JP2007286041A - 異物の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寄生虫他の異物を検出する方法、特に肉に寄生している状態の寄生虫を検出する方法を提供すること。
【解決手段】寄生虫他の異物に可視光を照射して励起される蛍光を検出することを特徴とする異物の検出方法である。肉類に寄生した状態の寄生虫の検出に適している。励起光を透過させず、寄生虫の発する蛍光を透過するフィルターを用いて寄生虫が発する蛍光を選択的に検出することを特徴とする寄生虫の検出方法である。被検体に対して特定波長の可視光を照射する光源、励起光の乱反射を吸収するフィルター、被検体からの蛍光を撮影するカメラ、画像処理装置、モニタからなる寄生虫の検出装置である。
【選択図】なし

Description

本発明は、異物を検出する方法に関する。特に、魚介類肉、畜肉等に寄生した寄生虫の検出方法に関する。
魚介類には天然・養殖を問わず種々の寄生虫が存在することが知られており、これらを予防あるいは駆除するさまざまな方法が考案されている。しかし効果的な予防法や駆除法が未だに見出されない寄生虫も存在し、これらの中には魚介類の商品価値を損なうものも少なくない。この場合、魚介類から加工された製品中の寄生虫を検出することが産業上、重要な課題となる。
例えばスケトウダラTheragra chalcogrammaのフィレ(切り身)生産では、このような寄生虫を検出するためにキャンドリングと呼ばれる検出方法が実施されている。これは透過光によりフィレ中の寄生虫を検査する方法で、具体的には光を透過するベルトコンベア上にフィレを連続的に供給し、下方より蛍光灯等の光源でフィレを照射し、上方から検査担当者がフィレ中の寄生虫を検査するものである。この方法は単に寄生虫のみならず、残皮・残骨等の異物の混入をも総合的に検査し排除できる優れた方法である。
しかしながら、アニサキスに代表されるようなある程度大きな寄生虫であればキャンドリングで検出することは比較的容易であるが、寄生虫が小型になるほど検出は難しくなる。またフィレの生産現場においてキャンドリングが実施される場合、生産性やフィレの鮮度保持等の観点からキャンドリングのベルトコンベアは一定以上の速度で運転することを要求される場合も多く、この場合、小型の寄生虫の検出はさらに困難さを増すことになる。
小型の寄生虫の例としてはイクチオフォヌス・ホフェリIchthyophonus hoferiが挙げられる。イクチオフォヌスは海産魚の寄生虫として古くから知られている寄生虫であるが、スケトウダラにも寄生することが近年知られるようになった(非特許文献1)。この報告によると寄生されたスケトウダラ筋肉(可食部)ではある種のプロテアーゼ活性が増大するため、スケトウダラから生産される製品の肉質を軟化させる等の問題を引き起こす。しかしこの寄生虫はアニサキスと比較すると極めて微小なため、キャンドリングによる検出は困難を極める。
キャンドリング以外の方法として、フィレに紫外線を照射して寄生虫を検出する方法が特許文献1に記載されている。明細書には「切り身肉中の寄生虫或いは寄生虫卵に紫外線波長光が照らされると、その紫外線を吸収し励起して可視波長光域の青色の発光を生じる。これは、従来の照明装置で照らした場合には見られない現象である。」と記載されている。
魚介類の筋肉が紫外線照射により蛍光を発することは多くの魚種で知られている(非特許文献2)。
特開平1−311253号 Kimura et. al, Fish. Sci. 68 (Suppl.): 1549-1552, 2002 Harry, J. Sci. Food Agric. 33: 1135-1142, 1982
本発明は寄生虫を検出する方法、特に肉に寄生している状態の寄生虫を検出する方法を提供することを課題とする。
本願発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、可視光照射により寄生虫は蛍光を発するが、魚肉は鮮度にかかわらず蛍光を発しないことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記の(1)〜(5)の寄生虫の検出方法を要旨としている。
(1)寄生虫に可視光を照射して励起される蛍光を検出することを特徴とする寄生虫の検出方法。
(2)寄生虫が肉類に寄生した状態の寄生虫である(1)の寄生虫の検出方法。
(3)励起光を透過させず、寄生虫の発する蛍光を透過するフィルターを用いて寄生虫が発する蛍光を選択的に検出することを特徴とする(1)又は(2)の寄生虫の検出方法。
