JP2007321930A - 薄板締結用タッピンねじ - Google Patents

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Abstract


【課題】ねじ締め時間を短縮し且つ比較的厚みの薄いワークに対しても傾斜することなくねじ込み可能な薄板締結用タッピンねじを得る。
【解決手段】脚部3にねじ山10が形成されたねじにおいて、脚部3のねじ山10は二条ねじであって、しかも、頭部側の脚部3の断面は円形形状で、先端側の断面は略三角形状に形成され、この間を断面円形から徐々に略三角形状となるように形成し、一方、頭部2の座面5には外周縁21から中心にかけて円錐凹部20が形成された薄板締結用タッピンねじであるので、ワークの下穴をバーリング孔形状にする必要がなく、そのため、ねじ込み作業中に雌ねじが潰れたり、下穴が変形することがない。また、雌ねじの強度不足も生じず、所定の締め付けトルクが容易に得られる。更に、ねじの座面が部品に着座した場合にねじに作用するトルクは頭部外周で得られるので、緩みも生じにくい。
【選択図】図1

Description

本発明は、部品を板厚の薄いワークに所定の締結力で締結する薄板締結用タッピンねじに関する。
近年多く普及している携帯電話、パソコン及び携帯型音楽プレーヤ等の電気製品や自動車部品等においては、その軽量化、薄型化及び小型化等から比較的厚みの薄いワークに部品を固定するようにした構造が採用されている。このような部品固定構造において、この部品を固定するためには主としてねじが採用されている。この固定構造に使用されるねじ101は図7に示すようなものがある。これは、薄い板状のワーク130にあらかじめ下穴131をあけてこれに一条ねじのタッピンねじ101を使用して固定するようにしたものである。この場合、ワーク130の板厚が薄いので、この板の下穴131に十分に雌ねじが形成されずに隣り合うねじ山110とねじ山110との間にこのワークが嵌るので、ねじ101がねじ山110のリード角分だけ斜めにねじ込まれることになり、頭部102の座面105はねじ101のリード角に沿って部品132上に斜めに着座することになる。このため、高い締め付けトルクが加わると、ワークの下穴の雌ねじが潰れたり、ワークや部品が変形したりすることがあり、所定の締結力が得られない。
このような問題を解消するためにワークの下穴にバーリング孔を形成し、これに雌ねじを成形しながらねじをねじ込むようにしたものもある。このようにワークにバーリング孔を形成してこれにねじをねじ込んでいるものとして例えば、特開平10−159821号公報に示すようなものがある。これは、金属薄板に石膏ボードを固定するドリリングねじである。このねじ201は図8に示すように、平行ねじ部210から中間テーパねじ部211を経て径が縮小し、小径平行ねじ部212から先端テーパねじ部213に至る段付き形状となっており、打ち込み形ねじ締め機(図示せず)により石膏ボードと軽量チャンネル鋼へ打ち込むと、先端テーパねじ部213が鋼板230を貫通して鋼板にバーリング状の突出部231が形成され、これの内面にねじ山210で雌ねじを形成しながらねじ込まれるようになっている。
特開平10−159821号公報
しかしながら、このようにワークの板厚が薄いと、例えば、ねじのピッチ以下であると、このワークがねじ込み作業中にこのねじ山とねじ山との間に嵌り、ねじが傾斜した状態となり、ねじの座面が部品に一部しか接しない状態で着座する所謂、片浮き状態になり、部品の固定が不安定になっている。また、薄板状のワークに下穴としてバーリング孔を形成しても、ワークの厚みが薄いため、これにタッピンねじで雌ねじを形成しながらねじ込んでも雌ねじが潰れてねじが空転したり、バーリング孔が変形したりして雌ねじの強度不足が生じ、所定の締結力が得られていない。更に、適正な締結力でワークに部品を固定することができても、ねじの頭部座面が部品に着座した状態において確実に頭部外周にて部品に接するようになっておらず、ほとんどのねじはねじの首部の周囲で接しているのが現状となっている。このため、ねじに緩みが生じやすく時間が経過すると、ねじが緩み、固定された部品がワークに対してずれを生じている等の課題がある。
本発明の目的は、このような課題を解消するとともにねじ締め時間を短縮し且つ比較的厚みの薄いワークに対しても傾斜することなくねじ込み可能な薄板締結用タッピンねじを得ることである。
