JP2008196330A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】、要求トルクが低減されるとき、ガソリン機関10のクランク軸28に対するカム軸42の相対的な回転位相差(VCT)を可変とするバルブタイミング可変装置の応答遅れに起因してVCT目標値に対して実VCTが進角側にずれ、ひいては燃焼状態が悪化すること。
【解決手段】ガソリン機関10の要求トルクが低下する際、マップ演算されるVCT目標値によって実現される燃焼状態を推定し、これが許容範囲内とならないときには、VCT目標値をマップ演算される値よりも遅角側に設定する等、ガソリン機関10の出力制御のために用いるアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の出力を制御するためのアクチュエータのうちの特定のアクチュエータの操作量の目標値を前記内燃機関の運転状態に応じて設定する目標値設定手段を備える内燃機関の制御装置に関する。
周知のように、内燃機関の制御に際しては、出力特性(出力トルク、排気特性等)や燃料消費量についての様々な要求を満たすべく、複雑な制御がなされている。すなわち、内燃機関の回転速度及び負荷等に基づき、噴射量や充填効率、還流排気量(EGR量)を最適とするように、内燃機関の各種アクチュエータの操作量が予め適合され、これら適合された操作量に基づき各種アクチュエータが操作される。これにより、内燃機関に対する様々な要求を満たすことが可能となる(特許文献1)。
特開2002−206456号公報
ところで、上記アクチュエータの操作量の適合は、基本的には、内燃機関の定常運転状態における最適値となるように行われるものの、実際には過渡時における内燃機関の燃焼状態の制約を受ける。すなわち、定常運転状態における最適値によってアクチュエータを操作する場合、内燃機関の過渡運転状態において内燃機関の燃焼状態が許容範囲から外れることがある。このため、過渡運転状態においても内燃機関の燃焼状態が許容範囲内となるように操作量の適合がなされていた。
しかし、この場合、定常状態においてアクチュエータの操作量が最適値からずれることとなるため、内燃機関の出力特性を向上させたり燃料消費量を低減させたりするうえでの障害となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の出力を制御するためのアクチュエータのうちの特定のアクチュエータの操作量の目標値を前記内燃機関の運転状態に応じて設定する目標値設定手段を備えるものにあって、目標値をより適切に設定可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の出力を制御するためのアクチュエータのうちの特定のアクチュエータの操作量の目標値を前記内燃機関の運転状態に応じて設定する目標値設定手段と、前記内燃機関の運転状態に対する要求の変化を検出する検出手段と、前記要求の変化が検出されるとき、前記特定のアクチュエータの応答遅れに起因して前記内燃機関の燃焼状態が許容範囲から外れることを回避すべく、前記内燃機関の出力を制御するための少なくとも1つのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、特定のアクチュエータの応答遅れに起因して内燃機関の燃焼状態が許容範囲から外れると想定される状況下、燃焼状態を許容範囲内とするために、出力を制御するための少なくとも1つのアクチュエータの操作量がフィードフォワード補正される。このため、目標値設定手段による目標値の設定を定常時における最適な値とすることができる。すなわち、目標値の設定に際し、過渡時を考慮せず定常時における最適な値とする場合、過渡時における燃焼状態が許容範囲から外れるおそれがあるが、上記補正手段を備えて過渡状態にあっては定常状態とは異なる操作量の設定に基づく制御を行うことで、過渡時のことを考慮することなく目標値を適合することができる。
なお、フィードフォワード補正の補正対象は、アクチュエータの操作量の指令値(目標値)とすることが望ましい。これにより、アクチュエータに対する操作信号を適切にフィードフォワード補正することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記目標値設定手段が前記目標値の設定のために用いる入力に、前記アクチュエータのうちの前記検出手段の検出結果に応じて操作されるものの動作に起因して変化する物理量が含まれることを特徴とする。
上記発明では、目標値設定手段による目標値は、上記物理量の変化に応じて変化することとなる。このため、上記物理量の変化速度が大きいときには、目標値の変化速度も大きくなり、ひいては、特定のアクチュエータの応答遅れの影響が顕著となるおそれがある。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記内燃機関は、火花点火式内燃機関であり、前記検出手段の検出結果に応じて操作されるアクチュエータは、吸気通路内の流路面積を調節する流路面積調節手段であり、前記物理量は、前記内燃機関の吸入空気量であることを特徴とする。
上記発明では、流路面積調節手段の変化速度によっては、吸入空気量が急激に変化することがある。このため、目標値設定手段の設定する目標値が吸入空気量に応じて急激に変化することがあり、特定のアクチュエータの応答遅れが問題となるおそれがある。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記補正手段は、吸気通路内の流路面積を調節する流路面積調節手段による流路面積の変化速度を低減させる手段を備えることを特徴とする。
流路面積調節手段による流路面積の変化速度が大きいときには、目標値設定手段によって設定される目標値の変化速度も大きくなる傾向にある。このため、この際には、特定のアクチュエータの操作量の目標値に対する実際の操作量の遅れが顕著となるおそれがあり、ひいては燃焼状態が悪化するおそれがある。この点、上記発明では、流路面積の変化速度を低減させることで、目標値設定手段の設定する目標値の変化速度を低減することができる。このため、特定のアクチュエータの操作量の目標値に対する実際の操作量の遅れが顕著となることを好適に抑制することができ、ひいては燃焼状態が許容範囲から外れることを好適に回避することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記補正手段は、前記流路面積の変化速度の低減に伴う前記内燃機関の出力トルクの変化の遅延を、点火時期の補正によって補償する手段を更に備えることを特徴とする。
流路面積の変化速度を低減させる場合、吸入空気量の変化速度が低減されるため、出力トルクの変化が遅延するおそれがある。一方、点火時期を変化させると出力トルクが変化することは周知である。上記発明では、この点に着目し、点火時期を補正することで、流路面積の変化速度の低減に起因する出力トルクの変化の遅延を好適に補償することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記補正手段は、前記要求の変化が検出されるとき、前記特定のアクチュエータの操作量の目標値を、都度の運転状態に応じて前記目標値設定手段が設定する値よりも前記要求の変化に伴って変化していくと想定される側の値に設定する過渡時目標値設定手段を備えることを特徴とする。
特定のアクチュエータの操作量は、その目標値が変化することで変化する。そして、目標値が変化する際に特定のアクチュエータの実際の操作量に応答遅れが生じると、これに起因して燃焼状態が許容範囲から外れるおそれがある。ここで、上記発明では、こうした状況下、操作量の目標値を、その都度の運転状態に応じて目標値設定手段が設定する値よりも、要求の変化に伴って目標値設定手段の設定する値が将来変化していくと想定される側の値に設定する。このため、都度の運転状態に応じて目標値設定手段が設定する値に基づき特定のアクチュエータの操作量を変化させる場合と比較して、操作量を迅速に変化させることが可能となる。このため、特定のアクチュエータの実際の操作量が都度の運転状態に応じて目標値設定手段が設定する値に対して遅延することを好適に抑制又は回避することができ、ひいては燃焼状態が許容範囲から外れることを好適に回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記過渡時目標値設定手段は、前記要求の変化に伴う前記目標値の変化後の値を予測することで、前記特定のアクチュエータの操作量の目標値を前記予測される値に設定することを特徴とする。
