JP2007308231A - 昇降機用途向けインバータ装置とそのブレーキ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ磁極位置が特定した状態、特にインバータ装置の異常検出した場合や1台のインバータで複数台のモータを切換えて駆動する場合でも安全にブレーキを開放する。
【解決手段】コンバータ部(2)と平滑コンデンサ(3)とインバータ部(4)とインバータ制御回路(6)からなり同期電動機(5)の始動時に磁極位置を推定する磁極位置推定部(7)と、同期電動機(5)に取付けたブレーキ(10)を制御するブレーキ制御回路(8)を備えた昇降機用途向けインバータ装置において、上位制御装置からの運転指令がインバータ装置へ入力された後、所定時間の経過を監視し、所定時間経過時に同期電動機の磁極位置推定が完了していればブレーキ開放指令をブレーキ(10)へ出力し、同期電動機の磁極位置推定が完了していなければ、推定が完了した時点でブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力する磁極検出完了判断部(9)を備えるものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、同期電動機を昇降機に適用した場合のインバータ装置のブレーキ制御方法に関する。
図2は、従来の昇降機用途向けインバータ装置の構成を示すブロック図である。図において、1は交流電源、2はコンバータ部、3は平滑コンデンサ、4はインバータ部、5は同期電動機、6はインバータ制御回路、7は磁極位置推定回路、8は、ブレーキ制御回路 10はブレーキである。
同期電動機を駆動する場合、駆動前に予め磁極位置を検知しておくことが必要となる。そのため、絶対値エンコーダまたは磁極センサを設けていない場合はまず第一に磁極位置を推定することになる。
この磁極位置の推定技術は例えば本出願人による特許文献1がある。
即ち電気的なパラメータを正確に把握できなくても、回転子を回転させずにモータを停止したままで、過電流を流すこともなく、回転子の初期磁極位置の推定を高速に処理できる永久磁石形ブラシレスモータの初期磁極位置推定方法を提供することを目的としている。
この磁極位置の推定技術は、永久磁石形ブラシレスモータの磁極位置推定方法において、空間座標上で任意にγ軸とγ軸から電気角90°進んだ方向にδ軸を設定し、γ軸方向の電流制御系をクローズドループで構成するとともにδ軸方向の電流制御系をオープンループで構成し、前記γ軸方向の電流指令をステップ状の交番電流指令として与えたときのδ軸方向に発生する干渉電流を観測し、該干渉電流の積分値とγ軸電流指令値との積の符号が正のときはγ軸を微小角Δθだけ進め、前記符号が負のときは微小角Δθだけ位相を遅らせることによりγ軸を真磁軸d軸もしくは真磁軸から180°進んだ−d軸に一致させるものである(特許文献1)。
従来の昇降機用途向けインバータ装置は、運転指令が入力された後、ブレーキ指令遅れ時間タイマに設定された所定の時間経過後、ブレーキ開放指令を出力している。
図2及び図3は従来の昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法を示すブロック図及びタイミングチャートである。
はじめに時刻t1で運転指令が入力されたことによりインバータ制御回路6は、磁極位置推定回路6に対して磁極位置推定を指令し、ブレーキ制御回路8に対してブレーキ開放指令の遅れ時間タイマの計測開始を指令する。ブレーキ制御回路8は前記ブレーキ開放指令の遅れ時間タイマのカウントアップ(時刻t2)のタイミングでインバータ制御回路6に対しブレーキ開放指令を連絡していた。
このように、従来の昇降機用途向けインバータ装置では、運転指令が入力された後、所定の時間経過後、ブレーキ開放指令を出力する、という手順がとられていた。
特許第3282657号公報(図2参照) 特開2000−191248号公報(図5参照)
従来の昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法では、まず第一に運転指令が入力された後、所定の時間経過後、ブレーキ開放指令を出力するという手順をとっているので、モータ磁極位置が特定してない状態でもブレーキ開放指令を出力してしまい、必要なトルクが出力できないという問題があった。また第二にインバータ装置が異常を検知した場合、特にモータの位置検出器であるエンコーダの信号に関係する異常を検知した場合は、インバータが認識しているモータ磁極位置がずれている可能性がある。このような状態で再度運転を開始すると、モータを正常に駆動できず、最悪反転するという問題もあった。また第三に、1台のインバータで複数台のモータを切換えて駆動する場合、それぞれのモータでモータ磁極位置が異なるため、モータ切替え時はモータ磁極位置推定を再試行するが、この間のブレーキ制御ができないという問題もあった。
また、インバータ装置の電源投入後、初回運転時は運転指令後約200(ms)間、初期磁極位置推定し、その後速度制御を開始する。2回目以降の運転は、運転指令後すぐに速度制御を開始する。しかし、初期磁極位置推定処理は単にインバータ装置で内部処理されるため、インバータ装置以外のプログラマブルロジックコントローラ(以下PLCという)等の上位制御装置は、初期磁極位置推定処理中であるか否かを知ることができなかった。このため昇降機用途のクレーンに使用した際、PLCが運転指令後200(ms)経過前にブレーキを開放すると、重力により吊荷が落下する恐れがあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、モータ磁極位置が特定した状態、特にインバータ装置の異常検出した場合や1台のインバータで複数台のモータを切換えて駆動する場合でも安全にブレーキを開放することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のようにしたのである。
