JP2008538024A - 1型糖尿病をコンピューターモデリングするための装置および方法 - Google Patents

1型糖尿病をコンピューターモデリングするための装置および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳動物における1型糖尿病のコンピュータモデルの新規開発方法を包含する。特に本発明方法には、膵リンパ節ならびに一種または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの提示が含まれ得る。あるいはまた本コンピュータモデルには、自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞の活性化、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態に関連した生物学的プロセスの提示も含まれ得る。また本発明は、1型糖尿病の非インスリン集積療法のコンピュータモデルの開発方法も提供する。さらに本発明には、1型糖尿病のコンピュータモデル、1型糖尿病のシミュレーション方法、ならびに1型糖尿病をシミュレーションするためのコンピュータシステムおよびそれらの使用も包含される。

Description

I.導入
A.関連出願の相互参照
本願は、米国特許出願第60/662,494号(2005年3月15日出願)、および米国特許出願第60/691,473号(2005年6月16日出願)の利益を主張する。これらの各々は、その全体が参考として本明細書に援用される。
B.発明の技術
本発明は、一般的に哺乳動物における1型糖尿病のシュミレーションの領域に関する。
C.発明の背景
1型糖尿病は、米国だけでも約100万人が患っている多数の因子が関係する自己免疫疾患である。この疾患の発症はしばしば若年期に起こるため、初期疾患および関連する合併症によって、社会的および財政上の顕著なコストの問題が提起される。この疾患は膵臓の膵島β細胞の自己免疫による破壊、およびそれに続くグルコースコントロールの喪失によって起こる。しかしながら、1型糖尿病の病因を理解し、その疾患を予防、進行停止または後退させようとする努力については、糖尿予備軍および糖尿病のヒトにおけるそのプロセスの研究が本質的に難しいことによって著しく損なわれている。それらの困難な事柄には、1型糖尿病の発症が予想される個人を同定すること、ならびに複雑な組織の研究における実際面からの考察が含まれる。
ヒトにおける1型糖尿病の病因の研究は困難であるため、疾患プロセスおよび病因として現在理解されているほとんどのことについては、げっ歯類のモデルから得られている。非肥満型糖尿病(NOD)マウスについては、特によく研究されており、そのモデルではメスの大部分が糖尿病を自然発症する。それらのマウスでは糖尿病の発症に関する多くの免疫構成要素の重要性が実験的に確立され、多くの療法によって1型糖尿病の発症が抑制されることが分かった。NODマウスを疾患から防御することに多くの成功例があるにもかかわらず、NODマウスからヒトの患者に発展させた療法での成功例については、これまで限定的であった。現時点では、ヒトの1型糖尿病の予防または治癒を目的とした療法で有用なものはない。
1型糖尿病における生物学的プロセスが複雑であるため、組織コンパートメント、細胞集団、介在因子、ならびに自己免疫膵疾患および健常なホメオスタシスに伴うそのほかの因子の間の相互作用についてのさらなる理解に役立てるために、数理およびコンピュータモデルを使用することができる。幾人かの研究者によって、β細胞、インスリン産生およびグルコースコントロールの単純なモデルが構築された(たとえば、非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。そのほかの研究者によって、β細胞および限られた数の免疫細胞の型についての単純なモデルが構築された。(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7)。さらにそのほかの研究者によっても、疾患管理の向上、または経済面からの疾患コストの算定のために設計された単純モデルないし複合モデルもすでに構築されてる(たとえば、非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11)。しかしながら、これらのモデルについては1型糖尿病の自己免疫的な病因に焦点が当たっておらず、標的組織および免疫構成要素の両方の特異的エレメントが、動的および機械論的に時間の経過とともに提示されているモデルである。さらにそれらのモデルには、膵リンパ節中での事象の、1型糖尿病の発症およびプロセスに対する寄与も含まれてはいなかった。したがって、生物学的コンパートメント、ならびに1型糖尿病の自己免疫疾患のプロセスを表現するのに必要なコンパートメントの間の相互作用を含めたコンピュータモデルまたは数理モデルが必要とされている。
Toffoloら、Diabetes 29:979‐990(1980) Waltonら、Am.J.Physiol.262:E755‐E762(1992) SweetおよびMatschinsky、Am.J.Physiol.268:E775‐E788(1995) AndersenおよびHojbjerre、Stat.Med.24:2381‐2400(2005) Freieslebenら、Diabetes48:1677‐1685(1999) Trudeauら、Diabetes49:1‐7(2000) Marceら、J.Theor.Biol.233:533‐551(2005) Lahmannら、Med.Inform.Lond.18:83‐101(1993) Carvanら、J.Telemed.Telecare,9,Supple1:S50‐2.:S50‐S52(2003) Palmerら、Curr.Med.Res.Opin.20Suppl:S5‐26.:S5‐26(2004) Warrenら、Health Technol.Asess.:iii,1‐iii,(2004)
D.発明の要旨
本発明の一つの態様によれば、1型糖尿病の発症モデルが提供され、その方法については、膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程、一種または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程、各々の生物学的プロセスを数学的に表わして膵リンパ節に関連した生物学的経過の一種または複数の提示、および一種または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を行う工程、ならびに生物学的プロセスの提示を組み合わせて1型糖尿病のモデルを形成する工程が含まれる。さらに本発明の方法には、消化管および/またはリンパ系組織に関連した消化管に伴う一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程、ならびに消化管および/またはリンパ系組織に関連した消化管に伴う生物学的プロセスの各々を数理的に提示する工程が含まれ得る。ある実施形態では、一個または複数の膵島には、少なくとも二個の膵島が含まれる。別の好適な実施形態では、膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスのうちの少なくとも一種は、エフェクターバランスおよび制御性細胞集団に関係した生物学的プロセスである。さらに別好適な実施形態では、一種または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスのうちの少なくとも一種は、エフェクターバランスおよび制御性細胞集団に関係した生物学的プロセスである。制御性細胞集団には、リンパ系細胞が含まれるのが好ましい。さらに制御性細胞集団には制御性T細胞が含まれるのが好ましい。制御性T細胞については、固有の(intrinsic)エフェクターエフェクター細胞活性を発現しないのが好ましい。
本発明の一つの態様によれば、プロセッサによる実行の際、プロセッサに1型糖尿病をシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されているコンピュータ読取可能な媒体が提供される。これらの命令にはa)リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセス数理的に提示する命令;b)一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;およびc)それらの生物学的プロセスの提示の間の数学的関連性の集合を規定して1型糖尿病のモデルを形成する命令が含まれる。それらの命令にはさらに、消化管および/またはリンパ系組織に関連する消化管に伴う一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令も含まれる。言い換えると、それらの命令にはさらに、一種または複数の数理的提示に関連する一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取る命令も含まれる。別な実施形態では、命令はさらに、一種または複数の数理的提示に関連する一個または複数の変数を指定するユーザ入力を受け取る命令も含まれる。さらに別の実施形態では、命令にはさらに、バーチャルプロトコルを1型糖尿病のモデルに適用する命令も含まれる。さらに別の実施形態では、命令にはさらに、一人または複数のバーチャル患者を規定する命令も含まれる。
本発明のさらに別な態様によれば、システムにはa)プロセッサによる実行の際、哺乳動物の1型糖尿病がシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されたプロセッサ;b)コンピュータ読取可能な命令によって規定される一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受容するように作動可能な第一のユーザ端末;およびc)第二のユーザーに一連の出力を提供するように作動可能な第二のユーザ端末が備えられている。命令には、i)膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する部分;ii)一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;iii)リンパ節に関連した生物学的プロセスの提示と一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの提示との間の数理的関連性の集合を規定する命令、ならびにiV)一連の数理的関連性にバーチャルプロトコルを適用して一連の出力を生成する命令が含まれるのが好ましい。一つの実施形態では、第一および第二のユーザーは同一のユーザーである。別の実施形態では、第一および第二のユーザーは異なるユーザーである。
本発明の別の態様によれば、1型糖尿病の進行モデルの開発方法が提供され、その方法には自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態の各々に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;生物学的プロセスの各々を数理的に提示して少なくとも二つの状態の各々に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;ならびに生物学的プロセスの提示を組み合わせて1型糖尿病の振興モデルを形成する工程が含まれる。その少なくとも二つの状態には、膵島炎および高グルコースが含まれるのが好ましい。代替の実施形態では、少なくとも二つの状態には自己反応性T細胞のプライミングが含まれる。生物学的プロセスには、発症、現出、進行、またはそれらの状態のいずれかからの変遷が伴い得る。1型糖尿病の進行モデルの開発方法にはさらに、炎症性樹状細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセスならびに抑制性樹状細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;および各々の生物学的プロセスを数理的に提示して炎症性樹状細胞に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生み出し、抑制性細胞に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程も含まれる。
本発明のさらに別の態様によれば、プロセッサによって実行されるとプロセッサに1型糖尿病をシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されたコンピュータ読取可能な媒体が提供される。その命令にはさらにa)自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態の各々に関連した一種または複数の生物学的プロセスを提示する命令;b)生物学的プロセスの提示の間の数理的関連性の集合を規定し、1型糖尿病の進行モデルを形成する命令も含まれる。命令にはさらに、消化管および/またはリンパ系組織に関連した消化管に伴う一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令も含み得る。言い換えると、命令にはさらに、一種または複数の数理的提示に伴う一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取る命令も含まれ得る。別の実施形態では、命令にはさらに、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数の変数を指定するユーザ入力を受け取る命令も含まれる。さらに別の実施形態では、命令にはさらに、バーチャルプロトコルを1型糖尿病のモデルに適用する命令も含まれる。さらに別の実施形態では、命令にはさらに、単一または複数のバーチャル患者を規定する命令も含まれる。
本発明の別の態様によれば、a)プロセッサによって実行されると哺乳動物の1型糖尿病の進行をシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されているプロセッサ:b)コンピュータ読取可能な命令によって規定される一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取れるように作動可能な第一のユーザ端末;およびc)第二のユーザーに一連の出力集合を提供するように作動可能な第二のユーザ端末;を含むシステムが提供される。コンピュータ読取可能な命令には、i)自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態の各々の進展に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;ii)少なくとも二つの状態に関連した生物学的プロセスの提示間の数理的関連性の集合を規定する命令;およびiii)バーチャルプロトコルを一連の数理的関連性に適用する命令が含まれる。一つの実施形態では、第一および第二のユーザーは同一のユーザーである。別の実施形態では、第一および第二のユーザーは異なるユーザーである。
本発明のさらに別の態様によれば、1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルの開発方法が提供され、その方法には一個または複数の膵島のうちの少なくとも一個におけるβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;各々の生物学的プロセスを数理的に提示してβ細胞集団に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成し、1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;および生物学的プロセスの提示を組み合わせて1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルを形成する工程が含まれる。この方法にはさらに、膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;および生物学的プロセスを数理的に提示して膵リンパ節に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程も含まれ得る。好ましい実施形態では、β細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスには、β細胞に対する自己免疫反応に関連した生物学的プロセスが含まれる。別の実施形態では、β細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスには、β細胞の死に対する抵抗性に関連した生物学的プロセスが含まれる。さらに別の実施形態では、β細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスには、β細胞の増殖に関連した生物学的プロセスが含まれる。別の実施形態では、β細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスには、β細胞の新生に関連した生物学的プロセスが含まれる。別の好適な実施形態では、β細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスのうちの少なくとも一つが、エフェクターおよび制御性細胞集団のバランスに関係した生物学的プロセスである。エフェクターおよび制御性細胞集団のバランスには、細胞数のバランス、ならびに細胞機能のバランスが含まれ得る。制御性細胞集団には、リンパ系細胞が含まれるのが好ましい。制御性細胞集団には、制御性T細胞が含まれるのがさらに好ましい。制御性細胞集団のうちの制御性T細胞については、固有のエフェクター細胞活性を発現しないのが好ましい。
本発明の一つの態様によれば、プロセッサによって実行されると1型糖尿病の非インスリン集積療法をシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されているコンピュータ読取可能な媒体が提供される。さらにその命令には:a)一個または複数の膵島のうちの少なくとも一つにおけるβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;b)1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;およびc)生物学的プロセスの提示間の数理的関連性の集合を規定して1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルを形成する命令が含まれる。さらにそれらの命令には、膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令も含まれ得る。あるいは、またはさらに付加えると、命令にはさらに、消化管および/または消化管関連リンパ系組織に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令も含まれる。また命令にはさらに、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取る命令も含まれ得る。別の実施形態では、命令にはさらに、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数の変数を指定するユーザ入力を受け取る命令も含まれる。さらに別の実施形態では、命令にはさらに、バーチャルプロトコルを1型糖尿病モデルに適用する命令も含まれる。さらに別の実施形態では、命令にはさらに一人または複数のバーチャル患者を規定する命令も含まれる。
本発明の別の態様によれば、a)プロセッサによって実行されると哺乳動物の1型糖尿病の非インスリン集積療法をシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されたプロセッサ:b)コンピュータ読取可能な命令によって規定される一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受取れるように作動可能な第一のユーザ端末;およびc)第二のユーザーに一連の出力を提供するように作動可能な第二のユーザ端末;を含むシステムが提供される。コンピュータ読取可能な命令には、i)一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;ii)一個または複数の膵島のうちの少なくとも一つにおけるβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;iii)1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;iV)一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの提示と、β細胞集団に関連した生物学的プロセスの提示と、1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した提示との間の数理的関連性を規定する命令;およびV)数理的関連性にバーチャルプロトコルを適用して一連の出力を生成する命令が含まれる。一つの実施形態では、第一および第二のユーザーは同一のユーザーである。別の実施形態では、第一および第二のユーザーは異なるユーザーである。
本発明の一つの態様によれば、組織提示を含む生物学的系のコンピュータベースの数理的モデルが提供され、その組織には複数の別個の分布サイトが含まれ、組織提示には複数の提示が含まれ、その複数の提示の各々については、複数の別個の分布サイトのうちの一つに関連したものである。組織については、肺、脳、肝臓、関節、小腸および膵臓からなる群から選択されるのが好ましい。本発明の一つの実施形態では、別個の分布サイトによって組織内の空間的不均一性が表現される。別の実施形態では、別個の分布サイトによって組織内の時間的不均一性表現されるモデルが提供される。別の実施形態では、別個の分布サイトによって組織内の障害の進行の別個の段階が表現される。
本発明のさらに別の態様によれば、炎症性樹状細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセス、および抑制性樹状細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含む、Tリンパ球反応のコンピュータベースの数理的モデルが提供される。T細胞反応には、エフェクターおよび制御性の両方のT細胞を含めるのが好ましい。本発明の一つの実施形態では、炎症性‐対‐抑制性の樹状細胞のバランスによって、エフェクター‐対‐制御性のT細胞が相対的に拡大する。別の実施形態では、炎症性‐対‐抑制性樹状細胞によって、特定の抗原または抗原集合に対する免疫反応の欠失(すなわち、エフェクターT細胞の拡大がわずかか、またはない状態)が特徴づけられるモデルが提供される。
本発明の一つの態様によれば、1型糖尿病のシミュレート方法が提供され、その方法には本明細書に記載の、本発明のコンピュータモデルを実施する工程が含まれる。ある実施形態では、1型糖尿病のシミュレーション方法にはさらに、バーチャルプロトコルをコンピュータモデルに適用して1型糖尿病の表現型を提示する一連の出力集合を生成する工程も含まれる。別の好適な実施形態では、バーチャルプロトコルには治療レジメン、診断手順、時間の経過、環境上の毒性物質への曝露、または身体運動が含まれる方法が包含される。本発明のさらに別の実施形態では、コンピュータモデルの実行の前に、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータまたは変数を指定するユーザ入力を受け取る工程もさらに含む方法が提供される。ユーザ入力には、バーチャル患者の規定が含まれるのが好ましい。
当業者であるならば、前記要約された実施形態を適当に組み合わせて用いると、わざわざ前述のように列挙しなくともさらなる実施形態を生成することができ、そのような実施形態が本発明の一部を成すとみなせることが分かると思われる。
III.発明の詳細な説明
A.概略
本発明は、哺乳動物における1型糖尿病のコンピュータモデルの新規開発方法を包含する。特にそのモデルには、膵リンパ節ならびに一種または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの提示が含まれ得る。言い換えると、そのモデルには、自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態に関連した生物学的プロセスの提示が含まれ得る。また本発明は、1型糖尿病の非インスリン集積療法のコンピュータモデルの開発方法も提供する。さらに本発明には、1型糖尿病のコンピュータモデル、1型糖尿病のシミュレーション方法、ならびに1型糖尿病をシミュレーションするためのコンピュータシステムおよびそれらの使用も包含される。
B.定義
「生物学的系」には、たとえば個々の細胞、細胞培養のような細胞コレクション、臓器、組織、個々の患者ののような多細胞生物、多細胞生物の細胞サブセット、あるいはヒトの患者群または全体を示す全般的なヒトの集団が含まれ得る。また生物学的系にはたとえば、神経系、免疫系または心血管系のような多組織形も含まれ得る。
「生物学的要素」という用語は、生物学的系の一部分を指す。生物学的要素とは、たとえば細胞外成分、細胞構成成分、細胞内成分、またはそれらの組み合わせが含み得る生物学的系の一部分のことである。適当な生物学的要素の例としては、代謝物、DNA、RNA、蛋白質、表面および細胞内の受容体、酵素、脂質分子(すなわち、遊離コレステロール、コレステロールエステル、トリグリセリド、およびリン脂質)、ホルモン、細胞、臓器、組織、細胞、組織または臓器の一部、細胞小器官、H+、スーパーオキシド、ATPのような化学反応性分子、ならびにそれらの生物多様性における組み合わせまたは統合され提示されるものが挙げられるが、それらに限定されない。さらに生物学的要素には、抗CD3抗体(たとえば145.2C11)、抗CD8抗体、リポソーム型ジクロロメチレン‐ジホスホネート、外因性IL‐10、抗B7.1抗体、抗B7.2抗体、経口インスリン、外因性TGF‐β、エキセンジン4、抗CD40L抗体、ラパミシンまたは抗IL‐2抗体のような医療用薬剤も含まれ得る。
本明細書で用いられる「生物学的プロセス」という用語は、生物学的要素の間の相互作用または一連の相互作用を意味する。適当な生物学的プロセスの例としては、ある細胞、たとえばマクロファージの活性化、アポトーシスまたは集積、粘液分泌、脈管浸透、メディエーター産生などが挙げられるが、それらに限定されない。また「生物学的プロセス」という用語には、一種または複数の医療用薬剤を含むプロセス、たとえば細胞メディエーターに医療用薬剤を結合させるプロセスも含まれ得る。生物学的プロセスの生物学変数については、たとえばいくつかの生物学的メカニズムにおける少なくとも一種の生物学的変数によって影響され得ることが、当業者には自明かまたはすでに理解されている。
