JP2007305181A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波面収差の補正を行う目的で液晶素子を備える光ディスク装置において、光記録媒体のばらつきによらず適切に波面収差の補正を行える光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスク装置1が波面収差の補正を行うために備える液晶素子は、液晶素子制御手段6によってその駆動が制御される。液晶素子制御手段6が備える記憶手段30は、液晶に電圧を印加した場合における、液晶の配向方向の時間変化に関する情報を少なくとも1種類の電圧値について記憶する。液晶素子駆動手段6が備える駆動電圧決定手段31は、液晶素子に所定の駆動電圧を印加してから、光検出手段で変換された電気信号を処理して得られる再生信号が最適となるまでの時間を取得し、取得した前記時間と記憶手段30に記憶される情報と前記所定の駆動電圧とから、液晶素子に印加すべき駆動電圧を決定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、光記録媒体の情報の記録や再生に用いられる光ディスク装置に関し、特に液晶素子を搭載する光ディスク装置に関する。
コンパクトディスク(以下、CDという。)やデジタル多用途ディスク(以下、DVDという。)といった光記録媒体が普及している。更に、近年、光記録媒体の情報量を増やすために、光記録媒体の高密度化に関する研究が進められ、例えばブルーレイディスク(以下、BDという。)等の高密度化された光記録媒体も実用化されつつある。このような光記録媒体の記録再生は、光源から光ビームを光記録媒体に照射して情報の読み取りや記録を行う光ピックアップを備える光ディスク装置によって行われる。
光記録媒体においては、記録面を保護するために、所定の厚みの透明な保護層が記録面を覆うように形成されるが、この保護層の厚みは、全て同じ所定の厚みとなるように製造するのは困難であり、実際には誤差を伴う。そして、光記録媒体が有する保護層の厚みに誤差が生じると球面収差が発生し、光ディスク装置で光記録媒体の再生等を行う場合に再生信号の劣化等が問題となる場合がある。
また、この球面収差は、光ピックアップが備える光源からの光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズの開口数(NA)の4乗に比例して増加するために、一般に高開口数の対物レンズ(例えばNA=0.85)を用いるBD等に対応する光ディスク装置では、特に保護層の厚みのばらつきに伴う球面収差の発生が深刻な問題となる。
球面収差の補正を行う目的で、光ディスク装置が備える光ピックアップの光学系中に、駆動電圧に応じて屈折率が変化する液晶素子を配置し、この液晶素子に印加する電圧を制御することで液晶素子を通過する光ビームの位相を制御し、球面収差の補正を行う光ディスク装置が従来から知られているが、光記録媒体のばらつき(例えば保護層の厚みのばらつき)で生じる球面収差の補正を行うためには、光ディスク装置に光記録媒体が挿入される毎に、球面収差を補正するための条件(液晶素子を駆動する駆動電圧)を液晶素子に与える必要がある。
このような技術として、例えば、特許文献1においては、光学系に球面収差が生じているとその球面収差の度合いに応じてトラッキングサーボゲインが減少する点に注目して、トラッキングサーボゲインが大となる方向へと随時、球面収差補正値を推移させて行くように構成し、光記録媒体の保護層の厚さ誤差等によって球面収差が生じても、その再生動作中において常に最適な補正値を用いて球面収差の補正が行える光ディスク装置を提案している。
しかしながら、特許文献1の光ディスク装置においては、液晶素子の駆動電圧を最低でも2回以上変更して最適な球面収差を得る構成であるために、球面収差補正の最適な値を得るのに時間を要し、良好な品質での再生が行えるまでに時間を要するといった問題がある。
特許第3489193号公報
以上の問題点を鑑みて、本発明の目的は、波面収差の補正を行う目的で液晶素子を備える光ディスク装置において、光記録媒体のばらつきによらず適切に波面収差の補正を行える光ディスク装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、波面収差の補正を適切に行うために必要な、液晶素子に印加する最適な駆動電圧を高速に探査できる光ディスク装置を提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、光源と、対物レンズを含み、前記光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される光ビームを所定の受光位