本発明は、電源制御装置に関し、特に、キャパシタに蓄電された電気エネルギーを効率的に利用できるようにする電源制御装置に関する。
従来、キャパシタおよび鉛蓄電池を電気負荷に並列接続して電気負荷に電源供給を行うハイブリッド電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
かかるハイブリッド電源装置は、キャパシタと鉛蓄電池との並列接続を切断可能な開閉スイッチと、キャパシタに蓄電されている電気エネルギーを鉛蓄電池に充電する充電器とを備え、ハイブリッド電源装置を利用する車輌が駐車している間に、充電器によってキャパシタに蓄電されている電気エネルギーを鉛蓄電池に充電する。
これにより、ハイブリッド電源装置は、鉛蓄電池より自己放電し易いキャパシタに蓄電されている電気エネルギーを自己放電し難い鉛蓄電池に充電することで車輌を長期間放置した後のエネルギー維持率を向上させることができる。
特開2005−160271号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッド電源装置は、ハイブリッド車輌を駐車させた場合にキャパシタに蓄電されている電気エネルギーによって充電器が鉛蓄電池を充電するが、充電器がどのように鉛蓄電池の充電を行うかについての詳細は不明である。
上述の点に鑑み、本発明は、キャパシタに蓄電された電気エネルギーを効率的に利用する電源制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る電源制御装置は、エンジンの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機、該電気エネルギーを蓄電するキャパシタおよびバッテリを制御する電源制御装置であって、前記発電機および前記キャパシタを直列に接続して前記バッテリに並列に接続し前記キャパシタに蓄電された前記電気エネルギーを前記バッテリへ供給する電力制御手段、を備えることを特徴とする。
また、第二の発明は、第一の発明に係る電源制御装置であって、前記電力制御手段は、エンジン停止時に前記キャパシタに蓄電された前記電気エネルギーをバッテリへ供給することを特徴とする。
上述の手段により、本発明は、キャパシタに蓄電された電気エネルギーを効率的に利用する電源制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明に係る電源制御装置の構成例を示す図であり、車輌に搭載される電源制御装置100は、コントローラ1、発電機2、キャパシタ3、バッテリ4および電流源5を有し、補機6に接続される。
また、電源制御装置100は、キャパシタ3−電流源5間の接続(接点a)とキャパシタ3−発電機2間の接続(接点b)とを切り換えるスイッチS1、および、発電機2−バッテリ4間の接続を開閉するスイッチS2を備える。なお、図1は、電力線を実線、信号線を点線で示し、スイッチS1、S2は、ソレノイドスイッチであってもよく、半導体スイッチであってもよい。
コントローラ1は、発電機2、キャパシタ3およびバッテリ4からの信号を受けて、スイッチS1、S2および電流源5を制御する制御装置であり、例えば、発電機2の発電状態、キャパシタ3の蓄電状態、バッテリ4の充電状態に基づいて電流源5をON・OFFしたり、スイッチS1を切り換えたり、スイッチS2を開閉させたりする。
また、コントローラ1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであり、エネルギー制御手段10に対応するプログラムをROMに記憶し、そのプログラムをRAM上に展開して対応する処理をCPUに実行させる。
発電機2は、電磁誘導の法則を利用して機械的エネルギーから電気的エネルギーを得る装置であり、例えば、ブラシとスリップリングを介してロータの励磁コイルに直流電流を供給して磁界をつくり、ステータの発電コイルに発生した交流電圧をダイオードで整流し直流電圧を得るオルタネータがある。
キャパシタ3は、短時間で充放電が可能な蓄電器であり、例えば、活性炭と電解液との間の界面に電気二重層を形成して化学反応を伴わずに電気を蓄える電気二重層キャパシタ(コンデンサ)がある。キャパシタ3は、大電流による短時間の充電が可能であり、化学反応を伴わないことから充放電による劣化がほとんどなく、メモリ効果もない。
バッテリ4は、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄える二次電池であり、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等がある。バッテリ4は、キャパシタ3に比べてエネルギー密度がより高く、また、化学反応を伴うためにより長い充電時間を必要とする。
電流源5は、内部電気抵抗が大きく、定電流電気回路として動作する装置であり、一定の電流を出力する。電流源5は、発電機2で発生させた電気エネルギーをキャパシタ3に効率良く充電するために使用されるが、抵抗または電圧源で代用されてもよい。
