JP2008043013A - モータの駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高調波電流の改善を行うためには容量の大きなリアクタを必要となりコストと重量が増加してしまう。また、高調波電流の原因となる平滑用コンデンサを小さくした場合はでも電流波形が歪んでしまうという課題を有していた。
【解決手段】直流母線間の平均電圧を取得する平均電圧取得手段と、平均電圧取得手段により取得された平均電圧と位置検出手段114により検出されたモータ105の位置を用いインバータ104を制御しモータ105への印加電圧を決定する制御手段118を備えることにより、モータ105への印加電圧が単相交流電源101の電圧波形とほぼ同期し単相交流電源101の電流波形が改善されることとなり、電流波形が改善された小型化・低コストのモータの駆動装置を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】直流母線間の平均電圧を取得する平均電圧取得手段と、平均電圧取得手段により取得された平均電圧と位置検出手段114により検出されたモータ105の位置を用いインバータ104を制御しモータ105への印加電圧を決定する制御手段118を備えることにより、モータ105への印加電圧が単相交流電源101の電圧波形とほぼ同期し単相交流電源101の電流波形が改善されることとなり、電流波形が改善された小型化・低コストのモータの駆動装置を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気調和機、冷蔵庫等に設けられた圧縮機あるいは送風機、さらには洗濯機のドラム(洗濯槽)等の駆動源となるモータの駆動方法およびその装置に関するものである。
従来、この種のモータ駆動装置における従来技術として、単相交流電源を、ダイオードをブリッジ接続した整流回路でリプル成分を含む直流に整流し、容量の大きな平滑用のコンデンサを用いてリプル成分を含む電圧を平滑し、安定してモータを駆動する制御装置が知られている。
また、異なる従来技術として、モータ駆動装置の小型・低コスト化を図るために、単相交流電源から整流回路への入力電流波形を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10は従来の平滑用のコンデンサを用いていないモータの駆動装置のブロック図である。
図10において、交流電源1は整流ダイオード2により脈動を持った直流電力に変換され、インバータ3に入力する。インバータ3は整流された直流電力を交流電力に変換し、ブラシレスモータ4に所望の電圧を印加する。
インバータ制御部5は、dq変換部6、d軸PI制御器7、q軸PI制御器8、PWM生成部9を有し、インバータ3への入力電圧と、ブラシレスモータ4に流れるモータ電流と、ブラシレスモータ4に流すべき値を示すモータ電流指令値が入力され、インバータ3への入力電圧値が印加すべき電圧値よりも小さいときに、ブラシレスモータ4への印加電圧の電圧位相を保持して、インバータ3を制御する。
これにより、インバータ3の直流側電圧が低いときでもブラシレスモータ4への電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加するようにし、大きく脈動した電圧がインバータ3に入力された場合でも安定した駆動を実現することで、モータ駆動装置の小型化を図っている。
特開2005−20986号公報
しかしながら、前者の従来技術は、波形の平滑のために容量の大きなコンデンサを用いているため、整流回路への入力が電圧のピーク付近のみで流れることとなってしまう。
そのため高調波規制を満足することがでず、容量の大きなリアクタを用いて対応を行っている。このようなリアクタはサイズ、重量ともに大きくコストアップにつながるという課題を有していた。
また、後者の従来技術は、平滑用の容量の大きなコンデンサが無いため、単相交流の電圧のピーク付近のみ電流が流れることは無いが、モータへの入力電圧を一定に保つよう制御しているため、単相交流入力の電圧がモータに印加しようとする電圧よりも低下した区間では、回路内のLCの容量により電流を流し続けようとして、電流波形に高調波成分を含んでしまい、印加電圧波形が大きく歪んでしまうという課題を有していた。
その結果、前記電流波形の歪が、前記モータ駆動装置を具備した機器と電源を同じとする他の機器に影響を及ぼし、例えば前記他の機器が照明器具の場合では、一時的に照明が暗くなったりし、また前記モータ駆動装置を具備した機器が多くなるにつれて、電柱から家屋に引込まれる引込み線電源(単相交流電源)に与える影響も大きくなるものであった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、大きな容量のリアクタを用いることなく単相交流入力の電流波形の高調波成分を減少させ、高調波規制を満足するモータの駆動装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの駆動装置は、単相交流電源を整流回路により整流した電圧・電流を直接インバータへの入力とし、モータへの印加電圧の計算に、平均電圧取得手段によって取得した平均電圧を用いるようにしたものである。
