JP2008540468A - ビニレンカーボネートの貯蔵および輸送方法 - Google Patents

ビニレンカーボネートの貯蔵および輸送方法 Download PDF

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Abstract

ビニレンカーボネートが100ppm未満の安定剤含量を有し、99.9〜99.99999%の純度を有し、そして固体凝集体状態で存在することを特徴とするビニレンカーボネートの貯蔵および輸送方法。

Description

本発明は、ビニレンカーボネート(VC)の貯蔵および輸送方法に関する。
ビニレンカーボネートは、化学薬品、医薬品、作物保護剤の製造用の、特にポリマー、コーティングおよび電池電解質用の重要な中間体である。
ビニレンカーボネートは、第三級アミン、特にトリエチルアミンを用いて、クロロエチレングリコールカーボネートから塩化水素を脱離させることによる公知の方法によって製造される。
クロロエチレングリコールカーボネート(CGC)は、塩素または塩化スルフリルを用いてのエチレングリコールカーボネートのフリーラジカル塩素化によって得られる。
合成は、ニューマン(Newman)およびアドア(Addor)によって1953年に初めて発表された〔(非特許文献1)、(非特許文献2)〕。
エチレングリコールカーボネート(GC)はそれ自体60〜70℃で紫外線を用いて光塩素化され、生じたCGCは減圧蒸留によって精製された。
ニューマンおよびアドアは、沸騰エーテル中で、トリエチルアミンを用い、混合物を一晩加熱し、脱離によってVCを得た。
単離は、塩化トリエチルアンモニウムを濾別し、次に蒸留を実施することによって達成され、それは粗VCを59%の収率で与え、その粗VCはさらなる蒸留によって精製されなければならなかった。
(特許文献1)には、高沸点溶媒(沸点170〜300℃)中での脱離反応が記載されている。この反応は、トリエチルアミンを用いて、ジブチルカーボネート中、50℃で20時間で明らかに達成される。塩化アンモニウムが濾別され、そして過剰のトリエチルアミンが留去された後、粗VCは単純な蒸留によって単離される。微量のアミンを除去するために、VCはシリカゲルカラムに通される。最後に、精製蒸留が実施される。このようにして得られたVCの塩素含量は29ppmと記載されているが、比較サンプルは3000ppmより高い塩素含量を有する。収率は56%である。
(特許文献2)は、溶媒としてのGC(沸点243〜244℃)中での脱離を権利請求している。CGCはGC中に最初に導入され、1.5時間の間に60℃でのトリエチルアミンの添加によって反応させられる。過剰のトリエチルアミンが40℃で留去され、さらに蒸発が100℃での薄膜エバポレーターによって達成された後、VCとGCとの無色混合物が73%の収率で得られる。純度に関してデータは全く与えられていない。
塩が濾別され、そして溶媒および他の不純物が単純な蒸留によって分離された後、液相中のCGCの反応物から、クロロアセトアルデヒド、クロログリコールカーボネート、ジクロログリコールカーボネート、およびさらなる有機化合物(その一部は塩素を含有する)の残渣が混入している粗ビニレンカーボネートが得られる。
ジョンソン(Johnson)およびパットン(Patton)は、250℃および50〜60mmHgの気相中、CaSO触媒の固定床上でのCGCの反応を記載している(非特許文献3)。
(特許文献3)は、300〜400℃でのCGCのHCl脱離を記載している。CGCは、元素周期表の亜族I、IIもしくはVIIIの元素またはその塩もしくは酸化物でコートされた不活性担体上にガス形態で通される。好ましくは、鉄、コバルト、および銅の塩化物、特に好ましくは塩化カドミウムが使用される。好適な担体物質は、4〜8mmの粒径を有する軽石およびシリケートである。
この触媒は、大気圧または減圧、および270〜450℃、好ましくは300〜400℃の温度で、固定床として機能する。
ビニレンカーボネートの気相製造法は、単純な蒸留後に、不純物に関して液体法に非常に類似している粗ビニレンカーボネートを与える。
蒸留による精製についての労力に関して、文献でのデータは不正確であり、その結果、具体的なケースで費やされた労力および精製による収率の損失を評価することは可能ではない。
VCの純度が高いことは、特に重合の用途のため、および電池電解質用の添加物として工業的に非常に重要である。
(特許文献4)は、たとえ80トレイ塔を用いても、ニューマンおよびアドアの方法によって製造されたVCは、酢酸ビニルと共重合するために十分に精製することができず、単独重合で不十分な分子量が達成されると記載している。塩素含有不純物がこれに関与していると言われている。
