JP2007305268A - 軸受ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】軸の材料として、線膨張係数がスリーブの材料の線膨張係数よりも大きな素材を適用することで、温度上昇時における剛性の低下を抑制することが可能な軸受ユニットを提供する。
【解決手段】ハードディスクドライブの基台に設けられた軸Sと、当該軸に対してスイングアームを揺動及び回転自在に支持する転がり軸受2,4と、当該転がり軸受に外装されるスリーブ6とを備え、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するためのトレランスリング10が少なくとも1つ設けられた軸受ユニットであって、スイングアームには、その材料として、転がり軸受に備えられた内輪16,20の材料及び外輪18,22の材料よりも、線膨張係数の大きな素材が適用されており、軸には、その材料として、スリーブの材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されている。
【選択図】図1
【解決手段】ハードディスクドライブの基台に設けられた軸Sと、当該軸に対してスイングアームを揺動及び回転自在に支持する転がり軸受2,4と、当該転がり軸受に外装されるスリーブ6とを備え、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するためのトレランスリング10が少なくとも1つ設けられた軸受ユニットであって、スイングアームには、その材料として、転がり軸受に備えられた内輪16,20の材料及び外輪18,22の材料よりも、線膨張係数の大きな素材が適用されており、軸には、その材料として、スリーブの材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気ディスク装置(ハードディスクドライブ(以下、HDDという))のスイングアームを支持するための軸受ユニットに関し、特に、HDDの温度上昇時における剛性の低下を回避することが可能な軸受ユニットに関する。
例えば、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型及びノート型)などに搭載されるHDDにおいて、多数のトラックが形成されたハードディスク上をトレースするスイングアームは、軸受ユニットによって揺動及び回転自在に支持されている。
このような軸受ユニットは、ハードディスクドライブの基台に設けられた軸と、当該軸に対してスイングアームを揺動及び回転自在に支持する複数(例えば、2つ)の転がり軸受(以下、軸受という)と、当該軸受に外装されるスリーブと、当該スリーブに外装され、スイングアームが取り付けられるハウジングとが備えられている。
なお、スリーブ及びハウジングは、いずれも所定の筒状を成しており、HDDには、ハードディスクと、当該ハードディスクを回転させるスピンドルモータと、当該ハードディスクへのデータ書込み及び当該ハードディスクからのデータ読込みのための磁気ヘッドとが備えられている。
このような軸受ユニットは、ハードディスクドライブの基台に設けられた軸と、当該軸に対してスイングアームを揺動及び回転自在に支持する複数(例えば、2つ)の転がり軸受(以下、軸受という)と、当該軸受に外装されるスリーブと、当該スリーブに外装され、スイングアームが取り付けられるハウジングとが備えられている。
なお、スリーブ及びハウジングは、いずれも所定の筒状を成しており、HDDには、ハードディスクと、当該ハードディスクを回転させるスピンドルモータと、当該ハードディスクへのデータ書込み及び当該ハードディスクからのデータ読込みのための磁気ヘッドとが備えられている。
この場合、各軸受において、軸に固定(外嵌)された内輪と、スリーブに固定(内嵌)された外輪とが複数の転動体を介して相対回転可能に対向配置されており、ハウジングは、スリーブを介して外輪に固定されている。これにより、ハウジングに取り付けられたスイングアームは、各軸受で揺動及び回転自在に支持されることになる。
ところで、軸受ユニットの各部材を固定する方法(例えば、軸受(内外輪)と軸及びスリーブとを固定する方法、スリーブとハウジングとを固定する方法など)としては、従来から、各種の方法が知られている。
