JP2008232105A - フリーピストンエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンが回転運動するフリーピストンエンジンを提供する。
【解決手段】ケーシング30に形成された円形の気筒K1(K2)内に、気筒中心を中心として第1ピストン41A(41B)と第2ピストン42A(42B)との2つのピストンが正逆回転可能に配設されて、気筒周方向において2つのピストン41Aと42A(41Bと42B)によって挟まれた燃焼室61A(61B)が構成される。ケーシング30には、気筒中心を中心として、第1ピストン41Aと一体に正逆回転される第1出力軸51が回転可能に保持されると共に、第2ピストン42Aと一体に正逆回転される第2出力軸52が回転可能に保持されている。第1出力軸51、第2出力軸52によって、回転式の発電機81,91が駆動される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、フリーピストンエンジンに関するものである。
近時、燃焼ガスの有する熱エネルギを高効率に取り出すという観点から、フリーピストンエンジンが注目されている。特許文献1には、往復直線運動されるフリーピストンエンジンのピストンに設けた永久磁石が、リニア発電機の磁界内を往復動されることにより発電を行うものが開示されている。また、特許文献2には、シリンダ内に嵌合されたそれぞれ往復直線運動される2つのピストン間に1つの燃焼室を構成して、燃焼室内での燃焼圧力によって2つのピストンが離間方向駆動されるフリーピストンエンジンが提案されている。
特開2003−343202号公報 特開2005−155345号公報
前述した各特許文献に記載のように、フリーピストンエンジンにおいて発電を行う場合、ピストンが往復直線運動されることに対応させて、発電機としてはリニア発電機が用いられるが、リニア発電機は回転式の発電機に比して発電効率が悪く、この点においてなんらかの対策が望まれることになる。より具体的には、発電用コイルと永久磁石との長さ(永久磁石の往復方向長さ)を同じに設定した場合、永久磁石の往復ストローク端付近では、永久磁石に対応した発電用コイルが存在しない状態が形成されてしまい、このため発電効率が悪いものとなる。また、永久磁石の往復直線運動軌跡の全長に渡って発電用コイルを長く配設した場合は、発電用コイルには発電に関与しない部分が相当長く存在してしまうと共に、発電機の全長が極めて大きくなってしまうという問題をも生じる。このような問題は、つまるところ、従来のフリーピストンエンジンでは、ピストンが往復直線運動することに起因したものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ピストンが回転運動するようにしたフリーピストンエンジンを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
ケーシングに形成された円形の気筒内に、気筒中心を中心として第1ピストンと第2ピストンとの2つのピストンが正逆回転可能に配設されて、気筒周方向において該2つのピストンによって挟まれた燃焼室が構成されており、
前記ケーシングには、気筒中心を中心として前記第1ピストンと一体に正逆回転される第1出力軸が回転可能に保持されると共に、気筒中心を中心として前記第2ピストンと一体に正逆回転される第2出力軸が回転可能に保持されており、
少なくとも前記第1出力軸または第2出力軸のいずれか一方の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機を有している、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、燃焼に応じて、各ピストンつまり各出力軸は、気筒中心を中心として回転運動としての正逆回転駆動されることになる。したがって、出力軸によって発電機を駆動する場合は、発電効率のよい回転式発電機を用いることが可能となる。また、燃焼による駆動力は、各出力軸の正逆回転運動として直接取り出されるので、例えば往復運動を正逆回転運動に変化するための特別な機構を別途用いることなく、回転式の発電機を用いることが可能となる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
気筒内に、前記燃焼室に対して前記2つのピストンによって隔離されると共に、気筒周方向において該2つのピストンによって挟まれた掃気用のポンプ室が構成されている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、2つのピストンを有効に利用して、1つの気筒内に、燃焼室の他に掃気用のポンプ室を構成することができる。換言すれば、フリーピストンエンジンそのものが掃気用ポンプの機能を兼用することになり、別途掃気用ポンプを設けることが不用になる。
