JP2007304689A - フィルムセンサ及びガラス構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で設置場所の影響が少なく、容易に施工可能なガラスに貼合するフィルムセンサを提供することにある。更に侵入窃盗の犯罪で比率の高い「ガラス破り」に対応した防犯性の高いフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】透明基材の一方の面の全部又は一部に透明である第一の導電層を備え、該第一の導電層が形成された透明基材とは非接触で第二の導電体からなる対極を備え、第一の導電層及びで第二の導電体からなる対極に、第一の導電層及びで第二の導電体からなる対極の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなり、かつ第一の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とするフィルムセンサとする。
【選択図】図1

Description

フィルムセンサに関し、詳しくはフィルムに接近し、或いは接触する物体、人体の存在を検出するフィルム状の静電容量センサに関する。
窓ガラスの静電容量を検出する技術としては、窓ガラスに直接透明電極を形成し、雨や結露の検出する静電容量センサが知られている。更に特許文献1では、導電性フィルムとアースされている窓の枠体との静電容量変化を検出する検出回路を備えたガラスセンサが提案されている。
一方、最近の防犯に関しては、多層ラミネートや多層押し出しした積層フィルムが用いられてきている。この背景として、窓からの侵入が大幅に増加していることがある。警察庁の発表の「平成17年上半期の犯罪情勢」では、侵入窃盗の犯罪の手段に関して、「ガラス破り」の比率が最も高く、この傾向は数年続いている。
特開2001−804857号公報
先述の方法では、静電容量のガラスセンサとして非常によく考えられている。検出電極となる導電性フィルムの対極がアースされたガラス窓の枠体と決まっているので検出安定性に優れている。しかしガラス窓のアースされている枠体を対極としているため、ガラスセンサを具備するためには、窓枠すべてを交換しなければならず、既に建てられた住宅では大がかりな改造が必要になってしまう。また各住宅で窓枠の大きさ異なり、住宅内でも様々なサイズのガラス窓が存在するため、検出回路の容量調整が施工時に煩雑となってしまう。一方、窓枠の保温性と結露防止、軽量化のために樹脂で出来た窓枠も最近登場しているが、樹脂の窓枠は対極として使用できない問題が発生していた。
本発明では、安価で設置場所の影響が少なく、容易に施工可能なガラスに貼合するフィルムセンサを提供することにある。更に侵入窃盗の犯罪で比率の高い「ガラス破り」に対応した防犯性の高いフィルムを提供することにある。
課題を解決するための手段として、
請求項1記載の発明は、透明基材の一方の面の全部又は一部に透明である第一の導電層を備え、該第一の導電層が形成された透明基材とは非接触で第二の導電体からなる対極を備え、第一の導電層及びで第二の導電体からなる対極に、第一の導電層及びで第二の導電体からなる対極の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなり、かつ第一の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とするフィルムセンサである。
請求項2記載の発明は、透明基材の一方の面の全部又は一部に透明である第一の導電層が形成され、もう一方の面の一部に第二の導電層が形成され、第一の導電層及び第二の導電層に、第一の導電層及び第二の導電層の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなりかつ第一の導電層及び第二の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とすることを特徴とするフィルムセンサである。
請求項3記載の発明は、前記第二の導電層がフィルムセンサの外周に沿って枠状に形成されている請求項2に記載のフィルムセンサである。
請求項4記載の発明は、透明基材の一方の面の一部に透明である第一の導電層が形成され、同一面の一部に透明である第二の導電層が形成され、第一の導電層及び第二の導電層に、第一の導電層及び第二の導電層の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなりかつ第一の導電層及び第二の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とすることを特徴とするフィルムセンサである。
