JP2007281150A - 処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要な付着膜が堆積することを阻止することにより、クリーニング処理の回数を大幅に減少させてスループットを向上させるようにした処理装置を提供する。
【解決手段】真空引き可能になされた処理容器4内で被処理体Wに対して所定の処理を施す処理装置において、前記処理容器の内壁の表面及び/又は前記処理容器の内部構造物の表面にSAM(Self assembled monolayer)膜よりなる膜付着防止層54A〜54Hを形成する。これにより、不要な付着膜が堆積することを阻止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウエハ等の被処理体に対して成膜処理等の所定の熱処理を施す処理装置に関する。
一般に、半導体集積回路の製造工程においては、被処理体である半導体ウエハに対して、成膜処理、酸化拡散処理、アニール処理、改質処理、エッチング処理等の各種の熱処理が繰り返し施されて、所望する集積回路が形成される。例えば、成膜処理を例にとって説明すると、特許文献1に開示されているように、アルミニウム等により筒体状に成形された処理容器内には、例えばアルミ化合物により成形された載置台が設けられており、この載置台自体を抵抗加熱ヒータ等によって加熱し、この上に配置されている半導体ウエハを所定の温度に間接的に加熱維持する。これと同時に、載置台の上方に設けたシャワーヘッドからはプロセスガスとして所定の成膜ガスを供給し、ウエハ表面上に金属膜、絶縁膜等の薄膜が形成されることになる。
この場合、上記各種の膜は目的とするウエハ表面のみならず、容器内壁面や処理容器の内部構造物、例えばシャワーヘッド表面或いはクランプリングなどのウエハ近傍の部材にも不要な付着膜として堆積することとなるが、この不要な付着膜は剥離するとパーティクルとなってウエハの歩留まりの低下の原因となる。そのため、ウエハ所定枚数、例えば25枚処理する毎に、腐食性のガスであるクリーニングガスとして例えばClFやNF を流して内部構造物の表面に付着し た上記不要な付着膜を除去することが行なわれている。
ところで最近にあっては、上述したようなクリーニングガスでは容易に除去できないような、或いは除去するのが非常に困難な膜種が提案されている。このような膜種の一例として、例えばゲート絶縁膜として良好な電気特性を有する高誘電体薄膜(high−k誘電体膜)が提案されている。このような高誘電体薄膜としては、例えばHfO、HfSiO、ZrO、ZrSiO、PZT、BST等が知られている。
この種のドライクリーニングが困難な薄膜を形成する処理装置にあっては、特許文献2にも開示されているように処理容器の内壁面等を覆うようにして予め石英製の保護カバー部材を着脱可能に設け、ある程度の枚数のウエハに対して成膜処理を行ったならば、上記した石英製の保護カバー部材を処理容器内から取り出し、この保護カバー部材の内壁面等に付着したドライクリーニングでは除去が困難な不要な付着膜を強力なクリーニング液で、すなわちウェットクリーニングで除去するようにしていた。
特開2004−193396号公報 特開2004−288900号公報
ところで、上述したように、石英製の保護カバー部材の表面に堆積した不要な付着膜をウェットクリーニングで除去するようにした方法では、クリーニング処理を行う毎に処理容器内を大気開放しなければならないので、その都度、長時間の装置の稼働停止を余儀なくされ、この結果、スループットを大幅に低下させるのみならず、メンテナンスコストが大幅に高騰する、といった問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、処理容器の内壁の表面や内部構造物の表面に膜付着防止層を予め形成して、不要な付着膜が堆積することを阻止することにより、クリーニング処理の回数を大幅に減少させてスループットを向上させるようにした処理装置を提供することにある。
本発明者は、半導体ウエハ等の処理装置において膜付着防止対策について鋭意研究した結果、ZnO膜等の選択エピタキシ成膜方法等において用いられるSAM(Self Assembled Monolayer)膜(以下、単に「SAM膜」とも称す)を部材の表面全体に形成することにより、不要な付着膜が堆積することを抑制することができる、という知見を得ることにより本発明に至ったものである。
