JP2008227331A - 半導体モジュール、これに用いられる回路基板およびその製造方法 - Google Patents

半導体モジュール、これに用いられる回路基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い放熱性と、冷熱サイクルに対する高い耐久性を兼ね備えた半導体モジュールを得る。
【解決手段】この半導体モジュール1においては、回路基板2と放熱部材3とがはんだ層4により接合される。回路基板2は、セラミックス基板5とその両側に接合された金属回路板6、金属放熱板7とからなり、金属回路板6とセラミックス基板5間、および金属放熱板7とセラミックス基板5間は、ろう材により強固に接合されている。放熱部材3の表面(金属回路板7と接合させる側の面)に、複数の凹凸が形成された放熱部材接合領域11が設けられている。この放熱部材接合領域11においては、互いに平行な線状の凹凸が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に大電力で動作する半導体チップを搭載する半導体モジュール、およびこれに用いられる回路基板の構造に関する。また、この回路基板の製造方法に関する。
近年、電動車両用インバータとして高電圧、大電流動作が可能なパワー半導体モジュール(例えばIGBTモジュール)が用いられている。こうした半導体モジュールには、電気的絶縁性と熱伝導率が高く、機械的強度の高い回路基板に半導体チップが接合された形態のものが用いられる。この構造の一例の断面図を図6に示す。ここで、この半導体モジュール51においては、回路基板52と半導体チップ53とが第1のはんだ層54により接合される。回路基板52は、セラミックス基板55とその両側に接合された金属回路板56、金属放熱板57とからなり、金属回路板56とセラミックス基板55間、および金属放熱板57とセラミックス基板55間は、ろう材(図示せず)により強固に接合される。金属回路板56は配線となるパターンをなして形成され、この上にはんだ層54を介して半導体チップ53が接合される。金属放熱板57はこの回路基板52の放熱性を高めるためにセラミックス基板55のほぼ全面にわたり形成される。セラミックス基板55は例えば熱伝導率が大きく、電気的絶縁性と強度に優れた窒化珪素セラミックスであり、金属回路板56と金属放熱板57は共に銅やアルミニウム等の熱伝導率の大きな金属で形成される。また、半導体チップ53の反対側には、さらにこの放熱性を高めるために、金属放熱板57に放熱部材58が第2のはんだ層59により接合される。放熱部材58はこの半導体モジュール51における支持基板ともなり、例えば銅および/またはアルミニウムで形成される。ここで、セラミックス基板55と金属回路板56との接合、およびセラミックス基板55と金属放熱板57との接合には、接合強度は高いが接合に高温(600℃以上)を要するろう付けが用いられる。一方、半導体チップ53が高温には耐えられないために、半導体チップ53と金属回路板56との接合には、接合強度は弱いが接合に高温(350℃よりも高い温度)を必要としないはんだが用いられている。金属放熱板57と放熱部材58との接合は回路基板52に半導体チップ53を接合した後、又はこの接合と同時に行われるため、同様にはんだが用いられる。
こうした半導体モジュール51を含む装置がONとなっている場合、半導体チップ53が自己の発熱によって高温になる。一方、この半導体モジュール51を含む装置がOFFの場合には、この発熱はなくなるため、半導体チップ53は冷却水温またはモジュールが曝される雰囲気温度と等しくなる。従って、通常の使用において、この半導体モジュール51は、多数回の冷熱サイクルにさらされる。この半導体モジュール51を構成する構成要素の室温での熱膨張係数は、例えば、半導体チップ53を構成するシリコンでは3.0×10−6/K、セラミックス基板55を構成する窒化ケイ素は3.0×10−6/K以下、金属回路板56、金属放熱板57を構成する銅は16.7×10−6/K程度と異なる。このため、これらを接合した場合、この冷熱サイクルに際しては、この熱膨張差に起因した反りが半導体モジュール51に発生する。また、この反りの大きさや方向は、このサイクル中で変化する。この反りに際して、以上の構成の中で最も機械的強度が小さなはんだ接合部(第1のはんだ層54、第2のはんだ層59)に亀裂進展や剥離が進行することがある。特に、面積が大きな第2のはんだ層59においては、冷熱サイクルによる反り量が大きいため金属放熱板の端部から亀裂が発生し、これが内部に向かって進展することにより剥離する場合が多い。従って、こうした大電力の半導体モジュールにおいては、放熱性の高さと、冷熱サイクルに対する耐久性の高さが同時に要求される。