上記発明では、要求が変化するときの上記特定のアクチュエータの操作量の目標値を、要求の変化に伴って目標値設定手段によって設定される目標値の変化後の値についての予測値とする。このため、補正手段による目標値の補正が過大となること等を回避することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記特定のアクチュエータは、前記内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変装置であることを特徴とする。
バルブ特性可変装置の操作に遅延が生じるときには、内燃機関の燃焼室内に還流する内部排気還流量(内部EGR量)が適切な値から外れること等に起因して燃焼が不安定化しやすい。このため、上記発明は、補正手段の作用効果を好適に奏することができるものとなっている。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブは、前記内燃機関の出力軸と連動して回転するカム軸の回転動作に伴って開閉するものであり、前記バルブ特性可変装置は、前記内燃機関の出力軸と前記カム軸との相対的な回転位相差を可変とする手段を備えて構成されてなることを特徴とする。
出力軸とカム軸との相対的な回転位相差を変更する際には、比較的大きな力がいるため、バルブ特性可変装置には大きな力が要求される。そして、バルブ特性可変装置の生成可能な力が大きいほど、バルブ特性可変装置が大型化する傾向にある。一方、エンジンシステム内の各部材については、小型化の要求が生じることが常である。このため、バルブ特性可変装置の生成可能な力には、小型化の要求からの制約が加わるのが常である。したがって、目標値設定手段によって設定される目標値の変化速度が大きいときには、バルブ特性可変装置によって調節される操作量に応答遅れが生じやすい。このため、上記要求の変化が検出されるときには、燃焼状態が許容範囲から外れるおそれがある。このため、上記発明は、補正手段の作用効果を特に好適に奏することができる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記補正手段は、前記要求の変化が検出されるとき、前記目標値設定手段による前記目標値の設定によって実現される前記内燃機関の燃焼状態を推定する推定手段と、該推定手段によって推定される燃焼状態が許容範囲内となるか否かを判断する判断手段と、前記許容範囲から外れると判断されるとき、前記許容範囲内となるように前記少なくとも1つのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正する手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、推定手段と判断手段とを備えることで、補正手段を適切に構成することができる。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記要求の変化は、前記内燃機関の要求トルクの変化であることを特徴とする。
要求トルクが変化するときには、内燃機関の運転状態が変更される。このため、要求トルクの変化時には、内燃機関の運転状態も過渡状態となり、特定のアクチュエータの操作も変更される傾向にある。このため、特定のアクチュエータの応答遅れに起因して燃焼状態が許容範囲から外れるおそれがある。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記検出手段は、前記要求トルクの変化を、アクセル操作部材の操作量の検出値に基づき検出することを特徴とする。
要求トルクの変化量や変化速度が大きくなる要因としては、ユーザによるアクセル操作部材の操作に起因するものが主である。この点、上記発明では、ユーザによるアクセル操作部材の操作量の検出値に基づき要求トルクの変化を検出することで、要求トルクが急激に変化する状況を適切に検出することができる。
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれかに内燃機関の発明において、前記要求の変化は、前記内燃機関の要求トルクの低減側への変化であることを特徴とする。
要求トルクが低減側に変化するときには、各アクチュエータの遅延によりその操作量が高トルク側での値にとどまると、燃焼状態が特に低下するおそれがある。例えば上記請求項8記載の発明のように、特定のアクチュエータをバルブ特性可変装置とする場合、低トルクへの変更に際してバルブ特性が高トルク側での特性にとどまることで、内部排気還流量(内部EGR量)が増大する等に起因して燃焼が不安定化しやすい。このため、上記発明は、補正手段による作用効果を特に好適に奏することができるものとなっている。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置をガソリン機関の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、ガソリン機関10において、吸気通路12にはDCモータ等によって開度が調節されることで吸気通路12内の流路面積を調節するスロットルバルブ14と、スロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ15とが設けられている。スロットルバルブ14の上流には、吸入空気量を検出するエアフローメータ13が設けられている。一方、スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられている。サージタンク16には、吸気温センサ17が設けられている。そして、吸気通路12の下流には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁18が取り付けられている。
ガソリン機関10の吸気通路12内の空気と燃料との混合気は、吸気バルブ20の開動作により燃焼室22内に導入される。ガソリン機関10のシリンダヘッドには各気筒毎に点火プラグ24が取り付けられており、点火プラグ24には、点火コイル等よりなる図示しない点火装置を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ24の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室22内に導入された混合気が着火され燃焼に供される。そして、燃焼エネルギは、ピストン26を介して、クランク軸28の回転エネルギに変換される。また、燃焼室22にて燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開動作によって、排気通路32に排出される。なお、クランク軸28の近傍には、クランク軸28の回転角度を検出するクランク角センサ29が設けられている。
上記サージタンク16と排気通路32との間には、排気の一部を吸気通路12に還流させるべく、排気還流通路34が設けられている。そして、排気還流通路34には、電磁弁等よりなるEGRバルブ36が設けられている。EGRバルブ36の開度が調節されることにより、排気還流通路34を通じて吸気通路12に還流される排気量(EGR量)が調節される。
上記吸気バルブ20及び排気バルブ30は、クランク軸28から動力を付与されており、クランク軸28の2回転を周期として開閉動作する。ただし、本実施形態においては、吸気バルブ20及び排気バルブ30は、それぞれバルブタイミング可変機構40a,40bを介してクランク軸28と連結されている。このため、クランク軸28の回転角度に対する吸気バルブ20及び排気バルブ30の開弁タイミングを可変とすることが可能となっている。