請求項5記載の発明は、前記第一の導電層又は第二の導電層のうち一方の導電層がフィルムセンサの外周に沿って枠状に形成されており、もう一方の導電層が、その内側に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフィルムセンサである。
請求項6記載の発明は前記第一の導電層が、キャリア密度が2×1021cm−3以上である物質を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムセンサである。
請求項7記載の発明は、前記第一の導電層が、誘電体/銀を主成分とする金属/誘電体、若しくは透明導電性酸化物/銀を主成分とする金属/透明導電性酸化物の構成を含む多層膜からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムセンサである。
請求項8記載の発明は、前記透明基材片面又は両面に、1枚又は複数枚の透明フィルムが粘着層又は接着層を介しり合わせてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムセンサである。
請求項9記載の発明は、最外層に粘着層又は接着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムセンサである。
請求項10記載の発明は、前記粘着層又は接着層が形成されている透明基材の粘着層又は接着層形成面の反対面に、ハードコート層が形成されている請求項9記載のフィルムセンサである。
請求項11記載の発明は、前記透明基材が多層構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のフィルムセンサである。
請求項12記載の発明は、紫外線吸収機能を有することを特徴とするる請求項1〜11のいずれかに記載のフィルムセンサである。
請求項13記載の発明は、前記請求項1〜12のいずれかに記載のフィルムセンサが貼り付けてあるガラス構造物である。
請求項14記載の発明は、前記ガラス構造物が窓ガラスであることを特徴とする請求項13記載のガラス構造物である。
本発明は、波長780〜〜2500nmの赤外線領域の透過率が70%以下、好ましくは50%以下で有ることを特徴とするフィルムセンサである。これは、十分な日照調整機能、特に熱的な遮断性を有する特性である。このフィルムセンサは、透明導電層をフィルムセンサの検出電極として、静電容量の変化を検出することが可能な検出回路と電気的に接続してフィルムセンサとしている。このフィルムセンサを窓ガラスに貼り合わせれば、窓ガラスに物体が近づくと静電容量が変化し、それを検出することにより防犯機能が発現する。
検出電極の対極は、窓枠等を用いて接地しても、新たにフィルムセンサ内に形成しても静電容量変化の検出可能は可能であるが、設置場所により静電容量は変化するので、検出感度、安定動作のためには対極を適宜選択することが好ましい。窓で用いられる静電容量のガラスセンサでは、検出電極となる導電層の対極は、一般的には接地されたガラス窓の枠体で検出安定性に優れている。しかし設置場所によっては静電容量が大きくなりすぎ、検知物体の人間が触れることに容量変化が極めて小さくなり検出できないことがある。検出電極の透明導電層に加え、透明導電層と同一面若しくは反対面に対極となるもう一つの導電層を形成することにより、一つのフィルムセンサ内で静電容量の変化が検出できる様になり、設置場所による検出への影響を低減させることも可能である。
透明基材を積層構造、若しくは透明基材と粘着層で透明フィルムを貼り合わせることにより、突き刺し強度や引き裂き強度を増すことも出来る。ガラスにフィルムセンサを貼合することで、ガラスを破って家や建築物内に侵入することをしにくくすることができるため、防犯性の高いフィルムを提供することが可能である。このような構造のフィルムは、当然地震災害時に発生するガラス飛散に対しても高い防止機能を併せ持つ。
上記フィルムセンサは、ガラス構造物やショーケースやショーウィンドウ等の窓枠を意匠性の点から省くことの多い場合にも有効である。また本発明によるフィルムセンサはフィルムセンサを貼合したガラス構造物、窓ガラス、及びガラス状建物構造物に近づいた時に検出回路より出力信号を発することにより、アナウンス等のガイドを行ったり、警報等の防犯機能を行ったり、幅広い用途で効果を発揮する。