ホアン(Huang)らは、ニューマンおよびアドアの方法によって製造されたVCは、これを濾過および溶媒留去によって単離した後、64℃で約4%のNaBHと共に1時間撹拌した後でのみ、精製蒸留にかけることができると記載している(非特許文献4)。この手順は、変色に対して安定な容易に重合可能な材料を得るために繰り返されなければならない。
2つの参照文献はいずれも、純VC中に残存している不純物の含量を詳細に議論していない。単離方法による損失も同様に議論されていない。
(特許文献5)は、ニューマンおよびアドアに従って製造されたVCの、繰り返し溶融結晶化による精製を記載している。高分子量を有するポリマーを得るためには、四段結晶化によって得られる、21℃より高い融点を有するVCを使用することが必要である。ここでもまた、VCの純度は直接議論されておらず、ほんの少しの議論が母液の性質に充てられている。VCは(非特許文献1)に記載されているように製造されているため、蒸留されたVCが結晶化に使用されている。
チーフ(Zief)およびルーシュ(Ruch)は、ゾーン溶融によるVCの精製を記載している(非特許文献5)。22℃の融点および1〜1.8%の塩素含量を有するモノマーは、1回のゾーン溶融後に500ppmの塩素含量を達成し、さらにこのVCはゾーン溶融装置を通してのさらなる3パス後に50ppmの塩素含量を達成した。VCがより汚染されていればいるほど、その材料はより多くのゾーン溶融パスを必要とするため、先行して蒸留することが著者らには得策であるようである。
(特許文献6)は、VCの精製のための蒸留および結晶化の組み合わせを記載している。結晶化については、芳香族成分と脂肪族炭化水素とを含む溶媒混合物が権利請求されている。実施例での蒸留および結晶化による収率は60および83%である。純度は99.95%より高い。400および25ppmのエチレングリコールカーボネートならびに15ppmの塩化物含量がVC中の不純物として残存した。
結晶化による精製の適用では、高純度を達成するために、より大量の溶媒を用いるか、結晶化プロセスを数回繰り返されなければならないかのいずれかである。
溶媒を用いる場合、VCから相当な量の残った溶媒を除去することが意図される場合には、VCを最後に再び蒸留しなければならない。
VCを輸送および貯蔵する場合にも、VCの分解を防ぐ安定剤が常に添加されなければならない。
純度測定のための分析方法はこの文献に詳細に記載されておらず、その結果純度データが明白ではないことに留意されたい。
特開2000−26449号公報 独国特許出願公開第19 955 944(A)号明細書 独国特許出願公開第1 135 452(A)号明細書 米国特許第2,873,230号明細書 英国特許第899 205(A)号明細書 特開2002−322171号公報 ニューマン、アドア著、JACS 1953、1263ページ ニューマン、アドア著、JACS 1955、3789ページ ジョンソン、パットン著、JOC 1960、1042ページ ホアンら著、Chin.J.Polm.Sci.8(1990−3)、197−203ページ チーフ、ルーシュ著、Journal of Chemical Education 40巻(1963)、351−2ページ
ビニレンカーボネートの貯蔵および輸送方法を提供することが本発明の目的である。
意外なことに、VCは、それが高純度の固体形態で存在する場合に分解なしに有利に貯蔵および輸送できることが分かった。
本発明は、VCが100ppm未満、好ましくは10ppm未満の安定剤含量を有し、99.9〜99.99999%、好ましくは99.99〜99.9999%の純度を有し、かつ、固体凝集体状態で存在する、ビニレンカーボネートの貯蔵および輸送方法に関する。
この高純度VCは、
a)VCを少なくとも1つのアミド窒素−水素結合を有する有機化合物と25〜180℃の範囲の温度で接触させる工程と、
b)場合により沈澱固体を濾別する工程と、
c)残りの溶液を塔で蒸留する工程と、
d)結晶化によって留出物から精製VCを得る工程と
によって有利に得ることができる。
本発明との関連では、アミド窒素−水素結合を有する有機化合物はいずれも、次式(I):
Figure 2008540468
(式中、R=H、C〜C10アルキルもしくはシクロアルキル、C〜C10アリールである)
の官能基を1つ以上有する脂肪族および芳香族のカルボキサミド、または
次式(II):
Figure 2008540468
(式中、R、R’およびR’’は同一であるかまたは異なり、H、C〜C10アルキルもしくはシクロアルキル、C〜C10アリールである)
