JP2009007769A - 雨水貯留構造用部材と雨水貯留構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 作業性よく部材間の接続を容易にでき、しかも接続構造を強固にできる雨水貯留構造用部材とこれを備えた雨水貯留構造物を提供すること。
【解決手段】 所定長さを有する複数のパイプ状縦部材3と、これらパイプ状縦部材3と共に三次元構造体を組み立てる横部材と、パイプ状縦部材3と横部材とに接続可能で、かつパイプ状縦部材3と横部材とを互いに連結する接続治具とを備え、パイプ状縦部材3と接続治具および横部材と接続治具とを嵌合させて組み立てることにより三次元構造体を形成し、その内部に空間を形成可能にする。パイプ状縦部材3と接続治具とを嵌合させる際、この接続治具と接するパイプ状縦部材の端部3aの外周面にしぼ加工が施されていて、パイプ状縦部材の端部3aと接する接続治具の内周面が、パイプ状縦部材の端部3aの外周面に施されたしぼに基づく凹凸面より平滑面に形成されている雨水貯留構造用部材。
【選択図】 図2
【解決手段】 所定長さを有する複数のパイプ状縦部材3と、これらパイプ状縦部材3と共に三次元構造体を組み立てる横部材と、パイプ状縦部材3と横部材とに接続可能で、かつパイプ状縦部材3と横部材とを互いに連結する接続治具とを備え、パイプ状縦部材3と接続治具および横部材と接続治具とを嵌合させて組み立てることにより三次元構造体を形成し、その内部に空間を形成可能にする。パイプ状縦部材3と接続治具とを嵌合させる際、この接続治具と接するパイプ状縦部材の端部3aの外周面にしぼ加工が施されていて、パイプ状縦部材の端部3aと接する接続治具の内周面が、パイプ状縦部材の端部3aの外周面に施されたしぼに基づく凹凸面より平滑面に形成されている雨水貯留構造用部材。
【選択図】 図2
Description
本発明は雨水貯留構造用部材と雨水貯留構造物に関し、詳しくは、所定長さを有する複数のパイプ状縦部材と、これらパイプ状縦部材と共に三次元構造体を組み立てる横部材と、前記パイプ状縦部材と前記横部材とに接続可能で、かつ前記パイプ状縦部材と横部材とを互いに連結する接続治具とを備え、前記パイプ状縦部材と接続治具および前記横部材と接続治具とを嵌合させて組み立てることにより三次元構造体を形成し、その内部に空間を形成可能にする雨水貯留構造用部材とこれを備えた雨水貯留構造物に関する。
近年、特に都市部で異常降雨や出水、あるいはその逆の異常乾燥といった問題が頻繁に生じており、その原因としてヒートアイランド現象が取り上げられている。かかる現象を緩和するため、雨水を利用する施設の構築が提案されており、雨水貯留構造物あるいは雨水貯留用充填材などの開発が進んでいる。
このような雨水貯留構造物として、例えば、地面にピットを堀り、その外表面に遮水シートを敷設して、その上面に複数の容器状部材を縦横および上下に積み上げ、更に最上部に覆土などを施して被覆し、雨水を貯留する構造物の発明がなされている(例えば特許文献1参照)。
あるいは、中空体である複数の着脱自在支柱を、連結部材によって垂直に固定してなる雨水貯留用充填材であって、連結部材が着脱自在の連結桟および縁枠により一体的に連結する等して、運搬中における隅部での支柱の脱落を防止できるようにした発明がなされている(例えば特許文献2参照)。
もっとも、上記構造物や雨水貯留用充填材は雨水を貯留するための大きな空間を内蔵して嵩張るため、搬送量の割に輸送コストが高くかかるという問題があり、しかも、これらの容器状部材や充填材は形状が固定されているため、雨水貯留浸透槽の形状に対して柔軟に対応できないという欠点がある。
そのため、本願発明者らは、搬送量の割に輸送コストが少なくて済み、しかも雨水貯留浸透槽の形状に対して柔軟に対応可能な樹脂製雨水貯留構造用部材とこれを備えた雨水貯留構造物の発明をした(例えば特許文献3参照)。
その場合、雨水貯留構造物として組み立てる際に、樹脂製雨水貯留構造用部材の接続構造を強くするため、部材間の接続を一方の部材の表面を有機溶剤で溶かしたり、有機溶剤に溶けにくい部材の場合には、電熱方式により接合面を部分的に溶かして接合したりしていたが、前者の有機溶剤を使用するのは環境上の観点から望ましくなく、電熱方式を行う場合は複雑な治具を用いるなど、手間がかかり作業性が悪く好ましくない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、有機溶剤を使用する必要がないのみならず、電熱方式のような複雑な治具を用いる必要もなく、作業性よく部材間の接続を容易にでき、しかも接続構造を強固にできる雨水貯留構造用部材とこれを備えた雨水貯留構造物を提供することにある。