前記発電機が、前記第1出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第1発電機と、前記第2出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第2発電機とされている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、各出力軸毎に個別に回転式発電機を設けてあるので、発電機の配置の自由度を高めたり、各発電機を小型化する等の上で好ましいものとなる。
それぞれ前記2つのピストンと1つの燃焼室と1つのポンプ室とを有する気筒が、第1気筒および第2気筒として2つ直列に配設され、
前記第1出力軸と第2出力軸とがそれぞれ、前記第1気筒と第2気筒とに跨って配設され、
前記第1気筒における一方のピストンと前記第2気筒における一方のピストンとが該第1出力軸を介して一体化されると共に、該第1気筒における他方のピストンと該第2気筒における他方のピストンとが前記第2出力軸を介して一体化され、
前記第1気筒における燃焼室での燃焼圧力によって前記第2気筒における燃焼室が圧縮されるように、前記第1気筒の燃焼行程と該第2気筒での燃焼行程とが相違するように設定されると共に、前記各出力軸に対する前記各ピストンの一体化の関係が設定されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、第1出力軸と第2出力軸とを、2つの気筒用として兼用させることができる。また、多気筒フリーピストンエンジンとなって、振動低減の上でも好ましいものとなる。さらに、各ピストンを圧縮方向へ戻すためのリターンスプリングを別途設けることが不用となる等、種々の効果を奏するものとなる。
前記発電機が、前記第1出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第1発電機と、前記第2出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第2発電機とされ、
前記第1出力軸が中空状とされ、
前記第2出力軸が、前記第1出力軸内に相対回転可能に嵌合されており、
前記第1発電機が、前記第1気筒と第2気筒の間の中間位置に配設され、
前記第2発電機が、気筒配列方向において、1つの気筒を挟んで前記第1発電機とは反対側に配設されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、2つの気筒と2つの発電機との合計4つの大きな機能部分を、互いに直列に配設した構造とすることができる。
気筒内に、前記2つのピストンによって互いに隔離された2つの燃焼室が構成されており、
前記2つの燃焼室のうち一方の燃焼室での燃焼圧力によって他方の燃焼室が圧縮されるように、該2つの燃焼室の燃焼行程が互いに相違されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、1つの気筒内に2つの燃焼室を構成して、ピストン1回の正逆回転あたりの出力を増大させる上で好ましいものとなる。また、別途リターンスプリングを用いることなく、2つのピストンを圧縮方向に戻すことができる。
本発明によれば、ピストンが回転運動するようにしたフリーピストンエンジンを提供することができる。
図1は、車両としての自動車を駆動するモータへの給電用としてフリーピストンエンジンを利用した場合の実施形態を示すものである。この図1において、1は駆動用(走行用)のモータで、実施形態ではACモータで構成されている。2R、2Lは左右の駆動輪(前輪または後輪)であり、この駆動輪2R、2Lは、デファレンシャルギア3を介してモータ1によって駆動される。
10は、フリーピストンエンジンであり、このフリーピストンエンジン10は、ピストンやシリンダを含むエンジン本体11と後述する発電機81.91とを含めたユニット体として構成されている。エンジン本体11は、発電機81,91を駆動するもので、発電機81、91によって発電された電力(交流)は、整流器20によって直流に変換された後、DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給される一方、余剰電力はバッテリ22に供給される。また、バッテリ22からの電力が、上記DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給されるようにもなっている。制動時の回生エネルギを回収するため、制動時には、モータ1によって発電された電力が、整流器23によって直流に変換された後、DC−DCコンバータ24によって昇圧されてバッテリ22に供給される。
自動車の運転状態に応じた電力供給の流れは、例えば次のように行われるが、フリーピストンエンジン10による最大発電量は、モータ1による最大出力を確保できる程度に十分に大きいものとされている。
(1)要求発電量が極めて少ないとき
