JP2008266830A - 形態記憶性と形態回復性に優れる織物、その製造方法および繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】形態記憶性と形態回復性に優れる織物および繊維製品を提供する。
【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が織物の経糸および緯糸に配された織物であって、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(経CF)/(緯CF)が1.2以上であり、JIS L 1059−1998 6.2(B法、モンサント法、乾燥時)に規定される皺回復率測定方法において防皺率が70%以下であり、かつ該皺回復率測定後の試料に4.9N(500gf)を5分間荷重し吊るした後に、JIS L 1059−1998 6.1.2(乾燥時)により測定した防皺率が85%以上である形態記憶性と形態回復性に優れた織物。
【選択図】なし
【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が織物の経糸および緯糸に配された織物であって、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(経CF)/(緯CF)が1.2以上であり、JIS L 1059−1998 6.2(B法、モンサント法、乾燥時)に規定される皺回復率測定方法において防皺率が70%以下であり、かつ該皺回復率測定後の試料に4.9N(500gf)を5分間荷重し吊るした後に、JIS L 1059−1998 6.1.2(乾燥時)により測定した防皺率が85%以上である形態記憶性と形態回復性に優れた織物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の糸条を経糸および緯糸に配し、かつ形態記憶性と形態回復性に優れる織物および繊維製品に関するものである。
従来、ポリエチレンテレフタレート系繊維を用いた織物は、皺が付きにくく、取扱い性に優れることで幅広く衣料品として着用されてきた。一方で、一度ついた皺は取れにくく、アイロン処理などが必要であった。
近年、消費者の趣向として、着用時にはナチュラルな皺感が好まれ、脱衣時には着用時についていた皺を容易に回復させたいとニーズがある。しかしながら、従来のポリエステル系織物では皺がつきにくくナチュラルな皺感が表現できなかった。また、逆に皺がつきやすい織物では、容易に回復させることができないという問題を有しており、ナチュラルな着用皺が残る形態記憶性と容易に皺をとることができる形態回復性を同時に満たす織物および繊維製品は従来あまり提案されていない。
近年、消費者の趣向として、着用時にはナチュラルな皺感が好まれ、脱衣時には着用時についていた皺を容易に回復させたいとニーズがある。しかしながら、従来のポリエステル系織物では皺がつきにくくナチュラルな皺感が表現できなかった。また、逆に皺がつきやすい織物では、容易に回復させることができないという問題を有しており、ナチュラルな着用皺が残る形態記憶性と容易に皺をとることができる形態回復性を同時に満たす織物および繊維製品は従来あまり提案されていない。
一方、特許文献1(特開2000−336547号公報)には、カバーファクターが1,700〜2,400の高密度織物であって、経糸方向または緯糸方向にストレッチ率5〜20%のストレッチ性を有しており、ストレッチ性を有する方向の糸条がポリトリメチレンテレフタレート繊維マルチフィラメント糸条で構成されているストレッチ性高密度織物が提案されている。また、特許文献2(特開2004−52206号公報)には、経糸または緯糸の一方が紡績糸、他方が仮撚加工糸で構成され、経糸のカバーファクターと緯糸のカバーファクターとの和が3,000を超える織物であって、仮撚加工糸は2種以上のポリエステル成分からなり、その一成分がポリトリメチレンテレフタレートである潜在捲縮発現性ポリエステル系繊維である高密度織物が提案されている。
しかしながら、これらの特許文献でも、ナチュラルな着用皺が残る形態記憶性と容易に皺をとることができる形態回復性を同時に満たす織物については、まったく記載も示唆もされていない。
特開2000−336547号公報
特開2004−52206号公報
しかしながら、これらの特許文献でも、ナチュラルな着用皺が残る形態記憶性と容易に皺をとることができる形態回復性を同時に満たす織物については、まったく記載も示唆もされていない。
本発明は、形態記憶性と形態回復性に優れる織物および繊維製品を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維を経糸および緯糸に配し、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(縦CF)/(緯CF)が1.2以上である織物を得た後、特定の温度でプレセットした後に染色することにより、所望の形態記憶性と形態回復性に優れる織物および繊維製品が得られることを見出し、さらに鋭意検討することにより本発明に到達した。
かくして、本発明によれば、「ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が織物の経糸および緯糸に配された織物であって、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(縦CF)/(緯CF)が1.2以上であり、JIS L 1059−1998 6.2(B法、モンサント法、乾燥時)に規定される皺回復率測定方法において防皺率が70%以下であり、かつ該皺回復率測定後の試料に4.9N(500gf)を5分間荷重し吊るした後に、JIS L 1059−1998 6.1.2(乾燥時)により測定した防皺率が85%以上であることを特徴とする形態記憶性と形態回復性(以下「形態記憶/回復性」ともいう)に優れた織物。」が提供される。