置まで導く光学系と、液晶と該液晶を挟む2つの透明電極とを有し、前記光学系中に配置されて波面収差の補正を行う液晶素子と、前記所定の受光位置に配置されて前記記録面で反射される光ビームを受光する光検出手段と、を備える光ディスク装置において、前記液晶に電圧を印加した場合における、前記液晶の配向方向の時間変化に関する情報を少なくとも1種類の電圧値について記憶する記憶手段と、前記液晶素子に所定の駆動電圧を印加してから、前記光検出手段で変換された電気信号を処理して得られる再生信号が最適となるまでの時間を取得し、取得した前記時間と前記記憶手段に記憶される情報と前記所定の駆動電圧とから前記液晶素子に印加すべき駆動電圧を決定する駆動電圧決定手段と、を設けたことを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、前記液晶の配向方向の時間変化に関する情報は、前記液晶を通過する光ビームの位相の時間変化に関する情報であることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、前記再生信号が最適となるまでの時間は、前記所定の駆動電圧の印加と同時に、一定の時間間隔でRF信号の振幅、トラッキングエラー信号の振幅、及びジッタ値のうちのいずれか一つの測定を行うことによって取得されることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、前記透明電極の少なくとも一方は複数の領域に分割されて、前記液晶素子は前記複数の領域のそれぞれに独自に電圧を印加することにより駆動し、前記所定の駆動電圧は、前記複数の領域のそれぞれについて印加される所定の電圧であって、前記駆動電圧決定手段によって決定される駆動電圧は、前記複数の領域のそれぞれについて印加すべき電圧であることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の光ディスク装置において、装置内には前記液晶素子の周囲の温度を測定する温度検出手段が備えられ、前記記憶手段は、所定の温度毎に、少なくとも1種類の電圧値について前記液晶の配向方向の時間変化に関する情報を記憶し、前記駆動電圧決定手段は、前記温度検出手段によって得られた温度に基づいて前記液晶素子に印加すべき駆動電圧を決定することを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、光ディスク装置に光記録媒体が挿入される毎に、波面収差を適切に補正できる液晶素子の駆動電圧を決定できるために、光記録媒体のばらつき等によらず、光ディスク装置の記録や再生の品質を良好なものとできる。また、液晶素子に印加すべき適切な駆動電圧を探査する際に、液晶素子に印加する駆動電圧を1回設定するだけで所望の駆動電圧を得ることが可能であり、液晶素子に印加すべき適切な駆動電圧を高速度で得られる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の光ディスク装置において、記憶手段に記憶しておくデータの収集が容易に実現でき、光記録媒体のばらつき等によらず、記録や再生の品質を良好とできる光ディスク装置を得やすい。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の光ディスク装置において、再生信号が最適となる場合の検出が行い易く、本発明の光ディスク装置の実現が容易である。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1から第3のいずれかの構成の光ディスク装置において、液晶素子を構成する透明電極を複数の領域に分割してそれぞれ独自に電圧を印加する構成であるために、波面収差の補正を適切に行える。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1から第4のいずれかの構成の光ディスク装置において、液晶素子の温度変化による特性変動に対応できるために、液晶素子による波面収差の補正をより適切に行うことが可能となり、光ディスク装置の記録や再生の品質をより良質のものとすることが可能となる。
以下に本発明の内容を詳細に説明するが、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。光ディスク装置1は、光記録媒体15の情報の再生、及び光記録媒体15への情報の記録を行うことができる。2は、スピンドルモータであり、光記録媒体15は、このスピンドルモータ2の上部に設けられるチャック部(図示せず)に着脱可能に保持される。そして、光記録媒体15の情報の記録再生を行う際に、スピンドルモータ2は光記録媒体15を連続回転する。スピンドルモータ2の回転制御は、スピンドルモータ制御手段3によって行われる。
