JP2007326040A - 遠心機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータあるいはバケットの許容値を超えて試料を実装した場合、バケットの変形等の損傷を招くといった問題があった。
【解決手段】ロータ2として使用するロータの種類毎の加速勾配(基準値)を記憶部9に予め記憶しておき、回転速度検出器4で検出した回転速度から加速勾配ΔNoを算出し、算出した加速勾配ΔNoと、ロータ判別器6から判別したロータについて記憶部9に予め記憶してある所定の加速勾配ΔNmとを比較し、算出した加速勾配ΔNoが基準値ΔNm以上である場合はモータ3またはロータ2を正常運転させる正常制御モードで制御し、算出加速勾配ΔNoが基準値ΔNmより小さい場合はモータ3またはロータ2を正常制御モードと異なる異常制御モードで制御するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイングロータを有する遠心機に関し、特に、ロータまたはバケットに実装する試料の許容量を検知し、異常状態と認められる試料の搭載を防止する遠心機に関するものである。
一般に、遠心機で試料を分離する際、試料を試験管やチューブ、ボトル等の容器に入れ、容器をロータに実装して遠心分離する。容器は試料の量や種類、あるいは遠心条件により、形状、容量等が異なるため、ロータの試料実装部は、容器の形状に合うように作られている。しかし、スイングロータを使用する遠心機では、ロータのアームに回動可能に支持されたバケットと呼ばれるかご形の試料入れがあり、バケットがロータの回転と共に遠心力により水平方向に揺動して試料を分離する構造となっている。この遠心機では、バケットに試料の入った試験管を直接に実装したり、バケットに、試料の入ったチューブを保持するラックを介して実装して遠心分離する。近年、試料を入れる試験管やチューブは大容量化され、また試料数の増加によりバケット内に実装する試料の容量が増加している。
従来の遠心機では、ロータの最高回転速度で使用できるバケット内の試料の質量または容量には許容値が規定されているが、バケットまたはロータに実装した試料の許容値を検出するための検出手段が具備されていない。このため、遠心機の取扱説明書等にはバケットやロータに実装できる試料の許容値を記載し、許容値を超えて使用しないように注意を促していた。しかし、遠心機の使用者が誤って許容値を超えた試料について、取扱説明書等に規定されたロータの最高回転速度で使用してしまう事態もあり、試料の容量または質量の超過に伴い、バケットを回動可能に支持するロータピンやバケットの変形または破損といった機器の損害を招くことがあった。
従って、本発明の目的は、上記問題を解消するために、遠心機のモータ駆動制御回路装置に、試料の許容量を検知し、異常状態と認められる試料の搭載による運転を防止する機能を持たせた遠心機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次のとおりである。
(1)本発明の一つの特徴によれば、遠心分離する試料を保持するロータと、前記ロータを回転させるモータと、前記モータを駆動するためのモータ駆動手段と、前記ロータの運転条件を設定する操作部と、前記モータまたは前記ロータの回転を検出する回転数検出手段と、記憶部および演算制御部を具備し、前記操作部の設定信号および前記回転数検出手段の回転検出信号を受けて、前記モータ駆動手段を制御する制御回路装置とを具備する遠心機において、前記制御回路装置は、前記記憶部によって前記モータまたは前記ロータの加速時における回転速度の変化量を表す加速勾配の基準値を予め記憶させておき、加速時に前記演算制御部によって前記回転数検出手段で検出した前記モータまたは前記ロータの回転速度から加速勾配を算出し、算出した加速勾配と前記記憶部に予め記憶させた前記加速勾配の基準値とを比較し、算出した加速勾配が前記基準値以上である場合は前記モータまたは前記ロータを正常運転させる正常制御モードで制御し、前記算出加速勾配が前記基準値より小さい場合は前記モータまたは前記ロータを前記正常制御モードと異なる異常制御モードで制御する。
(2)本発明の他の特徴によれば、前記異常制御モードは、前記モータまたは前記ロータの回転を停止させるか、或いは前記操作部から設定された前記モータまたは前記ロータの回転速度を下げる制御を含む。