発進時や極軽負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が大きいときである。このときは、発電機81、91での発電は行われず(フリーピストンエンジン10つまりエンジン本体11の停止状態)、バッテリ22からのみモータ1へ電力が供給される。
(2)要求発電量が少ないとき
軽負荷〜中負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機81、91での発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機81、91からもっぱらモータ1へ電力が供給される(若干の余剰電力分を発電して、余剰電力をバッテリ22に蓄電するようにしてもよい)。
(3)要求発電量が中〜大のとき
軽負荷〜高負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が少ないときである。このときは、発電機81、91で走行に必要な電力以上の十分な発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機81、91からモータ1へ電力が供給されると共に、十分な余剰電力がバッテリ22に蓄電される。
(4)回生制動時
モータ1が駆動輪2R、2Lによって駆動される発電機として機能されるときである。このときは、モータ1で発電された電力がバッテリ22に蓄電される。なお、フリーピストンエンジン10は、停止してもよいが、次の発電に備えて、極低速で運転を継続させることもできる。
次に、フリーピストンエンジン10の一例について、図2を参照しつつ説明する。この図2において、エンジン本体11はケーシング30を有し、このケーシング30内に、第1気筒K1、第2気筒K2とが構成されている。各気筒K1とK2とは、互いに気筒中心となる所定軸線L方向に間隔をあけて直列に配設されている。各気筒K1とK2との間には、回転式とされた前述の第1発電機81が配設されている。また、所定軸線L方向において、第2気筒K2を挟んで第1発電機81とは反対側において、回転式の第2発電機91が配設されている。
各気筒K1、K2の一例が、図3,図4に示されている。各気筒K1、K2は、燃焼行程が互いに相違するように設定されている以外は、実質的に同様に構成されているので、第1気筒K1に着目してその詳細について、図3を参照しつつ説明する。
図3において、第1気筒K1は、所定軸線Lを中心とする円形の空間を構成していて、この第1気筒K1内には、第1ピストン41Aと第2ピストン42Aとの2つのピストンが配設されている。また、ケーシング30には、所定軸線Lを中心として回転可能に、第1出力軸51と第2出力軸52とがそれぞれ回転可能に保持されている。第1出力軸51は中空状とされて、この第1出力軸51内に、第2出力軸52が相対回転可能に嵌合されている。
内外2重構造の関係とされた出力軸51,52のうち、外側の出力軸51に対して、前記第1ピストン41Aのうち径方向(第1気筒K1の径方向)中心側端部が一体化されている。また、内側の第2出力軸52は、その一部が第1気筒K1内に露出されていて、この第2出力軸52に対して、前記第2ピストン42Aの径方向中心側端部が一体化されている。各ピストン41Aと42Aとは、それぞれ気筒K1内を気筒周方向に分断するように円弧状とされていて、第1ピストン41は第1出力軸51を中心にして正逆回転可能とされ、第2ピストン42Aは第2出力軸52を中心として正逆回転可能とされている。
第1気筒K1内には、前述した2つのピストン41Aと42Aとによって、気筒周方向において当該ピストン41Aと42Aとによって挟まれた1つの燃焼室61Aが形成されている。また、この燃焼室61Aとは第1気筒K1の径方向反対側において、起立位置等周方向において2つのピストン41Aと42Aとによって挟まれた1つのポンプ室62Aが形成されている。2つのピストン41Aと42Aとが互いに離間する方向に変位したとき、つまり燃焼室61Aを膨張させる方向に変位したとき、ポンプ室62Aが圧縮されることになる。
ケーシング30には、第1気筒30内に開口するように吸気ポート63Aと排気ポート64Aとが形成されると共に、掃気ポート65Aが形成されている。この掃気ポート65Aは、その一端がポンプ室62Aに常時開口される一方、その他端は燃焼室61Aが排気行程となった直後付近において燃焼室61A内に開口される所定位置において第1気筒K1内に開口されている。そして、実施形態では、第1気筒K1は、2サイクルの自己着火式とされている。
第2気筒K2が、図4に示される(図3対応)。この第2気筒K2は、第1気筒K1と実質的に同じように構成されており、第1気筒K1における構成要素と同一構成要素には、第1気筒K1で用いた符号「A」に代えて「B」の符合を用いることにより、その詳細な説明は省略する。
