JP2007284909A - 回転機構および掘削機 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動系の回転ぶれや振動を低減しつつ低コストで、円形状および非円形状の断面の掘削を連続して得ることができる掘削機を提供する。
【解決手段】駆動部によって回転軸33が固定中心線Pを中心として反時計回りに回転すると、回転軸の第一外周部331に係合する環状軸32が、保持部材34に保持された形態で移動中心線Gを中心として回転軸と同方向に回転する。環状軸は、その外周部322が軸受31の内周部311に係合して、当該軸受の内周部に沿って固定中心線Pの周りに回転軸と逆方向に公転する。このため環状軸に設けた掘削カッタ2は、自転および公転して非円形状である略矩形状の軌跡をなす。一方、固定中心線に移動中心線を一致して外周部が軸受の内周部から離間するように環状軸を移動させ、当該環状軸に駆動部の駆動力を伝達することで、環状軸に設けた掘削カッタが固定中心線を中心に自転して円形状の軌跡をなす。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動部によって回転軸33が固定中心線Pを中心として反時計回りに回転すると、回転軸の第一外周部331に係合する環状軸32が、保持部材34に保持された形態で移動中心線Gを中心として回転軸と同方向に回転する。環状軸は、その外周部322が軸受31の内周部311に係合して、当該軸受の内周部に沿って固定中心線Pの周りに回転軸と逆方向に公転する。このため環状軸に設けた掘削カッタ2は、自転および公転して非円形状である略矩形状の軌跡をなす。一方、固定中心線に移動中心線を一致して外周部が軸受の内周部から離間するように環状軸を移動させ、当該環状軸に駆動部の駆動力を伝達することで、環状軸に設けた掘削カッタが固定中心線を中心に自転して円形状の軌跡をなす。
【選択図】 図1
Description
本発明は、同一中心で円形状および非円形状の軌跡をなす回転機構、および当該回転機構を用いて地盤などを掘削する掘削機に関するものである。
一般的な掘削機は、回転機構によってカッタヘッドを回転させて当該カッタヘッドで地盤を掘削するものが知られている。このような掘削機は、カッタヘッドが所定の中心を以て回転することから必然的に断面形状が円形になる。しかし、鉄道や道路などのトンネル利用空間においては、必要とされる断面形状が非円形状であることが多く、上記円形の掘削断面内に非円形状とした鉄道や道路などの空間を構築する。このため、利用空間以上の掘削を行うことになるので、用地面積が多く必要となることに加えて建設費が嵩むという問題がある。
従来、例えばルーロー三角形なるルーロー三角形回転体に切削用バイトを設け、当該ルーロー三角形回転体を回転することで、被加工物に正方形状の穴明けを行う正方形穴明け加工装置がある(例えば、特許文献1参照)。
他に、加工部材をその中心周りに回転自在に加工部材自転支持装置に取り付け、当該加工部材自転支持装置を加工部材公転支持装置に取り付けた掘削機がある。加工部材には、中心と同芯状のほぼ正三角形の各頂点とその内方に掘削刃を設けて掘削作用面が形成してある。加工部材自転支持装置は、加工部材を前記正三角形の一辺の((1/2)/cos30°−(1/2))倍の半径で中心が回転するように加工部材公転支持装置に取り付けてある。そして、加工部材を自転させながらその自転方向とは逆の方向に3倍公転させる駆動手段を設けてある(例えば、特許文献2参照)。
また他に、正三角形の各頂点を中心とし、その一辺の長さを半径とする円弧を各対辺の外側に描き、これらの3つの円弧により囲まれたルーロー三角形を外形とするカッタを、矩形状スキンプレートの中心軸の回りに公転させながら自転させて掘削する矩形シールド工法がある。スキンプレートの中心軸に対するカッタの回転軸の偏心距離は、(L/2)/cos30°−(L/2)を満足するように設定してある(L:ルーロー三角形の頂点間の距離)。なお、カッタの公転数は自転数の3倍で、公転方向と自転方向が逆方向である(例えば、特許文献3参照)。