請求項1、5に記載の発明は、 コンバータ部と平滑コンデンサとインバータ部とインバータ制御回路からなり同期電動機の始動時に磁極位置を推定する磁極位置推定部と、前記同期電動機に取付けたブレーキを制御するブレーキ制御回路を備えた昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法において、磁極検出完了判断部は、上位制御装置からの運転指令がインバータ装置へ入力された後、所定時間の経過を監視し、前記所定時間経過時に前記同期電動機の磁極位置推定が完了していればブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力し、前記同期電動機の磁極位置推定が完了していなければ、前記推定が完了した時点でブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において前記同期電動機の磁極位置推定の磁極検出完了判断部では、インバータ装置が異常を検知した後、一旦ブレーキ開放指令の出力を停止して、再度モータ磁極位置を推定した後ブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1において前記磁極検出完了判断部は、1台のインバータで複数台の同期電動機を切り替えて運転する場合、別の同期電動機へ切り替えた後、一旦ブレーキ開放指令の出力を停止して、再度モータ磁極位置を推定した後ブレーキ開放指令を出力することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3において前記磁極検出完了判断部は、インバータの接点出力または通信を用い、モータ磁極位置の推定完了信号及びブレーキ開放指令を上位制御装置に通知することを特徴とするものである。
請求項1、5に記載の発明によると、インバータが認識するモータ磁極位置が確立している場合のみブレーキを開放することができる。また、請求項2に記載の発明によると、エンコーダの異常やノイズ等によりインバータの認識するモータ磁極位置が確立していない可能性がある場合、再度磁極推定処理を実行することができ、モータ磁極位置が確立した場合のみブレーキを開放することができる。また、請求項3に記載の発明によると、モータの切替えにより、インバータの認識するモータ磁極位置が変わった場合、再度磁極推定処理を実行することができ、モータ磁極位置が確立した場合のみブレーキを開放することができる。
また、請求項4に記載の発明によると、インバータと接続された上位コントローラ側でもモータ磁極位置が確立しているか否かを知ることができ、上位コントローラ側でブレーキ制御を構築することができる。
以下、本発明の方法の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の方法を実施するインバータ装置の構成を示すブロック図である。図において、1は交流電源、2はコンバータ部、3は平滑コンデンサ、4はインバータ部、5は同期電動機、6はインバータ制御回路、7は磁極位置推定回路、8は、ブレーキ制御回路、9は磁極検出完了判断回路、10はブレーキである。コンバータ2は交流電源1を整流し平滑コンデンサ3を充電する。4は充電された平滑コンデンサ3の直流電圧をパルス幅変調し可変電圧可変周波数の交流電圧を5同期電動機5へ供給するインバータ部である。
この図及び、本発明の方法を実施する処理手順を示すタイミングチャートである図4を用いて、本発明の方法を順を追って動作説明する。
はじめに時刻t1で運転指令が入力されたことによりインバータ制御回路6は、磁極位置推定回路6に対して磁極位置推定を指令し、ブレーキ制御回路8に対してブレーキ開放指令の遅れ時間タイマを指令する。磁極位置推定回路6は磁極位置推定が完了(時刻t3)したら磁極検出完了判断回路9に対し、推定完了情報を連絡する。磁極検出完了判断回路9は前記磁極検出完了情報をブレーキ制御回路8に連絡する。ブレーキ制御回路8は前記ブレーキ開放指令の遅れ時間タイマのカウントアップ(時刻t2)と前記磁極検出完了情報(時刻t3)のいずれか遅いタイミングでインバータ制御回路6に対しブレーキ開放指令を連絡することにより、確実に磁極位置が確立しているタイミングでブレーキ開放指令を出力する。
図5は異常検知時のブレーキ制御方法を示すタイミングチャートである。この図及び図1を用いて、本発明の方法を順を追って説明する。
運転中に異常が発生(時刻t4)すると、インバータ制御回路6はブレーキ制御回路8及び磁極検出完了判断回路9に対し異常を連絡する。これを受けて、ブレーキ制御回路8はブレーキ開放指令を停止しブレーキを動作させる(時刻t4)。また、磁極検出完了判断回路9は磁極位置推定回路7に対し、磁極位置推定の再試行を指令し(時刻t4)、ブレーキ制御回路8に対し磁極検出完了情報を取り下げる(時刻t4)。次の運転指令が入力された(時刻t6)以降は、図4で前述したチャートと同一である。これにより、異常を検知した場合も、確実に磁極位置が確立しているタイミングでブレーキ開放をすることができる。
特にモータの位置検出器であるエンコーダの信号に関係する異常を検知した場合は、インバータが認識しているモータ磁極位置がずれている可能性がある。このためエンコーダの信号異常の場合は異常を検知した時点ではなく、異常がなくなり正常に回復した時刻t5で磁極位置推定の再試行を指令し、ブレーキ制御回路8に対し磁極検出完了情報を取り下げる。
図7は複数台のモータを駆動する場合の本発明の構成を示すブロック図である。図7が実施例1の図1と異なる部分は共通のインバータ装置に2台の同期電動機(5a、5b)が切換えスイッチ(11、12)を介して接続されている部分である。これらの同期電動機は一台のインバータ装置に共通接続され、どちらか一方の同期電動機だけがこれら切換えスイッチを介して接続される。