補機6は、自動車の走行を補助するための装置であり、例えば、エンジン冷却用のファン、エアコンのコンプレッサ、パワーステアリング装置のポンプ等がある。
電力制御手段10は、発電機2で発電した電力を制御するための手段であり、例えば、発電機2の発電電圧、キャパシタ3の蓄電電圧、バッテリ4のバッテリ電圧を検出して、電流源5のON・OFF、スイッチS1の切り換え、スイッチS2の開閉を制御し、発電機2で発電した電力をキャパシタ3、バッテリ4、補機6等へ供給する。
図2は、電源制御装置100における電力制御手段10による制御を説明する表であり、「状態」項目20は、電源制御装置100の状態を示し、「キャパシタ電圧」項目21は、キャパシタ3の蓄電電圧が「0(ゼロ)」または「>0(ゼロより大きい)」の何れであるかを示し、「回生」項目22は、回生が「作動中」または「−(作動していない)」の何れであるかを示す。
また、「スイッチS1の接点」項目23は、スイッチS1の接点を「a」または「b」の何れに設定するかを示し、「スイッチS2」項目24は、スイッチS2を「ON(接続)」または「OFF(切断)」の何れに設定するかを示し、「電流源」項目25は、電流源5を「ON(作動)」または「OFF(停止)」の何れに設定するかを示す。
図2は、「初期」状態において、キャパシタ3が蓄電されておらず、かつ、回生が作動していない場合、電力制御手段10がスイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2を接続状態にし、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置100は、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より高くして発電機2の電力を補機6に供給するようにする。発電機2の発電電圧がバッテリ電圧より低い場合、バッテリ4を充電することができないからであり、回生が作動していない状態では、キャパシタ3に蓄電するための余剰電力が存在しないからである。
また、図2は、「キャパシタ蓄電開始」状態において、キャパシタ3が蓄電されておらず、かつ、回生が作動している場合、電力制御手段10がスイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2を接続状態にし、かつ、電流源5をONに設定することを示す。
これにより、電源制御装置100は、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より高くして発電機2が発電した電力を補機6に供給しながら、発電機2が発電した電力の一部をキャパシタ3に蓄電するようにする。回生が作動していることにより、必要以上の電力が発電され、その余剰電力をキャパシタ3に蓄電するためである。
また、図2は、「キャパシタ蓄電終了」状態において、キャパシタ3が蓄電され、かつ、回生が作動していない場合、「初期」状態と同様、電力制御手段10がスイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2を接続状態にし、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置100は、発電機2が発電した電力を補機6に供給し、一方で、キャパシタ3への蓄電を停止する。回生の作動が中止され、余剰電力が発電されないからである。
また、図2は、「キャパシタ蓄電再開」状態において、キャパシタ3が蓄電され(耐電圧には達していない。)、かつ、回生が作動している場合、「キャパシタ蓄電開始」状態と同様、電力制御手段10がスイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2を接続状態にし、かつ、電流源5をONに設定することを示す。
これにより、電源制御装置100は、発電機2が発電した電力を補機6に供給しながら、キャパシタ3への蓄電を再開させ、キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達するまでキャパシタ3への蓄電を継続する。なお、キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達した場合、電力制御手段10は、電流源5をOFFにしてキャパシタ3への蓄電を中止する。
また、図2は、「エンジン停止(キャパシタ放電開始)」状態において、キャパシタ3が蓄電され(耐電圧に達しているかどうかは問わない。)、かつ、回生が作動していない場合、電力制御手段10がスイッチS1を接点bに接続し、スイッチS2を切断状態にし、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置100は、発電機2とキャパシタ3とを直列に接続することにより、発電機2の発電電圧(例えば、12.5V)にキャパシタ3の蓄電電圧(例えば、2.5V)を加えた合計電圧(例えば、15V)をバッテリ4のバッテリ電圧(例えば、13V)より高くしてキャパシタ3が蓄電した電力をバッテリ4に供給する。なお、補機6は、エンジン停止のため、電力を消費しない。