請求項1に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器内で被処理体に対して所定の処理を施す処理装置において、前記処理容器の内壁の表面及び/又は前記処理容器の内部構造物の表面にSAM(Self assembled monolayer)膜よりなる膜付着防止層を形成するようにしたことを特徴とする処理装置である。
このように、処理容器の内壁の表面及び/又は処理容器の内部構造物の表面にSAM膜よりなる膜付着防止層を形成するようにしたので、不要な付着膜が堆積することを阻止することができ、よってクリーニング処理の回数を大幅に減少させてスループットを向上させることができる。
また、不要な付着膜の堆積を阻止することができることから、装置自体のメンテナンスコストも大幅に削減することができる。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記処理装置は、前記被処理体を1枚ずつ処理する枚葉式である。
また例えば請求項3に規定するように、前記内部構造物は、石英により形成されている。
また例えば請求項4に規定するように、前記内部構造物の最上層は、その表面に前記膜付着防止層が形成された石英製の保護カバー部材により覆われている。
また例えば請求項5に規定するように、前記内部構造物は、前記被処理体を載置する載置台である。
また例えば請求項6に規定するように、前記内部構造物は、前記載置台の周縁部に設けられるガードリングである。
また例えば請求項7に規定するように、前記内部構造物は、前記処理容器内へ必要なガスを供給するシャワーヘッド部である。
また例えば請求項8に規定するように、前記内部構造物は、前記被処理体を搬出入する際に前記載置台に対して相対的に昇降されるリフタピン機構である。
また例えば請求項9に規定するように、前記内部構造物は、前記処理容器の内壁の内側に前記載置台を囲むようにして設けた内部容器部材である。
また例えば請求項10に規定するように、前記内部構造物は、前記載置台上に載置された前記被処理体の周縁部を押さえ付けるためのクランプリングである。
また例えば請求項11に規定するように、前記内部構造物は、前記載置台の外周側に設けられるリング状のアタッチメント部材である。
また例えば請求項12に規定するように、前記内部構造物は、前記載置台と前記処理容器の内壁との間に設けられる整流板である。
また例えば請求項13に規定するように、前記処理装置は、前記被処理体を一度に複数枚処理するバッチ式の処理装置である。
この場合、例えば請求項14に規定するように、前記処理容器は、石英により縦型の筒体状に成形されている。
また例えば請求項15に規定するように、前記内部構造物は、前記被処理体を多段に保持する石英製のウエハボートである。
また例えば請求項16に規定するように、前記SAM膜は、OTS(Octadecyl−Trichloro−Silane)、DTS(Dococyl−Trichlor−Silane)、APTS(3−aminoproyl−triethoxy−silane)の内のいずれかを用いて形成される。
また例えば請求項17に規定するように、前記所定の処理は、成膜処理、エッチング処理、スパッタ処理の内のいずれか1つである。
本発明に係る処理装置によれば、処理容器の内壁の表面及び/又は処理容器の内部構造物の表面にSAM膜よりなる膜付着防止層を形成するようにしたので、不要な付着膜が堆積することを阻止することができ、よってクリーニング処理の回数を大幅に減少させてスループットを向上させることができる。
また、不要な付着膜の堆積を阻止することができることから、装置自体のメンテナンスコストも大幅に削減することができる。
以下に、本発明に係る処理装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
<第1実施例>
図1は本発明に係る処理装置の第1実施例を示す断面図、図2は第1実施例の処理容器内を示す概略平面図、図3はSAM膜の作用を説明するための作用説明図、図4はSAM膜の構造式の一例を示す図、図5はSAM膜の形成方法を示すフローチャートである。
本発明の特徴は、処理容器の内壁の表面や内部構造物の表面にSAM膜よりなる膜付着防止層を形成してこれに不要な付着膜が堆積することを防止するようにした点にある。