ただし、経カバーファクター(縦CF)と緯カバーファクター(緯CF)は、下記式により定義される。
経CF=経糸織密度[本/2.54cm]×(経糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
緯CF=緯糸織密度[本/2.54cm]×(緯糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
その際、上記(経CF)と(緯CF)との合計は、2,000以上であることが好ましい。
また、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、長繊維(マルチフィラメント)であることが好ましい。
さらに、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート単独からなることが好ましい。
さらに、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、ポリトリメチレンテレフタレートまたは第3成分を共重合した共重合ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする複合繊維であることも好ましい。
さらに、織物組織は、平組織であることが好ましい。
本発明の形態記憶性と形態回復性に優れる織物は、例えばポリトリメチレンテレフタレート系繊維を経糸および緯糸に配して織物を得た後、該織物をプレセット温度150〜180℃の範囲内でプレセットした後に染色することにより製造される。
次に、本発明は、上記の織物を用いてなる、ブラウス、和装、スポーツウエアー、ユニフォーム、白衣、作業着、および紳士アウター、および婦人アウターからなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
かくして、本発明によれば、「ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が織物の経糸および緯糸に配された織物であって、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(縦CF)/(緯CF)が1.2以上であり、JIS L 1059−1998 6.2(B法、モンサント法、乾燥時)に規定される皺回復率測定方法において防皺率が70%以下であり、かつ該皺回復率測定後の試料に4.9N(500gf)を5分間荷重し吊るした後に、JIS L 1059−1998 6.1.2(乾燥時)により測定した防皺率が85%以上であることを特徴とする形態記憶性と形態回復性(以下「形態記憶/回復性」ともいう)に優れた織物。」が提供される。
ただし、経カバーファクター(縦CF)と緯カバーファクター(緯CF)は、下記式により定義される。
経CF=経糸織密度[本/2.54cm]×(経糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
緯CF=緯糸織密度[本/2.54cm]×(緯糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
その際、上記(経CF)と(緯CF)との合計は、2,000以上であることが好ましい。
また、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、長繊維(マルチフィラメント)であることが好ましい。
さらに、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート単独からなることが好ましい。
さらに、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、ポリトリメチレンテレフタレートまたは第3成分を共重合した共重合ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする複合繊維であることも好ましい。
さらに、織物組織は、平組織であることが好ましい。
本発明の形態記憶性と形態回復性に優れる織物は、例えばポリトリメチレンテレフタレート系繊維を経糸および緯糸に配して織物を得た後、該織物をプレセット温度150〜180℃の範囲内でプレセットした後に染色することにより製造される。
次に、本発明は、上記の織物を用いてなる、ブラウス、和装、スポーツウエアー、ユニフォーム、白衣、作業着、および紳士アウター、および婦人アウターからなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、形態記憶性と形態回復性に優れる織物および繊維製品が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維とは、ポリトリメチレンテレフタレートを構成成分とする繊維である。ここで、ポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。したがって、かかるポリトリメチレンテレフタレートには、第3成分として、他の酸成分および/またはグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下の範囲で含有されていてもよい。