の尿素であり、尿素が好ましくは使用される。
ホルムアミド、メチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、エチルアセトアミド、フェニルアセトアミド、アジパミド、ベンズアミド、フタルアミド、プロピオンアミド、ジメチル尿素、ジエチル尿素、ジフェニル尿素、および尿素からなる群からのアミド窒素−水素結合を有する有機化合物が好ましくは使用される。ジメチル尿素、ジエチル尿素およびジフェニル尿素が特に好ましくは使用される。尿素が非常に特に好ましい。
工程a)での熱処理は、25〜180℃、好ましくは60〜160℃、特に好ましくは90〜140℃の温度で撹拌することで達成される。
ビニレンカーボネートに対して、0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜6重量%の精製用物質が添加される。
アミド性の窒素の結合を少なくとも1つ有する有機化合物の添加は、溶媒の存在下にまたは溶媒の添加なしに達成することができる。例えば、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、およびDMSOが溶媒として挙げられる。
熱処理および沈澱固体の濾別の後に、ビニレンカーボネートは工程c)で残液から留去される。これは、少なくとも10、好ましくは少なくとも20、特に好ましくは少なくとも30のトレイを有する塔による容器からのバッチ蒸留として実施することができる。
好適な塔内部材は当業者に公知のすべての可能なもの、例えば、泡鐘トレイ、シーブトレイ、さらにランダムな充填材〔例えば、ラシヒリング(Raschig ring)、プルリング(pull ring)、バールサドル(Berl saddle)など〕、およびクロス−チャネル構造物〔例えばズルツァー(Sulzer)およびモンツ(Montz)製の構造化充填材など〕である。
本発明による方法によって得られる精製蒸留の低沸点物に富むランニングは、集められ、低沸点物の排出ロスの低減のために別々に蒸留されることが有利であり、このように回収されたVCは、工程a)での熱処理および/または工程c)での精製蒸留のためにリサイクルされる。
このようにして得られたVCは、99.0〜99.99、好ましくは99.5〜99.9%の含量で、本発明による方法の工程d)での溶融結晶化にかけられる。
溶融結晶化は、当業者に公知であるように、工業プラントで実施することができ、チューブ−バンドル晶析装置を特に挙げることができる。
単離後に、VCは、10ppm未満の残存塩化物含量を有する非常に高い純度で得られる。
結晶化で得られた母液は、工程c)での蒸留および/または工程a)での熱処理へ直接リサイクルすることができる。
安定剤なしの純VCは重合する傾向があり、このためBHTなどの安定剤入りで市販されている。
モノマーが純粋であるほど、意図されないポリマー形成に対する感受性がより高い。
意外なことに、固体状態のこのような高純度VCは、安定剤なしで長期間にわたって変化せずに貯蔵することができることが分かった。
高純度の、安定剤なしのVCの貯蔵および輸送は、したがって、−200℃〜+20℃、好ましくは0〜15℃の温度で行われる。
固体VC(高純度)の製造
蒸留装置は、平面−グランドジョイントおよびアンカースターラーを有する油加熱式15リットルのポット、塔、還流スプリッター、凝縮器、ならびに一定真空度を達成するための装置からなった。−78℃に冷却されたコールドトラップを真空ポンプの前に備えた。平面−グランドジョイントを有するポット、塔、還流スプリッター、ならびに凝縮器はガラス製であり、アンカースターラーはテフロン(登録商標)(Teflon)製であった。
塔は、50mmの直径を有するハステロイ(登録商標)(Hastelloy)Cを含む1500mm長さのズルツァーDX構造化充填材を有した。このタイプの構造化充填材は1メートル当たり15〜30トレイの分離効率を有する。
装置は、仕込み前後および運転前に常に窒素で覆った。
塔なしの予備蒸留によってポリマー状の不純物のみが実質的に取り除かれた粗VCを出発原料として使用した。
この粗VCは約97%純度であり、約0.5%〜1%の有機および無機の塩素含量を有した。
ガスクロマトグラフ分析は、HP6890を使用して行った。分離は、0.53mmのIDおよび1.0μmのFDを有する50メートル長さのCP−シル(Sil)8CBによって行った。
キャリアガスは5psiの給気圧での窒素であった。注入器は138ml/分の流量および30/1のスプリットで運転した。1μlの純VCを注入した。
注入器温度は220℃であり、検出器温度は320℃であった。温度プログラムは、50℃でスタートし、250℃まで5℃/分の加熱速度であった。