これによって、前記モータへの印加電圧波形が単相交流電源の電圧波形とほぼ同期し、高調波成分を含まないような波形となって単相交流電源(モータへの印加電圧)の電流波形が改善されることとなる。
本発明のモータの駆動装置は、容量の大きなリアクタ等を用いることなく単純な構成で単相交流入力の電流波形が改善でき、高調波成分による単相交流電源への影響が緩和され、しかも小型・低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、単相交流電源と、前記単相交流電源から入力される電流を整流して直流に変換し出力する整流回路と、前記整流回路から出力される直流を入力とするインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記整流回路の直流母線間の平均電圧を取得する平均電圧取得手段と、前記モータを構成する回転子の位置を検出する位置検出手段と、前記平均電圧取得手段により取得された平均電圧と前記位置検出手段により検出された検出位置信号を入力信号として前記モータへの印加電圧を決定する制御手段を備え、前記決定された印加電圧が前記モータへ供給されるように前記インバータを制御するものである。
かかる構成とすることにより、所定範囲(例えば、電源波形における半波区間)の電圧を一定とみなしてモータへの印加電圧を設定することとなり、従来の電圧変動に伴いデューティを連続して可変する制御と異なり、モータへの印加電圧形成に際してのデューティ(率)設定(演算処理)が容易となり、印加電圧供給が速やかに行える。
請求項2に記載の発明は、前記平均電圧取得手段を、前記直流母線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出した電圧を演算により平均電圧を算出し出力する平均電圧演算手段で構成し、前記位置検出手段を、前記モータの電流を取得する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された電流と前記電圧検出手段により検出された電圧から前記回転子の位置を検出するモータ位相演算手段で構成ものである。
かかる構成とすることにより、モータ位相を精度良く推定するために必要な電圧検出手段の検出値を基に平均電圧を演算処理で設定することができ、また、前記電圧検出手段が平均電圧を検出するための電圧検出手段を兼ねるため、部品数の削減と、低コストで位置検出精度の向上をはかることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記決定された印加電圧値と、前記平均電圧取得手段により取得された前記平均電圧値によりデューティを演算処理にて決定し、そのデューティに基づき前記インバータを駆動するものである。
かかる構成とすることにより、一定のデューティ率で前記モータへ給電されるため、前記モータへの印加電圧波形が単相交流電源の電圧波形とほぼ同期し、その結果、前記モータへの印加電圧波形、強いては単相交流電源の電流波形が改善されることとなり、電流波形の高調波成分が改善された小型化・低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
さらに、前記電流波形の改善に伴い、高調波成分による機器への悪影響が抑制され、前記モータの起動時、再起動時における単相交流電源の急激な電圧変動も緩和される。
請求項4に記載の発明は、前記平均電圧取得と、前記回転子の位置検出と、これらを用いて所定時間単位での前記印加電圧を決定する演算処理を行うものである。
かかることにより、その所定時間ではデューティを変更制御する必要が無く、制御のための演算処理の負荷となることもない。これは、制御プログラムの簡略化につながり、またモータの回転数制御のための演算処理時間も短くなり、モータを俊敏に駆動することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、平均電圧を演算するために前記電圧取得手段が取得する電圧取得時間を、電源周波数における半波の時間の公倍数としたものである。
かかることにより、平均電圧を精度よく演算設定することができ、また、前記公倍数を最小とすることにより、前記モータへの印加電圧供給が速やかとなり、前記電源電圧に対する電流波形の歪みも少なく、安定したモータの駆動が行える。
請求項6に記載の発明は、前記整流回路の直流母線間に小容量のコンデンサを接続したものである。
かかる構成とすることにより、電圧低下時にモータからの回生エネルギーを蓄え利用することが可能となり、その結果、モータの起動に一層大きなトルクを発生させることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、前記モータを、冷凍サイクルを構成する圧縮機の駆動用としたものである。
かかることにより、慣性モーメントが大きい圧縮機駆動用モータの場合、電圧変動によるトルク変動の影響を受けることが少なく、より安定した駆動が可能となる。
