JP2009006407A - 薄刃砥石 - Google Patents

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Abstract

【課題】砥粒層への切屑の付着による目詰まり等を防ぎつつ砥粒層の幅痩せを抑制し、特にワークが上述のような樹脂中に金属リードフレーム、めっき、電極等が配置されたものである場合でも、バリの発生等を抑えて高品位の加工を行うことが可能な薄刃砥石を提供する。
【解決手段】金属めっき相3に砥粒4を分散してなる円形薄板状の砥粒層1を備え、この砥粒層1の側面1AにTiNよりなるコーティング層2を被覆する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置等の各種電子材料部品の切断や溝入れなどに用いられる薄刃砥石に関するものである。
この種の薄刃砥石としては、例えば特許文献1に、砥粒を金属結合相中に分散配置してなる円環平板形状の砥石本体を有して、この砥石本体の少なくとも切削作用領域では厚み方向を向く側面における金属結合層表面からの砥粒の突出量が砥粒の平均粒径の1/4以下とされた電鋳薄刃砥石が提案されており、さらに少なくともこの切削作用領域では、厚み方向の両端部に中間部よりも砥粒の集中度の高い高集中度層を設けることが記載されている。また、特許文献2にも、環状の切れ刃部が、砥粒をメッキで固定した集中度の低い中央電鋳砥粒層と、その両側にそれぞれ形成された集中度の高い外側電鋳砥粒層で形成されたものが提案されており、さらに特許文献3には、砥粒を母体金属で電着して形成した電着ブレードであって、該母体金属の表面に、ダイヤモンド状カーボンをコーティングしたコーティング層を、母体金属から突出した砥粒の高さよりも薄く形成したものも提案されている。
特開2004−136431号公報 特開2002−331464号公報 特開2000−144477号公報
ところで、このような薄刃砥石によって電子材料部品等を切断して個片化する場合、特に切断されるワークとなるこの電子材料部品がQFN(quad flat non−leaded package)やIrDA(赤外線データ通信協会)規格の光伝送モジュールあるいはLEDワークのように、モールディング樹脂中にCu等の延性の高いリードフレーム、めっき、電極等の金属部分が間隔をあけて配置されたものである場合などには、切断の際の薄刃砥石の送り方向や回転方向(下方向)にこのリードフレームや電極等の金属バリが生じ易いという問題がある。
この点、上記特許文献1に記載された薄刃砥石では、上述のように砥粒層の切削作用領域において厚さ方向の両端部すなわち砥粒層の両側面側に高集中度層を設けることにより、この両側面側で摩耗を進行し難くして砥石がその初期形状を略保った状態で摩耗してゆくようにすることで、バリを生じにくくしている。また、特許文献2に記載の薄刃砥石では、ドレッシングあるいは使用によって中央電鋳砥粒層を多量に摩耗させることにより環状の切れ刃部外周の幅方向中央部に環状凹部を形成し、この環状凹部に切粉を取り込んで排除することでバリの発生を防止しようとしているが、これら特許文献1、2に記載の薄刃砥石では、側面はニッケルめっき等による金属結合相がむき出しのままとなっているため、加工時に生成された切屑が付着して目詰まりを生じ易く、抵抗が増大するとともに加工中に砥石が高温となって焼き付きが生じるおそれもある。
しかるに、これに対して特許文献3に記載の薄刃砥石では、母体金属の表面すなわち砥粒層の側面にコーティングされたダイヤモンド状カーボンの摩擦係数が小さいため、該側面に目詰まりが生じるのを防ぐとともに加工時の抵抗も低減することはできるが、その一方でこのようなダイヤモンド状カーボンよりなるコーティング層では砥粒層の両側面における耐摩耗性を厚さ方向中央部に対して十分に高めることはできず、このコーティング層を含めて砥粒層の側面外周縁部のエッジが丸められるようにして砥粒層が幅痩せしてしまい、こうして丸められた外周縁部に上記金属部分が押し広げられることにより、金属バリが発生し易くなってしまう。また、こうして砥粒層が幅痩せすることで、切断されたワークの表裏面における切断幅に大きな差が生じたり、これら表裏面と切断面との稜線部に角欠けが生じたりして加工品位を損なうおそれもある。しかも、かかるダイヤモンド状カーボンよりなるコーティング層は加工時に発生する熱によって剥離し易く、長期に亙って目詰まりの防止や抵抗の低減等の効果を維持するのは困難であり、さらに砥粒層自体の剛性を向上させることも難しい。