ここで、「エンジン停止」とは、燃料の噴射が停止され、或いは、点火装置による点火が中止されること等により燃料を消費せずに発電機2の回転軸が慣性力により回転している状態をいい、例えば、エンジンの回転数がアイドル回転数(例えば、1000rpm)から発電可能回転数(発電機2による発電が可能な最小回転数であり、例えば、500rpm)まで低下するまでの期間がその状態に該当する。
また、信号機や交差点で一時停止した場合に自動的にエンジンを停止させるアイドルストップシステムにおける一時停止時もエンジン停止に該当する。
なお、車輌が減速中に燃料の噴射を中止した場合における電源制御装置100の状態は、燃料を消費せずに発電機2の回転軸が慣性力により回転している状態となるが、回生が作動することとなるので、この状態を「エンジン停止」状態から除外するようにしてもよい。
さらに、図2は、「キャパシタ放電終了」状態において、キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)となった場合、電力制御手段10がスイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2を接続状態にし、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置100は、「エンジン停止」状態であってもキャパシタ3の蓄電電圧が0となったときには、発電機2とキャパシタ3との直列接続を中止し、発電機2と補機6またはバッテリ4を直接接続するようにして次回のエンジン始動に備えるようにする。
なお、キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)となっていない場合であっても、発電機2の回転軸が回転を停止した場合には、発電機2が発電を行わないためバッテリ4のバッテリ電圧(例えば、13V)より合計電圧(例えば、2.5V未満)が低くなりキャパシタ3からバッテリ4への電力供給は中止される。
この場合にも、電力制御手段10は、スイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2を接続状態にし、かつ、電流源5をOFFに設定して次回のエンジン始動に備えるようにする。
次に、図3を参照しながら、電力制御手段10により電力を制御する処理の流れについて説明する。
最初に、電力制御手段10は、燃料噴射装置、点火装置、車速センサ等からの情報に基づいてエンジン状態を検出する(ステップST1)。
その後、電力制御手段10は、エンジンが作動中であるか否かを判定し(ステップST2)、エンジンが作動中の場合には(ステップST2のYES)、車速センサからの信号に基づいて車輌が減速し回生が作動中であるか否かを判定する(ステップST3)。
回生が作動中であると判定された場合(ステップST3のYES)、電力制御手段10は、スイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2をON(接続状態)にし、かつ、電流源5をONに設定する(ステップST4)。回生の作動により発電機2で発電された電力の一部をキャパシタ3に蓄電するためである。なお、発電機2は、補機6およびバッテリ4への電力供給を継続する。
その後、電力制御手段10は、キャパシタ3の蓄電電圧を監視し(ステップST5)、キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達しない限り(ステップST5のNO)、電流源5をOFFにすることなく処理を終了する。
キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達すると(ステップST5のYES)、電力制御手段10は、電流源5をOFFにして(ステップST6)、処理を終了する。キャパシタ3への蓄電がこれ以上できないからである。
回生が作動中でないと判定された場合(ステップST3のNO)、電力制御手段10は、スイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2をON(接続状態)にし、かつ、電流源5をOFFに設定して(ステップST7)、処理を終了する。回生が作動していないのでキャパシタ3に蓄電するための電力が発電機2で発電されないからである。なお、電力制御手段10は、燃料を消費してエンジンをより高回転で回転させ発電機2の発電量を増大させることにより、発電された電力の一部をキャパシタ3に蓄電するようにしてもよい。
一方、燃料噴射装置、点火装置、車速センサ等からの情報に基づいてエンジンが停止されたと判定した場合(ステップST2のNO)、電力制御手段10は、スイッチS1を接点bに接続し、スイッチS2をOFF(切断状態)にし、かつ、電流源5をOFFに設定する(ステップST8)。