詳しくは、クランク軸28の動力は、ベルト43、バルブタイミング可変機構40a,40b(以下、バルブタイミング可変機構40)を介してカム軸42に伝達される。バルブタイミング可変機構40は、クランク軸28と機械的に連結される第1の回転体44と、カム軸42と機械的に連結される第2の回転体46とを備えている。そして、本実施形態では、第2の回転体46が複数の突起部46aを備えて且つ、第1の回転体44内に第2の回転体46が収納されている。そして、第2の回転体46の突起部46aと第1の回転体44の内壁とによって、クランク軸28に対するカム軸42の相対的な回転角度(回転位相差)を遅角させるための遅角室48と、同回転位相差を進角させるための進角室50とが区画形成されている。
バルブタイミング可変機構40は、遅角室48及び進角室50との間のオイルの流出入によって油圧駆動される。このオイルの流出入は、オイルコントロールバルブ(OCV60)によって調節される。
OCV60は、油圧ポンプ70によって、オイルパン72内のオイルを、供給経路61及び遅角経路62又は進角経路63を介して遅角室48又は進角室50へと供給する。また、OCV60は、遅角室48又は進角室50から遅角経路62又は進角経路63及び排出経路64を介してオイルパン72へとオイルを流出させる。そして、上記遅角経路62又は進角経路63と供給経路61又は排出経路64との流路面積は、スプール65によって調節される。すなわち、スプール65は、スプリング66によって、図中、左側に押されており且つ、電磁ソレノイド67によって図中、右側に向かう力が付与される。このため、電磁ソレノイド67に操作信号を付与して且つ、この操作信号のデューティ(Duty)を調節することで、スプール65の変位量を操作することが可能となる。
なお、バルブタイミング可変機構40a,40bの近傍には、カム軸42(実際には、吸気カム軸及び排気カム軸)の回転角度を検出するカム角センサ41a,41bが設けられている。
上記エンジンシステムは、更に、アクセルペダル81の操作量を検出するアクセルセンサ80を備えている。
一方、電子制御装置(ECU90)は、上記各種センサの検出結果を取り込み、これに基づきガソリン機関10の出力を制御するものである。図2に、ユーザによりアクセルペダル81が操作される際におけるガソリン機関10の出力制御の処理手順を示す。この処理は、ECU90により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS100において、アクセルペダル81の操作量の検出値に応じたスロットルバルブ14の開度の目標値(目標開度)を算出する。ここでは、アクセルペダル81の操作量がユーザによる要求トルクを表現するパラメータとなることに鑑み、要求トルクを満足するように目標開度を算出する。なお、例えばトルクベース制御を行う場合には、アクセルペダルの操作量から算出される要求トルクに、車両の横揺れ防止制御から要求されるトルク等を加味して目標開度を設定すればよい。
続くステップS102においては、スロットルバルブ14の開度が目標開度となるようにスロットルバルブ14を操作する。続くステップS104においては、クランク角センサ29の検出値に基づく回転速度と、エアフローメータ13によって検出される空気量とを取得する。そして、ステップS106においては、回転速度及び空気量に基づき、1回転あたりの空気量GNを算出する。なお、実際には、エアフローメータ13近傍の空気流量と燃焼室22へ流入する空気流量との間には、空気の流動に伴う差が生じるため、周知の手法にてこの差を補償することで空気量GNを燃焼室22に流入する1回転あたりの空気量とすることが望ましい。
続くステップS108においては、回転速度と空気量GNとに基づき、クランク軸28に対するカム軸42の回転位相差VCTの目標値(VCT目標値)を算出する。ここでは、図3に示すように、回転速度及び空気量GNとVCT目標値との関係を定めるマップを用いてVCT目標値をマップ演算する。なお、実際には、図3に示すマップは、吸気バルブ20及び排気バルブ30のそれぞれに対応して各別の2つのマップからなる。すなわち、上記ステップS108においては、吸気バルブ20及び排気バルブ30の双方についてのVCT目標値を各別に算出する。続くステップS110においては、回転位相差VCTの検出値(実VCT)を取得する。ここでは、クランク角センサ29の検出値とカム角センサ41a,41bの検出値とに基づき、吸気バルブ20及び排気バルブ30の実VCTを検出する。そして、ステップS112においては、実VCTをVCT目標値に制御すべく、OCV60を操作する。ここで例えば、VCT目標値が変化するときには、実VCT及びVCT目標値の差に基づく比例制御によって実VCTをVCT目標値にフィードバック制御し、VCT目標値が定常状態にある場合には、実VCT及びVCT目標値に基づく積分制御によって実VCTをVCT目標値にフィードバック制御すればよい。
続くステップS114においては、空気量GN、回転速度NE、及び実VCTに基づき、点火時期の目標値を算出する。ここでは例えば、空気量GN、回転速度NE、及び実VCTと点火時期の目標値との関係を定める3次元マップを用いて点火時期の目標値をマップ演算すればよい。そして、ステップS116においては、点火時期をその目標値とするように点火プラグ24を操作する。
先の図3に示したマップは、ガソリン機関10の出力特性(出力トルク、排気特性等)を最適な状態としたり、燃料消費量を最少化したりすべく適合されたものである。この適合は、基本的には、定常状態におけるガソリン機関10の出力特性を最適化するための値に設定されている。すなわち、例えば図4に例示するように、燃焼安定性が許容上限値を超えない範囲で、出力トルクが最大となるように、VCT目標値が適合される。ここで、燃焼安定性は、燃焼室22内の圧力(筒内圧)の1燃焼サイクルあたりの平均値(平均有効圧)の複数のサンプリング値Piの平均値に対する標準偏差の百分率によって定まる量であり、値が小さいほど運転状態が安定であることを示している。
ただし、この場合、ガソリン機関10の過渡状態においては、出力特性を良好に保つことができないおそれがある。以下、これについて説明する。
図5に、吸気バルブ20の実VCTとトルク、燃焼安定性との関係を示す。図示されるように、実VCTが進角するほど、燃焼安定性の値が上昇していき(燃焼が不安定化していき)、許容上限値に近づき、やがてこれを上回る。一方、トルクは実VCTを進角させるにつれて漸増していき、やがて漸減する。ここで、実VCTを進角させることでトルクが漸増するのは、ポンピングロスの減少等による。一方、実VCTがある程度進角となることでトルクが漸減するのは、燃焼が不安定化し失火の発生頻度が上昇すること等による。このため、燃焼安定性が許容上限値内となる範囲でトルクが最大値となるように実VCTを設定することが望ましい。
ところで、上記燃焼安定性やトルクは、負荷(要求トルク、空気量GN等)に応じて変化する。すなわち、低負荷となるにつれて燃焼安定性が許容上限値となる実VCTが遅角側に移行する。また、トルクが最大となる実VCTも遅角側に移行する。このため、ガソリン機関10の運転状態が高負荷から低負荷に移行すると、VCTの最適値も遅角側に移行する。このため、VCT目標値は低負荷であるほど遅角側の値に設定されている。
ここで、ガソリン機関10の運転状態が高負荷運転状態から低負荷運転状態へと急激に変化する場合には、VCT目標値も急激に遅角側に変化することとなる。しかし、実VCTがVCT目標値に追従するようにOCV60の操作がなされたとしても、実VCTがVCT目標値に実際に追従するまでには時間を要し、応答遅れが生じるおそれがある。ここで、定常状態において燃焼安定性が許容上限値以下となる範囲で生成されるトルクを最大とするようにVCT目標値を適合する場合、図6に示すように、VCT目標値が急激に変化するときには実VCTがVCT目標値よりも進角側となることにより、燃焼安定性が許容上限値を超えるおそれがある。図6(a)に、アクセルペダルの操作量の推移を示し、図6(b)に実線にてスロットルバルブ14の実際の開度の推移を示し、1点鎖線にて目標開度の推移を示す。また、図6(c)に空気量GNの推移を示し、図6(d)に実線にて実VCTの推移を示し、一点鎖線にてVCT目標値の推移を示す。更に、図6(e)に点火時期の推移を示し、図6(f)に、実線にて実際のトルクを示し、1点鎖線にてアクセルペダルの操作量に応じた要求トルクの推移を示す。
