JP2008024086A - 車両用座席装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートへの浸水によりシートヒータと対面配置された乗員検出用電極による乗員着座有無の判定感度の悪化を抑止することができる車両用座席装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】シート4に埋設されたシートヒータ8と乗員着座検出用の電極アセンブリ(乗員検出用電極)9との間に防水フィルム82を設ける。このようにすると、シート4の座面に水をこぼして、シート4の内部に侵入した水がシートヒータ8と電気的に同電位の電極となって電極アセンブリ9による乗員検出機能を阻害するのを良好に防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗員が着座する車両用座席装置に関し、特に静電容量変化検出方式の乗員着座検出機能をもつ車両用座席装置及びその製造方法に関する。
本出願人の出願になる下記の特許文献1は、シート近傍特にその直上における交流電界の変化を検出することにより車両着座の有無を判定する装置(以下、静電容量型着座検出装置とも言う)を装備する車両用座席装置を提案している。この静電容量型着座検出装置は、シートに埋設されて周囲に交流電界を形成する第1の乗員検出用電極と、シートバックに埋設されて前記第1の乗員検出用電極の電位変化による電界変化を検出する第2の乗員検出用電極とを有し、誘電体かつ導電体である乗員の着座による上記両電極間のインピーダンス低下を検出して着座判定を行っている。この特許文献1は更に、車両用座席装置のシートにシートヒータを埋設し、更に第1の乗員検出用電極をこのシートヒータよりシートの表面側に位置して埋設することも提案している。
したがって、シート暖房機能をもつシートヒータと乗員検出用電極との両方を座席のシート(着座部分)に装備する場合には、交流的にほぼ定電位状態と見なすことができるシートヒータが乗員検出用電極の検出電極の下側に近接して広く対面することになるため、乗員検出用電極とシートヒータとの間の静電容量(以下、シートヒータ静電容量と呼称するものとする)が乗員検出用電極の電位に影響を与えることになる。
シートヒータとしては、線状又は面状の電気抵抗体が用いられる。車両用座席装置のシートの内部が、電気絶縁性のクッションパッドなどの存在及び製造費用を考慮して、シートヒータである電気抵抗体の表面は露出されており、絶縁被覆されていなかった。
特開2003−80989号公報
しかしながら、乗員がシート表面に水や液体をこぼすことがあり、また、窓を開いた状態にて雨などが吹き込んでシートの座面が濡れる場合も想定される。シートの座面は通常、織布などの透水性材料により被覆される。したがって、これらの水はシートの座面からシート内部に侵入することを想定する必要がある。
この問題について検討した出願人は、シート内部に侵入した水は種々の経路を通じてシート内部の乗員検出用電極とシートヒータとの間、更にはシートヒータの表面にまで達し、その結果、シートヒータと乗員検出用電極との間のインピーダンスが大きく変動して、乗員着座有無の判定結果誤差を生じさせることを見い出した。
更に説明すると、水は大きな比誘電率をもつとともに、シートにこぼれる水の導電率はその混入物質の影響により相当高くなっている。このため、侵入した水が乗員検出用電極とシートヒータとの間や、シートヒータの表面にまで達すると、シートヒータと乗員検出用電極との間のインピーダンス(シートヒータインピーダンスと呼ぶ)が大幅に低下し、それにより、乗員検出用電極の電位や出入電流の変化による判別する乗員着座有無の判定が大きく狂ってしまうことがわかった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、シートヒータと対面配置された乗員検出用電極による乗員着座有無の判定感度の悪化を防止可能な車両用座席装置及びその製造方法を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するこの発明は、乗員が着座する座席の着座部であるシート内に前記シートの座面と略平行に埋設されるとともに制御回路を通じて車載電源から給電されるシートヒータと、前記シートヒータの上方に位置して前記シートの座面と略平行に前記シート内に埋設された乗員検出用電極と、前記乗員検出用電極に所定周波数の交流電圧を印加する交流電源と、前記乗員検出用電極に等価的に接続されるインピーダンスの変化に連動して変化する電気量に基づいて前記乗員の着座の有無を検出する着座検出回路とを備え、前記シートの表面部は、透水性材料により形成されて前記シートの少なくとも前記座面から内部への水の侵入を許容する車両用座席装置に適用される。シートの表面部特に座面を被覆する前記透水性材料としてはたとえばファブリック製材料が用いられる。この種の車両用座席装置は、たとえば上記特許文献1などに提案されている。