本発明は、このような背景の下になされたもので、砥粒層への切屑の付着による目詰まり等を防ぎつつ砥粒層の幅痩せを抑制し、特にワークが上述のような樹脂中に金属リードフレーム、めっき、電極等が配置されたものである場合でも、バリの発生等を抑えて高品位の加工を行うことが可能な薄刃砥石を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、金属めっき相に砥粒を分散してなる円形薄板状の砥粒層を備え、この砥粒層の側面にはTiNよりなるコーティング層が被覆されていることを特徴とする。
このように構成された薄刃砥石では、砥粒層の側面に被覆されるコーティング層が高硬度で耐摩耗性の高いTiNよりなるものであるので、この側面側における摩耗が厚さ方向中央部よりも促進されるのを抑えて該側面外周縁部のエッジ形状を維持することができ、このエッジが丸められるように該砥粒層が幅痩せするのを防いで、このような幅痩せによる金属バリの発生や表裏面の切断幅の相違、あるいはワークの角欠けなどを抑制することができる。また、このような高硬度のコーティング層が側面に被覆されることで砥石自体の剛性や強度も向上させることができるので、砥粒層の厚さを薄くしても直進性を確保して高精度の加工を行うことができ、例えば切断代を出来るだけ小さくして製品歩留まりの向上を図ったり、発振子等に挟ピッチで溝入れ可能を行うような場合にもこれに確実に対応したりすることが可能となる。その一方で、かかるTiNよりなるコーティング層は、砥粒層における金属めっき相から容易に剥離することがなく、長期に亙って上述のエッジ形状を維持することができるとともに、切屑の付着性は低いために目詰まり等の発生を防ぐことができ、抵抗の増大や加工中の焼き付きを防止することが可能となる。
ここで、上記コーティング層は、砥粒層の円形の側面全体に被覆されていてもよいが、例えば砥粒層の両側面が一対のフランジによって挟持されて加工に供される円環薄板状の薄刃砥石では、少なくともこのフランジよりも外周側にはみ出す部分にコーティング層が被覆されていれば、上述のように高硬度のコーティング層を介して確実に砥粒層を支持して直進性を確保することができるので、このコーティング層は砥粒層の外周から該砥粒層の半径方向の幅の1/2以上の幅で被覆されていればよい。ただし、その被覆厚さは、砥粒層に分散されて上記側面から突出した砥粒が埋没してしまうほど厚いと、却って加工時の抵抗の増大や切れ味の劣化を招くおそれがあるので、該コーティング層は、上記砥粒の平均粒径の1/2以下の厚さで被覆されるのが望ましい。
一方、このようなTiNよりなるコーティング層を被覆するには、周知の方法で形成した砥粒層を有する薄刃砥石を高温の炉内に保持しつつ反応ガスと反応させて被覆を行うCVD法(化学蒸着法)によることも可能であるが、このようなCVD法では砥粒層の金属めっき相が高温により変質して砥粒層自体の剛性や強度が損なわれてしまうおそれがあるので、上記コーティング層は、イオンプレーティング法やスパッタリング法に代表されるPVD法(物理蒸着法)により被覆されるのが望ましい。
このように、本発明の薄刃砥石によれば、砥粒層の幅痩せを防いで側面外周縁部におけるエッジ形状を長期に亙って維持することができ、たとえワークが樹脂中に金属部分を有するものであったとしてもバリ等の発生を防いで高品位の加工を行うことが可能となる。しかも、TiNよりなるコーティング層は砥粒層の金属めっき相から剥離し難いために長期に亙ってこのような効果を奏することができる一方、切屑の付着は抑えることができるので、かかる切屑の付着による目詰まりやこれに伴う抵抗の増大、焼き付きなども防止することができる。
図1ないし図3は、本発明の薄刃砥石の一実施形態を示す概略図である。本実施形態の薄刃砥石は図1に示すように軸線Oを中心とした円環形で厚さ0.05〜0.5mm程度の薄肉板状(ただし、図2では説明のため厚さが大きく示されている。)をなしており、かかる円環薄板状の砥粒層1とその側面1Aに被覆されたコーティング層2とから構成されていて、砥粒層1の内径部1Bが図示されない加工装置の主軸に挿入されるとともに、両側面1A,1Aのコーティング層2を含めた内周側部分が一対のフランジ等によって挟着されることにより該主軸に取り付けられる。そして、上記軸線O回りに回転されつつ該軸線Oに垂直な方向に送り出されることにより、その外周縁部によって、例えば上述したQFNやIrDA規格の光伝送モジュールあるいはLEDワークのような電子部品の切断、溝入れなどの超精密加工に使用される。