発電機2の回転軸が慣性力により回転を継続する間であって、所定の発電電圧(例えば、12.5V)を発生させる間に、所定の蓄電電圧(例えば、2.5V)となったキャパシタ3と発電機2とを直列にしてバッテリ4に接続し、バッテリ4のバッテリ電圧(例えば、13.5V)より高い合計電圧(例えば、15V)を発生させることでキャパシタ3に蓄電された電力をバッテリ4に供給するためである。
この場合、キャパシタ3の蓄電電圧が1.0V未満の場合には、合計電圧がバッテリ4のバッテリ電圧より低くなりキャパシタ3の電力をバッテリ4に供給することはできないが、キャパシタ3の蓄電電圧が1.0V以上であればキャパシタ3の電力をバッテリ4に供給することができる。
その後、電力制御手段10は、発電機2とキャパシタ3との合計電圧を監視し(ステップST9)、合計電圧がバッテリ4のバッテリ電圧を上回る限り(ステップST9のNO)、スイッチS1、S2を切り換えることなく処理を終了する。
合計電圧がバッテリ4のバッテリ電圧を下回った場合(ステップST9のYES)、電力制御手段10は、スイッチS1を接点aに接続し、スイッチS2をON(接続状態)にし、かつ、電流源5をOFFに設定して(ステップST7)、キャパシタ3からバッテリ4への電力供給を中止させ、処理を終了する。
以上の構成により、電力制御装置100は、回生作動中に発電した電力をキャパシタ3に蓄電し、所定の場合に発電機2およびキャパシタ3を直列にしてバッテリ4に接続することで、キャパシタ3の蓄電電圧がバッテリ4のバッテリ電圧より低い場合であってもキャパシタ3に蓄電した電力をバッテリ4に供給することができる。
これにより、電力制御装置100は、キャパシタ3の耐電圧を高めたり、複数のキャパシタを直列に接続したりする必要がなく電力制御装置100自体の構成を単純化することができ、また、バッテリ電圧以下の電力を無駄にすることなく、キャパシタ3に蓄電された電力を効率的に利用することができる。
複数のキャパシタを直列にして蓄電できる電圧(耐電圧)を高めた場合、利用できる蓄電容量を維持するために複数のキャパシタをさらに並列に接続する必要があり、また、放電途中で蓄電電圧がバッテリのバッテリ電圧より低くなるとバッテリへの電力供給を継続できなくなり、複数のキャパシタに蓄電された電力が無駄になるからである。
また、電力制御装置100は、発電機2が燃料を消費せずに発電を継続している場合、発電機2の発電電圧がバッテリ4のバッテリ電圧より低い場合であっても、キャパシタ3の蓄電電圧と発電機2の発電電圧との合計電圧がバッテリ4のバッテリ電圧より高い状態である限り、キャパシタ3に蓄電した電力をバッテリ4に供給することができ、回生によって得られた電力を有効に利用することができ、かつ、燃費を向上させることができる。
また、電力制御装置100は、キャパシタ3と発電機2とを直列にしてバッテリ4に接続するので、バッテリ4への充電ができるよう、複数のキャパシタを直列・並列に接続して耐電圧をバッテリ4のバッテリ電圧以上にする必要がなく、電力制御装置100を単純化、小型化することができる。
また、電力制御装置100は、昇圧回路を用いてキャパシタ3の放電電圧(昇圧回路によって生成される電圧にキャパシタ3の蓄電電圧を加えた電圧をいう。)を高める必要もなく、装置自体の構成を簡素化することができる。
なお、キャパシタ3は、単一の構成として説明されるが、複数のキャパシタを直列・並列に接続した構成であってもよい。
次に、電力制御装置の別の実施例について説明する。図4は、本発明に係る電源制御装置の別の構成例を示す図であり、図1の電源制御装置100に共通する構成要素については同じ参照番号を付すものとする。
図4の電源制御装置200は、コントローラ1、発電機2、キャパシタ3、バッテリ4および電流源5を有し、補機6に接続される。また、電源制御装置200は、キャパシタ3を介さずに発電機2またはバッテリ4と補機6とを接続するための接点a、および、キャパシタ3と発電機2またはバッテリ4とを直列に補機6に接続するための接点bを切り換えるスイッチS3を備える。なお、図1は、電力線を実線、信号線を点線で示し、スイッチS3は、ソレノイドスイッチであってもよく、半導体スイッチであってもよい。
コントローラ1は、発電機2、キャパシタ3およびバッテリ4からの信号を受けて、スイッチS3および電流源5を制御する制御装置であり、例えば、発電機2の発電状態、キャパシタ3の蓄電状態、バッテリ4の充電状態に基づいて電流源5をON・OFFしたり、スイッチS3を切り換えたりする。
図5は、電源制御装置200における電力制御手段10による制御を説明する表であり、「走行状態」項目50は、車輌の走行状態を示し、「キャパシタ電圧」項目51は、キャパシタ3の蓄電電圧が「0(ゼロ)」または「>0(ゼロより大きい)」の何れであるかを示し、「回生」項目52は、回生が「作動中」または「−(作動していない)」の何れであるかを示す。