この発明の車両用座席装置は特に、電気絶縁性材料により構成されて前記シートヒータを部分的乃至全面的に覆う非透水性のシートヒータ絶縁部材を有し、前記シートヒータ絶縁部材は、少なくとも前記座面から前記シートの内部へ侵入した水に対して前記シートヒータを電気絶縁することを特徴としている。
シートヒータ絶縁部材としては、防水性及び電気絶縁性をもつ材料であり、シートヒータを構成する電気抵抗体への水の接触を防止するものであれば公知の種々の素材を採用することができる。たとえば樹脂フィルムなどは好適なシートヒータ絶縁部材となる。
すなわち、この発明は、シートの座面(上面)から侵入した水がシートヒータに達するのを防止するシートヒータ絶縁部材を装備したので、シートヒータがこの水により濡れることを防止することができる。更に説明すると、シートヒータは交流的に定電位源とみなすことができる。シートヒータを構成する電気抵抗体の表面に侵入水が接触すると、この侵入水はシートヒータと交流的に同一電位となり定電位源となる。その結果、侵入水は、乗員検出用電極からみて非常に近接して幅広く存在する定電位電極と同等となる。これは、乗員検出用電極とシートヒータとの間のインピーダンス(シートヒータインピーダンス)が大幅に低下したことを意味する。シートヒータインピーダンスの減少は、乗員着座有無による乗員検出用電極の電位変動又は出入電流変化を抑制させるため、乗員着座有無の検出感度の低下と、乗員着座有無のための最適な判定しきい値の変動とが生じてしまい、正常な乗員着座有無の判定が不可能となってしまう。
これに対して、この発明では、シートヒータは、シートヒータ絶縁部材により侵入水から分離されるため、上記問題を大幅に軽減することができ、侵入水による乗員着座有無の誤判定を抑止することができる。好適には、シートヒータ絶縁部材はシートヒータの上面及び横面を囲覆する。これにより、シートヒータ絶縁部材の周縁を迂回してシートヒータ側へ侵入する水を良好に遮断することができる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材は、前記シートヒータと前記乗員検出用電極との間に位置して前記座面と略平行に延設されている。このようにすれば、シートの座面からの侵入水に対してシートヒータを低コストで良好に防水することができる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材は、前記シートヒータよりも外側へ延設されている。好適には、シートヒータ絶縁部材は、シートヒータの全周縁にわたってシートヒータより外側へ延設されている。このようにすれば、シートヒータ絶縁部材の周縁を迂回してシートヒータ絶縁部材とシートヒータとの間へ水が侵入するのを抑止することができる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材は、前記シートヒータと前記座面との間に位置して前記座面と略平行に延設されている。このようにすれば、既述したシートヒータを侵入水から保護するとともに更に、侵入水が乗員検出用電極と接して実質的に乗員検出用電極の等価的な面積が変化し、それにより乗員を経由する乗員検出用電極と接地との間のインピーダンス(乗員検出用インピーダンスとも呼ぶ)が変動してしまうことも可能となる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材は、前記シートヒータ及び乗員検出用電極よりも外側へ延設されている。これにより、シートヒータ絶縁部材によるシートヒータ及び乗員検出用電極の防水保護性を一層向上することができる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材は、前記シートヒータをなす面状又は線状の電気抵抗体の表面を覆って前記電気抵抗体と一体に形成されている。このようにすれば、シートヒータの防水性を完全に実現することができるため、侵入水がシートヒータに接触することによる乗員着座有無判定精度の劣化を良好に防止することができる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材は、前記線状の電気抵抗体の表面を被覆する電気絶縁皮膜からなる。この実施形態のシートヒータ絶縁部材は、たとえば抵抗線に被覆されるたとえば耐熱樹脂被膜や耐熱無機質被膜により構成される。