上記砥粒層1は、Ni等の金属めっき相3にダイヤモンドやcBN等の超砥粒4を均一に分散したものであって、台金上に超砥粒4を取り込みつつ所定の厚さに金属めっき相3を析出させた後、台金から剥離して両側面1Aに目立てを施すことによる、周知の電鋳法により形成される。一方、上記コーティング層2は、本実施形態ではこうして形成された砥粒層1の両側面1A,1Aに、該砥粒層1の外周から砥粒層1の半径方向の幅Wの1/2以上の一定の幅Xで、かつ超砥粒4の平均粒径の1/2以下の略一定の厚さtで被覆されたものであり、PVD法によってTiNを被覆することにより構成されている。なお、こうして被覆されたTiNよりなるコーティング層2は、砥粒層1の両側面1A,1A同士で上記幅Xおよび厚さtが互いに略等しくされている。
より具体的に、このコーティング層2はアークイオンプレーティング法により被覆されていて、例えば上述のように形成した砥粒層1にコーティング層2を形成する部分を残してマスキングを施し、これを真空チャンバー内に保持して1×10−4〜3×10−5Paの真空とした後に、まずArガスを導入しながら300Wの出力で高周波プラズマを発生させて、砥粒層1に−500Vの直流バイアス電圧をかけることによりその表面を清浄化する。次いで、砥粒層1に−10kVのパルスバイアス電圧を印加した後に真空チャンバー内に窒素ガスを100〜120(SCCM)の流量で導入し、高周波プラズマを発生させると同時にまたは発生させた後にTi合金のターゲットを80A程度のアーク電流によるアーク放電によって蒸発させ、印加するパルスバイアス電圧を調整しながら所定の上記厚さtとなるように、例えば120分程度の処理時間で蒸着することにより被覆される。
こうしてコーティング層2が被覆された薄刃砥石においては、該コーティング層2の厚さtが超砥粒4の平均粒径の1/2以下であるので、上記目立ての際に砥粒層1の側面1Aから平均粒径の1/2以上突出していた超砥粒4は該コーティング層2の表面にも突出することになる。また、このコーティング層2の被覆後に薄刃砥石はその内外径が所定の径に成形され、その際に砥粒層1の外周縁においてはコーティング層2が除去されて図3に示すように超砥粒4が突出させられるとともに、コーティング層2も含めた砥石の側面外周縁部は略直角のエッジ形状をなすように成形される。
従って、このように形成された本実施形態の薄刃砥石においては、砥粒層1の側面1Aに被覆されたTiNよりなるコーティング層2が、砥粒層1の金属めっき相3よりも高硬度で耐摩耗性が高いため、該砥粒層1が摩耗する際にも、この側面1A,1Aの外周縁部が先行して摩滅してそのエッジが断面で丸められるように砥粒層1が幅痩せすることがなく、断面視略直角のこのエッジ形状を維持したまま概ね均一に摩耗してゆくことになる。このため、該エッジによる鋭い切れ味も維持したままワークの切断や溝入れ加工を行うことができるので、上記構成の薄刃砥石によれば、たとえワークが、モールド樹脂中にCu等の延性の高い金属リードフレームや電極、めっきを含むものであっても、かかる金属のバリが発生するのを防ぐことができ、また切断されたワークの表裏面における切断幅の差を小さくするとともに、これら表裏面と切断面との交差稜線部に角欠けが生じたりするのも防ぐことができて、高品位の加工を図ることが可能となる。
また、このようなTiNよりなるコーティング層2は、従来のダイヤモンド状カーボンよりなるコーティング層のように加工時に発生する熱によって容易に剥離するようなことがなく、より長期に亙って安定的に上述の効果を奏功することができる。その一方で、かかるTiNコーティング層2は、例えばNi等の金属めっき相3がむき出しのままの砥粒層などに比べては切屑の付着が少なく、従って切屑による目詰まり等の発生を防いで加工時の抵抗の低減を促すことができるとともに、加工時の発熱やこれに伴う焼き付きも抑えて一層長期に亙る鋭い切れ味の持続を図ることが可能となる。
さらに、こうして硬質のTiNよりなるコーティング層2が側面1Aに被覆されることにより、本実施形態では、薄刃砥石全体としてその厚さを小さくしても剛性および強度を十分に確保することができ、これにより切断や溝入れ加工時の薄刃砥石の直進性を維持して高い加工精度を奏しつつ、切断代を出来るだけ小さくして製品歩留まりの向上を図ったり、挟ピッチの溝入れにも確実に対応したりすることが可能となる。また、こうして砥粒層1が硬質で耐摩耗性の高いTiNよりなるコーティング層2によって被覆されることにより、砥石自体の耐摩耗性も向上させて長寿命化を図ることもできる。
