JP2008108508A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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浩和 藤巻
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Abstract

【課題】コンパクトでかつ光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】太陽電池は、線状の第1電極及び第2電極からなり、前記第1電極及び第2電極のいずれか一方が増感色素を担持した多孔質膜状の金属酸化物半導体によって被覆されている。前記第1電極及び第2電極のうち少なくとも一方の電極は複数であり、前記一方の電極の中心線の全てを含む面が他方の電極の全てに交叉するか、又は当該他方の電極を囲んでいることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関する。
近年、地球温暖化の原因と考えられている二酸化炭素を発生しないクリーンなエネルギ源として太陽光発電が注目されている。かかる太陽光発電用装置として、現在シリコン系の太陽電池が実用化されている。しかしながら、シリコン系の太陽電池は、高純度のシリコン材料が必要であることに加えて、その製造に高温・高真空条件を要することや大面積基板の製造には巨大な生産設備が必要となること等によって、発電コストを下げにくい状況にあるため、広く普及するまでには至っていない。
かかる状況のなかで、可視光域を吸収する増感色素を用いて光電変換を行う色素増感型太陽電池が提案された。色素増感型太陽電池は、図1に示すように、増感色素が担持された多孔性チタニア及び電解質が導電膜を備えた2枚のガラス基板によって挟まれた構造を有している。これによって可視光を吸収して励起した増感色素から生じた電子が多孔性チタニアに注入せしめられ、導電膜を介して集電されて電流として外部に取り出される。かかる色素増感型太陽電池は、使用する材料が安価であること、及び比較的シンプルな工程によって製造できること等の利点からその実用化が期待されている。しかしながら、ガラス基板上に形成される導電膜の内部抵抗を、透光性を確保しつつ低く抑えることは困難であるため、高い光電変換効率を得にくい状況にある。
一方、より安価に薄膜化及び軽量化が可能であり、さらに種々の色素を選択することによってカラフルな外観を呈し得るフィルム型色素太陽電池が提案されている。しかしながら、かかるフィルム型色素太陽電池は、透明導電性膜のシート抵抗が、従来のガラス基板上に形成した場合に比べて高くなるため(10〜20Ω/□)、大面積太陽電池への適用は困難である。更に、フィルム型色素太陽電池では、チタニアをフィルム上に形成する必要があるが、フィルムの耐熱性の観点から形成温度を約150℃以上に上げることができない。その結果、従来の約450℃でのチタニアペーストの焼結処理に比べてネッキング(結合)が不十分になり、多孔質チタニア自体の内部抵抗を十分に下げることができない。
かかる状況において、特許文献1に示すように、金属線状体からなる集電電極の表面に半導体層を設けることによってガラス基板上に導電膜を形成することを回避し、よって光電変換効率を高めた色素増感型太陽電池が開示されている。
特開2005−196982号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている色素増感型太陽電池は、アノード電極とカソード電極とを各々対向する平面状に配置する必要があるため、太陽電池の形状が平板状に限定される。よってコンパクトな色素増感型太陽電池を構成することが困難となる。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、コンパクトでかつ光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明による太陽電池は、線状の第1電極及び第2電極からなり、前記第1電極及び第2電極のいずれか一方が増感色素を担持した多孔質膜状の金属酸化物半導体によって被覆されている太陽電池であって、前記第1電極及び第2電極のうち少なくとも一方の電極は複数であり、前記一方の電極の中心線の全てを含む面が他方の電極の全てに交叉するか、又は当該他方の電極を囲んでいることを特徴としている。
以上の如く、本発明によれば、コンパクトでかつ光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を低コストで提供することが可能となる。
発明の実施の形態
以下、本発明の太陽電池に係る実施例を、添付図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の第1実施例に係る色素増感型太陽電池を図2乃至5に基づいて説明する。
