JP2009001631A - 変性ポリビニルアセタール樹脂 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリビニルアセタール樹脂中の水酸基に、炭素数2〜12のアルキレンオキサイドが付加した構造を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を提供することによって上記課題が達成される。
【選択図】 なし
Description
しかしこの方法では、溶剤を使用するために、生産性が悪く、環境にも好ましくないといった問題が生じる。また、溶液中での反応では、アルキレンオキサイドのオリゴマー化が進み易くなるため、ポリビニルアセタールの均一な変性が困難となる。さらに、エーテル結合やエステル結合を導入すると、親水性が高まり、各種無機物の分散性が悪化する問題がある。
なお、上述のアセタール化度(アセタール単位の含有量)、酢酸ビニル単位の含有量、ビニルアルコール単位の含有量、アルキレンオキサイドが付加したビニルアルコール単位の含有量の値は、これらの含有量の合計量(全ビニル単位)に対する値である。
その方法としては、(1)ポリビニルアセタール樹脂を溶融状態にてアルキレンオキサイドおよび触媒を混合して反応させる方法、(2)ポリビニルアセタール樹脂を溶媒に溶解させ、これにアルキレンオキサイドおよび触媒を混合して反応させる方法などが挙げられる。
まず、3〜15重量%濃度のポリビニルアルコールの水溶液を、80〜100℃の温度で調製し、10〜60分かけて徐々に冷却する。温度が−10〜30℃まで低下したところで、アルデヒドおよび酸触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜300分間アセタール化反応を行う。その後、反応液を30〜200分かけて、40〜80℃の温度まで昇温し、その温度で1〜6時間保持する。次に、反応液を、好適には室温まで冷却し、水洗した後、アルカリなどの中和剤を添加し、乾燥することにより、目的とするポリビニルアセタール樹脂が得られる。
原料ポリビニルアセタール樹脂中のアルカリ金属塩量を減らすことにより、添加する触媒失活剤であるアルカリ金属塩量を減らすことができ、得られる変性ポリビニルアセタール樹脂中のアルカリ金属量を少なくすることができる。
(ポリビニルブチラール樹脂の調製)
内容積が2m3の反応槽に、イオン交換水1350kg、ポリビニルアルコール(PVA−1)(重合度1700、けん化度98モル%)110kgを仕込み(PVA濃度7.5%)、内容物を95℃に昇温して完全に溶解した。次に攪拌下、10℃まで冷却後、ブチルアルデヒド64kgと20%の塩酸90Lを添加し、アセタール化反応を150分間行った。その後、60分かけて50℃まで昇温し、50℃にて120分間保持した後、室温まで冷却した。反応液スラリーをろ過槽へ移送してろ過し、得られた樹脂をイオン交換水で5回洗浄後、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。これをろ過し、さらに水で10回洗浄した後、乾燥して、ポリビニルブチラール(PVB−A1)を得た。得られたPVB−A1のアセタール化度は71モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%、ナトリウム量は18ppmであった。
なお、ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度、残存する酢酸ビニル基の含有量、残存ナトリウム量は以下の方法にしたがって測定した。
1H−NMR法により測定した。
(ポリビニルブチラール樹脂中のナトリウム量の測定)
ICP発光分析により測定した。
亜鉛アセチルアセトナート一水和物28重量部を、1,2−ジメトキシエタン957重量部と混合し、混合溶液を得た。得られた混合液に、攪拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸15重量部を添加し、変性用触媒(亜鉛アセチルアセトナート一水和物1モルに対して、トリフルオロメタンスルホン酸1モルを混合)を含む溶液を調製した。
二軸押出機を200℃〜220℃に設定し、これにPVB−A1の樹脂を20kg/hrでフィードし、サイドフィード口からプロピレンオキサイドを1.55kg/hrでフィードし、更に上記で調製した変性用触媒の溶液をポリビニルブチラール樹脂に対して1μmol/gとなるように添加した。押出機の後半部分で未反応のプロピレンオキサイドを減圧除去した後、触媒失活剤として0.2mol/l−酢酸ナトリウム水溶液をポリビニルブチラール樹脂に対して1μmol/gとなるように添加した後、さらに先端近くで減圧により水を留去させた。反応温度は約237℃であった。押出されたストランド状の樹脂を水冷した後、ペレタイザーによりペレット化し、変性ポリビニルアセタール樹脂(PVB−B1)を得た。得られたPVB−B1のアセタール化度は70モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%、プロピレンオキサイド変性量は5モル%であった。また、PVB−B1中のナトリウム量は40ppm、亜鉛量は63ppmであった。