ところで、軸受ユニットの各部材を固定する方法(例えば、軸受(内外輪)と軸及びスリーブとを固定する方法、スリーブとハウジングとを固定する方法など)としては、従来から、各種の方法が知られている。
例えば、接着固定する方法では、内輪の内周面に接着剤を塗布して、当該内輪を軸の外周面に接着し、当該各軸受の外輪の外周面に接着剤を塗布して、当該外輪をスリーブの内周面に接着するとともに、スリーブの外周面とハウジングの内周面との間に接着剤を充填して当該スリーブをハウジングに接着している。
また、例えば、圧入固定する方法では、内輪の内周面を軸の外周面と当接させて当該内輪を圧入し、当該各軸受の外輪の外周面をスリーブの内周面と当接させて当該外輪を圧入するとともに、スリーブの外周面をハウジングの内周面と当接させて当該スリーブを圧入している。
なお、これ以外の方法としては、内外輪を軸及びスリーブに接着固定、あるいは圧入固定するとともに、スリーブをハウジングへ締結部材(例えば、ねじなど)により締結して固定するようにしてもよい。
また、例えば、圧入固定する方法では、内輪の内周面を軸の外周面と当接させて当該内輪を圧入し、当該各軸受の外輪の外周面をスリーブの内周面と当接させて当該外輪を圧入するとともに、スリーブの外周面をハウジングの内周面と当接させて当該スリーブを圧入している。
なお、これ以外の方法としては、内外輪を軸及びスリーブに接着固定、あるいは圧入固定するとともに、スリーブをハウジングへ締結部材(例えば、ねじなど)により締結して固定するようにしてもよい。
いずれの固定方法による場合でも、軸受は、スリーブの内周面に設けられた環状凸部や、環状を成すスペーサなどを各外輪の間に介在させることによって、あるいは、軸の外周面に設けられた環状のフランジ部に一方側の内輪を当接させることによって、所定の間隔で軸方向に沿って位置決めされている。なお、このように位置決めされた状態において、各軸受には、所定の予圧がそれぞれ付与されている。
しかしながら、軸受を接着固定する場合、例えば、接着剤の充填や固化が不十分であったり、隙間(例えば、内輪の内周面と軸の外周面との間の隙間など)が残っていたりすると、軸が傾いた状態で接着固定されてしまう場合がある。
また、軸受を圧入固定する場合、例えば、締め代が大き過ぎると、圧入時に軸や軸受などに過大な負荷がかかり、これらが損傷や変形してしまう場合があり、締め代が小さ過ぎると、圧入後に軸受やスリーブが位置ずれや脱落してしまう場合などがある。
また、軸受を圧入固定する場合、例えば、締め代が大き過ぎると、圧入時に軸や軸受などに過大な負荷がかかり、これらが損傷や変形してしまう場合があり、締め代が小さ過ぎると、圧入後に軸受やスリーブが位置ずれや脱落してしまう場合などがある。
そこで、このような不都合を回避すべく、特許文献1及び特許文献2には、トレランスリングを用いた固定方法が開示されている。トレランスリングは、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するための部材であって、例えば、弾性を有する材料(ばね用材料)で環状を成して構成され、その外周面が周方向に沿って等間隔で波形状を成すように成形されており、当該波形状を成す部分がトレランスリングの径方向に付勢された弾性力を有するばねとして作用する。
例えば、かかるトレランスリングをスリーブとハウジングとの間に介在させた場合、当該トレランスリングの弾性力と摩擦力によって、当該スリーブとハウジングとを固定することができる。これにより、例えば、圧入固定の場合のように、締め代の大きさによってその固定力が大きく変化することなく、簡単な構成で、容易にかつ確実にスリーブとハウジングとを固定することができる。これにより、軸受は、スリーブを介して軸に対して締め付けられた状態で位置決めされる。
ところで、軸受ユニットの仕様によっては、その軸及びスリーブの材料として、線膨張係数の異なる素材が適用される場合がある。例えば、スリーブの材料よりも線膨張係数の大きな素材を軸の材料として適用した場合、HDDの稼働中、温度上昇に伴い軸及びスリーブが熱膨張すると、スリーブよりも軸の方が大きく膨張するため、当該軸と当該スリーブとの間に介在する軸受は、スリーブ側へ押し付けられ、当該軸受の予圧が変化してしまう虞がある。これに対し、例えば、スリーブの材料よりも線膨張係数の小さな素材を軸の材料として適用した場合、HDDの稼働中、温度上昇に伴い軸及びスリーブが熱膨張すると、軸よりもスリーブの方が大きく膨張するため、当該軸と当該スリーブとの間に介在する軸受は、膨張量の差に相当する距離だけ微小に広がり、この場合も同様に、当該軸受の予圧が変化してしまう虞がある。