はんだ層の厚さを厚くしてはんだ層に生じるせん断歪または相当塑性歪を小さくすることが、接合部の亀裂進展を抑制するためには有効である。しかしながら、はんだの熱伝導率は高くても30〜40W/m/K程度であり、金属回路板、金属放熱板やセラミックス基板よりもはるかに小さいため、はんだ層を厚くすれば回路基板のモジュールの熱抵抗が大きくなり放熱性は悪くなる。また、前述のような熱伝導率の大きなはんだ材料を得ることは困難である。従って、回路基板、または半導体モジュールにおける放熱性の高さと耐久性を両立させることは困難であった。
このために、はんだ接合部(はんだ層)への応力集中を抑制し、はんだ接合部の破断を抑制して信頼性を向上させた構造が各種提案されている。例えば、特許文献1では、接合された金属放熱板において、セラミックス基板と接合されていない部分の厚さを部分的に薄くすることが記載されている。また、特許文献2には、金属回路板および金属放熱板の外周部に段差を設けた構造が記載され、特許文献3には、金属回路板に部分的に溝等を設けた構造が記載されている。これらの構造では、段差部や溝部に応力を集中させ、はんだ層に応力が集中しない構成としている。また、特許文献4には、はんだ層の厚さ、金属回路板や金属放熱板の厚さを最適化する事により回路基板全体に加わる応力を調整し、はんだ層に加わる機械的歪みを最小限にすることが記載されている。これにより、はんだ層の破断がしにくい回路基板が得られた。
特開2000−101203 特開平10−4156 特開平10−84059 特開2003−204020
しかしながら、特許文献1〜3に記載の技術においては、接合部(はんだ層)への応力集中を防止するということが主眼となっている。このため、代わりにはんだ層以外の構成要素に対してこの応力が集中し、その構成要素が壊れやすくなることは避けられない。例えば、特許文献1に記載の技術においては、部分的に薄くされた金属放熱板が接するセラミックス基板の耐久性に問題が出る。また、特許文献2、3に記載の方法では金属回路板の外周の段差部や溝部が破断しやすくなる。はんだ接合部が破断する場合よりもこれらの部分が破断する方が半導体モジュールの動作自体に対する影響は小さいものの、回路基板が部分的に壊れるという点では変わらないため、信頼性に対してはやはり好ましくない影響がある。
一方、特許文献4に記載の技術においては、具体的には、例えばはんだ層の厚さを厚くしたり、金属放熱板を厚くすることが記載されているが、これらにより回路基板の放熱性は低くなる。従って、耐久性と放熱性を両立させた構造を得ることは困難であることは明らかである。
従って、高い放熱性と冷熱サイクルに対する高い耐久性を兼ね備えた半導体モジュールを得ることは困難であった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本願第一の発明の要旨は、セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板上に半導体チップが搭載され、前記金属放熱板がはんだ層を介して放熱部材に接合されてなる半導体モジュールであって、前記放熱部材における前記金属放熱板と接する側の面に複数の凹凸が形成された放熱部材接合領域が設けられ、前記放熱部材は前記放熱部材接合領域において前記金属放熱板とはんだ層を介して接合されたことを特徴とする半導体モジュールに存する。
前記放熱部材接合領域には、互いに平行に形成された線状の凹凸パターンが形成されていることが好ましい。
前記放熱部材接合領域には、配列された複数の凸形状パターン又は凹形状パターンを形成してもよい。
第一の発明においては、前記金属放熱板における前記放熱部材と接する側の面に、前記放熱部材接合領域と嵌合する形状となる凹凸が形成された放熱板接合領域が設けられ、前記放熱板接合領域と前記放熱部材接合領域とがはんだ層を介して接合されることが好ましい。
本願第二の発明の要旨は、セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板上に半導体チップが搭載され、前記金属放熱板がはんだ層を介して放熱部材に接合されてなる半導体モジュールであって、前記金属放熱板における前記放熱部材と接する側の面に複数の凹凸が形成された放熱板接合領域が設けられ、前記金属放熱板は前記放熱板接合領域において前記放熱部材とはんだ層を介して接合されたことを特徴とする半導体モジュールに存する。