(3)本発明のさらに他の特徴によれば、前記制御回路装置は、前記ロータに試料を許容値まで実装した時の加速勾配を前記基準値として前記記憶部に記憶させておく。
(4)本発明のさらに他の特徴によれば、前記制御回路装置は、前記モータまたは前記ロータの回転速度の変化量を表す加速勾配の基準値を使用するロータの種類毎に前記記憶部に記憶しておく。
(5)本発明のさらに他の特徴によれば、前記制御回路装置は、前記モータまたは前記ロータの制御が異常制御モードである場合、前記操作部が具備する表示部に警告を表示する。
(6)本発明のさらに他の特徴によれば、前記制御回路装置は、加速勾配の前記基準値として複数の値を前記記憶部に記憶し、前記回転数検出手段で検出した前記モータまたは前記ロータの回転速度から算出した前記加速勾配を、前記複数の基準値と比較する。
(7)本発明のさらに他の特徴によれば、遠心分離する試料を保持するロータと、前記ロータを回転させるモータと、前記モータを駆動するためのモータ駆動手段と、前記ロータの運転条件を設定する操作部と、前記モータまたは前記ロータの回転を検出する回転数検出手段と、記憶部および演算制御部を具備し、前記操作部の設定信号および前記回転数検出手段の回転検出信号を受けて、前記モータ駆動手段を制御する制御回路装置とを具備する遠心機において、前記制御回路装置は、前記記憶部によって前記モータまたは前記ロータの加速時における回転速度の変化量を表す加速勾配の、少なくとも第1および第2の基準値を予め記憶させておき、加速時に前記演算制御部によって前記回転数検出手段で検出した前記モータまたは前記ロータの回転速度から加速勾配を算出し、算出した加速勾配と前記記憶部に予め記憶させた前記加速勾配の前記第1の基準値とを比較し、算出した加速勾配が前記第1の基準値以上である場合は前記モータまたは前記ロータを正常運転させる正常制御モードで制御し、前記算出加速勾配が前記第1の基準値より小さい場合は前記モータまたは前記ロータを前記正常制御モードと異なる異常制御モードで制御し、さらに前記異常制御モードにおいて前記算出加速勾配を前記第2の基準値と比較して前記モータまたは前記ロータを制御する。
(8)本発明のさらに他の特徴によれば、上記(7)項において、前記制御回路装置は、前記ロータに試料を許容値まで実装した時の加速勾配を前記第1の基準値として前記記憶部に記憶させておく。
(9)本発明のさらに他の特徴によれば、上記(7)項において、前記制御回路装置は、前記ロータに試料を限界許容値まで実装した時の加速勾配を前記第2の基準値として前記記憶部に記憶させておく。
(10)本発明のさらに他の特徴によれば、上記(7)項において、前記制御回路装置は、前記算出した加速勾配が前記第1の基準値より小さく前記第2の基準値以上の場合、前記異常制御モードにおいて前記モータまたは前記ロータの回転速度を低減させ、前記算出加速勾配が前記第2の基準値より小さい場合、前記異常制御モードにおいて前記モータまたは前記ロータの回転を停止させる。
上記(1)項に述べられた本発明によれば、遠心機による遠心分離作業において、ロータまたはバケットに適切な質量または容量の試料を実装する場合、モータまたはロータを正常運転させるための正常制御モードで制御し、ロータまたはバケットに許容値を越える試料を誤って実装した場合、モータまたはロータを、正常制御モードと異なる異常制御モードで制御するので、ロータやバケット等の機器の破損を防止することができる。
さらに、上記(7)項に述べられた本発明によれば、ロータまたはバケットに許容値を越える試料を誤って実装した場合、モータまたはロータを異常制御モードで制御し、かつ許容値を越える試料の質量または容量に応じて、モータまたはロータの回転速度を低減させ、またはその回転を停止させることができる。従って、異常制御モードにおいても、実装する試料の量に従ってロータの回転速度を再設定すれば、遠心分離が可能となり、遠心分離作業の効率を向上させることができる。
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴は、以下の本明細書の記述および添付図面よりさらに明らかになるであろう。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る遠心機の機能ブロック図、図2は図1に示す遠心機の加速特性図、図3は図1に示す遠心機のロータの運転モード図、図4は図1に示す遠心機の運転制御に係るフローチャートを示す。
