JP2007331702A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者によるカウンタ操舵の戻し遅れに起因するオーバーシュートの発生を抑えて速やかに車両安定化を図ることのできる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】IFS制御演算部35は、OS制御中の運転者によるカウンタ操舵の有無を判定するカウンタ操舵判定手段としてのカウンタ操舵判定部77を備える。そして、このカウンタ操舵判定部77において、OS制御中のカウンタ操舵があり、且つ車両のヨーモーメントが安定方向に変化したと判定された場合には、上記OS制御演算部65により演算されたOS制御時ACT指令角θos*を低減すべくその補正を行う(カウンタ補正制御)。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両用操舵装置に関するものである。
近年、車速やヨーレイト等の車両状態量と車両の運動状態との関係をモデル化した車両モデル(車両運動モデル)に基づいて車両のヨーモーメントを制御すべく転舵輪の舵角(転舵角)を制御する所謂アクティブステア機能を備えた操舵制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献2に記載の車両用操舵装置では、車両モデルに基づいて、車両のヨーモーメントに関連する車両状態量の目標値(目標状態量、目標ヨーレイトや目標スリップ角等)を演算し、その目標状態量の値とセンサにより検出された実際の値(実際値)との比較により車両のステアリング特性(ステア特性)を判定する。そして、オーバーステア状態にある場合には、車両モデルに基づき演算される目標状態量の値と実際値との偏差に基づくフィードバック制御により、ヨーモーメントと逆方向に転舵角を変更するよう、即ち所謂カウンタステアをあてるように同転舵角を制御することで、車両姿勢の安定化を図るようになっている。
特開2002−254964号公報 特開2005−88648号公報
ところで、車両がオーバーステア状態となった場合、多くの場合、運転者もまたカウンタステアをあてるべくステアリング操作を行う。これにより、そのステア特性は、急速に安定化方向に向かうこととなる。しかしながら、こうした運転者によるカウンタステア操作は、往々にしてその「戻し」、即ちそのカウンタ操舵からの復帰が遅れる傾向にある。このため、そのカウンタ量は過剰なものとなりやすく、特に上記従来例のように車両モデルに基づきその制御が行われるものにおいては、運転者によるカウンタ操舵が維持されることで制御目標値と実際値との偏差が大となる、即ち制御量が大きなものとなるため、そのカウンタ量の過剰がより一層顕著なものとなりやすい。その結果、特に、凍結路等、車両姿勢を安定に保つことのできる安定領域の狭い低μ路では、オーバーシュート、即ち車両姿勢が安定化した後、逆方向に不安定化するような状況に陥りやすいという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、運転者によるカウンタ操舵の戻し遅れに起因するオーバーシュートの発生を抑えて速やかに車両安定化を図ることのできる車両用操舵装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリング操作に基づく転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記転舵輪の第2の舵角を上乗せすることによりステアリングと前記転舵輪との間の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段と、車両のステア特性を判定するステア特性判定手段とを備え、前記制御手段は、前記車両がオーバーステア状態にある場合には、前記車両のヨーモーメントと逆方向に前記第2の舵角を変更すべく前記伝達比可変装置を作動させるオーバーステア制御を実行する車両用操舵装置であって、前記オーバーステア制御中のカウンタ操舵の有無を判定するカウンタ操舵判定手段を備え、前記制御手段は、前記カウンタ操舵が有り、且つ前記ヨーモーメントが安定方向に変化した場合には、オーバーステア制御量を低減すること、を要旨とする。
即ち、カウンタステアによって車両のヨーモーメントが安定方向に変化した場合には、速やかにそのカウンタ量を低減し通常の操舵状態に復帰させることが望ましい。従って、ヨーモーメントが安定方向に変化したにもかかわらず、依然として運転者によるカウンタ操舵が行われている場合は「戻し遅れ」が生じていることを意味する。しかしながら、上記構成によれば、このような運転者によるカウンタ操舵に戻し遅れが生じた状況においても、オーバーステア制御量、即ちオーバーステア制御に基づくカウンタ量を減らすことで、全体としてのカウンタ量を小さく抑えることができる。その結果、オーバーシュートの発生を抑えて速やかに車両安定化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記ヨーモーメントが安定方向へ大きく変化しているほど前記オーバーステア制御量を大きく低減すること、を要旨とする。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記ステアリング操作がカウンタ方向に行われているほど前記オーバーステア制御量を大きく低減すること、を要旨とする。