請求項8に記載の発明は、前記圧縮機を、レシプロ型圧縮機としたもので、かかることにより、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機等よりさらに慣性モーメントが大きくなり、さらに安定した駆動が可能となる。
請求項9に記載の発明は、前記圧縮機を、冷蔵庫を構成する冷凍サイクルに設けたもので、かかることにより、高調波規制が厳しい冷蔵庫であっても、小型・低コストで高調波規制を満足することができる。
また、小型のモータ駆動装置であるので、庫内容積率が高い冷蔵庫が得られ、従来と同じ外形寸法で収納容量が一層多く、使い勝手の良い冷蔵庫が得られる。
請求項10に記載の発明は、前記モータを、送風装置を構成するファンの駆動用としたものである。
かかる構成とすることにより、モータ駆動装置の小型軽量化に伴い、送風機自体を従来の送風機に比べて一層小型化および軽量化でき、可搬性の高い送風装置を提供することができる。
請求項11に記載の発明は、前記モータを、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラムの回転駆動用としたものである。
かかることにより、小型化したモータ制御装置を用いているため、洗濯機のドラムの容積率を高くすることが可能となり、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化が達成できる。
請求項12に記載の発明は、前記モータを、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機のドラムの回転駆動用としたもので、かかることにより、小型化したモータ制御装置を用いているため、乾燥機のドラムの容積率を高くすることが可能となり、従来の電気乾燥機と同じ外形寸法でドラムの大容量化が達成できる。
請求項13に記載の発明は、前記モータを、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用としたもので、かかることにより、小型軽量化したモータ制御装置を用いているため、掃除機本体を従来の掃除機に比べて小型化および軽量化が可能となり、可搬性が高くユーザにとってハンドリングが容易な電気掃除機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置のブロック図である。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置のブロック図である。
図1において、単相交流電源101は商用電源で、日本国内ではAC100V、50Hzまたは60Hzであり、整流回路102に接続している。
整流回路102は、周知の如く4個のダイオードをブリッジ接続した回路で構成されている。
平滑用のコンデンサ103は、整流回路102で全波整流した電圧が入力される。このコンデンサ103の容量は0.2μF/W以下の静電容量を持つコンデンサを使用する。
この種の平滑用コンデンサは、一般的にはインバータ104の出力容量(WまたはVA)や駆動装置全体の入力容量(WまたはVA)から、あるいは直流電圧のリプル含有量やリプル電流による平滑用コンデンサの耐リプル電流の特性等からコンデンサの静電容量を決定する。
これらの条件を加味して、一般的には2〜4μF/W程度の容量を確保する。すなわち200Wの出力容量の場合は400〜800μF程度の電解コンデンサを使用していた。
これに対し、本実施の形態1では、コンデンサ103には0.2μF/W以下の静電容量を持つコンデンサを使用している。すなわち200Wの出力容量の場合は40μF以下のコンデンサを使用することになる。
コンデンサ103の種類は、積層セラミックコンデンサやフィルムコンデンサ等を用いることができ、特に積層セラミックコンデンサは、近年高耐圧で大容量のコンデンサがチップで実現できるようになってきており、装置を非常に小型化できるという利点がある。
本実施の形態1では、上述の如くコンデンサ103に、静電容量が1μFの積層セラミックコンデンサを採用している。
インバータ104は、スイッチング素子と逆向きに接続されたダイオードをセットにした回路を6回路3相ブリッジ接続している。前記スイッチング素子は、IGBTやバイポーラトランジスタやFET等を用いることができる。本実施の形態1においては、PWM(Pluse Width Moduration)制御によるインバータとして説明する。
ブラシレスDCモータ(以下、単にモータと称す)105は、インバータ104の3相出力により駆動される。モータ105の固定子には、3相スター結線された巻線が施され、この巻き方は集中巻であっても、分布巻であっても構わない。また回転子は、希土類永久磁石を有しており、その配置方法は表面磁石型(SPM)でも磁石埋め込み型(IPM)であっても構わない。また永久磁石はフェライト系磁石でも希土類系磁石でも構わない。
尚、永久磁石を用いる場合は、希土類系磁石を用い、マグネット使用重量をフェライト系磁石と同量とした場合、モータ効率を向上することができ、またフェライト系磁石を用いたモータと同等性能のモータとする場合は、マグネット重量を低減することができるため、モータ重量を軽量化することができる。