まず、図1及び図2に示すように、この枚葉式の処理装置2は、例えばアルミニウム合金等により成形された処理容器4を有している。この処理容器4は、上方が開放されて、この開放部分に、例えばアルミニウム合金等よりなる天井蓋6がOリング等のシール部材8を介して気密に着脱可能に取り付けられている。この処理容器4の中央部には、被処理体である半導体ウエハWを搬出入させるために凹部状に窪ませて形成した搬出入室10が形成されている。そして、この処理容器4内の中央部には、上面に半導体ウエハWを載置して保持するための例えばセラミック材やアルミニウム合金等よりなる載置台12が設けられており、この載置台12と上記天井蓋6との間に処理空間Sを形成している。上記載置台12内には、加熱手段として例えば抵抗加熱ヒータ14が埋め込まれており、上記ウエハWを加熱し得るようになっている。またこの載置台12の周縁部には、例えば石英よりなる断面L字状になされたリング状のガイドリング13が装着されている。
また載置台12の裏面の中心部には、下方に延びる例えばセラミック材やアルミニウム合金等よりなる支柱16が接続されて載置台12を支持するようになっている。この支柱16の下部は、搬出入室10の底部を貫通しており、この支柱16の下端部は図示しない昇降機構に連結されて、上記載置台12を支柱16と共に昇降できるようになっている。上記支柱16の貫通部と支柱16との間には、伸縮可能になされたベローズ18が設けられており、上記処理容器4内の気密性を維持したまま上記載置台12の昇降移動を許容するようになっている。これにより載置台12は後述するリフトピン26に対して相対的に上下移動できるようになっている。また上記ベローズ18と支柱16との接続は軸受部20により行われ、この軸受部20には、処理容器4内の気密性を維持しつつこの支柱16の回転を許容するために磁性流体シール22が設けられている。
また上記搬出入室10を区画する側壁には、ウエハWを搬出入する際に開閉されるゲートバルブ24が設けられると共に、この搬出入室10を区画する底部には、リフトピン機構として例えば石英よりなる、例えば3本(図示例では2本のみ記す)のリフトピン26が起立させて設けられている。そして、上記載置台12には、上記リフトピン26を挿入するピン孔28が設けられており、上記載置台12が降下して上記リフトピン26の上端でウエハWを持ち上げた状態で上記開放されたゲートバルブ24より図示しない搬送アームを挿脱することにより、リフトピン26との間でウエハWの受け渡しを行うようになっている。
また上記処理空間Sの両側には、この処理空間Sに必要なガスを導入するためのガス供給手段30が設けられる。具体的には、このガス供給手段30は、処理空間Sの幅方向に延びる例えば石英管よりなるガス噴射管32を有している。このガス噴射管32には複数のガス噴射孔34が設けられると共に、外部から上記ガス噴射管32に接続されるガス流路36内を流量制御されつつ流れてくるガスを、上記ガス噴射孔34より水平方向に向けて所定のガスを噴射するようになっている。
また上記処理空間Sを区画する底部の両側には、その幅方向に延びる排気溝38が形成されると共に、この排気溝38は排気口40に連通されている。この排気口40は、図示しない真空ポンプや圧力制御弁を有する排気装置に接続され、処理容器4内を真空引きできるようになっている。
そして、上記処理空間Sには、この処理容器4の内壁の内側に沿って、上記載置台12を囲むようにして内側容器部材42が設けられている。具体的には、この内側容器部材42は、全体が例えば所定の厚さの石英板よりなり、処理空間Sの底部を覆う底板44と、処理容器4の側面及び天井蓋6の下面を覆う蓋部46とにより構成されており、共に天井蓋6を取り外した後に、処理容器4内へ着脱可能になされている。
また同様に、搬出入室10を区画する容器の内壁面、すなわち側面及び底面にも所定の厚さの石英板よりなる保護カバー部材48が略全面に亘って取り付けられている。
また更に、上記載置台12の全体表面、排気溝38の内面全体及び支柱16の全体表面も所定の厚さの石英板よりなる保護カバー部材50、保護カバー部材51及び保護カバー部材52によりそれぞれ覆われている。