さらにまた、本実施形態ではコーティング層2が砥粒層1の外周から該砥粒層1の半径方向の幅Wの1/2以上の幅Xで被覆されていて、一対のフランジにより薄刃砥石が挟着される際に、砥粒層1の両側面1A,1Aのコーティング層2,2がその内周側部分を該フランジに密着させて挟み込まれるようになされている。このため、これらのフランジにより硬質のコーティング層2,2を介して薄刃砥石の外周部を支持した状態で切断や溝入れ加工を行うことができ、上述のように砥石自体の剛性や強度が確保されることとも相俟って、さらに直進性の向上や高精度の加工を図ることができる。
なお、上記幅Xは、このようにフランジがコーティング層2を挟み込むような範囲とされていればよいので、例えば幅Xが円環状の砥粒層1の側面1Aの幅Wと等しく、すなわちこの側面1Aの全面にコーティング層2が被覆されたような構成とされていてもよい。ただし、本実施形態ではこのように一対のフランジによって薄刃砥石を挟着する構成としているが、例えば円環状の台金の側面に砥粒層1が形成されたハブ付きの薄刃砥石に本発明を適用することも可能である。
一方、本実施形態では上記コーティング層2が超砥粒4の平均粒径の1/2以下の厚さtとされていて、上述のように砥粒層1の両側面1Aから平均粒径の1/2以上突出した超砥粒4がそのままコーティング層2の表面からも突出するようにされており、このため切断や溝入れの際の加工壁面とコーティング層2の表面との間に僅かながらでもクリアランスを確保することができる。従って、加工時の抵抗を一層低減することができるとともに、このクリアランスを介して切屑の円滑な排出を図ることもでき、目詰まりの発生等をより確実に防止することが可能となる。ただし、このコーティング層2の厚さtがあまり小さすぎると剛性や強度の確保が困難となるおそれがあるので、厚さtは砥粒の平均粒径の1/5以上、または0.5μm以上とされるのが望ましく、1.0μm以上とされるのがより望ましい。
さらにまた、本実施形態では上記TiNよりなるコーティング層2がPVD法によって被覆されたものであって、該コーティング層2の被覆時に砥粒層1が高温に晒されることがないため、このような高温によって砥粒層1の金属めっき相3が変質したりして該砥粒層1自体の剛性や強度が損なわれたりすることもない。従って、コーティング層2を被覆したにも拘わらず却って薄刃砥石全体としての剛性・強度が損なわれたりするような事態が生じるのを防ぐことができ、その砥石厚さを小さくしても一層確実に高精度の加工を可能として、切断代の削減や挟ピッチの溝入れを図ることができる。
以下、本発明の薄刃砥石について、より具体的な実施例により説明する。本実施例ではまず、平均粒径25μm(粒度#600)のダイヤモンド超砥粒を集中度100でNiめっき相に均一に分散した外径58mm、内径40mm、厚さ0.15mmの砥粒層1をベースブレードとして製造した。次いで、このベースブレードの砥粒層1の両側面1A,1Aそれぞれに、上述した条件のアークイオンプレーティング法によるPVD法によって厚さtを10μm、5μm、15μmとしたTiNよりなるコーティング層2を被覆して、本発明に基づく3種の薄刃砥石を製造した。これらを上記厚さtの順に実施例1〜3とする。なお、これら実施例1〜3においてコーティング層2の砥石外周からの幅Xは砥粒層1の幅W=9mmの1/2の4.5mmであった。
次いで、これら実施例1〜3および比較例としてコーティング層2を被覆していない上記ベースブレードの薄刃砥石により、幅80mm、長さ200mm、厚さ1.0mmのガラスエポキシ樹脂基板に切断加工を行い、切断長100m、500m、および1000m時点でのワークの表裏面の切断幅の差を測定するとともに、角欠けの有無を工具顕微鏡で確認した。なお、切断装置は株式会社東京精密製、型番AWD−100Aであり、各薄刃砥石を外径52mmのフランジによってその主軸に挟着して、主軸回転数30000min−1、送り速度100mm/secとして切断加工を行った。この結果を、切断幅の差については表1に、角欠けについては表2にそれぞれ示す。
Figure 2009006407
Figure 2009006407
これら表1、2の結果より、比較例としてのベースブレードの薄刃砥石では、切断幅の差および角欠けともに実施例1〜3のいずれの薄刃砥石よりも大きく、特に切断幅の差は切断長が長くなるに従い増大が顕著となる傾向があった。これに対して、実施例1〜3の薄刃砥石では、総じて切断幅の差および角欠けともにベースブレードに比べて小さく、特に切断幅の差については切断長500mまでは増大する傾向にあるものの、これより1000mまででは実施例2で僅かに増大しているものの、概ね一定の大きさで安定していることが分かる。