上記各構成によれば、オーバーシュートが発生しやすい状況ほど、オーバーステア制御量を大きく低減させるため、より速やかに車両安定化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記オーバーステア制御量を漸次低減すること、を要旨とする。
上記構成によれば、オーバーステア制御量の変化に起因する車両姿勢の不安定化を防止するとともに、これに伴う操舵反力の変化を抑えて良好な操舵フィーリングを実現することができる。
請求項5に記載の発明は、前記カウンタ操舵判定手段は、前記ヨーモーメントの方向と反対方向の前記ステアリング操作が発生し、且つその操舵速度が所定の閾値よりも速く、且つ前記オーバーステア制御の開始時点の操舵角からの操舵角変化量が所定の閾値を超える場合に、前記カウンタ操舵があったと判定すること、を要旨とする。
上記構成によれば、確実に運転者によるカウンタ操舵の有無を判定することができる。そして、判定に用いる状態量として操舵トルクを用いないことから、通常、トルクセンサを有していない油圧式のパワーステアリング装置と組み合わせについても、特段の追加構成を要することなく適用することができる。
本発明によれば、運転者によるカウンタ操舵の戻し遅れに起因するオーバーシュートの発生を抑えて速やかに車両安定化を図ることが可能な車両用操舵装置を提供することができる。
以下、本発明をギヤ比可変システムを備えた車両用操舵装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の車両用操舵装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング(ハンドル)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラック&ピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラック&ピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更される。
本実施形態の車両用操舵装置1は、ステアリング2の舵角(操舵角)に対する転舵輪6の伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置としてのギヤ比可変アクチュエータ7と、該ギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御する制御手段としてのIFSECU8とを備えている。
詳述すると、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト9とラック&ピニオン機構4に連結される第2シャフト10とからなり、ギヤ比可変アクチュエータ7は、第1シャフト9及び第2シャフト10を連結する差動機構11と、該差動機構11を駆動するモータ12とを備えている。そして、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に伴う第1シャフト9の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト10に伝達することにより、ラック&ピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。
つまり、図2及び図3に示すように、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に基づく転舵輪6の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく転舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する転舵輪6の転舵角θtの比率、即ち伝達比(ギヤ比)を可変させる。そして、IFSECU8は、モータ12に対する駆動電力の供給を通じてギヤ比可変アクチュエータ7の制御を制御し、これにより操舵角θsと転舵角θtとの間の伝達比(ギヤ比)を制御する(ギヤ比可変制御)。
尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。また、「操舵角θsに対する転舵角θtのギヤ比」をオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)で表した場合、ステア転舵角θtsと同方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は小さくなる(転舵角θt大、図2参照)。そして、逆方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は大きくなる(転舵角θt小、図3参照)。そして、本実施形態では、ステア転舵角θtsが第1の舵角を構成し、ACT角θtaが第2の舵角を構成する。
また、図1に示すように、車両用操舵装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ17と、該EPSアクチュエータ17の作動を制御するEPSECU18とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ17は、その駆動源であるモータ22がラック5に設けられた所謂ラックアシスト型のEPSアクチュエータであり、モータ22が発生するアシストトルクは、ボール螺子機構(図示略)を介してラック5に伝達される。そして、EPSECU18は、このモータ22が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