また、「スイッチS3の接点」項目53は、スイッチS3の接点を「a」または「b」の何れに設定するかを示し、「電流源」項目54は、電流源5を「ON(作動)」または「OFF(停止)」の何れに設定するかを示す。
図5は、車速が大きく変動しない「一定速」状態において、キャパシタ3が蓄電されていない場合(回生は作動していない。)、電力制御手段10がスイッチS3を接点bに接続し、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置200は、発電機2の電力を補機6に供給することができる。なお、電源制御装置200は、発電機2の発電を停止してバッテリ4の電力を補機6に供給するようにしてもよい。
また、図5は、車速が増大する「加速」状態において、キャパシタ3が蓄電されていない場合(回生は作動していない。)、「一定速」状態の場合と同様に、電力制御手段10がスイッチS3を接点bに接続し、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置200は、発電機2の発電を停止してバッテリ4の電力を補機6に供給することができる。発電機2を駆動するためのエンジン負荷を低減し、車輌の加速性を向上させるためである。
また、図5は、車速が減少する「減速」状態において、キャパシタ3が蓄電されておらず、回生が作動している場合、電力制御手段10がスイッチS3を接点bに接続し、かつ、電流源5をONに設定することを示す。
これにより、電源制御装置200は、発電機2の電力を補機6に供給しながら、電流源5により発電機2が発電した電力の一部をキャパシタ3に蓄電するようにする。回生を作動させることにより発電した電力を一時的に蓄電しておき後の有効利用を図るためである。
また、図5は、車速が増大する「加速」状態において、キャパシタ3が蓄電されている場合(回生は作動していない。)、電力制御手段10がスイッチS3を接点aに接続し、かつ、電流源5をOFFに設定することを示す。
これにより、電源制御装置200は、発電機2の発電を停止し、かつ、キャパシタ3とバッテリ4とを直列にして補機6に接続し、キャパシタ3に蓄電された電力を補機6に供給する。従って、電源制御装置200は、発電機2を駆動するためのエンジン負荷を低減し車輌の加速性を向上させながら、回生により蓄電されたキャパシタ3の電力を有効に利用することができる。
次に、図6を参照しながら、電源制御装置200が電力制御手段10により電力を制御する処理の流れについて説明する。
最初に、電力制御手段10は、アクセルペダルセンサ、燃料噴射装置、車速センサ、エンジン回転センサ等からの信号に基づいて車輌が減速し回生が作動中であるか否かを判定する(ステップST11)。
回生が作動中であると判定された場合(ステップST11のYES)、電力制御手段10は、スイッチS3を接点bに接続し、かつ、電流源5をONに設定する(ステップST12)。回生の作動により発電機2で発電された電力の一部をキャパシタ3に蓄電するためである。なお、発電機2は、補機6およびバッテリ4への電力供給を継続する。
その後、電力制御手段10は、キャパシタ3の蓄電電圧を監視し(ステップST13)、キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達しない限り(ステップST13のNO)、電流源5をOFFにすることなく処理を終了する。
キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達すると(ステップST13のYES)、電力制御手段10は、電流源5をOFFにして(ステップST14)、処理を終了する。キャパシタ3への蓄電がこれ以上できないからである。
回生が作動中でないと判定され、かつ、キャパシタ3にエネルギーがある場合(ステップST11のNO)、電力制御手段10は、スイッチS1を接点aに接続し、かつ、電流源5をOFFに設定する(ステップST15)。発電機2またはバッテリ4とキャパシタ3とを直列にして補機6に接続し、キャパシタ3に蓄電された電力を補機6に供給するためである。
その後、電力制御手段10は、キャパシタ3の蓄電電圧を監視し(ステップST16)、キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)に達しない限り(ステップST16のNO)、スイッチS3を切り換えることなく処理を終了する。
キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)に達すると(ステップST16のYES)、電力制御手段10は、スイッチS3を接点bに接続にして(ステップST17)、処理を終了する。キャパシタ3から補機6への放電がこれ以上継続できないからである。
なお、電力制御手段10は、キャパシタ3の蓄電電圧が所定値まで低下した場合に、スイッチS3を接点bに接続するようにしてもよい。
