JP2008106913A - 一方向クラッチ - Google Patents

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肇 渡邉
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英樹 藤原
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Abstract

【課題】 コイルばねを確実に保持することができ、トルクリミッタ付きのものに適用した場合に、一旦トルクリミッタが作動して動力が遮断された後は、その動力遮断状態が確実に維持される一方向クラッチを提供する。
【解決手段】 保持器14に、コイルばね15をガイドするための突出状ばねガイド21が設けられている。ばねガイド21に、カム面16との隙間をコイルばね15の線径よりも小さくするための突起21aが設けられ、突起21aの反対側のばねガイド21の部分に、コイルばね15を挿入しやすくするための凹部21bが形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、一方向クラッチに関し、特に、プーリユニットで使用される一方向クラッチに関する。
例えば自動車エンジンなどのクランクシャフトからベルトを介して駆動される補機(例えば、エアコンディショナ用の圧縮機やオルタネータ)に装備されるプーリユニットでは、一方向クラッチを用いることにより、ベルトの張力変動に伴うプーリの回転変動を吸収するようになされている。
図5に示す自動車のエアコンディショナ用の圧縮機用プーリユニット(1)は、自動車エンジンのクランクシャフトにベルト(4)を介して接続されエンジンの動力を圧縮機(2)の回転軸(3)に伝達するもので、ベルト(4)が巻き掛けられたプーリ(5)と、プーリ(5)の内径側に配置されて圧縮機(2)の回転軸(3)に固定された中空軸(6)と、内輪(71)、外輪(72)、2列に配置された複数の玉(73)およびこれらの玉(73)を保持する保持器(74)を有しプーリ内径と中空軸外径との間に配置された複列転がり軸受(7)と、回転軸(3)端部に袋ナット(8)により固定されている有底円筒状ハブ(一方向クラッチ外輪の支持部材)(9)と、転がり軸受(7)の外輪(72)と一体の内輪(75)、外輪(76)、両輪(75)(76)間に配された複数のころ(77)、各ころ(77)を噛み込み方向へ付勢するコイルばね(図示略)および複数のころ(77)を保持するポケットを有する保持器(78)を有し転がり軸受(7)の外輪(71)外径とハブ(9)の円筒部(9a)内径との間に配置された一方向クラッチ(10)とを備えている。
一方向クラッチ(10)の外輪(76)は、ハブ(9)を介して回転軸(3)に一体化され、一方向クラッチ(10)の内輪(75)は、プーリ(5)に一体化されている。したがって、ベルト(4)によりプーリ(5)が回転駆動されて、一方向クラッチ(10)を介してプーリ(5)から圧縮機(2)の回転軸(3)に対して動力を伝達するに際し、一方向クラッチ(10)は、プーリ(5)の回転速度が圧縮機(2)の回転軸(3)よりも相対的に速くなると、ロック状態となって、プーリ(4)、ハブ(9)および回転軸(3)の三者を一体化して同期回転させ、プーリ(5)の回転速度が圧縮機(2)の回転軸(3)よりも相対的に遅くなると、フリー状態となって、プーリ(5)から圧縮機(2)の回転軸(3)に対する回転動力の伝達を遮断し、これにより、回転軸(3)が回転慣性力のみで回転を継続する。
一般的な一方向クラッチは、過負荷が作用したときにベルトから圧縮機の回転軸に対する動力の伝達を遮断する機能は有していないため、過負荷時にプーリに対してベルトが滑り、ベルトが焼き付いたり、破損したりするという問題がある。そこで、この問題を解消するものとして、図示省略するが、特許文献1には、カム面上のロック位置を越えた領域に、ころが入り込むロック解除用凹部が形成されており、過負荷を受けたときに、ころが噛み込み部材として作用しない状態に拘束され、これにより、外輪と内輪とがフリー状態となって動力伝達が遮断されるトルクリミッタとしての動作が得られるトルクリミッタ付き一方向クラッチが提案されている。
特開2002−106608号公報
上記特許文献1のトルクリミッタ付き一方向クラッチによると、過負荷時には、ころがロック解除用凹部に入り込むことによって、ロック状態が解消し、これにより、ベルトから圧縮機の回転軸に対する動力の伝達が遮断されるので、ベルトが焼き付いたり、破損したりする問題が解消されるが、より確実な動力遮断状態を確保するには、次のような課題が存在している。すなわち、トルクリミッタ作動時には、ころとこれを付勢しているコイルばねとの間に隙間が生じ、コイルばねを押さえるものがなくなるため、コイルばねがフリーとなって外輪と内輪との間に噛み込む可能性があり、この場合に、動力が再び伝達される状態となることが起こり得ることから、外輪と内輪との間へのコイルばねの噛み込みを防止する必要がある。