このため、従来から、一般的に、軸受ユニットの軸及びスリーブの材料としては、線膨張係数が同一の素材(同一材料)が適用されている。また、この場合、スイングアームには、その材料として、軸受の内輪及び外輪の材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されている。
特開2003−139154号公報
特開2003−161327号公報
このような構成の軸受ユニットにおいては、HDDの稼働中、温度上昇に伴い、スイングアームが軸受よりも大きく熱膨張し、当該スイングアームは、当該軸受に対して離間する方向へ、両者の膨張量の差に相当する距離だけ相対的に微小移動する場合がある。別の捉え方をすれば、スイングアームが外装されたハウジングの内周面と、軸受が固定されたスリーブの外周面との間の距離は、上記膨張量の差に相当する距離だけ微小に広がる場合がある。
この結果、トレランスリングの固定力(例えば、トレランスリングがスリーブを軸受に対して押し付ける弾性力)が小さくなり、当該トレランスリングからスリーブを介して軸受に対して加えられる予圧荷重が小さくなってしまう場合がある。この場合、軸受に対する予圧荷重を加える方向(例えば、トレランスリングから軸受方向へ向かう方向)へのトレランスリング自体の弾性変形により、当該軸受に対する予圧荷重の低下をある程度は抑制することができる。
しかしながら、多数のトラックが形成された高記録密度のハードディスク(例えば、1インチ当たり20万トラック(20万TPI)以上)を搭載したHDDなどにおいては、このような予圧荷重の低下により、軸受ユニットの剛性が低下すると、例えば、スイングアームを精度よく、高速かつスムーズにトレースさせることができなくなってしまう場合がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、軸の材料として、線膨張係数がスリーブの材料の線膨張係数よりも大きな素材を適用することで、温度上昇時における剛性の低下を抑制することが可能な軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る軸受ユニットには、ハードディスクドライブの基台に設けられた軸と、当該軸に対してスイングアームを揺動及び回転自在に支持する転がり軸受と、当該転がり軸受に外装されるスリーブとが備えられ、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するためのトレランスリングが少なくとも1つ設けられている。このような構成において、スイングアームには、その材料として、転がり軸受に備えられた内輪の材料及び外輪の材料よりも、線膨張係数の大きな素材が適用されており、軸には、その材料として、スリーブの材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されている。
この場合、軸受ユニットには、スリーブに外装され、スイングアームが取り付けられるハウジングが備えられており、トレランスリングは、軸と転がり軸受との間、当該転がり軸受とスリーブとの間、及び当該スリーブとハウジングとの間のいずれか少なくとも1箇所に設けられている。
また、ハードディスクドライブのディスクの記録トラック数は、1インチ当たり20万本以上に設定されている。
また、ハードディスクドライブのディスクの記録トラック数は、1インチ当たり20万本以上に設定されている。
本発明によれば、軸の材料として、線膨張係数がスリーブの材料の線膨張係数よりも大きな素材を適用することで、温度上昇時における剛性の低下を抑制することが可能な軸受ユニットを提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。
図1(a),(b)には、本発明の一実施形態に係る軸受ユニットが示されており、当該軸受ユニットには、ハードディスクドライブ(HDD)の基台(図示しない)に設けられた軸Sと、当該軸Sに対してスイングアーム(図示しない)を揺動及び回転自在に支持する転がり軸受(以下、軸受ともいう)2,4と、当該転がり軸受2,4に外装されるスリーブ6と、当該スリーブ6に外装され、スイングアームが取り付けられるハウジング8とが備えられている。