図1に示すように、本発明の遠心機30は、金属材料のボウル等の隔壁部材31およびドア32によって区画されたロータ室33の中にモータ3の回転出力軸1を有し、遠心分離する試料を保持するロータ(スイングロータ)2がモータ回転出力軸1に着脱自在に装着され、ロータ2はモータ3によって駆動される。モータ3は、例えば、3相誘導モータや3相ブラシレス直流モータから成る。ブラシレス直流モータ3は、インナーロータ型で、図示しないマグネットロータと、マグネットロータの回転位置を検出するための回転位置検出素子(ホール素子)と、スター結線されたステータコイル(界磁コイル)とを含んでいる。ロータ2またはモータ2の回転数信号は回転検出器4によって検出される。
ロータ2はスイングロータからなり、アーム部2aとバケット部2bを有する。バケット部2bは、ロータピン2cにより回動可能にアーム部2aに支持されている。モータ3によってロータ2が回転することでバケット2bの底面が遠心力で持ち上がり、揺動できる構成となっている。バケット部2bは、平面形状において、ロータ2の円周周縁部に例えば90度づつ互いに離間して4個配設される。試験管、チューブ、ボトル等の試料が入った容器(図示なし)は、バケット部2bに直接に搭載されるか、またはアダブタまたはラックを介してバケット部2bに搭載される。通常のロータ2の揺動動作において、所定質量または所定容量の試料を持つ容器を搭載した状態でロータ2を所定の回転速度で駆動すれば、バケット2bは垂直状態から水平状態に近い状態に所望の回動動作(揺動動作)を行い、通常の遠心分離を行うことができる。このような通常の揺動動作においてバケット部2bを支持するロータピン2c等の損傷は発生し難いが、バケット部2bに搭載される容器への試料の搭載が所定の質量または容量より多くなる場合はバケット部2bやロータピン2cが破損し、所望の回動動作が不可能となる場合がある。本発明に従えば、そのような問題を防止できる。
ロータ2の底面に付されたロータの種類を表す識別子(判別コード)(図示なし)を判別するために、ロータ2に隣接してロータ検出器5が配設される。ロータ検出器5は、例えば磁気センサから成り、磁気センサ5によって検出された信号はロータ判別器6によってロータの種類を判別する判別信号として復調され、後述する制御回路装置7へ送信される。ロータ2に取り付けられる識別子は、例えば、本件出願人の出願に係る特開2002−113394号特許公報に開示された技術を採用することができる。この技術に従えば、識別子としてマグネットを用いて、ロータ2の回転軸を中心とした同一円周上に複数のマグネットを配置し、配置されるマグネットの角度から、形式、回転半径等のロータの種類および許容最高回転速度を識別する構成とする。また、他の関係技術として本件出願人の出願に係る特開平10−34021号特許公報に開示されるように、ロータ底面に等間隔で識別格子を設け、格子上のマグネットの有無を、磁気センサによって配列パターン化し、予め記憶されている配列パターンと比較することによりロータの種類等を識別する技術を採用できる。
制御回路装置7は、CPUから成る演算制御部8と、ROM等を含む記憶部9と、モータ駆動部10とを回路機能として含む。また、制御回路装置7には操作部11が結合されている。操作部11は、キースイッチ操作パネルから成る入力部12と、入力部12の入力情報または制御回路装置7の出力情報を表示するための、例えば液晶ディスプレイから成る表示部13とを具備する。
入力部12は、モータ3(ロータ2)の回転数、運転時間(分離時間)、加速勾配、減速勾配等の運転条件(分離条件)を入力できる。この運転条件は、使用するロータ2の種類や分離する試料に応じて適切な値に設定する。