前記放熱板接合領域には、互いに平行に形成された線状の凹凸パターンが形成されていることが好ましい。
前記放熱板接合領域には、配列された複数の凸形状パターン又は凹形状パターンを形成してもよい。
本願第三の発明の要旨は、セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板であって、前記金属放熱板における前記セラミックス基板に接する面と反対側の面に複数の凹凸が形成された放熱板接合領域が設けられたことを特徴とする回路基板に存する。
前記放熱板接合領域には、互いに平行に形成された線状の凹凸パターンが形成されていることが好ましい。
前記放熱板接合領域には、配列された複数の凸形状パターン又は凹形状パターンを形成してもよい。
本願第四の発明の要旨は、セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板が放熱部材に接合される半導体モジュールの製造方法であって、前記金属放熱板における前記放熱部材と接する側の面に複数の凹凸を有する放熱板接合領域を形成し、前記放熱板における前記放熱板接合領域と前記放熱部材とをはんだ層を介して接合することを特徴とする半導体モジュールの製造方法に存する。
前記放熱部材における前記金属放熱板と接する側の面に、前記放熱板接合領域と嵌合する形状となる凹凸を有する放熱部材接合領域を形成し、前記放熱板接合領域と前記放熱部材接合領域とをはんだ層を介して接合することを特徴とする半導体モジュールの製造方法に存する。
本願第五の発明の要旨は、セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板が放熱部材に接合される半導体モジュールの製造方法であって、前記放熱部材における前記金属放熱板と接する側の面に複数の凹凸を有する放熱部材接合領域を形成し、前記放熱部材における前記放熱部材接合領域と前記金属放熱板とをはんだ層を介して接合することを特徴とする半導体モジュールの製造方法に存する。
本発明は以上のように構成されているので、高い放熱性と、冷熱サイクルに対する高い耐久性を兼ね備えた半導体モジュールを得ることができる。
以下、本発明について具体的な実施形態を示しながら説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す組立斜視図が図1である。この半導体モジュール1においては、回路基板2と放熱部材3とがはんだ層4により接合される。回路基板2は、セラミックス基板5とその両側に接合された金属回路板6(図1中では上側)、金属放熱板7(図1中では下側)とからなり、金属回路板6とセラミックス基板5間、および金属放熱板7とセラミックス基板5間は、ろう材(図示せず)により強固に接合されている。金属回路板6は配線となるパターンをなして形成され、この上に半導体チップ8が接合される。金属放熱板7はこの回路基板2の放熱性を高めるためにセラミックス基板5のほぼ全面にわたり形成される。金属放熱板7には、さらにこの放熱性を高めるために、放熱部材3がはんだ層4により接合される。放熱部材3はこの半導体モジュール1における支持基板ともなる。
この半導体モジュールを製造するにあたっては、まず、セラミックス基板5と金属回路板6、金属放熱板7を接合した回路基板2を製造する。次に、この回路基板2上に半導体チップ8をはんだ層(図示せず)により接合し、搭載する。以上の工程は通常行われている回路基板の製造方法と変わりがないため、詳細な説明は省略する。次に、この半導体チップ8が搭載された回路基板2を放熱部材3にはんだ層4により接合する。
ここで、搭載される半導体チップ8は例えばシリコンで形成されたIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のパワー半導体素子等である。この半導体モジュールが使用される際には、この半導体チップ8には大きな電流が流れるため、熱を発生する。回路基板2や放熱部材3はこの放熱を行なう。
回路基板2において、セラミックス基板5は熱伝導率の高い絶縁材料で、例えば厚さが0.32mm程度の厚さの窒化珪素セラミックス(熱伝導率:90W/m/K)である。