本明細書で用いられる「パラメータ」という用語は、二種またはそれ以上の生物学的要素の間の相互作用で特徴づけられる値を意味する。パラメータの例としては、特定の組織における親和性定数、Km、Kd,Kcat、半減期、あるいはマクロファージまたは樹状細胞のような細胞の総フラックスが挙げられる。
本明細書で用いられる「変数」という用語は、生物学的要素で特徴づけられる値を指す。変数の例としては、T細胞の総数、活性または不活性マクロファージの数、ならびに可溶性メディエーター(たとえば、TNF‐α、IFN‐γ、インスリン、またはROS/RNS)または細胞表面分子(たとえば、MHCクラスI、Fas)のようなメディエーターの濃度が挙げられる。
本明細書で用いられる「表現型」という用語は、一連の生物学的プロセスが起こった結果を意味する。生物学的プロセスは互いに関連して変化するため、表現型も変化することになる。表現型の計測には、特定の時間、および特定の実験または環境の条件下での活性レベルの変数、パラメータおよび/または生物学的プロセスが存在する。
表現型には、たとえば個々の細胞、臓器、組織および/または多細胞生物の状態が含まれ得る。本明細書で開示される方法およびモデルに有用な生物には、動物が含まれる。本明細書で用いられる「動物」という用語には、ヒトのような哺乳動物が含まれる。また表現型には、グルコース値および自己抗体のレベル、炎症性/制御性メディエーターレベル、または炎症性/制御性細胞集団の測定におけるような全体としてのシステムの挙動が含まれるが、それらに限定されない。表現型によって規定される条件については、実験によって課されるか、または患者のタイプの存在する条件であり得る。
本目言う最初で用いられる「疾患状態」という用語は、一種または複数の生物学的プロセスが疾患の原因または臨床的徴候に関連している表現型を意味する。たとえば、疾患状態は疾患細胞、疾患臓器、疾患組織、または疾患を有する多細胞生物の状態であり得る。疾患を有する多細胞生物は、たとえばNODマウスまたは個々のヒト患者であり得る。また疾患状態には、たとえば欠陥を有する酵素、または免疫メディエーターの過剰産生も含まれ得る。
本明細書で用いられる「シミュレーション」という用語は、数理的モデルの数値または解析的な統合を意味する。たとえば、シミュレーションはdx/dt=f(x,p,t)のような等式で規定される表現型の数理モデルの数値の積分を意味する場合もある。
本明細書で用いられる「生物学的特徴」という用語は、生物学的系の特定の表現型の特徴、特質、または性質を指す。たとえば、特定の疾患状態の生物学的特徴には、疾患に伴う臨床的徴候および診断基準が含まれる。生物学的系の生物学的特徴は。生物学的変数、パラメータおよび/またはプロセスの計測結果である場合もある。1形糖尿病に伴う生物学的特徴の適例としては、免疫細胞集団、インスリン、β細胞質量、インスリン産生、およびグルコース値の計測値が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で用いられる「コンピュータ読取可能な媒体」という用語には、本明細書で開示される方法を実施するための一連の指示を保存したりコード化できるいずれかの媒体が含まれ、その例としては光学および/または磁気ストーレッジデバイスおよび/またはディスク、ならびに搬送波信号が挙げられ得るが、それらに限定されない。
C.1型糖尿病モデルの開発方法
コンピュータモデルについては、たとえば疾患のような生物学的状態を示す全般的な挙動集合を規定することによって開始する「トップダウン」のアプローチを用いて構築することができる。その際にそれらの挙動は、システムに対する束縛要因として用いられ、次のレベルの深層の詳細事項を規定するために、組込み化されたサブシステムの集合が開発される。たとえば、1型糖尿病におけるベータ細胞の破壊のような挙動が与えられると、その挙動を誘発する特定のメカニズムが各々、順番にモデル化され、サブシステムの集合が得られる。尚、そのサブシステム自体は解体でき、詳細にモデル化もできる。したがって、それらのサブシステムのコントロールおよびコンテクストについては、全体としてのシステムのダイナミクスを特徴づける挙動によってすでに規定されているものである。その解体プロセスによって、得られた生物学的挙動を反復するのに充分詳細な状態になるまで、トップダウンでさらに生物学的モデリングが継続される。モデルは特定の場合、薬物またはそのほかの医療用薬剤によって操作され得る生物学的プロセスのモデリングを可能にする。
1型糖尿病のコンピュータモデルの開発に用いられる方法の概略については、図1に示される。それらの方法は一般に、膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセス、ならびに一個または複数のβ膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定することによって開始される。膵リンパ節または膵島II関連した生物学的プロセスの同定については、代謝系、膵臓またはその一部に関連するデータによって情報提供を受けることができる。またその方法は所望により、消化管および/または消化管に伴うリンパ系組織に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程も含む。次にその方法は、同定した生物学的プロセスの各々を数理的に提示する工程を含む。生物学的プロセスについては、種々の方法のいずれかで数理的に提示できる。生物学的プロセスについては一般に、以下に記載のように、式dx/dt=f(x,p,t)の等式で規定される。膵リンパ節、あるいは一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの提示については、組合されることで1型糖尿病の予測モデルが形成される。それらのモデルにはさらに、消化管および/またはリンパ系組織に伴う消化管に関連した一種または複数の生物学的プロセスを特定すて数理的に提示する工程も含まれ得る。
図2は、膵リンパ節、膵島およびそのほかの生物学的要素に関連した生物学的プロセスに関連するモジュールにリンクするサマリーダイアグラムの例を示す。本発明の一つの実施形態では、進行型または重篤な1型糖尿病の一次的な計測は、たとえば血漿中のグルコース濃度が挙げられるグルコースコントロールについてである。二種の生物学的要素、すなわち膵リンパ節および膵島は、β細胞を標的とする自己免疫反応、ゆえにグルコースコントロールに影響を及ぼす。それらの要素の各々については、環境の変化および対象の表現型に対して動的反応性を呈する。
本発明の好適な実施形態では、膵リンパ節に関連した生物学的プロセスの同定には、膵リンパ節リンパ球に関する生物学的プロセスを同定する工程が含まれる。膵リンパ節リンパ求には、抗原提示細胞(たとえば、樹状細胞、マクロファージおよびBリンパ球)、CD4+T細胞、CD8+T細胞、Bリンパ球、生得的(innate)制御性T細胞およびNK細胞からなる群のうちの少なくとも一種が含まれるのが好ましい。同様に、一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスを同定する工程には、膵島リンパ球、膵島β細胞、または膵島内皮に関係した生物学的プロセスを同定する工程も含み得る。膵島リンパ球には、抗原提示細胞(たとえば、樹状細胞、マクロファージおよびBリンパ球)、CD+4T細胞、CD8+T細胞、Bリンパ球、生得的制御性T細胞およびNK細胞からなる群のうちの少なくとも一つが含まれるのが好ましい。
一種または複数の生物学的プロセスが本発明の方法に関連して明らかになれば、生物学的プロセスの各々は数理的に提示される。たとえば、コンピュータモデルは、第一の数理的関係を用いる第一の生物学的プロセス、および第二の数理的関係を用いる第二の生物学的プロセスを提示することができる。数理的関係には一般に、一個または複数の変数、ならびにコンピュータモデルによってシミュレートされ得る挙動(たとえば、時間推移)が含まれる。さらに特別の場合では、コンピュータモデルの数理的関係は、生物学的系の種々の生物学的成分のレベルまたは活性、ならびに種々の生物学的成分の組み合わせまたは統合された提示のレベルまたは活性を説明する変数間の相互作用を規定できる。さらに変数は、生理学的システムに適用され得る種々の刺激も提示できる。コンピュータで実行可能なソフトウエアコードの数理的モデルは、生物機能に関連した動的な生物学的プロセスを提示する。用いられる数式の形には、たとえば偏微分方程式、確立微分方程式、微分代数方程式、微分方程式、セルラーオートマトン、結合マッピング、ブールネットワーク式またはファジー理論ネットワーク式などが含まれ得る。
いくつかの実施形態では、モデルで用いられる数式は、
dx/dt=f(x,p,t)
の形の常微分方程式であり、式中のxは、エレメントがシステムの生物学的変数を提示するN次元のベクトルであり、tは時間、dx/dtはxの変化速度、pはシステムパラメータのM次元の集合であり、fは生物学的変数の間の複合相互作用を表わす関数である。一つの実施形態では、パラメータは生物学的系の本来の特性(たとえば、遺伝因子)ならびに外因特性(たとえば、環境因子)を表わすのに用いられる。
いくつかの実施形態では、表現型はある決められた時間におけるxおよびpの値によって数理的に規定される。モデル表現型がひとたび数理的に特定されると、コンピユータを用いて上記数式の数値積分、たとえば生物学的変数x(t)の時間推移、およびそれによって時間に対する表現型の推移が求められる。
生物学的プロセスの提示は組み合わせることで、1型糖尿病モデル、1型糖尿病進行モデル、または糖尿病の非インスリン集積療法のモデルが生出される。生物学的系のモデルの生成については、たとえば「階層的生物モデリングシステムおよび方法」という名称での米国特許第5657255号および第5808918号;「生化学系のシミュレーション操作のためのシステムおよび方法」という名称での米国特許第5914891号;「時間および空間における離散コンパートメントに組織化される複合系の情報保存、モデリングおよびシミュレーションのためのコンピュータに基づくシステムおよび方法」という名称での米国特許第5930154号;「ノードおよびリンクの提示を用いる動的シミュレーションモデルのためのディスプレイの生成方法」という名称での米国特許第6051029号;「シミュレーションモデル内のオブジェクトパラメーターへのアクセスの提供方法」という名称での米国特許第6069629号;「シミュレーションモデル内のオブジェクトに関連したオブジェクトおよびパラメータ値マネージメント方法」という名称での米国特許第6078739号;「ノードおよびリンクの提示を用いる動的シミュレーションモデルのためのディスプレイの生成方法」という名称での米国特許第6539347号;「コンピュータに基づくシステムモデルを用いるリンクされたシミュレーション操作を行うための方法および装置」という名称での米国特許出願第2001/0032068号;ならびに「シミュレーションモデル内の値のモニタリング方法」という名称での国際出願第99/27443号に記載されている。
本方法にはさらに、本明細書に記載のコンピュータモデルのバリデーション方法も含まれる。たとえば、本方法には動物における1型糖尿病に関連したシミュレート化生物学的特徴づけ、および正常または疾患動物で得られた対照の生物学的特徴と前述のシミュレート化生物学的特徴を比較する工程が含まれ得る。既知の動的束縛と組み合わせたこの比較結果は、モデルのいくつかの部分を確認するか、またはモデル内の数理的関係の変化をユーザーに知らせることができ、それによってモデルの全般的な忠実度が改善される。本明細書に記載の種々のモデルのバリデーション方法については、「コンピュータモデルのバリデーションのための装置および方法」という名称での米国特許出願第2002/0193979号;ならびに「コンピュータによるジョイントモデリングのための方法および装置」という名称での米国特許第6862561号に教唆でき、それらの開示事項については本明細書の参考文献として採用されている。
NODマウスの1型糖尿病モデルを適用すると、NODマウスにおける1型糖尿病の病因の理解が改善される。したがってモデルの開発は、膵島のβ細胞の自己免疫性および免疫寛容、ならびに関連したメカニズムおよび干渉に焦点が当てられた。全般的な免疫機能を提供するには、糖尿病への進行に限らず、モデル開発の努力にはNODマウスの数種の表現型の提示が含まれた。第一の表現型については、平均の糖尿病性バーチャルマウスとした。このバーチャルマウスは、治療しない場合、12‐35週齢のいずれかの時期に特徴的な膵島炎および糖尿病の発症を表わした。平均的なバーチャルマウスのシミュレーションでは一般に、糖尿病の診断後短期間で結論が得られ、それは実験室におけてNODマウスを糖尿病発症後に殺処分した検査結果と矛盾しない。またこのバーチャルマウスでは、治療しないメスのNODマウスにおいて高い発生率(60%超)を示す、コロニー内での糖尿病への進行が見られるメスのマウスに関する平均表現型も反映される。さらに、各々が異なる臨床的挙動および/または基礎病理生理学的状態を有するバーチャルマウスも生出された。同様に、ヒトのようなほかの哺乳動物における1型糖尿病も出るの開発にも、正常な動物、または1型糖尿病の重篤度および進行度が多様な動物を提示する多様なバーチャル患者の開発が含まれ得る。
1型糖尿病では、疾患状態の膵臓は進展期の病理学的不均一性の特徴を有する。この不均一性の臨界状況は、疾患プロセスにおける異なる段階(たとえば、非浸潤、ごくわずかな浸潤、進展性浸潤、および複合破壊の段階)の膵島が同時に存在する場合である。1型糖尿病の疾患の進行および治療を厳密に示すためには、疾患の進行経過を通して種々の関与度を証明することが可能な、膵内の別個の分布サイト(すなわち膵島)の提示がモデルに含まれた(図3)。
図6に示したように、さらに別個の分布サイトは進行経過に伴い複雑化し、特定の時期(たとえば、10週齢)ではいくつかのサイトで著しい浸潤の特徴を示し得るが、ほかのサイトではまだ複雑ではない。各サイトからの寄与については組合すことで、膵臓全体を通じての平均的な浸潤が得られる。
糖尿病は、血中および尿中のグルコースの測定によって一般に評価されるため、血中のグルコースレベルについては、モデルの臨床上の読出し情報内に表示した。高グルコース(糖尿病の指標)とは、一般的に用いられる標準的なグルコースの過剰なレベルと規定した(たとえば、200,250,300,350mg/dl)。グルコースのコントロールについては、血中インスリン濃度とグルコース値との相互作用を説明する数理的関連性に基づき制御された。
NODマウスで試験された選択化干渉についても提示した。これらの干渉については、NODマウスにおける糖尿病の病因の提示を較正またはバリデートするのに用いた、尚、それらには疾患のいくつかの異なる経路標的とする干渉が含まれ、たとえばサイトカインレベル、共刺激性分子、T細胞集団、および抗原提示細胞(APC)集団が含まれる。
非治療の条件では、平均の糖尿病バーチャルマウスについては、糖尿病の発生が高い(60%超)コロニーにおけるメスのNODマウスを提示する挙動集合を示すのに必要とされた。それらには(i)糖尿病発症のダイナミクス、(ii)膵リンパ節(PLN)リンパ球の活性化および進展のダイナミクス、ならびに(iii)膵島浸潤のダイナミクスが含まれる。
NODマウスにおける1型糖尿病の病因については、チェックポイントとも呼ばれる一連の明確な事象によって特徴づけることができる(図4)。早期に必要とされるものは、自己反応性Tリンパ球の胸腺での生成(チェックポイント0)である。早い段階では、それらの自己反応性Tリンパ球は、膵リンパ節内で活性化する(チェックポイント1a)。Tリンパ球は、抗原提示細胞による自己抗原の交差提示によって活性化し、次にクローンの進展が起こる。このプライミング事象は約2‐3週齢で起こり、膵内リモデリングまたは抗原提示細胞の変異が発生することによって部分的に追従し得る。Tリンパ球のプライミングによって、約3‐7週齢において膵内にTリンパ球およびそのほかの炎症性細胞が流入するようになる(チェックポイント1b)。この流入によって、初めは非破壊的な膵島炎が起こり、その際には炎症性の浸潤が膵島の内部および周囲に蓄積するが、全β細胞の検出可能な損失は起こらない。約10週齢以降のいずれかの時期では、浸潤性細胞は膵島内でより侵襲的になり、β細胞全体の損失が検出可能になる(チェックポイント2)。この細胞破壊によって結局、インスリン分泌およびグルコースコントロールが失われるようになり、さらに通常12週後には高グルコース症になる。この糖尿病バーチャルマウスは、疾患の一般的な進行パターンを再現する。
したがって本発明の一つの態様によれば、コンピュータによる1型糖尿病の進行モデルの開発方法が提供され、その方法には自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される状態の少なくとも二種の各々の発生に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;各々の生物学的プロセスを数理的に提示して、少なくとも二種の状態の各々に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;および生物学的プロセスの提示を組み合わせて1型糖尿病の進行モデルを形成する工程が含まれる。そのモデルには、前述の諸状態のうちのいずれかに由来する発症、現出、進行または変遷が含まれ得る。
1型糖尿病のコンピュータモデルの開発の第一段階には、疾患およびそれに関連する生物学についての公知の文献の広範囲のレビューを含めた。この情報については、1型糖尿病性の非肥満(NOD)マウスにおけるβ細胞の自己免疫性および免疫寛容に基づいた糖尿病モデルの作用域を規定するのに用いた。その戦略については、自然な疾患進行を再現し、NODマウスにおける1型糖尿病の病因についての研究を容易にすると考えられるコアの免疫モデルの開発に集束させた。NODマウスの1型糖尿病モデルから発展した情報については、さらにヒトでの1型糖尿病モデルの開発に移転させることも可能と考えられる。
モデルの構築に企画されたアクティビティーには(i)NODマウスにおける1型糖尿病の病因に重要である生物学的エリアおよび挙動の同定;(ii)NODマウスの1型糖尿病モデルの開発、および疾患メカニズム知識の、疾患の病因に整合的および一体的な統合;(iii)NODマウスの1型糖尿病モデルを用いる開発および研究によって同定された疾患に関する科学的洞察の開発;ならびに(iV)NODマウスの1型糖尿病モデルで得られた洞察をヒトでの1型糖尿病患者にうまく迅速に移転し得るような戦略の設定が含まれる。
1型糖尿病モデルの実施形態の例では、平均の糖尿病バーチャルNODマウスは、特徴的な膵島炎を示し、治療しない場合では12‐35週齢で糖尿病を発症した。尚、その時間枠は、合理的に高い糖尿病発生率(60%超;図5)を有するコロニーにおける実験用のメスのNODマウスのそれと矛盾しない。全体を考慮すると、そのモデルは、提示されたリンパ球のすべてについてのPLNリンパ球の進展に基づき存在するデータ、ならびに膵島のリンパ球による浸潤(データは示さず)と矛盾しない。膵島のリンパ球による浸潤は、疾患の進行全体を通じ、別個の分布サイト(膵島ビン)から組合された寄与を反映する。
本発明の好適な実施形態では、コンピュータモデルの開発方法には、膵リンパ節および膵島内の専門の抗原提示細胞(マクロファージ、樹上細胞およびBリンパ球)、NK細胞、ならびにCD+4およびCD+8Tリンパ球を提示し統合する工程が含まれる。これらの細胞型については、自己免疫反応の開始および進行、ならびにβ細胞破壊のエフェクター段階にとって重要であると考えられる。これらのモジュールの統合に続き、コンピュータモデルによって、ある類似の挙動をインビトロデの挙動にシミュレート可能となり、それにはマクロファージ、樹状細胞およびBリンパ球による外因抗原の取込み、CD+4およびCD+8Tリンパ球への抗原提示、制御されたリンパ球の分化および進展、糖尿病原性エフェクター活性の獲得、膵臓から膵リンパ節への抗原提示細胞(APC)トラフィッキングノダイナミクス、ならびに免疫細胞による膵浸潤が含まれる。
1型糖尿病のコンピュータモデルの開発にはさらに、抗原生成、組織破壊およびグルコースコントロールの提示および統合も含まれる。これには自己抗原を提供しかつ自己免疫攻撃の標的としての役目を果たす膵島β細胞の提示が含まれ得る。またこのモデルは、免疫プライミングおよび炎症性の抗原提示細胞の役割についても提示可能である。Tリンパ球の反応および膵内浸潤への寄与、ならびに極めて多くの免疫細胞の型によって、β細胞が相互作用を受け、破壊され得る。β細胞由来のインスリンによって制御されるグルコース値を提示すると、実験の出力が提供される。β細胞の破壊に重要なエレメントのすべてが存在すると、それらの統合によって疾患進行の初期シミュレーションが可能になる。
ある実施形態では、1型糖尿病のコンピュータモデルの開発にはさらに、内皮付着分子および生得的制御性T細胞集団(iTregs)の提示が含まれる。内皮細胞は、膵臓への炎症性細胞の流入を制御し、いくつかの有効な医薬品では白血球と内皮細胞との相互作用が標的とされた。1型糖尿病の一つの仮説を進めるものとしては、生得的制御性T細胞の欠失が存在する。これらの細胞は、自然の病因における疾患の進行速度を変え、抵抗性の表現型での進行を限定し、いくつかの治療薬の効果に影響する場合がある。モデルの範囲内の糖尿病原性および制御性のエレメントを含めた場合、それらのモジュールを統合すると、平均の糖尿病動物における自然な疾患進行が完全に提示される結果となり、それには疾患進行における時間および重要なキーイベントの明確な提示、ならびに糖尿病表現型の再現が含まれる。
モデルの開発にはさらに、モデルの較正およびバリデーションも含まれ得る。たとえば、NODマウスの1型糖尿病モデルの較正には、自然な疾患進行、ならびに選択干渉への適当な反応が含まれ得る。したがって、モデルの開発には平均の糖尿病表現型に関する自然な疾患進行の再現、ならびに干渉への適当な反応が含まれ得る。さらに、異なる表現型(たとえば、明らかな糖尿病の早期の発症)、または病理生理学に基づく異なる仮説を提示するほかのバーチャルマウスも創造可能である。
げっ歯類における1型糖尿病の治療がうまく行われたことは、げっ歯類の多くの免疫学的データで評価される。残念ながら、同じ治療に対するヒトでの反応を予測するヒトでの疾患および免疫学的なデータは少なく、不確かなものである。その困難なことに取組むために、本発明者は二つの部分の成分に分けたアプローチを試みた。すなわち、(1)NODマウスにおいて明示されるような、1型糖尿病の免疫学および病因の提示および研究、および(2)ヒトでの条件に基づくような、オリジナルモデル化マウスの生物学を用いる、ヒトの1型糖尿病の免疫学の提示および研究。
NODマウスの1型糖尿病モデルでの第一成分の到達点は、NODマウスにおける1型糖尿病の病因の一体化した関連でのβ細胞の自己免疫性および免疫寛容に含まれる経路の最新の理解を統合し、展開することである。NODマウスの1型糖尿病モデルの開発および使用によって、1型糖尿病の病因への科学的な洞察、ならびにその洞察を実験的にバリデートするための推奨事項が提供される。NODマウスにおける病因を深く理解すると、新たな治療ストラテジーが明らかになり、ヒトでの療法を開発する際のこのげっ歯類モデルの予測値が改善されることが期待される。
第二成分については、ヒトでの1型糖尿病に焦点が当てられている。その場合の到達点は、NODマウスにおける1型糖尿病に提示を適宜修飾してヒトでの疾患を提示することである。その臨床像の出現に矛盾しないように、NODマウスの1型糖尿病モデルをヒトでの疾患の提示のために開発して得られる理解の適用性については、ヒトでの1型糖尿病研究にとって明らかな可能性を有する。尚、その病因についてはほとんど理解されておらず、その研究は困難である。ヒトでの1型糖尿病モデルについては、(i)ヒトの1型糖尿病の病因に基づくメカニズムの同定、(ii)治療ストラテジーの開発、および(iii)新規または全臨床段階の療法に対するヒトでの反応の初期予測における評価に使用できると考えられる。
既知のヒトでの生物学がNODマウスとは異なることが分かっている事柄から、パラメータ値、および場合によってはモデルの構造についても、修飾してヒトでの生物学の提示が可能である。さらに、ヒトでの臨床試験では一般に、絶食時または混合食におけるC‐ペプチドレベルが計測されるため、モデルにおけるグルコースおよびインスリンのダイナミクスの提示を修飾してそれらの計測値の計算を可能にできる。またそのプラットフォームについても、ヒトでの糖尿病の診断からすぐに治療が一般に開始するため、外因性のインスリンの投与を提示するために展開されると思われる。
これらの修飾を行った後で、ヒトでの初期の提示は、ヒトでの臨床データおよび亜臨床データの両方との整合性に関する評価にかけることができる。臨床データには、1型糖尿病の発症についての年齢域、ならびに診断患者におけるC‐ペプチドでの進行低下を報告する研究が挙げられる。亜臨床データについては、炎症性浸潤およびβ細胞の破壊レベルの特性に関する施設横断的なデータが挙げられる。
ヒトおよびマウスの生物学の間の多くの差異がモデルに見られるが、それらの差異は、疾患の明示および治療反応における差と認められるための説明には不充分であり得る。この場合、仮説を立てて残る矛盾を調整することができる。仮説を立てるには、実験または臨床上のデータ、NOD提示で同定される主要な疾患モジュレート経路、ヒトにおいて必要とされるものと同様なマウスでの疾患結果となった病因におけるバリデーション、あるいはNODマウスでの糖尿病モデルの実施から得られる病因およびダイナミクスへの洞察に関する文献に基づいて行うことができる。たとえば、疾患モジュレーション経路を明らかにすると、NODマウスでの疾患発症のタイミングにどの経路が最も明確に影響を及ぼすかが定まる。もし必要であれば、ヒトでの発症を遅らせると考えられる仮説たてて経路に強い影響を与え、ヒトでの疾患発症時期で求められる差の程度を求めるための試験を行うことができる。
近年、糖尿病性マウスの抗CD3療法がうまくいったことから、最近発症したT1D患者における臨床試験の機運が高まる。NODマウスでの抗CD3研究によって、投与のタイミングおよび用量に対する複雑な依存性が明らかになる。抗CD3抗体である145‐2C11を高用量(200‐250μg)単回注射すると、生後1日または1週齢の動物で多くのT細胞が欠失し、明らかに保護されたが、3週齢では認められなかった(HaywardおよびShriber、J.Autoimmun.5,59‐67(1992);HaywardおよびShreiber、J.Immunol.143,1555‐1559(1989))。同じ抗体を低用量(5μg/日、5日間)で投与すると、4週齢および8週齢のマウスでは保護はされず、12週齢のマウスでは発症がわずかに遅れ、が、糖尿病マウスの50‐100%では寛解した(Chatenoudら、C.R.Acad.Sci.III,315,225‐228(1992);Chatenoudら、J.Immunol.158,2947‐2954(1997);Chatenoudら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.91,123‐127(1994))。したがって、高用量(欠失する用量)は新生マウスでは有効性が認められるが、予備糖尿病マウスでは見られない。これに対してさらに低い用量では、糖尿病マウスに最も効果的であることが認められた。寛解の研究では、低用量の145‐2C11は、末梢のT細胞の一部のみ(52%)欠失させた(Chatenoudら、J。Immunol.158,2947‐2954(1997))。提案された寛解メカニズムとしてはTregのしミュションが挙げられ、それによると、抗CTLA4抗体または抗TGF‐べ0た抗体のいずれかを、抗CD‐3抗体とともに同時投与すると寛解が妨げられるが(Belghithら、Nat.Med.9,1202‐1208(2003))、それ自体の高グルコースの二次的効果は、糖尿病動物における抗CD3効力に寄与し得る(Kojimaら、Pro.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(2004))と考えられるという見解を支持している。したがって、出力における時間および用量に依存する変化については、異なる作用機序によって部分的に説明され得る。