さらに、掘削断面の円形中心部を主カッタが掘削し、その外周部を複数の遊星カッタが掘削する自由断面シールド工法がある。遊星カッタは、主カッタの回転につれて主カッタの外周部を自転しながら公転する。この公転軌道は、遊星カッタを設置したスイングアームの角度調整によって任意に変えることができる。この結果、同一中心で矩形、楕円形、馬蹄形、卵形など様々な掘削断面形状を選択できる(例えば、非特許文献1参照)。
ところで、ルーロー三角形を利用して非円形状である略矩形状に掘削を行う場合には、ルーロー三角形をその重心を中心として回転させ、かつルーロー三角形の重心を正方形の中心の周りに公転させる必要がある。
特許文献1の発明は、モータのトルクを伝達する軸と、ルーロー三角形回転体の重心の軸とを自在継手で連結してある。しかし、この構成では駆動伝達系に回転ぶれや振動が生じることになり、さらに大きなトルクが必要となる掘削機では自在継手は高価であり製造コストが嵩む。
特許文献2の発明では、モータからのトルクをクランク軸によって加工部材に伝達して公転装置を構成してある。しかし、クランクさせることによって回転軸部材にせん断力や曲げモーメントが生じて回転ぶれや振動の原因となる。
特許文献3の発明は、矩形状スキンプレートの中心に公転駆動盤を設けてこの公転駆動盤にカッタ回転軸を設けてある。そして、公転駆動盤を回転させるモータと、カッタ回転軸を回転させるモータを設けてある。しかし、カッタ回転軸を回転させるモータは、公転駆動盤に設けてあるため、配線や配管の処理を十分検討して設計する必要がある。さらに、各モータの回転数や回転方向を調整してそれぞれ同期させる必要がある。この結果、設計コストが嵩むことになる。
このように、ほぼ矩形状の軌跡をなすためにルーロー三角形の原理を利用した回転機構についての出願はあるものの、いずれも合理的な駆動を実現するものではない。また、大きなトルクが必要である掘削機においては、正方形枠は掘削孔内で大きなスペースを要することから正方形枠のない機構が望まれている。さらに、矩形状の掘削に限らず矩形状を含む多角形状の軌跡をなす回転機構、および当該回転機構を用いた掘削機を実現するものはない。
また、非特許文献1の工法は、矩形状や楕円形状の掘削に対応しているが、主カッタの回転につれて主カッタの外周部を自転しながら公転する複数の遊星カッタを得るために、スイングアームを用いた複雑な構成にしてある。この結果、製造コストが嵩むという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みて、駆動系の回転ぶれや振動を低減しつつ低コストで、円形状および非円形状の軌跡をなす回転機構、および当該回転機構を用いて円形状および非円形状の断面の掘削を連続して得ることができる掘削機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る回転機構は、所定の固定中心線を中心とした環状の内周部を有する固定の軸受と、前記固定中心線に平行な所定の移動中心線を中心とした内周部および外周部を有する環状をなして前記軸受に内装して配置してありその外周部を前記軸受の内周部に係合した第一回転位置と固定中心線に移動中心線を一致して外周部を軸受の内周部から離間した第二回転位置とに移動可能に設けた環状軸と、前記固定中心線を回転中心として回転可能に設けてあり第一回転位置にある環状軸の内周部の一部に対して当接係合する第一外周部と第二回転位置にある環状軸の内周部の全周に沿って当接係合する第二外周部とを固定中心線に沿って配置した回転軸と、前記回転軸を回転駆動する駆動部と、前記環状軸が第一回転位置にあるときに環状軸の内周部と前記回転軸の第一外周部との係合を保持しつつ当該環状軸の外周部と前記軸受の内周部との係合を保持する保持部材と、前記保持部材の保持形態を維持または解除して前記環状軸を第一回転位置または第二回転位置に移動してさらに前記環状軸の各回転位置に合わせて前記回転軸を固定中心線に沿って移動する回転形態変更手段と、前記環状軸に設けてあって前記移動中心線上に中心を置いたルーロー三角形状の少なくとも中心と頂点とを結ぶ延長線に沿って配置した羽根部材とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