以上のように、本発明によれば、設置場所の影響が少なく容易に施工可能なガラスに貼合するフィルムセンサであって、日照調整機能、侵入窃盗の犯罪で比率の高い「ガラス破り」に対応した非常に高い防犯性を有するウィンドウフィルムを可能とする高機能フィルムセンサを提供できる。
以下、本発明に係るフィルムセンサの実施の形態に関して詳述する。
本発明に係るフィルムセンサは、住居や店舗、博物館や美術館のガラス窓の防犯システム用のフィルムセンサであり、更に日照調整機能を有するものである。積層フィルム化することにより、窓ガラス等から屋内へ侵入する「ガラス破り」に対して高い防犯機能を有するフィルムセンサとすることが出来る。その特徴とする機能は、第一は侵入者がフィルムセンサに接近、若しくは接触すると検出回路から出力信号が発せられ、警報等が作動するというセンサ機能である。第二は、十分な熱線遮断性を持つ日照調整機能である。第三はフィルムセンサを中心基材として粘着剤や接着剤を用いて多層構造とすることにより突き差しや引き裂きに対して高い耐性を有する防犯機能である。
まず本発明のフィルムセンサの動作について図1〜図3を用いて説明する。図1に示す様に本発明のフィルムセンサ11は透明基材12、第一の導電層13と第二の導電体である対極の窓枠14から形成され、上記の導電層と窓枠(対極)の静電容量の変化を検出する検出回路15を備えた構造となっている。
また図2に示す様に本発明のフィルムセンサ21は透明基材22、第一の導電層23と、反対面の一部に第二の導電層24が形成され、上記の二つの導電層間の静電容量の変化を検出する検出回路25を備えた構造となっている。図1、図2とも基本的な構成は一緒であるが、図1の場合は対極が窓枠であり、電気的には窓枠は接地されて大地全体が対極となっている。
一方図2の場合は、対極が透明導電層形成面の反対面の第二の透明導電層であり、電気的には接地されていない。そのため、大地全体が対極とする場合に比べ、一つのフィルム内で静電容量の変化が検出できるため検出安全性に優れている。
検出回路は、特に制限されるものではないが、最も簡単で一般的な方法として、例えば図3示すようなブリッジ回路31が適用できる。ブリッジ回路は、静電容量32、静電容量33、静電容量34、静電容量35からなり、静電容量34がフィルムセンサ21なるように電気結線されている。静電容量32と静電容量34間の点Aと、静電容量33と静電容量35間の点B間の電気信号の変化を測定するように比較回路37が設けられている。フィルムセンサ動作時には、ブリッジ回路へ交流信号発信部36より交流信号を流すようになっている。
侵入者38がフィルムセンサに接近、若しくは接触すると容量34に侵入者の浮遊容量39が加わり静電容量が変化するため、点Aと点B間の電気信号が変化する。この変化量がある数値レベル以上(しきい値設定)になると出力信号を出すようにすることによりフィルムセンサとして動作する。出力信号を受け取るコントローラや警報器と組み合わせることにより警報システム(図示せず)を構成でき、防犯システムとして機能させることが可能となる。
本実施の形態では、静電容量34がフィルムセンサ21となっている。検出電極となる導電層(図1と図2では第一の導電層13、23)をほぼフィルム全面に形成してフィルムセンサ全面で検出可能とし、且つ対極側となる導電層が図1では窓枠14、図2では第二の導電層24を枠状に形成してある。
本実施の形態では、検出回路として最も簡単で一般的な方法であるブリッジ回路31を適用している。通常の状態(侵入者が接近していない、若しくは接触していない場合)では、検出電極と対極間の静電容量とブリッジ回路のその他の静電容量の間には以下の関係が成り立って平衡状態になっている、

Z1・Z3=Z2・Z4

静電容量32 : C1 インピーダンス Z1=1/ωC1
静電容量33 : C3 インピーダンス Z3=1/ωC3
静電容量34 : C4 インピーダンス Z4=1/ωC4
静電容量35 : C2 インピーダンス Z2=1/ωC2
(ωは交流信号の振動の角周波数とする)

これを通常状態とすると、侵入者が接近、若しくは接触した場合に、Z3が変化して平衡状態が崩れて差を検出することが出来る。対極を窓枠等とする場合は、窓枠やガラス窓等のサイズがそれぞれ異なるため、結果として静電容量44とインピーダンスZ3が取付け状態(窓枠形状等)で色々な数値を取り得てしまう。このため、窓枠毎に静電容量32、33、35の調整を施工時に行うことになりるが、一方で検出電極と対極がフィルムセンサの内部に形成されていると、フィルムセンサ作製時に静電容量34の値が予測でき、更に設置環境に影響されにくいため安定な検出が行える。