図示されるように、アクセルペダル81が急激に解放されることで要求トルクが低下すると、まずスロットルバルブ14の目標開度が急激に減少する(吸気通路12の流路面積の目標値が急激に減少する)。そして、これに伴い、スロットルバルブ14の実際の開度が減少する。スロットルバルブ14の開度が減少すると、空気量GNが減少する。そして、空気量GNの減少に伴いVCT目標値が遅角側に移行する。ここで、VCT目標値の変化速度は、空気量GNの変化速度によって略定まる。これは、VCT目標値が回転速度NEと空気量GNとによって設定されるものであるとはいえ、アクセルペダル81の操作に伴う回転速度NEの変化は空気量GNの変化よりも遅いからである。そして、VCT目標値が急激に遅角側に変化すると、バルブタイミング可変機構40の応答遅れにより、実VCTはVCT目標値よりも進角側となる。このため、吸気バルブ20及び排気バルブ30の開弁期間のオーバーラップ時に排気通路32から燃焼室22に逆流する排気(内部EGR)が増加し、ひいては燃焼が不安定化するおそれがある。すなわち、VCT目標値が遅角側に変化する過渡運転状態においては、図7に示すように、燃焼安定性が許容上限値となるときのEGR率(燃焼室22内の気体に対する内部EGR量の比率)を超えてしまうおそれがある。この場合、失火等が生じることにより、先の図6(f)に示すように、トルクが一時的に低下する。
図8に、要求トルクの急激な低減時におけるEGR率の増加とこれに伴う失火の発生のシミュレーション結果を示す。詳しくは、図8(a)に、各回転速度における空気量GNの最大値に対する実際の空気量GNの比である負荷率の推移を示す。図8(b)及び図8(c)に実線にて、吸気側及び排気側のそれぞれの実VCTの推移を示し、1点鎖線にてVCT目標値の推移を示す。図8(d)に、出力トルクの推移を示し、図8(e)に、実線にて、ガソリン機関10における燃焼によって生成されるトルクについての燃焼圧力に応じて定められるもの(図示トルク)の推移を示し、1点鎖線にて、最適な燃焼状態が実現される場合の図示トルクの推移を示す。図8(f)に実線にて、実際のEGR率の推移を示し、1点鎖線にて、理想的なEGR率の推移を示し、2点鎖線にて、燃焼が不安定化しないEGR率の臨界値を示す。
図示されるように、実VCTがVCT目標値に対して遅れることでEGR率が臨界値を越える。これにより、燃焼が悪化し、失火が生じることから、図示トルクや出力トルク(軸トルク)が過度に低下する。
これに対し、VCT目標値が変化する際に実VCTの応答遅れにかかわらず燃焼安定性が許容上限値を超えないようにVCT目標値を適合する場合には、VCT目標値が変化しない定常状態におけるガソリン機関10の出力特性を最高な状態にしたり、燃料消費量を最少としたりすることができない。
そこで本実施形態では、要求トルクが低下するとき、バルブタイミング可変装置(バルブタイミング可変機構40及びOCV60)の応答遅れに起因して燃焼状態が許容範囲から外れることを回避すべく、先の図2に示した出力の制御態様をフィードフォワード補正する。詳しくは、図9に示されるように、スロットルバルブ14の目標開度の変化速度を低減させるフィードフォワード補正を行う。ここで、図9(a)〜図9(f)は、先の図6(a)〜図6(f)と対応している。
図示されるようにスロットルバルブ14の目標開度の変化速度を低減することで、空気量GNの減少速度が低下するために、VCT目標値の変化速度も低下する。このため、実VCTのVCT目標値に対する追従性が向上する。このため、VCT目標値が変化する過渡時における内部EGR率は、先の図7に示した限界値を超えることがない。このため、VCT目標値を定常状態における最適値に適合しても、過渡時の燃焼状態を許容範囲内とすることができる。以下、上記フィードフォワード補正の具体的な処理について、(a)過渡時における燃焼状態の推定にかかる処理、(b)燃焼状態が許容範囲から外れると判断される際の出力の制御態様の切り替えにかかる処理、(c)上記フィードフォワード補正処理の順に詳述する。
<(a)過渡時における燃焼状態の推定にかかる処理>
図10に、過渡時における燃焼状態の推定にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU90により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、アクセルセンサ80の検出値に基づき、アクセルペダル81の操作量についてのガソリン機関10の出力トルクの低減側の変化量が判定値を上回るか否かを判断する。この処理は、アクセルペダル81の操作量に基づき、VCT目標値に対して実VCTが進角側にずれることに起因してガソリン機関10の燃焼状態が不安定化することが懸念される状況であるか否かを仮に判断するものである。上記判定値は、ガソリン機関10の燃焼状態が不安定化する懸念の生じる変化量に応じて設定されている。
続くステップS12においては、アクセルペダルの操作量に応じたスロットルバルブ14の目標開度を推定(算出)する。この処理は、ステップS10において検出されたアクセルペダル81の操作量の変化に応じてスロットルバルブ14の目標開度がどのように変化するかを推定するためのものである。ここで例えばトルクベース制御を行っている場合には、アクセルペダル81の操作量の変化から要求トルクの変化を把握し、要求トルクとスロットルバルブ14の目標開度との関係に基づき、要求トルクの変化に応じた目標開度の変化を推定すればよい。なお、要求トルクの変化に応じて目標開度を変化させる際、例えば加重平均処理等によって目標開度の変化を緩和させる緩和処理を行う場合には、緩和処理による目標開度の時間変化を予測することが望ましい。
続くステップS14においては、スロットルバルブ14の動特性に基づき、スロットルバルブ14の目標開度の変化に対する実際の開度の応答遅れを推定する。換言すれば、スロットルバルブ14の挙動を推定する。この処理は、スロットルバルブ14の動特性モデルを用いて行うことができる。このモデルとしては、例えば1次遅れに無駄時間を加えたモデルとすればよい。
続くステップS16においては、上記ステップS14において推定されるスロットルバルブ14の挙動に応じた空気量GNの時間変化を推定する。この処理は、例えば吸気通路12の構造や、スロットルバルブ14の開度に応じたモデル(物理モデル等)に基づき行えばよい。なお、この際、この物理モデルの入力パラメータとして、上記スロットルバルブ14の開度の推定値に加えて、吸気温センサ17の検出値や、回転速度等を含めることが望ましい。
続くステップS18においては、上記ステップS16において推定される空気量GNと、回転速度とに基づき、先の図3に示したマップを用いてVCT目標値の時間変化を推定する。ここで、アクセルペダル81の変化に伴う回転速度の変化の応答性は空気量GNの変化の応答性と比較して遅いことに鑑み、回転速度については現在の実際の回転速度を用いる。このため、VCT目標値は、推定される空気量GNの時系列データに応じて変化するものとなる。
続くステップS20においては、上記ステップS18において推定されるVCT目標値に応じた実VCTの挙動を推定する。ここでは、バルブタイミング可変装置の動特性モデルに基づき、実VCTの挙動を推定すればよい。この動特性モデルとしては、例えば1次遅れに無駄時間を加えたモデルとしてもよい。
続くステップS22においては、上記ステップS16において推定される空気量GNと、上記ステップS20において推定される実VCTと、現在の回転速度とを入力とし、先の図2のステップS114と同一の処理によって点火時期の目標値を推定する。例えば先の図2のステップS114において3次元マップを用いて目標値を設定する場合には、同一の3次元マップを用いて目標値を推定すればよい。