本実施形態では、上記のギヤ比可変アクチュエータ7を制御するIFSECU8、及びEPSアクチュエータ17を制御するEPSECU18は、車内ネットワーク(CAN:Controller Area Network)23を介して接続されており、該車内ネットワーク23には、車両状態量を検出するための複数のセンサが接続されている。具体的には、車内ネットワーク23には、操舵角センサ24、トルクセンサ25、車輪速センサ26a,26b、横Gセンサ28、車速センサ29、ブレーキセンサ30、及びヨーレイトセンサ31が接続されている。そして、上記各センサにより検出される複数の車両状態量、即ち操舵角θs、操舵トルクτ、車輪速Vtr,Vtl、転舵角θt、スリップ角θsp、車速V、ブレーキ信号Sbk、及びヨーレイトRyは、車内ネットワーク23を介してIFSECU8及びEPSECU18に入力される。
尚、本実施形態では、転舵角θtは、操舵角θsにラック&ピニオン機構4のベースギヤ比を乗じた値、即ちステア転舵角θtsにACT角θtaを加算することにより求められ、スリップ角θspは、横Gセンサ28により検出される横方向加速度及びヨーレイトRyに基づいて求められる。また、IFSECU8及びEPSECU18は、車内ネットワーク23を介した相互通信により、制御信号の送受信を行う。そして、IFSECU8及びEPSECU18は、車内ネットワーク23を介して入力された上記各車両状態量及び制御信号に基づいて、上記のギヤ比可変制御及びパワーアシスト制御を統合的に実行する。
次に、本実施形態のステアリング装置の電気的構成及び制御態様について説明する。
図4は、本実施形態の車両用操舵装置1の制御ブロック図である。同図に示すように、IFSECU8は、モータ制御信号を出力するマイコン33と、モータ制御信号に基づいてモータ12に駆動電力を供給する駆動回路34とを備えている。
尚、本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ7及びEPSアクチュエータ17の駆動源である各モータ12,22は、ともにブラシレスモータであり、駆動回路34、及び後述するEPSECU18の駆動回路44は、入力されるモータ制御信号に基づいて、それぞれ対応するモータ12,22に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する。また、以下に示す各制御ブロックは、マイコン33(43)が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
マイコン33は、IFS制御演算部35、ギヤ比可変制御演算部36、LeadSteer制御演算部37を備え、これら各制御演算部は、それぞれ入力される車両状態量に基づいてACT角θtaの制御目標成分(及び制御信号)を演算する。
詳述すると、IFS制御演算部35には、操舵角θs、転舵角θt、車速V、車輪速Vtr,Vtl、ブレーキ信号Sbk、ヨーレイトRy及びスリップ角θspが入力される。そして、IFS制御演算部35は、これらの車両状態量に基づいて、所謂アクティブステア機能、即ち車両モデルに基づき車両のヨーモーメントを制御するためのACT角θtaの制御目標成分の演算、並びに関連する制御信号の演算を行う。具体的には、IFS制御演算部35は、アクティブステア機能を実現するためのACT角θtaの制御目標成分としてIFS_ACT指令角θifs*を演算するとともに、制御信号として車両のステア特性を示すOS/US特性値Val_stの演算を行う(IFS制御演算)。
ここで、ヨー方向の車両姿勢は「ステア特性(ステアリング特性)」として表現される。ステア特性とは、運転者がステアリング操作を行ったときに、運転者の想定する車両旋回速度と実際の車両旋回速度との差異についての特性である。そして、想定する車両旋回速度よりも実際の車両旋回速度が大きい場合をオーバーステア(OS)、小さい場合をアンダーステア(US)、その差異がない場合をニュートラルステア(NS)という。そして、この「運転者の想定する車両旋回速度」は、車両モデルでは目標ヨーレイトに置き換えることができ、車両が定常旋回状態にあり、そのステア特性がニュートラルステアである場合には、その旋回方向を車両進行方向と言い換えることもできる。
本実施形態では、IFS制御演算部35は、ステア特性がアンダーステアである場合に、転舵輪6の切れ角を小さくするための、またステア特性がオーバーステアである場合に、転舵輪6にヨーモーメントの方向と逆方向の舵角(カウンタステア)を与えるためのACT角θtaの制御目標成分としてIFS_ACT指令角θifs*を演算する。尚、OS/US特性値Val_stについては、IFS制御演算部35における内部演算処理に用いられるとともに、車内ネットワーク23を介してEPSECU18に送信される(図1参照)。そして、EPSECU18によるパワーアシスト制御に用いられる。
ギヤ比可変制御演算部36には、操舵角θs、転舵角θt及び車速Vが入力される。そして、ギヤ比可変制御演算部36は、これらの車両状態量(及び制御信号)に基づいて、車速Vに応じてギヤ比を可変させるための制御目標成分としてギヤ比可変ACT指令角θgr*を演算する(ギヤ比可変制御演算)。
LeadSteer制御演算部37には、車速V及び操舵速度ωsが入力される。尚、操舵速度ωsは、操舵角θsを微分することにより演算される(以下同様)。そして、LeadSteer制御演算部37は、これら車速V及び操舵速度ωsに基づいて操舵速度に応じて、車両の応答性を向上させるための制御目標成分としてLS_ACT指令角θls*を演算する(LeadSteer制御演算)。