好適な態様において、前記乗員検出用電極及び前記シートヒータの間に位置して前記乗員検出用電極及びシートヒータと略平行に延設されたシールド用電極と、前記乗員検出用電極と前記シールド用電極との間に介設された電気絶縁フィルムとを有し、前記電気絶縁フィルムは、前記シートヒータ絶縁部材を兼ねる。このようにすれば、2電極構造の乗員検出用電極構造に用いられる電気絶縁フィルムがシートヒータ絶縁部材を兼ねるため、製造工程を簡素化することができる。
好適な態様において、前記シートヒータ絶縁部材と前記シートヒータと前記乗員検出用電極とはあらかじめ一体に形成されてから前記シートに組み付けられる。このようにすれば、製造及び組み付けを簡素化することができる。
本発明の車両用座席装置の好適実施態様を図面を参照して以下に説明する。ただし、本発明は下記の実施態様に限定解釈されるべきではなく、本発明の技術思想を他の公知技術を組み合わせて実現できることはもちろんである。たとえば下記の実施形態では、乗員検出用電極として、電気絶縁フィルムを挟んで対面配置された一対の電極からなる電極ペア(電極アセンブリとも言う)を用いたが、その代わりに公知の一個の電極により乗員検出用電極を構成してもよく、あるいは、上記電極ペアの一方の電極をシートバックに配置するなどしてもよい。
<第1実施形態>
第1実施形態の車両用座席装置を図1を参照して説明する。図1は、乗員が着座した車両用座席装置の模式縦断面図である。
(車両用座席装置1の構成)
図1において、1は車両用座席装置であって、車体の床部2上に設置されている。車両用座席装置1は、床部2上に取り付けられる金属製のフレーム3、フレーム3上に固定されて車両用座席装置1の着座部を構成するシート4と、シート4の後端から上方斜め後ろに立設されていわゆる背もたれをなすシートバック5とを有している。
シート4は、弾性をもつ電気絶縁材料たとえば硬質発泡ウレタンを主素材として構成されてフレーム3上に固定されたクッションパッド6と、たとえば美麗な電気絶縁材料たとえば織布を主素材として構成されてクッションパッド6の上面すなわち座面を覆うクッションカバー7と、クッションパッド6内に座面と略平行に埋設されたシートヒータ8と、シートヒータ8とクッションカバー7との間に介設されて座面と略平行に埋設された着座検出用の電極アセンブリ9とを有している。
シートヒータ8は、座面と略平行に延在する面状あるいは線状の電気抵抗体81と、この電気抵抗体81の上方に位置して座面と略平行に延在する防水フィルム(シートヒータ絶縁部材)82とを有している。電気抵抗体81は、電気抵抗体の表面は電気絶縁層を有しておらず、裸となっている。シートヒータ8、正確には電気抵抗体81はスイッチを通じて図示しない車両用電源から直流電力を給電されるが、車両用交流発電機の整流装置の整流負担を減らすために、三相交流電力を直接受電するように構成されても良い。
シートヒータ絶縁部材をなす防水フィルム82は、電気抵抗体81の上面を完全に覆って座面と略平行に延在しており、この実施例では更に電気抵抗体81の側面も囲覆している。防水フィルム82は電気抵抗体81の発熱に耐え得る耐熱性を有する種々公知の樹脂フィルムにより構成されている。
電極アセンブリ9は、所定の比誘電率をもつ電気絶縁性の樹脂フィルム10と、樹脂フィルム10の上面に密着して延設される上側電極11と、樹脂フィルム10の下面に密着して延設される下側電極12とからなる。この実施形態では、樹脂フィルム10はたとえば厚さ1mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにより構成され、上側電極11及び下側電極12は面状導電体あるいは線状導電体によりそれぞれ構成されている。ただし、上側電極11又は下側電極12を線状導電体により構成する場合には、製造費用が許す限り線間隙間をできるだけ小さくするように配慮することが望ましい。この実施形態では、電極アセンブリ9は、クッションカバー7の直下に配置されるが、シートヒータ8は、電極アセンブリ9よりもたとえば数ミリメートル以上下方に配置される。シートヒータ8を下方に配置するほど、電極アセンブリ9とシートヒータ8との間の寄生容量を低減できるが、シートヒータ8から座面までの伝熱距離は増大する。