続くステップS24においては、点火プラグ24の操作の応答遅れを考慮した実際の点火時期を推定する。なお、点火プラグ24の操作の応答遅れについては通常無視し得るものであることに鑑みれば、実際の点火時期の推定値を上記ステップS24にて推定される目標値としてもよい。
続くステップS26においては、燃焼状態を定量化するパラメータ(燃焼状態パラメータ)の過渡状態における値を推定する。ここで、燃焼状態パラメータとしては、排気特性や、トルク、トルク変動、燃焼安定性等がある。また、過渡状態の燃焼状態とは、例えばアクセルペダル81の操作によって要求トルクが変更されてから、実VCTが要求トルクに応じた値に収束するタイミングまでの燃焼状態とすればよい。こうした燃焼状態パラメータの推定には、上述した空気量GNの推定値や、実VCTの推定値、点火時期の推定値、現在の回転速度が用いられる。ただし、上記パラメータをより高精度に推定するためには、過渡時における空燃比、EGR量、噴射量等を推定し、これらの推定値を併せ用いて上記パラメータを推定してもよい。
ここで、過渡時における空燃比は、ガソリン機関10の運転状態から定まる目標空燃比と物理モデルとによって推定すればよい。すなわち、過渡時においては、空燃比フィードバック制御によっては実際の空燃比を目標空燃比とすることができないため、燃料噴射弁18から噴射される燃料のうち吸気通路12内に付着して燃焼室22に供給されない量を物理モデルによって見積もるなどして推定すればよい。また、EGR量については、EGRバルブ36の開度が回転速度及び空気量GNに応じて設定されることに鑑み、上記空気量GNの推定値と回転速度とによってEGRバルブ36の開度の仮の値を推定し、これにEGRバルブ36の動特性モデルに基づき応答遅れを考慮したEGRバルブ36の実際の開度を推定する。こうして推定されるEGRバルブ36の開度に基づき、排気還流通路34内での排気の還流態様についてのモデルを用いることで、EGR量を推定する。噴射量については、空気量GNの推定値と、ECU90の制御ロジックによって推定される目標空燃比とに基づき推定する。
上記燃焼状態パラメータは、上記各推定値や回転速度に基づき、例えば統計モデルによって推定すればよい。すなわち例えば、上記燃焼パラメータを燃焼安定性とする場合、先の図5に示した関係に基づき、各空気量GN毎に、実VCTと燃焼安定性との関係を定めるマップを用意するとともに、点火時期と燃焼安定性との関係を定めるマップ等を用意し、これらによって算出される各燃焼安定性の値の加重平均値によって最終的な燃焼安定性を推定すればよい。なお、これに代えて、上記各推定値等を用いて物理モデルによって推定してもよい。
続くステップS28においては、燃焼状態が許容範囲内であるか否かを判断する。ここでは、例えば燃焼安定性の推定値が許容上限値以下であるか否かを判断すればよい。そして、許容範囲から外れると判断される場合には、ステップS30において、燃焼状態が悪化すると推定される旨の燃焼悪化判定カウンタを所定値にセットする。
<(b)出力の制御態様の切り替えにかかる処理>
上記所定値は、上記フィードフォワード補正処理によって、先の図2に示した制御の態様を補正するのが適切と想定される期間を仮に定めるものである。すなわち、燃焼悪化判定カウンタは、図11に示すように、ゼロでないときに(ステップS40:NO)所定周期でデクリメントされる(ステップS42)ものであるため、デクリメントの速度と上記所定値とによって、上記補正するのが適切と想定される仮の期間を定めることができる。そして、図12に示されるように、燃焼悪化判定カウンタがゼロよりも大きい間は(ステップS50:YES)、上記フィードフォワード補正制御を行い(S200)、ゼロとなると、先の図2に示した通常時出力制御を行う(ステップS100)。
<(c)上記フィードフォワード補正処理>
図13に、上記フィードフォワード補正処理の手順を示す。この処理は、ECU90により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、ステップS200において、先の図2のステップS100の処理と同様にして、アクセルペダル81の操作量に応じたスロットルバルブ14の目標開度を算出する。続くステップS202においては、スロットルバルブ14の目標開度の変化量を算出する。そして、ステップS204においては、スロットルバルブ14の変化量が基準値を超えているか否かを判断する。この処理は、目標開度の変化速度が、バルブタイミング可変装置の応答遅れに起因する燃焼状態の悪化が顕著と想定されるほど速いか否かを判断するものである。そして、目標開度の変化量が基準値を超えていると判断される場合には、ステップS206において、目標開度の変化量が基準値以内となるように目標開度を設定する。ここでは、前回の目標開度を基準値によって減量補正した値を今回の目標開度とすればよい。これらステップS204,S206の処理によれば、目標開度の変化速度が、図13の処理周期と基準値とによって定まる速度以下に制限される。これにより、補正をしない場合と比較して、スロットルバルブ14の変化速度を低減させることができ、ひいては空気量GNの変化を緩和させることができる。このため、VCT目標値の変化速度が低減され、実VCTの応答遅れを低減することができる。
上記ステップS206の処理が完了すると、ステップS208〜S222において、先の図2のステップS102〜S116と同様の処理を行う。
なお、先の図10に示した処理によって燃焼悪化の有無の判断を行うために要する時間によっては、図13において目標開度の変化速度の低減処理を適切にできないおそれがある。このため、こうした場合には、図13のステップS200〜S206の処理を常時行い、先の図12のステップS50においてステップS200が選択された場合に、図13の制御を有効としてもよい。また、アクセルペダル81の操作量として先の図10と図13とで別のパラメータを用いてもよい。すなわち、アクセルセンサ80の出力にはノイズが混入することなどから、通常、これに対して加重平均処理や移動平均処理等によってその変化を緩和する緩和処理を施したものが最終的なアクセルペダル81の操作量とされる。ここで、緩和度合いの小さい第2の緩和処理を施した値や緩和処理前の値を用いて図10の処理を行うようにするなら、燃焼悪化の有無をより迅速に推定することができる。
図14に、上記処理によるガソリン機関10の出力制御のフィードフォワード補正処理の態様を示す。詳しくは、図14(a)に、スロットルバルブ14の開度の推移を示し、図14(b)に、負荷率の推移を示し、図14(c)に、吸気側の実VCTの推移を示し、図14(d)に、ガソリン機関10の出力トルクの推移を示す。なお、図14中、実線は本実施形態における特性を示し、2点鎖線は要求トルクが急激に低下する状況下、上記フィードフォワード補正を行わなかった場合の特性を示している。また、図14(c)に1点鎖線にて示すのは、本実施形態及びフィードフォワード補正を行わない場合の双方についてのVCT目標値の推移を示している。
図示されるように、スロットルバルブ14の変化速度を低減させることで、負荷率(空気量GN)の変化が緩和される。このため、VCT目標値の変化速度が低減され、VCT目標値に対する実VCTの追従遅れを低減することができる。ここで、VCT目標値は、都度の運転状態において燃焼状態を最適化するように適合されたものである。このため、実VCTがVCT目標値に追従するなら、燃焼状態を良好とすることができると考えられる。したがって、実VCTの追従遅れを低減することで、燃焼悪化を抑制又は回避することができ、ガソリン機関10の出力トルクの過度の落ち込みを回避することができる。この出力トルクの過度の落ち込みは、失火によって生じるものと考えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)要求トルクの変化が検出されるとき、バルブタイミング可変装置の応答遅れに起因してガソリン機関10の燃焼状態が許容範囲から外れることを回避すべく、ガソリン機関10の出力の制御するためのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正した。これにより、過渡時のことを考慮することなくVCT目標値を適合することができるため、VCT目標値の設定を定常時における最適な値とすることができる。これにより、燃料消費量を低減することなどがでできる。