図2は、本発明の第1実施例の色素増感型太陽電池100の概略斜視図である。図2から判るように、第1実施例の色素増感型太陽電池100は、コイル状のアノード電極20と、該アノード電極20が巻回する長手線状のカソード電極30とがユニットを構成し、該ユニットの両端部を除いた部分が透明チューブ10内に収納された構造を有している。アノード電極20及びカソード電極30の周辺部分には電解質40が満たされている。透明チューブ10の両端部は、該電解質40が漏れ出さないように封止材50によって封止されている。
以下、かかる色素増感型太陽電池100の各構成要素について詳細に説明する。アノード電極20は、図3の平面図に示すように、タングステン、チタン、銅、アルミ、ステンレス等の金属からなる直径dが約10〜50μmの長手線状体をコイル状に形成したものである。コイル内側の内径Dは例えば500μmである。長手線状体の表面には膜厚が約10〜15μmのチタニア(TiO2)等の金属酸化物半導体の多孔質層が形成されている。該多孔質層を形成する領域は長手線状体の全表面である必要はなく、コイル状の長手線状体の一部の領域(図中Lで示す)であっても良い。多孔質層は、例えば約10〜30nmのチタニア微粒子を含んだペースト材を、膜厚が約50μmになるように長手線状体の表面にスプレー塗布し、次に100〜500℃で約1時間に亘ってアニール処理を行なって該ペースト材を焼結することによって形成する。アニール処理の際、ペースト剤に含まれるポリエチレングリコール等の溶剤が飛散し、同時にチタニアの微粒子がネッキングすることによって電子の拡散路が形成される。上記したペースト材のスプレー塗布及び焼成処理は複数回に分けて行っても良い。
なお、上記した多孔質層の形成に先立って、長手線状体上の多孔質層が形成される領域に、スパッタ、CVD、あるいはメッキ等によってチタン(Ti)をコーティングしても良い。また当該チタン薄膜の表面を薄く酸化しても良い。また、金属酸化物半導体は、チタニアに限定されるのではなく、酸化亜鉛、酸化スズなどを用いても良い。
多孔質構造のチタニアの表面にはルテニウム(Ru)金属錯体色素が担持されている。該ルテニウム金属錯体色素は、ルテニウム金属錯体(代表例N-3)を含んだアルコール溶液中に、多孔質層の形成されているコイル状の長手線状体を半日程度浸漬することによって多孔質層に吸着する。
なお、増感色素はルテニウム(Ru)金属錯体色素に限定されるのではなく、太陽光により励起されて金属酸化物半導体に電子を注入し得るものであれば他のものでも良い。ルテニウム金属錯体以外には、例えば、鉄錯体、銅錯体などが挙げられる。さらに、シアニン系色素、ポルフィリン系色素、クマリン系色素、ポリエン系色素などの有機色素が挙げられる。一般的には、吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いものが望ましい。
一方、カソード電極30は、図4の斜視図に示すように、タングステン、チタン、ステンレス、銅、アルミ等の金属からなる外径約500μmの長手線状体からなる。該長手線状体の表面はメッキ等によってプラチナ(Pt)もしくはカーボン等のヨウ素イオンを還元する触媒がコーティングされている。なお、メッキ等でプラチナをタングステン上に生成する為には、中間層として金のメッキ層を形成しても良く、これにより触媒の密着性が改善する。
図5(A)の平面図及び図5(B)の断面図に示すように、上記のカソード電極30がアノード電極20内に挿入されてユニット60を構成する。このとき、アノード電極20において多孔質層が形成されていない領域が、カソード電極30に接触しないように留意する必要があるが、図5(B)に示すように、アノード電極20とカソード電極30との間隔が100μm未満であることが好ましい。
再度図2を参照すると、アノード電極20及びカソード電極30からなるユニットは両端部を除いてガラスやプラスチック等の透光性材料からなる透明チューブ10内に配置されている。該透明チューブ10内には、ヨウ素溶液等の電解質40が充填されている。電解質40は、酸化された増感色素を還元することのできる酸化還元対及び溶媒からなる。この溶媒としては、特に限定されないが、非水性有機溶媒、常温溶融塩、水やプロトン性有機溶媒などがある。また、溶媒としての常温溶融塩をゲル化して用いても良い。
透明チューブ10の両端部は電解質40が漏れ出ないように、樹脂等の封止材50によって封止されている。具体的には、透明チューブ10の両端部にスリーボンド製31X-101:107等の光硬化タイプ液状シール剤を塗布し、約3000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化することによって封止材50を形成する。封止材50には電解質40を充填すべく孔が開けられ、真空注入法にて電解質溶液を注入した後に孔は塞さがれる。