糖尿病マウスに関するさらなる研究によって、提案された抗CD3メカニズムへの追加の洞察が提案されている。145‐2C11(5μg/日、5日間)を用いた、いくつかのグループによって、部分的なT細胞の欠失と同時に起こる寛解が64‐81%に見られることが報告された(Chatenoudら、C.R.Acad.Sci.III,315,225‐228(1992);Chatenoudら、J.Immunol.158,2947‐2954(1997);Chatenoudら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,91,123‐127(1994));これに対してMottramら、(Transpl.Immunol.,10,63‐72(2002))は、欠失が見られないことを報告した。さらなるデータによって、145‐2C11が、制御性細胞に比較して選択的にエフェクター細胞を欠失させることが示唆された(Yangら、J。Immunol.,173,4407‐4416(2004))。結果として、糖尿病性NODマウスにおいて、異なる抗CD3抗体(KT3)の低用量であって欠失を誘発しない用量の投与によって、寛解が起こるが、高用量、すなわち完全な欠失を誘発する用量では、寛解がうまく起こらない(Mottramら、Transpl.Immunol.10,63‐72(2002))。したがって糖尿病性マウスでは、選択的なエフェクター細胞の欠失および制御性細胞の集積による有効性にも、部分的な欠失が寄与し得る。その一方でエフェクター細胞および制御性細胞を排除するような完全なCD3の欠失は、それ以降の制御状態に向かう免疫反応の再平衡化を妨げ得る。
非修飾型ではないマイトジェン性145‐2C11抗体が定法でNODマウスに用いる場合は、人での臨床試験に用いられるhOKT3γ1(Ala−Ala)抗体を修飾した二量体の非FcR結合性抗CD3抗体が用いられる。これらの薬剤の間の明確な差については、作用機序および用量の詳細な比較解析が困難である。しかしながら、抗CD3の臨床試験が最近、糖尿病患者の発症に対して実施され、その結果はNODマウスで観察された時間依存性の有効性によって支持され、さらにヒトでの結果はさらに有望であることが支持された。したがって、限定的な比較によって、ヒトおよびNODマウスのピロトコルおよび結果の間の一致性が示され得る。
同様のプロトコールの不一致については、ヒトでの臨床試験で試験されたほかの薬剤の比較解析でも見られた、アザチオプリン、バチルス−カルメット‐ゲラン(BCG)、ペントキシフィリン、およびリノマイドについては単独で、予備糖尿病マウスで試験が行われたが、対応する臨床試験も糖尿病患者に対して行われた。さらに、ニコチンアミド、BCG、およびリノマイドについても、体重あたりの投与量をマウスの場合よりもかなり下げてヒトに投与された。
プロトコールの不一致が、予期せぬ臨床結果すべての説明となるわけではない。ニコチンアミドおよび経口インスリンのような療法については、前糖尿病性NODマウスにおける予防について、効果の差が前臨床モデルで観察されたが、BBラットでは見られなかった(Yamadaら、Diabetes31,749‐753(1982);Zhangら、Proc.natl.Acad.Sci.U.S.A.,88,10252‐10256(1991);Hermitteら、Autoimmunity,5,79‐86(1989);Mordesら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,778:418‐421,418‐421(1986))。今後の臨床試験では、異なる出力結果を説明する薬剤介在性メカニズムの理解の努力で、知見がヒトにさらに関われるかどうかの決定の役に立ち得る。たとえば、ヒト対NODマウス対BBラットでのβ細胞の感受性の特性をとらえる努力によって、ヒトでのβ細胞がマウスよりもラットに近いことが支持され得た。結論として、β細胞のアポトーシスの種差(Eizirikら、Pro.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,91,9253‐9256(1994))、免疫原性蛋白質の発現の種差(Kimら、Diabetes,42,1799‐1808(1993))、およびそのほかの免疫系の差(MeatasおよびHughes、J.Immunol.,172,2731‐2738(2004))の可能性については、臨床試験の出力結果に影響を与え得ると考えられる。ヒトでの1型糖尿病モデルについては、同種内の差のほとんどまたはすべてを反映するために開発され得ることから、ヒトでの1型糖尿病の発症および進行の依頼できるシミュレーションによる予測が提供される。
時期、用量、および種特異的差が、治療効果に重大な衝撃を与える可能性があるため、そのような依存性を明確化し最小化するための計測によって、臨床への移行の再の将来の努力が改善され得る。ヒトでの臨床試験の前に、治療効果と疾患段階との間の関連性については、完全な特性解析が可能と考えられる。前臨床モデルにおける用量依存性の開発については、用量に対する感受性の明確化に役立つと思われ、薬物のPK/PDの特性解析を通じて、ヒトでの投与ストラテジーの選択のガイドに用いられると思われる。さらに、それらの療法は多くの動物モデルで試験されると思われる。矛盾のない見解によって、結果解読の信頼性が増すと思われ、不一致点はさらに解析または探究され、どのモデルの結果がヒトへの適用により適しているかが定まる。結論として、解析努力を進める、T1Dモデルを含めた数理モデルが、疾患の複雑性、さらに疾患のモジュレーションについての本発明者の理解の改善に用いられ得る。
ヒトでの提示のさらなる解析には、NODマウスおよびヒトで試験された療法の実施内容が含まれる可能性があり、療法にはシクロスポリンA、インスリン寛容化、および抗CD3抗体hOKT3γ1(Ala−Ala)が含まれる。これらの療法の作用機序、ならびに試験された臨床プロトコール(投与時間および用量を含める)については、NODマウスでの療法を参照して実施できる。治療プロトコールについては、対象のマウスおよび対照のヒトの患者について設定し、評価できる。報告されたヒトでの出力結果に対する対照患者の出力結果の比較によって、ヒトでの非治療および治療患者の挙動に伴う結果の整合性検証に必要な病院提示に対するさらなるガイダンスも提供され得る。
D.1型糖尿病のコンピュータモデル
本発明は1型糖尿病のコンピュータモデルを提供し、それらには膵リンパ節に関連した生物学的プロセスの一種または複数の数理的提示;一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの一種または複数の数理的提示;およびモデルの形成のための数理的提示間の数理的関連性の集合を含む。任意であるが、コンピュータモデルには、消化管および/または消化管関連リンパ系組織に関連する生物学的プロセスの一種または複数の数理的提示を含めることができる。
上述の1型糖尿病モデルの開発方法は、哺乳動物での1型糖尿病のシミュレーションモデルを生成するのに用いることができる。そのような場合、シミュレーションモデルには、各々が多数のパラメータを含み得る数百またはさらに数千のオブジェクトが含まれ得る。シミュレーションモデルを用いて効果的な「起こり得る事態」の解析を行うためには、シミュレーション操作の実施の前にあるキーパラメータの入力値を評価して観察すること、ならびに可能ならば、そのような操作の結果得られるキーパラメータに対する出力値の観察も有用である。二個のオブジェクト間の関係性の表現には多くのパラメータが含まれ、二個のオブジェクト間の関係によって、影響を受けるため、モデル開発者はそのような関連性のいずれかのエンドにおけるあるパラメータを検査する必要があり得る。たとえば、モデル開発者は、特定のオブジェクトが多数のほかのオブジェクトに対して持つ効果を明確化するパラメータ、および特定のオブジェクトに対するほかのオブジェクトの効果を明確化するパラメータの検査を望むこともできる。また複雑なモデルは、ソフトウエア特質を利用するか、またはまれにはモデル開発者の常識によって、しばしばサブモデルに分けられる。したがって、特定のサブモデルに含まれる選択パラメータを同時に考察することは、モデル開発者にとってしばしば有用である。この必要性を満たすことは、サブモデルの境界がパラメータに関して相互に排他的ではない可能性があること、すなわち単一パラメータが多くのサブモデルに見られる可能性があることという事実によって複雑化する。さらに、サブモデルの境界は、モデルが進化するとしばしば変化する。
本明細書に記載の1型糖尿病のコンピュータに基づく数理的モデルは、1型糖尿病の病理生理学に関する膨大ではあるが、分散した知識を単一の整合した枠内にシンセサイズする。そのモデルによって、(a)実験結果の識別工程の同定または最適化を通じて実験室での研究を根本的に容易にする、疾患に関する代わりの試験仮説:、(b)高値の文献に報告された薬剤の治療有効性に関する明らかに矛盾するデータの調整、(c)NODマウスでバリデートされた治療薬剤を、ヒトでの臨床試験に移転させるための最適化、および(d)1型糖尿病に対する治療の新たなモダリティー/ストラテジーの明確化に関する半導体中での研究が可能になる。
NODマウスの1型糖尿病モデル、およびさらにそのモデルを用いた研究は、多くの免疫成分間の相互作用が、NODマウスにおけるグルコースコントロールおよび糖尿病の発症にどのように影響を与えるかを明確化するのに使用できる。その提示によって、自己免疫およびβ細胞の破壊に寄与し、制御する重要な経路の研究が可能になり、それによって疾患進行、その停止または回復を評価するアプローチへの洞察が提供される。すでに特性解析されたプロセスおよび挙動の提示のほかに、開発プロセスはさらに、データのギャップを明確にし、仮説および治療反応において不完全な特性解析が成された挙動を説明する仮説上のメカニズムを明示するのに使用できる。
NODマウスの1型糖尿病については、たとえばNODマウスにおける1型糖尿病の病原および治療に関係した特定の科学的な等式へのさらなる研究を行い、さらにヒトでの1型糖尿病の提示および研究のための基礎事項を提供するのに使用できる。したがって、そのモデルによって(i)予想される数理的モデルを用いて1型糖尿病の病因を科学的に理解すること、および(ii)1型糖尿病の治療の可能性をヒトでの臨床試験に前進させる理論的解釈が改善され得る。
このモデル(およびその開発)は、1型糖尿病の病因への科学的な洞察を生成するのに使用できる。それらの洞察によって、疾患の進行にまつわる主要な研究上の疑問を明らかになり、特性解析が可能となる。またNODマウスの1型糖尿病モデルは、NODマウスの1型糖尿病の病因および干渉への半導体での研究も可能にし、ヒトでの1型糖尿病も出るの開発および適用を含めた移転の努力も支持する。
創造されたコンピュータモデルは、多くのレベルでの生物学的プロセスを提示し、さらにすべてのレベルを通じた生物学的プロセスに対する対象の生物学的プロセスの効果を評価する。したがって、創造されたコンピュータモデルは、生物学的系の多重変数の考察を提供する。また創造されたコンピュータモデルによって、単一のコンピュータモデルへ二種またはそれ以上の秩序由来の情報をシンセサイズするか、あるいは異なる秩序を提示する二つのコンピュータモデルをリンクして、交差し秩序だった考察も提供される。
たとえば、コンピュータモデルは、膵臓などの特別な生物学的系、ならびにそのコンピュータモデルによって探究され得る結果に関する解剖学的因子を反映する。モデルに組込まれる詳細レベルについては、コンピュータモデルの特別な故意の使用によって、しばしば規定される。たとえば、評価される生物学的成分は、亜細胞レベルでしばしば操作される。したがって、亜細胞レベルは、モデル内に提示される詳細事項の最小のレベルを占めることができる。亜細胞レベルには、たとえばDNA、RNA、蛋白質、化学的に反応性のある分子のような生物学的成分、ならびに細胞内小器官が含まれる。同様にそのモデルについては、多細胞のレベルで、またはさらに生物体の全体のレベルでさえも評価できる。個々の生物学的系、すなわち、単一のヒトまたはマウスが、生物学的成分の根源的な効果に関する一般的な興味の対象であるため、個々の生物学的系(たとえば、臨床上の出力結果の形での提示)は、システム内で最高の提示が成される。疾患の進行および治療の介入は、より低いレベルでのパラメータ変化でモデル内に導入され、その低レベルの結果として臨床上の出力結果が伴い、臨床上の出力変数が直接変化することによって、対照的に疾患の効果が提示される。
ユーザーに報告される詳細事項のレベルは、ターゲットのユーザーの素養のレベルに依存して変化し得る。健康管理設定の目的で、特に多数の一般人が用いる場合は、コンピュータモデルのトップではより高レベルの抽象概念が含まれるのが望ましい場合がある。こトより高いレベルの抽象概念によって、たとえば主要な生理学的サブシステムおよびそれらの相互接続が示され得るが、それにはコンピュータモデルのある詳細エレメントの報告は必要とはならず、そのことは少なくともユーザー以外が詳細なエレメントの考察を明確に決定することはない。このより高レベルの抽象概念によって、バーチャル患者の表現型およびそれに基づく生理学的特性の説明が提供されが、コンピュータモデル内のそのバーチャル患者を創造するのに用いたあるパラメータ設定を含める必要はない。治療の提示の際、このより高レベルの抽象概念は試料内容を説明できるが、それにはコンピュータモデルにおける治療をシミュレートするのに用いられたあるパラメータ設定を含める必要はない。被験者および医師が特に関係するコンピュータモデルの出力集合については、容易にアクセス可能とすることができる。
一つのインプリメンテーションでは、コンピュータモデルは、数理的関連性、ならびに変数、パラメータ、および生物学的プロセスの間の相互関連性のバーチャル提示を可能にするように設定されている。このバーチャル提示には、ともにグループ化される際に生物学的系の大規模で複雑なモデルを提示する多重モジュールまたは機能エリアが含まれる。
一つのインプリメンテーションでは、シミュレーションモデル化ソフトウエアは、コンピュータモデルの提供に用いられ、知れについてはたとえば、「階層的生物学的モデリングおよび方法」という名称での米国特許第5657255号、1997年8月12日公布;「階層的生物学的モデリングおよび方法」という名称での米国特許第5808918号、1998年、9月15日公布;「ノードおよびリンク提示を用いるダイナミックシミュレーションモデルのための表示の生成方法」という名称での米国特許第6051029号、2000年、4月18日公布;「ノードおよびリンク提示を用いるダイナミックシミュレーションモデルのための表示の生成方法」という名称での米国特許第6539347号、2003年、3月25日公布;「シミュレーションモデル内のオブジェクトに関連したオブジェクトおよびパラメータのマッピング方法」という名称での米国特許第6078739号、2000年、1月25日公布;ならびに「シミュレーションモデル内のオブジェクトパラメータへのアクセス提供方法」という名称での米国特許第6069629号、2000年、5月30日公布、に記載されている。シミュレーションモデリング用ソフトウエアの例については、米国特許第6078739号に見出される。
1型糖尿病モデルの要素の間の動的関連性の説明には、種々のダイアグラムを用いることができる。適するダイアグラムの例としては、エフェクト‐サマリーダイアグラム類が挙げられる。
サマリーダイアグラムは、本明細書に記載の方法およびモデルでモジュール化される種々の経路およびモジュールの概観(Overview)を提示できる。たとえば、サマリーダイアグラムは、図2での説明のように、グルコースコントロールに影響を及ぼす可能性のある経路およびモジュールの概観を提供する。またサマリーダイアグラムは、モデルの個々のモジュールへのリンクも提供できる。それらのモジュールは、ダイアグラムの矢印記号を用いて核関連性が規定される「状態」および「機能」のノードを用いて表現型の関連成分をモデル化する。したがって、表現型の種々の要素に関する複合および動的な数理的関連性は、ユーザーに好適なように容易に提示される。
エフェクトダイアグラムは、モデル式のバーチャル表示を可能にし、モデル要素間の動的関連性を説明できる。図7は、エフェクトダイアグラムの例を説明し、その中で通常のCD+4細胞の膵リンパ節内における集積およびライフサイクルが記載されている。エフェクトダイアグラムは、モジュール、または機能エリア内に組織化されており、ともにグループ化されると、モジュール化された表現型の広範で複雑な生理学が提示される。
状態および機能のノードは、それらが提示する変数の名称およびモデルにおけるそれらの配置を示す。矢印および修飾記号は、状態および機能のノードの、モデル内のほかのノードとの関連性を示す。また状態および機能のノードには、シミュレートされた実験で提示される変数値を算出するのに用いられるパラメータおよび等式も含まれる。いくつかの実施形態では、状態および機能のノードについては、本明細書の参考文献として収載されている「ノードおよびリンクの提示を用いるダイナミックシミュレーションモデル用の表示の生成方法」という名称での米国特許第6051029号に記載の方法に従って提示される。状態および機能のノードのさらなる例については、以下で考察する。
状態ノードは白抜きのまるで提示され、システム内の変数を提示し、それらの値については、時間の経過に伴う入力の累積効果で決まる。「Input」とは、状態ノードのよってモデル化される変数に影響を及ぼす可能性のあるパラメータのいずれかを指す。たとえば、組織不活性マクロファージを提示する状態ノードに対する入力は、マクロファージの集積または循環血中の不活性単核球であり得る。状態ノードの値は、微分方程式によって定まる。状態ノードに関する予め規定されたパラメータには、その初期値(S0)およびその状態が含まれる。いくつかの実施形態では、状態ノードには半減期が存在し得る。それらの実施形態では、「H」を含むサークルは、半減期を有するノードに結着する。
機能ノードは二重まるで提示され、システム内の変数を提示し、いずれかの時点での値は、同じ時点での入力によって定まる。機能ノードは、それらの入力の代数機能によって規定される。機能ノードに関する予め決められたパラメータには、その初期値(F0)およびその状態が含まれる。ノードの状態を設定は、ノードの値の決定プロセスに影響する。状態および機能のノードの状態については、1)計算化、すなわち入力の結果としての値が計算される;2)条件指定化‐ロック化、すなわち値が時間経過でも一定に保たれる;あるいは3)条件設定化データ、すなわち値は、予め決められたデータポイントに従い、時間とともに変化する、が行われる可能性がある。
状態および機能のノードについては、ノードの別名としてのモジュールダイアグラム内に一回以上表れ得る。ノードの別名については、一個または複数のドットによって表示される(たとえば、図7中の状態ノード「PLNact.diab.Th1 cells」参照)。また状態および機能のノードは、矢印およびほかのノードに関連したそれらの位置によっても、ソースノード(S)または標的ノード(T)のいずれかとなるように規定される。ソースノードは矢印の尾部に配置され、ターゲットノードは矢印の頭部に配置される。それらのノードについては、活性または不活性であり得る。
矢印はソースノードをターゲットノードにリンクさせ、それらのノード間の数理的関連性を提示する。矢印については、矢印の活性を示すサークルで標識され得る。そのサークル内の注釈に対する記号は、各モジュールダイアグラムの左上方の隅に配置される。矢印のヘッドが無地の場合、効果がプラスである。矢印のヘッドが中空の場合、効果はマイナスである。矢印のタイプ、矢印の特徴、および矢印の方程式のさらなる説明については、たとえば米国特許第6051029号、米国特許第6069629号、米国特許第6078739号、および米国特許第6539347号を参照のこと。
図10〜195は、1型糖尿病モデルの種々の態様を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。
1.組織コンパートメント
1型糖尿病モデルには、膵臓および膵リンパ節の提示が含まれる。β細胞、マクロファージ、樹状細胞、CD+4Tリンパ球、CD+8Tリンパ球、制御性T細胞、Bリンパ球、内皮細胞およびNK細胞の種々の機能については、前述の二つのコンパートメント内に適合するように提示される。モデルは、膵リンパ節内の自己反応性Tリンパ球およびBリンパ球の活性、ならびに膵臓内での膵島炎をシミュレートする(図4)。
1型糖尿病の病因への胸腺の寄与(チェックポイント0)については、循環血中への未応答のCD4+およびCD+8、ならびに制御性のT細胞集団の流入によって提示され、その数および特性については、数理的に取扱うことが可能である。血液コンパートメントは、血中グルコースおよびインスリンによって妻子に提示され、それによって臨床上の出力が提供される。
また1型糖尿病モデルには、消化管(腸)組織の提示、および消化管に関連したリンパ系組織のプロトタイプの提示も含まれる。消化管、および消化管に関連したリンパ系組織の、経口投与療法への寄与については、それらの組織および対応する細胞集団の明確な提示で再現される。マクロファージ、樹状細胞、CD+4Tリンパ球、CD+8Tリンパ球、制御性T細胞、Bリンパ球およびNK細胞の種々の機能については、それらの二つのコンパートメント内に適合するように提示される。モデルは、経口治療薬の消化管組織ならびに血液への分布をシミュレートする。消化管へ分布した治療薬は、消化管に関連するリンパ系組織内の治療薬反応性のTリンパ球およびBリンパ球を活性化させることができる。血液へ分布した治療薬は、膵リンパ球および膵臓内の治療薬反応性のTリンパ球およびBリンパ球を活性化させることができる。モデルは、多組織コンパートメントでの経口投与された治療薬の活性をシミュレートし、その結果、コンパートメント内の治療薬反応性Tリンパ球およびBリンパ球の欠失および/または活性抑制が起こり得る。
2.マクロファージおよび樹状細胞
マクロファージおよび樹状細胞は、膵臓の炎症性浸潤の早期に存在し、破壊プロセスの期間の全域にわたって蓄積が継続する。食細胞の不足、IL‐12の合成、および抗原の提示、特にCD11c+CD11b+CD8α性の樹状細胞についてはすべて、病的プライミング、ならびに膵リンパ節内の糖尿病原性Tリンパ球の増殖に関与していた。さらに、マクロファージおよび樹状細胞によるTNF‐α、IL‐1、および反応性窒素含有物質の産生によっても免疫反応が増幅され、同時に膵島でのβ細胞機能および生存が直接的な影響を受ける。
ある実施形態では、コンピュータモデルには、樹状細胞およびマクロファージに関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示が含まれ、それには(1)集積、退出、およびアポトーシスを含めた膵臓内での集団のダイナミクス;(2)流入およびアポトーシスを含めた膵リンパ節内での集団のダイナミクス;(3)可溶性因子、および組織リンパ球との細胞接触によって制御される、膵リンパ節および膵臓内での活性化;(4)膵臓内での食細胞および抗原の取込み;(5)膵リンパ球および膵臓内のCD+4リンパ球、CD+8Tリンパ球および制御性細胞への抗原定時およびそれらの共刺激;(6)膵リンパ節および膵臓におけるメディエーターの分泌(たとえば、TNG‐α、IL12,ROS/RNS);および(7)細胞リンパ球との細胞接触が含まれる。
また樹状細胞およびマクロファージには、免疫反応に重大な重要な差があり、それらは定量的に明確な樹状細胞の表現型および交差提示能の出現、ならびに食細胞、抗原取込み、抗原提示能およびサイトカイン合成速度が含まれる。それらの素のいくつかをアドレスするために、異なる機能に関連した特別の生物学は、異なる集団ごとに分けてモデル化され得る(たとえば、非成熟型のDC(樹状細胞)が、炎症性表現型‐対‐抑制性表現型を有する成熟型DCに生育すること)。樹状細胞およびマクロファージの抗原提示機能、ならびにほかの成熟型細胞、β細胞および内皮細胞に影響を及ぼす可溶性メディエーターの分泌によって、疾患に対する樹状細胞およびマクロファージの寄与を把握できる。
樹状細胞は、適応性免疫反応を伴う重要な抗原提示細胞とみなされてきた。特に樹状細胞は、免疫反応の見張り役となり、抗原特異的なTリンパ球およびBリンパ球によって「発見」され得る抗原について、末梢組織を精査する。樹状細胞はプロセスおよび抗原の内部化のみならず、抗原特異的なTリンパ球およびBリンパ球への追加情報の提供のための種々のシグナル統合も行い、それによって追加情報が結果生じる反応に大いに影響する可能性があることが次第に分かってきた。それらのシグナルには、可溶性メディエーター(たとえば、TNF‐α)または細胞接触(たとえば、CD40‐CD40Lが介在する、T細胞との細胞接触)が含まれ得る。これらのシグナルの統合については、たとえば細胞表面分子の発現、可溶性メディエーターの産生、成熟状態および/または抗原提示を変えることによって、樹状細胞の表現型が変わり得る。樹状細胞の表現型については、炎症性(すなわち、炎症性の樹状細胞)または抑制性(すなわち抑制性樹状細胞)としての特徴を持ち得る。炎症性樹状細胞は、エフェクターT細胞の進展によって特徴づけられる炎症性免疫反応の開始または持続化に作用する。抑制性樹状細胞は、制御性T細胞集団の進展および/または活性化によって炎症性免疫反応の防止またはコントロールに作用する。樹状細胞の表現型は、時間および空間の支配によって変化する反応推移で同時に生じ得るため、唯一のものではない。この大筋では、炎症性樹状細胞と抑制性樹状細胞とのバランスでの時間または空間が変化すると、炎症性T細胞と制御性T細胞とのバランスが影響を受けると考えられる。さらに、樹状細胞の表現型の制御された決定によって、プラスのフィードバックを受け、炎症性エフェクターT細胞が樹状細胞をさらに炎症活性化することが可能となる。それに対して制御性T細胞は、抑制性樹上細胞を誘導してさらに制御性のT細胞になる。
これらの機能の提示は、1型糖尿病の病因にまつわる以下の研究を容易にすることができる。(1)マクロファージおよび樹状細胞による抗原提示およびメディエーター分泌の、ほかの細胞型と比較した重要性;(2)β細胞の破壊に関して、初期炎症と進行との間におけるマクロファージおよび/または樹状細胞の役割の違い;および(3)それらの集団、トラフィッキング、DC(樹状細胞)表現型、またはそれらの特定な機能を標的とする療法の影響力。