金属回路板6は、この回路基板2における配線としての役割を果たすため、高い熱伝導率と低い電気抵抗率を兼ね備えた材料として銅(熱伝導率:390W/m/K程度)が用いられ、配線となる所定のパターンをなしている。なお、銅合金やアルミニウム(熱伝導率:230W/m/K程度)およびこれらの合金を用いてもよい。その厚さは、この半導体モジュール1における金属回路板6のパターンや大きさ等を考慮し、全体の熱抵抗値を考慮した上で、0.1〜3.0mmの範囲から適宜選択される。
金属放熱板7の材料は金属回路板6と同様とし、その厚さも金属回路板6と同様に0.1〜3.0mmとすることが好ましい。ただし、金属回路板6と金属放熱板7の厚さは、金属回路板6のパターン形状にもよるが、一般には金属回路板6と金属放熱板7の厚さが同等か、または金属回路板6のほうが、金属放熱板7の厚さよりも厚くなるように用いられる。これにより、一般には回路基板2の反りが小さくなる。また、金属放熱板7は放熱性を大きくするために設けられるため、一般には金属回路板6よりも大きな面積をもち、セラミックス基板5のほぼ全面にわたり形成される。
ここで、回路基板2において、セラミックス基板5と金属回路板6との接合、およびセラミックス基板5と金属放熱板7との接合には、接合強度の大きなろう付け、例えば活性金属を添加したろう材を用いた接合が用いられる。この接合には高温(600℃以上)を要する。ろう材としては、例えば銀(Ag)−銅(Cu)−チタン(Ti)系の活性金属ろう材を用いることができ、700℃以上でこれらを接合することができる。また、接合後のろう材の厚さは10〜20μm程度と金属回路板6等と比べて無視できる程度に薄く、接合後にはCu、Agの拡散が生じる。このため、ろう材の熱伝導(熱抵抗)が問題になることはない。
放熱部材3は放熱ベースおよびこの半導体モジュール1の基板となる。その材料としては、厚さが2〜5mm程度の銅が用いられる。またはアルミニウムやその合金を用いてもよい。放熱部材3には、最終的に回路基板2を介して半導体チップから発生した熱が流入し、放熱部材3または放熱部材と固着された冷却フィンが、熱を大気または冷却水へと放熱する。これにより、この半導体素子の温度(特にジャンクション温度)や半導体モジュール1全体の温度上昇が抑制される。
一方、搭載する半導体チップ8が高温には耐えられないために、半導体チップ8と金属回路板6との接合には、接合に高温を必要としないはんだが用いられる。はんだとしては、例えば鉛(Pb)−スズ(Sn)系はんだ材、スズ(Sn)−銀(Ag)−鉛(Pb)系はんだ材、ならびに昨今の環境対応を考慮したPbフリーのSn−銀(Ag)系、Sn−Ag−銅(Cu)系、Sn−亜鉛(Zn)系、Sn−インジウム(In)系のはんだ材等を用いることができる。これらの接合に要する温度は200〜400℃程度と低温であるが、その接合強度は前記のろう材と比べて小さい。金属放熱板7と放熱部材3との接合は回路基板2に半導体チップ8を接合した後に行われることが多いため、はんだ層4には更に融点の低い同様のはんだ、例えば40Pb−Sn等の共晶はんだが用いられる。また、これらのはんだ材料の熱伝導率は20〜40W/m/K程度であり、セラミックス基板5、金属放熱板7等と比べて小さい。このため、はんだ層4が厚いとその部分の熱抵抗が大きくなり、放熱性が悪くなる。
この半導体モジュール1においては、放熱部材3の表面(金属放熱板7と接合させる側の面)に、複数の凹凸が形成された放熱部材接合領域11が設けられている。この放熱部材接合領域11においては、互いに平行な線状の凹凸が形成されている。この凹凸は、例えばプレス加工により形成することができる。また、前記プレス加工以外にも、加工機による溝加工や、または湿式エッチングにより形成する方法や、また凹凸が直線状になった単純形状であれば圧延加工において連続形成後に切断加工することも可能である。
一方、回路基板2における金属放熱板7において、放熱部材3と接合される側の面は平坦となっている。従って、はんだ層4を介してこれらが接合された後の図1におけるA−A方向におけるこれらの接合界面の断面図が図2である。この接合界面においては、凹凸パターンに応じて放熱部材3の材料である銅等と、はんだとが交互に存在している。はんだは銅と比べて塑性変形しやすい材料であり、かつ銅も図2に示す断面形状においては横方向に変形やすくなるため、この接合界面は、図2中の横方向の応力に対して変形しやすくなる。一方で、はんだ層は放熱部材接合領域11における凹部に入り込むことによって支持されているため、この変形に際しても破断を生ずることはない。従って、この接合界面を、回路基板2の熱膨張に対しての歪み緩和層とすることができる。
