JP2008201630A - パーライトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種用途に用いられるパーライトについて、高価で特殊な混合装置を用いることなく、また未発泡のパーライト原石を殆ど含むことなく、目標となる単位容積質量を有する高品質なパーライトを効率的に且つ安定して製造できる方法を提供する。
【解決手段】焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石を、950℃〜1250℃の温度で焼成・発泡させるパーライトの製造方法であって、2種類の天然ガラス質岩石を、粉砕・混合し、または、混合粉砕し、該混合物を前記温度範囲で焼成・発泡させることを特徴とするパーライトの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築用、断熱用及び土壌改良用等の資材として幅広く利用されるパーライトの製造方法に関する。
さらに詳しくは、天然ガラス質岩石を原料として、所定の単位容積質量を有する高品質なパーライトを効率的かつ安定して製造する方法を提供するものである。
パーライトは、天然ガラス質岩石を粉砕して粒度調整後、高温で焼成することにより、岩石中のガラス質の軟化と同時に岩石中の水を脱離させて発泡させた多孔体である。使用される天然ガラス質岩石としては、黒曜岩、真珠岩、松脂岩があり、発泡の駆動力は原料岩石中に含まれる水のガス化であることから、生成パーライトの性状は原料岩石中に存在する水の量と、発泡を駆動する焼成温度に大きく依存する。
天然ガラス質岩石を用いてパーライトを製造する方法として、特許文献1には、天然ガラス質岩石、特に、資源的に豊富な真珠岩、松脂岩を用いて、建材用途として必要な強度、低吸水性を有するだけでなく、モルタル用途に用いた場合の流動性にも優れた球状パーライトの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、建材用発泡パーライトとして、強度等の特性は充分で良好な成績を示すものの資源枯渇により入手困難な黒曜岩の代替として、真珠岩・松脂岩を用いて加熱装置の加熱ゾーンを複数のゾーンとし、原料供給側から第1ゾーン900〜1100℃、第2ゾーン850〜1100℃、第3ゾーン500〜1000℃で発泡させ、黒曜岩を用いた場合の製品と同等以上の発泡品を得るパーライトの製造方法が開示されている。
特開平9−183612号公報 特開平7−277851号公報
建築用、断熱用及び土壌改良用等の資材として幅広く利用されているパーライトは、それぞれの用途や使用条件によって要求される特性が異なっており、特に単位容積質量はその代表的な物性のひとつである。
各種用途に用いられるパーライトを供給する場合、その用途に適した単位容積質量のパーライトを製造し供給することが求められる。要求される単位容積質量のパーライトを製造する方法としては、要求される単位容積質量よりも小さい単位容積質量のパーライトと、大きい単位容積質量のパーライトとを混合して、目標となる単位容積質量に調整する方法が考えられるが、そもそもパーライトは非常に軽量であるとともに個々の粒子の物理的強度は比較的小さいため、一般的な混合装置を用いて混合処理すると発泡粒子が破壊されて目標の単位容積質量のパーライトが得られない。このため、高価で特殊な混合装置を用いることなくパーライト粒子の破壊を回避しながら均一に混合することは殆ど不可能である。
また、目標の単位容積質量のパーライトを得るために、目標の単位容積質量よりも小さい単位容積質量のパーライトが得られる原石を用い、焼成・発泡させる温度や時間などの条件を変更し、発泡をいくらか抑制してパーライトを製造する方法も考えられる。この方法の場合、得られたパーライトは見かけ上目標の単位容積質量を達成することはできるものの、そのパーライトは充分に発泡したパーライトと生焼けの未発泡パーライト(原石)との混合物となり、フレコンや紙袋に包装した後に輸送等の振動によって、発泡した粒子と未発泡粒子が分離し、同じフレコンや紙袋に包装されたパーライトでも品質がバラつくといった問題が発生する。さらに、未発泡粒子を含むパーライトを左官材に用いた場合、鏝圧をかけた時に未発泡粒子がつぶれず、モルタル表面に未発泡粒子に起因するスジが発生したり、サイディングボード用原料に用いた場合も、ボード表面に未発泡粒子があると、未発泡粒子が剥れて表面に凹部が発生し易く、表面を平滑に仕上げることが難しくなるといった問題も発生する。