(4)寄生虫が可視光照射により蛍光を発する寄生虫である(1)、(2)又は(3)の寄生虫の検出方法。
(5)寄生虫がイクチオフォヌス・ホフェリ Ichthyophonus hoferi である(4)の寄生虫の検出方法。
また、本発明は、下記の(6)、(7)の異物の検出方法を要旨としている。
(6)肉類に可視光を照射して励起される蛍光を検出することを特徴とする異物の検出方法。
(7)異物が木、繊維、紙、卵殻、ゴム、昆虫のいずれかである(6)の異物の検出方法。
本発明により、肉に寄生した寄生虫を効率よく検出することができる。蛍光を検出するので、人の目に頼らず、画像解析により解析することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において肉類とは、魚介類または牛、豚、鶏などの肉類を指す。寄生虫の寄生の恐れのある肉類を対象とする。本発明において魚介類とは一般的に食される魚介類を対象としており、その加工形態は特に限定されるものでは無いが、光源と寄生虫の間に著しく光量を減衰させるような障害、例えば皮や貝殻が存在する場合にはこれを予め除去しておくことが望ましい。例として魚類をフィレに加工する方法が挙げられるが、キャンドリングのような透過光を利用する方法と異なり、本発明においては検査対象であるフィレの片面に皮が残存していても何ら問題はない。魚介類以外の畜肉、鶏肉でも筋肉が紫外線の照射により蛍光を発することが知られているので、紫外線照射による検出方法よりも本発明の可視光照射による検出方法が適している。
肉類に寄生する寄生虫としては、魚介類ではイクチオフォヌス、アニサキス、胞子虫、顎口虫、肺吸虫等が、牛肉では無鉤条虫等、豚肉では有鉤条虫、旋毛虫等が知られている。
本発明において可視光とはいわゆる波長が400〜800nmの目に見える光である。励起光の波長は検査対象の寄生虫によって異なるが、例えば、イクチオフォヌスの場合には、紫色〜緑色光(波長400〜550nm)を照射すると蛍光を発する。特に、青色光(波長430〜490nm)を照射すると強い蛍光を発するので好ましい。励起光として用いる光源は可能な限り特定の波長範囲のみを照射するものを用いることにより、目的とする寄生虫からの蛍光以外のノイズを少なくすることができるので好ましい。そのような光源が容易に入手できない場合でも、特定の波長のみ透過するフィルターを一般の光源と併せて使用することにより同等の効果が発揮される。このようなフィルターとして富士写真フイルム(株)が市販する特定波長透過フィルター等を用いることができる。
本発明において寄生虫を目視あるいはカメラ等で検出する際、寄生虫が発する蛍光が微弱な場合には、魚介類表面における励起光の乱反射を光学フィルターで吸収することにより蛍光のみを確実に捉えることができる。この光学フィルターは、励起光の波長を吸収し、寄生虫が発する蛍光の波長を透過する性質のものであればどのようなフィルターでもよく、例えば、富士写真フイルム(株)が市販する紫外線吸収フィルター等が例示される。
本発明の方法は紫外線を利用しない極めて安全な方法であるため、キャンドリングと同様、検査担当者の目視により寄生虫を検出することができる。また、本発明の方法は寄生虫のみが蛍光を発するノイズの少ない方法であるため、デジタルカメラ、CCDカメラ等により画像を得て、これに市販の画像解析装置を組み合わせ、例えば二値化等の画像処理を行うことにより寄生程度をコンピュータに自動的に判断させることもできる。
寄生虫の発する蛍光は必ずしも強い光ではないので、カメラは高感度のものが好ましく、例えば、150万画素高感度カメラ等を使用する。また、画像解析装置も高分解能対応のものを使用する。
上述の寄生虫検出と同じ理論で、木、繊維、紙、卵殻、ゴム、昆虫などの異物も検出できることを確認した。これらの物質も可視光を照射すると蛍光を発するので、蛍光を発しない肉類にこれらの異物が付着している場合、検出できる。これらの物質以外でも可視光の照射により蛍光を発する物質であれば、同様に検出できる。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<実施例1> ベーリング海にて漁獲されたスケトウダラを三枚におろし、皮を除去して新鮮なフィレを得た。まず、このフィレにイクチオフォヌスが寄生していることをキャンドリングにより確認した(図1)。図1の写真においてフィレ全体に点在する黒く微小なスポットがイクチオフォヌスであるが、他の異物や筋節等も観察されるため瞬間的にイクチオフォヌスを識別するのは難しかった。次いで図2に示した方法で青色光を照射し、デジタルカメラにより撮影した。得られた画像は図3(写真)で、フィレは発光せずイクチオフォヌスの寄生部位のみが発光したため、寄生フィレであることを瞬間的かつ明確に確認できた。