本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維とは、ポリトリメチレンテレフタレートを構成成分とする繊維である。ここで、ポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。したがって、かかるポリトリメチレンテレフタレートには、第3成分として、他の酸成分および/またはグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下の範囲で含有されていてもよい。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはその機能的誘導体と、トリメチレングリコールまたはその誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることによって合成される。この合成過程において、適当な1種または2種以上の第3成分を添加した共重合ポリエステルであってもよい。
添加する第3成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸など)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸など)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸など)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなど)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジオールなど)、芳香族ジオキシ化合物(ハイドロキノンビスフェノールAなど)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなど)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸など)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸など)が挙げられる。また、1個または3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸などまたはグリセリンなど)も、重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
なお、本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルの固有粘度(o−クロロフェノール溶液中、35℃で測定)は、通常、0.5〜1.6dL/g、好ましくは0.6〜1.4dL/gである。0.5dL/g未満では、低粘度が原因となり製糸性が低下し、強度が低く実用性のない糸になり好ましくない。一方、1.6dL/gを超えると、高粘度が原因となり、製糸性が低下してしまい好ましくない。本発明のポリエステル組成物の固有粘度を上記範囲に調整するには、溶融重合時間および固相重合時間によりコントロールする。
また、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維には、二酸化チタンなどの艶消剤、リン酸などの安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体などの紫外線吸収剤、タルクなどの結晶化核剤、アエロジルなどの易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体などの抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤などが含有されていてもよい。
ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、上記のポリトリメチレンテレフタレート成分単独で形成されていてもよいし、第3成分を共重合していないポリトリメチレンテレフタレートと第3成分を共重合したポリトリメチレンテレフタレートとからなる複合繊維や、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルやナイロンなどのポリマーとからなる複合繊維など、ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする芯鞘型やサイドバイサイド型などの複合繊維であってもよい。
なかでも、ポリトリメチレンテレフタレート成分単独で形成されていることが、優れた形態記憶性と形態回復性を得る上で最も好ましい。
なかでも、ポリトリメチレンテレフタレート成分単独で形成されていることが、優れた形態記憶性と形態回復性を得る上で最も好ましい。
ポリトリメチレンテレフタレート系繊維の紡糸は、例えば通常の紡糸装置または通常の複合紡糸装置を用いて、1,500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延伸する方法、紡糸−延伸工程を直結した直延法、巻取り速度5,000m/分以上の高速紡糸法(
スピンドローまたはスピンテイクアップ法)のいずれでもよい。
スピンドローまたはスピンテイクアップ法)のいずれでもよい。
また、繊維の形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント糸条)でもよいし、短繊維でもよいが、優れた形態記憶/回復性を得るうえで長繊維が好ましい。さらには、インターレースやタスランなどの空気加工糸や通常の仮撚加工糸であってもよい。
上記繊維の繊度は特に限定されないが、布帛強度や風合いの点や、総繊度で33〜500dtex、単糸繊度で0.3〜6dtexの範囲が適当である。また、単糸の横断面形態も特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平、三角、Y型、T型、U型などの異型、多葉型、中空型など不定形でもよい。
上記繊維の繊度は特に限定されないが、布帛強度や風合いの点や、総繊度で33〜500dtex、単糸繊度で0.3〜6dtexの範囲が適当である。また、単糸の横断面形態も特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平、三角、Y型、T型、U型などの異型、多葉型、中空型など不定形でもよい。