(2)VCT目標値の設定のための入力パラメータに、スロットルバルブ14の動作に起因して変化する物理量である空気量GNを含めた。これにより、VCT目標値は、空気量GNの変化に応じて変化することとなる。このため、上述したフィードフォワード補正によって確実な効果が期待できる。
(3)スロットルバルブ14の変化速度を低減させることで、フィードフォワード補正を行った。これにより、VCT目標値の変化速度を低減することができる。このため、実VCTのVCT目標値に対する追従遅れを低減することができ、ひいては燃焼状態が許容範囲から外れることを好適に回避することができる。
(4)ガソリン機関10の吸気バルブ20及び排気バルブ30のバルブ特性を可変とするバルブタイミング可変装置を備えて、これらのVCT目標値を定常状態において最適化した。この場合、内部EGR率が適切な値からずれることで燃焼が不安定化しやすいため、フィードフォワード補正の作用効果を好適に奏することができる。
(5)バルブタイミング可変装置を、ガソリン機関10のクランク軸28とカム軸42との相対的な回転位相差を可変とするものとした。このため、回転位相差を変更する際には、比較的大きな力がいるため、バルブタイミング可変装置には大きな力が要求される。ここで、バルブタイミング可変装置の生成可能な力が大きいほど、バルブタイミング可変装置が大型化する傾向にある。一方、エンジンシステム内の各部材については、小型化の要求が生じることが常である。このため、VCT目標値の変化速度が大きいときには、バルブタイミング可変装置によって調節される操作量に応答遅れが生じやすい。このため、上記要求の変化が検出されるときには、燃焼状態が許容範囲から外れるおそれがある。このため、上記発明は、フィードフォワード補正の作用効果を特に好適に奏することができる。
(6)VCT目標値の設定によって実現されるガソリン機関10の燃焼状態を推定する処理と、推定される燃焼状態が許容範囲内となるか否かを判断する処理と、許容範囲から外れると判断されるとき、許容範囲内となるように出力制御のためのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正する処理とを行った。これにより、フィードフォワード補正を適切に行うことができる。
(7)要求トルクの変化を、アクセルペダル81の操作量の検出値に基づき検出した。これにより、要求トルクが急激に変化する状況を適切に検出することができる。
(8)要求トルクの変化として、ガソリン機関10の要求トルクの低減側への変化を扱った。要求トルクが低減側に変化するときには、バルブタイミングの遅延によりその操作量が高トルク側での値にとどまると、燃焼状態が特に低下するおそれがある。このため、上記フィードフォワード補正による作用効果を特に好適に奏することができるものとなっている。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態によれば、スロットルバルブ14の目標開度の変化速度を低減させることで燃焼の不安定化を抑制又は回避することができるとはいえ、空気量GNの変化速度の低下に伴って出力トルクの低下速度の低下を招く。このため、要求トルクへの追従性が悪化する。そこで本実施形態では、図15に示されるように、スロットルバルブ14の目標開度の変化速度を低減する処理に加えて、点火時期を遅角補正する。なお、図15(a)〜図15(f)は、先の図9(a)〜図9(f)に対応している。特に、図15(e)に実線にて補正後の点火時期を示し、破線にて補正前の点火時期を示し、図15(f)に実線にて点火時期補正による出力トルクを示し、破線にて点火時期補正を行わない場合の出力トルクの推移を示す。図示されるように、点火時期を遅角補正することで、補正しない場合と比較して出力トルクを低下させることができる。このため、空気量GNの変化速度が低減することに起因して出力トルクの低下速度が減少することを好適に補償することができる。
図16に、本実施形態にかかるフィードフォワード補正の処理手順を示す。この処理は、EUC90により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図16において、先の図13に示した処理と同一の処理については、便宜上同一の符号を付している。
この一連の処理では、先の図13に示したステップS220の処理が完了すると、ステップS230において、スロットルバルブ14の目標開度の変化速度を低減することに起因する空気量GNの上昇量、すなわち、変化速度を低減しない場合の空気量GNに対する変化速度の低減による空気量GNの差を算出する。ここで、変化速度を低減しない場合の空気量GNは、先の図10のステップS16の処理によって算出されている。このため、ステップS230においては、上記ステップS204において肯定判断されることで目標開度の変化を基準値とする処理がなされる場合の空気量GNを、先の図10のステップS16の処理と同様にして推定し、これら各推定値の差を算出する。
続くステップS232においては、空気量の上昇量からトルクの上昇量、すなわち目標開度の変化速度を低減しない場合に対する低減する場合のトルクの差を算出する。ここでは例えば、先の図2のステップS114の処理と同様にして点火時期の設定がなされるとの前提の下での空気量上昇量と回転速度、目標空燃比等を入力とするマップ演算によってトルク上昇量を算出すればよい。続くステップS234においては、点火時期とトルク特性との関係に基づき、点火時期補正量の要求量A1を算出する。ここでは例えば、都度の空気量GN及びトルクの上昇量と空燃比(更には、補正前の点火時期)とを入力として要求量A1をマップ演算すればよい。このマップは、ガソリン機関10の空気量GN及び空燃比を一定とした場合、点火時期に応じて出力トルクの効率(所定の点火時期での出力トルクに対する各点火時期での出力トルクの比率)が定まることに鑑みて作成される。すなわち、所定の点火時期における出力トルクは空気量GN及び空燃比によって定まるため、空気量と空燃比と点火時期とに基づき出力トルクが定まる。これは、空気量と空燃比とトルクとから、点火時期が定まることを意味する。したがって、これら空気量GN、空燃比及びトルクに基づき、トルクの上昇量を補正するための点火時期の補正量の要求量A1を算出することができる。この要求量A1は、遅角側であるほど大きい値とされる。
続くステップS236においては、燃焼安定性確保のために遅角補正が許容される範囲(許容値A2)を算出する。ここでは、例えば空気量GNや、回転速度、実VCT等と許容値A2との関係を予め適合してマップを作成しておき、このマップを用いて算出すればよい。続くステップS238においては、要求量A1が許容値A2よりも大きいか否かを判断する。そして、許容値A2以下であると判断されるときには、ステップS240において、点火時期の目標値SAを、要求量A1だけ遅角補正する。これに対し、ステップS238において許容値A2よりも大きいと判断されるときには、ステップS242において、目標値SAを、許容値A2だけ遅角補正する。そして、ステップS240、S242の処理が完了すると、先の図2に示したステップS222の処理を行う。