用いた装置;光源(青色LED):Deno1デイランプ(PIAA(株)製)、デジタルカメラ:Dimage F200(ミノルタ(株)(現コニカミノルタフォトイメージング(株))製)、特定波長透過フィルター:BPB-45(富士写真フイルム(株)製)、紫外線吸収フィルター:SC-52(富士写真フイルム(株)製)
<比較例1>
実施例1で用いたのと同じフィレに、図4に示した方法で紫外線(365nm)を照射し、デジタルカメラにより撮影した。得られた画像は図5(写真)で、フィレの表面での乱反射および紫外線照射によりフィレが発した蛍光のためにイクチオフォヌスの寄生部位を確認することは極めて困難だった。
用いた装置;光源(紫外線ランプ):UVL-56(UVP社製)、デジタルカメラ:Dimage
F200(ミノルタ(株)(現コニカミノルタフォトイメージング(株))製)
<比較例2>
実施例1で用いたのと同じフィレに、図6に示した方法で紫外線(365nm)を照射し、デジタルカメラにより撮影した。比較例1と比較例2の相違点はデジタルカメラのレンズの前に実施例で用いたのと同じフィルター(紫外線吸収フィルター)を使用したことである。得られた画像は図7(写真)で、フィレ表面の乱反射はフィルターにより吸収されたものの、フィレが発した蛍光は吸収されず、実施例のようにイクチオフォヌス寄生部位とフィレを明瞭に区別することは出来なかった。
用いた装置;光源(青色LED):UVL-56(UVP社製)、デジタルカメラ:Dimage F200(ミノルタ(株)(現コニカミノルタフォトイメージング(株))製)、紫外線吸収フィルター:SC-52(富士写真フイルム(株)製)
<実施例2>
被検体(イクチオフォヌスが寄生した魚のフィレ)に対して、青バンドパスフィルター(富士フィルム社製)を通して、青色LEDからの光を45度の角度で2方向より照射し、黄シャープカットフィルター(富士フィルム社製No.52)を介して高感度ビデオカメラで被検体を撮像し、その画像を寄生虫の発する蛍光を識別する画像処理装置により処理してモニター上で観察した。
フィレに存在する骨や筋なども蛍光を発したが、画像処理により、寄生虫からの蛍光と区別することができ、画像処理により、寄生虫寄生の有無を識別できることを確認した。
<実施例3>
実施例1と同じ装置を用いて、寄生虫以外の異物について検出できるかどうかを試験した。木(爪楊枝、割り箸)、)天然繊維(麻ひも、紙(上質紙、再生紙)、卵殻、ゴム(輪ゴム)、虫(ハエ、ミミズ)、プラスチック(レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン)について試験した。このうち、プラスチックは蛍光が非常に薄く、感度よく検出できなかったが、それ以外の異物は十分な蛍光を発し、本発明の方法で検出できることが確認できた。
フィレ状に加工された肉類の寄生虫寄生の有無を効率よく、画像解析によって検出できる。加工に適さない寄生虫寄生肉類を除くことにより、品質のよい加工品を提供することができる。
実施例のフィレをキャンドリングで見た写真である。 実施例の方法を説明する図面である。 実施例の方法でフィレを撮影した写真である。 比較例1の方法を説明する図面である。 比較例1の方法でフィレを撮影した写真である。 比較例2の方法を説明する図面である。 比較例2の方法でフィレを撮影した写真である。

Claims (7)

  1. 寄生虫に可視光を照射して励起される蛍光を検出することを特徴とする寄生虫の検出方法。
  2. 寄生虫が肉類に寄生した状態の寄生虫である請求項1の寄生虫の検出方法。
  3. 励起光を透過させず、寄生虫の発する蛍光を透過するフィルターを用いて寄生虫が発する蛍光を選択的に検出することを特徴とする請求項1又は2の寄生虫の検出方法。
  4. 寄生虫が可視光照射により蛍光を発する寄生虫である請求項1、2又は3の寄生虫の検出方法。
  5. 寄生虫がイクチオフォヌス・ホフェリ Ichthyophonus hoferi である請求項4の寄生虫の検出方法。
  6. 肉類に可視光を照射して励起される蛍光を検出することを特徴とする異物の検出方法。
  7. 異物が木、繊維、紙、卵殻、ゴム、昆虫のいずれかである請求項6の異物の検出方法。
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