なお、変性ポリビニルブチラール樹脂のプロピレンオキサイド変性量、残存亜鉛量は以下の方法にしたがって測定した。
1H−NMR法により測定した。
(変性ポリビニルブチラール樹脂中の亜鉛量の測定)
ICP発光分析により測定した。
(ガラス転位温度の測定)
DSCを用い、10℃/minの昇温速度により測定した。
プロピレンオキサイドのフィード量を2倍にした以外は実施例1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂PVB−B2を得た。得られたPVB−B2のアセタール化度は70モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%、プロピレンオキサイド変性量は9モル%であった。また、PVB−B2中のナトリウム量は42ppm、亜鉛量は67ppmであった。得られた変性ポリビニルブチラール樹脂PVB−B2のガラス転位温度は61.8℃であり、内部可塑化効果が確認された。
(ポリビニルブチラール樹脂の調製)
中和後の洗浄回数を3回にした以外は実施例1と同様にして、ポリビニルブチラール(PVB−A2)を得た。得られたPVB−A2のアセタール化度は71モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%であった。また、PVB−A2中のナトリウム量は102ppmであった。
(変性ポリビニルアセタール樹脂の製造)
PVB−A1の代わりにPVB−A2を用いた以外は実施例1と同様に反応を試みたが、反応による発熱が観測されず、反応は進行しなかった。そこで、触媒量を除々に増やしたところ、触媒量を実施例1の1μmol/gから5μmol/gにまで上昇させた点で反応による発熱が観測された。触媒量5μmol/gで反応を継続し、変性ポリビニルアセタール樹脂PVB−B3を得た。得られたPVB−B3のアセタール化度は70モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%、プロピレンオキサイド変性量は5モル%であった。また、PVB−B3中のナトリウム量は220ppm、亜鉛量は320ppmであった。
PVA−1の代わりにPVA−3(重合度600、ケン化度98%)を用い、反応温度を5℃にした以外は実施例1と同様に行い、ポリビニルブチラール樹脂PVB−A3を得た。得られたPVB−A3のアセタール化度は70モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%であった。また、PVB−A3中のナトリウム量は16ppmであった。また、PVB−A3のガラス転位温度は67.9℃、20℃にてB型粘度計により測定した10%−エタノール溶液粘度は69mPa・sであった。更に実施例1と同様にして、変性ポリビニルブチラール樹脂PVB−B4を得た。得られたPVB−B4のアセタール化度は69モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%、プロピレンオキサイド変性量は6モル%であった。また、PVB−B4中のナトリウム量は41ppm、亜鉛量は65ppmであった。また、PVB−B4のガラス転位温度は62.1℃、10%−エタノール溶液粘度は45mPa・sであり、内部可塑化効果が確認された。
プロピレンオキサイドのフィード量を2倍にした以外は実施例3と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂PVB−B5を得た。得られた変性ポリビニルブチラール樹脂PVB−B5のアセタール化度は69モル%、残存する酢酸ビニル基の含有量は2モル%、プロピレンオキサイド変性量は9モル%であった。また、PVB−B5中のナトリウム量は43ppm、亜鉛量は68ppmであった。また、PVB−B5のガラス転位温度は58.3℃、20℃にてB型粘度計により測定した10%−エタノール溶液粘度は38mPa・sであり、内部可塑化効果が確認された。
Claims (4)
- ポリビニルアセタール樹脂中の水酸基に、炭素数2〜12のアルキレンオキサイドが付加した構造を有しており、アルキレンオキサイド付加量がポリビニルアセタール樹脂中の全ビニル単位に対して1〜30モル%である変性ポリビニルアセタール樹脂。
- アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドのいずれかである請求項1に記載の変性ポリビニルアセタール樹脂。
- アルカリ金属含有量が200ppm以下である請求項1または2に記載の変性ポリビニルアセタール樹脂。
- 周期律表第3〜12族に属する金属の中で、最も含有量の多い金属のイオンの含有量が0.1〜200ppmである請求項1〜3のいずれかに記載の変性ポリビニルアセタール樹脂。
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