4は、光ピックアップであり、光源から出射される光ビームを光記録媒体15に照射し、光記録媒体15への情報の書き込みと、光記録媒体15に記録されている情報の読み取りを可能とする。図2は、光ピックアップ4の光学系を示す概略図である。図2に示すように、光ピックアップ4においては、光源16から出射された光ビームは、コリメートレンズ17で平行光となり、ビームスプリッタ18を透過し、立ち上げミラー19で反射されてその光軸が光記録媒体15の記録面15aと略垂直とされ、液晶素子20を通過して対物レンズ21によって光記録媒体15の情報が記録される記録面15aに集光される。
光記録媒体15で反射された反射光は、対物レンズ21、液晶素子20の順に通過し、立ち上げミラー19で反射された後、更にビームスプリッタ18で反射されて集光レンズ22によって光検出器23の受光部(図示せず)に集光される。光検出器23は受光した光ビームが有する光情報を電気信号に変換する。
本実施形態の光ピックアップ4は液晶素子20を備えているが、この液晶素子20は、球面収差の補正を行うように構成されている。以下、本実施形態の液晶素子20の構成について説明しておく。図3は、光ピックアップ4が備える液晶素子20の構成を説明するための図で、図3(a)は、液晶素子20の構成を示す概略断面図で、図3(b)は、図3(a)の液晶素子20を上面から見た平面図である。なお、ここに示す液晶素子20の構成は一例で、これに限定される趣旨ではない。
図3(a)に示すように、液晶素子20は、液晶24と、液晶24を挟む2枚の透明電極25a、25bと、液晶24と透明電極25a、25bで形成される部分26を挟む2枚のガラス板27と、を備えている。また、図3(b)に示すように、液晶素子20を構成する透明電極25aは同心円状の複数の領域28a〜28fに分割されている。一方、透明電極25aに対向する透明電極25bは分割されることなく、全体で一つの共通電極となっている。
なお、透明電極25bも透明電極25aと同一の同心円状の複数の領域としても構わない。また、透明電極25aを分割して形成される領域の数(本実施形態では、6つとしている)は、本実施形態の構成に限らず、必要に応じて自由に変更されるものである。
このように構成される液晶素子20の透明電極25a、25bに駆動電圧を印加した場合、液晶24がその配向方向を変化して屈折率の変化を生じ、液晶素子20を通過する光ビームは、液晶素子20に印加される駆動電圧に応じて位相差を生じる。そして、液晶素子20の透明電極25aは、上述のように複数に分割された構成となっているために、各領域28a〜28fに印加する電圧を調整することで、液晶素子20を通過する光ビームに対して所望の位相差を発生し、球面収差の補正を適切に行うことが可能となる。
なお、透明電極25a、25bは、配線29によって液晶素子制御手段6(図1参照)に備えられる液晶素子駆動回路(図示せず)と電気的に接続されており、この液晶素子制御手段6により液晶素子20に印加される駆動電圧がコントロールされる。液晶素子制御手段6による液晶素子20の駆動制御の詳細については後述する。
図1に戻って、光ディスク装置1には信号処理手段8が設けられており、この信号処理手段8は、少なくともRF信号処理部9とトラックエラー信号処理部10とフォーカスエラー信号処理部11とを含んでいる。そして、この信号処理手段8において、光検出器23(図2参照)で変換された電気信号に基づいて、RF信号、トラックエラー信号(TE信号)、フォーカスエラー信号(FE信号)を生成する。RF信号はデータ復調手段12でデータに復調され、図示しないインターフェースを介してパソコン等の外部機器に出力される。
なお、本実施形態においては、光検出器23(図2参照)が有する受光領域23aは、図4に示すように4つの領域A、B、C、Dから成り、各領域で得られる電気信号をSA、SB、SC、SDとすると、FE信号及びTE信号は、以下に示す式で得られる。
FE信号=(SA+SC)−(SB+SD)
TE信号=(SA+SB)−(SC+SD)
すなわち、FE信号はいわゆる非点収差法で得られる構成となっており、TE信号はいわゆるプッシュプル法によって得られる構成となっている。なお、FE信号及びTE信号を得る構成はこれに限られる趣旨ではなく、種々の変更が可能である。すなわち、例えば、FE信号はいわゆるスポットサイズ法で得て、TE信号はいわゆるコレクトファーフィールド法で得る構成等としても構わない。