る回転機構は、上記請求項1において、前記羽根部材はルーロー三角形状がなす軌跡の範囲内で伸縮可能に形成してあることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る掘削機は、請求項1または2に記載の回転機構を用い、筒状に形成した外部に前記羽根部材を配置してその他の構成を内部に配置しつつ前記環状軸の各回転位置における羽根部材の軌跡に合わせて外形を変更可能に設けた胴部と、前記羽根部材にカッタを配設してなる掘削カッタとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、環状軸を第一回転位置にした形態で、駆動部の駆動力を回転軸に伝達することによって、回転軸が固定中心線を中心として回転する。すると、回転軸の第一外周部に係合する環状軸が、保持部材に保持された形態で移動中心線を中心として回転軸と同方向に回転する。さらに、移動中心線を中心として回転する環状軸は、その外周部が軸受の内周部に係合しているため、当該軸受の内周部に沿って固定中心線の周りに回転軸と逆方向に輪転運動(公転)することになる。このため、環状軸に設けた羽根部材は、環状軸の輪転運動に伴って自転および公転移動する。移動する羽根部材の先端は、非円形状である略矩形状の軌跡をなす。そして、羽根部材にカッタを配設した掘削カッタを備えた掘削機とすれば、略矩形状の掘削孔を掘削することができる。
一方、環状軸を第二回転位置にした形態で、駆動部の駆動力を回転軸に伝達することによって、回転軸が固定中心線を中心として回転する。すると、回転軸の第二外周部に係合する環状軸が、固定中心線を中心として回転軸と同方向に回転する。ここで、固定中心線を中心として回転する環状軸は、その外周部が軸受の内周部から離間しているために輪転運動(公転)しない。このため、環状軸に設けた羽根部材は、固定中心線を中心として自転のみする。移動する羽根部材の先端は、円形状の軌跡をなす。そして、羽根部材にカッタを配設した掘削カッタを備えた掘削機とすれば、円形状の掘削孔を掘削することができる。
また、円形状の軌跡や掘削孔を得る場合に、羽根部材の長さを縮ませることで略矩形状の軌跡(掘削孔)の範囲内に円形状の軌跡(掘削孔)を得ることができる。また、掘削機では、略矩形状の掘削孔を掘削する場合に当該掘削孔の形状に沿った胴部を設け、円形状の掘削孔を掘削する場合に当該掘削孔の形状に沿った胴部を設ける。
このように、本発明によれば、環状軸を第一回転位置にした形態では、非円形状である略矩形状の軌跡(掘削孔)を得ることができる一方で、環状軸を第二回転位置にした形態では、略矩形状と同一中心で円形状の軌跡(掘削孔)を得ることができる。この結果、掘削機においては、略矩形状と円形状の掘削断面を組み合わせて一連に連続した掘削孔を得ることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る回転機構および掘削機の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は本発明に係る回転機構を用いた掘削機の実施の形態であって第一回転位置を示す概略側断面図、図2は図1に示す回転機構を軸方向(前方向)から視た概念図、図3は本発明に係る回転機構を用いた掘削機の実施の形態であって第二回転位置を示す概略側断面図、図4は図3に示す回転機構を軸方向(前方向)から視た概念図である。
図1および図2に示すように掘削機は、胴部1と掘削カッタ2とを備えている。胴部1は、掘削カッタ2を支持しつつ掘削カッタ2を駆動するものであって、掘削機の外郭をなし、筒状とした内部に回転機構3を有している。なお、本実施の形態における回転機構3は、図2に二点鎖線で示す略矩形状(非円形状)の軌跡、および図4に示すように円形状の軌跡をなすものである。そして、この回転機構3を用いた掘削機は、略矩形状および円形状の掘削孔を掘削するものである。
回転機構3は、軸受31、環状軸32、回転軸33、保持部材34および駆動部35および回転形態変更手段36を有している。