圧縮要素106は、モータ105を構成する回転子の軸に接続され、冷媒ガスを吸入し、圧縮して吐出する。このモータ105と圧縮要素106を同一の密閉容器107に収納し、レシプロ型の圧縮機108を構成する。圧縮機108は、搭載される機器に応じてロータリ型、スクロール型が用いられる。なお、圧縮機108の具体的な構成については、図2を用いて後述する。
圧縮機108は、ここで圧縮し、吐出した冷媒ガスを、凝縮器109、減圧器110、蒸発器111を通って圧縮機108の吸い込みに戻る冷凍空調システム(冷凍サイクル)を構成し、凝縮器109では放熱を、蒸発器111では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。
尚、必要に応じて凝縮器109や蒸発器111に送風機等を付加し、熱交換をさらに促進することもある。
また本実施の形態1では、冷凍空調システムを具備した機器として冷蔵庫を例にし、庫内112を蒸発器111により冷却する構成としている。
電圧検出手段113は、整流回路102の直流母線V1、V2間の電圧を検出し、位置検出手段114と平均電圧演算手段115への入力としている。
位置検出手段114は、電流検出手段116とモータ位相演算手段117を具備し、これらの信号を基にしてモータ105を構成する回転子の位置(回転角度)を検出(演算処理)し、その信号を制御手段118への入力としている。
電流検出手段116は、モータ105を流れる電流を検出し、その検出した電流値を信号としてモータ位相演算手段117へ入力している。また、電流検出手段116としては、電流センサやシャント抵抗等を用いることができる。前記シャント抵抗は特に小型で低コストであり、実現可能性が高い。
また、モータ位相演算手段117は、電流検出手段116の出力であるモータ105の電流値と、電圧検出手段113の出力である整流回路102の直流母線V1、V2間の電圧値を入力(信号)とし、これらの信号を演算処理してモータ105の回転子の位置(回転角度)を検出している。そして検出した位置情報を制御手段118への入力(信号)としている。
平均電圧演算手段115は、電圧検出手段113の出力である整流回路102の直流母線V1、V2間の電圧値を入力として直前の設定時間(本実施の形態1においては、過去50ミリ秒として説明する)に入力された電圧の平均を演算し、制御手段118への入力(信号)とする。
本実施の形態1においては、平均電圧を演算する対象期間(直前の設定時間)を過去50ミリ秒とすることで、国内電源周波数である50Hzと60Hzにおける半波の時間の公倍数としたので、単相交流電源101の周波数が50Hzと60Hzのどちらでも安定した平均電圧が算出される。単相交流電源101は、周期関数であるので、平均電圧は次式の通りとなる。
かかる式により、平均電圧Vavは実効値Veと比べて約0.9倍となる。したがって、交流100Vの実効値であれば、約90Vの平均電圧となる。
制御手段118では、位置検出手段114の出力であるモータ105の位置情報を入力として、モータ105の印加電圧(モータの所定のトルクを得るための電圧)を決定する。そして、決定された印加電圧と平均電圧演算手段115により演算された平均電圧からPWMデューティ幅を決定し、インバータ104の駆動を行う。
このように、モータ105の位置検出に平均電圧ではなく、電圧検出手段113によって検出された直流母線V1、V2間の電圧を用いることで、精度良くモータ105の位置を検出しつつ、デューティの計算には平均電圧を用い、高調波成分を改善することができる。
また、モータ105の位置検出手段114によるモータ105(回転子)の位置と実際のモータ(回転子)の位置との間に多少のずれや、高トルク運転のための弱め磁束制御等を行ってモータ105からのエネルギーが返ってきたとしても、0.2μF/Wの容量のコンデンサ103を選んでいるため、急峻な電圧変化を吸収し、吸収したエネルギーを利用してモータ105を駆動することができる。
次に、圧縮機108の構成について図2を参考に説明する。図2は、本実施の形態1における圧縮機の断面図を示している。
図2において、圧縮機108の密閉容器107内には、オイル119を貯溜すると共にR600aの冷媒120が封入され、固定子121と回転子122を主体に構成されたモータ105、およびこれによって駆動される圧縮要素106がスプリング等により弾性的に支持されており、モータ105の回転による振動が圧縮機外部に伝播しにくい構成となっている。
圧縮要素106は、回転子122が固定された主軸部123および偏芯軸部124から構成されたクランクシャフト125の主軸部123を軸支するとともに圧縮室126を有するシリンダ127と、圧縮室126内で往復運動するピストン128と、偏芯軸部124とピストン128を連結する連結手段129を備え、レシプロ型の圧縮機構を構成している。
従って、本実施の形態1においては、インバータの入力電圧に大きな脈動を含む場合でも、イナーシャが大きいレシプロ型圧縮機の特徴と構造から、脈動による振動および振動に伴う騒音が圧縮機外部に漏れにくくなっている。