この構造とすることによって、はんだ層4の厚さは一様ではなくなり、図2に示すように、放熱部材接合領域11における凹部では厚く、凸部では薄くなる。従って、実質的にはんだ層4の厚さは、凹凸が設けられていない場合よりも厚くため、はんだ層4自体のもつ熱抵抗は大きくなる。しかしながら、放熱部材3に凹凸が設けられたことにより、放熱部材3とはんだ層4の実効表面積は大きくなる。従って、放熱部材3自体の放熱能力は向上する。従って、結果的には金属放熱板7側から放熱部材3側への熱抵抗は、凹凸を形成しない場合、すなわち放熱部材接合領域11を設けない場合と比べて劣化することはない。
従って、この構造の半導体モジュール1は高い放熱性と、冷熱サイクルに対する高い耐久性を兼ね備える。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る半導体モジュールにおいては、その基本構成をほぼ第1の実施の形態に係る半導体モジュールと同一とし、金属放熱板8の下面(放熱部材3と接合される側の面)の形態を変えている。
この半導体モジュールにおいては、金属放熱板7の下面には放熱板接合領域12が設けられている。この放熱板接合領域12においては、放熱部材接合領域11の凹凸に嵌合するように、互いに平行な線状の凹凸が形成されている。放熱部材接合領域11と同様に、例えばプレス成形によりこの凹凸を形成することも可能である。ただしこの場合、セラミックス部材に亀裂が生じないように注意する必要がある。その後、第1の実施の形態と同様に、はんだ層4を介して金属放熱板7と放熱部材3とが接合される。この際、放熱部材接合領域11の凹凸と放熱板接合領域12の凹凸とが嵌合する形態で接合される。
この接合後の金属放熱板8と放熱部材3との接合界面の断面図が図3である。この図は第1の実施の形態における図2に対応している。この接合界面においては、放熱部材接合領域11の凹凸と放熱板接合領域12の凹凸とが嵌合しているため、はんだ層4の厚さはほぼ一様に薄くなっており、厚い部分は存在しない。従って、はんだ層4自体の熱抵抗を小さくすることができる。また、放熱板接合領域12における凹凸のために金属放熱板7、はんだ層4、放熱部材3の実効面積は大きくなる。従って、特に高い放熱性を得ることができる。
一方、図3の断面形状においては、銅は横方向に変形をしやすくなっている。一方で、はんだは嵌合された凹凸パターン中に入り込むことにより支持されているため、この変形に際してもはんだ層4の破断を生ずることがない。
従って、この構造の半導体モジュールも高い放熱性と、冷熱サイクルに対する高い耐久性を兼ね備える。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る半導体モジュールにおいては、その基本構成をほぼ第1の実施の形態に係る半導体モジュールと同一とするが、凹凸パターンを金属放熱板7にのみ設けている点が異なる。
この半導体モジュールにおいては、金属放熱板7の下面には放熱板接合領域12が設けられている。この放熱板接合領域12においては、互いに平行な線状の凹凸が形成されている。その接合後の断面図が図4である。この接合界面の構造は第1の実施の形態の場合と上下関係が逆になった構造であるため、この構造においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られることは明らかである。なお、放熱板接合領域12における凹凸の形成方法についても第1の実施の形態と同様である。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る半導体モジュールにおいては、その基本構成をほぼ第1の実施の形態に係る半導体モジュールと同一とするが、凹凸パターンを異なるものとしている。この組立斜視図が図5である。この半導体モジュール21における回路基板2、半導体チップ8については第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。また、はんだ層4、放熱部材3の材質等についても同様である。
ここで用いられる放熱部材3における放熱部材接合領域31においては、図5の右側にその拡大図を示すように、複数の凸形状パターン(図5右上)又は凹形状パターン(図5右下)が配列されて形成されている。例えばプレス加工によりこの凹凸を形成することができる。