軸受31は、胴部1に固定してあり、胴部1の前後方向に沿って配置した所定の固定中心線Pを中心としてほぼ円形状に形成した穴を有している。軸受31の穴の内周面には、円周りに沿って内歯車をなす内周部311が設けてある。
環状軸32は、固定中心線Pと平行にして胴部1の前後方向に沿って配置した所定の移動中心線Gを中心としてほぼ円環状に形成してある。環状軸32の内周面には、円周りに沿って内歯車をなす内周部321が設けてある。また、環状軸32の外周面には、円周りに沿って外歯車をなす外周部322が設けてある。この環状軸32は、軸受31に内装して、その外周部322の一部を軸受31の内周部311の一部に対して当接係合するように構成してある。
また、環状軸32は、図1および図2に示すように外周部322の一部を軸受31の内周部311の一部に対して係合した第一回転位置と、図3および図4に示すように固定中心線Pに移動中心線Gを一致して外周部322を軸受31の内周部311から離間した第二回転位置とに移動可能に設けてある。
回転軸33は、固定中心線Pを回転中心として回転可能に設けてある。回転軸33は、固定中心線Pを中心とした円周りに沿って外歯車をなす第一外周部331と第二外周部332とを有している。第一外周部331は、環状軸32の環状内に内装して環状軸32の内周部321の一部に対して当接係合するように構成してある。第二外周部332は、環状軸32の環状内に内装して環状軸32の内周部321の全周に沿って当接係合するように構成してある。これら、第一外周部331と第二外周部332とは、固定中心線Pに沿って配置してある。
また、回転軸33は、図1および図2に示すように第一回転位置にある環状軸32の内周部321に対して第一外周部331を係合する位置と、図3および図4に示すように第二回転位置にある環状軸32の内周部321に第二外周部332を係合する位置と固定中心線Pに沿って移動可能に設けてある。
保持部材34は、固定中心線Pを中心とした円盤状に形成してあり、固定中心線Pを中心として軸受31の内周面とほぼ同径の外周面を有して当該内周面に摺接する凸部341と、移動中心線Gを中心として環状軸32の外周面とほぼ同径の内周面を有して当該外周面に摺接する孔部342とが設けてある。また、保持部材34は、円盤状の外周縁343に対して円環状の支持部344が取り付けてある。支持部344と保持部材34の外周縁343とは、相対的に回転可能に設けてある。この保持部材34は、固定中心線Pを中心として支持部344を軸受31に取り付けてあって、図1および図2に示すように環状軸32の外周部322の一部が軸受31の内周部311の一部に対して当接係合している状態で(第一回転位置)、軸受31の内周面に凸部341の外周面を摺接させつつ、環状軸32の外周面に孔部342の内周面を摺接させる。すなわち、保持部材34は、固定中心線Pを中心に自身が回転可能であり、移動中心線Gを中心として環状軸32を回動可能に挿通して、環状軸32の内周部321と回転軸33の第一外周部331との係合を保持しつつ、環状軸32の外周部322と軸受31の内周部311との係合を保持する。
また、保持部材34は、図3および図4に示すように環状軸32が第二回転位置にあるときには、凸部341の外周面と軸受31の内周面との摺接が離間するように固定中心線Pに沿って移動可能に設けてある。なお、環状軸32には、保持部材34が上記のごとく移動し、自身が第二回転位置に移動した場合に、保持部材34の孔部342との当接干渉を防ぐ凹部323が設けてある。
駆動部35は、固定中心線Pを中心として回転軸33を回転させるものであり、例えばモータなど胴部1に設けた駆動源からなる。また、駆動部35は、回転軸33に対して回転力を伝達しつつ、回転軸33を固定中心線Pに沿って移動可能に支持してある。なお、駆動部35は、図には明示しないが駆動源と回転軸33との間に適宜減速機構を有していてもよい。