この実施形態では、交流電源13が上側電極11及び下側電極12の間に好適周波数(たとえば数十から数百kHz)の交流電圧Vacを印加し、検出回路14がこの時の下側電極12と接地(車体)間の電流を検出して、車両用座席装置1への乗員着座の有無を判定する。交流電源13は、発振回路13aと、その出力交流電圧を電気絶縁して上側電極11及び下側電極12の間に印加する絶縁トランス13bとにより構成されている。なお、検出回路及び交流電源の配置及び構成は種々変更可能である。
(検出回路14の構成)
この実施形態で採用した検出回路14の構成例を図2を参照して説明する。
検出回路14は、電流検出用低抵抗器15、検波・平滑回路16、増幅回路17、A/Dコンバータ18、マイクロコンピュータ19を有している。交流電源13が上側電極11及び下側電極12間に交流電圧Vacを印加した場合の車両用座席装置1の模式等価回路を図2を参照して説明する。C1は上側電極11と下側電極12との間の静電容量、C2は下側電極12とシートヒータ8との間の静電容量である。シートヒータ8は交流的には実質的に接地しているとみなして差し支えない。上側電極11は車体接地との間にインピーダンスZ1をもつ。このインピーダンスZ1は主として静電容量であるが、乗員着座時には多少の抵抗成分を含んでいる。下側電極12もシートヒータ8以外の車体接地との間にインピーダンスZ2をもつ。このインピーダンスZ2は主として静電容量であるが、乗員着座時には多少の抵抗成分を含んでいる。これら上側電極11及び下側電極12のインピーダンスZ1、Z2は、車両用座席装置の乗員着座有無により変化する。また、上側電極11と下側電極12との間のインピーダンスも乗員着座有無により変動する。乗員着座による上側電極11と下側電極12との間のインピーダンス変化分を図2にてZ3にて表示する。
(乗員着座有無の判定動作)
乗員が着座すると、インピーダンスZ1〜Z3は小さくなる。上側電極11が最も乗員(特にその下肢部)に近接し、下側電極12がそれに次ぎ、シートヒータ8が着座乗員から最も遠くに位置するため、乗員着座によるインピーダンスZ1、Z2の減少は、乗員着座によるインピーダンスZ3の減少よりも大きい。これは図2において、増員着座による電流i1、i2の増加が、増員着座による電流i3の増加よりも大きいことを意味する。乗員着座によりインピーダンスZ1、Z2の減少が生じ、それにより上側電極11から流れ出す電流i1、i2が増大すると、電流検出用低抵抗器15を通じて交流電源13に還る電流i3の増大により、電流検出用低抵抗器15の電圧降下に相当する信号電圧Vsの増大を生じさせる。信号電圧Vsは、検波・平滑回路16で検波、平滑され、増幅回路17にて所定の振幅に増大された後、A/Dコンバータ18でデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータ19に読み込まれる。マイクロコンピュータ19は、読み込んだ上記デジタル信号の大きさが所定しきい値を超える場合に乗員着座と判定する。
(シート4の座面が水濡れした場合の説明)
窓から雨が吹き込んだり、乗員が水をこぼしたりして、シート4の座面が水濡れすると、この水は透水性のクッションカバー7を通じてシート4の内部に侵入する。この侵入水は、乗員着座有無の判定の誤動作を生じさせる場合がある。つまり、既述したようにシートヒータ8に侵入水が電気的に接触すると、シート4内部に分散する侵入水全体が実質的にグランド電極となり、下側電極12の対地インピーダンスや対シートヒータインピーダンス(シートヒータインピーダンス)が大幅に減少してします。
この問題解決のため、この実施形態では、シートヒータ8は、電気抵抗体81の少なくとも上面を囲覆する防水フィルム82を有している。図1では、防水フィルム82は黒太線にて簡略図示されている。また、図1では、防水フィルム82は、電気抵抗体81の側面を覆って下方に垂下しているが、これは必須ではない。
これにより、シート4の座面が濡れてもシートヒータ8が濡れることはない。したがって、シート4内の侵入水がシートヒータ8から給電されて電気的に定電位電極体を構成することがないため、電極アセンブリ9特に下側電極12の対地インピーダンス又は対シートヒータインピーダンスが大幅に減少することを抑止することができ、その結果として侵入水による乗員着座有無の判定精度劣化を抑止することができる。なお、防水フィルム82はできるだけ下側電極12に近く配置されることが好適である。防水フィルム82を下側電極12に近く配置することにより、防水フィルム82と下側電極12との間に侵入水が滞水することを減らすことができ、それによる下側電極12の対シートヒータインピーダンスの変動を抑止することができる。