上記課題は、各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る雨水貯留構造用部材の特徴構成は、所定長さを有する複数のパイプ状縦部材と、これらパイプ状縦部材と共に三次元構造体を組み立てる横部材と、前記パイプ状縦部材と前記横部材とに接続可能で、かつ前記パイプ状縦部材と横部材とを互いに連結する接続治具とを備え、前記パイプ状縦部材と接続治具および前記横部材と接続治具とを嵌合させて組み立てることにより三次元構造体を形成し、その内部に空間を形成可能にする雨水貯留構造用部材において、前記パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる際、この接続治具と接する前記パイプ状縦部材の端部の外周面にしぼ加工が施されていて、前記パイプ状縦部材の端部と接する前記接続治具の内周面が、前記パイプ状縦部材の端部の外周面に施されたしぼに基づく凹凸面より平滑面に形成されていることにある。
この構成によれば、パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる場合、しぼの凸部が弾性変形し、嵌合が容易となると共に嵌合完了した際には、しぼの変形に伴う内部応力が高まると共に、接続治具の内周面との間で密着した嵌合状態が確保できることになって抜け難くなり、接合構造を強固にできる。のみならず、施工現場に搬送した、個々のパイプ状縦部材、横部材、接続治具を施工現場にて、組み立て三次元構造体を形成することができて、各部材の搬送効率が高く、更に、基本的に軽量な3種類の部材から組み立てることができるので、施工が楽であり、施工時間も短くなり、建設コストを低く維持できる。それでいて、強度が確保されているので、安定した施工作業ができると共に、施工後の耐久性にも優れた構造とすることができる。もとより、パイプ縦部材と横部材の長さを適宜変更して、前者の場合には水平方向の圧縮強度を高めたり、後者の場合には垂直方向の圧縮強度を高めたりすることができる。
また、こうしたしぼを付してパイプ状縦部材に連続模様を形成することによって、接続治具との嵌合部における気密性あるいは水密性が強化されるという機能も付加することができる。これによって、長期使用時に発生する種々の藻類や浮遊物などが嵌合する部材の内部などへの付着を防止することができ、保守・分解清掃時における作業性の向上を図ることができる。
その結果、有機溶剤を使用する必要がないのみならず、電熱方式のような複雑な治具を用いる必要もなく、作業性よく部材間の接続を容易にでき、しかも接続構造を強固にできる雨水貯留構造用部材を提供することができた。
前記パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる際、この接続治具と接する前記パイプ状縦部材の端部の外周面が、先端から離間するに従い僅かに拡径されていることが好ましい。
この構成によれば、パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる場合、しぼの凸部が弾性変形し、嵌合が容易となると共に嵌合完了した際には、先端から離間した位置のしぼの変形が元に戻り、一層抜け難くなる。しかも、パイプ状縦部材の先端を受け入れる接続治具の内周面には、通常、金型の抜き勾配が形成されているので、パイプ状縦部材の端部と接続治具の内周面との接触面積が大きくなり、抜け難くなって、この個所の接合構造を強固にできる。
前記パイプ状縦部材の端部の外周面に施されているしぼの凹凸が10〜40μmであり、前記接続治具の内周面の凹凸が1μm以下であることが好ましい。
この構成によれば、パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる場合に嵌合が一層容易となると共に、嵌合完了した際には、両者を一層抜け難くして接合構造を強固にできる。しぼの凹凸が10μm未満では、しぼの変形が少なく、40μmを超えると、パイプ状縦部材と接続治具との嵌合作業がし難くなる。パイプ状縦部材の端部の外周面に施されているしぼの凹凸は、20〜30μmであることがより好ましい。この場合、しぼの凹凸は、しぼの山部と谷部の差異の平均値をいう。
前記パイプ状縦部材の外周面に、上下方向に沿って形成されたリブが設けられていて、前記パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させるに当たり、前記パイプ状縦部材のリブが挿入可能な縦溝が前記接続治具に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、簡単な構成でパイプ状縦部材の強度、特に座屈強度などを顕著に向上させることができると共に、雨水貯留構造用組立物の強度を全体的に向上させることができる。