前記記載の動作は、図4に示したフィルムセンサ41では、第一の導電層43と、第二の導電層44が透明基材42の同一面に形成されており、フィルムの厚みには影響されないことから、より好ましいとも言える。
図2または図4に示すように、第一の導電層に対して、対極の第二の導電層を窓枠状に外側に沿って形成することにより、第一の透明導電層23、43と第二の導電層24、44までの距離がどの部分をとっても均一になり、侵入者が近づいたり接触したりした時に検出が安定するので好適である。
<透明基材>
透明基材には、透明性を有するフィルム状の無機化合物成形物または有機化合物成形物が挙げられるが、そのフレキシビリティーと軽量性、それに何よりも加工性の点から有機化合物が好適であり、成形物の形状は表面が平滑であれば特に限定されない。また透明基材は、透明性を有すれば単一有機化合物成形物の均質構造(例えば光学的に異方性のない)が可能である。一方、フィルムの強度を強化するために同一、又は異なる有機化合物成形物を粘着・接着剤により積層構造体化した積層フィルムや、フィルムの成型時に多層構造化としたフィルムも使用可能である。
透明性を有する有機化合物としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリエチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等のプラスチックが挙げられる。特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等のプラスチックフィルムが透明性、強度、価格等から好適である。前記プラスチックフィルムの厚さは、目的の用途に応じて25〜300μmの範囲から適宜選択され、更に目的の用途に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が添加さてれていても特に構わないし制約を加えるものではない。
<導電層>
導電層は、検出電極として機能するだけでなく、熱線遮蔽性を発現する。熱線遮蔽性は赤外線を反射することにより達成される。具体的には波長780〜〜2500nmの光線透過率が70%以下であることが必要である。
また、第一の導電層に用いる場合、透明性が求められる。
このような光学的な振る舞いは、透明導電層を構成する物質内部の自由電子(キャリア)と光の相互作用であり、電気的特性のキャリア密度と光学的特性の反射の関係を用いるが出来る。前記相互作用は、プラズマ共鳴振動と呼ばれ、振動周波数をプラズマ振動周波数ωpと言う。プラズマ振動周波数ωpより小さい周波数の光は、物質内部の自由電子(キャリア)と共鳴し反射される。プラズマ振動周波数ωpは、

ωp=nq/ε
(n:キャリア密度、q:キャリアの電荷、ε:誘電率、m:キャリアの有効質量)

で表される。プラズマ振動周波数ωpにおける光の波長λpは、光速cとの関係式c=ωp・λpから、λp=c/ωpで求められる。関係式から近赤外領域である約800nm以上の赤外線を効率よく反射するために、λp=800nmについてキャリア密度を求めると約2×1021cm−3と求められる。本発明では、キャリア密度が上記の値以上の物質を導電層に少なくとも一層入れる。
透明な導電層として一般的なインジウム、錫、亜鉛、チタン、ニオブ、セリウム、アンチモン等の酸化物、及び2種類以上の元素から成る複合酸化物は、キャリア密度が上記値に達しないため、少なくとも金属を一層用いる必要がある。導電層として前記条件を満たせば特に制限されるものではないが、例えば図5に示すような誘電体/銀を主成分とする金属/誘電体、若しくは透明導電性酸化物/銀を主成分とする金属/透明導電性酸化物の構成を含む多層膜が可視光域の透明性。及び熱線遮断性から好適である。形成方法も特に制限されるものではないが、ドライ法として真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ活性化蒸着法、スパッタリング法、CVD法などがあり、Wet法としてゾルゲルや導電性を有する粒子を分散させ塗液を塗布乾燥する方法などがある。