この構造における接合界面の構造は図2と同様となるため、同様の効果が得られる。ただし、第1の実施の形態においては図1におけるA−Aの方向の断面だけが図2の形態となっていたのに対して、この半導体モジュール21においては、これと垂直な方向においても同様の形態となる。従って、回路基板2または放熱部材3の熱膨張に際して変形しやすくかつ破断し難いという特徴を、これらの両方向に対してもつ。また、高い放熱性を備えるという点については第1の実施の形態と同様である。
従って、この構造の半導体モジュールは、高い放熱性と冷熱サイクルに対する高い耐久性を兼ね備える。
なお、第4の実施の形態における上記の例においては、金属放熱板7の表面は平坦とし、放熱部材3の表面に放熱部材接合領域31を設けていた。これに対して、逆に放熱部材3の表面は平坦とし、金属放熱板7の表面に同様の構造の放熱板接合領域を設けることもできる。さらに、第2の実施の形態と同様に、放熱部材接合領域と放熱板接合領域を共に設け、これらを嵌合させた形態とすることもできる。
以下では本発明における実施例(従来技術である比較例も含む)について説明する。
セラミックス基板として窒化珪素セラミックスを用いた。その焼結後の厚さは0.32mmtとし、300mm程度の大きさから、レーザー加工により所望の形状にセラミックス基板を加工した。ここでは、回路基板単体で50×50mmサイズの回路基板を4個取りで作製した。
次に、あらかじめ脱脂・焼結前にシート表面に塗布しておいたh−BN等の潤滑物質等を湿式ブラスト処理で基板表面の清浄化と平滑化を行った。この窒化珪素セラミックス基板の特性は、3点曲げ強度700MPa以上、熱伝導率が90W/m/K以上、破壊靭性値が5MPa・m1/2以上であった。ちなみにこの窒化珪素セラミックス基板については、焼結条件や助剤量や成分により熱伝導率が120W/m/Kのものから60W/m/Kのものまで用途に応じて作製することが可能である。
金属回路板及び金属放熱板の材質は無酸素銅(ろう付熱処理後の降伏応力が20MPa程度)とした。その厚さは、金属回路板、金属放熱板共に1.5mmtとした。窒化珪素セラミックス基板は厚さ0.32mmtのものを用いた。放熱部材としては、厚さ3mmtで、回路基板よりもサイズが大きい銅板(80×60mmサイズ)を用いた。
金属回路板、金属放熱板とセラミックス基板を接合する工程においては、セラミックス基板もしくは前記金属板の表面に銀(Ag)−銅(Cu)−チタン(Ti)系の活性金属ろう材を印刷し、700℃以上でこれらを接合した。金属回路板および金属放熱板を湿式エッチングで加工して個々の回路基板を形成した。尚、このエッチング工程では、事前に、ろう付接合された金属板とセラミックス基板の接合体の金属板上に感光性レジストをラミネーションにより貼り付け、露光・現像処理の後、表裏の金属板表面に所望のレジストパターンを形成した。その後、塩化鉄溶液等を用いた湿式エッチングにより、金属板の不要部を除去して所望の金属回路パターン(金属回路板および金属放熱板)を同時に形成した。次に前記のレジストを除去し、洗浄・乾燥を行った。また回路基板の個片への分割は、その後に行った。
半導体チップを接合するはんだ接合層の材質にはSn−3Ag−1.5Pb組成で、0.2mmtのシートを使用した。金属放熱板と放熱部材を接合するはんだ接合層には40Pb−Sn組成のはんだシート(厚みが0.1〜0.2mmt)を用い、いずれもリフロー炉を用いて各々355℃および235℃で別々に接合した。ここで、後者のはんだ層に用いたシートには50μmサイズのニッケル(Ni)ボールを予め添加してある。はんだ層による接合は、前者のはんだ接合層、後者のはんだ接合層の順で行った。また、必用に応じて回路基板または半導体素子に荷重を印加し、はんだ接合層の厚さを調整した。尚、溶融はんだが接合部以外に流出しないように、周囲にはんだレジストを形成した。
金属回路板の回路パターンとしては、平板を3分割したパターンを採用し、そのうちの2つのパターン上にのみ半導体素子を各々1個ずつ実装した。更にPPS樹脂ケースとこの半導体モジュールを接着した。尚、前記ケースの端子と半導体素子および金属回路パターンを電気的に接続するボンディングワイヤーには、太さ0.3mm径のアルミワイヤーを用いて超音波接合した。以上のようにして半導体モジュールを作製した。その後、半導体チップとワイヤーを保護するゲル封止を行った。