本発明は、各種用途に用いられるパーライトについて、高価で特殊な混合装置を用いることなく、また未発泡のパーライト原石を殆ど含むことなく、目標となる単位容積質量を有する高品質なパーライトを効率的かつ安定して製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、各種用途および使用条件に合った単位容積質量を有するパーライトを、効率的にかつ安定的に製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、焼成・発泡後の単位容積質量が異なり、良好な発泡状態が得られる焼成温度域が同じかもしくは比較的近しい2種類の天然ガラス質岩石を選択して用い、それらを混合・焼成・発泡させる、または、焼成装置に別々に投入して焼成・混合することによって、未発泡の粒子を殆ど含むことなく、目標とする単位容積質量を有するパーライトを安定して効率的に製造できることを見出して本発明を完成させた。
即ち、本発明の第1は、
焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石を、950℃〜1250℃の温度で焼成・発泡させるパーライトの製造方法であって、2種類の天然ガラス質岩石を、粉砕・混合し、または、混合粉砕し、該混合物を前記温度範囲で焼成・発泡させることを特徴とするパーライトの製造方法である。
本発明の第2は、
焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石を、950℃〜1250℃の温度で焼成・発泡させるパーライトの製造方法であって、2種類の天然ガラス質岩石を粉砕して、焼成装置に別々に投入して焼成装置内で焼成・混合することを特徴とするパーライトの製造方法である。
本発明のパーライト製造方法の好ましい態様を以下に示す。なお、好ましい態様は複数組み合わせることができる。
1)2種類の天然ガラス質岩石は、焼成・発泡後の単位容積質量がそれぞれ0.02〜0.09kg/リットルと0.1〜0.5kg/リットルであること。
2)焼成・発泡後の単位容積質量が0.02〜0.09kg/リットルの天然ガラス質岩石(X質量部)と焼成・発泡後の単位容積質量が0.1〜0.5kg/リットルの天然ガラス質岩石(Y質量部)との混合割合は、X/Y=2/98〜90/10であること。
3)2種類の天然ガラス質岩石を焼成して得られたパーライトの単位容積質量は、0.05〜0.3kg/リットルであること。
4)2種類の天然ガラス質岩石は、真珠岩及び/又は松脂岩であること。
5)2種類の天然ガラス質岩石は、それぞれ150〜800℃の温度で予備加熱して水分量を0.5〜4重量%に調整されたのち粉砕される、または、粉砕されてそれぞれ150〜800℃の温度で予備加熱して水分量を0.5〜4重量%に調整されること。
6)パーライトは、左官材用またはサイディングボード用であること。
本発明は、焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石を、950℃〜1250℃の温度で焼成・発泡させるパーライトの製造方法であり、2種類の天然ガラス質岩石を、粉砕・混合し、該混合物を前記温度範囲で焼成・発泡させる、または、2種類の天然ガラス質岩石を、粉砕して焼成装置に別々に投入して焼成・混合することを特徴とするパーライトの製造方法である。
本発明によれば、2種類の天然ガラス質岩石が両方ともに充分な発泡状態を得られる温度を焼成温度として選択し、2種類の天然ガラス質岩石を乾燥・粉砕したものの混合比率を変化させて前記温度で焼成することによって、パーライトの単位容積質量を一定範囲で安定して制御することが可能である。
本発明で得られるパーライトは、2種類の天然ガラス質岩石が共に良好な発泡状態となることから未発泡粒子の残存を回避することができ、得られたパーライトの性状・品質を良好に保つとともに、任意の単位容積質量のパーライトを製造することが可能である。
さらに、本発明のパーライトは、未発泡粒子の残存に起因する左官材モルタル塗布時のスジ引きや、サイディングボード表面の凹部の発生が防止されるため、左官材やサイディングボードの用途において特に優れた性能を発揮する。