なお本実施の形態1では、R134a冷媒と比較して冷凍能力の低いR600aを用いているので、同等の冷却性能を確保するためにはR134a用圧縮機より圧縮室容積を大きくする必要があり、ピストンが大型化する。従って、モータイナーシャが増大するため、コンデンサ103を非常に小さい容量としても、インバータ入力電圧に大きな脈動を含んだ場合も振動および騒音の影響をさらに受けにくくなる。
なお、電圧検出手段113、位置検出手段114(電流検出手段116、モータ位相演算手段117)、平均電圧演算手段115、制御手段118は、各種信号を演算処理する関係から、周知の如くマイクロコンピュータを中心とする集積回路(LSI)によって構成されている。
以上のように構成されたモータの駆動装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図1、図3、図4、図5、図6を用いて従来技術の説明と同様に平均電圧を用いず、直流母線V1、V2の電圧を用いて制御を行った場合について説明する。
図3は本実施の形態1であるモータの駆動装置における直流母線電圧の推移の一部(半波)を示す波形図である。図4は従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフである。図5は従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフである。図6は従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図である。
なお、これらの波形図、グラフは、便宜上波形の1サイクルを20ミリ秒として説明する。
位置検出手段114によって検出されたモータ105の位置情報を基に制御手段118は、モータ105に印加する電圧を決定する。ここで、モータ105の印加電圧を便宜上64Vと設定して説明を進める。
このとき、従来の制御では、直流母線V1、V2間の電圧を用いてPWMデューティを計算するため、図3において直流母線電圧が64V以上あるT1ミリ秒からT2ミリ秒の区間では、PWMデューティ幅を図5のT1ミリ秒からT2ミリ秒間に示すように電圧の上昇に反比例してデューティ率を制御し、これによってT1ミリ秒からT2ミリ秒の区間においてキャリア周期毎の平均電圧が図4に示すように64Vとなるよう制御を行う。
つまり、従来の制御は、キャリア周期毎におけるモータ105への印加電圧を、デューティ率を制御して設定していた。
一方で、直流母線V1、V2間の電圧が64V以下の区間である0ミリ秒からT1ミリ秒、およびT2ミリ秒から10ミリ秒の区間においては、モータ105に最大限に電圧を印加しようとするため、図5の同区間に示すようにデューティ率は100%となる。したがって、モータ105への印加電圧は図4に示すように直流母線の電圧(波形)と等しくなる。
その結果、図6に示すようにT1ミリ秒からT2ミリ秒間での電流がほぼ一定となり、T2ミリ秒から10ミリ秒間では電圧が低下しているため、電流を流せなくなり、電流値が減少する。
また、電圧が0Vになった場所であっても、単相交流電源101のインダクタ成分等により電流を流し続けようとし、図6の0ミリ秒からT1の区間に相当する0Vからの電圧の立ち上がり区間では、立下りの部分で流し続けようとした電流が流れ、図6のPで示すように電流波形が尖り、高調波成分を含んでしまう。
次に、本実施の形態1による制御、すなわち、平均電圧演算手段115が演算した直流母線V1、V2間の電圧の平均電圧を用いて制御手段118がモータ105への印加電圧を計算した場合について、図1、図3、図4、図7、図8、図9を用いて説明する。
また、本実施の形態1においては、電源周波数が50Hzで、平均電圧を算出する時間を前述の如く50ミリ秒とした場合について説明する。したがって、電源周期が安定していることを前提にすれば、50ミリ秒と10ミリ秒の各平均電圧は等しいため、以下の説明では便宜上、10ミリ秒の区間の図を用いて説明する。
ここで、図7は本実施の形態1において平均電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフである。図8は本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフである。図9は本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図である。
まず、平均電圧演算手段115によって演算される平均電圧は、前述の数1式から約90Vとなり、モータ105へ64Vを出力するのに必要なデューティは約71%と計算される。従来の如く直流母線間電圧をデューティ演算に用いた場合は、デューティ(率)が図5に示すように変動するが、本実施の形態1においては、平均電圧を演算に用いているため、一キャリア周期におけるデューティ(率)は図7に示すように0ミリ秒から10ミリ秒の区間全てに亘って一定となる。
その結果、モータ105に印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移は、図8に示すように、図3に示す直流母線電圧(整流回路102の出力電圧)の推移の値を約0.71倍したものとほぼ一致し、これは整流回路102の入力側である単相交流電源101の電圧推移とも略一致している。