コイルばねを押さえるものがなくなったときに、コイルばねがフリーとなるのは、コイルばねを自由落下させることでばねの装着を行っているためであり、トルクリミッタがない一方向クラッチにおいても、装着の容易さを確保した上でコイルばねの脱落を防止することが課題となっている。
この発明の目的は、コイルばねを確実に保持することができ、トルクリミッタ付きのものに適用した場合に、一旦トルクリミッタが作動して動力が遮断された後は、その動力遮断状態が確実に維持される一方向クラッチを提供することにある。
この発明による一方向クラッチは、外輪、内輪、両軌道輪間に配された複数のころ、各ころを噛み込み方向へ付勢するコイルばねおよび各ころを保持する保持器を備えており、外輪および内輪のうちのいずれか一方の軌道輪に、ロック位置およびフリー位置を規定するカム面が形成されており、コイルばねをガイドするための突出状ばねガイドが保持器に設けられている一方向クラッチにおいて、ばねガイドに、カム面との隙間をコイルばねの線径よりも小さくするための突起が設けられ、突起の反対側のばねガイドの部分に、コイルばねを挿入しやすくするための凹部が形成されていることを特徴とするものである。
コイルばねは、ばねガイドに先端部が突出するように嵌め入れられ、その先端面がころに当てられる。突起は、コイルばねの伸縮を妨げないように、コイルばねの一巻き目が引っかかる位置に設けられる。突起の反対側のばねガイドの部分に、コイルばねを挿入しやすくするための凹部が形成されていることにより、突起のある部分のばねガイドの径をコイルばねの内径よりも小さくすることができ、自由落下によってコイルばねを装着することが容易となる。
この一方向クラッチは、例えば、ベルトが巻き掛けられたプーリと、プーリの内径側に配置された回転軸と、プーリ内径と回転軸外径との間に配置された転がり軸受と、転がり軸受の外輪と回転軸に固定された円筒状ハブ内径との間に配置された一方向クラッチとを備えているプーリユニット(動力伝達装置)における一方向クラッチとして好適に使用される。このようなプーリユニットは、自動車のエアコンディショナ用の圧縮機などの補機その他種々の装置において使用することができる。
一方向クラッチの外輪、内輪およびころは金属製とされ、保持器は、合成樹脂製とされる。カム面は、内輪に形成されることがあり、また、外輪に形成されることもある。
一方向クラッチは、トルクリミッタ付きであってもよく、トルクリミッタ無しであってもよい。トルクリミッタ付き一方向クラッチは、例えば、カム面上のロック位置を越えた領域に、過負荷時にころが入り込むロック解除用凹部が形成されているものとされる。
トルクリミッタ付きの一方向クラッチの場合、通常時には、ころは、保持器のポケット内にあって、ロック位置およびフリー位置の間を周方向に移動し、これにより、一方向クラッチとしての機能が果たされる。そして、異常時(過負荷時)には、ころは、その過大なトルクによって、カム面のロック解除用凹部に嵌まり込み、これにより、ロック状態が解除される。この際、コイルばねは、突起によってばねガイドからの脱落が防止され、コイルばねが脱落して内輪と外輪との間に噛み込むことはない。
この発明の一方向クラッチによると、一旦組付けた後は、コイルばねが脱落することがないので、その後の作業が容易となり、トルクリミッタ付きとした場合には、コイルばねの脱落が防止されて、内輪と外輪との間にコイルばねが噛み込むことが防止されるので、一旦トルクリミッタが作動して動力が遮断された後は、その動力遮断状態が確実に維持される。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1および図2は、この発明による一方向クラッチの第1実施形態を示している。
この一方向クラッチ(10)は、図5に示した一方向クラッチ(10)として使用されるもので、円筒形の外輪(11)と、多角形状に形成されてこの部分がロック位置およびフリー位置を規定するカム面(16)とされた内輪(12)と、カム面(16)と外輪(11)の内周面とで形成された楔状空間(17)に配置され、外輪(11)と内輪(12)とが一の方向(ロック方向)に相対回転することにより外輪(11)と内輪(12)との間に噛み込み、他の方向(フリー方向)に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころ(13)と、ころ(13)を噛み込み方向(楔状空間(17)の狭い側)に付勢するコイルばね(15)と、ころ(13)およびコイルばね(15)を収納するポケット(18)を有しておりころ(13)を楔状空間(17)内に位置させる環状の保持器(14)とを備えている。