本発明のパーライト製造方法について説明する。
本発明では、
(1)焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石(原料岩石)を乾燥する第1工程、
(2)第1工程で乾燥した焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の岩石(原料岩石)をそれぞれ個別に粉砕する第2工程、
(3)第2工程で粉砕した焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の岩石粒(原料岩石の粉砕物)を、目標となる単位容積質量のパーライトが得られるように、2種類の岩石の発泡後の単位容積質量から算出した割合で混合する第3工程、
(4)第3工程で調製した岩石粒混合物(原料岩石粉砕物の混合物)を950〜1250℃の温度で焼成して発泡させる第4工程、
以上の4つの工程を経て、目標の単位容積質量を有するパーライトを安定して効率的に製造することができる。
尚、第1工程においては、必要に応じて150〜800℃の温度でそれぞれ予備加熱して含有水分の一部を除去し、水分量を0.5〜4重量%に調整しても良い。また、より効率的に予備加熱を行うため、予め予備加熱し易い粒度に粉砕して予備加熱を行っても良い。また、必要に応じて粉砕した岩石粒を分級して、粒度を調整しても良い。
第2工程においては、第1工程で乾燥した2種類の岩石を、目標となる単位容積質量のパーライトが得られるように2種類の岩石の発泡後の単位容積質量から算出した割合で混合・粉砕しても良い。
さらに、第4工程において、第2工程で調整した岩石粒をロータリーキルンや気流焼成炉に目標の混合比率となるよう別々に定量供給し、焼成・混合しても良く、その場合は第3工程の焼成前の混合工程を省略することができる。
本発明では、焼成時の発泡倍率が異なる天然ガラス質岩石について、乾燥・粉砕・分級した岩石粒を用いて、950〜1250℃の温度範囲で25℃毎の各温度で焼成した場合の単位容積質量を測定し、焼成前の精石の単位容積質量に対する発泡倍率(岩石粒の単位容積質量/焼成・発泡後の単位容積質量)を求める。
なお、焼成時の発泡倍率が異なる天然ガラス質岩石としては、岩種や産地が異なる天然ガラス質岩石や、同じ岩種、産地の天然ガラス質岩石でも採取場所が異なる天然ガラス質岩石で、焼成時の発泡倍率が異なるものである。
本発明では、発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石を選択して用いるが、その選択の基準について図1に基づいて説明する。
岩種および産地が異なる多種多様な天然ガラス質岩石、或いは、岩種および産地は同じであるが含水率に差異があるような天然ガラス質岩石等から2種類の天然ガラス質岩石を選択する場合に、それぞれの天然ガラス質岩石が良好な発泡倍率が得られる温度範囲e、fの重なった温度範囲gが、好ましくは20℃以上の温度範囲であること、さらに好ましくは30℃以上の温度範囲であること、より好ましくは40℃以上の温度範囲であること、特に好ましくは45℃以上の温度範囲であることが、2種類の天然ガラス質岩石をそれぞれ安定して焼成・発泡させる上で好ましい。
前記の良好な発泡倍率が得られる温度範囲e、fとは、950〜1250℃で焼成・発泡させた場合の最大の発泡倍率h、iに対し、その95%以上の発泡倍率が得られる温度範囲e、fを意味する。
前記の良好な発泡倍率が得られる温度範囲の重なった温度範囲g(下限温度:t1、上限温度:t2)が20℃より小さい場合、2種類の天然ガラス質岩石の両方で良好な発泡状態を得るための焼成・発泡温度範囲が極端に狭いことから良好な発泡状態のパーライトを安定して得られないことがあり好ましくない。また、前記温度範囲e、fが重なっていない場合には、2種類の天然ガラス質岩石のいずれか片方の岩石は良好な発泡状態を得られないことから好ましくない。
次に、目標となる単位容積質量を有するパーライトが得られるように、良好な発泡倍率が得られる温度域の差異が、好ましくは20℃以上である2種類の天然ガラス質岩石(A、B)を選択し、これらの2種類の天然ガラス質岩石が共に良好な発泡状態が得られる焼成・発泡温度(T℃、t1<T<t2))を設定し、2種類の天然ガラス質岩石の混合比率を下記の式で算出して決定する。