以上の構成により、電力制御装置200は、回生作動中に発電した電力をキャパシタ3に蓄電し、車輌を加速させる場合等、回生を作動させず、かつ、キャパシタ3にエネルギーがある場合に、発電機2またはバッテリ4とキャパシタ3とを直列にして補機6に接続することで、キャパシタ3の電力を補機6に供給することができる。
これにより、電力制御装置200は、発電機2を駆動するためのエンジン負荷を低減させながら、キャパシタ3の電力で補機6を駆動するので、車輌の加速性を向上させながらも燃費を向上させることができる。
また、電力制御装置200は、キャパシタ3と発電機2またはバッテリ4とを直列にして補機6に接続するので、補機6を駆動するために複数のキャパシタを直列・並列に接続して耐電圧を補機6の駆動電圧以上にする必要がなく、電力制御装置200を単純化、小型化することができる。
また、電力制御装置200は、昇圧回路を用いてキャパシタ3の放電電圧(昇圧回路によって生成される電圧にキャパシタ3の蓄電電圧を加えた電圧をいう。)を高める必要もなく、装置自体の構成を簡素化することができる。
次に、電力制御装置のさらに別の実施例について説明する。図7は、本発明に係る電源制御装置の別の構成例を示す図であり、図1の電源制御装置100または図4の電源制御装置200に共通する構成要素については同じ参照番号を付するものとする。
図7の電源制御装置300は、コントローラ1、発電機2、キャパシタ3(キャパシタ3A乃至3Fより構成される。)、バッテリ4および電流源5を有し、補機6に接続される。また、電源制御装置300は、発電機2−補機6間の接続を開閉するスイッチS4と、キャパシタ3A〜3Fを直列に接続する接点a、および、キャパシタ3A〜3Fを並列に接続する接点bを切り換えるスイッチS5と、キャパシタ3の並列、直列を切り換えるためにスイッチS5に連動するスイッチS6とを備える。
スイッチS5は、キャパシタ3A〜3Fの並列接続または直列接続を切り換えるための5つのサブスイッチを有し、同様に、スイッチS6は、キャパシタ3A〜3Fの並列接続または直列接続を切り換えるための6つのサブスイッチを有する。
なお、図7は、電力線を実線、信号線を点線で示し、スイッチS4〜S6は、ソレノイドスイッチであってもよく、半導体スイッチであってもよい。
コントローラ1は、発電機2、キャパシタ3およびバッテリ4からの信号を受けて、スイッチS4、S5、S6および電流源5を制御する制御装置であり、例えば、発電機2の発電状態、キャパシタ3の蓄電状態、バッテリ4の充電状態に基づいて電流源5をON・OFFしたり、スイッチS4、S6を開閉させたり、スイッチS5を切り換えたりする。これにより、コントローラ1は、各キャパシタの端子電圧を揃えることができる。
図8は、電力制御手段10による制御を説明する表であり、「キャパシタ電圧」項目80は、キャパシタ3の蓄電電圧が「0(ゼロ)」、「>0(ゼロより大きい)」、「最大(耐電圧)」の何れであるかを示し、「回生」項目81は、回生が「作動中」、「−(作動していない)」の何れであるかを示す。
また、「S4」項目82、「S5」項目83、「S6」項目84、「電流源」項目85は、スイッチS4、S5、S6、電流源5のそれぞれの設定状態を示し、「発電機の発電電圧」項目86は、発電機2における発電電圧が「標準」、「高(標準より高い。)」、「低(標準より低い。)」の何れの設定状態であるかを示す。
図8は、キャパシタ3が蓄電されておらず回生も作動していない場合に、電力制御手段10がスイッチS4を「ON(接続)」、スイッチS5の全てのサブスイッチのサブスイッチを接点「a」、スイッチS6の全てのサブスイッチのサブスイッチを「OFF(切断)」、電流源5を「OFF」、発電機2の発電電圧を「標準」にそれぞれ設定することを示す。
これにより、電源制御装置300は、発電機2の電力を補機6に供給することができる。なお、キャパシタ3A〜3Fは、それぞれ直列に電流源5に接続されるが、電流源5が「OFF」に設定されているため蓄電されることはない。
また、図8は、キャパシタ3が蓄電されていない状態で回生が作動した場合に、電力制御手段10がスイッチS4を「ON(接続)」、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点「a」、スイッチS6の全てのサブスイッチを「OFF(切断)」、電流源5を「ON」、発電機2の発電電圧を「高」にそれぞれ設定することを示す。
これにより、電源制御装置300は、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より高くして発電機2の電力を補機6に供給しながら、キャパシタ3A〜3Fを電流源5に直列に接続し、発電機2が発電した電力の一部をキャパシタ3A〜3Fに蓄電する。回生を作動させることにより発電した電力を一時的に蓄電し、後の有効利用を図るためである。
キャパシタ3A〜3Fを直列に接続して蓄電を行うのは、各キャパシタが耐電圧(例えば、2.5V)以上に蓄電されないようにするためである。なお、電源制御装置300は、キャパシタ3A乃至3Fの各キャパシタとバッテリ4とを順次、発電機2に直列に接続して、各キャパシタを順次、耐電圧以下で蓄電するようにしてもよい。