また、これら実施例1〜3同士で比較すると、切断幅の差については、実施例1、3では大きな相違はなかったのに対し、コーティング層2の厚さtが小さくされた実施例2ではこれら実施例1、3よりも大きくなる傾向にあった。また、角欠けについては、実施例3では切断長100mから品位を損なう程度ではないものの小さな欠けが見受けられたのに対し、コーティング層2の厚さtが砥粒4の平均粒径の1/2以下とされた実施例1、2では切断長1000mまで認められなかった。
次に、上記と同じようにして平均粒径18.5μm(粒度#700)のダイヤモンド超砥粒を集中度100でNiめっき層に均一に分散した外径58mm、内径40mm、厚さ0.22mmの砥粒層1をベースブレードとして製造し、このベースブレードの砥粒層1の両側面1A,1Aに、上記と同様の条件のアークイオンプレーティング法によるPVD法によって厚さtを9μm、5μm、13μmとしたTiNよりなるコーティング層2を被覆して、本発明に基づく3種の薄刃砥石を製造した。これらを上記厚さtの順に実施例4〜6とする。なお、これら実施例4〜6においてもコーティング層2の砥石外周からの幅Xは実施例1〜3と同じく砥粒層1の幅W=9mmの1/2の4.5mmであった。
そして、これら実施例4〜6の薄刃砥石と、比較例としてコーティング層2を被覆していない上記ベースブレードの薄刃砥石とで、幅60mm、長さ120mm、厚さ0.2mmのガラスエポキシ樹脂基板の表面に厚さ0.8mmのレジスト樹脂を、裏面に厚さ0.02mmのCu金属めっきを施したワークの切断加工を行い、このときのワーク表裏面での切断幅の差と薄刃砥石の回転方向に発生したバリの大きさとを、やはり切断長100m、500m、および1000m時点で測定した。この結果を、切断幅の差については表3に、バリの大きさについては表4にそれぞれ示す。なお、このときの主軸回転数は20000min−1、送り速度は70mm/secであった。
Figure 2009006407
Figure 2009006407
表3の結果より、切断幅の差については、実施例5において切断長100m時点での差が大きかったほかは、実施例1〜3とその比較例とされたベースブレードの場合と同様、コーティング層2が被覆されていないベースブレードに対してコーティング層2が被覆された実施例4〜6で差が小さく抑えられており、実施例4〜6同士ではコーティング層2が厚い実施例4、6でコーティング層2が薄い実施例5よりも小さな差に抑えられていた。また、切断長の増加に対する差の増大についても、ベースブレードでは切断長が長くなるのに従い切断幅の差も大きくなっているのに対し、実施例4〜6では切断長500m以上では安定する傾向を呈している。
さらに、表4の結果より、バリの大きさについても、コーティング層2が被覆されていないベースブレードに対してコーティング層2が被覆された実施例4〜6で小さく抑えられており、実施例4〜6同士ではコーティング層2の厚さtが砥粒4の平均粒径の1/2以下の実施例4、5で小さく、これより厚い実施例6ではやや大きくなる傾向にあった。なお、バリの大きさ自体はベースブレードも含めて切断長に関わらず略一定の傾向となった。
本発明の一実施形態を示す側面図である。 図1におけるZZ断面図である。 図2に示す断面図の外周縁部周辺を示す拡大図である。
符号の説明
1 砥粒層
1A 砥粒層1の側面
2 コーティング層
3 金属めっき相
4 超砥粒(砥粒)
W 砥粒層1の半径方向の幅
X コーティング層2の半径方向の幅
t コーティング層2の厚さ

Claims (4)

  1. 金属めっき相に砥粒を分散してなる円形薄板状の砥粒層を備え、この砥粒層の側面にはTiNよりなるコーティング層が被覆されていることを特徴とする薄刃砥石。
  2. 上記コーティング層は、上記砥粒層の外周から該砥粒層の半径方向の幅の1/2以上の幅で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の薄刃砥石。
  3. 上記コーティング層は、上記砥粒の平均粒径の1/2以下の厚さで被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄刃砥石。
  4. 上記コーティング層は、PVD法により被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄刃砥石。
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