カム面(16)は、内輪(12)の外周面が横断面多角形状(図示は8角形)とされることにより形成されており、その各面(断面では辺)の反時計方向側部分と外輪(11)内周面との間が楔状空間(17)として使用されている。
保持器(14)の各ポケット(18)の周方向長さは、ころ(13)の外径+コイルばね(15)の自由長よりも小さくなされている。これにより、ころ(13)とコイルばね(15)とは、ころ(13)の位置にかかわらず常に接触するようになされている。保持器(14)のポケット(18)の軸方向の寸法は、ころ(13)の軸方向長さよりも大きくなされており、これにより、ころ(13)は、ロック位置およびフリー位置の間をポケット(18)に案内されて移動することができる。
保持器(14)には、コイルばね(15)をガイドするための突出状ばねガイド(21)が設けられており、コイルばね(15)は、後述するようにして、ばねガイド(21)に嵌められている。ばねガイド(21)は、内輪(12)と外輪(11)とのちょうど中間よりも内輪(12)側に寄って設けられており、これにより、遠心力作用時に、コイルばね(15)が外輪(11)に接触することが防止されている。ばねガイド(21)の径方向内側部分には、カム面(16)との隙間をコイルばね(15)の線径よりも小さくするための突起(21a)が設けられており、ばねガイド(21)の径方向外側部分には、突起(21a)に対応する位置に、コイルばね(15)を挿入しやすくするための凹部(21b)が形成されている。
内輪(12)には、カム面(16)上のロック位置を越えた領域に、過負荷時にころ(13)が入り込むロック解除用凹部(19)が形成されている。
この一方向クラッチ(10)によると、外輪(11)の回転速度が内輪(12)よりも相対的に速くなると、ころ(13)がくさび状空間(17)の狭い側(図の反時計方向)へ転動させられてロック状態となるので、外輪(11)と内輪(12)とが一体化して同期回転する。しかし、外輪(11)の回転速度が内輪(12)よりも相対的に遅くなると、ころ(13)がくさび状空間(17)の広い側(図の時計方向)へ転動させられてフリー状態となるので、外輪(11)から内輪(12)へ回転動力の伝達が遮断されることになって内輪(12)が回転慣性力のみで回転を継続するようになる。こうして、通常の状態(一方向クラッチ作動状態)では、ころ(13)は、ロック位置とフリー位置とに移動可能であり、大きなトルク負荷がかかると、ころ(13)は、内輪(12)と外輪(11)との間に噛み込んだ状態で、楔状空間(17)のより狭い方向に強制的に移動させられる。ころ(13)がロック解除用凹部(19)に嵌まり込むと、内輪(12)と外輪(11)とはフリー状態となる。
したがって、この一方向クラッチ(10)を備えた圧縮機用プーリユニット(図5参照)によると、例えば圧縮機(2)の焼き付き故障などに伴い回転軸(3)の回転に異常が生じると、一方向クラッチ(10)の負荷トルクが増大し、この値が所要の規定値(例えば60Nm)に到達すると、ころ(13)は、くさび状空間(17)におけるロック位置のさらに狭い側(図の反時計方向)へ移動させられて、カム面(16)のロック解除用凹部(19)に入り込む。これに伴い、ころ(13)は、両輪(11)(12)間に噛み込むことが不可能となり、プーリ(5)から圧縮機(2)の回転軸(3)に対する動力伝達が遮断されるトルクリミッタの機能が果たされる。この結果、過負荷を受けたときでもプーリ(5)の回転が継続し、クランクシャフトの回転損失を生じることなく、プーリ(5)上でベルト(4)が滑らずに済んでベルト(4)の寿命が向上し、圧縮機(2)やベルト(4)を通じて連結される機器に悪影響を及ぼさずに済む。
コイルばね(15)がフリーになると、コイルばね(15)が内輪(12)と外輪(11)との間に噛み込むことによってロック状態に戻る可能性があるが、コイルばね(15)は、突起(21a)によってばねガイド(21)からの脱落が防止されており、コイルばね(15)が内輪(12)と外輪(11)との間に噛み込むことはない。コイルばね(15)がフリーにならないようにその自由長を長くすることには限界があるが、コイルばね(15)の脱落を防止することで、コイルばね(15)の自由長は従来と同じにして、コイルばね(15)をトルクリミッタ作動時においても拘束することができる。