また、電源制御装置300は、図9に示すように、各キャパシタに並列にツェナーダイオード7を接続し、各キャパシタの蓄電電圧が耐電圧に達した場合にツェナーダイオード7を介して電流を流し、各キャパシタの蓄電電圧が耐電圧以上にならないよう回路を構成するようにしてもよい。
また、図8は、キャパシタ3が耐電圧未満に蓄電された状態で回生が作動していない場合に、電力制御手段10がスイッチS4を「OFF(切断)」、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点「b」、スイッチS6の全てのサブスイッチを「ON(接続)」、電流源5を「OFF」、発電機2の発電電圧を「低」にそれぞれ設定することを示す。
これにより、電源制御装置300は、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より低くしてバッテリ4の電力が補機6に供給されるようにし、かつ、キャパシタ3A〜3Fを並列にしてバッテリ4に接続し、各キャパシタに蓄電された電力を補機6に放電させる。
また、図8は、キャパシタ3が耐電圧未満に蓄電された状態で回生が作動している場合に、電力制御手段10がスイッチS4を「ON(接続)」、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点「a」、スイッチS6の全てのサブスイッチを「OFF(切断)」、電流源5を「ON」、発電機2の発電電圧を「高」にそれぞれ設定することを示す。
これにより、電源制御装置300は、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より高くして発電機2の電力を補機6に供給しながら、発電機2が発電した電力の一部を直列に接続されたキャパシタ3A〜3Fに蓄電する。キャパシタ3が蓄電されていない状態で回生が作動した場合と同様、回生を作動させることにより発電した電力を一時的に蓄電し後の有効利用を図るためである。
また、図8は、キャパシタ3が耐電圧に達した状態で回生が作動していない場合に、電力制御手段10がスイッチS4を「OFF(切断)」、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点「b」、スイッチS6の全てのサブスイッチを「ON(接続)」、電流源5を「OFF」、発電機2の発電電圧を「低」にそれぞれ設定することを示す。
これにより、電源制御装置300は、キャパシタ3が耐電圧未満に蓄電された場合と同様、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より低くしてバッテリ4の電力が補機6に供給されるようにし、かつ、キャパシタ3A〜3Fを並列にしてバッテリ4に接続し、各キャパシタに蓄電された電力を補機6に放電させる。
また、図8は、キャパシタ3が耐電圧に達した状態で回生が作動している場合に、電力制御手段10がスイッチS4を「ON(接続)」、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点「a」、スイッチS6の全てのサブスイッチを「OFF(切断)」、電流源5を「OFF」、発電機2の発電電圧を「高」にそれぞれ設定することを示す。
これにより、電源制御装置300は、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より高くして発電機2の電力を補機6に供給しながら、電流源5をOFFにしてキャパシタ3A〜3Fを耐電圧以上に蓄電しないようにする。
次に、図10を参照しながら、電源制御装置300が電力制御手段10により電力を制御する処理の流れについて説明する。
最初に、電力制御手段10は、車速センサからの信号に基づいて車輌が減速し回生が作動中であるか否かを判定する(ステップST21)。
回生が作動中であると判定された場合(ステップST21のYES)、電力制御手段10は、キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧未満であるか否かを判定する(ステップST22)。
キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧未満の場合(ステップST22のYES)、電力制御手段10は、スイッチS4をON(接続)、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点a、スイッチS6の全てのサブスイッチをOFF(切断)、電流源5をON、発電機2の発電電圧を「高」に設定し(ステップST23)、キャパシタ3A〜3Fを直列に電流源5に接続して発電機2で発電された電力をキャパシタ3に蓄電する。
