設定段差dからずらさないため、回折効率EFを設定された値から変化させることなく、ほぼ一定にできる。
また、上層部20Aでは、−40[℃]から75[℃]に変化したときのカバー材屈折率nAの変化量とベース材屈折率nBの変化量とがほぼ同一になるようにカバー材料RA及びベース材料RBが選定されているため、温度変化に対して直線的に変化するカバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBの変化率を、使用されると想定された−40[℃]から75[℃]の温度範囲内において常に同等にでき、実際に回折素子20が使用される温度範囲における屈折率差分(nA−nB)をほぼ一定にできる。
また、階段状の回折パターンでは、(7)式に示す一般式によって回折効率EFが算出される。
Figure 2007273012
(7)式において、f(x)は上層部20Aの形状の関数、mは回折次数であり、設定段差d及び波長λを含めて、いずれの値も温度変化によって変化しない値であることから、温度が変化したときの回折効率EFの変化量は、(nA(t)−nB(t))によって決定される。
従って、(3)式に示したように(nA(t)−nB(t))として表される屈折率差分(nA−nB)が殆ど変化しないようにカバー材料RA及びベース材料RBが選定されていることにより、回折効率EFをほぼ一定の値にすることができる。
ところで、光学部品として使用される一般的な樹脂材料は、ガラス転移点の10℃程度低い温度から分子鎖の熱運動が活発化し、樹脂材料の体積や弾性率などの物理的性質が大きく変化し始め、これに伴って温度変化に対する屈折率nの変化率も変化することが知られている。
上層部20Aにおいては、カバー材料RAのガラス転移点Tgが88[℃]、及びベース材料RBのガラス転移点Tgが168[℃]であり、カバー材料RA及びベース材料RBとして使用されると想定された最高温度である75[℃]より10℃以上高い85[℃]以上のガラス転移点Tgを有する樹脂が選定されている。
これにより、上層部20Aは、所定の温度範囲である使用されると想定された温度範囲内(−40[℃]〜75[℃])における上層部20Aの変形などを確実に防止できると共に、温度変化に対する屈折率の変化量を大きくすることがなく、当該使用されると想定された温度範囲内における回折効率EFを安定させることができる。
以上の構成によれば、回折素子20における上層部20Aは、使用温度範囲内におけるカバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBの変化率がほぼ同一になるようにカバー材料RA及びベース材料RBが選定されているため、当該使用温度範囲内における温度変化に対して、カバー材屈折率nAの変化量及びベース材屈折率nBの変化量を相殺することができ、カバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBを引いた屈折率差分(nA−nB)をほぼ一定にでき、かくして使用温度に拘らず、回折効率EFを変化させない。
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、上層部20AがCD用光ビームLcを回折し、BD用光ビームLb及びDVD用光ビームLdを透過させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1つの波長λでなる光ビームを回折させると共に、少なくとも1つの他の波長λでなる光ビームを回折させれば良く、その組み合わせや使用波長λには制限されない。
また上述の実施の形態においては、使用することが想定される温度の範囲が−40[℃]〜75[℃]であるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その温度範囲については制限されず、要するにガラス転移点Tg及びTgより約10[℃]以上低く、カバー材屈折率nA及びベース材屈折率nBが温度変化に対して直線的に変化する温度範囲から任意の範囲を自由に選択し、この範囲を一の温度から他の温度とすることができる。
さらに上述の実施の形態においては、BD波長λbとCD波長λcとに対する屈折率差分(nA−nB)を変化させることにより、BD用光ビームLbの屈折率差分(nA−nB)と、BD用光ビームLbのほぼ整数倍でなるCD用光ビームLcの屈折率差分(nA−nB)を変化させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2つの波長が整数倍になっていなくても良く、回折効率EFの調整のために当該2つの波長の屈折率差分(nA−nB)を変化させることができる。
さらに上述の実施の形態においては、BD波長λbとCD波長λcとに対する屈折率差分(nA−nB)を変化させるため、ベース層20CのCD用回折パターンPTcをカバー層20Dで覆うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ベース層20Dの温度変化依存性を補償するだけのためにカバー層20Dを設けるようにしても良い。この場合、ベース材料RAの屈折率波長分散性と、カバー材料RBの屈折率波長分散性に制限はなく、同等のものを使用しても良く、また、異なるものを使用しても良い。
さらに上述の実施の形態においては、カバー材料RAとして紫外線硬化型樹脂を使用し、ベース材料RBとして熱可塑性樹脂を使用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化型樹脂のうち、いずれか2種類を選択するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、カバー材料RAとしてアクリル系樹脂を使用し、ベース材料RBとしてシクロオレフィン系樹脂を使用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の樹脂材料を使用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、カバー材料RAのガラス転移点Tg及びベース材料RBのガラス転移点Tgが共に85[℃]以上であるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、硬化方法や分子量分布などにより、ガラス転移点Tgが85[℃]以下でも変形しにくい材料などを使用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、カバー層20BがCD用回折パターンPTcを覆って平面を形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばカバー層20Bの表面に所定の機能を有する凹凸のあるパターンを設けるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、光ピックアップが、BD、DVD及びCDの3方式に対応するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2方式以上に対応すれば良く、さらにHD(High Definition)など他の方式の光ディスクに対応するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、第1の樹脂材料であるベース材料RBでなるベース部としてのベース層20Cと、第2の樹脂材料であるカバー材料RAでなるカバー部としてのカバー層20Dとによって回折素子としての回折素子20を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるベース部と、カバー部とによって本発明の回折素子20を構成するようにしても良い。
