JP2007285751A - におい識別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】評価対象においの合否をより細かく判定できるようにする。
【解決手段】データ処理部7では、2種以上の既知の基準においを測定してにおい空間に位置付けられる基準軸と評価対象においを測定した結果である測定点との位置関係に基づいて、各基準においに対する類似度と総合的なにおい強度とを求める。入力部11からは複数の類似度とにおい強度とについての判定閾値をそれぞれ定めた複数段階のレベルの合格条件を入力しておき、データ処理部7では各類似度及びにおい強度を閾値に照らして合否を判定するとともに、合格である場合に複数段階のレベルのいずれかに区分する。これにより、従来よりもさらに細かい合否判定が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のにおい(香気、臭気など全て含む)の類似性や相違性を識別するにおい識別装置に関し、特に、飲食品類、化粧品類、薬品類などの製品についてのにおいに関する検査や評価などを行うのに好適なにおい識別装置に関する。
近年、におい物質に対して応答するにおいセンサを利用したにおい測定装置が開発されている(例えば特許文献1など参照)。このようなにおい測定装置では、複数のにおいセンサで取得された検出信号を基に所定のアルゴリズムによる演算処理を実行することにより、においの質やにおいの強度を数値化して表現することができるようになっている。即ち、上記におい測定装置では、既知のにおいを有する基準においガスを測定した結果に基づき、m個のにおいセンサの検出出力で形成されるm次元のにおい空間内に基準軸を位置付け、その基準軸と未知におい(評価対象におい)の測定結果である測定点との位置関係、具体的には測定点と基準軸との近さ/遠さの度合いにより求めた類似度でにおいの質を表現している。また、複数の基準においガス相当のにおいの強さを計算し、各基準においの寄与を総合することで臭気指数相当値を求め、これによりにおい強度を表現するようにしている。
上記のようなにおい測定装置の有望な応用の1つとして、においの観点から飲食品等の製品が正常品であるのか不良品(異常品)であるのかを識別することが挙げられる。例えば特許文献2に記載のにおい識別装置では、基準においに対するにおい質の差異とにおい強度の差異とに基づいて評価対象品の合格範囲を定めておき、評価対象品のにおいの測定結果が該合格範囲に存在する場合に合格、範囲外に存在する場合に不合格であると判断するようにしている。
しかしながら、上記従来のにおい識別装置では、例えば基準品に対するにおい質の相違の程度やにおい強度の相違の程度に基づいた合否判定しか行えないため、実際に利用できる用途がかなり限定されてしまう。例えば、製造過程でその製品本来の臭気とは別の複数のにおいが混合する可能性がある場合で、その複数のにおいの混じり方によって、或る場合には合格と判定でき別の混じり方では不合格と判定されるような場合においては、上記におい識別装置では正確な合否判定が困難である。また、合否判定に際して、そのにおい質の相違の内容、即ちどのようににおい質が相違しているのか、については考慮されていないため、合格品の範囲を狭くすると、本来、合格品と判断してもよい製品を不合格品と判断せざるをえなくなり、逆に合格品の範囲を広げると不合格品と判断すべき製品まで合格品と判断してしまう、という問題がある。
特開2003−315298号公報 特開2005−77099号公報
こうしたことから、においの観点から製品の合否を判定するような場合に、従来よりも、より柔軟な、且つより緻密な判定基準に基づいて合否判定等の評価を行える装置が強く要望されている。本発明はこうした点に鑑みて成されたものであり、その主な目的とするところは、においの観点で評価対象品の合否を判定するような場合に、従来よりも柔軟できめ細かく合否等の評価を行うことができるにおい識別装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された第1発明に係るにおい識別装置は、
a)異なる応答特性を有するm(mは2以上の整数)個のにおいセンサを含むにおい測定手段と、