このようにして作製した半導体モジュールを雰囲気温度が25℃(保持時間5分)→−40℃(保持時間15分)→25℃(保持時間5分)→125℃(保持時間15分)→25℃を1サイクルとした冷熱サイクル(冷熱衝撃試験)試験装置に投入し、所定サイクル後のはんだ層の亀裂進展に対応するボイド率の増加を超音波顕微鏡を用いて評価した。反り測定は3次元レーザー測定装置または断面観察から評価した。はんだ層の厚みはモジュール切断後の断面観察で評価した。また、半導体チップ側から放熱部材の裏面までの熱抵抗を、所定電力を所定時間印加する前後での半導体チップのPN接合部の順方向電圧変化から、事前に測定しておいた電圧・温度の検量線から温度換算し、熱抵抗値(温度上昇/印加電力:単位℃/W)、特に熱抵抗の飽和値を求める、熱抵抗評価装置(キャッツ電子製)を用いて実測した。また前記熱抵抗についても、初期の値と、所定サイクル数の熱サイクル印加後の値を測定し、その増加率を調べた。
また、各実施例における放熱部材又は金属放熱板の表面の凹凸であるが、金属放熱板は機械加工で形成し、放熱部材はプレス加工し、その凹凸の深さは0.5mmとし、その凸部の幅及び凹部の幅(図2等参照)を変えた半導体モジュールを作成した。また、はんだ層の厚さは、これを平坦とした場合の換算値で0.5mmとした。金属放熱板の凹凸形成の別手法としては、既述した湿式エッチング法や、または予め凹凸をプレス等で形成した金属板を、金属放熱板として用い、凹凸の無い面とセラミックスを接合してもよい。
実施例1〜5は、第1の実施の形態(図1、図2)の構造における放熱部材の凸部の幅と凹部の幅を変えた(凸部:0.5〜3.0mm、凹部:0.8〜3.3mm)半導体モジュールである。実施例6〜10は、第2の実施の形態(図3)の構造における金属放熱板及び放熱部材の凸部の幅と凹部の幅を変えた(凸部:0.5〜3.0mm、凹部:0.8〜3.3mm)半導体モジュールである。実施例11〜15は、第4の実施の形態(図5)における放熱部材の凸部の幅と凹部の幅を変えた(凸部:0.5〜3.0mm、凹部:0.8〜3.3mm)半導体モジュールである。実施例16〜20は、第4の実施の形態において、放熱部材接合領域と放熱板接合領域を共に設け、これらを嵌合させた場合の凸部の幅と凹部の幅を変えた(凸部:0.5〜3.0mm、凹部:0.8〜3.3mm)半導体モジュールである。比較例は、放熱部材、金属放熱板のいずれにも凹凸を設けない従来の構造において、はんだ層の厚さを0.04〜0.19mmとした半導体モジュールである。
以上の試料についての、初期(熱サイクル印加前)の熱抵抗値、はんだ層におけるボイド増加率を測定した結果を表1に示す。
Figure 2008227331
比較例においては、はんだ層を0.04mmと薄くした場合(比較例1)には、熱抵抗値は低くなるが、耐久性(ボイド増加率)が47.6%と劣化する。一方、はんだ層を0.19mmと厚くした場合にはボイド増加率は38.2%となるが、熱抵抗が0.263℃/Wと大きくなり、熱抵抗と耐久性(ボイド増加率)とはトレードオフの関係となった。これに対して、全ての実施例においては、比較例と同等あるいは同等以下の熱抵抗値でありながら、ボイド増加率が低下している。従って、全ての実施例は低い熱抵抗値と高い耐久性とを兼ね備えることが確認された。特に、凹凸の間隔が小さい方が良好な耐久性(低いボイド増加率)が得られることが確認された。
第1の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す組立斜視図である。 第1の実施の形態に係る半導体モジュールにおける金属放熱板と放熱部材との接合界面の断面図である。 第2の実施の形態に係る半導体モジュールにおける金属放熱板と放熱部材との接合界面の断面図である。 第3の実施の形態に係る半導体モジュールにおける金属放熱板と放熱部材との接合界面の断面図である。 第4の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す組立斜視図である。 従来の半導体モジュールの構造を示す断面図である。
符号の説明
1、21、51 半導体モジュール
2、52 回路基板
3、58 放熱部材
4、59 はんだ層
59 第2のはんだ層
54 第1のはんだ層
5、55 セラミックス基板
6、56 金属回路板
7、57 金属放熱板
8、53 半導体チップ(素子)
11、31 放熱部材接合領域
12 放熱板接合領域

Claims (13)

  1. セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板上に半導体チップが搭載され、前記金属放熱板がはんだ層を介して放熱部材に接合されてなる半導体モジュールであって、