3.CD4+Tリンパ球
CD4+Tリンパ球は、NODマウスにおける1型糖尿病の病因の中心的な役割を果たす。いくつかのCD4+クローンによって、非糖尿病性NODマウスへの養子移行時に疾患が発症する可能性があり、NODマウスでのCD+4Tリンパ球のインビボ欠失煮よお手疾患の防止が可能である。CD+4Tリンパ球は3週齢付近で膵内に浸潤を開始し、大きな浸潤部分が構成される。それらの主要な疾患進行機能のいくつかには、CD8+Tリンパ球およびマクロファージ/樹状細胞のようなほかの細胞への支援の提供、炎症性サイトカインの分泌、および膵β細胞の死の誘発が含まれる。しかしながら、CD+4Tリンパ球については、抑制性サイトカインを分泌する適応的(adaptive)制御性T細胞(aTregs)へのそれらの分化によって、糖尿病の防止または治癒における重要な役割も果たす。対照的に、生得的制御性T細胞(iTregs)(たとえば、CD+4CD+25、NKT)では、基礎的な制御性機能に関するさらなる末梢分化が要求されず、それらの細胞については以下で述べる。ある実施形態では、コンピュータモデルは、Th1、Th2、および適応的制御性T細胞のサブセットを含めたCD+4Tリンパ球に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含み得る。本発明のコンピュータモデルに採用可能であって、CD+4Tリンパ球に関連した好ましい生物学的プロセスには(1)膵リンパ節および膵臓における抗原提示および共刺激による活性化;(2)膵リンパ節における抗原曝露、共刺激、樹状細胞の表現型、サイトカイン、および制御性T細胞との接触に依存した、Th1、Th2、または適応的制御性サブタイプの分化および活性化の制御;(3)CD+4T細胞サブセットの間の交差制御;(4)CD+4サブセットに関する膵島集積の分化制御;(5)流入、増殖、分化、アポトーシス、および退出を含めた、膵リンパ節における集団ダイナミクス;(6)集積、増殖、およびアポトーシスを含めた膵臓内での集団ダイナミクス;(7)膵リンパ節および膵臓における抗原提示細胞の活性化、およびCD8+TおよびBリンパ球の活性化能;(8)膵リンパ節および膵臓におけるメディエーター(たとえばIL‐4、IL‐10,IFN‐γ)の分泌;(9)可溶性メディエーターおよび細胞接触によるβ細胞の死化;および(10)たとえばほかのTリンパ球、Bリンパ球、樹状細胞およびマクロファージとの細胞接触が含まれる。
これらの機能の提示によって、1型糖尿病の病因にまつわる以下の研究が容易になりえる。(1)膵リンパ節ならびに膵臓内の病原に対する、異なるCD+4Tリンパ球機能の相対的な重要性;(2)異なるCD+4T細胞サイトカインの病因への寄与;(3)疾患開始に対する、異なるCD+4Tリンパ球サブタイプの相対的な寄与;(4)疾患の開始/進行における制御性T細胞の役割;(5)β細胞の死化におけるCD+4Tリンパ球の相対的な寄与;および(6)CD+4Tリンパ球の増殖、分化、アポトーシス、および遊走を標的とする療法の影響力。
4.CD+8Tリンパ球
糖尿病原性CD+4Tリンパ球と同様に、1型糖尿病におけるCD+8Tリンパ球の重要性については、養子移行が疾患を誘発するクローンの同定、ならびにCD+8Tリンパ球の欠失による糖尿病の防止によって立証されてきた。CD+8Tリンパ球は、膵浸潤中に存在し、時間とともに蓄積する。免疫系における主要な機能が細胞障害活性であるため、CD+8Tリンパ球については、β細胞の死化における中心的な役割を果たすと信じられている。それらの細胞障害能のほかにさらに、CD+8Tリンパ球のサイトカイン産生については、疾患の進行に重要であると信じられている。
ある実施形態では、コンピュータモデルはCD+8Tリンパ球に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含むことができ、それには(1)膵リンパ節および膵臓内での抗原曝露および細胞接触による活性化;(2)流入、増殖、アポトーシスおよび退出を含めた膵リンパ節での集団ダイナミクス;(3)集積、増殖およびアポトーシスを含めた膵臓での集団ダイナミクス;(4)膵リンパ節および膵臓でのメディエーター(たとえば、TNF‐α、IFN‐γ)の分泌;(5)可溶性メディエーターおよび細胞接触によるβ細胞の死化;および(6)たとえば、ほかのTリンパ球、Bリンパ球、樹状細胞およびマクロファージ、ならびにβ細胞との細胞接触が含まれる。
これらの機能の提示は、1型糖尿病の病因にまつわる以下の事柄の研究を容易にする。(1)膵リンパ節および膵臓でのCD+8Tリンパ球の疾患進行に対する相対的な重要性;(2)β細胞の死化に対するCD+8Tリンパ球の相対的な寄与;および(3)CD+8Tリンパ球の増殖、分化、アポトーシスおよび遊走を標的とする療法の影響力。
5.Bリンパ球
抗体産生は、1型糖尿病における顕著な特徴の一つであるが、NODマウスでの1型糖尿病におけるBリンパ球の実際の役割についてはすでに解明されている。Bリンパ球の破壊または遺伝的な排除によって、疾患に対する防御が見られるが、その防御メカニズムについては明確ではない。Bリンパ球は、抗原提示細胞および自己抗体産生としてのその役割によって、疾患に寄与し得る。
ある実施形態では、コンピュータモデルは、Bリンパ球に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含むことができ、それには(1)膵リンパ節および膵臓におけるCD+4およびCD+8Tリンパ球への抗原提示、およびそれらの共刺激、(2)膵リンパ節および膵臓における表面免疫グロブリン受容体への抗原曝露および細胞接触によるBリンパ球の活性化;(3)膵リンパ節における樹状細胞の抗原トランスファーまたは細胞接触によるBリンパ球の活性化;(4)膵臓内での樹状細胞または膵島β細胞の抗原トランシファーによるBリンパ球の活性化;(5)膵リンパ節および膵臓における自己抗体およびメディエーターの分泌;(6)膵リンパ節および膵臓での集団ダイナミクス;および(7)たとえばTリンパ球との、細胞接触が含まれる。
これらの機能の提示は、以下の研究を容易にする。(1)Bリンパ球の抗原提示細胞機能および抗体産生の、疾患進行への寄与;(2)疾患の開始および進行におけるBリンパ球の相対的な重要性;(3)DC(樹状細胞):Bリンパ球の相互作用の、Bリンパ球プライミングへの寄与;および(4)Bリンパ球またはその機能を標的とする治療アプローチの影響力。
6.ナチュラルキラー(NK)細胞
NODマウスの糖尿病モデルにおけるNK細胞のカッみょについては、次第に明らかになっている。しかしながら、NODマウスにおいて、NK細胞が自己免疫疾患から防御するか、あるいはその反対に疾患尾進行に寄与する場合があるという対立する証拠が示唆されると考えられる。最近の研究によって、NK細胞は適応免疫における中心的な制御の役割を果たし、自己免疫疾患に関与する場合があることが示唆された。数人の研究者によって、NK細胞はNODマウスにおいて機能が抑制していることが確認された。たとえば、5‐12週齢のNODマウスから得られた脾臓のNK細胞については、対照マウスと比較して溶解能が低下し、同時にIFN‐γ産生も低下していることが示された。さらに、NODマウスにおけるいくつかの防御的な治療介入は、NK細胞の活性に依存することが示唆された。たとえば、リノマイドおよびフロイントの完全アジュバント(CFA)の投与によって得られた防御は、NK細胞の活性に依存し得る。IFN‐αおよびポリ(I:C)のような特異的ではないが防御性の薬剤についても、NK細胞の刺激による部分的な機能が見られる。これらの報告に基づくと、NK細胞の機能不全はNODマウスにおける疾患の病因に寄与するという合理的な仮説が得られるが、一方、その活性が増大すると、ほかの研究者の示唆では、ある条件下でNK細胞活性は、疾患の進行に寄与し得るとされる。
NK細胞は、1型糖尿病において重要な役割を果たすと思われるが、半導体内(仮想現実)におけるNK細胞の提示を束縛するデータはない。たとえば、疾患進行中の膵リンパ節および膵島におけるNK細胞の数については、NODマウスでは未知である。さらに、β細胞の破壊が始まった後では、NODマウスにおける末梢NK細胞は機能しないと思われるが、膵島内でのその活性が何であるか、あるいは疾患の初期段階では機能不全であるかどうかについては、不確かである。さらに、自然の疾患進行に対するNK細胞の欠失の効果についても、これまで論証されておらず、シクロホスファミドのモデルでの抗アシアトGM1による療法で防御されることが報告されているのみである。束縛データがないことは、NK細胞に関する定量的な予測での信頼性を低下させるが、前述の不確かな概略のいくつかについては、半導体内での仮説検定によって明確に解析でき、さらに理解を深めることができる。
ある実施形態ではコンピュータモデルは、NK細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含み、それには(1)膵リンパ節へトラフィッキングする構成性のNK細胞;(2)膵臓へのNK細胞の制御された集積;(3)細胞接触(たとえば、DC(樹状細胞)およびβ細胞)およびサイトカイン(たとえば、IL‐12、TNF‐α、TGF‐β)によるNK細胞の活性化の制御;(4)NK細胞の制御された増殖およびアポトーシス;ならびに(5)サイトカイン(たとえば、IFN‐γ、TNF‐α、TGF‐β)産生および細胞障害性(たとえば、感化β細胞および未成熟樹状細胞)を含めたNKエフェクター機能が、含まれる。
病因におけるNK細胞の役割が不確かであるため、いくつかの仮説が代替のバーチャルマウスで考慮でき、それらは報告データとの整合性の評価、および実際に実施された介入に対する影響力の評価に用いられる。
それらの機能の提示によって、1型糖尿病の病因における以下の論点の研究が可能になる。(1)疾患進行へのNK細胞機能の寄与;(2)疾患の開始および進行におけるNK細胞の相対的な重要性;および(3)NK細胞集団またはその機能を標的とする治療アプローチの影響力。
7.膵島のβ細胞
膵象のβ細胞の質量が失われることは、1型糖尿病への進行における中心的な事象である。非自己免疫性系統のマウスでは、生きている間はβ細胞の増殖と死とのバランスが保たれている。しかしながら、NODマウスではこの恒常性を乱す事象が順次起こリ、その結果β細胞質量が明らかに失われることによって、疾患の発症が特徴づけられる。この観点についてのいくつかのメカニズムが文献で示唆されてきたが、それらのメカニズムのうちでどれが疾患の出力に対して主に寄与するかに関しては、まだ議論の最中である。したがって、モデルにおけるβ細胞の振舞いには、死を誘発する種々のメカニズムの探究を可能にするのに充分な生物学的詳細事項が組込まれる。
正味のβ細胞質量は、β細胞の複製とβ細胞の死とのバランスに依存する。したがって、ある実施形態ではコンピュータモデルは、β細胞の複製および/または細胞死に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含み、それには(1)年齢およびグルコースの曝露によって制御される複製;および(2)年齢、細胞接触(たとえば、Fas/FasL、ペルフォリン/グランザイム)、および可溶性メディエーター(たとえば、TNF‐α、IFN‐γ)によって制御される死が含まれる。提示されるβ細胞のさらに別の機能には、(1)細胞表面分子(たとえば、MHCクラスI、Fas)の制御された発現;および(2)可溶性メディエーター(たとえばインスリン、ROS/RNS)の合成が含まれる。
それらの機能の提示によって、1型糖尿病の病因における以下の論点の研究が容易になり得る。(1)β細胞の死を誘発する異なる経路の相対的な役割;(2)生理学的なβ細胞のターンオーバーの影響力;および(3)β細胞の破壊を抑制する療法の影響力。
8.別個の分布サイト(膵島ビン)
1型糖尿病は、膵臓内の膵島の進行性の破壊が特徴の疾患である。疾患の不均一性のうちの一つの主要な態様によれば、膵島に炎症性の浸潤がない場合(非関連状態)、ならびに浸潤がある場合(関連状態)の両方が同時に存在することで、β細胞の破壊度が変動し、その変動が示される。この不均一性およびそのダイナミクスの提示は、非治療の疾患および療法反応の両方の正確な再現のために重要であった。膵島の不均一性については、別個の分布サイトの陽関数表示モデリングによって再現され、半依存性の疾患関連性の説明が成された。さらに特定的には、各々の別個の分布サイト(または膵島ビン(islet bin);図3)は全部の膵島のフラクションを提示し、疾患の進行における明確な時点で浸潤され得る。浸潤され得る可能性を有する9個の膵島ビン(すなわち、関連した膵島)については明示され、浸潤されない1個の膵島ビン(すなわち、非関連の膵島)についても提示された。シミュレートされた疾患進行の経過と共に、自己反応性リンパ球で浸潤される膵島は、非関連の膵島ビンから関連の膵島ビンへ移動する。これらのリザーバーについては、さらに多くの膵島が浸潤されると、段々と「満たされる」。簡潔化するために、本明細書に含まれる図面には、一個だけの膵島ビンが提示されている(膵島1)。残りの膵島ビン(2−9)については、同様な提示が可能である。
膵島または膵島集合のうちのいずれか特定のものが浸潤されることになる(関連したもの)時期を求めるメカニズムは知られていないが、膵島浸潤(関連性)の膵臓ダイナミクスの全体についてはすでに特性解析されてきた。そのダイナミクスのコントロールについての理解は不完全である。しかしながら、CD+4およびCD+8Tリンパ球については、以下の二つの間接的情報の証拠が示唆される。(1)疾患進行の早期でのCD+4またはCD+8Tリンパ球のいずれかの細胞集団のブロックが、膵島の関与の程度を限定すること;および(2)糖尿病原性のCD+4またはCD+8Tリンパ球の移行によって、膵島の関与が誘導されること。これらのデータに基づくと、膵島の関与の割合については、循環血中の活性化した糖尿病抗原特異的なCD+4およびCD+8Tリンパ球の機能として提示できる。したがって膵島関与の曲線によって、別個の分布サイト(膵島ビン)が浸潤される(関与した)時期を求めることができる。
別個の分布サイトの提示によって、疾患の活動度および進行における不均一性、ならびに治療反応に対する不均一性の効果に適した提示が可能になる。さらに、明確な膵リザーバーに対する治療タイミングの相対的効果の研究も可能になる。
9.効果抗原のプール
NODマウスの1型糖尿病では、いくつかの自己抗原がすでに同定されている。たとえば、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)およびインスリンについては、自己抗体の産生およびTリンパ球の反応に基づく疾患プロセスにおいて、主要な自己抗原と考えられている。しかしながら内因性抗原については、いくつかの糖尿病原性の単離クローン(たとえば、BDC2.5)で未同定である。これらの異なるデータソースの使用、および可能性のある異なる自己抗原の提示を容易にする目的で、一般化または有効な膵抗原のプールが、NODマウスの1型糖尿病モデルには含まれる。この効果抗原プールを使用すると、全糖尿病原性Tリンパ球のレパートリーの捕捉も容易になる。これに対して、単一の糖尿病原性Tリンパ球クローンのレベルでの反応ではうまくいかない。適合性の点(たとえば、特異的抗原を標的とする治療の実施)では、特異的抗原および抗原特異的リンパ球について、これまで明示されてきた。
適合性の点では、取込みおよび提示に対する、可溶性自己抗原と細胞関連自己抗原との異なる影響力が考慮された。モデルでは、可溶性自己抗体の産生は、β細胞数およびインスリン合成活性に依存するが、細胞関連の自己抗原の産生については、アポトーシス性β細胞の量、ならびに樹状細胞およびマクロファージによる食作用の速度に関係している。代わりの抗原ソースの仮説を立てるには、β細胞に非依存性の抗原ソースが提示され得る。樹状細胞、マクロファージ、およびBリンパ球は抗原を捕捉し、MHC抗原複合体を提示するが、その効率は、抗原ソース、および自己抗原の存在に依存して変動する。
これらの機能を提示すると、自己免疫反応の進行時、自己抗原の利用可能性および疾患進行に対するその影響力、ならびに特異的抗原の標的化における治療効果についての、可溶性自己抗原と細胞関連自己抗原との相対的な役割の研究が可能になる。
10.グルコースのコントロール
モデルには、β細胞によるインスリンの合成および分泌の最小限の提示が含まれる。インスリンの放出速度は、グルコースの濃度に依存する。β細胞のインスリン分泌に対するROS/RNSの影響力も、モデルに含まれる。インスリンに対するグルコースの効果および感度についてのパラメータが定量化されいて、従来からの「最小モデル」提示に類似したアプローチを用いると、グルコース濃度自体はインスリン依存性および非依存性のメカニズムで制御される。これを実行すると、疾患進行中のグルコースによるインスリンの動的制御が可能になり、β細胞の質量および機能のどのような変化が、循環血中のグルコースおよびインスリン濃度に影響するかの予測が可能になる。
11.内皮細胞
内皮細胞は、膵臓への炎症性細胞の進入を制御し、いくつかの有力な療法では、白血球と内皮細胞との相互作用が標的とされてきた。膵内皮細胞の主要な機能は、付着相互作用による循環血中白血球の流入を制御することである。ある実施形態では、コンピュータモデルは内皮細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセスの提示を含むことができ、それには(1)膵臓における、サイトカインで制御される内皮付着性分子の発現;および(2)内皮付着性分子による、膵臓への白血球の集積の制御が含まれる。内皮細胞に関連した生物学的プロセスを提示すると、内皮付着性分子の発現の制御の、治療効果に対する影響力の評価が可能になる。
12.固有の制御性T細胞(iTregs)
1型糖尿病の一つの仮説設定を行うと、固有の制御性T細胞が欠乏する。それらの細胞は、自然の病因での疾患の進行速度を変え、抵抗性表現型での進行を限定し、いくつかの療法の効果を変える場合がある。固有の制御性T細胞(たとえば、NKT、CD4+CD25+、DX5+)のいくつかの集団における数的および機能的不足については、NODマウスにおける1型糖尿病の病因に対して重要であると考えられる。さらに、いくつかの治療薬は、それらの集団を刺激することで、少なくとも部分的に作用し得る。二つの主要なメカニズムである細胞接触および制御性サイトカイン分泌については、多くの制御性細胞型にとって一般的なことと考えられる。したがって、いくつかの制御性集団が、それら個別のモデル化を保証するには不充分である一方、異なる固有の制御性集団の機能性については、細胞接触、および制御性サイトカインの分泌で作用する一般的な集合をモデル化することによって捕捉され得る。CD4+CD25+T細胞の集団ダイナミクスについては、固有の制御性T細胞の異なる亜集合で最もよく特徴づけられ、モデルでは対象集団を明確化した。しかしながら、NKT細胞に関する文献は、CD4+CD25+制御性T細胞とは異なる機能性を提示するのにも、評価し使用された。
ある実施形態では、コンピュータモデルは、固有の制御性T細胞に関連した一種または複数の生物学的プロセスの表示を含むことができ、それには(1)膵リンパ節および膵臓における抗原曝露および細胞接触による活性化;(2)流入、増殖、アポトーシスおよび退出を含めた膵リンパ節における集団ダイナミクス;(3)流入、増殖、およびアポトーシスを含めた膵臓における集団ダイナミクス;(4)膵リンパ節および膵臓における可溶性メディエーター(たとえば、TGF‐β、IL‐10、IL‐4)の分泌;(5)膵リンパ節および膵臓における細胞接触による抗原提示細胞の機能のモジュレーション;および(6)膵リンパ節および膵臓における細胞接触による、T細胞、NK細胞、およびBリンパ球の機能が含まれる。
固有の制御性T細胞(iTregs)集団のモデリングは、疾患の進行に影響を及ぼす制御性機能の累積的な提示にとって重要であり、またいくつかの療法に適した反応にとっても重要であった。特定の場合、エフェクターおよび制御性T細胞集団間の動的平衡については、疾患の進行速度、疾患の出力(非糖尿病‐対‐平均的な糖尿病‐対‐進行した糖尿病)、および制御性集団に対する好ましい効果を有する治療の決定因子であった。
これらの機能の提示によって、1型糖尿病の病因における以下の点の研究が可能になる。(1)サイトカインによる抑制−対−細胞接触の相対的な寄与;(2)疾患モジュレーションに対する異なる抑制性サイトカインの相対的寄与;および(3)生得的制御性T細胞を標的とする療法の影響力および最適な投与。
生得的制御性T細胞集団のシミュレート化された欠失煮ついては、エフェクター細胞と制御性細胞とのバランスが疾患の進行速度をどのようにしてコントロールするかを論証するのに使用できる。特定の場合、生得的制御性T細胞の欠失によって、モデルでのエフェクター細胞集団の進展が増大し、それによって最終的に疾患の進行が加速する。図8では、生得的制御性T細胞集団については、シミュレーション開始からすでに0に設定してあった。非操作のバーチャルマウスと比較して、生得的制御性T細胞がないマウスでは、PLNにおけるTh1の発現が有意に上昇することが示される(図8A)。Th1の進展は、ほかのエフェクター細胞集団によって反映される(データは示されず)。制御性細胞とエフェクター細胞とのバランスにおけるこのシフトが起こると、バーチャルマウスでの疾患が悪化し、15週で明らかな糖尿病が現われる(図8B)。
本発明には、多くの目的の達成にかなうシングルコンピューターモデルが含まれ得る。あるいはまたこのレイヤには、広範囲の生理学的システムをカバーする大規模コンピュータモデルの集合も含まれ得る。このシステムは1型糖尿病モデルを含むことに加えて、たとえば疫学的コンピュータモデルおよび病原コンピュータモデルのような相補型コンピュータモデルも含めることができる。コンピュータモデルについては、健康管理で用いるために、多数の対象および治療が解析されるように設計できる。いくつかの例ではコンピュータモデルについては、多数のバリデートされたバーチャル患者を創り出し、多数の治療に対する彼らの反応をシミュレートするのに使用できる。
本発明、および本明細書に記載の機能操作のすべてについては、デジタル電子回路、あるいはコンピュータソフトウエア、ファームウエア、またはハードウエアにおいて実施可能であり、それらには本明細書に記載の構造的手段およびその構造的等価手段、またはそれらの組み合わせが含まれる。本発明は、一個または複数のコンピュータープログラム製品、すなわち情報搬送体において実体的に具現化される一個または複数のコンピュータプログラムとして実施でき、その実行にはたとえば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または多重コンピュータのようなデータプロセシング装置の操作のコントロールがなされるか、または結果としてコントロールを行なう。(プログラム、ソフトウエア、ソフトウエアアプリケーション、またはコードとしても知られている)コンピュータプログラムについては、コンパイル型または逐次解釈型の言語を含めたプログラミング言語のいずれかの形式で書くことができ、スタンドアローン型プログラム、あるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピュータ環境での使用に適したそのほかのユニットとして含まれる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに符合しない。プログラムについては、対象プログラム専用の単独ファイル、または多重並列ファイル(たとえば一種または複数のモジュール、サブプログラム、またはコードポーションを保存するファイル類)において、ほかのプログラムまたはデータをホールドするファイルの一部に保存できる。コンピュータプログラムについては、一個のコンピュータ上、または一個のサイトでの多重コンピュータ上で実行できるように、あるいは多重サイトにわたり分布し、コミュニケーションネットワークによって相互接続できるように展開することができる。
本発明の方法の工程を含めた、本明細書に記載のプロセスおよびロジックフローについては、入力データおよび生成出力に対する操作によって本発明の機能を実施するための一個または複数のコンピュータプログラムを実行する一個または複数のプログラム可能なプロセッサによって実施可能である。またそれらのプロセッサおよびロジックフローについては、本発明の装置によっても実施可能であり、その装置はたとえば、FPGA(フィールドプログラム性ゲートアレイ)およびASIC(アプリケーション特異的積分回路のような特定目的の論理回路として実施可能である。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサの例には、一般および特定の両方の目的のマイクロプロセッサ、ならびにいずれかの種類のデジタルコンピュータの一個または複数のプロセッサが挙げられる。一般的にプロセッサは、ROM(読取り専用記録装置:ロム)またはRAM(読み書き可能な記憶装置:ラム)、あるいはその両方からの命令およびデータを受けることになる。コンピュータの基本エレメントは、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを保存するための一個または複数のメモリーデバイスである。また一般にコンピュータには、たとえば磁気ディスク、光磁気(MO)ディスク、または光ディスクのような、データ保存用の一個または複数の大容量ストレージデバイスも含まれ、それらはデータの受入れ、データのトランスファーできるようにコンピュータと結合されている。コンピュータプログラムの命令およびデータを具現化するのに適した情報搬送体には、すべての形式の非バリデートメモリーが含まれ、それらの例には、EPROM、EEPROM、およびラッシュメモリーのような半導体記憶素子類;内部ハードディスクまたは可動性ディスクのような磁気ディスク;光磁気ディスク;ならびにCD‐ROMおよびDVD‐ROMディスクが挙げられる。プロセッサおよびメモリーについては、特別な目的の論理回路で補足を受けるか、またはその中に組込むことができる。
本発明は、ユーザーとの相互作用を提供するために、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニターのようなディスプレイデバイスを有するコンピュータ上で実施可能であり、それらのディスプレイデバイスはユーザーに情報を表示するためのものであり、キーボード、およびマウスまたはトラックボールのようなポインティングデバイスによってユーザーはコンピュータに入力することができる。そのほかのデバイスも、ユーザーとの相互作用の提供に充分使用でき、たとえば、ユーサーに提供されるフィードバックについては、たとえばバーチャルフィードバック、聴覚性フィードバック、または触覚性フィードバックのような感覚性フィードバックのいずれかの形式であり得、ユーザーからの入力については、音響、話すまたは触れることを含めたいずれかの形式の入力で受入れ可能である。