b)n(nは2以上の整数)種の基準においを前記におい測定手段により測定することで、前記においセンサからの検出出力により形成されるm次元空間において各基準においにそれぞれ対応するn本の基準軸を位置付けておく基準軸取得手段と、
c)評価対象においを前記におい測定手段により測定することで前記m次元空間に測定点を位置付け、該測定点と前記n本の基準軸との位置関係に基づいて少なくとも2種以上の基準においに対するにおい質の類似性/相違性を反映したにおい質指標値をそれぞれ算出するにおい質情報算出手段と、
d)前記評価対象においに対応する測定点と前記n本の基準軸との位置関係に基づいて、評価対象においの総合的なにおいの強度を反映したにおい強度指標値を算出するにおい強度情報算出手段と、
e)複数の前記におい質指標値、及び前記におい強度指標値に基づいて、評価対象においを評価する評価処理手段と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明に係るにおい識別装置は、
a)異なる応答特性を有するm(mは2以上の整数)個のにおいセンサを含むにおい測定手段と、
b)基準においを前記におい測定手段により測定することで、前記においセンサからの検出出力により形成されるm次元空間において基準においに対応する基準軸を位置付けておく基準軸取得手段と、
c)評価対象においを前記におい測定手段により測定することで前記m次元空間に測定点を位置付け、該測定点と前記基準軸との位置関係に基づいて、評価対象においと基準においとのにおい強度の差異及びにおい質の差異、並びに基準においに対する評価対象においのにおい質の差異の方向性、を求めてこれにより評価対象においを評価する評価処理手段と、
を備えることを特徴としている。
第1発明に係るにおい識別装置では、評価対象においの測定結果に基づいて2つ以上のにおい質指標値と1つのにおい強度指標値が求まるから、例えば評価処理手段はそれら各指標値についてそれぞれ予め定められた閾値と各指標値とを比較することで評価対象においが合格しているか否か(或いは或る基準のレベルに達しているか否か)を評価することができる。特に2種以上の基準においに対するにおい質指標値に基づいた評価が行えるため、例えば単に或る基準においに類似していないという判定だけでなく、或る基準においに類似しておらず且つ他の別の基準においにも類似していない、或いは、或る基準においには類似していないが他の別の基準においには類似している、といった、におい質の類似性/相違性に関するきめ細かい判定が可能となる。
その結果、第1発明に係るにおい識別装置によれば、においの観点から評価対象品の合否を判定する場合に、より適切な合否基準を設定することができ、本来不合格であるものが合格品と判定されたり逆に本来合格品であるものが不合格になることを回避することができる。
また第1発明に係るにおい識別装置の一実施態様として、前記評価処理手段は、複数のにおい質指標値及びにおい強度指標値についてそれぞれ定められた判定閾値に基づき評価対象においが合格品であるか否かを判定する合否判定手段であり、複数の判定閾値の組み合わせにより前記合否判定手段における合格レベルを複数段階に設定可能とした構成とすることができる。
この構成によれば、においの観点から評価対象品の合否を判定する場合に、単なる合否のみならず、複数段階に設定した合格レベルにより評価対象品をいくつかのグループに区分することができる。
第2発明に係るにおい識別装置では、評価対象においと基準においとのにおい質の差異の大きさのみならず、におい質の差異の方向性についても考慮される。上記m次元空間において或る基準においに対するにおい質の差異が或る方向に向いているということは、逆に考えれば、別の何らかのにおいに近づいているとみることができる。したがって、その別の何らかのにおいが好ましいものである場合と好ましくないものである場合とがあり得るから、評価処理手段は、そうした状況をにおい質の差異の方向性に応じて判断して、評価対象においを評価することができる。これにより、評価対象においの評価をより柔軟に且つ詳細に行うことができる。