上記の如く、本実施例における太陽電池は、筒状の透明チューブにアノード電極20及びカソード電極30からなるユニットが収納された簡易な構造を有しているので、コンパクトな色素増感型太陽電池を提供することが可能となる。また、透明チューブには透明導電性膜をコーティングする必要がないので、低コスト化が可能となる。すなわち、従来の透明基板には透光及び集電の役割を担うFTO(Fluorine-doped Tin Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性膜がコーティングされていたため、製造コストが極めて高価になり、結果的に発電コストが高くなっていた。しかしながら、本実施例では透明チューブは透光性を有して電解液を封止し得るものであれば、廃プラスチックフィルムやガラスをリサイクルして活用することさえ可能となるため、大幅にコストを削減することが可能となる。
また、従来の透明導電性膜ではシート抵抗を数Ω/□程度まで下げるのが限界であったが、本実施例では金属線を使用しているため、高い導電性を得ることが可能になった。具体的には、アノード電極20の径が50μmの場合は実用化セル(10cm□以上)において、従来の透明導電膜を用いた場合と比較して1桁以上抵抗値を下げることが可能となった。この結果、内部抵抗に起因したエネルギ損失が大幅に抑えられて光電変換効率が向上した。また、ガラス基板上のFTO、ITOにおいて生じていたクラック等の問題も解消した。
更に、従来の単一平面形状の太陽電池と比較して、設置面積当たりの多孔質層の表面積が増大する為、変換効率が向上する。また、従来の太陽電池は大面積セルの場合はバスバー電極(太陽電池セル同士を接続する太めの電極)やフィンガー電極(細かい筋状の電極)等の金属電極が必要であったが、本実施例の太陽電池では必ずしもそれらを設ける必要がなくなるため、低コスト化が可能となるうえ、開口率100%の太陽電池セルを構成することが可能となるため、より一層高性能化(高効率化)することが可能となる。また、封止箇所が両端部の2箇所に限定されている為、電解質の漏れを大幅に抑えることが可能となる。
なお、上記第1実施例の説明においては、アノード電極がカソード電極の周りを巻回する構造に基づいて説明を行なってきたが、カソード電極がアノード電極の周りを巻回するものであっても良い。
また、上記第1実施例の説明においては、アノード電極はコイル形状を有していることに基づいて説明を行なったが、かかる形状に限定されるものではなく、アノード電極は、例えば複数の環状部材等からなる長手線状片が互いに端部を結合することによって連結した形状を有していても良い。
次に、本発明の第2実施例の色素増感型太陽電池を説明する。
図6及び図7に示すように、第2実施例の色素増感型太陽電池200は、少なくとも一方が透明な対向する基板11a、11bの間に第1実施例と同様のユニット60が複数個並置された構造を有している。ユニット60を構成するアノード電極20及びカソード電極30の構造や製造方法は第1実施例と同様であるので、それらの説明は省略する。アノード電極20及びカソード電極30の周囲には第1実施例同様、電解質40が満たされており、本実施例では基板として平面状の基板11a、11bを用いているため、該基板は、その周縁部が全周に亘って封止材51によって封止されている。なお、基板11a、11bにPET等のプラスチックフィルムを採用した場合は、周縁部をレーザー溶接や熱圧着等によって封止してもよい。この場合、封止部分は、図8(A)に示すユニット60の長手方向を横切る断面図、及び図8(B)に示すユニット60の長手方向に平行な断面図のような構造となる。また、図6には3つのユニット60が並置した例が示されているが、ユニット60の数はかかる数量に限定されるものではなく、任意の数のユニット60を並置しても良い。
本発明の第2実施例の太陽電池は、上記の如き構造を有しているため、第1実施例同様の効果を奏することが可能となる。すなわち、透明導電膜がコーティングされた基板を用いないので低コスト化が可能となり、且つ内部抵抗が低減する。また、設置面積当たりの多孔質層の表面積が増大するため変換効率が向上する。第2実施例では更に透明チューブを使用せずに平面状の対向基板を使用する為、大面積を一括して作成することが可能となる。また、第1実施例の如き透明チューブを並べた場合は、隣接する透明チューブ間において、少なくともチューブ厚さの部分は、太陽電池表面に対して垂直に入射する太陽光が素通りすることになるので、その分だけ変換効率が低下することになるが、本実施例では、隣接するユニット間には基板が存在していないので、第1実施例に比べて変換効率が良くなる。更に、隣接するコイル同士を接触させても良いので、発電効率をより一層向上することが可能となる。
次に、本発明の第3実施例の太陽電池を説明する。この第3実施例の太陽電池は、アノード電極及びカソード電極が各々複数の金属細線からなり、少なくとも一方が透明な対向する基板間に交互に並置される構造を有している。具体的には、アノード電極21は、タングステン、銅、アルミ、SUB、あるいはチタン等からなる複数の金属細線であって、各々の金属細線の表面には、両端部を除いてチタニア等の金属酸化物半導体の多孔質層が形成されている。該多孔質層は、10〜30nm程度のチタニア微粒子を含んだペースト材をスプレー塗布し、さらに100℃以上で焼成して形成される。なお、上記した多孔質層の形成に先立って、長手線状体上の多孔質層が形成される領域に、スパッタ、CVD、あるいはメッキ等によってチタン(Ti)をコーティングしても良い。