図1(a),(b)には、本発明の一実施形態に係る軸受ユニットが示されており、当該軸受ユニットには、ハードディスクドライブ(HDD)の基台(図示しない)に設けられた軸Sと、当該軸Sに対してスイングアーム(図示しない)を揺動及び回転自在に支持する転がり軸受(以下、軸受ともいう)2,4と、当該転がり軸受2,4に外装されるスリーブ6と、当該スリーブ6に外装され、スイングアームが取り付けられるハウジング8とが備えられている。
また、かかる軸受ユニットには、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するためのトレランスリング10が少なくとも1つ設けられている。具体的には、トレランスリング10は、軸Sと軸受2,4との間、当該軸受2,4とスリーブ6との間、及び当該スリーブ6とハウジング8との間のいずれか少なくとも1箇所に設けられており、図1(a),(b)に示す構成においては、一例として、スリーブ6とハウジング8との間に1つ設けられており、当該スリーブ6と当該ハウジング8とを位置決め固定している。
図1(a),(b)に示す構成においては、一例として、軸受ユニットには、2つの転がり軸受(図1(b)の左側の軸受2、及び同図の右側の軸受4)が設けられており、当該2つの軸受2,4が軸Sとスリーブ6との間に当該軸Sに沿って並んで介在されて、スイングアーム(図示しない)を支持している。
この場合、軸Sは、その全延出方向に亘って一定の外径を成す円筒状、すなわち、その外周面に、例えば、フランジ部や環状凸部などが設けられていない、いわゆるストレート軸として構成されている。ただし、軸Sの外周面S1には、その両端部(図1(a),(b)の左端部と右端部)に周方向に沿って、それぞれ所定の面取り部が形成されている。また、軸Sは、その内部が延出方向に沿って中空の円筒状を成す、すなわち、その内部に所定の中空部Ssを有する中空のストレート軸として構成されている。
なお、図1(a),(b)に示す構成において、軸Sは、中空のストレート軸として構成しているが、例えば、軸Sの外周面S1の一端側へ環状且つ一連にフランジ部を設けた構成としてもよい。
なお、図1(a),(b)に示す構成において、軸Sは、中空のストレート軸として構成しているが、例えば、軸Sの外周面S1の一端側へ環状且つ一連にフランジ部を設けた構成としてもよい。
また、スリーブ6は、その内部が延出方向に沿って中空を成す円筒状に構成されており、その内周面6aに周方向に沿って環状凸部6cが設けられているとともに、その外周面6bの両端部(図1(a),(b)の左端部と右端部)に周方向に沿って環状凸部6dが設けられている。
なお、これらの環状凸部6cや環状凸部6dは、周方向に沿って連続させて若しくは断続させて形成してもよいが、必ずしも必要ではなく、これらの一方若しくは双方を省略してもよい。この場合、スリーブ6は、その全延出方向に亘って一定の内径若しくは外径を成す円筒状に構成すればよい。
なお、これらの環状凸部6cや環状凸部6dは、周方向に沿って連続させて若しくは断続させて形成してもよいが、必ずしも必要ではなく、これらの一方若しくは双方を省略してもよい。この場合、スリーブ6は、その全延出方向に亘って一定の内径若しくは外径を成す円筒状に構成すればよい。
このような構成を成す軸S及びスリーブ6において、その材料は、特に限定されず、任意の素材を適用することができるが、本実施形態においては、軸Sの材料として、スリーブ6の材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されている。
例えば、軸Sの材料として、JIS規格によるSUS303鋼(オーステナイト系ステンレス鋼)を適用し、スリーブ6の材料として、JIS規格によるSUS403F鋼にマンガン(Mn)、鉛(Pb)及びテルル(Te)を添加した鋼(DHS−1:フェライト系ステンレス鋼)がそれぞれ適用されている。ただし、軸Sの材料として、線膨張係数がスリーブ6の材料の線膨張係数よりも大きな素材が適用されている限り、軸Sの材料とスリーブ6の材料の組合せは、上記の組合せに特に限定されない。