そして、上述のように構成された処理容器4内の構成において、ここでは全体が石英で形成された内部構造物及び最上層が石英製の保護カバー部材により覆われた内部構造物の全てが、その石英の表面に本発明の特徴とするSAM膜よりなる膜付着防止層54が形成されている。尚、このSAM膜の形成方法については後述する。具体的には、ここでは上記内部構造物としては、石英製の底板44及び石英製の蓋部46よりなる内側容器部材42、石英製のガイドリング13、石英製のリフトピン26、石英製のガス噴射管32、搬出入室10を区画する区画壁に設けた石英製の保護カバー部材48、石英製の保護カバー部材50で覆った載置台12、排気溝38の内面に設けた石英製の保護カバー部材51、石英製の保護カバー部材52で覆った支柱16が対応する。尚、これらの内部構造物は単に一例を挙げただけであり、その部材全体を石英で形成したり、或いは表面に石英製の保護カバー部材で覆った部材は全て内部構造物に対応するものである。
そして、上記した各石英製の部材の表面及び石英製の保護カバー部材の表面に厚さが50Å程度のSAM膜よりなる膜付着防止層がそれぞれ形成されることになる。具体的には、内側容器部材42の表面には膜付着防止層54Aが、ガイドリング13の表面には膜付着防止層54Bが、リフトピン26の表面には膜付着防止層54Cが、ガス噴射管32の表面には膜付着防止層54Dが、搬出入室10を区画する保護カバー部材48の表面には膜付着防止層54Eが、載置台12を覆う保護カバー部材50の表面には膜付着防止層54Fが、支柱16を覆う保護カバー部材52の表面には膜付着防止層54Gが、排気溝38内の保護カバー部材51の表面には膜付着防止層54Hが、それぞれ形成されており、ウエハWの処理時に不要な膜が付着することを防止するようになっている。尚、上記各膜付着防止層は、少なくとも処理空間Sや搬出入室10を臨む面側に設けるようにする。
次に、以上のように構成された処理装置2を用いて行われる処理方法について説明する。ここでは、処理の一例として成膜処理を行う場合を例にとって説明する。
まず、載置台12と支柱16を一体的に下方へ降下させた状態で、開放したゲートバルブ24を介して、屈伸及び上下移動可能になされた図示しない搬送アームにより未処理の半導体ウエハWを搬出入室10内へ搬入し、このウエハWをリフトピン26上に支持させる。
次に、上記搬送アームを退避させてゲートバルブ24を閉じて内部を気密にすると共に、載置台12を上昇させることによって、この上面でウエハWを受け取ってウエハWを載置台12上に載置させる。
そして、載置台12の抵抗加熱ヒータ14によってウエハWを所定のプロセス温度まで昇温すると共に、ガス供給手段30のガス噴射管32の各ガス噴射孔34から所定の成膜用ガスを供給し、これと同時に各排気溝38から処理容器4内の雰囲気を真空引きして所定のプロセス圧力を維持する。そして、このプロセス中は載置台12を回転することによってウエハWを回転させる。これにより、ウエハWの表面には、所定の薄膜が膜厚の均一性が良好な状態で堆積することになる。
この場合、この処理空間Sに面している内側容器部材42の内面やガス噴射管32の表面やガイドリング13の表面、或いは搬出入室10に面している区画壁の表面や支柱16の表面やリフトピン26の表面等には不要な膜が付着膜として堆積する傾向にあるが、本発明においては、これらの表面にSAM膜よりなる膜付着防止層54A〜54Hが形成されているので、上述したような不要な付着膜が付着することを防止することができる。
このような膜付着防止効果は、SiO 膜のような絶縁膜、金属膜、金属窒化膜、金属酸化膜等のようにClF やNF 等のクリーニングガスにより比較的容易に除去することができる膜種に加えて、上記クリーニングガスでは除去が困難なHfO、HfSiO、ZrO、ZrSiO、PZT、BST等の高誘電体薄膜を成膜するする際にも発揮することができる。
このように、処理容器4の内部構造物の表面にSAM膜よりなる膜付着防止層54A〜54Hを形成するようにしたので、不要な付着膜が堆積することを阻止することができ、よってクリーニング処理の回数を大幅に減少させてスループットを向上させることができる。
また、不要な付着膜の堆積を阻止することができることから、装置自体のメンテナンスコストも大幅に削減することができる。
ここで上記した膜付着防止層54A〜54Hを形成するSAM膜が膜付着防止効果を発揮する点について図3及び図4を参照して説明する。このSAM膜の製法や機能は例えば下記の4件の文献に示されている。
<文献1>
「Selective−area atomic layer epitaxy growth of ZnO feature on soft lithography−patterned substrates」 Applied Physics Letters Vol.79 pp.1709−1711(2001),(Yan el al.)