本発明の回折素子、対物レンズユニット、光ピックアップ及び光ディスク装置は、例えば各種電子機器に搭載される光ディスクドライブに利用することができる。
光ディスク装置の全体構成を示す略線図である。 光ピックアップの構成を示す略線図である。 対物レンズユニットの構成を示す略線図である。 対物レンズユニット内の光路を示す略線図である。 回折素子の構成を示す略線図である。 回折格子の光路差の説明に供する略線図である。 各波長における屈折率を示す略線図である。 屈折率温度依存性の説明に供する略線図である。 温度に対する屈折率差分を示すテーブルである。 回折効率の温度変化を示すテーブルである。 回折効率の変化量を示すテーブルである。
符号の説明
1……光ディスク装置、2……制御部、3……駆動部、4……信号処理部、7……光ピックアップ、9……対物レンズユニット、11……レーザダイオード、19……鏡筒部、20……回折素子、20A……上層部、20B……下層部、20C……ベース層、20D……カバー層、21……対物レンズ、DGc……CD用回折素子、DGd……DVD用回折素子、Lb……BD用光ビーム、Ld……DVD用光ビーム、Lc……CD用光ビーム、RA……カバー材料、RB……ベース材料、nA……カバー屈折率、nB……ベース屈折率、nA−nB……屈折率差分、d……設定段差。

Claims (12)

  1. 入射される光ビームの波長に応じて当該光ビームを回折させる回折素子であって、
    第1の樹脂材料でなり、所定の回折パターンを有するベース部と、
    第2の樹脂材料でなり、上記回折パターンを覆うカバー部と
    を具え、
    上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    一の温度から他の温度に変化したときの上記第1の樹脂材料における屈折率の変化量と、上記一の温度から上記他の温度に変化したときの上記第2の樹脂材料における屈折率の変化量とがほぼ同一である
    ことを特徴とする回折素子。
  2. 上記一の温度は、
    −40[℃]であり、
    上記他の温度は、
    75[℃]である
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  3. −40[℃]から75[℃]へ変化したときの上記第1の屈折率の変化量と、−40[℃]から75[℃]へ変化したときの上記第2の屈折率の変化量との差分が±0.0005未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  4. 上記回折素子は、
    複数の波長でなる上記光ビームが入射され、
    上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    入射される複数の波長の上記光ビームに対する一の温度から他の温度に変化したときの上記第1の樹脂材料における屈折率の変化量と、入射される複数の波長の上記光ビームに対する上記一の温度から上記他の温度に変化したときの上記第2の樹脂材料における屈折率の変化量とがほぼ同一である
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  5. 上記回折素子は、
    上記光ビームのうち、第1の波長でなる光ビームを回折させ、
    上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    上記第1の波長でなる光ビームに対する上記第1の樹脂材料の屈折率から上記第2の樹脂材料の屈折率を引いた屈折率差分が、上記光ビームのうち、第2の波長でなる光ビームに対する屈折率差分と異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  6. 上記第1の波長は、
    上記第2の波長のほぼ整数倍である
    ことを特徴とする請求項5に記載の回折素子。
  7. 上記第1の樹脂材料のガラス転移点及び上記第2の樹脂材料のガラス転移点が、
    85[℃]以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  8. 上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化型樹脂のうち、いずれか2種類でなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  9. 上記第1の樹脂材料は、
    紫外線硬化型樹脂でなり、
    上記第2の樹脂材料は、
    熱可塑性樹脂でなる
    ことを特徴とする請求項7に記載の回折素子。
  10. 光源から発射される光ビームを集光して光ディスクに照射する対物レンズユニットであって、
    第1の樹脂材料でなり、所定の回折パターンを有するベース部と、第2の樹脂材料でなり、上記回折パターンを覆うカバー部とを有し、入射された上記光ビームの波長に応じて当該光ビームを回折させて上記対物レンズに入射する回折素子と、
    上記回折素子と一体に構成され、上記回折素子から入射される光ビームを集光して光ディスクに照射する対物レンズと
    を具え、
    上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    一の温度から他の温度に変化したときの上記第1の樹脂材料における屈折率の変化量と、上記一の温度から上記他の温度に変化したときの上記第2の樹脂材料における屈折率の変化量とがほぼ同一である
    ことを特徴とする対物レンズユニット。
  11. 光ビームを発射する光源と、
    上記光ビームを集光して光ディスクに照射する対物レンズと、
    第1の樹脂材料でなり、所定の回折パターンを有するベース部と、第2の樹脂材料でなり、上記回折パターンを覆うカバー部とを有し、入射された上記光ビームの波長に応じて当該光ビームを回折させて上記対物レンズに入射する回折素子と、
    を具え、
    上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    一の温度から他の温度に変化したときの上記第1の樹脂材料における屈折率の変化量と、上記一の温度から上記他の温度に変化したときの上記第2の樹脂材料における屈折率の変化量とがほぼ同一である
    ことを特徴とする光ピックアップ。
  12. 光ビームを発射する光源と、
    上記光ビームを集光して光ディスクに照射する対物レンズと、
    第1の樹脂材料でなり、所定の回折パターンを有するベース部と、第2の樹脂材料でなり、上記回折パターンを覆うカバー部とを有し、入射された上記光ビームの波長に応じて当該光ビームを回折させて上記対物レンズに入射する回折素子と、
    上記対物レンズを上記光ディスクの所望のトラックに追従させるよう駆動する駆動部と
    を具え、
    上記第1の樹脂材料及び上記第2の樹脂材料は、
    一の温度から他の温度に変化したときの上記第1の樹脂材料における屈折率の変化量と、上記一の温度から上記他の温度に変化したときの上記第2の樹脂材料における屈折率の変化量とがほぼ同一である
    ことを特徴とする光ディスク装置。
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