その結果、モータ105に印加される電圧が正弦波状に推移し、モータ105に流れる総電流の推移も図9に示すように正弦波状となり、高調波成分が大きく改善されることとなる。
つまり、従来はモータ105への印加電圧を一定にするために、一キャリア周期における母線間電圧とデューティを変化数値として捕らえ、双方を時間経過と共に変化させる制御としていたが、本実施の形態1においては、モータ105への印加電圧を、交流電源(母線間電圧)と同期(変化)させるために、母線間電圧の平均電圧とデューティをそれぞれ一定として制御したものである。そして各種演算処理、出力処理はマイクロコンピュータのプログラム構成によって行われるものである。
かかる制御は、負荷が軽く、モータ105が低速で運転される場合のように、低い電流値の場合でも高調波が発生しないように制御することができ、その結果、高調波規制がエアコンよりも厳しい冷蔵庫の制御に適したものとなる。
なお、前記印加電圧は、位置検出手段114で検出された回転子の位置に応じて都度決定されるもので、必ずしも一定の値(64V)に固定されるものではない。
以上のように、本実施の形態1においては、単相交流電源101と、単相交流電源101から入力される電流を整流して直流に変換し出力する整流回路102と、整流回路102から出力される直流を入力とするインバータ104と、インバータ104により駆動されるモータ105と、電圧検出手段113と平均電圧演算手段115を具備し、整流回路102の直流母線V1、V2間の平均電圧を取得する平均電圧取得手段と、モータ105の位置を検出する位置検出手段114と、平均電圧演算手段115により取得された平均電圧と位置検出手段114により検出されたモータ105の位置を用いてインバータ104を制御し、モータ105への印加電圧を決定する制御手段118を備えることにより、モータ105への印加電圧形成に際してのデューティ(率)を一定とし、このデューティに基づいてモータ105へ給電するものである。
その結果、モータ105への印加電圧が単相交流電源101の電圧波形とほぼ同期し、単相交流電源101の電流波形が改善されることとなり、電流波形が改善された小型化・低コストのモータの駆動装置を提供することができる。
また、直流母線V1、V2の電圧を検出する電圧検出手段113と、電圧検出手段113が検出した電圧を演算により平均電圧を算出し、出力する平均電圧演算手段115で電圧取得手段を構成し、位置検出手段114を、モータ105の電流を取得する電流検出手段116と、この電流検出手段116により検出された電流と電圧検出手段113により検出された電圧からモータ105の位置を検出するモータ位相演算手段117で構成していることにより、モータ位相を精度良く推定するために必要な電圧検出と平均電圧を検出するための電圧検出が一つの電圧検出手段113で検出できるため、部品数の削減がはかれ、低コストで位置検出精度の向上が可能となる。
さらに、整流回路102の直流母線間に小容量のコンデンサ103を接続することにより、電圧低下時にモータ105からの回生エネルギーを蓄え利用することとなり、より大きなトルクを発生させることが可能となる。
また、圧縮機108を駆動するモータ105の場合は、電圧の変動によってモータ105にトルク変動が発生しても、圧縮機108の慣性モーメントが大きいことからモータ105への影響は小さく、その結果、より安定した駆動が可能となる。
さらに、圧縮機108をレシプロ型の圧縮機としているため、構造上、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機等よりさらに慣性モーメントが大きく、さらに安定した駆動が可能となる。
また、圧縮機108が圧縮する冷媒をR600aとしているため、冷蔵庫等で一般的に採用されたR134aと比較して冷凍能力が低く、同等の冷凍能力を得るためには、圧縮機108の気筒容積を大きくする必要がある。かかる構成は、慣性モーメントがさらに増加することとなるので、非常に安定した運転を行うことができる。
さらに、モータ駆動装置は、モータ105に印加される電圧波形を正弦波状に推移させるため、モータ105に流れる総電流の推移も高調波成分が改善された正弦波状となる。
したがって、前記モータ駆動装置を具備する圧縮機108を、凝縮器109、減圧器110、蒸発器111等とともに構成される冷凍空調システム(冷凍サイクル)に設け、この冷凍空調システムを冷蔵庫に採用することにより、高調波規制を満足する冷蔵庫が得られる。しかも、前記モータの駆動装置は、小型であるので、冷蔵庫の庫内容積率を高めることができ、従来と同じ外形寸法でより収納容量の多い使い勝手の良い冷蔵庫が提供できることとなる。
また、前記冷凍空調システムを空気調和機に適用することにより、空気調和機の小型化が可能となり、しかも、低コストで高調波を改善した空気調和機が構成できる。そのため、空気調和機における設置スペースの自由度を高めることができる。
前記モータの駆動装置は、冷凍空調システム以外にも用途展開が可能で、適用した各種機器に特有の作用効果を奏する。
以下、前記モータの駆動装置を適用した幾つかの機器を例に説明する。