例えば、軸Sの材料として、JIS規格によるSUS303鋼(オーステナイト系ステンレス鋼)を適用し、スリーブ6の材料として、JIS規格によるSUS403F鋼にマンガン(Mn)、鉛(Pb)及びテルル(Te)を添加した鋼(DHS−1:フェライト系ステンレス鋼)がそれぞれ適用されている。ただし、軸Sの材料として、線膨張係数がスリーブ6の材料の線膨張係数よりも大きな素材が適用されている限り、軸Sの材料とスリーブ6の材料の組合せは、上記の組合せに特に限定されない。
なお、軸受2,4には、相対回転可能に対向して配置された一対の軌道輪(内輪16,20及び外輪18,22)と、内輪16,20及び外輪18,22の間に転動自在に組み込まれた複数の転動体(玉)24,26と、複数の転動体(玉)24,26を1つずつ回転自在に保持する保持器28,30とが備えられている。この場合、内輪16,20及び外輪18,22の間には、軸受2,4を密封するための密封板(例えば、接触型のシール、非接触型のシール及びシールド)46,48が介在されており、これにより、例えば、軸受2,4の外部からの異物(例えば、塵埃)の侵入や、軸受2,4の内部からの潤滑剤(例えば、グリース、潤滑油)の漏洩などを防止している。なお、一例として、軸受2,4においては、非接触型のシールド46,48が、外輪18,22の軸方向の両端部に形成された取付溝に固定されている。
また、一例として、保持器28,30には、冠型の保持器が適用されており、2つの保持器28,30は、その開口を互いに向かい合わせて各軸受2,4に組み込まれ(図1(b)参照)、内輪16,20と外輪18,22との間を回転している。なお、2つの保持器28,30は、その開口を互いに同一方向(図1(b)の左方向若しくは右方向)へ向けて軸受2,4に組み込んでもよいし、他方側(開口とは反対側の閉塞側)を互いに向かい合わせて軸受2,4に組み込んでもよい。また、図1(b)に示す構成においては、保持器28,30として冠型のタイプを適用しているが、この他、例えば、波型保持器、かご形保持器及び合せ保持器など、各種のタイプを適用することができる。
このような構成を成す軸受2,4において、その材料は、特に限定されず、任意の素材を適用することができるが、本実施形態においては、スイングアーム(図示しない)の材料として、軸受2,4の内輪16,20の材料及び外輪18,22の材料よりも、線膨張係数の大きな素材が適用されている。
なお、HDDには、いずれも図示しないハードディスクと、当該ハードディスクを回転させるスピンドルモータと、当該ハードディスクへのデータ書込み及び当該ハードディスクからのデータ読込みのための磁気ヘッドとが備えられている。また、この場合、ハードディスクとして、その記録トラック数が、1インチ当たり20万本以上の高トラック密度のディスクが適用されているHDDを、一例として想定する。
かかる軸受ユニットにおいて、例えば、各軸受2,4は、内輪16,20がその内周面16a,20aに接着剤を塗布して、軸Sの外周面S1に接着されているとともに、外輪18,22がその外周面18a,22aに接着剤を塗布して、スリーブ6の内周面6aに接着されて、当該軸Sと当該スリーブ6との間で固定されている。また、これ以外の固定方法としては、例えば、内輪16,20の内周面16a,20aを軸Sの外周面S1と当接させて、当該内輪16,20を圧入するとともに、外輪18,22の外周面18a,22aをスリーブ6の内周面6aと当接させて、当該外輪18,22を圧入し、当該軸Sと当該スリーブ6との間で固定してもよい。いずれの場合でも、各軸受2,4は、スリーブ6の環状凸部6cによって、所定の間隔で軸方向(図1(b)の左右方向)に沿って位置決めされている。
なお、軸受ユニットは、スリーブ6の内周面6aに環状凸部6cを設ける代わりに、各軸受2,4の外輪18,22間に、環状を成す所定のスペーサを介在させ、当該スペーサによって、各軸受2,4を所定の間隔で軸方向(図1(b)の左右方向)に沿って位置決めする構成としてもよい。この場合、例えば、スペーサは、その外径が外輪18,22の外径(スリーブ6の内径)と略同一を成すとともに、その内径が外輪18,22の内径よりも僅かに大きな環状を成して構成すればよい。また、スリーブ6の環状凸部6cやスペーサは、必ずしも外輪18,22間に介在させなくともよく、軸受ユニットは、2つの外輪18,22が直接当接するように、各軸受10,12を位置決めする構成としてもよい。