IFS制御演算部35、ギヤ比可変制御演算部36及びLeadSteer制御演算部37は、上記各演算により演算された各制御目標成分、即ちIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、及びLS_ACT指令角θls*を加算器38aに出力する。そして、この加算器38aにおいて、これらIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、及びLS_ACT指令角θls*が重畳されることによりACT角θtaの制御目標であるACT指令角θta*が演算される。
加算器38aにて演算されたACT指令角θta*は、F/F制御演算部39及びF/B制御演算部40に入力される。また、F/B制御演算部40には、モータ12に設けられた回転角センサ41により検出されるACT角θtaが入力される。そして、F/F制御演算部39は、入力されたACT指令角θta*に基づくフィードフォワード演算により制御量εffを演算し、F/B制御演算部40は、ACT指令角θta*及びACT角θtaに基づくフィードバック演算により制御量εfbを演算する。
F/F制御演算部39及びF/B制御演算部40は、演算された制御量εff及び制御量εfbを加算器38bに出力する。そして、その制御量εff及び制御量εfbは、加算器38bにおいて重畳され電流指令としてモータ制御信号出力部42に入力される。そして、モータ制御信号出力部42は、入力された電流指令に基づいてモータ制御信号を生成し駆動回路34に出力する。
即ち、図5のフローチャートに示すように、マイコン33は、車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(ステップ101)、先ずIFS制御演算を行い(ステップ102)、続いてギヤ比可変制御演算(ステップ103)、及びLeadSteer制御演算を行う(ステップ104)。そして、マイコン33は、上記ステップ102〜ステップ104の各演算処理を実行することにより演算されたIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、及びLS_ACT指令角θls*を重畳し、これにより制御目標であるACT指令角θta*を演算する。そして、マイコン33は、この演算されたACT指令角θta*に基づいてフィードフォワード演算(ステップ105)及びフィードバック演算(ステップ106)を行うことにより電流指令を演算し、その電流指令に基づいてモータ制御信号の出力を行う(ステップ107)。
一方、図4に示すように、EPSECU18は、IFSECU8と同様に、マイコン43と、駆動回路44とを備えている。マイコン43は、アシスト制御部45、トルク慣性補償制御部46、ステアリング戻し制御部47、及びダンパ補償制御部48を備え、これら各制御部は、それぞれ入力される車両状態量に基づいてモータ22が発生するアシストトルクの制御目標成分を演算する。
詳述すると、アシスト制御部45及びトルク慣性補償制御部46には、それぞれ車速V及び操舵トルクτが入力される。そして、アシスト制御部45は、ベースとなる制御目標成分として基本アシスト電流指令Ias*を演算し、トルク慣性補償制御部46は、モータ22の慣性を補償する制御目標成分である慣性補償電流指令Iti*を演算する。
ステアリング戻し制御部47には、車速V、操舵トルクτ、及び転舵角θtが入力され、ダンパ補償制御部48には、車速V及び操舵速度ωsが入力される。そして、ステアリング戻し制御部47は、ステアリング2の戻り特性を改善するための制御目標成分であるステアリング戻し電流指令Isb*を演算し、ダンパ補償制御部48は、高速走行時のパワーアシスト特性を改善するための制御目標成分であるダンパ補償電流指令Idp*を演算する。
また、マイコン43は、上記各制御部に加え、IFS制御時のステアリングフィールを改善するためのIFSトルク補償ゲインKifsを演算するIFSトルク補償制御部49を備えている。本実施形態では、IFSトルク補償制御部49には、操舵トルクτ、操舵角θs及び操舵速度ωsとともに、上記IFS制御演算部35において演算されたIFS_ACT指令角θifs*、及びOS/US特性値Val_stが入力される。そして、IFSトルク補償制御部49は、上記各車両状態量、IFS_ACT指令角θifs*及びOS/US特性値Val_stに基づいてIFSトルク補償ゲインKifsを演算する。
本実施形態では、上記IFSトルク補償ゲインKifsは、アシスト制御部45において演算された基本アシスト電流指令Ias*に乗ぜられ、その補正後の基本アシスト電流指令Ias**は、上記慣性補償電流指令Iti*、ステアリング戻し電流指令Isb*、及びダンパ補償電流指令Idp*とともに、加算器50に入力される。そして、これらの各制御目標成分が重畳されることにより、モータ22が発生するアシストトルクの制御目標である電流指令が演算される。
加算器50において演算された電流指令は、モータ制御信号出力部51に入力される。また、モータ制御信号出力部51には、モータ22に設けられた電流センサ52及び回転センサ53により検出される実電流及び回転角が入力される。そして、モータ制御信号出力部51は、これら電流指令、実電流及び回転角に基づいてフィードバック制御を行うことによりモータ制御信号を生成し、そのモータ制御信号を駆動回路44に出力する。
次に、IFS制御演算部におけるIFS制御演算処理について詳述する。