焼成・発泡後の単位容積質量が0.02〜0.09kg/リットルの天然ガラス質岩石(X質量部)と焼成・発泡後の単位容積質量が0.1〜0.5kg/リットルの天然ガラス質岩石(Y質量部)との混合割合は、好ましくはX/Y=2/98〜90/10の範囲であり、さらに好ましくはX/Y=5/95〜80/20、より好ましくはX/Y=15/85〜75/25、特に好ましくはX/Y=25/75〜70/30の範囲である。前記の好ましい混合割合の範囲外で混合して焼成したパーライトの単位容積質量は、それぞれの岩石を単独で焼成して得たパーライトの単位容積質量との差異が小さいことから好ましくない。
Figure 2008201630
2種類の天然ガラス質岩石を用いて焼成・発泡したパーライトの単位容積質量は、好ましくは0.05〜0.3kg/リットル、さらに好ましくは0.06〜0.27kg/リットル、特に好ましくは0.07〜0.25kg/リットルであることが幅広い用途に用いる上で好ましく、2種類の天然ガラス質岩石は、焼成・発泡後のパーライトの単位容積重量が前記範囲となるように混合することが好ましい。
焼成・発泡して得られるパーライトの単位容積質量は、0.05kg/リットルよりも小さいものは1種類の天然ガラス質岩石を焼成しても得られ易く、2種類の天然ガラス質岩石を使用して製造するメリットが小さく、0.3kg/リットルよりも大きい場合にはパーライトの軽量化効果が小さくなるため実用上好ましくない。
焼成・発泡後の単位容積質量が0.05〜0.3kg/リットルのパーライトを安定して製造するためには、発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石としては、
好ましくは、焼成・発泡後の単位容積質量が0.02〜0.09kg/リットルの発泡倍率が大きい天然ガラス質岩石と、焼成・発泡後の単位容積質量が0.1〜0.5kg/リットルの発泡倍率が小さい天然ガラス質岩石とを用い、
さらに好ましくは、焼成・発泡後の単位容積質量が0.025〜0.08kg/リットルの発泡倍率が大きい天然ガラス質岩石と、焼成・発泡後の単位容積質量が0.12〜0.4kg/リットルの発泡倍率が小さい天然ガラス質岩石とを用い、
特に好ましくは、焼成・発泡後の単位容積質量が0.03〜0.07kg/リットルの発泡倍率が大きい天然ガラス質岩石と、焼成・発泡後の単位容積質量が0.15〜0.35kg/リットルの発泡倍率が小さい天然ガラス質岩石とを用いることにより、単位容積質量を広い範囲で制御してパーライトを製造することができる。
発泡倍率が大きい天然ガラス質岩石の焼成・発泡後の単位容積質量が0.02kg/リットルより小さい場合、生成するパーライト粒子の強度が低くなり過ぎることから実用上好ましくない。また、0.09kg/リットルを超えて大きい場合、発泡倍率が小さい天然ガラス質岩石の焼成・発泡後の単位容積質量(0.1〜0.5kg/リットル)と近似してしまい、発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石を用いて調整できるパーライトの単位容積質量の範囲が狭くなることから好ましくない。
発泡倍率が小さい天然ガラス質岩石の焼成・発泡後の単位容積質量が0.5kg/リットルより大きい場合、発泡倍率が小さい天然ガラス質岩石の焼成・発泡後の単位容積質量(0.02〜0.09kg/リットル)との差異が大きくなり過ぎ、パーライトの製造直後には目標の単位容積質量のものが得られていても、輸送などの操作の過程で材料分離を生じることがあることから好ましくない。また、0.1kg/リットルより小さい場合、発泡倍率が大きい天然ガラス質岩石の焼成・発泡後の単位容積質量(0.02〜0.09kg/リットル)と近似してしまい、発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石を用いて調整できるパーライトの単位容積質量の範囲が狭くなることから好ましくない。
本発明では、発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石を使用する。
天然ガラス質岩石としては、真珠岩及び/又は松脂岩から選ばれる発泡倍率が異なる2種類の岩石を用いることが好ましく、真珠岩および松脂岩とは焼成時間などの焼成条件が大きく異なる黒曜石は使用できない。