本発明の形態記憶/回復性織物は、以上のポリトリメチレンテレフタレート系繊維が織物の経糸および緯糸に配された織物であって、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(経CF)/(緯CF)が1.2以上、好ましくは1.3〜2.0である。
ただし、経カバーファクター(縦CF)と緯カバーファクター(緯CF)は、下記式により定義される。
経CF=経糸織密度[本/2.54cm]×(経糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
緯CF=緯糸織密度[本/2.54cm]×(緯糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
(経CF)/(緯CF)が1.2未満では、経糸と緯糸の双方がそれぞれに反発しあい、形態記憶性が十分で発現しなくなる。(経CF)/(緯CF)を1.2以上では、経糸と緯糸の反発性に差がでることから、ナチュラルな形状記憶性が発現する。
ただし、経カバーファクター(縦CF)と緯カバーファクター(緯CF)は、下記式により定義される。
経CF=経糸織密度[本/2.54cm]×(経糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
緯CF=緯糸織密度[本/2.54cm]×(緯糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
(経CF)/(緯CF)が1.2未満では、経糸と緯糸の双方がそれぞれに反発しあい、形態記憶性が十分で発現しなくなる。(経CF)/(緯CF)を1.2以上では、経糸と緯糸の反発性に差がでることから、ナチュラルな形状記憶性が発現する。
なお、本発明の形態記憶/回復性織物において、上記ポリトリメチレンテレフタレート系繊維は、織物全重量に対して40重量%以上含む織物で、特に好ましくは80重量%以上含まれる織物である。この含有重量が40重量%未満の場合、形態記憶性は発現せず好ましくない。
また、上記織物のトータルカバーファクター(TCF)は2,000以上が好ましく、平組織織物の場合、さらに好ましくは2,200以上であることにより、形態記憶/回復性に優れる織物が得られる。ここで、本発明の目的を損なわない範囲で、織物の組織は綾組織や朱子組織、その他これらの変化組織や二重組織などが挙げられ、なかでも平組織が好ましい。
なお、トータルカバーファクター(TCF)は、下記によって表される。
TCF=経糸D×(経糸Dtex×9/10)1/2+緯糸D×(緯糸Dtex×9/10)1/2
ただし、Dは織密度(本/インチ)、Dtexは糸条の総繊度である。
また、上記織物のトータルカバーファクター(TCF)は2,000以上が好ましく、平組織織物の場合、さらに好ましくは2,200以上であることにより、形態記憶/回復性に優れる織物が得られる。ここで、本発明の目的を損なわない範囲で、織物の組織は綾組織や朱子組織、その他これらの変化組織や二重組織などが挙げられ、なかでも平組織が好ましい。
なお、トータルカバーファクター(TCF)は、下記によって表される。
TCF=経糸D×(経糸Dtex×9/10)1/2+緯糸D×(緯糸Dtex×9/10)1/2
ただし、Dは織密度(本/インチ)、Dtexは糸条の総繊度である。
次に、本発明の形態記憶/回復性織物は、JIS L 1059−1998 6.2(B法、モンサント法、乾燥時)に規定される皺回復率測定方法において防皺率が70%以下、好ましくは30〜60%と形態記憶性に富み、かつ該皺回復率測定後の試料に4.9N(500gf)を5分間荷重し吊るした後に、JIS L 1059−1998 6.1.2(乾燥時)により測定した防皺率が85%以上、好ましくは90〜100%である。
ここで、防皺率が70%を超えると、着用による皺が付きにくく、ナチュラルな皺感が得られない。
また、防皺率が70%以下であっても、荷重後の防皺率が85%未満であると、付いた皺が回復した感が視覚的にも得られにくい。
防皺率を70%以下とし、荷重後の防皺率が85%以上にするには、例えばポリトリメチレンテレフタレート系繊維を経糸および緯糸に配して織物を製織し、該織物をプレセット温度150〜180℃の範囲内でプレセットした後に染色する方法が挙げられる。
ここで、プレセットの温度が150℃未満では、十分なセット性が得られず、実着用やアイロン使用により寸法変化や形状記憶/回復性能の劣化を起こす可能性がある。一方160℃を超えると、熱セット効果が高すぎ、形状記憶効果が薄くなる。
また、プレセット後に染色する必要があり、染色しないと、風合いが硬く着用での不快感に繋がる可能性がある。
ここで、防皺率が70%を超えると、着用による皺が付きにくく、ナチュラルな皺感が得られない。
また、防皺率が70%以下であっても、荷重後の防皺率が85%未満であると、付いた皺が回復した感が視覚的にも得られにくい。
防皺率を70%以下とし、荷重後の防皺率が85%以上にするには、例えばポリトリメチレンテレフタレート系繊維を経糸および緯糸に配して織物を製織し、該織物をプレセット温度150〜180℃の範囲内でプレセットした後に染色する方法が挙げられる。
ここで、プレセットの温度が150℃未満では、十分なセット性が得られず、実着用やアイロン使用により寸法変化や形状記憶/回復性能の劣化を起こす可能性がある。一方160℃を超えると、熱セット効果が高すぎ、形状記憶効果が薄くなる。
また、プレセット後に染色する必要があり、染色しないと、風合いが硬く着用での不快感に繋がる可能性がある。
このプレセットおよび染色について、さらに具体的に説明する。