具体的には第2発明に係るにおい識別装置の一実施態様は、前記m次元空間において、前記基準軸に直交する平面内への測定点の射影点を考え、該射影点と前記基準軸が貫く基準点とを結ぶ直線の方向性によって、前記におい質の差異の方向性を表現する構成とすることができる。
この構成では、上記平面内における上記直線の方向性は或る方向を基準としたときの角度で表現することができ、その角度によって評価対象品が合格範囲であるか否か等の判断を行うことができる。これにより、におい質の差異の方向性を数値化し、適切に合否判断を行うことができる。
[第1実施例]
まず、第1発明の一実施例(以下、第1実施例という)であるにおい識別装置について図面を参照して説明する。図1は第1実施例のにおい識別装置の概略ブロック構成図である。
このにおい識別装置は、試料ガスを吸引するための吸入口1、吸引した試料ガスに対し各種前処理を施す前処理部2、各種のにおい成分を含む試料ガスを測定するための、応答特性が互いに異なる複数のにおいセンサ4を内装するセンサセル3、試料ガスをセンサセル3に引き込むためのポンプ5、においセンサ4による検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換部6、デジタル化された検出データを解析処理するデータ処理部7、解析処理の結果を画面上に表示する表示部10、本装置全体の動作を制御する制御部9、制御部9に接続されオペレータが後述する合否判定条件などを入力するための入力部11、などから構成される。
前処理部2では、試料ガスに含まれる水分の除去、試料ガス中の目的成分の濃縮/希釈、妨害成分の除去等が行われる。においセンサ4は、におい成分に応じて抵抗値が変化する金属酸化物半導体センサが一般的であるが、それ以外に、導電性高分子センサや、水晶振動子又はSAWデバイスの表面にガス吸着膜を形成したセンサなど、他の検出メカニズムによるセンサでもよい。なお、においセンサ4の数は特に限定しないが、ここでは一例として10個(つまり本発明におけるm=10)用いるものとする。したがって、10個のにおいセンサ4による検出信号が並列にA/D変換部6に入力され、A/D変換部6では各検出信号をデジタルデータに変換してパラレルのままで又はシリアルに変換してデータ処理部7に送る。また、データ処理部7及び制御部9はパーソナルコンピュータを中心に構成され、該コンピュータにインストールした所定の処理/制御プログラムを実行することによりそれぞれの機能が達成されるものとすることができる。
本実施例のにおい識別装置では、予め既知の基準においを測定することにより得た基準軸に基づいて、評価対象においと基準においとのにおい質の類似性/相違性を反映した指標値である類似度と、総合的なにおい強度の指標値である臭気指数相当値とを求める。まず、類似度と臭気指数相当値との求め方について説明する。
上述したようににおいセンサ4はそれぞれ異なる応答特性を有すから、この10個のにおいセンサ4からそれぞれ得られる検出出力をそれぞれ異なる方向(互いに直交する方向)の軸として形成される10次元空間を考えると、上記のように10個のにおいセンサ4から得られる検出信号に基づいて10次元空間内に或る1個の測定点を位置付けることができる。
におい質が同じで濃度のみが相違する複数のガスの測定結果は、上記10次元空間内でそれぞれ異なる測定点として位置付けられ、濃度が高くなるに従い10次元空間の原点から遠ざかるように位置する。したがって、原点を始点としてにおい成分の濃度の増加に伴う各測定点を繋ぐ1本の線を引くことができる。10次元空間を図示するのは難しく且つ理解も容易でないため、2個のにおいセンサの検出出力(CH1、CH2)で形成される2次元空間で考えると、図2に示すように、同じにおい成分を有し濃度の相違する複数のガスを測定した結果である測定点は例えばU1、U2、U3と位置付けられる。したがって、原点とこれら各測定点U1、U2、U3を繋ぐ線Taを引くことができる。また、においの質が相違する他のガスについても同様の測定を行えば、測定点は例えばW1、W2、W3と位置付けられ、線Taとは一致しない線Tbを引くことができる。これは10次元のにおい空間でも同様である。