TE信号及びFE信号は、アクチュエータ制御手段7に出力される。アクチュエータ制御手段7は、これらの信号に基づいて、対物レンズ21を移動可能とする図示しないアクチュエータに駆動信号を供給する。駆動信号が供給されたアクチュエータは、信号に基づいて各部を作動させて、対物レンズ21を光軸と平行な方向に移動して、光記録媒体15の記録面15aにフォーカスを追従させるフォーカス制御や対物レンズ21を光記録媒体15の半径方向と平行な方向に移動して光ビームのスポット位置を光記録媒体15に形成されるトラック位置に追従させるトラッキング制御を行う。
その他、レーザ制御手段5は、光ピックアップ4に備えられる半導体レーザから成る光源16(図2参照)のレーザ出力を制御する。また、全体制御手段13は、スピンドルモータ制御手段3、レーザ制御手段5、液晶素子制御手段6、アクチュエータ制御手段7、信号処理手段8、及びデータ復調手段12等を制御して、装置全体のコントロールを行う。
次に、液晶素子制御手段6が行う液晶素子20の駆動制御の詳細について説明する。液晶素子制御手段6は、装置内に挿入される各光記録媒体15について、適切な球面収差の補正を行いながら記録や再生を行えるように、光記録媒体15が光ディスク装置1内に挿入されると、所定のタイミングで液晶素子20に印加する駆動電圧の決定を行うように構成されている。図5は、液晶素子制御手段6の構成を示すブロック図である。図5に示すように、液晶素子制御手段6は、記憶手段30と、駆動電圧決定手段31と、液晶素子駆動回路32と、を備える。
記憶手段30には、液晶24(図3参照)に電圧を印加した場合における、液晶24の配向方向の時間変化に関する情報が記憶されている。具体的には、液晶24に一定の電圧を印加すると同時に液晶24を通過する光ビームの位相の時間変化を測定し、時間毎に、液晶24を通過する光ビームの位相の変化率を得て、これをテーブル化して、記憶手段30は記憶している。なお、ここで言う位相の変化率は、液晶24の配向状態が、液晶24に電圧を印加する前の状態から、印加された一定の電圧に応じた配向状態へと変化した場合における、液晶24を通過する光ビームの位相の変化量を1とし、それに対する位相の変化の割合を表したものである(以下、位相の変化率は同じ意味で用いる。)
また、時間毎の液晶24を通過する光ビームの位相の変化率は、液晶24に印加する電圧の大きさによって異なり、液晶素子20は上述のように複数の領域28a〜28fにそれぞれ独自に電圧が印加されて駆動されるものであるために、記憶手段30には、後述する駆動電圧決定手段31によって液晶素子20に印加すべき駆動電圧を決定できるように、複数の電圧値の場合について、時間毎の液晶24を通過する光ビームの位相の変化率を記憶している。
なお、本実施形態においては、テーブル化して記憶手段30に記憶する構成としているが、これに限られる趣旨ではなく、例えば、時間毎の液晶24を通過する光ビームの位相の変化率について一定の関係式が得られる場合には、その関係式を記憶手段30に記憶しておく構成等としても構わない。また、記憶手段30に記憶される情報は、液晶24に電圧を印加した場合における、液晶24の配向方向の時間変化に関する情報であれば良く、本実施形態の構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、液晶24の屈折率の時間変化に関する情報(例えば、時間毎の液晶24の屈折率の変化率をテーブル化したもの)を記憶する構成等としても構わない。
また、記憶手段30は、液晶素子制御手段6における液晶素子20の駆動の制御に必要な情報のみを記憶する記憶手段としても構わないし、例えば全体制御部13で必要となる情報等、種々の情報を記憶する記憶手段であっても構わない。
駆動電圧決定手段31は、後述する動作によって、光ディスク装置1における記録再生の品質を良好なものとできるように、液晶素子20に印加する適切な駆動電圧を決定する役割を果たす。駆動電圧決定手段31は、信号処理手段8と電気的に接続されて、駆動電圧の決定に必要な情報を、信号処理手段8で処理された電気信号に関する所定の測定(後述する)を行うことによって得られるように構成されている。
また、駆動電圧決定手段31は、液晶素子駆動回路32とも電気的に接続されて、これまた、駆動電圧の決定に必要な情報を得るために液晶素子20に所定の駆動電圧を印加したり、更には最終的に決定した駆動電圧情報を液晶素子駆動回路32に送信したりする。更に、上述したように、駆動電圧決定手段31は記憶手段30とも接続されており、ここから得られる情報を用いて、液晶素子20に印加すべき駆動電圧の決定を行う。
液晶素子駆動回路32は、上述のように液晶素子20を構成する透明電極25a、25b(図3参照)に電気的に接続されて、液晶素子20の駆動が可能となっている。この液晶素子駆動回路32は、上述のように駆動電圧決定手段31と電気的に接続されており、これらから送信される命令に基づいて、液晶素子20に駆動電圧を印加する。