すなわち、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維で構成された織物を精練した後、プレセットを行い、その後、染色、仕上げ加工を行う。
精練条件は、特に限定されないが50℃〜100℃の温度で5分〜30分の時間で拡布状で、連続的またはバッチ式で行う。
すなわち、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維で構成された織物を精練した後、プレセットを行い、その後、染色、仕上げ加工を行う。
精練条件は、特に限定されないが50℃〜100℃の温度で5分〜30分の時間で拡布状で、連続的またはバッチ式で行う。
精練で用いられる助剤は、生機に付着しているオイリング油剤や糊剤を除去できるものであればよく、公知の精練用界面活性剤や洗浄効果を高めるためアルカリを使用してもよい。また、精練装置は、オープンソーパー、ウインスなどの公知の装置を使用できる。精練後の乾燥は、付着している水分を除去できればよく、通常、シリンダー乾燥機、ヒートセッター、ショートループドライヤーなどで行える。乾燥させる条件は、通常、100℃〜140℃で5秒以上である。装置としては織物に張力が加わりにくいショートループドライヤーがより風合いを柔軟にする点で好ましい。また、精練して織物を常温の状態で乾燥させても何ら問題ない。
本発明におけるプレセット条件は、150〜180℃、好ましくは150〜160℃の乾熱で、時間が好ましくは10秒以上、さらに好ましくは30〜60秒行えばよい。なお、プレセットを行う装置としては、熱処理と織物の幅をコントロールできる装置であれば特に限定されるものでなく、後工程での取り扱いに便利な処理方法を選べばよい。具体的には、和歌山鉄工社製、京都機械社製、あるいは平野金属社製などのヒートセッターが挙げられる。
本発明における織物の染色仕上げ加工方法については、精練後にプレセットを施した後は、従来のポリエチレンテレフタレート繊維の織物の染色加工方法と何ら変わるものではない。一般的な染色仕上げ加工工程は、染色−仕上げ加工(仕上げ加工剤の付与と仕上げセットを含む)という工程になる。
本発明の織物の染色方法としては、一般的なポリエチレンテレフタレート繊維織物の染色方法を用いればよいが、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維はポリエチレンテレフタレート繊維より約20℃低い温度でも分散染料を吸尽しやすい特徴を持っており、濃色に染色する場合でも、通常、110℃程度の低い染色温度で十分な発色性が得られる。また、本発明では、プレセット後に漂白あるいはアルカリ減量などを行ってから染色加工を実施しても何ら構わない。
染色は、通常、100〜130℃、30〜90分、好ましくは110〜120℃、45〜60分実施される。
染色した後の仕上げ加工においても、本発明の目的を損なわなければ、通常繊維加工に用いられる樹脂加工、柔軟加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工や酵素処理などの仕上げ加工は適用できる。
染色後の仕上げ加工(ファイナルセット)は、通常、150〜180℃で30〜120秒、好ましくは150〜160℃で45〜90秒である。
染色は、通常、100〜130℃、30〜90分、好ましくは110〜120℃、45〜60分実施される。
染色した後の仕上げ加工においても、本発明の目的を損なわなければ、通常繊維加工に用いられる樹脂加工、柔軟加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工や酵素処理などの仕上げ加工は適用できる。
染色後の仕上げ加工(ファイナルセット)は、通常、150〜180℃で30〜120秒、好ましくは150〜160℃で45〜90秒である。
なお、本発明のポリトリメチレンテレフタレート系繊維以外の繊維が混用された織物の場合は、本発明の効果を損なわなければ、その繊維を常法にて染色してもかまわない。例えば、経糸に再生セルロース繊維を用いた場合、通常行われている浸漬法、コールドパッドバッチなどのパディング染色法、プリント染色法などから適時選定して染色を行えばよい。
次に、本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は、下記の方法で測定した。
<形態記憶性>
JIS L 1096−90 6.2皺回復率(B法、モンサント法)に規定される方法において防皺率(%)を測定し、その値を形態記憶性とした。
<形態回復性>
JIS L 1096−90 6.2皺回復率(B法、モンサント法)に規定される方法において皺付け処理後、同様の4.9N(500gf)を布帛の一方に5分間荷重し吊るした後、改めて防皺率(%)を測定し、その値を形態回復性とした。
<形態記憶性>
JIS L 1096−90 6.2皺回復率(B法、モンサント法)に規定される方法において防皺率(%)を測定し、その値を形態記憶性とした。
<形態回復性>
JIS L 1096−90 6.2皺回復率(B法、モンサント法)に規定される方法において皺付け処理後、同様の4.9N(500gf)を布帛の一方に5分間荷重し吊るした後、改めて防皺率(%)を測定し、その値を形態回復性とした。
実施例1
第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸(93dtex/92fil)に撚数300T/Mの撚糸を施した糸条を平組織織物の経糸および緯糸に用い、経密度135本/インチ、緯糸密度78本/インチにて製織した後、リラックス処理(120℃、20分)、プレセット処理(160℃、45秒)、染色加工(染色条件:120度、45分)、ファイナルセット(160℃、45秒)を施し織物を得た。