また、キャパシタ3の蓄電電圧が耐電圧に達した場合(ステップST22のNO)、電力制御手段10は、スイッチS4をON(接続)、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点a、スイッチS6の全てのサブスイッチをOFF(切断)、電流源5をOFF、発電機2の発電電圧を「高」に設定し(ステップST24)、キャパシタ3を耐電圧以上に蓄電しないようにする。
一方、回生が作動中でないと判定された場合(ステップST21のNO)、電力制御手段10は、キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)より大きいか否かを判定する(ステップST25)。
キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)より大きい場合(ステップST25のYES)、電力制御手段10は、スイッチS4をOFF(切断)、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点b、スイッチS6の全てのサブスイッチをON(接続)、電流源5をOFF、発電機2の発電電圧を「低」に設定し(ステップST26)、キャパシタ3A〜3Fを並列にバッテリ4に接続してキャパシタ3に蓄電された電力を補機6に放電する。
また、キャパシタ3の蓄電電圧が0(ゼロ)の場合(ステップST25のNO)、電力制御手段10は、スイッチS4をON(接続)、スイッチS5の全てのサブスイッチを接点a、スイッチS6の全てのサブスイッチをOFF(切断)、電流源5をOFF、発電機2の発電電圧を「標準」に設定し(ステップST27)、発電機2の発電電圧をバッテリ4のバッテリ電圧より高くして発電機2の電力を補機6に供給する。
以上の構成により、電力制御装置300は、回生作動中に発電した電力を直列接続された複数のキャパシタ3A〜3Fに蓄電し、一方で、車輌を加速させる場合等、回生を作動させない場合に、キャパシタ3A〜3Fを並列接続に切り換え、バッテリ4とキャパシタ3とを直列にして補機6に接続することで、キャパシタ3の電力を補機6に供給することができる。
蓄電の際に複数のキャパシタ3A〜3Fを直列に接続するのは、キャパシタ3全体としての耐電圧を高めることができるからであり、一方で、放電の際に複数のキャパシタ3A〜3Fを並列に接続するのは、直列接続された複数のキャパシタ3A〜3Fをそのままバッテリ4に直列に接続するとライン電圧(この場合、キャパシタ3の蓄電電圧にバッテリ4のバッテリ電圧を加えた電圧をいう。)が高くなってしまい、補機6の耐圧を高める必要が生じてしまうからである。
これにより、電力制御装置300は、発電機2を駆動するためのエンジン負荷を低減させながら、キャパシタ3の電力で補機6を駆動するので、車輌の加速性を向上させながらも燃費を向上させることができる。
なお、電源制御装置300は、スイッチS5およびスイッチS6のそれぞれのサブスイッチを個別に制御して、キャパシタ3A〜3Fの並列・直列接続の構成を変更するようにしてもよい。
例えば、電力制御装置300は、所定の電力が蓄電されたキャパシタ3Aとバッテリ4とを直列に補機6に接続し、キャパシタ3Aの電力を補機6に放電させ、その後、順次接続を切り換えて、キャパシタ3B、3C、3D、3E、3Fの電力を補機6に放電させるようにしてもよい。
この場合、電力制御装置300は、キャパシタ3A乃至3Fへの蓄電またはキャパシタ3A乃至3Fからの放電を、3A、3B、3Cといった所定の順番で行ってもよく、蓄電電圧の低い順に蓄電し、蓄電電圧の高い順に放電するようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、発電機2は、ガソリン車に搭載されるオルタネータであってもよく、減速時に回生として機能する電動モータであってもよい。
また、キャパシタ3への充電は、一旦、キャパシタ3を完全に放電させた後で行われるようにしてもよく、キャパシタ3が耐電圧未満で蓄電されたまま行われるようにしてもよい。
電源制御装置の構成例を示す図(その1)である。
電力制御手段による制御を説明する表(その1)である。
電力制御手段の処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
電源制御装置の構成例を示す図(その2)である。
電力制御手段による制御を説明する表(その2)である。
電力制御手段の処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
電源制御装置の構成例を示す図(その3)である。
電力制御手段による制御を説明する表(その3)である。
キャパシタとツェナーダイオードとの接続例を示す図である。
電力制御手段の処理の流れを示すフローチャート(その3)である。
符号の説明
1 コントローラ
2 発電機
3、3A〜3F キャパシタ
4 バッテリ
5 電流源
6 補機
7 ツェナーダイオード
10 電力制御手段
100、200、300 電力制御装置
S1〜S6 スイッチ
a、b 接点