原料に用いる天然ガラス質岩石は、必要に応じて150〜800℃の温度でそれぞれ予備加熱して含有水分の一部を除去し、水分量を0.5〜4重量%に調整することが好ましい。予備加熱温度が150℃よりも低い場合、水分が揮発し難く、予熱時間を長くする必要があり、実用的でないため好ましくなく、800℃よりも高い場合は、水分の揮発速度が速くなり、水分量の調整が難しくなるため好ましくない。また、水分量を0.5〜4質量%に調整した場合、爆発的な発泡が抑えられ、閉鎖型気孔からなる吸水率の低い発泡体が得られることから好ましい。
水分量が0.5質量%より少なくなると焼成・発泡時に発泡が不十分となり、単位容積質量を0.3kg/リットル以下とすることが困難になったり、発泡が良好に進行しないため焼成して得たパーライト中に未発泡粒子が混入する場合があるため好ましくなく、4質量%以上の場合は、焼成過程で過発泡が起こり開気孔が生成し易くなるため好ましくない。
天然ガラス質岩石の乾燥および予備加熱を行なう装置としては、例えばロータリドライヤ、電気炉等の通常乾燥処理に使われている加熱装置を適宜選択して使用できる。
天然ガラス質岩石の粉砕処理に使用する粉砕装置は、例えばジョークラッシャやボールミル、竪型ミル等の通常使用されている粉砕装置が適宜使用でき、必要に応じてこれらを併用して使用することもできる。
焼成・発泡時の嵩比重が異なる2種類の天然ガラス質岩石を予備加熱して調製した2種類の岩石粒は、焼成・発泡後に目標となる単位容積質量を有するパーライトが得られるように混合割合を設定して均一に混合する。
混合処理に用いる混合装置は、砂や高炉スラグ粉、或いはセメントなどを混合するのに用いられる一般的な混合装置を適宜選択して用いることができる。
焼成・発泡時の嵩比重が異なる2種類の天然ガラス質岩石粒混合物は、それぞれの岩石粒が良好に発泡する温度を選択して焼成・発泡処理され、好ましくは950〜1250℃の範囲、さらに好ましくは1000〜1200℃の範囲、特に好ましくは1025〜1175℃の範囲で焼成・発泡させることによって、良好な発泡状態のパーライトを安定して製造できる。
また、2種類の天然ガラス質岩石の原石粒は、目標の単位容積質量が得られる比率となるように、焼成装置に別々に定量供給して前記焼成温度で焼成・混合しても良い。この方法の場合、焼成前に2種類の精石を混合する工程が省略できるためより好ましい。
焼成・発泡に用いる焼成装置としては、本発明で好ましい焼成温度を安定して保持できる装置であれば特に限定されるものではなく、例えばロータリキルン、電気炉および竪型気流焼成炉等、パーライトの製造時に一般的に使われているものが使用できる。
本発明の製造方法によって焼成・発泡して得られたパーライトは、単位容積質量を調整するための混合操作を行うことなく、各用途に合致した所定の単位容積質量を満足しており、各種用途に好適に使用することができる。
また、2種類の天然ガラス質岩石(原石)の混合比率の調整により、使用用途・使用条件に適した単位容積質量を適確に実現でき、かつ、2種類の天然ガラス質岩石(原石)がそれぞれ高い発泡倍率を得られる条件で焼成されることから、得られたパーライトは未発泡粒子を含まず、左官材用モルタルやサイディングボード用の原材料として使用した場合に、特に優れた特性を得ることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(1)良好な発泡倍率の得られる温度範囲の測定
原料には、佐賀県産の真珠岩を250℃で20分間加熱して粒度0.3〜0.6mmに粉砕、粒度調整して得られた岩石粒(精石)と、大分県産の真珠岩を300℃で20分間加熱し、粒度0.3〜0.6mmに粉砕、粒度調整して得られた岩石粒(精石)とを使用した。
粉砕装置にはブラウンミル(吉田製作所社製)、加熱処理は箱型電気炉(アドバンテック東洋社製)を使用した。それぞれの岩石粒の強熱減量から計算した水分量は、佐賀県産の真珠岩が3.0%および大分県産の真珠岩が2.1%であった。これらの岩石粒(精石)を個別に、箱型電気炉を用いて温度950〜1150℃で、30秒間焼成した。それぞれの岩石粒(精石)および箱型電気炉焼成品の単位容積質量をJIS A 5007に準拠して測定し、発泡倍率を求めた。