モータ105を、送風装置のファン駆動用として用いた場合、小型軽量化したモータ駆動装置であることに起因して送風装置自体を従来の送風装置に比べて小型化および軽量化でき、可搬性の高い送風装置を提供することができる。
また、モータ105を、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラム(洗濯兼脱水槽)の回転駆動用として用いた場合、小型化したモータ駆動装置であることに起因して洗濯機のドラム容積率を高くすることが可能となり、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化が可能となる。
同様に、モータ105を、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機の乾燥ドラムの回転駆動用として用いた場合も、小型化したモータ駆動装置であることに起因して乾燥機の乾燥ドラム容積率を高くすることが可能となり、従来の電気乾燥機と同じ外形寸法で乾燥ドラムの大容量化が可能となる。
さらに、モータ105を、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用として用いた場合も同様に、小型軽量化したモータ駆動装置であることに起因して掃除機本体を従来の掃除機に比べて小型化および軽量化することができ、その結果、可搬性が高く、ユーザにとってハンドリングが容易な使い勝手のよい電気掃除機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータの駆動装置は、小型・低コストで高調波抑制が可能となるので、エアコン等の冷凍空調システム以外にも、AV機器(特に小型機器)等のようにモータが非常に小さくてセンサをつけることが困難な機器や回路を非常に小型化したい場合等の用途にも適用できる。
101 単相交流電源
102 整流回路
103 コンデンサ
104 インバータ
105 モータ
106 圧縮要素
107 密閉容器
108 圧縮機
109 凝縮器
110 減圧器
111 蒸発器
112 庫内
113 電圧検出手段
114 位置検出手段
115 平均電圧演算手段
116 電流検出手段
117 モータ位相演算手段
118 制御手段
119 オイル
120 冷媒
121 固定子
122 回転子
123 主軸部
124 偏芯軸部
125 クランクシャフト
126 圧縮室
127 シリンダ
128 ピストン
129 連結手段
102 整流回路
103 コンデンサ
104 インバータ
105 モータ
106 圧縮要素
107 密閉容器
108 圧縮機
109 凝縮器
110 減圧器
111 蒸発器
112 庫内
113 電圧検出手段
114 位置検出手段
115 平均電圧演算手段
116 電流検出手段
117 モータ位相演算手段
118 制御手段
119 オイル
120 冷媒
121 固定子
122 回転子
123 主軸部
124 偏芯軸部
125 クランクシャフト
126 圧縮室
127 シリンダ
128 ピストン
129 連結手段
Claims (13)
- 単相交流電源と、前記単相交流電源から入力される電流を整流して直流に変換し出力する整流回路と、前記整流回路から出力される直流を入力とするインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記整流回路の直流母線間の平均電圧を取得する平均電圧取得手段と、前記モータを構成する回転子の位置を検出する位置検出手段と、前記平均電圧取得手段により取得された平均電圧と前記位置検出手段により検出された検出位置信号を入力信号として前記モータへの印加電圧を決定する制御手段を備え、前記決定された印加電圧が前記モータへ供給されるように前記インバータを制御するモータの駆動装置。
- 前記平均電圧取得手段を、前記直流母線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出した電圧を演算により平均電圧を算出し出力する平均電圧演算手段で構成し、前記位置検出手段を、前記モータの電流を取得する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された電流と前記電圧検出手段により検出された電圧から前記回転子の位置を検出するモータ位相演算手段で構成した請求項1に記載のモータの駆動装置。
- 前記決定された印加電圧値と、前記平均電圧取得手段により取得された前記平均電圧値によりデューティを演算し、そのデューティに基づき前記インバータを駆動する請求項1または2に記載のモータの駆動装置。
- 前記平均電圧取得と、前記回転子の位置検出と、これらを用いて所定時間単位での前記印加電圧を決定する演算処理を行う請求項1から3のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 平均電圧を演算するために前記電圧取得手段が取得する電圧取得時間を、電源周波数における半波の時間の公倍数とした請求項1から4のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 前記整流回路の直流母線間に小容量のコンデンサを接続した請求項1から5のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 前記モータを、冷凍サイクルを構成する圧縮機の駆動用とした請求項1から6のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 前記圧縮機を、レシプロ型圧縮機とした請求項7に記載のモータの駆動装置。