本発明は、たとえばデータサーバーのようなバックエンドのコンポーネントを含むか、またはたとえばアプリケーションサーバーのようなミドルウエアコンポーネントを含むか、あるいはユーザーが本発明の実施と相互作用する際のGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)またはウエブブラウザーを有するクライアントコンピュータのようなフロントエンドコンポーネントを含むコンピュータシステムで実施可能である。そのシステムのコンポーネントは、たとえばコミュニケーションネットワークのような、いづれかの形式または媒体のデジタルデータコミュニケーションによって相互接続可能である。コミュニケーションネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、およびたとえばインターネットのような広域ネットワーク(「WAN」)が挙げられる。
コンピュータシステムには、クライアントおよびサーバーが含まれ得る。クライアントおよびサーバーは一般に、互いに離れており、通常はコミュニケーションネットワークで相互に作用する。クライアントとサーバーとの関係については、各々のコンピュータで進行し、クライアント‐サーバー相互関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
E.哺乳動物の1型糖尿病のシミュレーション方法
本発明の一つの態様によれば、1型糖尿病に関係した生物学の、コンピュータに基づく数理的提示が提供される。モデルの各々には、疾患に関連する生物学的成分および機能のネットワークを説明する非線形、結合型の常微分方程式の集合;モデル化された生物学バーチャル表示を提供するGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス);モデリングの決定事項をサポートする公開された文献および原理的説明の研究者による調査を可能にする参考文献および原理;および半導体内(仮想条件)で実験を行い、結果を取扱うためのリサーチアーキテクチャーが含まれる。糖尿病のような代謝性疾患の、コンピュータに基づくモデルの開発については、共同出願中の米国特許出願第10/040373号、すなわち米国出願公開第2003/0058245号で詳細に述べられており、それらの全体は本明細書において参考文献として収載されている。
臨床モデルの各々の領域については、そのモデルが再現するのに必要なシステムレベル(または臨床上)の挙動によって規定される。従って、基礎を構築する生物学については、所望の挙動の再現および特定の研究課題のアドレスに必要とされるように詳細にモデル化される。特定のデータがない場合、モデルは、関連データ、ならびに一般的な生理学的および身体的な原則を用いることで、予想される出力と矛盾しないシステムレベル挙動を生成する。
モデル方程式、および関連するパラメータ値の特定化された集合によって規定されるバーチャル患者については、特定の患者の表現型を探究するために開発され、異なる臨床上の挙動(たとえば、疾患の重篤度、異なる速度の疾患進行)または異なる疾患病理生理学的状態(たとえば、Bリンパ球依存性‐対‐Bリンパ球非依存性の炎症)を反映できる。NODマウスの1型糖尿病モデルでは、それらの提示はバーチャルマウスと称される。バーチャル患者が米国出願公開第2003/0058245号に記載されたように開発されると、パラメータの異なる集合が選択されて、受容体発現の増加または減少、サイトカイン産生速度、あるいは細胞集団の数または機能のような異なる生物学的特徴を有するバーチャルマウスが提示されることになる。これらのバーチャルマウスを規定するパラメータ集合は、モデル内に保存され、疾患メカニズムの研究および有効治療薬の開発を含めた多様な研究に用いられることになる。
ある実施形態では、疾患の病因および不均一性に寄与するプロセスを提示し、理解するために、代わりのバーチャルNODマウスも開発できる。基礎的な病理生理学の観点からの疾患の臨床上明らかなことまたは不確かなことの多様性を説明する代わりの疾患仮説についても、明確に提示できる。ひとたび実施されると、疾患出力についての各々の仮説の効果が探究可能となり、それらの結果に基づくと、競合する仮説の間の識別ができるように実験を設計できることで、基礎を成す病理生理学の理解を深めるための半導体内(仮想状態)でのガイダンスが提供される。
さらに、ある実施形態では、バーチャルマウスのコロニーについては、NODマウス生物学の関する研究プロジェクト、および新規治療薬の評価に用いられるように伸展可能である。たとえば、異なる表現型、および表現型におけるメカニズムが関わる病理生理学における相違を提示するために、バーチャルNODマウスを開発できる。これらのバーチャルNODマウスの挙動については、既知の病因に矛盾せず、対照のNODマウスで試験が成された選択介入の集合に対する報告された反応の範囲内に含まれると考えられる。そのような代わりのバーチャルマウスの代表例としては、早期の疾患発症、遅い疾患発症、およびマウスの合理的な寿命を通じての疾患抵抗性が挙げられる。
また本発明は、1型糖尿病のシミュレーション方法も提供し、その方法は上記のような1型糖尿病のコンピュータモデルの実行を含む。1型糖尿病のシミュレーション方法にはさらに、コンピュータモデルにバーチャルプロトコルを適用して、生物学的システムの表現型を提示する出力集合を生成する工程も含まれ得る。その表現型についてはさらに、正常状態または疾患状態の提示も可能である。ある実施形態では、その方法にはさらに、コンピュータモデルの実施前に、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータまたは変数を同定するユーザ入力の受け取りも含まれ得る。ユーザ入力は、バーチャル患者の規定またはバーチャルプロトコルの規定を含むのが好ましい。
このコンピュータモデルを進行させると、そのコンピュータモデルによって提示される生物学的システムについての出力集合が生出される。その出力集合は、生物学的システム、すなわちシミュレートされた対象の一種または複数の表現型を提示し、そのシステムには特別の時間および特別の実行筋立てにおける変数およびパラメータに関連した値またはそのほかの徴候が含まれる。たとえば、表現型は特別な時間での値によって提示される。その変数の挙動については、たとえば一種または複数の数理的関連性を数的または解析的に統合することによってシミュレートされ、種々の時間における変数に値を与えて、表現型を時間的に推移させる。
コンピュータで実行可能なソフトウエアコードは、種々のシミュレートされた実験条件下でモデルの数理的方程式を数的に解く。さらに、コンピュータで実行可能なソフトウエアコードによって、異なる患者に種々の刺激を与えるシミュレーションのためのモデル方程式およびそれらに関連したパラメータの可視化および取扱いが容易になり得る。それについては、「シミュレーションモデル内のオブジェクトに関連したオブジェクトおよびパラメータのマッピング」という名称の米国特許第6078739号を参照のこと。なお、その開示情報は本明細書において参考文献として収載されている。したがってこの(これらの)コンピュータモデルについては、有力な薬物標的および治療ストラテジーの迅速な仮説検定および研究に使用可能である。
一つの実施形態では、コンピュータモデルは生物学的システムの正常な状態、ならびに異常な(疾患または毒性の)状態を提示可能である。たとえば、コンピュータモデルには、糖尿病状態または糖尿病状態への進行をシミュレートするのに変更されるパラメータが含まれる。疾患状態を提示するためにパラメータを変えることは、一般には疾患状態を包含した基礎的な生物学的プロセス、たとえば基礎を成す生理学に対する疾患の遺伝的または環境的な影響を提示することである。一個または複数のパラメータを選択して変えることによって、ユーザーは正常状態を修飾し、対象の疾患状態を誘発させる。一つの実施形態では、一個または複数のパラメータの選択または変更は、自動的に行われる。
本発明の本実施形態では、バーチャル刺激によって規定される修飾との、コンピュータモデルの種々の数理的関連については、標準的なアルゴリズムを用い、コンピュータによって数的に解くことができ、その修飾に基づく一点または複数点の時間における変数値を得ることができる。そのような変数値については、第一のバーチャル測定値集合の結果の第一集合を順番に生成するのに用いることができる。
コンピュータモデル関連の一人または複数のバーチャル患者については、初期パラメータ値に関連している初期のバーチャル患者に基づいて創造できる。異なるバーチャル患者については、初期のバーチャル患者を修飾へ導くことによって、初期バーチャル患者に基づいて創造できる。そのような修飾には、たとえばパラメータの変化(たとえば、一個または複数の初期パラメータ値の変更または明確化)、一個または複数の変数の挙動の変更または明確化、変数間の相互作用を提示する一種または複数の機能の変更または明確化、あるいはそれらの組み合わせが含まれる。たとえば、ひとたび初期バーチャル患者が規定されると、ほかのバーチャル患者についても、初期パラメータ値での開始および一個または複数の初期パラメータ値の変更によって、初期バーチャル患者に基づいて創造できる。代わりのパラメータ値についても、たとえば米国特許第6078739号で開示されたように規定できる。これらの代わりのパラメータ値については、コンピュータモデルの異なるバーチャル患者を規定するのに使用できる異なるパラメータ値の集合に分類可能である。あるアプリケーションでは、初期バーチャル患者自体が、前述の考察のような方法で別のバーチャル患者(たとえば、異なる所期バーチャル患者)に基づいて創造され得る。
前述の代わり、または関連して、コンピュータモデル内の一人または複数のバーチャル患者については、連結型シミュレーション操作を用い、初期バーチャル患者に基づいて創造できる。連結型シミュレーション操作については、以下の公開情報が開示されている。「コンピュータに基づくシステムモデルを用いる連結型シミュレーション操作の実施方法およびそのための装置」(米国特許出願第2001/0032068号、2001年10月18日公示)。この公表情報は、初期シミュレーション操作に基づいた追加のシミュレーション操作の実施方法も開示しており、そこではたとえば一点または複数点の時間での初期シミュレーション操作への修飾が採用されている。本発明の本実施形態では、そのような追加のシミュレーション操作については、初期シミュレーション操作を用いて創造される初期バーチャル患者に基づき、コンピュータモデル内で追加のバーチャル患者を創造するのに使用できる。特にバーチャル患者については、特別な対象を提示するためにカスタマイズ可能である。所望の場合、一種または複数のシミュレーション操作については、コンピュータモデルの一人または複数の「安定な」バーチャル患者を創造するのに充分な時間、実施できる。一般に「安定な」バーチャル患者については、平衡状態または定常状態下、またはほぼそれに近い状態での一個または複数の変数によって特徴づけられる。
ヒトでの1型糖尿病の臨床の提示において認められる不均一性、および利用可能なヒトでのデータが限られていることによって、代わりのバーチャル患者の創造は本計画の臨界的態様である。そのような患者の提示は、患者の多様性の探究、ならびにヒトでの病因、および治療出力に対する結果の影響力に基づく不確実性の探究を可能にする。代わりのバーチャルNODマウスと同様に、代わりのバーチャル患者についても、臨床試験で観察される反応の不均一性と矛盾しない治療反応性における多様性を示すことができる。たとえば、一般的な臨床試験集団がインスリン忍容化にほとんど反応しなかったのに対し、より良好な治療反応については、インスリン自己抗体の力価が高い特徴を有する患者で観察された。結論として、代わりのバーチャル患者の提示は、異なる臨床亜集団での治療有効性の半導体内での評価を可能にし、新たな臨床試験のデザインまたは最適化を支援することができる。これらの代わりのバーチャル患者については、代わりのバーチャルマウスの開発の際に説明がなされたのと同じアプローチを用いて開発されると思われる。ヒトでの得られるバーチャル患者のコホートは、バーチャルNODマウスのコホートとともに、半導体での資源を、1型糖尿病に対する治療の開発への移転努力のために提供する。したがって1型糖尿病モデルには、多重バーチャルNODマウスおよびバーチャルヒト患者の提示が含み得る。
コンピュータモデルの種々のバーチャル患者によって、生物学的システムが投与された治療薬に対してどのように反応するかについての多様性の効果を評価するのに充分なだけの違いがある生物学的システムの多様性が提示され得る。特に、コンピュータモデルによって提示される一種または複数の生物学的プロセスについては、治療に対する生物学的反応をモジュレートする役割を果たすとみなすことができ、種々のバーチャル患者については、一種または複数の生物学的プロセスの異なる修飾を提示するように規定できる。一種または複数の生物学的プロセスの同定については、たとえば実験または臨床データ、科学文献、コンピュータモデルの結果、あるいはそれらの組み合わせに基づいて行うことができる。問題の一種または複数の生物学的プロセスがひとたび同定された場合、種々のバーチャル患者については、コンピュータモデルに含まれる一種または複数の数理的関係に対して異なる修飾を定義することによって創造でき、そのコンピュータモデルでは一種または複数の数理的関係は、一種または複数の生物学的プロセスを提示する。数理的関係に対する修飾には、たとえばパラメータの変化(たとえば、数理的関係に関連した一個または複数のパラメータの変更または明確化)、数理的関係に関連した一個または複数の変数の挙動の変更または明確化、数理的関係に関連した一種または複数の機能の変更または明確化、あるいはそれらの組み合わせが含まれ得る。コンピュータモデルは、コンピュータモデルの「安定な」構成を創造するのに充分な時間、特別な修飾に基づいて動作させることができる。
本発明の一つの態様によれば、1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルの開発方法が提供され、その方法は一個または複数の膵島中のβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に伴う一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;各々の生物学的プロセスを数理的に提示して、β細胞煮関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示、ならびに1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に伴う生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;および生物学的プロセスの低おじを組み合わせて、1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルを形成する工程を含む。本明細書で用いられる「1型糖尿病の治療」という用語は、1型糖尿病の予防、発症または進行の遅延化または復帰を目的として投与される実際または企画上のレジメンを指す。本明細書で用いられる「非インスリン」という用語は、グルコース値コントロールの明らかな目的で、インスリンが全身投与以外で投与(たとえば注入または吸入投与)されるレジメンを指す。インスリンおよび/またはインスリン産生細胞に対する忍容性を発展させる目的でのインスリン経口投与を含むレジメンについては、「非インスリン集積療法」の範囲から除外される。
ある実施形態では、1型糖尿病モデルについては、バーチャル刺激の適用またはプロトコールの提示、たとえば薬物の投与が成されると、実行される。バーチャル刺激については、生物学的システムに適用可能な刺激または混乱に伴う可能性のあるものである。異なるバーチャル刺激は、いくつかの点で互いに異なる刺激に伴う可能性のあるものである。生物学的システムに適用可能な刺激には、たとえば実在または仮説上の治療薬、治療レジメン、および医療検査が含まれ得る。刺激の追加の例としては、実在または仮説上の疾患前駆体への曝露が挙げられる。刺激のさらなる例としては、環境物質(たとえば抗原)への曝露レベルの変化に関係するもののような環境の変化が挙げられる。
バーチャル療法のようなバーチャルプロトコルについては、バーチャル患者に適用して、バーチャル患者の現実世界に相当する場合の療法に対する反応状態を予測することが可能である。生物学的システムに適用可能なバーチャルプロトコルには、たとえば実在または仮説上の治療薬および治療レジメン、わずかな時間の経過、環境毒素への曝露、運動の増加などが含まれ得る。バーチャル患者にバーチャルプロトコルを適用することによって、バーチャルプロトコルの結果集合を作ることができ、その集合は種々の治療効果を表わすことができる。
特定のアプリケーションでは、バーチャルプロトコルについては、たとえばモデルに含まれる一種または複数の数理的関係に対する修飾を規定することによって創造でき、その一種または複数の数理的関係は、そのバーチャルプロトコルに伴う状態または効果によって影響を受ける一種または複数の生物学的プロセスを提示できる。バーチャルプロトコルは、静的、動的またはそれらの組み合わせで導入され得る修飾を、バーチャルプロトコルに関連した特別な状態および/または効果に依存して規定できる。
本発明のあるインプリメンターションでは、コンピュータモデルは抗CD3モノクローナル抗体、抗CD8モノクローナル抗体、リポソーム型ジクロロメチレンジホスホネート(Lip‐Cl2MDP)、外因性IL‐10、抗B7.1/7.2モノクローナル抗体、経口インスリン、エキセンジン‐4、外因性TGF‐β、抗CD40Lモノクローナル抗体、ラパマイシン、および抗IL‐2モノクローナル抗体からなる群から選択される撹乱性薬剤の撹乱(たとえば治療)または作用をシミュレートできる。
NODマウスで試験された実験による介入の大規模解析(Shodaら、Immunity23(2):115‐126(2005);本明細書に参考文献として収載)を用いると、作用機序が異なり特性解析がよく成された薬剤;自然の病因への関連性;有効性の差;およびヒトでの臨床試験での適用を含めた多重規準を満足するように代表的な介入の集合が選択される。この集合には、以下の抗CD3モノクローナル抗体、抗CD8モノクローナル抗体、リポソーム型ジクロロメチレンジホスホネート(Lip‐Cl2MDP)、外因性IL‐10、抗B7.1/7.2モノクローナル抗体、経口インスリン、エキセンジン‐4、外因性TGF‐β、抗CD40Lモノクローナル抗体、ラパマイシン、および抗IL‐2モノクローナル抗体が含まれる。
一つのインプリメンターションでは、抗CD8療法は図122に記載したようにシミュレートされる。抗体については、公開された実験プロトコール(すなわち、用量、スケジュール、時期)に矛盾しないように投与され、その結果、血中の抗CD8抗体濃度が得られる。その抗体は血中のCD8+Tリンパ球を特異的に欠失させる作用を示す。さらにいくつかの抗体については、膵リンパ節および膵臓にも分布する。それらの組織の環境では、その抗体は同様にCD8+Tリンパ球を欠失させることができる。そのほかの療法の実施については、図121および123‐142で説明する。
本発明のコンピュータモデルについては、生物学的システムが特に感受性が高い標的または経路を同定するのに使用できる。感受性が高い標的または経路の同定方法については、「コンピュータモデルを用いる治療標的の同定のための装置およびその方法」という名称での米国特許出願公開第2004/029639号に詳細に記載されており、それは本明細書の参考文献として収載されている。
バーチャルNODマウスにおける主要な経路については、モジュレートされる場合、一種または複数の疾患出力における明らかな変化を引起こすものと同定できる。それらの経路の集合については、疾患進行の異なる段階で同定されると思われる。それらの結果によって、いくつかの療法の時間依存性の有効性が説明(すなわち、治療の「ウインドウ」の同定)され、既知薬剤の治療有効性の向上および/または新たな治療標的の同定が可能な代わりの時期/用量レジメンが示唆され得る。
主な疾患モジュレート性経路の同定については、バーチャルNODマウスまたはヒトでの患者のシステマティックな感受性解析の実施で達成できる。選択された生物学的経路については、個別にアップモジュレ−トおよびダウンモジュレートでき、つづいてシミュレーションによって求められる疾患出力に対して影響力を示すことができる。たとえば、新生のバーチャルマウスにおける自然の制御性Tリンパ球の数は、力価10で低下および増大する可能性があり;さらにそれらの値および結果(たとえば、β細胞の破壊速度、糖尿病発症の週齢)を、対照のNODマウスのそれと比較して用いることでシミュレーションを実施できる。そのような変化に対する時間の重要性を確かめるために、異なる週齢のバーチャルマウスで同じ変化を試験できる。この場合、モジュレーションが疾患の結果に対して明らかな影響力を引起こす経路または成分の集合については、疾患の多くの段階(たとえば、新生時、前糖尿病時期、糖尿病時期)で同定できる。
本発明のコンピュータモデルについては、一種または複数のバイオマーカーの同定に使用できる。バイオマーカーとは、特別な結果を推論または予想するために評価可能な生物学的特性のことを指すことができる。たとえばバイオマーカーによって、療法の有効性、生物活性、安全性、または副作用を予測できる。バイオマーカーについては、対象の微分に使用可能な試験を選択または創造するために同定できる。レスポンダーと非レスピンダーとを差別化するバイオマーカーについては、特定のゴールが対象の推奨療法の見極めである場合は、充分と言える。同様にバイオマーカーは、対象の診断または分類のために同定できる。さらに、バイオマーカーについては、療法に対する対象の実際の反応をモニタリングするためにも同定可能である。
本発明の一つの態様には、バーチャルプロトコルなしで、本発明のコンピュータモデルを実行することによって一種または複数のバイオマーカーを同定して、第一の結果集合を生成する工程;バーチャルプロトコルに基づきコンピュータモデルを実行して、第二の結果集合を生成する工程;および予め選択した生物学的特性を示す一種または複数の変数またはパラメータ、ならびにバーチャル測定値の間の相関性を同定する工程が含まれる。相関性を有する変数および/またはパラメータについては、第一の結果集合または第二の結果集合のうちの一方のみに存在するのが好ましい。
二種またはそれ以上のバーチャル測定値の結果については、一種または複数の標準的な統計検定に基づいて、実質的な相関性を求めることができる。相関性の同定に使用可能な統計検定には、たとえば線形回帰分析、非線形回帰分析、階層相関性検定が含まれ得る。特定の統計検定に従うと相関係数を求めることができ、相関性については、相関係数が特定な範囲内に含まれることの決定に基づいて同定できる。相関係数の例としては、統計定量的フィッティング点、r2、線形回帰分析およびスピアマンの順位相関係数に関連するもの、rs、順位相関検定に関連するものが挙げられる。
コンピュータモデル内のバーチャル患者については、コンピュータモデルのパラメータについての値の特別な集合に関連し得る。したがって、バーチャル患者Aにはパラメータ値の第一集合が含まれ、バーチャル患者Bにはパラメータ値の第二集合が含まれ得る。尚、パラメータ値の第二集合は、パラメータ値の第一集合とは同一形式で異なるものとする。たとえば、パラメータ値の第二集合には、パラメータ値の第一集合に含まれる対応パラメータ値とは異なる少なくとも一個のパラメータ値が含まれ得る。同様に、バーチャル患者Cは、パラメータ値の第三集合を伴う場合があり、その第三集合はいくつかの形式で第一および第二の集合とは異なる。
療法に対する生物学的反応をモジュールする生物学的プロセスについては、知識のギャップまたは不確実性が伴い得る。コンピュータモデルの種々のバーチャル患者については、知識のギャップの妥当と思われる異なる仮説または解決を提示するために規定できる。例を挙げると、膵リンパ節に関連した生物学的プロセスについては、1型糖尿病療法に対する生物学的反応をモジュレートする役割を果たすものとみなすことができる。自己免疫が1型糖尿病に対して影響することが分かっているとすることができるが、β細胞に対する異なるタイプの免疫反応の相対的効果、ならびに異なるタイプの免疫モジュレーターの基底濃度については、理解が充分ではない可能性がある。そのような状況のため、種々のバーチャル患者については、免疫細胞または免疫モジュレーターの基底含量が異なるヒト対象を提示するために規定できる。知識のギャップについては、「仮説感受性解析」という名称での共同出願中の米国特許仮出願第60/691809号に記載されたように同定および探究できる。
IV.実施例
A.CD8+T細胞のライフサイクル
以下の考察は、前述規定のコンピュータモデルが開発され得るモジュールによるプロセスの例を提供する。前述で考察したように、生物学的状態の種々の要素は、エフェクトダイアグラムで示される成分で提示される。これらの成分については、状態および機能のノードによって表示され、それらによって、生物学的状態の要素を規定する数理的関係性が提示される。一般的に、これらの数理的関連性は、関係する生物学的変数および生物学的プロセスに関する公に有用な適した情報を用いて展開される。膵島におけるCD8+T細胞のライフサイクルについてのモジュ−ルダイアグラムに基づく数理的関係性の展開については、本明細書の実施例で考察されることになる。
図9は、膵島におけるCD8+T細胞のライフサイクルに関するエフェクトダイアグラムの例を示す。図9での説明のように、膵島T細胞のライフサイクルについてモデル化された生理学的成分には、血中のエフェクター糖尿病‐抗原‐特異的CD8+T細胞;膵島1のCD8+T細胞の集積速度;膵島1のリザーバー関連の膵島のカウント;膵島1のリザーバーの集積状態;膵島1のCD8+増殖性フラクション;膵島1のエフェクター糖尿病特異的CD8+T細胞;膵島1のCD8+T細胞のアポトーシス;および膵島1のアポトーシス性CD8+T細胞が含まれる。
1型糖尿病に影響を与える膵臓では、CD8+T細胞は膵島内に蓄積し、そこではCD8+T細胞は可溶性メディエーターおよび直接的な細胞‐細胞接触を介してほかの細胞型と相互作用する。それらの相互作用は、関係するCD8+T細胞の数および活性状態によって形づけられる。図9および以下の記述は、血中のCD8+T細胞数および膵島の対照容積の算出のみに向けられる。膵島内でモデル化されたT細胞のターンオーバーの主要なプロセスは、T細胞の集積、増殖、およびアポトーシスである。モデルではこれらのプロセスの数的平衡によって、生きている膵島CD8+T細胞の数が求められ、それはモデルのほかの部分におけるT細胞の活性をモジュレートする。これらのプロセスのいくつかおよびT細胞の役割については、DiLorenzoおよびSerrezeのImmunol.Rev.204:250‐263(2005)にレビューがある。アポトーシス性の膵島CD8+T細胞の数は、生きている膵島CD8+T細胞の数、アポトーシス率、ならびに食作用または(アポトーシス性細胞の半減期でモデル化されるような)ほかの方法によるアポトーシス性CD8+T細胞のクリアランスを反映する。
図9は、血中のエフェクター糖尿病‐抗原‐特異的CD8+T細胞、膵島1の生きているかまたはアポトーシス性のCD8+T細胞をトラッキングするのに用いられる微分方程式に関するグラフィック提示を提供する。同じプロセスは、膵島2‐9におけるCD8+細胞を支配する(図3)。これらの微分方程式は、集積、増殖、およびアポトーシスの速度の計算値に依存するため、それらは集団ダイナミクスを支配する微分方程式の記述に従って第一に記載される。