このように構成される液晶素子制御手段6において、駆動電圧決定手段31が液晶素子20に印加すべき駆動電圧の決定を行う動作の詳細について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
光ディスク装置1内に光記録媒体15が挿入されると、所定のタイミングで、球面収差を適切に補正するために液晶素子20に印加すべき駆動電圧の探査が開始される。なお、この駆動電圧の探査を開始するタイミングについては、特に限定されるものではないが、光ディスク装置1による記録や再生が行われる前に実施されるのが好ましく、例えば、光ディスク装置1に光記録媒体15が挿入された段階で即開始される構成等が挙げられる。
液晶素子20に印加すべき駆動電圧の探査は、まず、駆動電圧決定手段31が、液晶素子駆動回路32に、所定の駆動電圧を液晶素子20に印加するように命令することで開始される(ステップS1)。なお、詳細には、液晶素子20を構成する透明電極25aは複数の領域28a〜28f(図3参照)に分割されているために、各領域について所定の電圧が印加される。
また、この段階においては、液晶素子20に印加する所定の駆動電圧の大きさについては、基本的に限定されるものではないが、液晶素子20においては、印加する駆動電圧が高すぎたり低すぎたりすると、液晶素子20が正常に駆動しない領域があるために、その領域内の電圧値は選択されるべきではない。更に、駆動電圧の探査時間をできる限り短縮するという狙いにおいては、この段階で最適な駆動電圧より高めと考えられる駆動電圧を印加するのが好ましい。この点については後述する。
液晶素子20に所定の駆動電圧が印加されると、駆動電圧決定手段31はそれと同時にトラックエラー(TE)信号の振幅の測定を開始する(ステップS2)。TE信号の振幅は、詳細には、光記録媒体15の記録面15aに光源16から出射される光ビームのフォーカスが合った状態で、記録面15aに集光するスポット光を光記録媒体15に形成されるトラックを横切らせた場合に得られるTE信号の振幅のことを指している。
TE信号の振幅の測定が開始されると、一定の時間毎にTE信号の振幅が記憶手段14に記憶される(ステップS3)。次に、TE信号の振幅の測定が終了であるか否かが確認される(ステップS4)。TE信号の振幅の測定は、予め決められた所定の時間だけ行われることになっており、所定の時間が経過するまで続けられる。このため、TE信号の振幅の測定が終了するまでは、ステップS3、S4が繰り返される。
TE信号の振幅の測定が終了すると、得られたTE信号の振幅情報から、TE信号の振幅の極大値の検出を行う(ステップS5)。ここで、極大値が検出されたか否かが確認される(ステップS6)。極大値が検出されない場合には、液晶素子20に印加される駆動電圧の変更が行われ(ステップS7)、極大値が得られるまでステップS1からステップS6が繰り返される。
ステップS8以降について説明する前に、ここまで(ステップS1からS7まで)の動作の詳細(このように動作させる理由)について、図7を参照しながら説明しておく。図7は、液晶素子20に所定の駆動電圧を印加した場合における、TE信号の振幅の時間変化を表したグラフである。
液晶素子20に駆動電圧が印加されると、液晶素子20を構成する液晶24が駆動電圧に応じて一定の方向に配向し始める。そして、液晶24の配向方向が変化している途中段階においては、光源16から出射されて液晶素子20を通過する光ビームに発生する位相についても刻々と変化するために、光検出器23から得られる電気信号を処理して得られるTE信号の振幅についても刻々と変化する。
そして、TE信号の振幅は、再生信号が最適となる場合に最大となるために、TE信号の振幅が極大値(図7のグラフ上の黒丸で示す。)をとる時間を探し、その時点における液晶24の配向状態を再現するように液晶素子20に駆動電圧を印加できれば、最も良質の再生信号が得られる。この最も良質の再生信号を得られる状態に液晶素子20の駆動電圧に決定することが駆動電圧決定手段31の最終的な目的であり、先に示したステップS1からステップS7は、最も良質の再生信号を得るための液晶24の配向状態を見つける段階である。
なお、ステップS3で一定時間毎(図7においては5mS毎としている)にTE信号の振幅を記憶するのは、TE信号の振幅が極大となる地点を探し出すためであり、TE信号の振幅の極大値を確実に検出できるように、なるべく短い時間間隔でTE信号の振幅を測定するのが好ましい。また、TE信号の振幅の測定に要する時間が長くなる場合には、測定間隔が長くなってしまい、極大値の検出ができなくなる可能性がある点に注意する必要がある。この場合は、後述するTE信号の振幅とは異なる測定をする必要がある。