上記一方向クラッチ(10)を組み立てるには、図3に示すように、内輪(12)に相当する治具(22)を使用することとし、治具(22)に保持器(14)を組み込んだ後にコイルばね(15)をばねガイド(21)に嵌め入れるようにする。治具(22)には、ばねガイド(21)の突起(21a)に対応する部分に凹部(22a)を形成しておき、これにより、従来と同様の自由落下によってコイルばね(15)をばねガイド(21)に容易に嵌め入れることができる。
図4は、この発明による一方向クラッチの第2実施形態を示している。
この一方向クラッチは、円筒形の外輪(61)と、多角形状に形成されてこの部分がカム面(63)とされた内輪(62)と、カム面(63)と外輪(61)の内周面とで形成された楔状空間(64)に配置されたころ(65)と、ころ(65)を保持する環状の保持器(66)と、ころ(65)を楔状空間(64)の狭い側(ロック側)へ付勢するコイルばね(67)とを備えている。コイルばね(67)は、楔状空間(64)方向に突出するように保持器(66)に設けられたばねガイド(68)に装着されている。
ばねガイド(68)の径方向内側部分には、カム面(63)との隙間をコイルばね(67)の線径よりも小さくするための突起(68a)が設けられており、ばねガイド(68)の径方向外側部分には、突起(68a)に対応する位置に、コイルばね(67)を挿入しやすくするための凹部(68b)が形成されている。この一方向クラッチによると、図3に示したようにしてコイルばね(67)を容易にばねガイド(68)に挿入することができ、これにより、装着の容易さを確保した上で、以後の作業(保持器アッシーの内外輪間への組み込みなど)において、コイルばね(67)の脱落を防止することができる。
なお、上記実施形態において、一方向クラッチ(10)は、自動車のエアコンディショナ用の圧縮機用プーリユニット用として説明したが、一方向クラッチの用途はこれに限定されるものではない。また、上記の一方向クラッチは、内輪にカム面が形成されているものであるが、上記のばねガイドに突起を設ける構成は、外輪にカム面が形成されている一方向クラッチにも同様に適用することができる。
図1は、この発明による一方向クラッチの第1実施形態(トルクリミッタ付きのもの)を示す横断面図である。 図2は、図1の要部の拡大図である。 図3は、この発明による一方向クラッチにコイルばねを装着する方法を示す横断面図である。 図4は、この発明による一方向クラッチの第2実施形態(トルクリミッタ無しのもの)を示す横断面図である。 図5は、この発明による一方向クラッチが使用される1例である圧縮機用プーリユニット示す横断面図である。
符号の説明
(10) 一方向クラッチ
(11)(61) 外輪
(12)(62) 内輪
(13)(65) ころ
(14)(66) 保持器
(15)(67) コイルばね
(16)(63) カム面
(19) 凹部
(21)(68) ばねガイド
(21a)(68a) 突起
(21b)(68b) 凹部

Claims (3)

  1. 外輪、内輪、両軌道輪間に配された複数のころ、各ころを噛み込み方向へ付勢するコイルばねおよび各ころを保持する保持器を備えており、外輪および内輪のうちのいずれか一方の軌道輪に、ロック位置およびフリー位置を規定するカム面が形成されており、コイルばねをガイドするための突出状ばねガイドが保持器に設けられている一方向クラッチにおいて、
    ばねガイドに、カム面との隙間をコイルばねの線径よりも小さくするための突起が設けられ、突起の反対側のばねガイドの部分に、コイルばねを挿入しやすくするための凹部が形成されていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. カム面上のロック位置を越えた領域に、過負荷時にころが入り込むロック解除用凹部が形成されている請求項1の一方向クラッチ。
  3. 請求項1または2の一方向クラッチを組み立てる方法であって、治具に保持器を組み込んだ後にコイルばねを突出状ばねガイドに嵌め入れるようにし、治具のばねガイド突起に対応する部分に凹部を形成して、コイルばねをばねガイドに容易に嵌め入れることができるようにしたことを特徴とする一方向クラッチの組立方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010151129A (ja) * 2008-12-15 2010-07-08 Zen Sa Industria Metalurgica ローラーによる摩擦のないホイールシステムを有するスタータープレート

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