本発明の目的は、駆動穴4を有する頭部2とこれと一体の脚部3とから構成され、この脚部3にねじ山10が形成されたねじにおいて、脚部3のねじ山10は二条ねじであって、しかも、頭部側の脚部3の断面は円形形状で、脚部3の先端側の断面は略三角形状に形成され、この間を断面円形から徐々に略三角形状となるように形成し、一方、頭部2の座面5にはこれの外周縁21から中心にかけて頭部2の頂点方向に傾斜した円錐凹部20が形成されている薄板締結用タッピンねじを提供することで達成される。
また、本発明の目的は、前記構成に加えて、脚部の先端は略三角形状の三頂点を結ぶ軌跡円が雌ねじが形成される下穴31に嵌る構成であることから、下穴に対してねじの先端の位置決めが容易になり、ねじ込み初期におけるねじの喰い付きが滑らかになる。更に、これら構成に加えて、ねじ山は脚部3の軸線に直交する垂線に対して追い側フランク面11と進み側フランク面12とから構成される夫々のフランク角(α)、(β)が頭部側のフランク角(α)を脚部先端側のフランク角(β)よりも小さい不等角となった非対称ねじ山であることから、ねじ締め後の軸力が大きくなる。
本発明によれば、従来のようにワークの下穴をバーリング孔形状にする必要がなく、そのため、ねじのねじ込み作業中に雌ねじが潰れてねじが所定の締め付けトルクに達するまでに空転したり、下穴が変形することがなくなる。また、雌ねじの強度不足も生じず、所定の締め付けトルクが容易に得られる。更に、頭部座面は頭部の外周縁から中心にかけて頭部頂面側に傾斜した円錐テーパ状に形成された円錐凹部となっているので、ねじの座面が部品に着座した場合にねじに作用するトルクは頭部外周で得られるので、ねじの所定最大締め付けトルクが作用しても、雌ねじに作用するトルクはそれ以下となることから、雌ねじが潰れることもなく、緩みも生じにくい。しかも、ワークの厚みがねじ山のピッチ以下であっても、ねじ山が二条であることから脚部の中心を挟んで対向するねじ山の谷が同じ位置になり、そのため、ねじ山とねじ山との間にねじ込み作業中にワークが嵌り込み、ねじはねじ山のリード角に沿うことなくワークに対してほぼ垂直にねじ込むことができ、頭部座面は片浮きすることなくほぼ全面で着座することができる。これにより、ワークへの部品の固定が安定する等の特有の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1及び図2において、1は頭部2とこれに一体に形成された脚部3とからなる雌ねじ成形機能付きねじの一例としてのタッピン機能を有するねじであり、頭部2にはねじ1にドライバビット(図示せず)からねじ込み駆動力が伝達される駆動穴4が形成されている。この頭部2と一体の前記脚部3には二条のねじ山10が頭部2の座面5の近くから脚部3の先端にかけて形成してあり、この脚部3の頭部側約1/3は脚部3の断面が円形形状で、脚部3の先端から頭部側の円形形状まではその断面が略三角形状となっており、頭部側に近づくに連れて徐々に略三角形状から円形形状になるように設定されている。しかも、脚部3の先端部分は僅かではあるが、徐々に細くなっており、この脚部3の先端は略三角形状の三頂点を結ぶ軌跡円が雌ねじを形成するワーク30の下穴31に嵌る構成になっている。一方、このねじ山10は図3に示すように、脚部3の軸線に直交する垂線に対して追い側フランク面11と進み側フランク面12とから構成される夫々のフランク角(α)、(β)が頭部側のフランク角(α)を脚部先端側のフランク角(β)よりも小さくして不等角となった非対称ねじ山となっている。
また、この脚部3に形成されている二条のねじ山10は等間隔のピッチを有しており、脚部3の中心線を挟んで対向するねじ山10と谷13とは夫々頭部2の座面5からの距離が同じ位置にねじ山10と谷13とが位置するようになっている。これにより、図4に示すように、薄板状のワーク30にあけられている下穴31にねじ込まれると、図3に示すように、このワーク30がねじ1のねじ山10、10間に嵌るようになっている。このねじ山10、10間の幅は締結するワーク30の幅に応じて設定すればよく、即ち、ねじ1のピッチを荒くしたり、細かくすればよい。