また、ステップS1で印加する所定の駆動電圧の大きさによっては、極大値が検出されない場合があるため、ステップS7を設ける構成となっているが、これは例えば、ステップS1における所定の駆動電圧の大きさが、液晶24の配向状態が最適となるのに必要な駆動電圧より小さい場合が該当し、この状態を図8に示している。このような状態では、液晶24の配向状態が最適となるのに必要な駆動電圧を決定できないため、ステップS1で印加する所定の駆動電圧は、液晶24の配向状態が最適となるのに必要な駆動電圧より少し大きめの値が好ましい。なお、このような値は、ある程度は事前の実験等により把握しておくことが可能であり、ステップS7の動作を行う頻度を減らすことは可能である。すなわち、所定の駆動電圧の設定変更は、大概の場合は行わなくて済み、駆動電圧の探査時間を高速とできる。
更に、以上においては、再生信号が最適となる場合を検出するためにTE信号の振幅を測定する構成としているが、これに限定される趣旨ではなく、再生信号が最適となる場合を検出できるのであれば、いずれの測定でも構わない。このような測定として、例えば、RF信号の振幅やジッタ値の測定等が挙げられる。なお、RF信号の振幅の測定を行う場合は、再生信号が最適となる場合として、TE信号の振幅の場合と同様に極大値を検出すればよいが、ジッタ値の測定を行う場合には、極小値を検出することになる。
図6に戻って、ステップS8以降に動作について説明する。TE信号の振幅について極大値が検出されたら、所定の駆動電圧を印加してからTE信号の振幅が極大となるまでの時間を取得する(ステップS8)。次に、記憶手段30に記憶されているテーブルから、TE信号の振幅が極大となる時間における、液晶24を通過する光ビームの位相の変化率を取得する(ステップS9)。ここで取得した位相の変化率に対応する液晶24の配向状態が、再生信号を最適とできる液晶24の配向状態であり、このような配向状態となる液晶素子20の駆動電圧は次のように求めることができる。
なお、液晶素子20を構成する透明電極25aは複数の領域28a〜28f(いずれも図3参照)に分割されており、複数の領域28a〜28fそれぞれについて独自に電圧が印加されるために、TE信号の振幅が極大となる時間における、液晶24を通過する光ビーム位相の変化率は、それぞれの領域28a〜28fに対して取得される。
図9は、液晶24に印加する電圧と液晶24を通過する光ビームの位相との関係を示したグラフである。図9からわかるように、液晶24に印加する電圧が適切な範囲で印加(小さすぎたり、大きすぎたりしないことを意味する)されれば、駆動電圧の変化と液晶24を通過する光ビームの位相の変化とは、ほぼ比例関係にある。このため、或る電圧を液晶24に印加した時に得られる位相の変化のα%の変化(位相の変化率が該当)が得られれば良い場合には、或る電圧にα%を乗じて得られる電圧を印加すれば、ほぼ所望の位相の変化を得ることが可能となり、液晶素子20に、この駆動電圧を印加することにより、液晶素子20は球面収差の補正を適切に行うことが可能となる。
従って、ステップS1で液晶素子20に所定の駆動電圧として各領域28a〜28fに印加された電圧それぞれに、ステップS9でそれぞれ取得した位相の変化率を乗じて得られた各電圧が、液晶素子20に印加すべき駆動電圧ということになり、駆動電圧決定手段31によって、この駆動電圧がステップS8の後、算出及び決定される(ステップS10、S11)。
なお、以上に示した本実施形態においては、液晶素子20の性能が周囲の温度によって変化することは考慮していないが、この点を考慮する構成としても構わない。すなわち、光ディスク装置1の装置内に、液晶素子20の周囲の温度を検出できる図示しない温度検出手段(例えばサーミスタ等)を配置し、ここで得られる温度を駆動電圧決定手段31に送信できるように、例えば図10に示すように構成等しても構わない。なお、図10は、液晶素子制御手段6の変形例を示すブロック図である。
この構成においては、記憶手段30は、例えば、時間毎の液晶24を通過する光ビームの位相の変化率について、所定の温度毎に測定により求め、それをテーブル化して記憶している。そして、駆動電圧決定手段31は、温度検出手段からの温度情報に基づいて、記憶手段30から読み出す情報を選択し、温度に基づいて読み出された情報を基に、液晶素子20の駆動電圧を決定する。このように構成すれば、液晶素子20の温度変化による性能の変化に対応することが可能となり、液晶素子20による収差の補正をより適切なものとできる。
また、以上に示した本実施形態においては、光ディスク装置1は1つの光源を有し、1種類の光記録媒体15にのみ対応する構成としているが、これに限定される趣旨はなく、光ディスク装置1が複数種類の光記録媒体に対応する場合にも本発明は適用可能である。