<文献2>
「Templated Site−Selective Deposition of Titanium Dioxide on Self−Assembled Monolayers」 Chemistry of Materials Letters Vol.14 pp.1236−1241(2002),(Masuda et al.)
<文献3>
「In Situ Time−Resolved X−ray Reflectivity Study of Self−Assembly from Solution」 Langmuir pp.5980−5983(1998),(A.G.Richter et al.)
<文献4>
Journal of Vacuum Science and Technology B Vol.21 pp.1773−1776(2003).(Kang et al)
上記文献1においては、シリコン基板のSiO 膜上に”Docosyl−Trichloro−Silane”(以下、単に「DTS」とも称す)によるSAM膜を選択的に形成し、そのシリコン基板上にZnO膜(〜60nm)を原子成長法(Atomic Layer Epitaxy:ALE)にて成膜している点が示されている。この場合、SAM膜が選択的に形成された領域にはZnO膜が形成されず、SAM膜のSiO 膜上にのみZnO膜が形成されていることが示されている。
また文献2には、シリコン基板上のSiO 膜上に”3−aminoproyl−triethoxy−silane”(以下、単に「APTS」とも称す)によるSAM膜を選択的に形成し、そのシリコン基板上を(NH TiF 水溶液中に浸し、H BO を不純物除去剤として用いることでTiO 膜を形成している点が示されている。この場合も同様にSAM膜が選択的に形成された領域にはTiO 膜が形成されず、SAM膜の無いTiO 膜上にのみTiO 膜が形成されていることが示されている。
また文献4には、シリコン基板のSiO 膜上に”Octadecyl−Trichloro−Silane”(以下、単に「OTS」とも称す)によるSAM膜を選択的に形成し、そのシリコン基板上にTiO 膜(〜60nm)を有機金属化学気相成長法(Metal−Organic−Chemical−Vapor−Deposition:MOCVD)にて成膜した点が示されている。この場合にも、SAM膜が選択的に形成された領域にはTiO 膜が成膜されておらず、SAM膜の無いSiO 膜上にのみTiO 膜が形成されている。
上記した点をまとめると、図3(A)に示すようにシリコン基板Siの表面に形成されたSiO 膜(石英)56上にSAM膜58が選択的に存在する場合、このようなシリコン基板Si対して成膜処理を施すと、図3(B)に示すようにSAM膜58上には薄膜が付着せず、SiO 膜(石英)56上にのみ薄膜(ZnOやTiO )60が堆積するような現象が生ずる。ちなみに、上記したSAM膜58の構造式の一例は図4に示されている。
上述のように、SAM膜58を形成した領域には薄膜が堆積しておらず、本発明ではこの現象を利用して、不要な付着膜の形成を阻止している。すなわち、石英部材の表面の全域に上記したSAM膜を形成することにより、この表面に不要な付着膜が堆積することを防止するようにしている。従って、前述したように、SAM膜よりなる各膜付着防止層54A〜54Hの表面には、不要な付着膜が堆積することを防止できることが理解できる。
<SAM膜の形成方法>
ここで図5を参照してSAM膜の形成方法の一例を具体的に説明する。ここでは文献1及び文献3で示された方法を採用する。
まず、石英からなる前述した内部構造物や石英からなる保護カバー部材48〜52である膜付着防止層の形成対象物をSPM薬液(H SO :30%H =70:30)に所定の時間、例えば1時間浸し、その形成対象物の表面に付着するカーボンを除去する(S1)。
次に、この形成対象物を純水でリンスして残留するSPM薬液を十分に除去する(S2)。引き続いてAPM薬液(NH OH:H :H O=1:1:5)に室温で所定の時間、例えば30分間浸し、形成対象物の表面に付着しているパーティクルを除去する(S3)。
次に、この形成対象物を純粋でリンスして残留するAPM薬液を除去する(S4)。
次に、この形成対象物をDHF薬液(HF:H O=1:50)に室温で所定の時間、例えば2分間浸し、石英の表面を”Si−O−H”で終端させる(S5)。
次に、この形成対象物を純粋でリンスして残留するDHF薬液を除去する(S6)。