図17に、上記フィードフォワード補正による図示トルクの推移を示す。詳しくは、図中、実線にて、本実施形態にかかるフィードフォワード制御による図示トルクの推移を示し、1点鎖線にて第1の実施形態にかかる図示トルクの推移を示し、破線にて何らフィードフォワード補正のなされない場合の図示トルクの推移を示す。図示されるように、フィードフォワード補正をすることなく先の図2に示した通常の出力制御を行う場合には、要求トルクに応じて迅速に図示トルクを低減することができるものの、燃焼が不安定化し、失火によるトルクの過度の落ち込みが生じる。また、第1の実施形態では、燃焼は安定となるものの、図示トルクの低下速度が遅れるため、要求トルクの減少に迅速に対処することができない。このため、ユーザが減速感を得ることができず、ドライバビリティが悪化する。これに対し、本実施形態では、点火時期を補正するため、出力トルクの低下速度を先の図2に示した通常の出力制御を行う場合と同程度とすることができる。しかも、燃焼の不安定化をも回避することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(8)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(9)スロットルバルブ14の変化速度の低減に伴うガソリン機関10の出力トルクの変化速度の低下を、点火時期の補正によって補償した。これにより、アクセルペダル81の解放時等において減速感を確保することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、燃焼悪化判定カウンタがセットされると、VCT目標値を、都度の運転状態に応じて先の図3に示したマップから定まる値よりも遅角側に先行して設定する。図18に、本実施形態にかかるフィードフォワード補正の態様を示す。なお、図18(a)〜図18(f)は、先の図6(a)〜図6(f)と対応している。
図示されるように、アクセルペダル81が解放されることで要求トルクが低減すると、空気量GNがこれに応じて減少するのに先立ち、図18(d)に1点鎖線にて示すように、VCT目標値を遅角側に設定する。これにより、図18(d)に実線にて示すように、実VCTは、アクセルペダル81が解放された当初から、空気量GNの減少の有無にかかわらず遅角側に移行する。このため、図18(d)に破線にて示すフィードフォワード補正を行わない場合と比較して、実VCTを迅速に遅角側に操作することができる。
図19に、本実施形態にかかるフィードフォワード補正の処理手順を示す。この処理は、ECU90により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図19において、先の図13に示した処理と同一の処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、先の図13のステップS212の処理が完了すると、ステップS250において、VCT目標値を、先の図2に示した処理によって定まる値と比較して強制的に遅角側に設定する処理を行う。詳しくは、先の図10のステップS18において推定されるVCT目標値についての要求トルクによって定まる最終的な値、すなわち、VCT目標値の変化後の収束値に、VCT目標値を設定する。この処理以外は、目標開度の変化速度の制限処理がないことを除いて先の図13に示した処理と同様である。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(4)〜(8)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(10)要求トルクが低下する際、VCT目標値を、都度の運転状態に応じて先の図3に示したマップによって設定される値よりも遅角側の値に設定した。これにより、先の図3に示したマップによって設定されるVCT目標値に対して実VCTが過度に進角した状態となることを好適に回避することができる。
(11)VCT目標値の変化後の値を予測し、VCT目標値を予測される値に設定した。これにより、VCT目標値のフィードフォワード補正が過度に遅角側になること等を回避することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図20に、本実施形態にかかるフィードフォワード補正の処理手順を示す。この処理は、ECU90により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図20において、先の図13に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
図示されるように、本実施形態では、先の第1の実施形態における目標開度の変化速度の制限処理と、先の第3の実施形態におけるVCT目標値の遅角側への設定処理との双方を行う。これにより、目標開度の制限度合いを緩和しつつも、燃焼を安定化させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(8)の効果や、先の第3の実施形態の上記(10)、(11)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(12)目標開度の変化速度の制限処理に加えて、VCT目標値の遅角側へのフィードフォワード補正を行うことで、目標開度の変化速度の制限度合いを緩和することができる。このため、空気量GNの減少速度の低下を抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせてもよい。
・上記各実施形態では、燃焼状態を推定し、これが許容範囲内に入るか否かを判断した。これは、燃焼状態の推定に用いたパラメータを入力とすることで、過渡的な燃焼状態が許容範囲内に入るか否かを判断することができることを意味する。このため、上記推定に用いたパラメータから過渡的な燃焼状態が許容範囲を超えるか否かに応じた2値の論理値の値のいずれかを選択するマップを作成し、これによって燃焼状態の悪化の有無を判断してもよい。こうした設定によれば、判断に要する所要時間が短縮されるため、例えば目標開度の変化速度を制限する処理のようにフィードフォワード補正を迅速に開始することが要求されるものについては特に効果がある。
・先の第2の実施形態においては、目標開度の変化量の制限度合いに基づき、空気量GNの上昇量を求め、これから点火時期の遅角補正量を算出したが、これに限らない。例えば、都度のガソリン機関10の運転状態(例えばアクセルペダル81の操作量と回転速度と実VCT)に基づき、点火時期の遅角補正量をマップ演算してもよい。これによれば、迅速な制御が要求される過渡時のフィードフォワード補正を迅速に行うことができる。
・先の第3の実施形態においては、VCT目標値を、過渡状態の終了後の収束値に設定したが、これに限らない。例えば、先の図3に示したマップから定まる値よりも予め定められた量だけ遅角させた値としてもよい。なお、過渡時であっても、実VCTを、都度の運転状態(回転速度及び空気量GN)に応じて先の図3に示したマップによって定まるVCT目標値とすることが燃焼を最適化させるうえで望ましいと考えられる。このため、バルブタイミング可変装置の動特性に基づき、実VCTが都度の運転状態から定まるVCT目標値となるように上記遅角させる量を定めることが望ましい。
・要求トルクの変化としては、低減側への変化に限らず、増加側への変化であってもよい。この場合であっても、過渡時の燃焼状態を最適化するうえでは通常時の出力制御のためのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正することは有効である。これは、例えば先の第3の実施形態において、VCT目標値を先の図3に示したマップにて定まる値よりも先行して変化させることで実現することができる。
・動特性に起因して過渡状態における燃焼状態の悪化の要因となるアクチュエータとしては、上記油圧駆動式のバルブタイミング可変装置に限らない。例えば電動機によってクランク軸28とカム軸42との相対的な回転位相差を可変とするバルブタイミング可変装置であっても、応答性を向上させると電動機が大型化する傾向にあり、当該バルブタイミング可変装置の小型化の要求と相反する。このため、この場合であっても、応答性が問題となりやすいため、本発明の適用は有効である。