結果を図2に示す。最大発泡倍率に対する割合が95%以上の発泡倍率が得られる温度範囲は、佐賀県産真珠岩が1085〜1150℃、大分県産真珠岩が1070〜1128℃であり、1085〜1128℃の温度範囲では、両者が共通して良好な発泡倍率を得ることができた。
(2)パーライトの製造
佐賀県産の真珠岩を250℃で20分間加熱し、0.3mm全通となるよう粉砕した。大分県産の真珠岩を300℃で20分間過熱し、0.3mm全通となるよう粉砕した。それぞれの岩石粒(精石)をそれぞれ単独で縦型気流焼成炉(炉内径;φ50mm、長さ;1m)を使用して、両者が共通して良好な発泡倍率を得ることができる1100℃で焼成し、パーライトA、Hを得た。得られたパーライトの単位容積質量をJIS A 5007に準拠して単位容積質量を測定した結果、佐賀県産真珠岩を焼成して得たパーライトAの単位容積質量は0.051kg/リットルで、大分県産真珠岩を焼成して得たパーライトの単位容積質量は0.178kg/リットルであった。
次に、焼成パーライトの目標の単位容積質量を0.09kg/リットル、0.12kg/リットル、0.16kg/リットルとし、佐賀県産真珠岩と大分県産真珠岩の混合割合をそれぞれの場合について計算した。計算結果を以下に示す。
Figure 2008201630
前記の計算結果に基づいて、表1に示す配合比率で佐賀県産真珠岩と大分県産真珠岩とを別々の定量供給装置を用いて縦型気流焼成炉に送入し、縦型気流焼成炉下部より780mmの部分の温度を1100℃に保持して焼成・混合し、パーライトE〜G(実施例1〜3)を得た。
また、佐賀県産真珠岩の岩石粒(精石)のみを使用して、焼成パーライトの目標の単位容積質量を0.09kg/リットル、0.12kg/リットル、0.16kg/リットルとし、焼成温度をそれぞれ1080℃、1070℃、1050℃に保持して焼成し、パーライトB〜D(比較例1〜3)を得た。なお、目標の単位容積質量に対応した焼成温度は、事前に佐賀県産真珠岩について焼成温度に対する発泡倍率を測定した結果(図2)に基づいて設定した。
(3)パーライトの物性測定
得られたパーライト(B〜G)の単位容積質量を前記と同様にJIS A 5007に準拠して測定した。
次に、パーライト(A〜H)を5リットルのプラスチック製円筒容器内(内寸法;直径φ160mm、高さ270mm)に充填し、容器をテーブルバイブレーター(丸東製作所社製)に固定して10分間振動を与えた後、プラスチック製円筒容器上部(上から160mmまでの部分)のパーライトと下部(底から110mmまでの部分)のパーライトを別々に採取し、それぞれ単位容積質量をJIS A 5007に準拠して測定して、容器内の上部と下部との単位容積質量の差異を測定した。
単位容積質量の測定結果を表3に示す。
また、得られたパーライトの形状を走査型電子顕微鏡(日本電子データム社製JSM−5400)で観察した。観察の結果を図3〜6に示す。
(4)パーライトモルタルのスジ引き試験
得られたパーライトA〜Hに、セメント(宇部三菱セメント社製普通ポルトランドセメント)およびJIS A 5201に準拠して測定されるフロー値が180〜200mmとなるよう水と混和剤(山宗化学社製、ヴィンソルW)を加えてホバートミキサーで3分間混練し、モルタルを作製した。モルタルの配合を表2に示す。
練り上がったモルタルを左官鏝および鏝板を用い、平板に全量塗りつけ、鏝圧をかけてすり合わせ、0.5mm程度の厚さにしたときにモルタル表面に発生したスジの数を測定した。
モルタル表面に発生したスジの本数の測定結果を表3に示す。
佐賀県産真珠岩を原料として1100℃で焼成して得たパーライトA(参考例1)の単位容積質量は、振動付与無しの場合、0.051kg/リットルであり、振動を付与した場合の容器の上部と下部から採取されたパーライトの単位容積質量の差は0.004kg/リットルと小さかった。
佐賀県産真珠岩を原料とし、縦型気流焼成炉の下部より780mmの部分の温度を1050〜1080℃で焼成したパーライトB、C、D(比較例1、2、3)は、振動付与前の単位容積質量はそれぞれ0.083kg/リットル、0.111、kg/リットル、0.150kg/リットルとほぼ目標の単位容積質量に近くなったが、振動を付与した場合、振動により未発泡の粒子が下部へ移動するため、容器上部と容器下部から採取したパーライトの単位容積質量の差は0.035kg/リットル以上と非常に大きくなった。また、パーライトCの顕微鏡観察結果からは未発泡粒子が確認された。さらに、これらのパーライトを用いたモルタルに関するスジ引き試験においても、パーライトB〜Cは未発泡粒子が鏝圧をかけても潰れないため、スジの本数が19〜47本と多く、良好な仕上がり面を形成できなかった。