(変形態様)
交流電源13の回路形式を変更した変形例を図3を参照して説明する。図3は、この実施形態で採用した交流電源130の構成例を示す回路図である。
図3に示す交流電源130は、発振回路13aと、ボルテージホロワ回路13cとにより構成され、実施形態1で用いた絶縁トランス13bを省略している。その他の回路構成は図2と同じである。
(乗員着座有無の判定動作)
図3では、発振回路13aは上側電極11に交流電圧Vacを印加するが、ボルテージホロワ回路13cは、下側電極12の電位を上側電極11のそれと略等しくする。これにより、図2で設計上考慮する必要があった静電容量C2とインピーダンスZ3とを無視することが可能となるため、乗員着座によりインピーダンスZ1が減少し、電流i1が増大すると、電流i3が増大し、信号電圧Vsが増大する。すなわち、この第2実施形態によれば、第1実施形態に比べて乗員着座による信号電圧Vsの変化を増大させることができる。
(変形態様)
上記実施形態では、電気抵抗体81と防水フィルム82とを一体に製造したが、これは必須ではない。また、防水フィルム82は電気抵抗体81の全表面を囲覆してもよい。
(変形態様)
上記実施形態では、樹脂フィルム10及び防水フィルム82は薄い樹脂フィルムにより構成したが、電気抵抗体81と下側電極12との間の静電容量、及び、下側電極12と上側電極11との間の静電容量が小さい方が乗員着座有無の検出感度を向上できるため、防水フィルム82及び樹脂フィルム10を厚い電気絶縁体たとえば発泡材により構成してもよい。
(変形態様)
上記実施形態では、樹脂フィルム10及び防水フィルム82とを配置したが、防水フィルム82を透水性とし、樹脂フィルム10を遮水性としてもよい。この場合には樹脂フィルム10が本発明で言うシートヒータ絶縁部材をなす。この場合においても、上記と同様の効果を奏することができる。ただし、この変形態様では、樹脂フィルム10を座面と平行にシートヒータ8の電気抵抗体81よりも広く延在させたり、あるいはシートヒータ8の電気抵抗体81の側面に沿いつつ下垂させたりして、シートヒータ8の防水性を向上することが有益である。
<第2実施形態>
第2実施形態の車両用座席装置を図4を参照して説明する。図4は、この実施形態で採用した電極・ヒータサブアセンブリ100を示す模式側面図である。
この電極・ヒータサブアセンブリ100は、上側電極11、樹脂フィルム10、下側電極12からなる電極アセンブリ9とシートヒータ8とを一体に形成したものである。シートヒータ8は、電気抵抗体81と、電気抵抗体81の上面に接着された防水フィルム82とからなり、防水フィルム82の上面は下側電極12に密着している。このようにすれば、製造及び組み付けが容易となる。すなわち、あらかじめ製造したこの電極・ヒータサブアセンブリ100をシート4に組み付けることにより、組み付け作業を完了することができる。なお、防水フィルム82及び樹脂フィルム10の非誘電率は小さい方が好適である。
<第3実施形態>
第3実施形態の車両用座席装置を図5を参照して説明する。図5は、この実施形態で採用した電極・ヒータサブアセンブリ100を示す模式側面図である。
この実施形態では、図4において、上側電極11の上面に密着して広く延在する防水フィルム83が設けられている。ただし、電気抵抗体81の上面に設けられた防水フィルム82は、遮水性をもつ必要がない。この実施形態によれば、シート4に水をこぼしても電極アセンブリ9と電気抵抗体81との間のインピーダンス変化を良好に抑止できるとともに、製造及び組み付けも容易となる。
<第4実施形態>
第4実施形態の車両用座席装置を図6を参照して説明する。図6は、この実施形態で採用したシートヒータ8の構造を示す一部拡大平面図である。
このシートヒータは、耐熱性樹脂フィルム(たとえばポリイミド)からなり本発明で言うシートヒータ絶縁部材をなす樹脂膜84が、線状の電気抵抗体81の表面に被覆されている。このようにしても、上記と同様の効果を奏することができる。
(変形態様)