図6は、IFS制御演算部の制御ブロック図である。同図に示すように、IFS制御演算部35は、車両モデル演算部61、跨ぎ路判定部62、ステア特性演算部63、OS制御演算部65、US制御演算部66、制御ON/OFF判定部67、及びIFS_ACT指令角演算部68を備えている。
車両モデル演算部61には、転舵角θt及び車速Vが入力される。そして、車両モデル演算部61は、この転舵角θt及び車速Vに基づいて車両モデル演算を行い、車両のヨーモーメントに関連する車両状態量の目標値、即ち目標状態量としての目標ヨーレイトRy0及び目標スリップ角θsp0を演算する。尚、本実施形態の車両モデル演算部61における車両モデル演算、即ち車両モデルに基づき転舵角θt及び車速Vから目標ヨーレイトRy0及び目標スリップ角θsp0を演算する方法については、例えば上述の特許文献1等を参考されたい。
跨ぎ路判定部62には、車輪速Vtr,Vtl、転舵角θt、車速V、及びブレーキ信号Sbkが入力される。そして、跨ぎ路判定部62は、これらの車両状態量に基づいて、車両が跨ぎ路、即ち車両の左右の車輪がそれぞれ路面抵抗の著しく異なる2つの路面(μスプリット路面)上にあるか否かの判定を行う。詳しくは、μスプリット状態における制動、即ちμスプリット制動状態にあるか否かの判定を行う(跨ぎ路判定)。
ステア特性判定手段としてのステア特性演算部63には、操舵角θs、車速V、及びヨーレイトRy、並びに車両モデル演算部61において演算された目標ヨーレイトRy0が入力される。そして、ステア特性演算部63は、これらの車両状態量に基づいて、車両のステア特性、即ち、車両がオーバーステア、アンダーステア、又はニュートラルステアの何れの状態にあるかを演算し、その特性を示すOS/US特性値Val_stを演算する(ステア特性演算)。尚、本実施形態では、OS/US特性値Val_stは次式、Val_st=(L×Ry/V−θt)×Ry、L:ホイールベース、に基づくアナログ信号として出力される。
OS制御演算部65は、ヨーレイトF/B演算部71、スリップ角F/B演算部72を備えており、これらヨーレイトF/B演算部71及びスリップ角F/B演算部72は、それぞれ対応する車両状態量の実際値がその目標値に追従するようフィードバック演算を行う。そして、OS制御演算部65は、これら各F/B演算部におけるフィードバック演算に基づいて、ステア特性がオーバーステアである場合のACT角θtaの制御目標成分、即ちヨーモーメントと逆方向の舵角(カウンタステア)を発生させるための制御目標成分として、OS制御時ACT指令角θos*を演算する(OS制御演算)。
さらに詳述すると、ヨーレイトF/B演算部71には、ヨーレイトRy、及び目標ヨーレイトRy0が入力され、ヨーレイトF/B演算部71は、その偏差ΔRyに基づいてフィードバック演算を行う。具体的には、ヨーレイトF/B演算部71は、偏差ΔRyに比例F/BゲインKPを乗ずることによりヨーレイト比例F/B指令角θRyp*を演算し、偏差ΔRyの微分量に微分F/BゲインKDを乗ずることによりヨーレイト微分F/B指令角θRyd*を演算する(ヨーレイトF/B演算)。同様に、スリップ角F/B演算部72には、スリップ角θsp、及び目標スリップ角θsp0が入力され、スリップ角F/B演算部72は、その偏差Δθspにスリップ角F/BゲインKslipを乗ずることにより、スリップ角F/B指令角θsp*を演算する(スリップ角F/B演算)。
また、本実施形態のOS制御演算部65は、上記ヨーレイトF/B演算部71及びスリップ角F/B演算部72に加え、所謂μスプリット制動時の安定性を確保するための制御成分を演算するヨー角F/B演算部73を備えている。そして、ヨー角F/B演算部73は、上記跨ぎ路判定部62における判定結果をトリガとして目標ヨー角θy0及びヨー角θyに基づくヨー角F/B演算を実行し、その偏差Δθyにヨー角ゲインKyawを乗ずることによりヨー角F/B指令角θy*を演算する。
これらヨーレイトF/B演算部71において演算されたヨーレイト比例F/B指令角θRyp*及びヨーレイト微分F/B指令角θRyd*、スリップ角F/B演算部72において演算されたスリップ角F/B指令角θsp*、並びにヨー角F/B演算部73において演算されたヨー角F/B指令角θy*は、加算器76に入力される。そして、OS制御演算部65は、この加算器76において、これらの各制御目標成分を重畳することにより、OS制御時ACT指令角θos*を演算する(OS制御演算)。
US制御演算部66には、操舵角θs及び操舵速度ωs、並びにステア特性演算部63において演算されたOS/US特性値Val_stが入力される。そして、US制御演算部66は、これら車両状態量に基づいてUS制御時ACT指令角θus*を演算する(US制御演算)。
制御ON/OFF判定部67には、車速V、操舵角θs、ヨーレイトRy、及びOS/US特性値Val_stが入力される。そして、制御ON/OFF判定部67は、上記OS制御演算部65で演算されたOS制御時ACT指令角θos*に基づくオーバーステア制御(OS制御)、又はUS制御演算部66で演算されたUS制御時ACT指令角θus*に基づくアンダーステア制御(US制御)を行うか否かを判定し、その判定結果を制御ON/OFF信号Scとして出力する(制御ON/OFF判定)。