血液から膵島1に集積されるCD8+T細胞は、3個のノード、すなわち膵島1のCD8+T細胞の集積速度(islet 1 CD8+ CD cell recruitment rate);膵島1リザーバー関連の膵島カウント(islet 1 bin involved islet count);および膵島1リザーバーの集積速度(islet 1 bin recruitment state)に支配される。
膵島1内に集積され得るCD8+T細胞の可能性については、膵島1リザーバーの集積状態によってコントロールされる。1型糖尿病の不均一性の一つの態様によると、多くの疾患段階(すなわち、非浸潤、緩やかな浸潤、重度の浸潤、破壊の段階)での膵島が同時に存在する。この不均一性については、疾患プロセスの異なる段階での自己免疫による破壊に関わる別個の分布サイトとしての膵島の提示によって再現される。膵島1リザーバーの集積速度によって、膵島1が自己免疫性リンパ球によって浸潤され得るかどうかが明確化される。
膵島1へのCD8+T細胞の集積は、膵島1関連の膵島カウントによってさらにコントロールされる。各々の別個の分布サイト(たとえば、膵島ビン)は、膵臓内の全膵島のフラクションを提示する。各サイト内では、膵島のいくつかは関与(浸潤)されている一方で、ほかの部分はまだリンパ球の浸潤はない。膵島1のリザーバー関連の膵島カウントは、膵島1のリザーバー内の関連膵島の数を、以下のように決定する:
膵島1のリザーバー関連の膵島のカウント(Islet 1 bin involved islet count)=リザーバー1関連フラクション(bin 1 involvement fraction)*gl全膵島(gl total islets)
リザーバー1関連フラクションは、膵島1で関連し提示される膵島のフラクションを反映する。パラメータ「gl全膵島」は、膵島の数を明確化するもので、BockらのDiabetes.54(1):133‐137(2005)によると、膵臓内の膵島数は2000である。
CD8+T細胞の集積速度定数は、膵島の対照容積へのCD8+T細胞のそう流入速度を明確にするものであり、以下の二つの成分の合計に等しい。1)内皮細胞による付着分子のアップレギュレーションに依存しない構成性成分;および2)膵島内の内皮細胞表面の付着分子のアップレギュレーションに依存する逝去された成分。それらは以下のように示される:
T細胞の集積の速度定数=最大集積速度定数*(1−構成性フラクション)*膵島EC(内皮細胞)付着分子の効果+最大集積速度定数*構成性フラクション
構成性フラクションは、塩基性の付着分子の発現で活性化される細胞の集積を説明し、そのことはSavinovら、J.Exp.Med.197:643‐656(2003)ですでに示されている。制御された成分によって、基準レベルより高い集積が説明され、付着分子の発現が増えることで進行する。パラメータ「最大集積速度定数」とは、時間当たりで集積される循環血中の糖尿病‐抗原‐特異的CD8+T細胞の最大集積を表わす。「最大集積速度定数」パラメータは、抗原提示、T細胞表面分子、オヨビケモスタティック因子を含めたCD8+T細胞の集積の最大速度を決定するほかの効果を包括する。このパラメータは、細胞の集積および増殖の集団依存性の間のバランスを維持する際の、膵島内のCD8+T細胞の報告数を実現するようにすでに調節されてある。
血中のエフェクター糖尿病‐抗原‐特異的CD8+T細胞(Tb)の集団サイズは、膵島のCD8+T細胞集団の主要な決定因子である。Tbの集団は、膵島ビン1‐9の各々におけるT細胞の集積速度(rbi)、血中でのエフェクターCD8+T細胞の半減期(tb1/2)、および膵リンパ節から血中に入るエフェクター糖尿病‐抗原‐特異的CD8+T細胞の速度(g)の評価から得られる値を用いて求められる。各膵島ビンに関するリザーバー集積状態が0より大きい場合、Tbから膵島ビン(rbi)への退出速度は、血中エフェクターCD8+T細胞集団、その膵島ビンが関係した膵島カウント、および膵島ビン内の集積速度に比例する。そうでなく、膵島ビンに関するリザーバー集積状態が0より大きくない場合、血中から膵島ビンへのT細胞の喪失はない。血中でのエフェクターCD8+T細胞の半減期については、活性化T細胞の自然の死によるアポトーシスの速度に基づき評価された(たとえば、T細胞の自然な半減期は46時間であることが、Kellyら、J.Immunol.168(2):597‐603(2003)が報告した)。膵リンパ節を退出するTbの速度は、モデルのいずれかで計算される。したがって、血中エフェクターCD8+T細胞集団ノダイナミクスは、以下の方程式で表わされる:
Figure 2008538024
膵島内でのCD8+T細胞の増殖は、特異的モーメント(fp)において有糸分裂中の細胞フラクションから求められ、それらはモデルのいずれかで求められ、「islet 1 CD8+ proliferative fraction」ノードによって提示される。その増殖フラクションは、抗原提示細胞(APCs)によるCD8+T細胞の活性化のよって進行し、可溶性メディエーターおよび細胞‐細胞接触の両方によってさらに制御される。T細胞の増殖速度定数(p)はln(2)/8=0.0866(1/h)に設定され、その値はSwainがCurr.Opin.Immunol.11(2):180‐185(1999)で奉告したサイクル時間8時間に相当する。
CD8+T細胞のアポトーシスは、設定時間(fa)におけるアポトーシスカスケード中の細胞のフラクションから求められ、それはモデルのいずれかで求められ、「islet 1 CD8+ T cell apoptosis」ノードによって提示される。アポトーシスフラクションは、無変化および活性化による細胞死(AICD)による両方の死を説明し、可溶性メディエーターによって制御される。T細胞アポトーシス速度定数(a)はln(0.5)/5=0.14(1/h)と設定され、その値は活性化したマウスT細胞の52%が、5時間後にアポトーシスするという観測(Zhangら、J.Exp.Med.186:1677‐1687(1997))に対応する。これらのデータは、無変化およびAICDによる両方の死を包括する。
生きているCD8+T細胞(Tv)およびアポトーシスCD8+T細胞(Ta)の集団は、T細胞の集積速度(r)、T細胞の増殖速度定数(p)、T細胞の増殖フラクション(fp)、T細胞のアポトーシス速度定数(a)、およびT細胞のアポトーシスフラクション(fa)の評価から得られる値を用いて求められる。膵島1ノリザーバー集積状態が0より大きい場合、血中から生きた細胞集団への細胞の集積速度(r)は、血中エフェクターCD8+T細胞(Tb)集団、およびT細胞の集積速度定数に比例するが、そうでない場合は、この膵島へのT細胞の集積はない。生きているCD8+T細胞は、生細胞(Tv)の集団、生きているCD8+T細胞の増殖フラクション(fp)、および増殖速度定数(p)に比例した速度で増殖する。したがって、生きているCD8+T細胞集団のダイナミクスは、以下の方程式によって表わされる:
Figure 2008538024
つづいて生細胞は、生細胞(Ta)の集団、T細胞のアポトーシスフラクション(fa)およびアポトーシス速度定数(a)に比例した速度でアポトーシスに至り、半減期(ta1/2)特性を有する食作用/分解を介して膵島型退出する。したがって、アポトーシス性T細胞の集団は、以下の微分方程式で表わされる:
Figure 2008538024
これらの方程式は共に、血中CD8+T細胞、ならびに膵島内の生きているCD8+T細胞およびアポトーシス性CD8+T細胞の集団ダイナミクスを明確化する。
このモジュール内の種々のフラクションにおいて用いられるパラメータ値については、実験データおよび以下に述べるガイドラインをマッチさせて求めた。一つの実施形態では、それらのガイドラインは以下の束縛事項として明示される。(1)集団(Tv、Ta)は、非治療の対照マウス(対照マウスタイプの規定)では時間とともに変化する;(2)活性化T細胞の特異的フラクションは、付着性分子の発現が基礎レベルである組織に集積され得る(Savinovら、2003);(3)動物個体の成長とともに数よりも質量が変化する考えられるNODマウスにおいて、膵島がおおよそ2000個存在する(Bockら、2005)。;(4)膵臓の最大の白血球浸潤の場合、アポトーシス性のT細胞集団のフラクション(Ta/(Tv+Ta))については、膵島白血球におけるすべてのアポトーシス事象に関するデータ(Audsteinら、Diabetologica41:1381−1388(1998))から得られた計算値に基づくと、2%未満である;(5)生きているCD8+T細胞についての倍化時間は、約8時間であり(Swain、1999)、それにより得られる増殖速度定数ln(2)/8=0.0866(1/h)である;ならびに(6)5時間以内でアポトーシス性となる活性化T細胞のフラクションは0.52であり、それから得られる活性化T細胞のアポトーシス側御定数ln(0.5)/5は0.14であり(Zhangら、J.Exp.Mrd.186:1677−1687(1997))、アポトーシス性細胞は、アポトーシスカスケードに入る4‐8時間以内に食作用を受ける。
これらの束縛が守られると、一つの実施形態では、パラメータは以下のように設定される。「集積に関する構成性フラクション」=0.5;「gl全膵島」=2000;「増殖速度定数」=0.0866(1/h);「アポトーシス速度」=0.14(1/h);アポトーシス性細胞の消失半減期(ta1/2)=4時間。これらのパラメータ値については、公知の文献には明確に報告されていないが、公知の文献、あるいは臨床上および実験室での実験から明らかになる上記事項のような束縛に従ってこれまで求められてきた。これらのパラメータ値は、必ずしも束縛だけを満たさなければならないわけではなく、T細胞の増殖性またはアポトーシス性のフラクションを有するマウスについて記述す場合のように、同一または異なる束縛を有する代わりの実施形態では変化し得る。
膵島CD8+T細胞モデル成分のライフサイクルの本実施例が説明ように、エフェクトダイアグラムの成分は、状態および機能のノードによって表示されるものであって、モデル化される生物学的状態の要素を規定する数理的関連性を提示する。それらの数理的関連性については、関連する生物学的変数および生物学的プロセスに関する適合した情報を用いて展開できる、言い換えると、エフェクトダイアグラムは、与えられたモデル成分中にモデル化された数理的関連性のタイプを指摘する。従ってその情報については、エフェクトダイアグラムの構造にマッチする形に保存できる。このようにしてモデルの構造を開発し、そのモデルのほかの要素についても、同様に開発した(図10‐195)。
B.1型糖尿病治療のシミュレーション
NODマウスでは多くの介入が試験されてきた。選択された介入を実施する主目的は、バーチャルマウスについての束縛事項を提供することであり、その際、束縛事項は、バーチャルマウスが公知データと実質的に矛盾しないように再現すると思われる追加の挙動規準として規定される。この目的を達するために、介入はバーチャルマウスのモデル化生物学に関係するものとすべきであり、別の束縛化するためのモデル化生物学の異なる領域で活動し、モデル化生物学で直接実施可能な極めて特徴的な作用機序を有する。膵島浸潤およびグルコースコントロールに対する、極めて特徴的な種々の選択的介入の影響力については、NODマウスの1型糖尿病モデルで提示された生物学的経路のモジュール化、およびバーチャルマウスの治療によって把握した。これらの経路の効果に基づくと、シミュレーションによって、グルコースコントロールおよび疾患進行に対する帰結影響力が生出される。そのほかの全身的な効果(たとえば、腎損傷)については、提示されなかった。
1.抗CD3モノクローナル抗体(145.2C11)
抗CD3に関する最近の臨床試験によって、有望な結果が得られてきている。NODマウスでは、この療法の効果は時間および用量に依存すると考えられている。Tリンパ球の欠失、Tリンパ球の活性化、および制御性細胞の生成/活性における抗CD3の役割が挙げられた。以下の介入効果はモデルで再現された。(1)誕生時に投与すると、疾患が防護される;(2)前糖尿病状態の段階に投与すると効果がない;および(3)糖尿病状態のNODマウスに投与すると、正常グルコースが回復する。
実施されたハムスター抗マウス抗体の、CD3(145−2C11)への直接的効果には、以下のものが含まれる。(1)T細胞の活性化、増殖およびアポトーシスのシミュレート;(2)通常のT細胞と生得的制御性T細胞とに対する効果の差;(3)もとのT細胞と活性化T細胞との効果の差;および(4)内皮細胞付着分子の発現の抑制。
いくつかの公開資料によって、異なる疾患段階および異なるプロトコールでのNODマウスの治療が報告されている。3種の公開文献に見られる変動範囲について、表1に示す。
表1.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いた代表的な抗CD3プロトコール
Figure 2008538024
新生時期の治療プロトコールから得られたシミュレーション結果から、糖尿病の発症が持続的に防がれ、CD4+Tリンパ球の初期プライミングがないことが示され、そのことは公開レポートと矛盾しない。中期時投与開始プロトコールのシミュレーション結果は、公開レポートと矛盾せず、4,8または12週での投与開始では、いずれも糖尿病の発症が防がれなかったが、遅い時期での治療では、発症の遅れが増した。糖尿病動物の治療から得られたシミュレーション結果では、公開データでの報告のような持続的な寛解が認められた。しかしながら寛解は、炎症クリアランス後の急速なβ細胞の増殖に依存した。
2.抗CD8
1型糖尿病の病因に対するCD+8Tリンパ球の重要性は、抗体欠失効果および遺伝子操作によって論証されてきた。CD8+Tリンパ球排除における抗CD8の役割については、モデルに組込んだ。以下の介入効果については、モデルで再現された。(1)前糖尿病状態の動物に投与すると、疾患が防がれる;(2)糖尿病状態の動物に投与すると効果がない;および(3)CD8+Tリンパ球の有意な欠失。実施された抗体のCD8+への直接的な効果には、CD8+Tリンパ球の決失が含まれる。
いくつかの公開資料によって、異なる疾患段階および異なるプロトコールでのNODマウスの治療が報告されている。3種の公開文献に見られる変動範囲について、表2に示す。
表2.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いた代表的な抗CD8プロトコール
Figure 2008538024
新生時期の治療プロトコールから得られたシミュレーション結果から、糖尿病発症が持続的に防がれ、CD8+T細胞の初期プライミングがないことが示され、それらは公開レポートに矛盾しない。中期の投与開始プロトコールから得られたシミュレーション結果は、公開レポートと矛盾せず、その際、平均のバーチャルNODマウスは、32週で糖尿病が見られなかった。結論として、予想されるように、その糖尿病治療プロトコールでは、寛解にはならなかった。
3.Lip‐Cl2MDP‐リポソーム型ジクロロメチレンジホスホネート
1型糖尿病の病因に対するマクロファージ(および樹状細胞)の重要性については、食作用細胞を標的とする療法によってこれまで論証されてきた。食作用性細胞のアポトーシスに対するリポソーム型ジクロロメチレンジホスホネート(LipCl2MDP)の効果が挙げられた。以下の介入効果がモデルで再現された。(1)早期に投与すると、疾患が防がれる;および(2)遅れた時期に投与すると、疾患が防がれる。実施された、Lip‐Cl2MDPの直接的効果には以下のものが含まれた。(1)循環血中の単核球の欠失;および(2)膵リンパ節および膵島における樹状細胞/マクロファージのアポトーシス。表3の二種のプロトコールが実施された。
表3.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いたLip‐Cl2MDPのプロトコール
Figure 2008538024
早期投与プロトコールから得られたシミュレーション結果から、糖尿病発症からの持続的な防護が示され、それらは公開レポートと矛盾しなかった。中期のプロトコールから得られたシミュレーション結果からも、予想される糖尿病からの防護が示された。
4.外因性IL‐10
IL‐10は、種々の経路で搬送されるが、疾患進行を防ぐことが明らかになっており、将来の臨床試験の興味の対象であり得る。細胞の活性化、分化、およびアポトーシスに対するIL‐10の効果が挙げられた。以下の介入効果がモデルで再現された。(1)組換えIL‐10を投与すると、疾患が防護される;および(2)膵島炎の重篤度が低下する。
外因性IL‐10を実行すると、外因性IL‐10が内因性IL‐10と一緒になり、それによってIL‐10濃度が上昇し、疾患に対して効果を発揮した。以下のプロトコールを実行した。それを表4に示す。
表4.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いたIL‐10のプロトコール
Figure 2008538024
このプロトコールのシミュレーション結果から、疾患発症からの持続的防護が示され、それは公開レポートと矛盾しない。シミュレーション結果をさらに分析すると、IL‐10療法によって、膵リンパ節内でのT細胞の活性化が低減し、それによって膵臓の炎症が低下することが指摘された。
5.抗B7.1および抗B7.2
初期の試験では、抗B7.1(16‐10A1、ハムスターおよびマウス)および抗B7.2(GL1、ラット抗マウス)抗体療法によって、疾患が防がれるどころか悪化するという驚くべき結果が得られた。以下の介入結果がモデルで再現された。(1)疾患の悪化;および(2)もとの制御性T細胞集団の減少。
実施されたこれらの薬剤の直接的効果には、以下のことが含まれる。(1)もとの制御性T細胞の共刺激の抑制;(2)通常のT細胞の共刺激の部分的な抑制;および(3)膵島の通常のT細胞の接触抑制の阻害。以下のプロトコールが実施された。それを表5に示す。
表5.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いた抗B7.1+抗B7.2抗体の介入プロトコール
Figure 2008538024
このプロトコールのシミュレーション結果から、明らかな糖尿病の発症が6.5週で加速されることが示され、それは公開レポートに矛盾しない。この介入でもとの制御性T細胞が失われる反応では、シミュレーション結果から、膵島内での病原性T細胞の過剰発現が示唆された。
6.経口インスリン
インスリンは、1型糖尿病においてすでに同定された自己抗原の一つである。抗原特異的療法については、正常な免疫反応に影響を及ぼさずに自己免疫性を特異的に下方調節することが期待できると考えられる治療モダリティーとして、大きな関心が寄せられている。インスリンの経口投与については、経口忍容性のもとでの糖尿病に対する保護が示されてきた。以下の介入効果がモデルで再現された。前糖尿病状態のNODマウスへ経口ブタインスリンを投与すると、疾患が防がれる。
経口インスリン投与は、以下のように実施された。(1)消化管壁を通過しての移行、それによる局所的消化管関連性リンパ系組織における、インスリン特異的T細胞への外因性インスリン抗原の提示、消化管、および消化管関連性のリンパ系組織の組成の要求;および(2)消化管壁を通過しての移行、それによる血中への分布、ならびに膵リンパ節および膵臓を含めた非局所性組織での提示。経口インスリンのメカニズムで生じた忍容性には、(制御性細胞の局所的誘導による)抑制、およびT細胞の欠失が含まれ、それらが提示された。
用量依存性の有効性を含めた以下のプロトコールが実施された。それを表6に示す。
表6.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いた経口インスリンのプロトコール
Figure 2008538024
シミュレーション結果から、経口インスリン1mgの投与では疾患が防がれるが、0.1mgの投与では防がれないことが示され、それは公開データと矛盾しなかった。
7.外因性TGFβ
実施されたこの薬剤の直接的な効果には、以下のものが含まれた。(1)CD+4/CD+8増殖の抑制;(2)CD4+/CD8+iTregアポトーシスの抑制;(3)iTreg増殖の増大;(4)樹状細胞/マクロファージおよびNK細胞活性化の抑制;(5)Th1/Th2細胞分化の抑制;(6)適応的制御性T細胞の分化の増大;および(7)内皮細胞付着分子の抑制。以下のプロトコールが実施された。それを表7に示す。
表7.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いた外因性TGF‐βのプロトコール
Figure 2008538024
このプロトコールのシミュレーション結果から、TGF‐βの9‐32週からの投与では、バーチャルマウスの糖尿病発症が防がれ、膵島炎が低減することが示され、それは公開レポートおよびほかの公開治療プロトコールと矛盾しなかった。
8.エキセンジン‐4
実施されたこの薬剤の直接的効果には、以下のことが含まれた。(1)インスリン分泌の、グルコースに依存した増大;(2)β細胞アポトーシスの減少;(3)β細胞増殖の増大;および(4)内皮細胞付着分子の抑制。以下のプロトコールが実施された。それを表8に示す。
表8.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いたエキセンジン‐4に関するプロトコール
Figure 2008538024
エキセンジン‐4療法のシミュレーション結果については、糖尿病の発病または発症に対する効果、またはβ細胞の質量の保護効果(データは示さず)もないという公知の結果に矛盾しなかった。
9.抗CD40L
実施されたこの薬剤の直接的な効果には、以下のことが含まれた。(1)通常のCD4+細胞の共刺激の抑制;(2)CD4+T細胞ヘルプの減少によるCD8+T細胞の活性化;(3)Bリンパ球の活性化;(4)樹状細胞/マクロファージの活性化;および(5)内皮細胞表面の付着分子の発現の50%抑制。以下のプロトコールが実施された。それを表9に示す。
表9.平均的バーチャルNODマウスを評価するのに用いた抗CD40L療法に関するプロトコール
Figure 2008538024
このプロトコールのシミュレーション結果から、抗CD40Lは3‐12週から投与されると、バーチャルマウスの糖尿病発症が防がれ、膵島炎が減少することが示され、それは公開レポートおよびいくつかのほかの公開治療プロトコールと矛盾しなかった。
10.ラパマイシン
ラパマイシンは、前糖尿病時状態のNODマウスを保護するが、明らかな糖尿病性のNODマウスでの寛解を誘発することはない。この薬剤は、哺乳動物のプロテインキナーゼに対して作用し、その標的(mTOR)は、Tリンパ球およびBリンパ球に対する既知の効果を有する、細胞の成長および増殖の主要な調節因子である。
11.抗IL‐2
新生時のNODマウスに、IL‐2に対する抗体を投与すると、疾患が悪化し、処理マウスでは疾患が早まり、対照動物よりも発病率が高まる。この作用機序については、通常のCD4+CD25−T細胞に対して、CD4+CD25+T制御性細胞の数が選択的に減少することと関連づけられると考えられる。
平均的なバーチャルNODマウスは、11種類の異なる治療薬の、広範囲の経路の調節および疾患進行の異なる段階の治療に関する公開された反応を再現した。平均的なNODマウスの、既知の反応パターンに矛盾しない持続的な反応性によって、バーチャルマウスが実験室でのNODマウスを高い忠実性で提示し、そのバリデート樹立されるという信頼性が提供される。
本発明に記載の方法およびシステムの種々の変更および変形については、本発明の視野および精神から逸脱せずに、当業者ならば分かると思われる。本発明は特定の好ましい実施形態に結びつけて記載してあるが、本発明の請求項がそのような特定の実施形態には過度に限定されないことが理解されると考えられる。さらに、当業者にとって明らかな本発明の実施方法の記載の種々の変更についても、添付の特許請求の範囲の視野の中に入ることを意味する。