多孔質表面にはルテニウムの金属錯体色素が担持されている。該ルテニウム金属錯体色素は、ルテニウム金属錯体(代表例N-3)を含んだアルコール溶液中に、多孔質層の形成されている長手線状体を半日程度浸漬することによって多孔質層に吸着する。
一方、カソード電極31は、表面にPt、カーボン等のヨウ素イオンの還元反応の触媒能を有する薄膜が表面にコートされた金属細線からなる。
これら2種類の金属細線が、少なくとも太陽光の入射面側が透明な対向する基板12a、bの間で交互に並べられている。アノード電極21及びカソード電極31は、チタニア形成領域では接触していても良い。また、吸着した色素は、全ての細線で同じでなくても良い。対向する基板の周縁部は、第2実施例同様、封止材52によって封止されている。対向する基板の間は、ヨウ素を含む電解液40で満たされている。
本発明の第3実施例の太陽電池は上記の如き構造を有しているので、第1及び第2実施例と同様に、高価な透明導電性膜を備えたガラスやPETフィルムを使用する必要がない。よって、変換効率の高い太陽電池を安価に製造することが可能となる。また、アノード電極に形成されている多孔質層は両側のカソード電極に隣接しているので、ヨウ素イオンがヨウ素分子イオンと酸化還元反応を起こす可能性が低くなり、光電変換効率を高く維持することが可能となる。すなわち、従来の色素増感型太陽電池は、アノード電極においてカソード電極に対向していない側面に形成されている色素とカソード電極との間の距離が、カソード電極に対向している側面に形成されている色素に比べて長くなってしまうため、カソード電極で還元されたヨウ素イオンがアノード電極においてカソード電極に対向していない側面に形成されている色素に電子を渡す前に、ヨウ素分子イオンと酸化還元反応を起こす可能性が高かった。しかしながら、本実施例ではアノード電極とカソード電極とが交互に並置され、アノード電極が両側からカソード電極に挟まれた構造を有しているため、かかる問題を解消することが可能となる。さらに2種類の直線状の細線を交互に並べる簡易な構造であるため、容易に製造することが可能となる。
従来の色素増感型太陽電池の構成を示す模式図である。 本発明の第1実施例の色素増感型太陽電池の斜視図である。 図2の太陽電池に用いられているアノード電極の平面図である。 図2の太陽電池に用いられているカソード電極の斜視図である。 図2の太陽電池に用いられているアノード電極及びカソード電極からなるユニットの平面図及び正面図である。 本発明の第2実施例の色素増感型太陽電池の平面図である。 図6に示す太陽電池の正面図である。 本発明の第2実施例の太陽電池の基板接続部の変形例を示す断面図である。 本発明の第3実施例の色素増感型太陽電池に用いるアノード電極及びカソード電極の斜視図である。 本発明の第3実施例の色素増感型太陽電池の平面図である。 図10に示す太陽電池の正面図である。
符号の説明
10 透明チューブ
11、12 基板
20、21 アノード電極
30、31 カソード電極
40 電解質
50、51、52 封止材
60 ユニット
100、200、300 色素増感型太陽電池

Claims (6)

  1. 線状の第1電極及び第2電極からなり、前記第1電極及び第2電極のいずれか一方が増感色素を担持した多孔質膜状の金属酸化物半導体によって被覆されている太陽電池であって、
    前記第1電極及び第2電極のうち少なくとも一方の電極は複数であり、前記一方の電極の中心線の全てを含む面が他方の電極の全てに交叉するか、又は当該他方の電極を囲んでいることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記金属酸化物半導体によって被覆されている電極は、チタン層を介して前記金属酸化物半導体に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記一方の電極がコイル状であって前記他方の電極の周りを巻回していることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記第1電極及び第2電極が共に複数であり、各々が交互に並置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  5. 少なくとも一方が透明な対向する一対の基板の間に、前記第1電極と第2電極が配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池。
  6. 前記第1電極及び第2電極を囲む透明な非導電性筒状体を有することを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池。
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