誘電体、透明導電性酸化物としては、前記の複合酸化物の加えてアルミ、シリコン、ジルコニア、イットリウム、タンタル等の酸化物、及び2種類以上の元素からなる複合酸化物を用いることが出来るが、特に限定されるものではない。また銀を主成分とする金属は、銀を主成分に金、銅、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、セリウム、ネオジウム、クロム、モリブデン、タングステン、ルテニウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、亜鉛、アルミニウム、インジウム、シリコン、錫、ビスマスから選ばれた少なくとも一種を含有する合金、混合物からなる金属が挙げられるが、特に限定されるものではない。
第二の導電層、導電体も上記物質と同様のものを用いることができる。
<粘着層・接着層>
図6及び図7に示す粘着層66、76と接着層76は、各透明フィルム間の貼り合わせとガラスへの貼り合わせに用いられる。使用に際して明確な区別はないが、ガラスに貼り合わせる面を粘着剤とするのが良い。その理由は、粘着剤とガラスが接すると、ガラスが割れた時に粘着剤がガラスの飛散を防止するために「ガラス破り」に強く、防犯性能が高くなるからである。貼り合わせの層数も要求特性に合わせて適宜決めて良い。粘着剤には、ポリアクリル酸エステルを主成分したアクリル系粘着剤、シリコーン樹脂を主成分としたシリコーン系粘着剤、また天然ゴム、合成ゴムの弾性体と粘着付与剤が主成分のゴム系粘着剤等がある。使用可能な粘着剤に制限は無いが、本発明における粘着剤としては、アクリル系あるいはシリコーン系の粘着剤が好ましい。接着剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が使用可能である。
<ハードコート>
図6及び図7に示すハードコート層は、フィルムセンサ表面の高硬度化を目的とする。その効果は、鉛筆等による引っ掻き傷、スチールウールによる擦り傷等が起こらない耐禍性処理である。ハードコート層の材料には、透明性、適度な硬度および機械的強度を有するものであれば良く、アクリル系樹脂、有機シリコーン系樹脂、ポリシロキサン等の樹脂材料が挙げられる。またハードコート層を塗工する際に、塗工液に樹脂フィラーや無機のフィラーを混合させることにより高硬度化することや、フィルム自体を不透明化しプライバシー保護機能の付与も可能であり、各々適宜使用しても構わない。
<紫外線吸収層>
この他に粘着層、ハードコート層に紫外線吸収性能を付与することも出来る。紫外線吸収層は、太陽光線中の紫外線が室内に入射するのを低減させるだけでなく、フィルムの耐光性も向上させる機能である。方法には、紫外線吸収剤を含む皮膜を形成したり、粘着層及び接着層、またはハードコート層に混ぜて各々の層を形成したりすればよい。形成方法は特に制限されない。紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系などの有機系と、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム等の無機微粒子系があり、要求特性に合わせて単独、または混合して使用して構わない。
紫外線吸収剤を固定する樹脂として、主にアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が一般に使用される。またフィルムセンサの透明導電層で用いた透明酸化物材料の中には、紫外線領域にバンドギャップに起因した吸収性能を有するものがあり、被膜を形成して紫外線吸収層の効果を付与することが可能である。
また透明基材として、上記の様な紫外線吸収剤を含有させた可視域で透明なプラスチックフィルムを用いることも可能である。
<他の構成例>
また、第一の導電層を有する透明基材の片面又は両面、又は第一の導電層と第二の導電層を有する透明基材の片面又は両面に、1枚又は複数枚の透明フィルムを粘着層又は接着層を介しり貼り合わせてもよい。
このようにすることで、多層化することができ、侵入者の侵入を効果的に防ぐことができる。
透明フィルムとしては、前記透明基材と同様の用いることができる。粘着層又は接着層に用いる粘着剤又は接着剤は前述のものを用いることができる。
<ガラス窓>