1型糖尿病のコンピュータモデルの開発に用いられる方法の概略を図1に示す。 図2は、膵リンパ節、膵島、およびそのほかの関連する生物学的プロセスに関係するモジュールにリンクするサマリーダイアグラムの例を示す。 図3は、別個の分布サイトの明示モデル化によって再現される、膵島の不均一性を示す。 図4は、NODマウスにおける1型糖尿病の病因を特徴づける一連の、チェックポイントとも呼ばれる明確な事象を示す。 図5では、1型糖尿病モデルによってシミュレートされる場合のバーチャルNODマウスが約20週齢で糖尿病になることを、生きたNODマウスから収集した実際のデータにしたがって説明される。糖尿病NODマウス(四角)および非糖尿病NODマウス(まる)から得られたグルコースデータは、バーチャルNODマウスから得られたシミュレーションデータによって上書きされる。バーチャルNODマウスは、実際のNODマウスと同じ時間枠内で高グルコース状態になる。 図6は、別個の分布サイトの各々について、膵全体を通じての得られた平均を組み合わせて得られた相対的な寄与を示す。図6Aは、バーチャルNODマウスにおける疾患の進行経過に対する、別個の分布サイト(膵島ビン)の進行性浸潤を示す。図6Bは、明確な分布で生じる事象が、バーチャルNODマウスにおける膵島の全部についての平均浸潤を表わすのにどのように組み合わされるかを示す。 図7は、膵リンパ節における従来のCD4+T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの一例を提供する。 図8は、1型糖尿病モデルでの早期の疾患発症の原因となる疾患プロセスの憎悪が、先天的な制御性T細胞の欠失によって数理的に生じることを説明する。図8Aは、先天的な制御性T細胞を持たないバーチャルNODマウスでは、対照としてのバーチャルNODマウスと比較してPLN CD4+細胞のさらに著しく、速い拡大が示される(上方の実線)。本来のT制御性細胞の数については、下方の2本の線で定量化される(破線は対照のバーチャルNODマウスであり、実線は先天的にT制御性細胞を持たないバーチャルNODマウスである)。図8B波、先天的に制御性T細胞を持たないバーチャルNODマウスが、対照マウスよりも早期に、高グルコースと規定される疾患を発症することを示す。 図9は、膵島でのCD8+T細胞のライフサイクルに関するモジュールダイアグラムの例を示す。 図10は、膵リンパ節における通常のCD+4T細胞のプライミングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図11は、膵リンパ節におけるCD+4および生得的制御性T細胞のライフサイクルの制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図12は、膵リンパ節における通常のCD+4T細胞の分化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図13は、膵リンパ節における生得的制御性T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図14は、膵リンパ節における生得的制御性T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図15は、膵リンパ節に蹴るCD+4T細胞および生得的制御性T細胞メディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図16は、膵リンパ節におけるT細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図17は、膵リンパ節におけるCD+8T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図18は、膵リンパ節におけるCD+8T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図19は、膵リンパ節におけるCD+8T細胞のライフサイクル制御およびメディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図20は、膵リンパ節におけるCD+8T細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図21は、膵リンパ節におけるBリンパ球の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図22は、膵リンパ節におけるBリンパ球の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図23は、膵リンパ節におけるBリンパ球のライフサイクル制御、メディエーター合成、および抗体産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図24は、膵リンパ節におけるBリンパ球の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図25は、膵リンパ球におけるナチュラルキラー(NK)細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図26は、膵リンパ節におけるNK細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図27は、膵リンパ節におけるNK細胞のライフサイクル制御およびメディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図28は、膵リンパ節におけるNK細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図29は、膵リンパ節における樹状細胞およびマクロファージのトラフィッキングおよびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図30は、膵リンパ節におけるマクロファージの活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図31は、膵リンパ節におけるマクロファージのメディエーター合成および樹状細胞/マクロファージ:T細胞の接触を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図32は、膵リンパ節における樹状細胞およびマクロファージの算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図33は、膵リンパ節における抗原提示細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図34は、膵リンパ節における樹状細胞の活性化および表面分子の発現を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図35は、膵リンパ節における樹状細胞メディエーターの合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図36は、膵リンパ節における組織組成および容積算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図37は、膵リンパ節におけるT細胞表面分子の発現および細胞接触を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図38はおよび39は、膵リンパ節における全メディエーターの産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図38はおよび39は、膵リンパ節における全メディエーターの産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図40は、膵リンパ節におけるCD+4T細胞および内在するT細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図41は、膵島におけるCD+4T細胞および生得的制御性T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図42は、膵島におけるCD4+T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図43は、膵島における生得的制御性T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図44は、膵島におけるCD+4T細胞および生得的制御性T細胞のライフサイクルの制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図45は、膵島におけるCD+8T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図46は、膵島におけるCD+8T細胞のライフサイクル制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図47は、膵島におけるT細胞メディエーター合成および生得的制御性T細胞接触を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図48は、膵島におけるBリンパ球の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図49は、膵島におけるBリンパ球の活性化、メディエーター合成および抗体産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図50は、膵島におけるBリンパ球のライフサイクル制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図51は、膵島におけるBリンパ球の抗原ローディングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図52は、膵島におけるNK細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図53は、膵島におけるNK細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図54は、膵島におけるNK細胞のライフサイクル制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図55は、膵島におけるNKメディエーター合成およびエフェクター機能を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図56は、膵島における樹状細胞およびマクロファージの集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図57は、膵島における樹状細胞およびマクロファージの活性化、および表面分子の発現を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図58は、膵島における樹状細胞およびマクロファージのメディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図59および60は、膵島における樹状細胞およびマクロファージの抗原ローディングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図59および60は、膵島における樹状細胞およびマクロファージの抗原ローディングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図61は、膵島における樹状細胞表面分子および膵リンパ節への抗原トラフィックを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図62は、膵島における樹状細胞およびマクロファージの成熟および活性化の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図63は、膵島における樹状細胞およびマクロファージの算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図64および65は、膵島における組織組成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図64および65は、膵島における組織組成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図66は、膵島における表面分子の発現および細胞接触を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図67および68は、膵島における全メディエーターの産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図67および68は、膵島における全メディエーターの産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図69は、β細胞のライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図70は、膵島におけるβ細胞表面分子の発現およびメディエーターの合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図71は、グルコース制御およびβ細胞の機能を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図72は、β細胞の質量および消耗を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図73は、膵島関連の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図74は、膵島関連速度の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図75は、疾患誘導性破壊を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図76は、年齢依存性特性およびデータを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図77は、膵島における生得的制御性T細胞メディエーターの算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図78は、血液コンパートメントにおけるT細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図79は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の全CD4+T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図80は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のCD+4T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図81は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性のCD4+T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図82は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のTh1細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図83は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のTh1細胞の増殖を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図84は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のTh2細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図85は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のTh2細胞の増殖を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図86は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の順応制御性T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図87は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の順応制御性T細胞の増殖を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図88は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の内在制御性T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図89は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の内在制御性T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図90は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の内在制御性T細胞の増殖を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図91は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性の内在制御性T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図92は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の全CD+8T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図93は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のCD+8T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図94は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のCD+8T細胞の増殖を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図95は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性のCD+8T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図96は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のBリンパ球を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図97は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のBリンパ球の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図98は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のBリンパ球の増殖を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図99は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性のBリンパ球を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図100は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のNK細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図101は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のNK細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図102は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のNK細胞の増殖フラクションを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図103は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性のNK細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図104は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の生きているマクロファージを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図105は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のマクロファージの活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図106は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性のマクロファージを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図107は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の炎症性樹状細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図108は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の炎症性樹状細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図109は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連のアポトーシス性の樹状細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図110は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の抑制性樹状細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図111は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の抑制性樹状細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図112は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の樹状細胞の表現型の揺らぎを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図113は、多数の異なる膵島を通じての平均的関連の従来のCD+4T細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図114は、多数の異なる膵島を通じてのROS/RNSの平均算出値を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図115は、多数の異なる膵島を通じて平均化されたBリンパ球に関する計算を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図116は、多数の異なる膵島を通じて平均化された可溶性抗原に関する計算を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図117は、多数の異なる膵島を通じて平均化された細胞に関する計算を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図118は、多数の異なる膵島を通じて平均化されたインスリン合成に関する計算を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図119は、多数の異なる膵島を通じて平均化されたベータ細胞画分に関する計算を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図120は、糖尿病治療の開始を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図121は、外因性IL‐10による療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図122は、抗CD8療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図123〜125は、抗B7.1および抗B7.2療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図123〜125は、抗B7.1および抗B7.2療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図123〜125は、抗B7.1および抗B7.2療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図126は、リポソーム封入化ジクロロメチレン‐ジホスホネート療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図127は、血漿中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図128〜132は、膵島中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図128〜132は、膵島中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図128〜132は、膵島中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図128〜132は、膵島中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図128〜132は、膵島中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図133は、膵島中の糖尿病に特異的および非特異的なT細胞および内皮細胞に対する抗CD3療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図134は、TGF‐β療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図135〜137は、抗CD40L療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図135〜137は、抗CD40L療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図135〜137は、抗CD40L療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図138は、エキセンジン4療法を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図139は、ラパマイシンの薬物動態学および効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図140は、リンパ球に対するラパマイシン療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図141は、非リンパ球に対するラパマイシン療法の効果を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図142は、経口でのインスリン投与および全組織へのフローを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図143は、消化管における樹状細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図144は、消化管における樹状細胞の活性化および表面分子の発現を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図145および146は、消化管における樹状細胞およびマクロファージ抗原ローディングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図145および146は、消化管における樹状細胞およびマクロファージ抗原ローディングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図147は、樹状細胞表面分子の発現、および消化管に関連したリンパ系組織(GALT)への抗原トラフィッキングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図148は、消化管における樹状細胞表面分子の発現、および膵リンパ節への抗原トラフィッキングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図149は、消化管における樹状細胞およびマクロファージの算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図150は、GALTにおける通常のCD4+T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図151は、GALTにおける通常のCD4+