制御回路装置7の記憶部9には、ロータ2の種類毎に所定の加速勾配および許容最高速度が予め記憶されている。例えば、記憶部9に記憶されている加速勾配は、図2の特性Aに示されるように、所定の種類(例えば、種類Xとする)のロータ2について試料を許容量入れて運転(回転)した場合、加速時の時刻t1から時刻t2までの一定期間Δt(=t2−t1間)に対し、記憶部9には所定の回転速度の変化量ΔNm(=Nm2−Nm1)が許容加速勾配値(基準値)として記憶されている。この許容加速勾配ΔNm(またはΔNm/Δt)は、ロータ判別回路6によってロータ2の種類Xが判別されると、制御回路装置7における記憶部9より演算制御部8に送られる。所定の種類Xのロータ2に所定の質量または容量の試料を搭載した時の通常の正常運転の遠心分離は、図3の特性Aに示すように、制御回路装置7によって正常運転するための正常制御モードに従って制御される。すなわち、時間T1が加速時間、時間T2が遠心分離時間、時間T3が減速時間となるように制御される。
本発明によれば、所定のロータ2またはバケット部2bに許容値(基準値)を越える試料を誤って実装した場合、制御回路装置7は、試料の搭載量の度合い応じて正常制御モードと異なる異常制御モードを選択し、ロータ2の運転を自動的に停止させるか、または回転速度を低下させることにより、ロータ2やバケット部2b等の機器の破損を防止する。異常制御モードにおいて、試料の搭載量の度合いに対応して表示部13に警告を表示してもよい。もちろん許容量(基準値)以下の試料がロータ2に搭載される場合は、制御回路装置7は、正常制御モードを選択し、上記したような通常の正常運転が実行され、遠心分離を行う。本発明によれば、以下に説明するように、試料の搭載量の判別は、加速時の加速特性に基づいて行う。
以下、制御回路装置7における制御モードの第1の実施形態について、図2のロータの特性図および図4の制御フローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、制御回路装置7は、図2に示す許容加速勾配の基準値ΔNmを持つ特性A(加速特性:Nm)を記憶部9に記憶させておき、許容基準値ΔNmと実測した加速勾配ΔNoとを比較して、実測値ΔNoが基準値ΔNmより小さい場合(ΔNm>ΔNoの場合)、モータ3またはロータ2の運転を停止させる異常制御モードを実行する。
図2に示す特性Bは、上記特性Aと同一種類(種類X)のロータ2について許容値(基準値)より多い試料を搭載した場合の加速特性(No)を示す。この加速特性は次のように求められる。回転検出器4によってモータ3またはロータ2の回転速度を検出し、制御回路装置7の演算制御部8に取り込む。演算制御部8は回転検出器4で検出した回転速度から、Δt間(t2−t1間)の回転速度の変化量すなわち加速勾配ΔNoを算出する。一般に試料を許容値より多く入れると、ロータ2全体の重さが増えるために慣性モーメントが大きくなり、ロータ2の加速勾配が緩やかになる。従って、図2に示すように、試料を許容値より多く入れた特性Bの加速勾配ΔNoは、基準値ΔNmより小さく、ΔNm>ΔNoの関係となる。
従って、本実施形態では、制御回路装置7によって加速勾配を算出することによって、ロータへの試料の搭載量を許容加速勾配ΔNm(基準値)と比較し、試料の搭載量の限界を判別する。一例として、実際に検出されたロータ2の回転速度から算出した加速勾配(以下、単に「実測加速勾配」という場合がある)をΔNoとした場合、試料の搭載量の限界は、図2を参照して、次のように判別される。
(1)ΔNo≧ΔNmの場合、実測した加速勾配ΔNoは適切な試料の搭載量と判断し、そのまま正常運転する。すなわち、制御回路装置7は、正常制御モードに従ってモータ3またはロータ2を正常運転させる(以下、「正常運転」と称する)。
(2)ΔNo<ΔNmの場合、実測加速勾配ΔNoは適切な試料の搭載量より多い量と判断し直ちに運転を停止する。すなわち、制御回路装置7は、正常制御モードとは異なる異常制御モードを選択し、異常制御モードに従ってモータ3またはロータ2の運転を停止させる(以下、「運転停止」と称する)。
次に、本実施形態の遠心機30の動作について、図4に示すフローチャートを参照に説明する。図4に示したフローチャートでは、制御回路装置7が異常制御モードにおいて「運転停止」を実行する場合を示す。
遠心分離の前準備において、遠心機30のロータ2として所用のロータの種類(種類を「X」とする)を選択し、遠心機30の出力回転軸1に取り付ける。種類Xのロータ2のバケット部2bに試料の入った容器を搭載し、運転スイッチをオンさせてスタートさせる。
次に、ステップ100において、ロータ2(モータ3)が加速中(運転中)か否かをチェックする。