そこで、予め決められたn種類の基準においを有する基準ガスについてそれぞれ濃度を変化させて測定を行うことにより、10次元空間内でn本の線を引いて各線をそれぞれ基準軸として定めておく。基準においの種類は評価対象のにおいの種類によって適宜に定めておけばよい。なお、図2では線Ta、Tbを直線で示しているが、においセンサ4の出力が非線形性を有している場合には必ずしも直線となるとは限らず曲線になる場合もあるが、その場合でもその曲線を基準軸として用いることができる。
図3は10次元空間内に基準においA、B、C、Dを測定した結果である基準軸Ta、Tb、Tc、Tdが位置付けられた状態を示す概念図である。或る目的においを測定した結果である測定点Pも同じように10次元空間内に位置付けられる。その目的においが基準においAと全く同質である場合には、測定点Pは基準軸Taの上に乗るはずであるが、目的においが基準においと質的に異なる場合には、図3中に示したように測定点Pは基準軸Taから離れた位置に存在する。このとき、においの質が近いほど測定点Pは基準軸Taに近い位置に存在すると考えられるから、図3中に示すように、原点Oと測定点Pとを結ぶ直線Sを引き、この直線Sと基準軸Taとの成す角度θaを求める。この角度θaに基づき、基準においAに対する目的においの類似度を示す指標値を算出する。
具体的には、角度θaが0である場合に類似度を100%、角度θaが或る所定角度以上である場合に類似度を0%と定め、その間の角度θaに応じて類似度を0〜100%の範囲で規定するものとする。但し、においセンサ4の応答感度と人間の鼻(嗅覚)の感度とでは相違があるから、角度θaから類似度を定める際にその相違を補正するような処理を行うとよい。その補正方法としては、上記計算による類似度が同一であったとしても、各基準においに対し人の鼻の閾値感度が低いものほど類似性を相対的に高くすればよい。他の基準軸Tb、Tc、Tdに対しても同様にして類似度を求めることができる。
一方、臭気指数相当値は次のようにして求める。基準軸Ta、Tb、Tc、Td上の各点の位置は基準におい成分の濃度に対応している筈であるから、図3に示すように、例えば各基準軸Ta〜Tdに対して測定点Pから垂線を引き、基準軸Ta〜Td上での垂線の交点Qa〜Qdの位置に基づいてその基準におい相当の濃度を求める。そして、その基準におい毎のにおいの嗅覚閾値(鼻で感じることのできる限界濃度)でその物質濃度を除することで臭気濃度を算出し、それを対数変換して臭気指数相当値を得る。このようにして各基準においに対し臭気指数相当値を求め、それぞれの寄与度合いに応じて臭気指数相当値の加算して総合的な臭気指数相当値を算出する。
以上のようにして、におい質指標値としての類似度とにおい強度指標値としての臭気指数相当値を求めることができる。なお、におい質指標値やにおい強度指標値は上記以外の手法で求めるようにしてもよい。こうした手法は、上記特許文献1、2などで既に提案されている各種の方法を用いることができ、いずれにしても評価対象においと基準においとの類似性/相違性を反映した指標値と、評価対象においのにおい強度を反映した指標値とを明確に求めることができる。
次に、本実施例のにおい識別装置において、制御部9の制御の下に行われる特徴的なにおい評価処理動作について説明する。
いまここでは、評価対象においに不純物として上記基準においA、B、C、Dが混じる可能性があるものとし、その不純物によるにおいの程度に応じて評価対象品の合否を判定する場合を考える。したがって、評価対象においが基準においA、B、C、Dのいずれも含まないのが理想的である。この理想状態は或るにおいがある状態であってもよいし、又は全くの無臭状態であってもよい。これら基準においA、B、C、Dを測定することで予め上記のような基準軸Ta、Tb、Tc、Tdを作成しておき、それら基準軸を表現する情報を基準軸記憶部8に記憶させておく。