前述した各出力軸51と52とは、2つの気筒K1とK2との共通用とされている。すなわち、各出力軸51と52とは、2つの気筒K1とK2とに跨って配設されており、内側の第2出力軸52は、第2発電機91用の駆動用として、外側の第1出力軸51よりも長くされている。
第1気筒K1における第1ピストン41Aと、第2気筒K2における第1ピストン41Bとが、第1出力軸51を介して連結(連動)されている。また、第1気筒K1における第2ピストン42Aと、第2気筒K2における第2ピストン42Bとが、第2出力軸52を介して連結(連動)されている。この、各出力軸51あるいは52を介してのピストン41A、42A、41B、42Bの連結態様の詳細が、図7〜図9に示される。すなわち、図8は、第1出力軸51を介した連結態様を示すものであり、図9は、第2出力軸52を介した連結態様を示すものであり、図7が、図8と図9とを組み合わせせた組立状態を示すものである。
2つの気筒K1、K2のうち、一方の気筒における燃焼室での燃焼圧力によって、他方の気筒の燃焼室が圧縮される関係となるように、設定されている。換言すれば、燃焼行程が2つの気筒K1とK2とで互いに相違するように設定されて、例えば一方の気筒が膨張行程のときに、他方の気筒が圧縮行程となるように設定されている。そして、このような関係を満足するように、各出力軸51,52を利用した各気筒用ピストン41A、42Aと41B、42Bとの連結関係も選択されて行われている。より具体的には、例えば、第1気筒K1における第1ピストン41Aと第2ピストン42Aとが気筒周方向において互いに離間するとき(燃焼室61Aが膨張されるときで、図3対応)に、第2気筒K2における第1ピストン41Bと第2ピストン42Bとが気筒周方向において互いに接近する(燃焼室61Bが圧縮されるときで、図4対応)ように、その連結関係が設定されている。
図5に示すように、ケーシング30は、図所定軸線L方向に分割された複数の分割ケーシング30A〜30Fを互いに一体化することにより形成されている。すなわち、分割ケーシング30Aは、図1左端部に位置されて、第1気筒K1の端面を閉塞すると共に、掃気ポート65Aが形成されている。分割ケーシング30Bは、第1気筒K1構成用とされている。分割ケーシング30Cは、第1発電機81用とされている。分割ケーシング30Dは、第2気筒K2の端面を閉塞して、掃気ポート65B(図5では図示を略す)が形成されている。分割ケーシングEは、第2気筒K2構成用とされている。分割ケーシング30Fは、第2発電機91用とされている。図5の状態から、分割ケーシング30A、30C、30D、30Fを除外した状態が、図6に示される。
図10は、回転式とされた第1発電機81部分の詳細を示すものである。この図10において、71は、第1出力軸51に一体化されて正逆回転されるロータであり、このロータ71に、第1出力軸51の周方向全長(360度の全周)に渡って永久磁石72(図1参照)が保持されている。また、73は、ケーシング30に固定されたステータであり、このステータ73に、第1出力軸51の周方向全長(360度の全周)に渡って発電用コイル74(図1参照)が保持されている。このように、永久磁石72の位置する部分には必ず発電用コイル74が位置されるので、第1出力軸51の正逆回転によって、全ての永久磁石72を利用して効率よく発電が行われることになる。
図11は、回転式の第2発電機91部分の詳細を示すものである。この第2発電機91も、第2出力軸52によって駆動される以外は、実質的に図10に示す第1発電機81と同様に構成されているので、同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する。
次に、図12〜図17を参照しつつ、実施形態における燃焼行程が変化する様子について、特に第1気筒K1に着目して詳細に説明する。まず、図12は、第1気筒K1が圧縮行程の初期にある状態で、第2気筒K2が膨張行程初期にある状態が示される。この図12の状態から、図13の状態へと進行して、第1気筒K1の圧縮が進行され、これに伴ってポンプ室65Aに対して吸気ポート63Aが開き始める。ただし、燃焼室61Aは、掃気ポート65Aと連通されていない状態である。
図13の状態から、図14の状態へと変化すると、燃焼室61Aが圧縮行程終期となって、この直後に燃焼が行われる。この図14の状態では、ポンプ室65Aに対して、吸気ポート63Aが完全に開口された状態となっていて、ポンプ室65Aに多量の吸気(混合気)が供給される。
図14の状態の直後に燃焼室61Aでの燃焼(着火)が行われると、各ピストン41Aと、42Aは、図12〜図14とは反対方向に回転され始めて、図15の状態となる(膨張初期)。
図15の状態から、図16の状態へと変化したときは、燃焼室61Aに対して排気ポート64Aが開き始めると共に、掃気ポート65Aが燃焼室61Aに開口され始めた状態となる(排気および掃気の初期状態)。