評価は標準%法によって行った。
実施例1(尿素での処理)
200gの尿素を12,060gの粗VCに添加し、混合物を窒素下で140℃にて2時間撹拌した。約30〜40℃に冷却した後、235gの固体を濾別し、11,743gの液体を上述した蒸留装置に移し、1000gのNMPを添加した。
混合物を約35ミリバールの圧力で還流させた後、第1ランニングを30:1の還流比で留去した。
このようにして、2.5時間内に、GC分析で96%のVCを含む約160gの留出物を得た。次の3.5時間に、97.5%のVCを含む約400gの留出物を得、その後、2.5時間にわたって蒸留された99.4%のVC含量を有する約470gの留出物を得た。
主要ランを次に5:1の還流比で取り去った。50ppmより低い塩素含量を有する約9600gの99.9%純度VCが26時間で留出した。
0.5%未満のVC含量を有する約1100gのボトム生成物が後に残った。
コールドトラップは実質的に空であった。
物質収支は実質的に定量的であり、VCの93%を回収した。
ビニレンカーボネートの84%を主留分に得た。
実施例2(静置晶析装置での結晶化)
晶析装置は、30mmの内径を有する400mm長さのサーモスタット付きガラス管からなった。結晶を固定するための有孔ディスクおよび母液用の排出バルブを下方端に取り付けた。アルゴン−フラッシュした取り替え可能な受器をシャットオフバルブの下方に存在させた。上方端で、アルゴンでフラッシュすることによって気相を置換することが可能であり、さらに、冷却可能なプラスチックフィンガーが内部へ伸びていて、これを用いて結晶化を制御された方法で開始させることができた。
実施例1からの302gの留出物を晶析装置へ導入し、ガス相をアルゴンでフラッシュすることによって置換した。ビニレンカーボネートを、19℃の冷たい油循環を用いて冷却した。その後、結晶化を、コールドフィンガーを冷却することによって開始させ、4時間行わせた。
コールドフィンガーから熱交換器表面の全体にわたって結晶の先端の迅速な成長が観察された。結晶は次に、意外なほどコンパクトに内側に向けて成長した。
4時間後に、下方端のバルブを開くことによって、先ず、管の非冷却部分における有孔スクリーンの下方の液体を、次に、母液を排出させ、別々に集める。その後、受器を再交換し、油循環を、バルブ開で1時間の間に直線形ランプで22℃に加熱し、さらに1時間22℃に保ち、結晶を、スエッティング(sweating)によって精製した。最後に、主分画を30℃でさらなる受器中に溶融させた。
出発原料は約99.9%純度であり、50ppm未満の塩素含量および約100ppmの水含量を有した。
集めた24gの第1ランニングは、99.87%のVC含量、約110ppmの塩素含量および約230ppmの含水率を有していた。
得られた56gの母液は、99.8%のVC含量、160ppmの塩素含量および330ppmの水含量を有していた。
スエットは35gの重さがあり、99.9%のVC含量、70ppmの塩素および110ppmの水を有した。
生成物溶融物は187gの重さがあり、99.99%のVC含量を有し、塩素が検出限界である3ppmであり、10ppmの水を含有した。
母液、第1ランニング、およびスエットは、尿素処理または蒸留へ直接リサイクルすることができ、したがって失われない。
実施例3(VCの貯蔵)
実施例2に従って精製したビニレンカーボネートのサンプルを、安定剤なしでかつ光を排除して、20℃にて液体として、および5℃にて結晶形態で貯蔵した。
a)比較実験
ビニレンカーボネートの安定剤を含まないサンプルは、70日後に僅か〜強い黄着色および僅かな濁り現象を示す。ISTDによって測定された含有量は96%に低下した。安定剤なしでは、液体状態の高純度ビニレンカーボネートは貯蔵中に安定ではない。
b)本発明によれば
固体状態において5℃で貯蔵されたサンプルはいずれも、365日後でさえ溶融後に無色であり、透明であった。分析は品質の変化を全く示さなかった。安定剤を含まないビニレンカーボネートは固体状態での貯蔵中に安定である。

Claims (2)

  1. ビニレンカーボネートが100ppm未満の安定剤含量を有し、99.9〜99.99999%の純度を有し、かつ、固体凝集体状態で存在することを特徴とするビニレンカーボネートの貯蔵および輸送方法。
  2. 前記ビニレンカーボネートが−200℃〜+20℃の温度で貯蔵または輸送されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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