この場合、各軸受2,4には、所定の予圧がそれぞれ付与されており、かかる予圧は、以下のような方法により付与することができる。例えば、2つの軸受2,4の外輪18,22間に環状凸部6cを介在させて、スリーブ6の内周面6aに各外輪18,22を接着固定、あるいは圧入固定する。そして、一方側の軸受(図1(b)の左側の軸受)2の内輪16に軸方向(同図の左右方向)に対して一方向き(同図の右向き)の予圧を付与し、その状態で当該軸受2の内輪16を軸S(外周面S1)に接着固定、あるいは圧入固定する。同様に、他方側の軸受(図1(b)の右側の軸受)4の内輪20に軸方向(同図の左右方向)に対して他方向き(同図の左向き)の予圧を付与し、その状態で当該軸受4の内輪20を軸S(外周面S1)に接着固定、あるいは圧入固定する。これにより、2つの軸受2,4に所定の予圧を付与することができ、例えば、スイングアーム(図示しない)が微小揺動時にガタ付くことなく、高速かつスムーズにハードディスク上をトレースすることを可能にしている。
また、図1(a),(b)に示す構成において、軸受ユニットには、スリーブ6とハウジング8との間にトレランスリング10が介在されており、当該トレランスリング10により、スリーブ6は、ハウジング8に固定されている。
かかるトレランスリング10は、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するための部材であって、図1(c)に示すように、例えば、弾性を有する材料(ばね用材料)で環状を成して構成され、その外周面10aには、周方向に沿って等間隔で複数の凸状部10dが設けられており(後述する内径タイプに対して、外径タイプという)、当該凸状部10dがトレランスリング10の径方向に付勢された弾性力を有するばねとして作用する。
かかるトレランスリング10は、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するための部材であって、図1(c)に示すように、例えば、弾性を有する材料(ばね用材料)で環状を成して構成され、その外周面10aには、周方向に沿って等間隔で複数の凸状部10dが設けられており(後述する内径タイプに対して、外径タイプという)、当該凸状部10dがトレランスリング10の径方向に付勢された弾性力を有するばねとして作用する。
この場合、かかるトレランスリング10は、一例として、スリーブ6とハウジング8とを固定した状態において、その内径がスリーブ6の外周面6bの外径と略同一であって、その外径(凸状部10dの最大高部分を連続した仮想円の径)がハウジング8の内径と略同一を成すように構成されている。このため、当該固定前、すなわちスリーブ6とハウジング8との間に介在させる前の状態(図1(c)の状態)において、トレランスリング10は、その外径(凸状部10dの最大高部分を連続した仮想円の径)がハウジング8の内径よりも極僅かに大きな径を成すように構成されている。また、かかるトレランスリング10は、一例として、その幅(図1(a),(b)の左右方向の距離)が、スリーブ6の外周面6bの両端部に設けられた環状凸部6d間の距離と略同一となるように構成されている。
なお、図1(c)に示す構成において、トレランスリング10は、環状を成して構成したが、例えば、環状の一部を切り欠いたC字状を成すように構成してもよい。また、トレランスリング10は、分割構成としてもよく、例えば、円を2分割した半円状を成す2つのトレランスリング10を組み合わせることで、略環状を成すように構成してもよい。ここで、トレランスリング10の凸状部10dの形状、大きさ及び数などは、例えば、トレランスリング10の大きさや形状、及びスリーブ6とハウジング8間の距離などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
かかるトレランスリング10をスリーブ6とハウジング8との間に介在させることで、当該トレランスリング10の弾性力と摩擦力によって、当該スリーブ6と当該ハウジング8とを簡易かつ確実に固定することができる。
トレランスリング10を用いたスリーブ6とハウジング8との具体的な固定方法の一例としては、まず、スリーブ6の外周面6bにトレランスリング10を外装させる。この場合、トレランスリング10は、その両端部(図1(b)の左端部と右端部)が、スリーブ6の外周面6bの両端部に設けられた2つの環状凸部6dに当接するように装着すればよい。