前記横部材と接続治具との接続が、前記横部材の端面と前記接続治具の外周面とが互いに対面してなされると共に、前記横部材の端面が前記接続治具の廻りを回転不能に接続されることが好ましい。
この構成によれば、施工時に、接続部材に連結された横部材が不用意に回転することを防止でき、作業が安定して行えると共に、接続強度が高まる。
又、本発明に係る雨水貯留構造物の特徴構成は、請求項1〜5のいずれか1項記載の雨水貯留構造用部材から組み立てられた三次元構造体を備え、この三次元構造体の上面側に被覆層が設けられることにある。
この構成によれば、有機溶剤を使用する必要がないのみならず、電熱方式のような複雑な治具を用いる必要もなく、作業性よく部材間の接続を容易にでき、しかも接続構造を強固にできる雨水貯留構造物を提供することができる。
本発明に係る実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る雨水貯留構造用組立部材として使用する接続治具1と横部材2とパイプ状縦部材3とを組み立てた単位ブロックの斜視図を示す。すなわち、図2はパイプ状縦部材3の上面方向からみた斜視図、図3は、接続治具と横部材との接続状態を示す斜視図である。
接続治具1は樹脂製であり、図1に示すように、縦部材3に外嵌可能な筒状部1aと、外周面の4箇所から突出して横部材2の端部と係合して両者を接続する突出部1bを有していて、突出部1bには、横部材2の端部突起(図示略)を受け入れて係合する貫通孔1cが4箇形成されている。更に、筒状部1a内部にも、やや小径の貫通孔が形成されて重量軽減が図られていると共に、雨水を下方に移動させて貯留させるようになっている。
接続部材1の各突出部1b間には、張出部1dが4箇所形成されていると共に、上下の筒状部1aに縦溝1eが4箇所形成されており、更に張出部1dの上段側が幾分突出した張出突出部1fを形成している。縦溝1eの底部の両隅が、幾分円弧状に形成されることが好ましい。このようにすると、接続部材1にパイプ状縦部材3が挿入され嵌合された状態で大きな外部応力が作用した場合に、縦溝1eの底部からの亀裂が生じるのを抑制でき、亀裂の進行を抑えることができる。
また、各突出部1b間に張出部1dが4箇所形成されていることから、横部材2を接続した際、横部材2が水平方向に回転するのを防止でき(廻り止め機構)、施工作業を行うに当たり、横部材2が不用意に回転移動しないので、作業がし易くなると共に、施工作業時に横部材の下方へのたわみを抑制する効果を発揮する。
更に、パイプ状縦部材3の端部と接する接続治具1の筒状部1aの内周面は、凹凸が1μm以下である平滑面に形成されていて、後述するように、接続部材1にパイプ状縦部材3を接続する場合、両者の嵌合・接続状態を強固にする。なお、図番1gは、張出部1dの外周面と略平行に突出する外周面縦リブであり、図示はしないが、横部材2の裏面側に設けられたリブと面接触して係合するようになっていて、接続部材1と横部材2とを接続した際、両者がぐらつかないように一体性を向上させて、水平方向からの過大な負荷に対しても大きな変形抵抗力を発揮し得るようにしている。
接続部材1が、このように構成されていることから、上下の筒状部1aにパイプ状縦部材を嵌合する際に、筒状部1aが適度に拡径変形するので、縦部材の設計自由度が幾分高くなると共に、縦部材の寸法融通性が高くなり、施工作業性が向上する。更に、横部材2との接続に対しても、横部材2に形成されている垂壁2eの端面側の凹み2gと、接続部材1の張出部1dの上段側に形成されている張出突出部1fとが嵌合し、接続部材1と横部材2との接続が一層強固になり、雨水貯留構造用組立部材を組み立てた雨水貯留構造用組立物Aの強度が顕著に向上する。接続部材1と横部材2との接続は、図3の矢印Rに示すように、上方から横部材2を降下させて接続状態とする。なお、接続部材1の最上部位置では、パイプ状縦部材3を接続しないため、上方に向けた筒状部1aは不要となる。そのため、筒状部1aの上部の突出した部分を取り除くと共に、薄い円盤状の頂部を有するキャップ部材(図示略)を嵌着するようにしてもよい。
パイプ状縦部材3は樹脂製からなり、所定長さを有する円筒形をしており、接続治具1の筒状部1aに内嵌可能になっている。接続治具1と接するパイプ状縦部材3の端部3aの外周面には、凹凸が10〜40μmであるしぼ加工が施されていると共に、パイプ状縦部材3の端部3aの外周面が、先端から離間するに従い僅かに拡径され、肉厚化されている。