また、バルブタイミングを可変とするものに限らず、バルブリフトを可変とするもの等、要はバルブ特性を可変とするバルブ特性可変装置にあっては、その応答遅れに起因して燃焼状態が悪化しやすいため、本発明の適用は有効である。更に、バルブ特性可変装置に限らず、例えばEGRバルブ36等、要はガソリン機関10の出力を制御するアクチュエータのうち、運転状態に応じてその目標値(開ループ制御をするものにあっては、操作量のことをいう)を設定するものであればよい。
・要求トルクの変化を検出する手法としては、アクセルペダル81の操作量を検出するアクセルセンサ80の検出値を用いるものに限らない。例えば車両の走行速度(車速)を自動で一定速度に制御するクルーズ制御がなされているときには、車速の制御の際に算出される要求トルクを検出してもよい。
・内燃機関の運転状態に対する要求の変化としては、要求トルクの変化に限らない。例えば排気特性に対する要求の変化等であってもよい。
・内燃機関としては、ガソリン機関10のような吸気ポート式の火花点火式内燃機関に限らず、筒内噴射式の火花点火式内燃機関であってもよく、また例えばディーゼル機関のような圧縮着火式内燃機関であってもよい。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかる通常時の出力制御の処理手順を示す流れ図。 VCT目標値を設定するためのマップを示す図。 VCT目標値の適合手法を説明する図。 燃焼安定性及びトルクとVCTとの関係を示す図。 通常時の出力制御を過渡時に適用する場合の問題点を示すタイムチャート。 通常時の出力制御を過渡時に適用する場合の問題点を説明する図。 通常時の出力制御を過渡時に適用する場合の問題点を示すタイムチャート。 上記実施形態にかかる過渡時の出力制御の態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる過渡時の燃焼状態の推定処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる燃焼悪化判定カウンタのカウント手法を示す流れ図。 同実施形態にかかる出力制御の態様の切り替え処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる過渡時における出力制御のフィードフォワード補正処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるフィードフォワード補正の態様を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる過渡時の出力制御の態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる過渡時における出力制御のフィードフォワード補正処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる過渡時の燃焼状態を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかる過渡時の出力制御の態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる過渡時における出力制御のフィードフォワード補正処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかる過渡時における出力制御のフィードフォワード補正処理の手順を示す流れ図。
符号の説明
10…ガソリン機関、14…スロットルバルブ、20…吸気バルブ、24…点火プラグ、28…クランク軸、32…排気バルブ、40…バルブタイミング可変機構、90…ECU(内燃機関の制御装置の一実施形態)。

Claims (13)

  1. 内燃機関の出力を制御するためのアクチュエータのうちの特定のアクチュエータの操作量の目標値を前記内燃機関の運転状態に応じて設定する目標値設定手段と、
    前記内燃機関の運転状態に対する要求の変化を検出する検出手段と、
    前記要求の変化が検出されるとき、前記特定のアクチュエータの応答遅れに起因して前記内燃機関の燃焼状態が許容範囲から外れることを回避すべく、前記内燃機関の出力を制御するための少なくとも1つのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正する補正手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記目標値設定手段が前記目標値の設定のために用いる入力に、前記アクチュエータのうちの前記検出手段の検出結果に応じて操作されるものの動作に起因して変化する物理量が含まれることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関は、火花点火式内燃機関であり、
    前記検出手段の検出結果に応じて操作されるアクチュエータは、吸気通路内の流路面積を調節する流路面積調節手段であり、
    前記物理量は、前記内燃機関の吸入空気量であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記補正手段は、吸気通路内の流路面積を調節する流路面積調節手段による流路面積の変化速度を低減させる手段を備えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記補正手段は、前記流路面積の変化速度の低減に伴う前記内燃機関の出力トルクの変化の遅延を、点火時期の補正によって補償する手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記補正手段は、前記要求の変化が検出されるとき、前記特定のアクチュエータの操作量の目標値を、都度の運転状態に応じて前記目標値設定手段が設定する値よりも前記要求の変化に伴って変化していくと想定される側の値に設定する過渡時目標値設定手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記過渡時目標値設定手段は、前記要求の変化に伴う前記目標値の変化後の値を予測することで、前記特定のアクチュエータの操作量の目標値を前記予測される値に設定することを特徴とする請求項6記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記特定のアクチュエータは、前記内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変装置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブは、前記内燃機関の出力軸と連動して回転するカム軸の回転動作に伴って開閉するものであり、
    前記バルブ特性可変装置は、前記内燃機関の出力軸と前記カム軸との相対的な回転位相差を可変とする手段を備えて構成されてなることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記補正手段は、前記要求の変化が検出されるとき、前記目標値設定手段による前記目標値の設定によって実現される前記内燃機関の燃焼状態を推定する推定手段と、該推定手段によって推定される燃焼状態が許容範囲内となるか否かを判断する判断手段と、前記許容範囲から外れると判断されるとき、前記許容範囲内となるように前記少なくとも1つのアクチュエータの操作量をフィードフォワード補正する手段とを備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記要求の変化は、前記内燃機関の要求トルクの変化であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記検出手段は、前記要求トルクの変化を、アクセル操作部材の操作量の検出値に基づき検出することを特徴とする請求項11記載の内燃機関の制御装置。
  13. 前記要求の変化は、前記内燃機関の要求トルクの低減側への変化であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに内燃機関の制御装置。
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