ロータ2が加速中であるとき、ステップ110において、ロータ2は、ロータ検出器5で検出され、ロータ判別回路6によって種類Xであると判別される。演算制御部8は、ロータ判別回路6で判別したロータ2の種類Xに対応する適正な許容加速勾配ΔNmを記憶部9から呼び出す。
さらに、ステップ120において、制御回路装置7は、図2に示すように、時刻t1で検出した回転速度No1を記憶部9に記憶しておき、かつ時刻t2で検出した回転速度No2を記憶部9に記憶し、演算制御部8によって回転速度No2から回転速度No1を減算し、加速勾配ΔNoを算出する。
次に、ステップ130において、記憶部9から呼び出した種類Xのロータ2の許容加速勾配ΔNmと、実測し算出した加速勾配ΔNoとを比較し、ΔNm>ΔNoの関係か否かをチェックする。
ステップ130においてΔNm>ΔNoのときは、ステップ140(異常制御モード)へ進み、試料が許容値より大きいと判断し、モータ3またはロータ2の運転を停止させる(運転停止)。なお、ステップ140で異常制御モードとなった場合、モータ3またはロータ2の運転を停止させず、設定回転速度を当初設定値より下げて運転してもよい。また、表示部13に搭載量の超過の警告を表示してもよい。
ステップ130において、ΔNm≦ΔNoのときは、正常制御モードとなって、ステップ135へ進む。ステップ135において、制御回路装置7は、ロータ2に搭載した試料が許容値以下の量と判断し、モータ3またはロータ2を所望の回転速度まで加速し、試料を遠心分離することができる。
記憶部9にはロータの種類X以外の他のロータの許容加速勾配等の基礎データが記憶されているので、ロータ判別器6によって使用中のロータを判別することによって使用ロータに対応した許容加速勾配値を演算制御部8へ自動的に読み出すことができる。
以上の実施形態から明らかなように、本発明によれば、ロータまたはバケット部に許容値(基準値)を越える試料を誤って実装した場合、試料の搭載量の度合いに対応して制御回路装置7によってロータ2の運転を自動的に停止、または回転速度を低減させることにより、ロータ2自体やバケット部2b等の機器の破損を防止できる。
上記第1の実施形態ではΔNm>ΔNoの場合、試料が許容値より大きいと判断した異常制御モードにおいて、モータ3またはロータ2を減速または停止させるように制御したが、実測加速勾配ΔNoがさほど小さくないとき、すなわち試料の搭載量が許容値を大幅に超過しないときは、異常制御モードにおいて、ロータ2の回転を停止させず、最初に設定した回転速度を自動的に低減させることができる。一方、搭載量が許容値を大幅に超過し、バケット部2bやロータピン2cが破損する程度まで搭載量が多いときは、ロータ2の回転を停止することも可能である。そのような異常制御モードを持つ第2の実施形態について、図5の特性図および図6のフローチャートを参照して説明する。
図5において特性Aおよび特性Bは、図2と同様に、特性Aは種類Xのロータ2について試料を許容量入れて運転(回転)した場合の許容加速勾配ΔNm(第1の基準値)となる加速特性(Nm)であり、特性Bは種類Xのロータ2について実測した加速特性であり、本実施形態では許容量(第1の基準値)より多い試料を搭載した場合の実測加速特性(No)を示す。更に、特性Cは、特性Aと同一種類(種類X)のロータ2について、上記特性Bに示した場合よりさらに多い試料を搭載した場合であって、それ以上試料を搭載するとバケット部2bやロータピン2cが破損する可能性のある限界許容加速勾配ΔNe(第2の基準値)となる加速特性(Ne)を示す。
この場合の加速勾配ΔNoの判別基準は、上述した許容加速勾配となる第1の基準値ΔNm(特性A:Nm)に加え、バケット部2b等が破損する程度まで試料を搭載した場合の加速勾配(限界許容加速勾配)を第2の基準値ΔNe(特性C:Ne)として記憶部9に記憶しておくことで、実測した加速勾配ΔNoは次のように判別される。
(1)ΔNo≧ΔNmの場合、制御回路装置7は、正常制御モードを選択し、実測した加速勾配ΔNoを適切な試料の搭載量と判断し、そのまま正常運転させる。すなわち、制御回路装置7は、正常制御モードに従ってモータ3またはロータ2を正常運転させる(以下、「正常運転」と称する)。