担当者は評価対象品の測定に先立って、入力部11より合格条件項目を設定する。図4はこの合格条件項目の一例である。即ち、条件項目としては、においA、B、C、Dに対する類似度(上記%表示)αa、αb、αc、αd、及び全体的なにおい強度があり、それぞれの閾値を任意に設定した合格条件を複数レベルで設定できるようになっている。この例では、3つのレベルの合格条件が設定されている。即ち、合格条件1は、におい強度が5以下であるという条件が満たされれば、類似度αa、αb、αc、αdは問わない、というものである。また合格条件2は、におい強度が10以下であって且つにおい質Cに対する類似度αcが20%以下であれば、他の類似度αa、αb、αdは問わない、というものである。さらにまた、合格条件3は、におい強度が20以下であって、類似度αaが50%以下、類似度αbが10%以下、類似度αcが15%以下、類似度αdが5%以下、で且つ類似度αaが類似度αb以下である、という条件が全て満たされる、というものである。この3つのレベルの合格条件のいずれにも適合しない場合に不合格となる。
上記のように入力部11より入力された合格条件はデータ処理部7に設定される。そして、評価対象においが吸入口1にセットされて上述したようににおいセンサ4による測定が実行されると、データ処理部7では、基準軸記憶部8に記憶されている情報に基づいて基準軸Ta、Tb、Tc、Tdを設定した上記のような演算処理を実行し、それにより各においA、B、C、Dに対する類似度αa、αb、αc、αdがそれぞれ算出され、さらに総合的なにおい強度である臭気指数相当値も算出される。その後に、それら各数値が設定された合格条件に適合するか否かが1つずつチェックされる。
いま例えば、図5に示す製品No1が評価においとして与えられた場合には、におい強度が10であるため、合格条件1では不合格であると判定され、次に合格条件2ではにおい強度:10、類似度αc:17と条件を満たすため合格であると判定される。したがって、合否判定結果としては合格条件2で合格となる。複数の評価対象品が順番に測定されると、その測定結果を判定することにより、図5に示すように合格又は不合格の結果が得られる。このようにして評価対象品を、複数のにおいに対するにおい質の類似性の観点ととにおいの強度との観点から、それぞれ異なるレベルで以て判断して合否判定、及び同じ合格の中でも複数グループに区分することができる。
[第2実施例]
次に第2発明の一実施例(以下、第2実施例という)であるにおい識別装置について図面を参照して説明する。第2実施例のにおい識別装置の基本的な構成は第1実施例と同じであるが、データ処理部7における演算処理が異なる。したがって、この点について説明する。
評価対象においの基準においに対するにおい質の類似度、及び臭気指数相当値を算出する点はこの第2実施例でも同様である。さらにこの第2実施例では、基準においに対するにおい質の相違の方向性も評価のための一指標に加える。
いま図6に示すように、10次元のにおい空間に或る基準においAの測定により1本の基準軸Taが位置付けられている状況を考える。上述した如く、評価対象においのにおい質が基準においAと質的に異なる場合には、評価対象においによる測定点Pは基準軸Taから離れた位置に存在する。そして、上述したように測定点Pと原点Oとを結ぶ線Sと基準軸Taとの成す角度θに基づいて類似度の算出が可能である。この角度θによる類似度はにおい質がどの程度相違しているかを表すものではあるが、どのように相違しているかについては全く考慮されていない。即ち、図6に示すように、測定点Pが基準軸Taを中心とする同心円G上のどの位置にあっても角度θは同じであり類似度には差が生じない。
そこで、図7に示すように、10次元空間において基準軸Taに直交する平面Hを考える。いまここでは測定点Pを含む平面Hとしているが、必ずしも測定点Pを含む必要はない。測定点Pを含まない平面Hを選んだ場合には測定点Pの射影点を平面H上に描く。そして、平面H上で基準軸Taが貫通する点Ta’と測定点P(又はその射影点)とを結ぶ線Spを引く。点Ta’の周りでこの線の向く方向がにおい質の相違の方向として定義する。この方向性を定量化するためには、点Ta’と別の基準軸(ここではTbとする)が貫通する点Tb’とを結ぶ線S0を基準とし、このS0を基準として線Spの角度θ1を求める。いま図7の例では、測定点Pのにおい質の相違の方向性はθ1であるが、同じ類似度を示す同心円G上の他の測定点P’のにおい質の相違の方向性はθ2となる。このようにして定義した角度表現による指標値を、類似度、臭気指数相当値に加えて利用することで、におい質の差異をより詳細に評価することが可能となる。