本発明のフィルムセンサを貼り付ける対象として、窓ガラスのようなガラス構造物を挙げたが、これに限らず、透明で強度があり窓やショーウィンドウとして使用可能であれば特に制限されず、合成樹脂板等でも可能である。また貼合したフィルムセンサの誤動作を防ぐために、動作許可信号を用意し動作を制限することも可能である。例として、窓ガラスなどにマイクロスイッチを設置する等が好適である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は本発明実施の例であり、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示すように、透明基材12として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム((以下、PETフィルムと記す)上に、透明な第一の導電層13としてインジウム錫酸化物(以下ITOと称す)で銀をサンドイッチした多層膜(膜厚 ITO(40nm)/Ag(13.5nm)/ITO(40nm))を形成した。第一の導電層と第二の導電体からなる対極である窓枠との間の静電容量の変化を検出する検出回路15を結線してフィルムセンサ11とした。多層膜のシート抵抗値は約7Ω/□であった。この時の波長780〜〜2500nmの赤外線域の透過率は70%以下であった。
交流信号発信部より交流信号として矩形波を発信し、矩形波の周波数は100kHzとした。図4に示す点Aと点Bの交流信号の比較は、比較回路において点Aの交流信号はそのままで、点Bの交流信号は極性を反転して、それぞれの信号の足し算を行う。通常状態では、ブリッジ回路が平衡状態であり、点Aと点Bは同じ波形の交流信号となっているので、点Aの交流信号と極性が反転した点B交流信号を足し算すると常に零となった。次いで透明導電層13に手を接触させると、比較回路では信号が出力された。これはブリッジ回路の平衡状態が変化したことを示し、フィルムセンサとして機能することが出来た。
<実施例2>
図2に示すように、透明基材22として、厚さ100μmのPETフィルム上に、透明な第一の導電層23としてインジウム錫酸化物(以下ITOと称す)で銀合金(原子数比:Ag98.5、Au1.0、Cu0.5 以下AACと称す)をサンドイッチした多層膜(膜厚 ITO(40nm)/AAC(13.5nm)/ITO(40nm))を形成した。透明な第二の導電層24にはインジウム錫酸化物(以下ITOと称す)を形成し、上記の二つの導電層間の静電容量の変化を検出する検出回路25を結線してフィルムセンサ21とした。多層膜のシート抵抗値は約8Ω/□であった。この時の波長780〜〜2500nmの赤外線域の透過率は70%以下であった。
発信する交流信号、及び交流信号の比較方法は実施例1と同様にして行った。通常状態では、ブリッジ回路が平衡状態であり、点Aと点Bは同じ波形の交流信号となっているので、点Aの交流信号と極性が反転した点B交流信号を足し算すると常に零となった。次ぎに、第一の透明導電層13に手を接触させると、比較回路では信号が出力された。これはブリッジ回路の平衡状態が変化したことを示し、フィルムセンサとして機能することが出来た。
<実施例3>
図6に示すように、実施例2のフィルムセンサの透明な第一の導電層63上に粘着層を貼り合わせ、透明な第二の導電層64上に紫外線硬化型のアクリル樹脂を塗工、紫外線照射して硬化させてハードコート層を形成してフィルムセンサ61とした。次いでフィルムセンサ61を厚さ3mmのガラス板に粘着層で貼り合わせて、フィルムセンサ61を窓ガラス上に貼り付けたのと同じ状態にした。発信する交流信号、及び交流信号の比較方法は実施例2と同様にして行った。通常状態では、上記実施例と同じようにブリッジ回路は平衡状態にあり、点Aの交流信号と極性が反転した点B交流信号を足し算すると常に零となった。透明な第一の導電層側であるガラスに手を接触させると、比較回路では信号が出力された。これはブリッジ回路の平衡状態が変化したことを示し、ガラスに貼合させた状態でフィルムセンサとして機能することが確認出来た。
以上の結果より、本発明によれば、検出電極となる透明導電層にキャリア密度の高い物質を少なくとも一層用いることにより、波長780〜2500nmの赤外線領域の透過率が70%以下とすることが出来るため、高性能フィルムセンサ機能に加えて、熱的な遮断性を有する日照調整機能を持つフィルムセンサが得られる。さらに、透明フィルムを貼り合わせするか、若しく多層構造を有する透明フィルムを透明基材とすることにより、突き刺し強度や引き裂き強度に優れたフィルムセンサが得られる。
本発明のフィルムセンサの層構成の一例である。 本発明のフィルムセンサの層構成の一例である。 本発明のフィルムセンサの層構成の一例である。 図3のフィルムセンサで用いられる検出回路の一例である。 本発明の導電層の一例である。 本発明のフィルムセンサの層構成の一例である。 本発明のフィルムセンサの層構成の一例である。
符号の説明