次に、この形成対象物の表面の水分をドライ窒素で十分に飛ばした後に大気中の水分が抑えられた環境へ運び、このドライ環境下で上記形成対象物を予めヘプタンで希釈されたOTS溶液中に所定の時間、例えば2から4日程度浸す(S7)。上記OTS溶液は、予めドライな環境にてOTS(99%)をヘプタン(Aldrich,99%,anhydrous)で30%に希釈して作製しておく。これにより、OTSの”CH −[CH17−Si−Cl ”の”Cl”が”Si−O−H結合”の”H”と置換することで、上記石英よりなる形成対象物の表面全体にSAM膜が形成されることになる。
この後は石英部材と結合していないOTS溶液をアセトン等の有機溶剤で除去する(S8)。この理由は、この方法で形成した内部構造物を酸化種に水を用いたALD(Atomic Layered Deposition)プロセスに応用した場合、石英と結合していないOTSがALDプロセス中の水分を結合すると、パーティクルの原因となる恐れが存在するからである。そして、この残留OTS溶液の除去を行ったならば、これを乾燥して(S9)、処理を終了する。
ここで表面を保護カバー部材で覆った内部構造物を形成するには、上記SAM膜を形成した保護カバー部材で内部構造物を覆ってもよいし、SAM膜を形成する前の保護カバー部材で内部構造物を予め形成し、この内部構造物全体を上記した各薬液等に浸してSAM膜を形成するようにしてもよい。
またSAM膜を形成するのにOTSを用いた場合を例にとって説明したが、その他に、DTS、APTS等を用いてSAM膜を形成するようにしてもよく、いずれにしてもSAM膜を形成できるのであれば、その形成方法を問わない。
更には、図1に示す装置例にあっては、発明の理解を容易にするために処理空間Sや搬出入室10に面している全ての内部構造物に対してSAM膜よりなる膜付着防止層54A〜54Hを形成した場合を例にとって説明したが、これらの内部構造物の内の少なくとも1つの内部構造物で膜付着防止層を形成するようにすればよい。
また薄膜を形成するための成膜方法としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、原子層成膜法(Atomic Layer Deposition:ALD)、プラズマCVD法、物理気相成長法(Physical Vapor Deposition)、スパッタ成膜法等の全ての成膜方法に用いることができる。特に、マイクロ波を用いたプラズマCVD法では、天板にマイクロ波を透過する石英板を用いたり、ガス供給手段としてガス噴射孔の形成された石英パイプをリング状、或いは格子状に組み合わせたシャワーヘッド部を用いる場合があるが、これらの石英板や石英パイプの表面にも上記したSAM膜よりなる膜付着防止層を形成することができる。
また本発明は、上記した成膜プロセスの処理装置に限らず、プラズマエッチング処理装置、酸化拡散処理装置、改質処理装置等のあらゆる処理装置に適用することができる。
<第2実施例>
また上記第1実施例では、石英の表面にSAM膜を形成した場合を例にとって説明したが、これに限定されず、例えばアルミニウム合金やステンレス等の金属部材の表面、セラミック材の表面にもSAM膜よりなる膜付着防止層を形成するようにしてもよい。
この場合には、処理容器の内壁面にもSAM膜を形成でき、また処理容器内の内部構造物として石英部材が存在しない場合、或いは部分的に石英が存在する場合にもSAM膜を形成することができる。
図6は上記したような本発明の処理装置の第2実施例の一例を示す概略断面図である。尚、図1に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付して説明を省略する。
この処理装置62では、例えばアルミニウム合金製の処理容器64を有し、天井部には例えばアルミニウム合金製のシャワーヘッド部66が設けられ、処理容器64内へ必要なガスを供給できるようになっている。また処理容器64内には、円筒体上の支柱68の上端部より延びる複数本の支持アーム70により支持された例えば薄いセラミック板よりなる載置台72が設けられており、この載置台72上にウエハWを載置するようになっている。
この載置台72の下方には、Oリング等のシール部材74を介して気密に設けられた例えば石英板よりなる透過窓76が設置されている。そして、この下方には、加熱手段として複数の加熱ランプ78が回転可能に設けられており、上記載置台72の裏面を加熱してウエハWを間接的に加熱するようになっている。