例えば、従来、におい質の類似度とにおい強度のみで評価対象品の合否を判定していた場合には、測定点Pに位置するにおいでも測定点P’に位置するにおいでも合否は同一である。これに対し、基準軸Tbの元となった基準においBが人間にとって快適なにおいであったとすると、図8に示すように線S0の両側に同一角度だけ広がる扇状の範囲を合格範囲を定め、測定点Pはこの範囲に含まれるために合格、一方測定点P’はこの範囲外であるため不合格であるというように区別することができる。
このようににおい質の差異の方向性という新たな指標を導入することにより、従来よりもさらに柔軟な合否判定や評価を行うことが可能となる。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加等を行えることは明らかである。
第1発明の一実施例(第1実施例)のにおい識別装置の概略ブロック構成図。 第1実施例のにおい識別装置による評価処理動作の説明図。 第1実施例のにおい識別装置の評価処理動作の説明図。 第1実施例のにおい識別装置で入力設定される合格条件項目の一例を示す図。 第1実施例のにおい識別装置による合否判定結果の一例を示す図。 第2発明の一実施例(第2実施例)のにおい識別装置による評価処理動作の説明図。 第2実施例のにおい識別装置による評価処理動作の説明図。 第2実施例のにおい識別装置による評価処理動作の説明図。
符号の説明
1…吸入口
2…前処理部
3…センサセル
4…においセンサ
5…ポンプ
6…A/D変換部
7…データ処理部
8…基準軸記憶部
9…制御部
10…表示部
11…入力部

Claims (4)

  1. a)異なる応答特性を有するm(mは2以上の整数)個のにおいセンサを含むにおい測定手段と、
    b)n(nは2以上の整数)種の基準においを前記におい測定手段により測定することで、前記においセンサからの検出出力により形成されるm次元空間において各基準においにそれぞれ対応するn本の基準軸を位置付けておく基準軸取得手段と、
    c)評価対象においを前記におい測定手段により測定することで前記m次元空間に測定点を位置付け、該測定点と前記n本の基準軸との位置関係に基づいて少なくとも2種以上の基準においに対するにおい質の類似性/相違性を反映したにおい質指標値をそれぞれ算出するにおい質情報算出手段と、
    d)前記評価対象においに対応する測定点と前記n本の基準軸との位置関係に基づいて、評価対象においの総合的なにおいの強度を反映したにおい強度指標値を算出するにおい強度情報算出手段と、
    e)複数の前記におい質指標値、及び前記におい強度指標値に基づいて、評価対象においを評価する評価処理手段と、
    を備えることを特徴とするにおい識別装置。
  2. 前記評価処理手段は、複数のにおい質指標値及びにおい強度指標値についてそれぞれ定められた判定閾値に基づき評価対象においが合格品であるか否かを判定する合否判定手段であり、複数の判定閾値の組み合わせにより前記合否判定手段における合格レベルを複数段階に設定可能としたことを特徴とする請求項1に記載のにおい識別装置。
  3. a)異なる応答特性を有するm(mは2以上の整数)個のにおいセンサを含むにおい測定手段と、
    b)基準においを前記におい測定手段により測定することで、前記においセンサからの検出出力により形成されるm次元空間において基準においに対応する基準軸を位置付けておく基準軸取得手段と、
    c)評価対象においを前記におい測定手段により測定することで前記m次元空間に測定点を位置付け、該測定点と前記基準軸との位置関係に基づいて、評価対象においと基準においとのにおい強度の差異及びにおい質の差異、並びに基準においに対する評価対象においのにおい質の差異の方向性、を求めてこれらにより評価対象においを評価する評価処理手段と、
    を備えることを特徴とするにおい識別装置。
  4. 前記m次元空間において、前記基準軸に直交する平面内への測定点の射影点を考え、該射影点と前記基準軸が貫く基準点とを結ぶ直線の方向性によって、前記におい質の差異の方向性を表現することを特徴とする請求項3に記載のにおい識別装置。

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