11、21、41、51、61、71・・・フィルムセンサ
12、22、42、52、62、72・・・透明基材
13、23、43、53、63、73・・・透明な第一の導電層
14・・・第二の導電体である対極
24、44、64、74・・・第二の導電層
15、25、45、65、75・・・検出回路
32・・・静電容量
33・・・静電容量
34・・・静電容量
35・・・静電容量
36・・・交流信号発信部
37・・・比較回路
38・・・侵入者
39・・・侵入者の浮遊容量
56・・・誘電体、若しくは透明導電性酸化物
57・・・銀を主成分とする金属
66、76・・・粘着層若しくは接着層
67、77・・・ハードコート層

Claims (14)

  1. 透明基材の一方の面の全部又は一部に透明である第一の導電層を備え、該第一の導電層が形成された透明基材とは非接触で第二の導電体からなる対極を備え、
    第一の導電層及びで第二の導電体からなる対極に、第一の導電層及びで第二の導電体からなる対極の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなり、
    かつ第一の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とするフィルムセンサ。
  2. 透明基材の一方の面の全部又は一部に透明である第一の導電層が形成され、もう一方の面の一部に第二の導電層が形成され、
    第一の導電層及び第二の導電層に、第一の導電層及び第二の導電層の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなり
    かつ第一の導電層及び第二の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とすることを特徴とするフィルムセンサ。
  3. 前記第二の導電層がフィルムセンサの外周に沿って枠状に形成されている請求項2に記載のフィルムセンサ。
  4. 透明基材の一方の面の一部に透明である第一の導電層が形成され、同一面の一部に透明である第二の導電層が形成され、
    第一の導電層及び第二の導電層に、第一の導電層及び第二の導電層の間の静電容量の変化を検出する検出回路が接続されてなり
    かつ第一の導電層及び第二の導電層が形成された透明基材の波長780〜2500nmの光線透過率が70%以下であることを特徴とすることを特徴とするフィルムセンサ。
  5. 前記第一の導電層又は第二の導電層のうち一方の導電層がフィルムセンサの外周に沿って枠状に形成されており、もう一方の導電層が、その内側に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフィルムセンサ。
  6. 前記第一の導電層が、キャリア密度が2×1021cm−3以上である物質を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムセンサ。
  7. 前記第一の導電層が、誘電体/銀を主成分とする金属/誘電体、若しくは透明導電性酸化物/銀を主成分とする金属/透明導電性酸化物の構成を含む多層膜からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムセンサ。
  8. 前記透明基材片面又は両面に、1枚又は複数枚の透明フィルムが粘着層又は接着層を介しり合わせてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムセンサ。
  9. 最外層に粘着層又は接着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムセンサ。
  10. 前記粘着層又は接着層が形成されている透明基材の粘着層又は接着層形成面の反対面に、ハードコート層が形成されている請求項9記載のフィルムセンサ。
  11. 前記透明基材が多層構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のフィルムセンサ。
  12. 紫外線吸収機能を有することを特徴とするる請求項1〜11のいずれかに記載のフィルムセンサ。
  13. 前記請求項1〜12のいずれかに記載のフィルムセンサが貼り付けてあるガラス構造物。
  14. 前記ガラス構造物が窓ガラスであることを特徴とする請求項13記載のガラス構造物。
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