得られた織物において、経糸密度は151本/インチ、緯糸密度は87本/インチ、経CFは1,381、緯CFは796、(経CF)/(緯CF)は1.73、トータルカバーファクター(TCF)は2,177であった。この織物の形態記憶性は64%、形態回復性は88%であった。
第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸(93dtex/92fil)に撚数300T/Mの撚糸を施した糸条を平組織織物の経糸および緯糸に用い、経密度135本/インチ、緯糸密度78本/インチにて製織した後、リラックス処理(120℃、20分)、プレセット処理(160℃、45秒)、染色加工(染色条件:120度、45分)、ファイナルセット(160℃、45秒)を施し織物を得た。
得られた織物において、経糸密度は151本/インチ、緯糸密度は87本/インチ、経CFは1,381、緯CFは796、(経CF)/(緯CF)は1.73、トータルカバーファクター(TCF)は2,177であった。この織物の形態記憶性は64%、形態回復性は88%であった。
実施例2
第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸(93dtex/92fil)に撚数300T/Mの撚糸を施した糸条を平組織織物の経糸および緯糸に用い、経密度106本/インチ、緯糸密度89本/インチにて製織した後、リラックス処理(120℃、20分)、プレセット処理(160℃、45秒)、染色加工(染色条件:120℃、45分)、ファイナルセット(160℃、45秒)を施し織物を得た。
得られた織物において、経糸密度は125本/インチ、緯糸密度は92本/インチ、経CFは1,143、緯CFは842、(経CF)/(緯CF)は1.35、TCFは1,985であった。この織物の形態記憶性は69%、形態回復性は90%であった。
第3成分を共重合させていないポリトリメチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸(93dtex/92fil)に撚数300T/Mの撚糸を施した糸条を平組織織物の経糸および緯糸に用い、経密度106本/インチ、緯糸密度89本/インチにて製織した後、リラックス処理(120℃、20分)、プレセット処理(160℃、45秒)、染色加工(染色条件:120℃、45分)、ファイナルセット(160℃、45秒)を施し織物を得た。
得られた織物において、経糸密度は125本/インチ、緯糸密度は92本/インチ、経CFは1,143、緯CFは842、(経CF)/(緯CF)は1.35、TCFは1,985であった。この織物の形態記憶性は69%、形態回復性は90%であった。
比較例1
使用した糸をポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸(93dtex/92fil)に変更した以外は、全て実施例1と同様の織物を製織した。
得られた織物において、経糸密度は153本/インチ、緯糸密度は88本/インチ、経CFは1,399、緯CFは805、(経CF)/(緯CF)は1.73、TCFは2,204であった。この織物の記憶性は75%、形態回復性は80%であった。
使用した糸をポリエチレンテレフテレートマルチフィラメント延伸糸(93dtex/92fil)に変更した以外は、全て実施例1と同様の織物を製織した。
得られた織物において、経糸密度は153本/インチ、緯糸密度は88本/インチ、経CFは1,399、緯CFは805、(経CF)/(緯CF)は1.73、TCFは2,204であった。この織物の記憶性は75%、形態回復性は80%であった。
比較例2
実施例1において、経密度115本/インチ、緯糸密度95本/インチにて製織した後、同様にして、リラックス処理(120℃、20分)、プレセット処理(160℃、45秒)、染色加工、ファイナルセット(160℃、45秒)を施し織物を得た。
得られた織物において、経糸密度は130本/インチ、緯糸密度は109本/インチ、経CFは1,189、緯CFは997、(経CF)/(緯CF)が1.19と1.2未満であり、トータルカバーファクター(TCF)は2,186であった。この織物の形態記憶性は72%、形態回復性は90%であった。
実施例1において、経密度115本/インチ、緯糸密度95本/インチにて製織した後、同様にして、リラックス処理(120℃、20分)、プレセット処理(160℃、45秒)、染色加工、ファイナルセット(160℃、45秒)を施し織物を得た。
得られた織物において、経糸密度は130本/インチ、緯糸密度は109本/インチ、経CFは1,189、緯CFは997、(経CF)/(緯CF)が1.19と1.2未満であり、トータルカバーファクター(TCF)は2,186であった。この織物の形態記憶性は72%、形態回復性は90%であった。
比較例3
実施例1において、プレセット温度を140℃とした以外は、実施例1と同様にして、織物を得た。得られた織物において、経糸密度は145本/インチ、緯糸密度は83本/インチ、経CFは1,326、緯CFは759、(経CF)/(緯CF)は1.75、トータルカバーファクター(TCF)は2,085であった。この織物の形態記憶性は65%、形態回復性は77%であった。
実施例1において、プレセット温度を140℃とした以外は、実施例1と同様にして、織物を得た。得られた織物において、経糸密度は145本/インチ、緯糸密度は83本/インチ、経CFは1,326、緯CFは759、(経CF)/(緯CF)は1.75、トータルカバーファクター(TCF)は2,085であった。この織物の形態記憶性は65%、形態回復性は77%であった。
比較例4
実施例1において、プレセット温度を170℃とした以外は、実施例1と同様にして、織物を得た。得られた織物において、経糸密度は155本/インチ、緯糸密度は90本/インチ、経CFは1,418、緯CFは823、(経CF)/(緯CF)は1.72、トータルカバーファクター(TCF)は2,241であった。この織物の形態記憶性は72%、形態回復性は91%であった。