T細胞のプライミングを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図152は、GALTにおけるCD+4T細胞および生得的制御性T細胞のライフサイクル制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図153は、GALTにおける通常のCD+4T細胞の文化の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図154は、GALTにおける生得的制御性T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図155は、GALTにおける生得的制御性T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図156は、GALTにおけるCD+4T細胞および生得的制御性T細胞のメディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図157は、GALTにおけるT細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図158は、GALTにおけるCD8+T細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図159は、GALTにおけるCD8+T細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図160は、GALTにおけるCD8+T細胞のライフサイクル制御およびメディエーターの合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図161は、GALTにおけるCD8+T細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図162は、GALTにおけるBリンパ球の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図163は、GALTにおけるBリンパ球の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図164は、GALTにおけるBリンパ球のライフサイクル制御、メディエーターの合成、および抗体産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図165は、GALTにおけるBリンパ球の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図166は、GALTにおけるNK細胞の集積およびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図167は、GALTにおけるNK細胞の活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図168は、GALTにおけるNK細胞のライフサイクル制御を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図169は、GALTにおけるNK細胞のメディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図170は、GALTにおける樹状細胞およびマクロファージのトラフィッキングおよびライフサイクルを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図171は、GALTにおける樹状細胞の活性化および表面分子の発現を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図172は、GALTにおける樹状細胞のメディエーター合成を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図173は、GALTにおける樹状細胞およびマクロファージの算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図174は、GALTにおける抗原提示細胞を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図175は、GALTにおけるマクロファージの活性化を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図176は、GALTにおけるマクロファージノメディエーター合成、および樹状細胞/マクロファージ:T細胞接触を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図177は、GALTにおける組織の組成および容積の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図178は、GALTにおけるT細胞表面分子の発現、および細胞接触を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図179および180は、GALTにおける全メディエーターの産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図179および180は、GALTにおける全メディエーターの産生を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図181は、GALTにおけるCD+4T細胞および生得的制御性T細胞の算出を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図182は、膵リンパ節内の抗原提示細胞をへの経口インスリンペプチド抗原のトランスファーを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図183は、膵リンパ節における経口インスリンペプチド抗原提示を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図184および185は、膵リンパ節において高い活性を有するアポトーシスを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図184および185は、膵リンパ節において高い活性を有するアポトーシスを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図186は、GALTにおける抗原提示細胞への経口インスリンペプチド抗原のトランスファーを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図187は、GALTにおける経口インスリンペプチド抗原の提示を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図188および189は、GALTにおける高い活性を有するアポトーシスを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図188および189は、GALTにおける高い活性を有するアポトーシスを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図190は、膵島における抗原提示細胞への経口インスリンペプチド抗原のトランスファーを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図191は、膵島における経口インスリンペプチド抗原の提示を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図192および193は、膵島における高い活性を有するアポトーシスを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図192および193は、膵島における高い活性を有するアポトーシスを説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図194および195は、疾患発症に伴う免疫制御の進行性喪失を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。 図194および195は、疾患発症に伴う免疫制御の進行性喪失を説明するエフェクトダイアグラムの例を示す。

Claims (59)

  1. 膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;
    一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;
    各生物学的プロセスを数理的に提示して、膵リンパ節に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示、および一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;および
    生物学的プロセスの前記提示を組み合わせて、1型糖尿病モデルを形成する工程
    を含む、1型糖尿病モデルの開発方法。
  2. 消化管および/または消化管関連リンパ系組織に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;および
    消化管および/または消化管関連リンパ系組織に関連した各生物学的プロセスを数理的に提示する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一種または複数の膵島が少なくとも二個の膵島を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 膵リンパ節に関連した前記一種または複数の生物学的プロセスのうちの少なくとも一つが、エフェクターおよび制御性細胞集団のバランスに関係した生物学的プロセスである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記制御性細胞集団がリンパ系系統の細胞を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記制御性細胞集団が制御性T細胞を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記制御性細胞集団の前記制御性T細胞が、固有のエフェクター細胞活性を発現しない、請求項6に記載の方法。
  8. 前記制御性細胞集団の前記制御性T細胞が、生得的制御性T細胞および適応的制御性T細胞の両方を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記制御性細胞集団の前記制御性T細胞が、直接的および間接的なメカニズムによって、エフェクターT細胞活性を抑制する、請求項6に記載の方法。
  10. 一個または複数の膵島に関連した前記一種または複数の生物学的プロセスのうちの少なくとも一つが、エフェクターおよび制御性細胞集団のバランスに関係した生物学的プロセスである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記制御性細胞集団がリンパ系系統の細胞を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記制御性細胞集団が制御性T細胞を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記制御性細胞集団の前記制御性T細胞が、固有のエフェクター細胞活性を発現しない請求項12に記載の方法。
  14. プロセッサによる実行の際、前記プロセッサに1型糖尿病をシミュレートさせる、コンピュータ読取可能な命令が格納されているコンピュータ読取可能な媒体であって、さらに前記命令は、
    a)膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    b)一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;および
    c)生物学的プロセスの前記提示間の一連の数理的関連性を規定して、1型糖尿病モデルを形成する命令
    を含む、コンピュータ読取可能な媒体。
  15. 前記命令が、消化管および/または消化管関連リンパ組織に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  16. 前記命令が、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取る命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  17. 前記命令が、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数の変数を指定するユーザ入力を受け取る命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  18. 前記命令が、バーチャルプロトコルを前記1型糖尿病モデルに適用する命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  19. 前記命令が、一人または複数のバーチャル患者を規定する命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  20. a)格納されたコンピュータ読取可能な命令を含むプロセッサであって、前記コンピュータ読取可能な命令は、プロセッサによる実行の際、前記プロセッサに哺乳動物の1型糖尿病をシミュレートさせ、前記コンピュータ読取可能な命令は
    i)膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    ii)一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    iii)前記膵リンパ節に関連した生物学的プロセスの前記提示と、前記一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの提示との間の一連の数理的関連性を規定する命令;
    iv)前記一連の数理的関連性にバーチャルプロトコルを適用して一連の出力を生成する命令
    を含む、プロセッサ;
    b)前記コンピュータ読取可能な命令によって規定される一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受容するように作動可能な第一のユーザ端末;および
    c)第二のユーザーに前記一連の出力を提供するように作動可能な第二のユーザ端末
    を備える、システム。
  21. 自己反応性T細胞の産生、自己反応性のT細胞のプライミング、膵島炎、および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態の各々の進展に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;
    各生物学的プロセスを数理的に提示して、前記少なくとも二つの状態の各々に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;ならびに
    生物学的プロセスの前記提示を組み合わせて、1型糖尿病の進行モデルを形成する工程
    を含む、1型糖尿病の進行モデルを開発するための方法。
  22. 前記少なくとも二つの状態が膵島炎および高グルコースを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記少なくとも二つの状態が自己反応性T細胞のプライミングを含む、請求項21に記載の方法。
  24. 前記自己反応性T細胞のプライミングが、エフェクターおよび制御性細胞集団のバランスに関連した生物学的プロセスを含む、請求項21に記載の方法。
  25. プロセッサによる実行の際、前記プロセッサに1型糖尿病の進行をシミュレートさせるコンピュータ読取可能な命令が格納されたコンピュータ読取可能な媒体であって、さらに前記命令は、
    a)自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態の各々の進展に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    b)生物学的プロセスの前記提示の間の一連の数理的関連性を規定し、1型糖尿病の進行モデルを形成する命令
    を含む、コンピュータ読取可能な媒体。
  26. 前記命令が、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取る命令をさらに含む、請求項25に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  27. 前記命令が、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数の変数を指定するユーザ入力を受け取る命令をさらに含む、請求項25に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  28. 前記命令が、バーチャルプロトコルを前記1型糖尿病モデルに適用する命令をさらに含む、請求項25に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  29. 前記命令が一人または複数のバーチャル患者を規定する命令をさらに含む、請求項25に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  30. a)格納されたコンピュータ読取可能な命令を含むプロセッサであって、前記命令は、コンピュータ読取可能なプロセッサによって実施されると、前記プロセッサに哺乳動物の1型糖尿病の進行をシミュレートさせ、前記コンピュータ読取可能な命令は、
    i)自己反応性T細胞の産生、自己反応性T細胞のプライミング、膵島炎および高グルコースからなる群から選択される少なくとも二つの状態の各々の進展に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    ii)前記少なくとも二つの状態に関連した一種または複数の生物学的プロセスの前記提示間の一連の数理的関連性を規定する命令;
    iii)前記一連の数理的関連性にバーチャルプロトコルを適用して一連の出力を生成する命令
    を含む、プロセッサ;
    b)前記コンピュータ読取可能な命令によって規定される一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受容するように作動可能な第一のユーザ端末;
    c)第二のユーザーに前記一連の出力を提供するように作動可能な第二のユーザ端末
    を含む、システム。
  31. 一個または複数の膵島のうちの少なくとも一つにおけるβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;
    1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;
    各々の生物学的プロセスを数理的に提示して、β細胞集団に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示、および1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程;ならびに
    生物学的プロセスの前記提示を組み合わせて、1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルを形成する工程
    を含む、1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルを開発するための方法。
  32. 膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを同定する工程;および
    生物学的プロセスの各々を数理的に提示して、膵リンパ節に関連した生物学的プロセスの一種または複数の提示を生成する工程
    をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記β細胞に関連した前記一種または複数の生物学的プロセスが、前記β細胞に対する自己免疫反応に関連した生物学的プロセスを含む、請求項31に記載の方法。
  34. β細胞の増加に関連する前記一種または複数の生物学的プロセスが、前記β細胞の死に対する抵抗性に関連した生物学的プロセスを含む、請求項31に記載の方法。
  35. β細胞の増加に関連する前記一種または複数の生物学的プロセスが、β細胞の増殖に関連した生物学的プロセスを含む、請求項31に記載の方法。
  36. β細胞の増加に関連する前記一種または複数の生物学的プロセスが、β細胞の新生に関連した生物学的プロセスを含む、請求項31に記載の方法。
  37. 前記β細胞集団に関連した前記一種または複数の生物学的プロセスの少なくとも一つが、エフェクターおよび制御性細胞集団のバランスに関係した生物学的プロセスである、請求項31に記載の方法。
  38. 前記制御性細胞集団がリンパ系系統の細胞を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記制御性細胞集団が制御性T細胞を含む、請求項37に記載の方法。
  40. 前記制御性細胞集団の前記制御性T細胞が、固有のエフェクター細胞活性を発現しない、請求項39に記載の方法。
  41. プロセッサによる実行の際、前記プロセッサに1型糖尿病の非インスリン集積療法をさせる、コンピュータ読取可能な命令が格納されている、コンピュータ読取可能な媒体であって、さらに前記命令は、
    a)一個また複数の膵島のうちの少なくとも一個におけるβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    b)1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    c)生物学的プロセスの前記提示間の一連の数理的関連性を規定して、1型糖尿病の非インスリン集積療法のモデルを形成する命令
    を含む、コンピュータ読取可能な媒体。
  42. 前記命令が、膵リンパ節に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  43. 前記命令が、消化管および/または消化管関連リンパ系組織に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  44. 前記命令が、一種または複数の前記数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受け取る命令をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  45. 前記命令が、一種または複数の前記数理的提示に関連した一個または複数の変数を指定するユーザ入力を受け取る命令をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  46. 前記命令が、バーチャルプロトコルを前記1型糖尿病モデルに適用する命令をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  47. 前記命令が、一人または複数のバーチャル患者を規定する命令をさらに含む、請求項41に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
  48. a)格納されたコンピュータ読取可能な命令を含むプロセッサであって、前記コンピュータ読取可能な命令は、プロセッサによって実施されると、前記プロセッサに哺乳動物における1型糖尿病の進行をシミュレートさせ、前記コンピュータ読取可能な命令は
    i)一個または複数の膵島に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    ii)一個または複数の膵島の少なくとも一つにおけるβ細胞集団に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    iii)1型糖尿病の非インスリン集積療法の効果に関連した一種または複数の生物学的プロセスを数理的に提示する命令;
    iV)前記一個または複数の膵島に関連した生物学的プロセスの前記提示と、前記β細胞集団に関連した生物学的プロセスの前記提示と、1型糖尿病の前記非インスリン集積療法の効果に関連した前記提示との間の一連の数理的関連性を規定する命令;
    V)前記一連の数理的関連性の命令にバーチャルプロトコルを適用して一連の出力信号を生成する命令
    を含む、プロセッサ;
    b)前記コンピュータ読取可能な命令によって規定される一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータを指定するユーザ入力を受容するように作動可能な第一のユーザ端末;および
    c)第二のユーザーに前記一連の出力を提供するように作動可能な第二のユーザ端末
    を備える、システム。
  49. 請求項14,25および41のいずれか1項に記載の1型糖尿病のコンピュータモデルを実施する工程を含む、1型糖尿病をシミュレートする方法。
  50. 前記コンピュータモデルにバーチャルプロトコルを適用して、1型糖尿病の表現型を提示する一連の出力を生成する工程をさらに含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記バーチャルプロトコルが、治療レジメン、診断手順、時間の経過、または環境毒素への曝露を含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記表現型が疾患の状態を表す、請求項50に記載の方法。
  53. 前記コンピュータモデルの実行の前に、一種または複数の数理的提示に関連した一個または複数のパラメータまたは変数を指定するユーザ入力を受け取る工程をさらに含む、請求項49に記載の方法。
  54. 前記ユーザ入力がバーチャル患者の規定を含む、請求項53に記載の方法。
  55. 複数の別個の分布サイトを含む組織の提示を含む生物学的系のコンピュータベースの数理的モデルであって、前記組織の提示は複数の提示を含み、前記複数の提示は、それぞれ前記複数の別個の分布サイトのうちの一つに関連している、モデル。
  56. 前記組織が、肺臓、脳、肝臓、関節、腸および膵臓からなる群から選択される、請求項55に記載のモデル。
  57. 前記別個の分布サイトが、組織内の空間的な不均一性を表現する、請求項55に記載のモデル。
  58. 前記別個の分布サイトが、組織内の時間の不均一性を表現する、請求項55に記載のモデル。
  59. 前記別個の分布サイトが、組織内の障害の進行における別個の段階を表現する、請求項55に記載のモデル。
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