また上記載置台72の下方には、リフタピン機構80の一部を形成する例えば石英製のリフタピン82が設けられている。そして、容器底部には、上記リフタピン82を上昇させる押し上げ棒84が貫通させて設けられており、アクチュエータ86により上記押し上げ棒84とリフタピン82とを昇降し得るようになっている。また上記押し上げ棒84の容器底部の貫通部には、伸縮可能になされたベローズ88が設けられている。
また上記載置台72の周辺部には、ウエハWの周縁部を押さえるために例えばセラミック材よりなるリング状のクランプリング90が設けられており、このクランプリング90は上記リフタピン82と連結されてリフタピン82と一体的に上下移動するこようになっている。
また載置台72の最外周側には、複数のガス孔92が形成された例えばアルミニウム合金よりなる整流板94が設けられており、この整流板94の下方に設けた排気口96より処理容器64内の雰囲気を真空引きできるようになっている。上記載置台72の外周側には、例えばセラミック材よりなるリング状のアタッチメント部材98が上記整流板94の内周側に支持させて設けられている。
そして、上記した処理容器64の内壁面にSAM膜よりなる膜付着防止層100Aを形成すると共に、シャワーヘッド部66の表面、整流板94の表面、アタッチメント部材98の表面、クランプリング90の表面、載置台72の表面、リフタピン82の表面にも、SAM膜よりなる膜付着防止層100B、100C、100D、100E、100F、100Gをそれぞれ形成している。
この場合にも、先の第1実施例と同様な作用効果、すなわち不要な付着膜がその表面に堆積することを防止することができるという作用効果を発揮することができる。
<第3実施例>
上記した第1及び第2実施例では、半導体ウエハを1枚ずつ処理する、いわゆる枚葉式の処理装置を例にとって説明したが、これに限定されず、複数枚のウエハを一度に処理する、いわゆるバッチ式の処理装置にも本発明を適用することができる。図7はこのような本発明の処理装置の第3実施例の一例を示す概略断面図である。このバッチ式の処理装置110は、石英よりなる円筒体状の処理容器112を有している。この処理容器112の上端部には排気口114が設けられると共に、下端は開口され、この開口部は例えばステンレススチールよりなる蓋部116がOリング等のシール部材118を介して着脱可能に開閉される。
この処理容器112内には、ウエハWを多段に支持するための石英製のウエハボート120が設けられ、このウエハボート120は、上記蓋部116を気密に貫通して設けられる回転テーブル122上に石英製の保温筒124を介して設置されている。そして、上記蓋部116はボートエレベータ126により昇降可能になされており、上記保温筒124やウエハボート120を一体的に昇降させて処理容器112内へ挿脱できるようになっている。
また、処理容器112の下部側壁からは、ガス供給手段として例えば石英製のガスノズル128が容器内へ貫通させて設けられており、必要なガスを供給できるようになっている。そして処理容器112の外周側には、筒体状の断熱層130に取り付けた加熱ヒータ132が設けられており、上記ウエハWを加熱するようになっている。
そして、この処理装置においても、上記石英製の処理容器112の内壁面、石英製のウエハボート120の表面、石英製の保温筒124の表面、石英製のガスノズルの表面、ステンレス製の蓋部116の内側表面等に、SAM膜よりなる膜付着防止層134がそれぞれ形成されている。尚、図示例では、処理容器112の内壁面と蓋部116の内側表面のみの膜付着防止層134を記載し、他の部分については記載を省略している。この場合にも、先の第1及び第2実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
尚、先の各実施例では説明しなかったが、処理容器に対するガス導入管やガス排気管の内側にガラスコーティングを施す場合もあり、その場合には、このガラスコーティングの内側表面に上記SAM膜よりなる膜付着防止層を形成するようにしてもよい。
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
本発明に係る処理装置の第1実施例を示す断面図である。 第1実施例の処理容器内を示す概略平面図である。 SAM膜の作用を説明するための作用説明図である。 SAM膜の構造式の一例を示す図である。 SAM膜の形成方法を示すフローチャートである。 本発明の処理装置の第2実施例の一例を示す概略断面図である。 本発明の処理装置の第3実施例の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