更に、以上に示した本実施形態の光ディスク装置1においては、液晶素子20は球面収差を補正するタイプのものであるが、本発明は球面収差以外の収差(コマ収差や非点収差)を補正する液晶素子を備える光ディスク装置の場合にも適用可能である。その他、本実施形態においては、光ディスク装置1は記録再生可能な装置としているが、これに限定されず、例えば、再生のみを行う光ディスク装置等としても構わないのはもちろんである。
本発明は、波面収差を補正するために液晶素子を備える光ディスク装置において、適切に波面収差の補正を行える液晶素子の駆動条件を簡単で且つ高速に探査できるために、波面収差の補正が必要となる光ディスク装置に特に有用である。
は、本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 は、本実施形態の光ディスク装置が備える光ピックアップの光学系の概略図である。 は、本実施形態の光ディスク装置が備える液晶素子の構成を説明するための説明図である。 は、本実施形態の光ディスク装置が備える光検出器の受光領域の構成を示す概略平面図である。 は、本実施形態の液晶素子制御手段の構成を示すブロック図である。 は、本実施形態の光ディスク装置が備える駆動電圧決定手段の動作を示すフローチャートである。 は、液晶素子に所定の駆動電圧を印加した場合におけるTE信号の振幅の時間変化を表したグラフである。 は、液晶素子に所定の駆動電圧を印加した場合におけるTE信号の振幅の時間変化を表したグラフで、図7との比較のための図である。 は、液晶に印加する電圧と液晶を通過する光ビームの位相との関係を示したグラフである。 は、本発明の光ディスク装置の変形例である。
符号の説明
1 光ディスク装置
15 光記録媒体
15a 記録面
16 光源
20 液晶素子
21 対物レンズ
23 光検出器(光検出手段)
30 記憶手段
31 駆動電圧決定手段

Claims (5)

  1. 光源と、
    対物レンズを含み、前記光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光し、前記記録面で反射される光ビームを所定の受光位置まで導く光学系と、
    液晶と該液晶を挟む2つの透明電極とを有し、前記光学系中に配置されて波面収差の補正を行う液晶素子と、
    前記所定の受光位置に配置されて前記記録面で反射される光ビームを受光する光検出手段と、
    を備える光ディスク装置において、
    前記液晶に電圧を印加した場合における、前記液晶の配向方向の時間変化に関する情報を少なくとも1種類の電圧値について記憶する記憶手段と、
    前記液晶素子に所定の駆動電圧を印加してから、前記光検出手段で変換された電気信号を処理して得られる再生信号が最適となるまでの時間を取得し、取得した前記時間と前記記憶手段に記憶される情報と前記所定の駆動電圧とから前記液晶素子に印加すべき駆動電圧を決定する駆動電圧決定手段と、
    を設けたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記液晶の配向方向の時間変化に関する情報は、前記液晶を通過する光ビームの位相の時間変化に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記再生信号が最適となるまでの時間は、前記所定の駆動電圧の印加と同時に、一定の時間間隔でRF信号の振幅、トラッキングエラー信号の振幅、及びジッタ値のうちのいずれか一つの測定を行うことによって取得されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記透明電極の少なくとも一方は複数の領域に分割されて、前記液晶素子は前記複数の領域のそれぞれに独自に電圧を印加することにより駆動し、
    前記所定の駆動電圧は、前記複数の領域のそれぞれについて印加される所定の電圧であって、
    前記駆動電圧決定手段によって決定される駆動電圧は、前記複数の領域のそれぞれについて印加すべき電圧であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  5. 装置内には前記液晶素子の周囲の温度を測定する温度検出手段が備えられ、
    前記記憶手段は、所定の温度毎に、少なくとも1種類の電圧値について前記液晶の配向方向の時間変化に関する情報を記憶し、
    前記駆動電圧決定手段は、前記温度検出手段によって得られた温度に基づいて前記液晶素子に印加すべき駆動電圧を決定することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の光ディスク装置。
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