トレランスリング10を用いたスリーブ6とハウジング8との具体的な固定方法の一例としては、まず、スリーブ6の外周面6bにトレランスリング10を外装させる。この場合、トレランスリング10は、その両端部(図1(b)の左端部と右端部)が、スリーブ6の外周面6bの両端部に設けられた2つの環状凸部6dに当接するように装着すればよい。
次いで、ハウジング8の内周面8aをトレランスリング10の凸状部10dに当接させた状態で、当該トレランスリング10が外装されたスリーブ6に対してハウジング8を挿入する。その際、トレランスリング10の凸状部10dが径方向の内側へ弾性変形し、当該トレランスリング10の外径が僅かに小さくなる。
そして、ハウジング8の軸方向(図1(b)の左右方向)の両端面がスリーブ6の軸方向(同図同一方向)の両端面と略面一となる状態にハウジング8を位置決めすると、トレランスリング10の凸状部10dが径方向の外側へ弾性変形する(元の状態に戻るように変形する)。この弾性変形時に生じる当該凸状部10dが径方向の外側へ付勢する弾性力、及び当該凸状部10dとハウジング8の内周面8aとの間に生じる摩擦力によって、スリーブ6とハウジング8とを固定することができる。
なお、トレランスリング10をハウジング8側に装着(内装)し、当該ハウジング8にスリーブ6を挿入することで、スリーブ6とハウジング8とを固定してもよい。この場合、トレランスリング10は、一例として、上記と同様の凸状部10dを内周面に設けた構成(内径タイプ)とすればよい。
また、図1(a),(b)に示す構成においては、スリーブ6とハウジング8とを固定するためにのみ、トレランスリング10を用いたが、軸受2,4と軸Sとを固定する場合、及び軸受2,4とスリーブ6とを固定する場合においても、トレランスリング10を用いることができる。この場合、例えば、軸Sの外周面S1及びスリーブ6の内周面6aにそれぞれトレランスリング10を装着するための円周溝を形成し、当該円周溝にそれぞれトレランスリング10を装着(外装及び内装)すればよい。
そして、内輪16,20及び外輪18,22をトレランスリング10に当接させた状態で、軸受2,4を軸Sとスリーブ6との間に挿入することで、当該軸受2,4を所定位置に固定することができる。なお、トレランスリング10としては、軸Sの外周面S1に上述した外径タイプ、スリーブ6の内周面6aに上述した内径タイプをそれぞれ適用して装着すればよい。
そして、内輪16,20及び外輪18,22をトレランスリング10に当接させた状態で、軸受2,4を軸Sとスリーブ6との間に挿入することで、当該軸受2,4を所定位置に固定することができる。なお、トレランスリング10としては、軸Sの外周面S1に上述した外径タイプ、スリーブ6の内周面6aに上述した内径タイプをそれぞれ適用して装着すればよい。
このように、トレランスリング10を用いることで、簡単な構成で、容易にかつ確実にスリーブ6とハウジング8とを固定することができるとともに、当該トレランスリング10によって、軸受2,4がスリーブ6を介して軸Sに対して締め付けられた(押し付けられた)状態で軸受ユニットを位置決めすることができる。この結果、軸受ユニットは、軸受2,4の予圧荷重が大きくなることで、その剛性を高めることができる。
ここで、HDDは、その稼働中、データを読み書きするためにハードディスク(図示しない)が高速回転し、例えば、当該ハードディスクを回転させるスピンドルモータ(図示しない)を発生源とした所定の熱を受け、温度が上昇する場合がある。そして、このようなHDDの温度上昇に伴い、軸受ユニットの各部材(軸S、軸受2,4、スリーブ6及びスイングアーム(図示しない)など)がそれぞれ熱膨張する場合がある。
本実施形態においては、上述したように、スイングアーム(図示しない)の材料として、軸受2,4の内輪16,20の材料及び外輪18,22の材料よりも、線膨張係数の大きな素材が適用されているため、当該スイングアーム及び当該軸受2,4(内輪16,20及び外輪18,22)がそれぞれ熱膨張した場合、スイングアームが軸受2,4(内輪16,20及び外輪18,22)よりも大きく膨張する。この結果、スイングアーム(図示しない)は、軸受2,4に対して離間する方向へ、両者の膨張量の差に相当する距離だけ相対的に微小移動する。別の捉え方をすれば、スイングアーム(図示しない)が外装されたハウジング8の内周面8aと、軸受2,4が固定されたスリーブ6の外周面6bとの間の距離は、上記膨張量の差に相当する距離だけ微小に広がることになる。