IFS_ACT指令角演算部68には、OS制御演算部65により演算されたOS制御時ACT指令角θos*及びUS制御演算部66により演算されたUS制御時ACT指令角θus*、並びに制御ON/OFF判定部67の出力する制御ON/OFF信号Scが入力される。そして、IFS_ACT指令角演算部68は、入力された制御ON/OFF信号Scが「OS制御ON」を示すものである場合には、OS制御時ACT指令角θos*を、制御ON/OFF信号Scが「US制御ON」を示すものである場合には、US制御時ACT指令角θus*をIFS_ACT指令角θifs*として出力する(IFS_ACT指令角演算)。尚、本実施形態では、制御ON/OFF信号Scが「NS」、即ちニュートラルステアであることを示すものである場合には、IFS_ACT指令角演算部68は、IFS_ACT指令角θifs*を「0」とする。
(カウンタ補正制御)
次に、本実施形態の車両用操舵装置におけるカウンタ補正制御について説明する。
図6に示すように、本実施形態では、IFS制御演算部35は、上記OS制御中の運転者によるカウンタ操舵の有無を判定するカウンタ操舵判定手段及び車両のヨーモーメント変化を検知する検知手段としてのカウンタ操舵判定部77を備えている。そして、IFS制御演算部35は、このカウンタ操舵判定部77において、OS制御中のカウンタ操舵があり、且つ車両のヨーモーメントが安定方向に変化したと判定された場合には、上記OS制御演算部65により演算されたOS制御時ACT指令角θos*を低減すべくその補正を行う(カウンタ補正制御)。
詳述すると、本実施形態では、カウンタ操舵判定部77には、ヨーレイトRy、操舵角θs及び操舵速度ωsが入力される。また、カウンタ操舵判定部77には、これらの各車両状態量とともに、制御ON/OFF判定部67の出力する制御ON/OFF信号Scが入力されるようになっており、同カウンタ操舵判定部77は、上記OS制御開始時点の操舵角θs_stを同制御の終了まで保持する。そして、カウンタ操舵判定部77は、以下に示す3つの要件を全て満たす場合に、OS制御中の運転者によるカウンタ操舵があるものと判定する。
− ヨーモーメントの方向と反対方向のステアリング操作が発生した。
− その操舵速度ωs(の絶対値)が所定の閾値ωs0よりも速い。
− OS制御開始時点の操舵角θs_stからの操舵角変化量が所定の閾値θs0を超える。
また、カウンタ操舵判定部77は、ヨーレイトRyの変化(ヨーレイトRyの微分値dRy)に基づいて、車両のヨーモーメント変化を検知する。そして、上記OS制御中のカウンタ操舵があると判定した後に、ヨーモーメントが安定方向に変化したと判定した場合には、上記カウンタ補正制御を行うべき旨を示すカウンタ補正信号S_csを出力する。
即ち、図7のフローチャートに示すように、カウンタ操舵判定部77は、状態量(及び制御信号)としてヨーレイトRy、操舵角θs及び操舵速度ωs、並びに制御ON/OFF信号Scを取得すると(ステップ201)、続いて入力された制御ON/OFF信号Scが「OS制御ON」を示すものであるか否かを判定する(ステップ202)。そして、「OS制御ON」を示すものである場合(ステップ202:YES)には、OS制御開始時点の操舵角θs_stが保持されているか否かを判定し(ステップ203)、保持されていない場合(ステップ203:NO)には、その時点の操舵角θsをOS制御開始時点の操舵角θs_stとして保持(記憶)する(ステップ204)。
尚、上記ステップ203において、既にOS制御開始時点の操舵角θs_stが保持されていると判定した場合(ステップ203:YES)には、カウンタ操舵判定部77は、ステップ204の処理を実行しない。そして、上記ステップ202において、入力された制御ON/OFF信号Scが「OS制御ON」を示すものでない場合(ステップ202:NO)には、上記ステップ203,204、並びに以下に示すステップ205〜ステップ211の処理を実行しない。
次に、カウンタ操舵判定部77は、運転者によるカウンタ操舵が行われている旨を示すカウンタ操舵フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ205)。そして、カウンタ操舵フラグがセットされていない場合(ステップ205:NO)には、上述のカウンタ操舵判定を実行する(ステップ206〜ステップ208)。
即ち、カウンタ操舵判定部77は、先ずヨーレイトRyと操舵速度ωsの符号が不一致であるか否かによりヨーモーメントの方向と反対方向のステアリング操作が発生したか否かを判定する(ステップ206)。次に、操舵速度ωs(の絶対値)が所定の閾値ωs0よりも速いか否かを判定し(ステップ207)、続いてOS制御開始時点の操舵角θs_stからの操舵角変化量が所定の閾値θs0を超えるか否かを判定する(ステップ208)。そして、上記ステップ206〜ステップ208の各要件を全て満たす場合、即ちヨーレイトRyと操舵速度ωsの符号が不一致であり(ステップ206:YES)、操舵速度ωs(の絶対値)が所定の閾値ωs0よりも速く(|ωs|>ωs0、ステップ207:YES)、且つOS制御開始時点の操舵角θs_stからの操舵角変化量が所定の閾値θs0を超える場合(|θs_st−θs|>θs0、ステップ208:YES)には、運転者によるカウンタ操舵が行われているとして上記のカウンタ操舵フラグをセットする(ステップ209)。
尚、上記ステップ205において、既にカウンタ操舵フラグがセットされていると判定した場合(ステップ205:YES)には、カウンタ操舵判定部77は、上記ステップ206〜ステップ209の処理を実行しない。そして、上記ステップ206〜ステップ208の何れかの判定条件を満たさない場合(ステップ206:NO、又はステップ207:NO、又はステップ208:NO)には、以下に示すステップ210,211の処理を実行しない。