回転形態変更手段36は、環状軸32、回転軸33および保持部材34を移動させて回転機構3の回転形態を変更するためのものであり、環状軸移動部361、回転軸移動部362および保持部材移動部363を有している。環状軸移動部361は、固定側である軸受31(または胴部1)に設けたジャッキからなり、環状軸32を第一回転位置(図1参照)と第二回転位置(図3参照)とに移動させる。回転軸移動部362は、回転軸33に内装したジャッキからなり、回転軸33(第一外周部331および第二外周部332)を固定中心線Pに沿って前後方向に移動させて、第一回転位置にある環状軸32の内周部321に回転軸33の第一外周部331を係合させる一方で(図1参照)、第二回転位置にある環状軸32の内周部321に回転軸33の第二外周部332を係合させる(図3参照)。保持部材移動部363は、固定側である軸受31(または胴部1)に設けたジャッキからなり、保持部材34を固定中心線Pに沿って前後方向に移動させて、環状軸32が第一回転位置にある場合に、当該環状軸32、軸受31および回転軸33の係合を保持する一方で(図1参照)、環状軸32が第二回転位置にある場合に保持状態を解除する(図3参照)。
掘削カッタ2は、胴部1の前側に延出した環状軸32の前端に設けた羽根部材21からなる。羽根部材21は、移動中心線G上に中心(重心)を置いた仮想ルーロー三角形状(図2に一点鎖線で示す)の範囲内であって、少なくとも中心(移動中心線G)と頂点(T)とを結ぶ延長線(必ずしも直線でなくてもよい)に沿って配置してある。そして、羽根部材21の前面に掘削ビット(図示せず)を設けることによって掘削カッタ2が構成される。ルーロー三角形は、図2に一点鎖線で示すように正三角形の各頂点Tを中心として他の頂点Tを結ぶ円弧を描いてなる形状をなし、その外幅(差し渡し幅)がいずれも定幅なものである。なお、羽根部材21は、ルーロー三角形状がなす軌跡の範囲内で伸縮可能に形成してある。
また、羽根部材21は、環状軸32の前端に支軸22を介して固定してある。この支軸22は、固定側である軸受31(または胴部1)に設けたスライド部材37によって支持してある。スライド部材37は、環状軸32の第一回転位置や第二回転位置への移動に際して移動中心線Gや固定中心線Pに対して支軸22が一致するように支持しつつ、環状軸32が第一回転位置にあるときの移動中心線Gを中心とした支軸22の回転や環状軸32が第二回転位置にあるときの固定中心線Pを中心とした支軸22の回転を支持する。
ここで、上記軸受31、環状軸32および羽根部材21の寸法設定は、図2に示すように軸受31の内周部311および回転軸33の第一外周部331の中心(固定中心線P)から環状軸32の中心(移動中心線G)に至る距離(偏心量)を[r]として、環状軸32の外周部322の直径を[6r]、軸受31の内周部311の直径を[8r]と設定してある。そして、羽根部材21を配置する仮想ルーロー三角形の中心(移動中心線G)と頂点Tとを結ぶ延長線Lを[L=0.5a+r]と設定してある。ここで、[a]はルーロー三角形の外幅(正方形状の辺長)である。
上記構成の掘削機は、環状軸32を第一回転位置にした図1および図2に示す形態で略矩形状の掘削孔H1を掘削する。この場合、回転機構3において駆動部35の駆動力を回転軸33に伝達することによって、回転軸33が固定中心線Pを中心として回転(例えば図2における反時計回り方向)する。すると、回転軸33の第一外周部331に係合する環状軸32が、保持部材34に保持された形態で移動中心線Gを中心として回転軸33と同方向(例えば図2における反時計回り方向)に回転する。さらに、移動中心線Gを中心として回転する環状軸32は、その外周部322が軸受31の内周部311に係合しているため、当該軸受31の内周部311に沿って軸受31の固定中心線Pの周りに回転軸33と逆方向(例えば図2における時計回り方向)に輪転運動(公転)することになる。このため、環状軸32に設けた掘削カッタ2(羽根部材21)は、環状軸32の輪転運動に伴って自転および公転移動する。移動する掘削カッタ2の先端Tは、略矩形状(略正方形状)の軌跡をなす。