また、本実施形態においては、上述したように、軸Sの材料として、スリーブ6の材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されているため、当該軸S及び当該スリーブ6がそれぞれ熱膨張した場合、軸Sは、スリーブ6よりも大きく膨張する。この結果、軸Sの外周面S1とスリーブ6の内周面6aとの間の距離は、当該軸Sと当該スリーブ6の膨張量の差に相当する距離だけ狭められる。
このため、HDDの稼働中、温度上昇に伴い、スイングアーム(図示しない)と軸受2,4とが熱膨張し、トレランスリング10の固定力(例えば、トレランスリング10がスリーブ6を軸受2,4に対して押し付ける弾性力)が小さくなる場合であっても、軸S及びスリーブ6がそれぞれ熱膨張し、当該軸Sの外周面S1と当該スリーブ6の内周面6aとの間の距離が、当該軸Sと当該スリーブ6の膨張量の差に相当する距離だけ狭められることで、これらの間に介在する軸受2,4に対し、その内部のラジアル隙間(径方向(図1(b)の上下方向)の隙間)を減少させることができる。
この結果、トレランスリング10からスリーブ6を介して軸受2,4に対して加えられる予圧荷重が低下することを抑制し、軸受2,4の剛性が高められることで、軸受ユニット自体の剛性を高めることができ、上記トレランスリング10の固定力の低下を補うことができる。これにより、HDDの温度上昇時においても、軸受ユニットの剛性を高めた状態のままで維持させることができる。
このため、例えば、HDDにおいて、そのスイングアーム(図示しない)を本実施形態に係る軸受ユニットによって支持することで、当該HDDの温度上昇時であっても、当該スイングアームが微小揺動する際、その動き出しのタイミングが遅れることはなく、多数のトラックが形成されたハードディスク(例えば、1インチ当たり20万トラック(20万TPI))の極く狭い範囲内であっても、当該スイングアームを精度よく、高速かつスムーズにトレースさせることができる。
2,4 転がり軸受
6 スリーブ
10 トレランスリング
16,20 内輪
18,22 外輪
S 軸
6 スリーブ
10 トレランスリング
16,20 内輪
18,22 外輪
S 軸
Claims (3)
- ハードディスクドライブの基台に設けられた軸と、当該軸に対してスイングアームを揺動及び回転自在に支持する転がり軸受と、当該転がり軸受に外装されるスリーブとを備え、2つの部材間に介在し、これらの部材を相互に位置決め固定するためのトレランスリングが少なくとも1つ設けられた軸受ユニットであって、
スイングアームには、その材料として、転がり軸受に備えられた内輪の材料及び外輪の材料よりも、線膨張係数の大きな素材が適用されており、軸には、その材料として、スリーブの材料よりも線膨張係数の大きな素材が適用されていることを特徴とする軸受ユニット。 - 軸受ユニットには、スリーブに外装され、スイングアームが取り付けられるハウジングが備えられており、トレランスリングは、軸と転がり軸受との間、当該転がり軸受とスリーブとの間、及び当該スリーブとハウジングとの間のいずれか少なくとも1箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の軸受ユニット。
- ハードディスクドライブのディスクの記録トラック数は、1インチ当たり20万本以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受ユニット。
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| JP2006135051A JP2007305268A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2006135051A JP2007305268A (ja) | 2006-05-15 | 2006-05-15 | 軸受ユニット |
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|---|---|
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