次に、カウンタ操舵判定部77は、ヨーレイトRyの微分値dRyに基づいて、車両のヨーモーメントが安定方向、即ちニュートラルステア方向に変化したか否かを判定する(ステップ210)。そして、ヨーモーメントが安定方向に変化したと判定した場合(ステップ210:YES)には、上述のカウンタ補正制御を行うべき旨を示すカウンタ補正信号S_csを出力する(ステップ211)。尚、ステップ210において、ヨーモーメント変化が安定方向ではないと判定した場合(ステップ210:NO)には、カウンタ操舵判定部77は、上記ステップ211の処理を実行せずカウンタ補正信号S_csを出力しない。
図6に示すように、本実施形態では、カウンタ操舵判定部77の出力するカウンタ補正信号S_csは、カウンタ補正ゲイン演算部78に入力される。そして、カウンタ補正ゲイン演算部78は、このカウンタ補正信号S_csの入力に基づいて、OS制御時ACT指令角θos*を低減するためのカウンタ補正ゲインK_csを生成する。
詳述すると、カウンタ補正ゲイン演算部78には、操舵速度ωs及びヨーレイトRyが入力される。そして、カウンタ補正ゲイン演算部78は、ヨーモーメントが安定方向へ大きく変化しているほど、また、ステアリング操作がカウンタ方向に行われているほど、OS制御時ACT指令角θos*を大きく低減させる、即ち値の小さなカウンタ補正ゲインK_csを生成する(K_cs=1〜0)。
具体的には、本実施形態では、カウンタ補正ゲイン演算部78は、図8に示すような車両のヨーモーメント変化(ヨーレイトRyの微分値dRy)とヨーゲインKyとが関連付けられた第1ゲインマップと、図9に示すようなステアリング操作方向(操舵速度ωs)と方向ゲインKdとが関連付けられた第2ゲインマップとの二つのゲインマップを備えている。尚、第1ゲインマップでは、ヨーレイトRyの微分値dRyが、ヨーモーメントが安定方向へ大きく変化していることを示すものであるほど、ヨーゲインKyが小さくなるように、また、第2ゲインマップでは、操舵速度ωsが、ステアリング操作がカウンタ方向に行われていることを示すほど、方向ゲインKdが小さくなるように設定されている(Ky,Kd=1〜0)。そして、カウンタ補正ゲイン演算部78は、入力される操舵速度ωs及びヨーレイトRyをそれぞれ対応するゲインマップに照らし合わせることにより、ヨーゲインKy及び方向ゲインKdを決定し、これら二つのゲインを掛け合わせることによりカウンタ補正ゲインK_csを生成する(K_cs=Ky×Kd)。尚、カウンタ補正信号S_csの入力がない場合、カウンタ補正ゲイン演算部78は、カウンタ補正ゲインK_csを「1」とする。
図6に示すように、カウンタ補正ゲイン演算部78において生成されたカウンタ補正ゲインK_csは、OS制御時ACT指令角θos*とともに乗算器79に入力される。そして、この乗算器79において、OS制御時ACT指令角θos*にカウンタ補正ゲインK_csが乗ぜられることにより同OS制御時ACT指令角θos*が低減され、その補正後のOS制御時ACT指令角θos**がIFS_ACT指令角演算部68に入力されるようになっている。
次に、IFS制御演算部における上記各制御演算の処理手順について説明する。
図10のフローチャートに示すように、IFS制御演算部35は、先ず、車両モデル演算を実行し(ステップ301)、次に跨ぎ路判定を実行する(ステップ302)。そして、ステア特性演算を実行する(ステップ303)。
次に、IFS制御演算部35は、上記ステップ301の車両モデル演算において演算された目標ヨーレイトRy0及び目標スリップ角θsp0に基づいて、ヨーレイトF/B演算及びスリップ角F/B演算を実行することによりOS制御時ACT指令角θos*を演算する(OS制御演算、ステップ304)。尚、上記ステップ302にてμスプリット制動状態にある旨の判定がなされた場合には、その判定結果をトリガとしてヨー角F/B演算が実行される。そして、US制御演算を実行することによりUS制御時ACT指令角θus*を演算する(ステップ305)。
次に、IFS制御演算部35は、制御ON/OFF判定を実行し(ステップ306)、続いて、カウンタ補正演算を実行する(ステップ307)。そして、OS制御時ACT指令角θos*(θos**)又はUS制御時ACT指令角θus*(若しくは「0」)をアクティブステア機能を実現するための制御目標成分、即ちIFS_ACT指令角θifs*として出力する(IFS_ACT指令角演算、ステップ308)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)IFS制御演算部35は、OS制御中の運転者によるカウンタ操舵の有無を判定するカウンタ操舵判定手段としてのカウンタ操舵判定部77を備える。そして、このカウンタ操舵判定部77において、OS制御中のカウンタ操舵があり、且つ車両のヨーモーメントが安定方向に変化したと判定された場合には、上記OS制御演算部65により演算されたOS制御時ACT指令角θos*を低減すべくその補正を実行する(カウンタ補正制御)。
即ち、カウンタステアによって車両のヨーモーメントが安定方向に変化した場合には、速やかにそのカウンタ量を低減し通常の操舵状態に復帰させることが望ましい。従って、ヨーモーメントが安定方向に変化したにもかかわらず、依然として運転者によるカウンタ操舵が行われている場合は、「戻し遅れ」が生じていることを意味する。しかしながら、上記構成によれば、このような運転者によるカウンタ操舵に戻し遅れが生じた状況においても、オーバーステア制御量、即ちオーバーステア制御に基づくカウンタ量を減らすことで、全体としてのカウンタ量を小さく抑えることができる。その結果、オーバーシュートの発生を抑えて速やかに車両安定化を図ることができる。