図6はモータ切替え時のブレーキ制御方法を示すタイミングチャートである。この図及び図1を用いて、本発明の方法を順を追って説明する。
モータ選択の切替えはモータ停止中時刻t1〜t4に実行される。よって、ブレーキは閉じた状態である。時刻t3でモータ選択が第1モータから第2モータへ切り替わると、インバータ制御回路6は磁極検出完了判断回路9に対しモータ切替え情報を連絡する。これを受けて、時刻t3で磁極検出完了判断回路9は磁極位置推定回路7に対し、磁極位置推定の再試行を指令し、ブレーキ制御回路8に対し磁極検出完了情報を取り下げる。次の運転指令が入力された以降は、図4で前述したチャートと同一である。これにより、モータが切り替わった場合も、確実に磁極位置が確立しているタイミングでブレーキ開放をすることができる。
このように、モータの磁極位置が不定の状態または間違っている可能性がある場合でも、磁極位置推定を再試行するので、正しい磁極位置が確立した状態でブレーキ開放指令を出力でき、モータを正常駆動できる。
また、前記磁極検出完了判断部は、インバータの接点出力または通信を用い、モータ磁極位置の推定完了信号及びブレーキ開放指令をPLCなどの上位制御装置に通知する。これにより、いつモータ磁極位置の推定が完了したかを上位制御装置が認識することができる。
クレーン用途等に使われているインバータで、1台のインバータで昇降用、走行用、横行用等の複数台のモータを切り替えて使用する用途に対し、正確にブレーキ制御を実施することができ、上位コントローラでブレーキシーケンスを構築している場合でも、インバータが出力するモータ磁極位置の推定完了信号又はブレーキ開放指令を使用することにより同様の効果を得ることができる。
本発明の方法を適用する昇降機用途向けインバータ装置の構成を示すブロック図 従来の昇降機用途向けインバータ装置の構成を示すブロック図 従来の処理手順を示すタイミングチャート 本発明の要部の処理手順を示すタイミングチャート 本発明の異常時の処理手順を示すタイミングチャート 本発明のモータ切替え時の処理手順を示すタイミングチャート 複数台のモータを駆動する場合の本発明の構成を示すブロック図
符号の説明
1 交流電源
2 コンバータ部
3 平滑コンデンサ
4 インバータ部
5 同期電動機(モータ)
6 インバータ制御回路
7 磁極位置推定回路
8 ブレーキ制御回路
9 磁極検出完了判断回路
10、10a、10b ブレーキ
11、12 切換えスイッチ

Claims (5)

  1. コンバータ部と平滑コンデンサとインバータ部とインバータ制御回路からなり同期電動機の始動時に磁極位置を推定する磁極位置推定部と、前記同期電動機に取付けたブレーキを制御するブレーキ制御回路を備えた昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法において、
    磁極検出完了判断部は、上位制御装置からの運転指令がインバータ装置へ入力された後、所定時間の経過を監視し、前記所定時間経過時に前記同期電動機の磁極位置推定が完了していればブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力し、前記同期電動機の磁極位置推定が完了していなければ、前記推定が完了した時点でブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力することを特徴とする昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法。
  2. 前記同期電動機の磁極位置推定の磁極検出完了判断部では、インバータ装置が異常を検知した後、一旦ブレーキ開放指令の出力を停止して、再度モータ磁極位置を推定した後ブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力することを特徴とする請求項1記載の昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法。
  3. 前記磁極検出完了判断部は、1台のインバータで複数台の同期電動機を切り替えて運転する場合、別の同期電動機へ切り替えた後、一旦ブレーキ開放指令の出力を停止して、再度モータ磁極位置を推定した後ブレーキ開放指令を出力することを特徴とする請求項1記載の昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法。
  4. 前記磁極検出完了判断部は、インバータの接点出力または通信を用い、モータ磁極位置の推定完了信号及びブレーキ開放指令を上位制御装置に通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の昇降機用途向けインバータ装置のブレーキ制御方法。
  5. コンバータ部と平滑コンデンサとインバータ部とインバータ制御回路からなり同期電動機の始動時に磁極位置を推定する磁極位置推定部と、前記同期電動機に取付けたブレーキを制御するブレーキ制御回路を備えた昇降機用途向けインバータ装置において、
    上位制御装置からの運転指令がインバータ装置へ入力された後、所定時間の経過を監視し、前記所定時間経過時に前記同期電動機の磁極位置推定が完了していればブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力し、前記同期電動機の磁極位置推定が完了していなければ、前記推定が完了した時点でブレーキ開放指令を前記ブレーキへ出力する磁極検出完了判断部を備えたことを特徴とする昇降機用途向けインバータ装置。
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