更に、前記ねじ1の頭部2の座面5には図5に示すように、頭部2の外周縁21から中心にかけて頭部2の頂点方向に角度θだけ傾斜したテーパ形状の円錐凹部20が形成されており、これにより、ねじ込まれて頭部2の座面5が着座すると、頭部2の外周縁21が最も先に着座するようになっている。この頭部2の外周縁21の作用により、ねじ1にはねじ込み後の所定軸力が継続して作用することになる。
このように構成されたねじ1をあらかじめワーク30に形成されている下穴31に図4に示すように、ワーク30に部品32を載置した状態でねじ込むと、ねじ山10のピッチにほぼ等しい厚みのワーク30はこれらねじ山10、10間に図3に示すように嵌る。この状態でねじ締め作業が行われると、ねじ1はワーク30に対してほぼ垂直な状態が維持されながらねじ込まれる。
このようにしてねじ1がねじ込まれ、頭部2の外周縁21は部品32の着座面に着座する。このとき、この座面5は頭部外周縁21が最も最初に部品32に接触することになり、この状態で所定締め付けトルクに達するまでねじ込み力が加えられる。一方、ねじ山10、10間にはワーク30の下穴31の部分が嵌り込むことになり、雌ねじの潰れが回避される。
尚、この実施例では、ワーク30の厚みをほぼねじ1のピッチと等しい厚みにしたが、これに限定されるものではなく、これより薄くても同様な作用が生じる。しかも、これとは反対にワーク30が厚い場合は、下穴31には雌ねじが正確に形成可能となって、ワーク30の潰れも生じにくくねじ1としての作用が維持される。
また、図6はねじの呼びM3のねじ1をワーク30としての樹脂板あるいは鋼板にねじ込んだときの締め付けトルクを夫々示した一例であり、この図において、Aは最小締め付けトルクであって、Bは最大締め付けトルクを示している。更に、鋼板については、その厚み(t)を0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.6mmのものを用い、一方、下穴径は、樹脂板は2.5mm、鋼板は夫々の厚みに応じて2.0mm、2.7mm、2.8mm、2.9mmを採用して測定した。これにより明らかなように、今までは、ワーク30の種類や厚み等の違いによりその都度、締め付けトルクを適正トルクになるよう調整変更していたが、このねじ1を使用することにより、これらワーク30による使用トルクを同じ即ち、図6の点線間のトルク範囲にすることも可能となり、これによりワークが変わるごとに都度、トルク調整変更をする必要がなく、ねじ1の利用範囲が広く且つねじ締め作業効率も向上する。
本発明の実施の形態を示す正面図である。 図1の右側面図である。 本発明のねじ込み状態を示す要部断面拡大図である。 本発明のねじ込み開始状態を示す要部断面拡大図である。 本発明の一部断面拡大図である。 ワークと本発明との締め付けトルクの関係を示す図である。 本発明の従来例によるねじ込み状態を示す正面図である。 もう一つの従来例によるねじ込み状態を示す要部断面図である。
符号の説明
1 ねじ
2 頭部
3 脚部
4 駆動穴
5 座面
10 ねじ山
11 追い側フランク面
12 進み側フランク面
13 谷
20 円錐凹部
21 外周縁
30 ワーク
31 下穴
32 部品

Claims (3)

  1. 駆動穴(4)を有する頭部(2)とこれと一体の脚部(3)とから構成され、この脚部にねじ山(10)が形成されたねじにおいて、
    脚部のねじ山は二条ねじであって、しかも、頭部側の脚部の断面は円形形状で、脚部の先端側の断面は略三角形状に形成され、この間を断面円形から徐々に略三角形状となるように形成し、一方、頭部の座面(5)にはこれの外周縁(21)から中心にかけて頭部の頂点方向に傾斜した円錐凹部(20)が形成されていることを特徴とする薄板締結用タッピンねじ。
  2. 脚部の先端は略三角形状の三頂点を結ぶ軌跡円が雌ねじが形成される下穴(31)に嵌る構成であることを特徴とする請求項1記載の薄板締結用タッピンねじ。
  3. ねじ山は脚部の軸線に直交する垂線に対して追い側フランク面(11)と進み側フランク面(12)とから構成される夫々のフランク角(α)、(β)が不等角となった非対称ねじ山であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄板締結用タッピンねじ。
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