(2)カウンタ操舵判定部77の出力するカウンタ補正信号S_csは、カウンタ補正ゲイン演算部78に入力される。そして、カウンタ補正ゲイン演算部78は、ヨーモーメントが安定方向へ大きく変化しているほど、また、ステアリング操作がカウンタ方向に行われているほど、OS制御時ACT指令角θos*を大きく低減させる、即ち値の小さなカウンタ補正ゲインK_csを生成する(K_cs=1〜0)。
上記構成よれば、オーバーシュートが発生しやすい状況ほど、オーバーステア制御量を大きく低減させることができる。その結果、より速やかに車両安定化を図ることができる。
(3)カウンタ操舵判定部77は、ヨーモーメントの方向と反対方向のステアリング操作が発生し、その操舵速度ωs(の絶対値)が所定の閾値ωs0よりも速く、且つOS制御開始時点の操舵角θs_stからの操舵角変化量が所定の閾値θs0を超える場合に、OS制御中の運転者によるカウンタ操舵があるものと判定する。
上記構成によれば、確実に運転者によるカウンタ操舵の有無を判定することができる。そして、判定に用いる状態量として操舵トルクτを用いないことから、通常、トルクセンサを有していない油圧式のパワーステアリング装置と組み合わせについても、特段の追加構成を要することなく適用することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、車両用操舵装置1は、モータ22を駆動源とするEPSアクチュエータ17を備えることとしたが、パワーアシスト装置は、油圧式でもよい。また、パワーアシスト装置を備えない車両用操舵装置に具体化してもよい。
・カウンタ制御量を低減する際は、同カウンタ制御量を漸次低減するようにしてもよい。
・また、ステア操舵判定における判定条件、「OS制御開始時点の操舵角θs_stからの操舵角変化量が所定の閾値θs0を超える場合」は、「車両がオーバーステア状態となった後の最大操舵角からの…」としてもよい。
車両用操舵装置の概略構成図。 ギヤ比可変制御の説明図。 ギヤ比可変制御の説明図。 車両用操舵装置の制御ブロック図。 IFSECUにおける演算処理の処理手順を示すフローチャート。 IFS制御演算部の制御ブロック図。 カウンタ補正演算の処理手順を示すフローチャート。 車両のヨーモーメント変化に関連付けられたゲインマップの説明図。 ステアリング操作方向に関連付けられたゲインマップの説明図。 IFS制御演算の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…車両用操舵装置、2…ステアリング、6…転舵輪、7…ギヤ比可変アクチュエータ、8…IFSECU、35…IFS制御演算部、61…車両モデル演算部、63…ステア特性演算部、65…OS制御演算部、67…制御ON/OFF判定部、77…カウンタ操舵判定部、78…カウンタ補正ゲイン演算部、θt…転舵角、θts…ステア転舵角、θta…ACT角、θifs*…IFS_ACT指令角、θos*,θos**…OS制御時ACT指令角、Val_st…OS/US特性値、Sc…制御ON/OFF信号、S_sc…カウンタ補正信号、Ry…ヨーレイト、dRy…微分値、θs,θs_st…操舵角、θs0…閾値、ωs…操舵速度、ωs0…閾値、K_cs…カウンタ補正ゲイン、Ky…ヨーゲイン、Kd…方向ゲイン。

Claims (5)

  1. ステアリング操作に基づく転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記転舵輪の第2の舵角を上乗せすることによりステアリングと前記転舵輪との間の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段と、車両のステア特性を判定するステア特性判定手段とを備え、前記制御手段は、前記車両がオーバーステア状態にある場合には、前記車両のヨーモーメントと逆方向に前記第2の舵角を変更すべく前記伝達比可変装置を作動させるオーバーステア制御を実行する車両用操舵装置であって、
    前記オーバーステア制御中のカウンタ操舵の有無を判定するカウンタ操舵判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記カウンタ操舵が有り、且つ前記ヨーモーメントが安定方向に変化した場合には、オーバーステア制御量を低減すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記ヨーモーメントが安定方向へ大きく変化しているほど前記オーバーステア制御量を大きく低減すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記ステアリング操作がカウンタ方向に行われているほど前記オーバーステア制御量を大きく低減すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記オーバーステア制御量を漸次低減すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記カウンタ操舵判定手段は、前記ヨーモーメントの方向と反対方向の前記ステアリング操作が発生し、且つその操舵速度が所定の閾値よりも速く、且つ前記オーバーステア制御の開始時点の操舵角からの操舵角変化量が所定の閾値を超える場合に、前記カウンタ操舵があったと判定すること、を特徴とする車両用操舵装置。
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