具体的には、環状軸32の外周部322の直径[6r]と、軸受31の内周部311の直径[8r]との比率が3:4に設定してあるため、図2および図5〜図8に示すように環状軸32が移動中心線Gを中心に1回転すると、当該環状軸32は固定中心線Pの周りに1/3回転分公転する。したがって、図2および図5〜図8における掘削カッタ2の先端T(A,B,C)の移動位置で示すように掘削カッタ2も同様に公転および自転し、図8に示すように角が円弧の矩形状(正方形状)の軌跡をなす。この結果、本掘削機を前方向(図1参照)に推進することで略矩形状(略正方形状)の掘削断面の掘削孔H1(図8参照)を掘進することが可能になる。
一方、上記構成の掘削機は、環状軸32を第二回転位置にした図3および図4に示す形態で円形状の掘削孔H2を掘削する。この場合、回転機構3において駆動部35の駆動力を回転軸33に伝達することによって、回転軸33が固定中心線Pを中心として回転(例えば図4における反時計回り方向)する。すると、回転軸33の第二外周部332に係合する環状軸32が、固定中心線Pを中心として回転軸33と同方向(例えば図4における反時計回り方向)に回転する。ここで、固定中心線Pを中心として回転する環状軸32は、その外周部322が軸受31の内周部311に係合していないため、輪転運動(公転)はしない。このため、環状軸32に設けた掘削カッタ2(羽根部材21)は、固定中心線Pを中心として自転する。移動する掘削カッタ2の先端Tは、円形状の軌跡をなす。この結果、本掘削機を前方向(図3参照)に推進することで円形状の掘削断面の掘削孔H2(図4参照)を掘進することが可能になる。なお、円形状の軌跡や掘削孔H2を得る場合に、羽根部材21(掘削カッタ2)の長さを縮ませることで略矩形状の軌跡(掘削孔H1)の範囲内に円形状の軌跡(掘削孔H2)をなすことが可能である。また、掘削機では、略矩形状の掘削孔H1を掘削する場合に当該掘削孔H1の形状に沿った胴部1を設け、円形状の掘削孔H2を掘削する場合に当該掘削孔H2の形状に沿った胴部1を設ける。
このように、上述した実施の形態における回転機構3は、環状軸32を第一回転位置にした形態では、非円形状である略矩形状の軌跡をなすことが可能になる。一方、環状軸32を第二回転位置にした形態では、略矩形状と同一中心で円形状の軌跡をなすことが可能になる。そして、この回転機構3を用いた掘削機では、1台の掘削機で非円形状である略矩形状(略正方形状)の掘削孔H1と、円形状の掘削孔H2とを同一中心で掘削することが可能になる。この結果、略矩形状と円形状の掘削断面を組み合わせて一連に連続した掘削孔を得ることが可能である。この場合、例えば円形状の掘削孔H2により地下鉄線路を施工し、略矩形状の掘削孔H1により地下鉄駅部分や車両分岐部が施工できる。さらに、上記回転機構3と従前の円形掘削の回転機構とを組み合わせれば、略矩形状と円形状とを組み合わせて長円形状の掘削断面の掘削孔を得ることが可能である。
また、上述した実施の形態における回転機構3は、固定中心線Pと移動中心線Gとの距離である偏心量[r]を変えることで非円形状の形状を変更することが可能である。ここで偏心量[r]について説明する。
上述したように回転軸33が回転した場合、回転軸33の第一外周部331に係合する環状軸32が公転して、その中心である移動中心線Gを所定軌道で移動させる。そして、略矩形状の軌跡を得るには、羽根部材21をなす仮想ルーロー三角形上において、当該ルーロー三角形の中心(重心)である移動中心線Gに対する回転軸33の中心(固定中心線P)の移動軌跡がほぼ円形で、その半径である[r]は、仮想ルーロー三角形の外幅[a]の7.7%〜8.2%程度となることが幾何学的に分かっている。
すなわち、図9に示すようにルーロー三角形の外幅[a]を一辺とした正方形の横辺をX座標、縦辺をY座標とする座標系で、当該正方形に内接する形態でルーロー三角形を回転させたときのルーロー三角形上での正方形の中心位置(回転軸33の中心(固定中心線P))の軌跡を見る。図9において破線で示す軌跡は、回転軸33の中心(固定中心線P)と移動中心線Gとの距離(偏心量)[r]を下記数1で示す0.0774aで一定としたものである。
しかし、図9に破線で示す軌跡は、実際のルーロー三角形上での正方形の中心位置(回転軸33の中心(固定中心線P))の軌跡(図9に実線で示す)に対して3箇所のみ一致する。そして、破線で示す軌跡の場合は、ほぼ矩形状の軌跡の各辺が内側に向けてやや凹状に形成されることになる。この軌跡で掘削された掘削孔は、力学的に強度が低下するため好ましくない。