    前記放熱部材における前記金属放熱板と接する側の面に複数の凹凸が形成された放熱部材接合領域が設けられ、
    前記放熱部材は前記放熱部材接合領域において前記金属放熱板とはんだ層を介して接合されたことを特徴とする半導体モジュール。
  2. 前記放熱部材接合領域には、互いに平行に形成された線状の凹凸パターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  3. 前記放熱部材接合領域には、配列された複数の凸形状パターン又は凹形状パターンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  4. 前記金属放熱板における前記放熱部材と接する側の面に、前記放熱部材接合領域と嵌合する形状となる凹凸が形成された放熱板接合領域が設けられ、
    前記放熱板接合領域と前記放熱部材接合領域とがはんだ層を介して接合されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
  5. セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板上に半導体チップが搭載され、前記金属放熱板がはんだ層を介して放熱部材に接合されてなる半導体モジュールであって、
    前記金属放熱板における前記放熱部材と接する側の面に複数の凹凸が形成された放熱板接合領域が設けられ、
    前記金属放熱板は前記放熱板接合領域において前記放熱部材とはんだ層を介して接合されたことを特徴とする半導体モジュール。
  6. 前記放熱板接合領域には、互いに平行に形成された線状の凹凸パターンが形成されたことを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
  7. 前記放熱板接合領域には、配列された複数の凸形状パターン又は凹形状パターンが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
  8. セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板であって、
    前記金属放熱板における前記セラミックス基板に接する面と反対側の面に複数の凹凸が形成された放熱板接合領域が設けられたことを特徴とする回路基板。
  9. 前記放熱板接合領域には、互いに平行に形成された線状の凹凸パターンが形成されたことを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
  10. 前記放熱板接合領域には、配列された複数の凸形状パターン又は凹形状パターンが形成されたことを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
  11. セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板が放熱部材に接合される半導体モジュールの製造方法であって、
    前記金属放熱板における前記放熱部材と接する側の面に複数の凹凸を有する放熱板接合領域を形成し、
    前記金属放熱板における前記放熱板接合領域と前記放熱部材とをはんだ層を介して接合することを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
  12. 前記放熱部材における前記金属放熱板と接する側の面に、前記放熱板接合領域と嵌合する形状となる凹凸を有する放熱部材接合領域を形成し、
    前記放熱板接合領域と前記放熱部材接合領域とをはんだ層を介して接合することを特徴とする請求項11に記載の半導体モジュールの製造方法。
  13. セラミックス基板の両面に金属回路板および金属放熱板がそれぞれ形成された回路基板が放熱部材に接合される半導体モジュールの製造方法であって、
    前記放熱部材における前記金属放熱板と接する側の面に複数の凹凸を有する放熱部材接合領域を形成し、
    前記放熱部材における前記放熱部材接合領域と前記金属放熱板とをはんだ層を介して接合することを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
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