- 前記圧縮機を、冷蔵庫を構成する冷凍サイクルに設けた請求項7または8に記載のモータの駆動装置。
- 前記モータを、送風装置を構成するファンの駆動用とした請求項1から6のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 前記モータを、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラムの回転駆動用とした請求項1から6のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 前記モータを、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機のドラムの回転駆動用とした請求項1から6のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
- 前記モータを、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用とした請求項1から6のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006212022A JP2008043013A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | モータの駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2006212022A JP2008043013A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | モータの駆動装置 |
Publications (1)
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|---|---|
| JP2008043013A true JP2008043013A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39177427
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006212022A Pending JP2008043013A (ja) | 2006-08-03 | 2006-08-03 | モータの駆動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008043013A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3672059A1 (fr) * | 2018-12-21 | 2020-06-24 | Schneider Toshiba Inverter Europe SAS | Adaptation de la décélération d'un moteur en fonction d'une tension redressée moyenne |
-
2006
- 2006-08-03 JP JP2006212022A patent/JP2008043013A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3672059A1 (fr) * | 2018-12-21 | 2020-06-24 | Schneider Toshiba Inverter Europe SAS | Adaptation de la décélération d'un moteur en fonction d'une tension redressée moyenne |
| FR3091072A1 (fr) * | 2018-12-21 | 2020-06-26 | Schneider Toshiba Inverter Europe Sas | Adaptation de la décélération d’un moteur en fonction d’une tension redressée moyenne |
| US11784603B2 (en) | 2018-12-21 | 2023-10-10 | Schneider Toshiba Inverter Europe Sas | Adapting the deceleration of a motor as a function of an average rectified voltage |
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