上記実線で示す軌跡は、下記数2で示す0.0816aを含んで、回転軸33の中心(固定中心線P)と環状軸32の中心(移動中心線G)との距離(偏心量)[r]が0.0774a〜0.0816aの場合である。したがって、偏心量[r]が、仮想ルーロー三角形の外幅[a]の6%〜8%であれば掘削される掘削孔H1の断面形状が十分な強度を有する理想的なほぼ矩形状となる。
なお、上記掘削機の回転機構3は、回転軸33が固定中心線Pを中心として回転駆動され、かつ、環状軸32が回転軸33の回転に伴って保持部材34に保持された形態で移動中心線Gを中心として回転しつつ固定中心線Pを中心として公転する。この結果、回転軸33が固定中心線P上でその軸心がずれることなく回転するため、回転ぶれや振動を低減することが可能になる。また、環状軸32が回転軸33の回転に伴って保持部材34に保持された形態で移動中心線Gを中心として回転しつつ固定中心線Pを中心として公転するため、環状軸32の自転および公転移動に際して従前の自在継手を要することがないので、自在継手に係るコストを低減することが可能になる。
さらに、上記掘削機の回転機構3は、掘削カッタ2(羽根部材21)を設けた環状軸32を、保持部材34によって保持した形態で公転および自転させる構成である。このため、従前のほぼ正方形状の軌跡をなすようにルーロー三角形の外幅を一辺とする正方形枠にルーロー三角形状の軸を支持して回転させる必要がない。すなわち、枠体が必要ない。このため、掘進した掘削孔H1の断面形状に対して、掘削機の胴部1の前面視の輪郭を小さく形成することが可能になる。この結果、掘削カッタ2が先行して掘進した掘削孔H1に胴部1が通過できるので、掘削断面が長円形状の掘削孔H1の掘進を行う掘削機を得ることが可能になる。また、上記掘削機の回転機構3は、掘削カッタ2(羽根部材21)を設けた環状軸32を、保持部材34によって保持した形態で公転および自転させる構成で非円形状の軌跡を得る。このため、従前のごとくスイングアームを用いた複雑な構成にすることがなく、製造コストを低減することが可能である。すなわち、上記掘削機の回転機構3は、簡素な機構で非円形状である矩形状の軌跡と円形状の軌跡とを得て、非円形状断面である略矩形状断面の掘削孔H1と円形状断面の掘削孔H2とを掘進するため、故障が起こり難く信頼性が高く、コストを低減することが可能である。
1 胴部
2 掘削カッタ
21 羽根部材
22 支軸
3 回転機構
31 軸受
311 内周部
32 環状軸
321 内周部
322 外周部
323 凹部
33 回転軸
331 第一外周部
332 第二外周部
34 保持部材
341 凸部
342 孔部
343 外周縁
344 支持部
35 駆動部
36 回転形態変更手段
361 環状軸移動部
362 回転軸移動部
363 保持部材移動部
37 スライド部材
a ルーロー三角形の外幅
r 偏心量
G 移動中心線
H1,H2 掘削孔
L ルーロー三角形の中心と頂点とを結ぶ延長線
P 固定中心線
T 羽根部材の先端(ルーロー三角形の頂点)
2 掘削カッタ
21 羽根部材
22 支軸
3 回転機構
31 軸受
311 内周部
32 環状軸
321 内周部
322 外周部
323 凹部
33 回転軸
331 第一外周部
332 第二外周部
34 保持部材
341 凸部
342 孔部
343 外周縁
344 支持部
35 駆動部
36 回転形態変更手段
361 環状軸移動部
362 回転軸移動部
363 保持部材移動部
37 スライド部材
a ルーロー三角形の外幅
r 偏心量
G 移動中心線
H1,H2 掘削孔
L ルーロー三角形の中心と頂点とを結ぶ延長線
P 固定中心線
T 羽根部材の先端(ルーロー三角形の頂点)
Claims (3)
- 所定の固定中心線を中心とした環状の内周部を有する固定の軸受と、
前記固定中心線に平行な所定の移動中心線を中心とした内周部および外周部を有する環状をなして前記軸受に内装して配置してありその外周部を前記軸受の内周部に係合した第一回転位置と固定中心線に移動中心線を一致して外周部を軸受の内周部から離間した第二回転位置とに移動可能に設けた環状軸と、