(2)ΔNo<ΔNmの場合、制御回路装置7は、異常制御モードを選択する。異常制御モードおいて、実測加速勾配ΔNoについてさらに次の二つの判別(a)、(b)を行う。
(a)ΔNm>ΔNo≧ΔNeの場合、実測加速勾配ΔNoは適切な試料の搭載量よりやや多目で、バケット部2bやロータピン2cが破損することはない程度と判断し、警告を表示し、設定回転速度を下げて運転する(以下、「修正運転」と称する)。
(b)ΔNo<ΔNeの場合、実測加速勾配ΔNoは適切な試料の搭載量より多い量、すなわちバケット部2bやロータピン2cが破損する可能性があると判断し直ちに運転を停止する(運転停止)。
従って、第2の実施形態では、制御回路装置7によって加速勾配ΔNoを算出することによって、算出した加速勾配ΔNoを2つの基準値(許容加速勾配ΔNm、限界許容加速勾配ΔNe)と比較し、試料の搭載量の限界を判別することができる。
次に、本第2の実施形態の遠心機30の動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6に示したフローチャートにおいて、上述した図4に示したフローチャートのステップと同じものは、同一番号が付され、その説明を省略する。本実施形態では、特にステップ111、ステップ131およびステップ141が追加される。
ステップ111において、演算制御部8は、ロータ判別回路6で判別したロータ種類Xに対応する許容加速勾配ΔNmと、限界許容加速勾配ΔNeを記憶部9から呼び出す。
ステップ130においてΔNm>ΔNoの判断がYESとなった場合、異常制御モードと判断され、ステップ131に進み、実測した加速勾配ΔNoは、まず加速勾配の限界許容加速勾配ΔNeと比較される。すなわち、ステップ131においてΔNe>ΔNoの関係にあるか否かが判断され、もしYESであれば、ステップ140に進みモータ3またはロータ2の回転が停止される(運転停止)。
ステップ131において、ΔNe≦ΔNoの関係にあれば、ステップ141に進み、例えば表示部13に設けられている赤いランプの点滅表示などの警告表示を行い、かつロータ2の設定回転速度を当初の回転速度より低下させる(修正運転)。この場合、実測した加速勾配ΔNoは小さく、かつ整定される遠心分離時の最高回転速度(Nmax)も遅くなるので、遠心分離時間(図3のT2)は長くなるが、遠心分離機能は低下しない。
このように、異常制御モードにおいて、実測した加速勾配ΔNoに対する許容値(基準値)をΔNmとΔNeの2段階に分けて制御してもよい。
上記第2の実施形態では、異常制御モードにおいて加速勾配の基準値を2段階に分けて制御したが、加速勾配の基準値は必要に応じて2段階以上の細かい段階に分けて制御してもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本発明の実施形態に係る遠心機の機能ブロック図。 図1に示す遠心機における第1の実施形態に係るロータの加速特性図。 図1に示す遠心機におけるロータの運転モードの全体図。 図1に示す遠心機で加速制御を行う第1の実施形態に係る制御フローチャート。 図1に示す遠心機における第2の実施形態に係るロータの加速特性図。 図1に示す遠心機で加速制御を行う第2の実施形態に係る制御フローチャート。
符号の説明
1:モータの回転出力軸 2:スイングロータ 2a:ロータのアーム
2b:ロータのバケット 3:モータ 4:回転検出器
5:ロータ検出器 6:ロータ判別器 7:制御回路装置
8:演算制御部 9:記憶部 10:モータ駆動部
11:操作部 12:入力部 13:表示部 30:遠心機
31:隔壁部材 32:ドア 33:ロータ室

Claims (10)

  1. 遠心分離する試料を保持するロータと、前記ロータを回転させるモータと、前記モータを駆動するためのモータ駆動手段と、前記ロータの運転条件を設定する操作部と、前記モータまたは前記ロータの回転を検出する回転数検出手段と、記憶部および演算制御部を具備し、前記操作部の設定信号および前記回転数検出手段の回転検出信号を受けて、前記モータ駆動手段を制御する制御回路装置とを具備する遠心機において、