実施例1において、プレセット温度を170℃とした以外は、実施例1と同様にして、織物を得た。得られた織物において、経糸密度は155本/インチ、緯糸密度は90本/インチ、経CFは1,418、緯CFは823、(経CF)/(緯CF)は1.72、トータルカバーファクター(TCF)は2,241であった。この織物の形態記憶性は72%、形態回復性は91%であった。
本発明の形態記憶/回復性織物は、その形態記憶性と形態回復性をあわせ持つ特徴により、例えば、ブラウス、和装、スポーツウエアー、ユニフォーム、白衣、作業着、紳士/婦人アウターなど幅広く使用することができる。
Claims (8)
- ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が織物の経糸および緯糸に配された織物であって、経カバーファクター(経CF)と緯カバーファクター(緯CF)との比(経CF)/(緯CF)が1.2以上であり、JIS L 1059−1998 6.2(B法、モンサント法、乾燥時)に規定される皺回復率測定方法において防皺率が70%以下であり、かつ該皺回復率測定後の試料に4.9N(500gf)を5分間荷重し吊るした後に、JIS L 1059−1998 6.1.2(乾燥時)により測定した防皺率が85%以上であることを特徴とする形態記憶性と形態回復性に優れた織物。
ただし、経カバーファクター(縦CF)と緯カバーファクター(緯CF)は、下記式により定義される。
経CF=経糸織密度[本/2.54cm]×(経糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2
緯CF=緯糸織密度[本/2.54cm]×(緯糸糸条の総繊度[dtex]×9/10)1/2 - 上記(経CF)と(緯CF)との合計が2,000以上である、請求項1に記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物。
- ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が長繊維(マルチフィラメント)である、請求項1または2に記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物。
- ポリトリメチレンテレフタレート系繊維がポリトリメチレンテレフタレート単独からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物。
- ポリトリメチレンテレフタレート系繊維が、ポリトリメチレンテレフタレートまたは第3成分を共重合した共重合ポリトリメチレンテレフタレートを1成分とする複合繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物。
- 織物組織が平組織である、請求項1〜5のいずれかに記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物。
- ポリトリメチレンテレフタレート系繊維を経糸および緯糸に配して織物を製織し、該織物をプレセット温度150〜180℃の範囲内でプレセットした後に染色する、請求項1〜6いずれかに記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の形態記憶性と形態回復性に優れる織物を用いてなる、ブラウス、和装、スポーツウエアー、ユニフォーム、白衣、作業着、紳士アウター、および婦人アウターからなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007111103A JP2008266830A (ja) | 2007-04-20 | 2007-04-20 | 形態記憶性と形態回復性に優れる織物、その製造方法および繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007111103A JP2008266830A (ja) | 2007-04-20 | 2007-04-20 | 形態記憶性と形態回復性に優れる織物、その製造方法および繊維製品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2008266830A true JP2008266830A (ja) | 2008-11-06 |
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ID=40046691
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2007111103A Withdrawn JP2008266830A (ja) | 2007-04-20 | 2007-04-20 | 形態記憶性と形態回復性に優れる織物、その製造方法および繊維製品 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2008266830A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102154760A (zh) * | 2010-12-06 | 2011-08-17 | 吴江飞翔经编纺织有限公司 | 一种具有记忆功能的裤料 |
-
2007
- 2007-04-20 JP JP2007111103A patent/JP2008266830A/ja not_active Withdrawn
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