2 処理装置
4 処理容器
13 ガイドリング(内部構造物)
26 リフトピン(内部構造物)
32 ガス噴射管(内部構造物)
42 内側容器部材(内部構造物)
44 底板
46 蓋部
48,50,51,52 保護カバー部材(内部構造物)
54A〜54H 膜付着防止層
58 SAM膜
W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (17)

  1. 真空引き可能になされた処理容器内で被処理体に対して所定の処理を施す処理装置において、
    前記処理容器の内壁の表面及び/又は前記処理容器の内部構造物の表面にSAM(Self assembled monolayer)膜よりなる膜付着防止層を形成するようにしたことを特徴とする処理装置。
  2. 前記処理装置は、前記被処理体を1枚ずつ処理する枚葉式であることを特徴とする請求項1記載の処理装置。
  3. 前記内部構造物は、石英により形成されていることを特徴とする請求項2記載の処理装置。
  4. 前記内部構造物の最上層は、その表面に前記膜付着防止層が形成された石英製の保護カバー部材により覆われていることを特徴とする請求項1又は2記載の処理装置。
  5. 前記内部構造物は、前記被処理体を載置する載置台であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  6. 前記内部構造物は、前記載置台の周縁部に設けられるガードリングであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  7. 前記内部構造物は、前記処理容器内へ必要なガスを供給するシャワーヘッド部であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  8. 前記内部構造物は、前記被処理体を搬出入する際に前記載置台に対して相対的に昇降されるリフタピン機構であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  9. 前記内部構造物は、前記処理容器の内壁の内側に前記載置台を囲むようにして設けた内部容器部材であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  10. 前記内部構造物は、前記載置台上に載置された前記被処理体の周縁部を押さえ付けるためのクランプリングであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  11. 前記内部構造物は、前記載置台の外周側に設けられるリング状のアタッチメント部材であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  12. 前記内部構造物は、前記載置台と前記処理容器の内壁との間に設けられる整流板であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の処理装置。
  13. 前記処理装置は、前記被処理体を一度に複数枚処理するバッチ式の処理装置であることを特徴とする請求項1記載の処理装置。
  14. 前記処理容器は、石英により縦型の筒体状に成形されていることを特徴とする請求項13記載の処理装置。
  15. 前記内部構造物は、前記被処理体を多段に保持する石英製のウエハボートであることを特徴とする請求項13又は14記載の処理装置。
  16. 前記SAM膜は、OTS(Octadecyl−Trichloro−Silane)、DTS(Dococyl−Trichlor−Silane)、APTS(3−aminoproyl−triethoxy−silane)の内のいずれかを用いて形成されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の処理装置。
  17. 前記所定の処理は、成膜処理、エッチング処理、スパッタ処理の内のいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の処理装置。

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