図16の状態から、図17の状態へと変化したときは、燃焼室61Aに対して、排気ポート64Aが大きく開口されると共に、掃気ポート65Aも大きく開口された状態となる。
排気行程(掃気行程)の終期となる図17の状態以後、第1気筒K1は、再び図12の状態、つまり燃焼室61Aを圧縮する方向へと回転方向が変更されることになる。
第1気筒K1が、図17の状態から図12への状態へと移行してピストン41A、42Aの回転方向が変換されるとき、この回転方向変換の力およびその後の燃焼室61Aを圧縮するための力は、第2気筒K2での燃焼圧力によって確保されることになる。
図18は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してある(前記実施形態の第1気筒K1用の符合を用いてある)。本実施形態では、1つの気筒K1のみを有するものとなっている。そして、1つの気筒K1内に、2つの燃焼室61Aと67Aを構成するようにしてある。より具体的には、前記実施形態におけるポンプ室65Aとして構成されていた部分を、燃焼室67Aとして構成したものとなっている。このため、各燃焼室61Aと67Aとの両方に、個別に吸気ポート63Aと排気ポート64Aとを設けてある。なお、掃気は、吸気ポート63Aから、掃気用ポンプで圧縮された吸気を供給することによって行うようにしてある。
図18の実施形態においても、各出力軸51,52によって、個別に2つの発電機(81,91相当で、図18では図示を略す)を駆動するようになっている。すなわち、1つの気筒K1を挟んでその気筒中心方向一端側(例えば図18における紙面手前側)に第1発電機81が配設され、気筒中心方向他端側(例えば図18において紙面裏側)に第2発電機91が配設される。
図18に示す実施形態では、一方の燃焼室での燃焼圧力によって、他方の燃焼室を圧縮する方向の力として利用して、各ピストン41A、42Aを燃焼室圧縮のために戻すためのリターンスプリングが不用となっている。また、1つの気筒に着目したとき、ピストン41Aと42Aとの1回の正逆回転によって、前記実施形態よりも2倍の燃焼回数を確保できるので、大出力確保の点でも有利である。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。図2に示す構造のものを複数並置したり、あるいは図10に示すものを例えば直列に複数配置する等、要求される発電能力に応じて気筒数を適宜選択し得るものである。各永久磁石72.74は、出力軸51あるいは52に対して一体的に設けることなく、例えば、各出力軸51,52に対して歯車等を介して正逆回転するように連動された磁石保持体を設けて、この磁石保持体に永久磁石72,74を保持させるようにすればよい。
図2〜図4の実施形態において、1つの気筒のみを設けるようにしてもよい。この場合、リターンスプリングを用いて燃焼室を圧縮するための力を確保すればよく、リターンスプリングは、例えばポンプ室に相当する位置に配設したり、あるいはリターンスプリングをケーシング30の外部に設けて、リターンスプリングの力を出力軸51,52を介してピストンに伝達するようにしてもよい。
各出力軸51,52毎に個別に発電機を設けることなく、各出力軸共通用の1つの発電機を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、1本の共通出力軸を正逆回転可能に設けて、この共通出力軸に対して、各出力軸51,52を歯車を介して連動させるようにすればよい(例えば、回転方向変換用の歯車を介在させることにより、出力軸51と52からの出力の回転方向を一致させた状態で共通出力軸に入力させる)。また、第1出力軸51と第2出力軸52とのいずれか一方によってのみ回転式の発電機を駆動するようにしてもよい。フリーピストンエンジンは、自動車用に限らず、定置式の発電用等に用いる等、その仕様範囲は限定されないものである。フリーピストンエンジンは、火花点火式であってもよく、あるいは4サイクル式にする等、適宜の形式を採択することができる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
フリーピストンエンジンを自動車の走行用モータへの給電用として利用した場合の実施形態を示す全体系統図。 本発明の第1実施形態を示すもので、フリーピストンエンジンの一例を示す簡略側面断面図。 図2に示す第1気筒を示す簡略断面図。 図2に示す第2気筒を示す簡略断面図。 図2に示すフリーピストンエンジンの外観を示す斜視図。 図5の状態から、一部の分割ケーシングを除外して示す斜視図。 2つの気筒におけるピストンの連結関係を示す斜視図。 図7のうち、第1出力軸を介して2つの気筒におけるピストンの連結関係を示す斜視図。 図7のうち、第2出力軸を介して2つの気筒におけるピストンの連結関係を示す斜視図。 第1発電機の部分を示す要部斜視図。 第2発電機部分を示す要部斜視図。 図2に示す実施形態において、燃焼行程の進行に伴ってピストン位置が変化する様子を示す要部斜視図。 図2に示す実施形態において、燃焼行程の進行に伴ってピストン位置が変化する様子を示す要部斜視図。 図2に示す実施形態において、燃焼行程の進行に伴ってピストン位置が変化する様子を示す要部斜視図。 図2に示す実施形態において、燃焼行程の進行に伴ってピストン位置が変化する様子を示す要部斜視図。 図2に示す実施形態において、燃焼行程の進行に伴ってピストン位置が変化する様子を示す要部斜視図。 図2に示す実施形態において、燃焼行程の進行に伴ってピストン位置が変化する様子を示す要部斜視図。 本発明の第2の実施形態を示すもので、図3,図4に対応した断面図。