前記固定中心線を回転中心として回転可能に設けてあり第一回転位置にある環状軸の内周部の一部に対して当接係合する第一外周部と第二回転位置にある環状軸の内周部の全周に沿って当接係合する第二外周部とを固定中心線に沿って配置した回転軸と、
前記回転軸を回転駆動する駆動部と、
前記環状軸が第一回転位置にあるときに環状軸の内周部と前記回転軸の第一外周部との係合を保持しつつ当該環状軸の外周部と前記軸受の内周部との係合を保持する保持部材と、
前記保持部材の保持形態を維持または解除して前記環状軸を第一回転位置または第二回転位置に移動してさらに前記環状軸の各回転位置に合わせて前記回転軸を固定中心線に沿って移動する回転形態変更手段と、
前記環状軸に設けてあって前記移動中心線上に中心を置いたルーロー三角形状の少なくとも中心と頂点とを結ぶ延長線に沿って配置した羽根部材と
を備えたことを特徴とする回転機構。 - 前記羽根部材はルーロー三角形状がなす軌跡の範囲内で伸縮可能に形成してあることを特徴とする請求項1に記載の回転機構。
- 請求項1または2に記載の回転機構を用い、
筒状に形成した外部に前記羽根部材を配置してその他の構成を内部に配置しつつ前記環状軸の各回転位置における羽根部材の軌跡に合わせて外形を変更可能に設けた胴部と、
前記羽根部材にカッタを配設してなる掘削カッタと
を備えたことを特徴とする掘削機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006110845A JP2007284909A (ja) | 2006-04-13 | 2006-04-13 | 回転機構および掘削機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006110845A JP2007284909A (ja) | 2006-04-13 | 2006-04-13 | 回転機構および掘削機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007284909A true JP2007284909A (ja) | 2007-11-01 |
Family
ID=38756949
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006110845A Pending JP2007284909A (ja) | 2006-04-13 | 2006-04-13 | 回転機構および掘削機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2007284909A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114396230A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-04-26 | 北京欧钻科技有限公司 | 方孔旋挖钻 |
| CN117072186A (zh) * | 2023-10-18 | 2023-11-17 | 东北大学 | 一种用于三维地质模型试验的拱形隧道开挖装置 |
-
2006
- 2006-04-13 JP JP2006110845A patent/JP2007284909A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114396230A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-04-26 | 北京欧钻科技有限公司 | 方孔旋挖钻 |
| CN117072186A (zh) * | 2023-10-18 | 2023-11-17 | 东北大学 | 一种用于三维地质模型试验的拱形隧道开挖装置 |
| CN117072186B (zh) * | 2023-10-18 | 2024-01-02 | 东北大学 | 一种用于三维地质模型试验的拱形隧道开挖装置 |
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