    前記制御回路装置は、前記記憶部によって前記モータまたは前記ロータの加速時における回転速度の変化量を表す加速勾配の基準値を予め記憶させておき、加速時に前記演算制御部によって前記回転数検出手段で検出した前記モータまたは前記ロータの回転速度から加速勾配を算出し、算出した加速勾配と前記記憶部に予め記憶させた前記加速勾配の基準値とを比較し、算出した加速勾配が前記基準値以上である場合は前記モータまたは前記ロータを正常運転させる正常制御モードで制御し、前記算出加速勾配が前記基準値より小さい場合は前記モータまたは前記ロータを前記正常制御モードと異なる異常制御モードで制御することを特徴とする遠心機。
  2. 前記異常制御モードは、前記モータまたは前記ロータの回転を停止させるか、或いは前記操作部から設定された前記モータまたは前記ロータの回転速度を下げる制御を含むことを特徴とする請求項1に記載された遠心機。
  3. 前記制御回路装置は、前記ロータに試料を許容値まで実装した時の加速勾配を前記基準値として前記記憶部に記憶させておくことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された遠心機。
  4. 前記制御回路装置は、前記モータまたは前記ロータの回転速度の変化量を表す加速勾配の基準値を使用するロータの種類毎に前記記憶部に記憶しておくことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載された遠心機。
  5. 前記制御回路装置は、前記モータまたは前記ロータの制御が異常制御モードである場合、前記操作部が具備する表示部に警告を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載された遠心機。
  6. 前記制御回路装置は、加速勾配の前記基準値として複数の値を前記記憶部に記憶し、前記回転数検出手段で検出した前記モータまたは前記ロータの回転速度から算出した前記加速勾配を、前記複数の基準値と比較することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載された遠心機。
  7. 遠心分離する試料を保持するロータと、前記ロータを回転させるモータと、前記モータを駆動するためのモータ駆動手段と、前記ロータの運転条件を設定する操作部と、前記モータまたは前記ロータの回転を検出する回転数検出手段と、記憶部および演算制御部を具備し、前記操作部の設定信号および前記回転数検出手段の回転検出信号を受けて、前記モータ駆動手段を制御する制御回路装置とを具備する遠心機において、
    前記制御回路装置は、前記記憶部によって前記モータまたは前記ロータの加速時における回転速度の変化量を表す加速勾配の、少なくとも第1および第2の基準値を予め記憶させておき、加速時に前記演算制御部によって前記回転数検出手段で検出した前記モータまたは前記ロータの回転速度から加速勾配を算出し、算出した加速勾配と前記記憶部に予め記憶させた前記加速勾配の前記第1の基準値とを比較し、算出した加速勾配が前記第1の基準値以上である場合は前記モータまたは前記ロータを正常運転させる正常制御モードで制御し、前記算出加速勾配が前記第1の基準値より小さい場合は前記モータまたは前記ロータを前記正常制御モードと異なる異常制御モードで制御し、さらに前記異常制御モードにおいて前記算出加速勾配を前記第2の基準値と比較して前記モータまたは前記ロータを制御することを特徴とする遠心機。
  8. 前記制御回路装置は、前記ロータに試料を許容値まで実装した時の加速勾配を前記第1の基準値として前記記憶部に記憶させておくことを特徴とする請求項7に記載された遠心機。
  9. 前記制御回路装置は、前記ロータに試料を限界許容値まで実装した時の加速勾配を前記第2の基準値として前記記憶部に記憶させておくことを特徴とする請求項7に記載された遠心機。
  10. 前記制御回路装置は、前記算出した加速勾配が前記第1の基準値より小さく前記第2の基準値以上の場合、前記異常制御モードにおいて前記モータまたは前記ロータの回転速度を低減させ、前記算出加速勾配が前記第2の基準値より小さい場合、前記異常制御モードにおいて前記モータまたは前記ロータの回転を停止させることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一つに記載された遠心機。
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