符号の説明
10:フリーピストンエンジン
11:エンジン本体
30:ケーシング
41A、41B:第1ピストン
42A、42B:第2ピストン
51:第1出力軸
52:第2出力軸
61A、61B:燃焼室
62A、62B:ポンプ室
63A、63B:吸気ポート
64A、64B:排気ポート
65A、65B:掃気ポート
67A:燃焼室(図18)
71:ロータ
72:永久磁石
73:ステータ
74:発電用コイル
81:第1発電機
91:第2発電機

Claims (6)

  1. ケーシングに形成された円形の気筒内に、気筒中心を中心として第1ピストンと第2ピストンとの2つのピストンが正逆回転可能に配設されて、気筒周方向において該2つのピストンによって挟まれた燃焼室が構成されており、
    前記ケーシングには、気筒中心を中心として前記第1ピストンと一体に正逆回転される第1出力軸が回転可能に保持されると共に、気筒中心を中心として前記第2ピストンと一体に正逆回転される第2出力軸が回転可能に保持されており、
    少なくとも前記第1出力軸または第2出力軸のいずれか一方の正逆回転によって発電を行う回転式の発電機を有している、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  2. 請求項1において、
    気筒内に、前記燃焼室に対して前記2つのピストンによって隔離されると共に、気筒周方向において該2つのピストンによって挟まれた掃気用のポンプ室が構成されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記発電機が、前記第1出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第1発電機と、前記第2出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第2発電機とされている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  4. 請求項1において、
    それぞれ前記2つのピストンと1つの燃焼室と1つのポンプ室とを有する気筒が、第1気筒および第2気筒として2つ直列に配設され、
    前記第1出力軸と第2出力軸とがそれぞれ、前記第1気筒と第2気筒とに跨って配設され、
    前記第1気筒における一方のピストンと前記第2気筒における一方のピストンとが該第1出力軸を介して一体化されると共に、該第1気筒における他方のピストンと該第2気筒における他方のピストンとが前記第2出力軸を介して一体化され、
    前記第1気筒における燃焼室での燃焼圧力によって前記第2気筒における燃焼室が圧縮されるように、前記第1気筒の燃焼行程と該第2気筒での燃焼行程とが相違するように設定されると共に、前記各出力軸に対する前記各ピストンの一体化の関係が設定されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  5. 請求項4において、
    前記発電機が、前記第1出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第1発電機と、前記第2出力軸の正逆回転によって発電を行う回転式の第2発電機とされ、
    前記第1出力軸が中空状とされ、
    前記第2出力軸が、前記第1出力軸内に相対回転可能に嵌合されており、
    前記第1発電機が、前記第1気筒と第2気筒の間の中間位置に配設され、
    前記第2発電機が、気筒配列方向において、1つの気筒を挟んで前記第1発電機とは反対側に配設されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  6. 請求項1において、
    気筒内に、前記2つのピストンによって互いに隔離された2つの燃焼室が構成されており、
    前記2つの燃焼室のうち一方の燃焼室での燃焼圧力によって他方の燃焼室が圧縮されるように、該2つの燃焼室の燃焼行程が互いに相違されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
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