上記各実施形態では、交流電源の負荷回路を抵抗ー静電容量回路系(いわゆるCR回路系)として構成したが、インダクタンス素子を更に用いていわゆるLCR回路系として構成してもよい。このようなLCR回路系を直列共振周波数値又は並列共振周波数値をもち、これらの周波数値近傍にて僅かの静電容量変化により大きな信号電圧Vsの変化を生じさせるため、感度向上が必要な場合に採用が好適である。たとえば上側電極11と下側電極12とをコイルにより接続してもよい。
第1実施形態の車両用座席装置の模式縦断面図である。 図1に示す検出回路の回路図である。 検出回路の変形態様を示す回路図である。 第2実施形態の電極・ヒータサブアセンブリを示す模式側面図である。 第3実施形態で採用した電極・ヒータサブアセンブリを示す模式側面図である。 第4実施形態で採用したシートヒータの構造を示す一部拡大平面図である。
符号の説明
1 車両用座席装置
2 床部
3 フレーム
4 シート
5 シートバック
6 クッションパッド
7 クッションカバー
8 シートヒータ
9 電極アセンブリ
10 樹脂フィルム
11 上側電極
12 下側電極
13a 発振回路
13b 絶縁トランス
13c ボルテージホロワ回路
13 交流電源
14 検出回路
15 電流検出用低抵抗器
16 平滑回路
17 増幅回路
18 コンバータ
19 マイクロコンピュータ
81 電気抵抗体
82 防水フィルム(シートヒータ絶縁部材)
83 防水フィルム(シートヒータ絶縁部材)
84 樹脂膜(シートヒータ絶縁部材)
100 ヒータサブアセンブリ
130 交流電源

Claims (9)

  1. 乗員が着座する座席の着座部であるシート内に前記シートの座面と略平行に埋設されるとともに制御回路を通じて車載電源から給電されるシートヒータと、
    前記シートヒータの上方に位置して前記シートの座面と略平行に前記シート内に埋設された乗員検出用電極と、
    前記乗員検出用電極に所定周波数の交流電圧を印加する交流電源と、
    前記乗員検出用電極に等価的に接続されるインピーダンスの変化に連動して変化する電気量に基づいて前記乗員の着座の有無を検出する着座検出回路と、
    を備え、
    前記シートの表面部は、透水性材料により形成されて前記シートの少なくとも前記座面から内部への水の侵入を許容する車両用座席装置において、
    電気絶縁性材料により構成されて前記シートヒータを部分的乃至全面的に覆う非透水性のシートヒータ絶縁部材を有し、前記シートヒータ絶縁部材は、少なくとも前記座面から前記シートの内部へ侵入した水に対して前記シートヒータを電気絶縁することを特徴とする車両用座席装置。
  2. 請求項1記載の車両用座席装置において、
    前記シートヒータ絶縁部材は、
    前記シートヒータと前記乗員検出用電極との間に位置して前記座面と略平行に延設されている車両用座席装置。
  3. 請求項2記載の車両用座席装置において、
    前記シートヒータ絶縁部材は、
    前記シートヒータよりも外側へ延設されている車両用座席装置。
  4. 請求項1記載の車両用座席装置において、
    前記シートヒータ絶縁部材は、
    前記シートヒータと前記座面との間に位置して前記座面と略平行に延設されている車両用座席装置。
  5. 請求項4記載の車両用座席装置において、
    前記シートヒータ絶縁部材は、
    前記シートヒータ及び乗員検出用電極よりも外側へ延設されている車両用座席装置。
  6. 請求項1記載の車両用座席装置において、
    前記シートヒータ絶縁部材は、
    前記シートヒータをなす面状又は線状の電気抵抗体の表面を覆って前記電気抵抗体と一体に形成されている車両用座席装置。
  7. 請求項6記載の車両用座席装置において、
    前記シートヒータ絶縁部材は、
    前記線状の電気抵抗体の表面を被覆する電気絶縁皮膜からなる車両用座席装置。
  8. 請求項1記載の車両用座席装置において、
    前記乗員検出用電極及び前記シートヒータの間に位置して前記乗員検出用電極及びシートヒータと略平行に延設されたシールド用電極と、前記乗員検出用電極と前記シールド用電極との間に介設された電気絶縁フィルムとを有し、
    前記電気絶縁フィルムは、前記シートヒータ絶縁部材を兼ねることを特徴とする車両用座席装置。
  9. 請求項1記載の車両用座席装置の製造方法において、
    前記シートヒータ絶縁部材と前記シートヒータと前記乗員検出用電極とはあらかじめ一体に形成されてから前記シートに組み付けられることを特徴とする車両用座席装置の製造方法。
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