佐賀県産原石と大分産原石とを焼成・混合したパーライトE〜G(実施例1〜3)は、ほぼ目標通りの単位容積質量が得られた。これらのパーライトの場合、振動付与を行っても容器上部と下部から採取したパーライトの単位容積質量の差を測定した結果は0.021kg/リットル以下と小さく、また、顕微鏡観察では未発泡粒子は認められなかった。さらに、モルタルのスジ引き試験の結果、未発泡粒子の残存に起因するスジは発生せず、良好なモルタル仕上げ面を形成できた。
Figure 2008201630
Figure 2008201630
Figure 2008201630
発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石を各種温度で焼成した場合の単位容積質量と発泡倍率の変化を示す模式図である。 産地が異なり発泡倍率が異なる2種類の天然ガラス質岩石を各種温度で焼成した場合の発泡倍率の変化を示す模式図である。 佐賀県産真珠岩を焼成して得られたパーライトAの電子顕微鏡写真である。 佐賀県産真珠岩を焼成して得られたパーライトCの電子顕微鏡写真である。 佐賀県産真珠岩と大分産真珠岩とを焼成混合して得られたパーライトFの電子顕微鏡写真である。 佐賀県産真珠岩と大分産真珠岩とを焼成混合して得られたパーライトGの電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. 焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石を、950℃〜1250℃の温度で焼成・発泡させるパーライトの製造方法であって、2種類の天然ガラス質岩石を、粉砕・混合し、または、混合粉砕し、該混合物を前記温度範囲で焼成・発泡させることを特徴とするパーライトの製造方法。
  2. 焼成・発泡後の単位容積質量が異なる2種類の天然ガラス質岩石を、950℃〜1250℃の温度で焼成・発泡させるパーライトの製造方法であって、2種類の天然ガラス質岩石を、粉砕して焼成装置に別々に投入して焼成装置内で焼成・混合することを特徴とするパーライトの製造方法。
  3. 2種類の天然ガラス質岩石は、焼成・発泡後の単位容積質量がそれぞれ0.02〜0.09kg/リットルと0.1〜0.5kg/リットルであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパーライトの製造方法。
  4. 焼成・発泡後の単位容積質量が0.02〜0.09kg/リットルの天然ガラス質岩石(X質量部)と焼成・発泡後の単位容積質量が0.1〜0.5kg/リットルの天然ガラス質岩石(Y質量部)との混合割合は、X/Y=2/98〜90/10であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパーライトの製造方法。
  5. 2種類の天然ガラス質岩石を焼成して得られたパーライトの単位容積質量は、0.05〜0.3kg/リットルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパーライトの製造方法。
  6. 2種類の天然ガラス質岩石は、真珠岩及び/又は松脂岩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパーライトの製造方法。
  7. 2種類の天然ガラス質岩石は、それぞれ150〜800℃の温度で予備加熱して水分量を0.5〜4重量%に調整されたのち粉砕される、または、粉砕されてそれぞれ150〜800℃の温度で予備加熱して水分量を0.5〜4重量%に調整されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のパーライトの製造方法。
  8. パーライトは、左官材用またはサイディングボード用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のパーライトの製造方法。
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