すなわち、長さ400mmのパイプ状縦部材3の自由端での外径を60mmとすると、自由端から中央部に向けて60mmの位置まで0.5°程度拡径される勾配を有していて、この位置での外径が61mmとなっており、自由端からこの位置までしぼ加工が施されている。一方、パイプ状縦部材3の端部3aが内嵌される、接続部材1の筒状部1aは、底部から開口端に向けて60mmの位置において、内径62mmとなるように金型の抜き勾配が形成されている。そのため、パイプ状縦部材3の端部3aを接続部材1の筒状部1aに挿入して嵌合させると、しぼの凸部が弾性変形し、嵌合が容易となると共に嵌合完了した際には、特に接続部材の筒状部1a底部においては、しぼの変形に伴う内部応力が高まると共に、接続治具1の筒状部1aの内周面との間で密着した嵌合状態が確保できることになって抜け難くなり、接合構造を強固にできる。のみならず、接続治具1の筒状部1aの内周面に抜け勾配が形成されていることから、嵌合完了した際には、先端から離間した位置のしぼの変形は元に戻ると共に、パイプ状縦部材の端部と接続治具の筒状部1aの内周面との接触面積が大きくなり、抜け難くなって、この個所の接合構造を確実に強化できる。パイプ状縦部材3の端部3aに形成される上記勾配は、0.3〜1°程度が好ましい。
また、こうしたしぼ加工を上記のように自由端から所定の位置まで連続的に形成し、パイプ状縦部材3の端部3aを接続部材1の筒状部1aと嵌合させることによって、嵌合部における気密性あるいは水密性を強化することができる。長期使用時に発生するパイプ状縦部材3の端部3aの内部や接続部材1の筒状部1aの内部などへの種々の藻類や浮遊物などの付着を防止することができ、雨水貯留構造用組立部材の保守や分解清掃作業において、作業性の向上を図ることができる。
パイプ状縦部材3の端部3aの外周面へのしぼ加工は、予め射出成型金型にしぼ模様とは反転する形状を形成しておき、射出成型法を採用するなどによって容易に施すことができる。
パイプ状縦部材3の外周面に上下方向に沿って補強用の縦リブ14を取り付けていることが好ましい。この縦リブ14は、パイプ状縦部材3の上下端部を除く、外周面の中央部分に上下にわたり延設された細幅状をしており、パイプ状縦部材3の外周面に略等間隔に4本取り付けられている。その内、2本には縦リブ14の上下2箇所に水抜き孔14aが形成されている。このように構成すると、簡単な構成でパイプ状縦部材3の強度、特に座屈強度などを顕著に向上させることができる。この縦リブ14は、図1に示すように、パイプ状縦部材3と接続治具1とを嵌合させた場合には、接続治具1に形成されている縦溝1eに挿入されるようになる。縦リブ14の幅、長さ、数などは種々に変更可能であり、材質についてはパイプ状縦部材3と同材質であることが好ましいが、異なる材質であってもよい。また、縦リブ14は、パイプ状縦部材3の内周面側に取り付けられていてもよく、当初よりリブ付きパイプ状縦部材として一体成形されてもよい。
横部材2も樹脂製であり、図1,3に示すように、接続治具1の貫通孔1cに挿入されて係合する端部突起(図示略)を、裏面側の両端部に下向きに形成していると共に、端部突起間は下方に向けて開口された凹部が形成されている。横部材2の表面側の天面には、図3に示すように、長手方向にわたる浅い凹溝2hが形成されており、その底部に水抜き用貫通孔2fが形成されているが、凹溝2hの形状、数、などは適宜変更でき、水抜き用貫通孔2fの数、径などについても適宜変更できる。もっとも、凹溝の形状を単なる円弧状にする場合に比べて、波状に形成すると、特に水平方向の変形に対する強度が高まる。
そして、立設された各パイプ状縦部材3の上端に接続治具1を嵌合して装着しておき、2本のパイプ状縦部材3に装着された各接続治具1どうしの内、互いに隣接する2個の接続治具1の貫通孔1cの夫々に、横部材2の端部突起を挿入させて係合することにより、パイプ状縦部材3と横部材2とを接続し、これを繰り返えして、ジャングルジム状に三次元構造体を構成する雨水貯留構造用組立物Aを形成する。
三次元構造体である雨水貯留構造用組立物Aは、少なくとも108kN/m2以上の圧縮強度を有することが好ましい。このようにすれば、最上部に覆土2m程度(負荷:約36kN/m2)を施工したとしても、土圧の3倍以上となる十分な強度を有する。具体的には、長さ約40cmのパイプ状縦部材と長さ40cmの横部材を組み合わせる場合には、6.25本/m2となり少なくとも圧縮強度約17.28kN/本を有するパイプ状縦部材を用いる。
このようにすることにより、一旦雨水を貯留して、庭園などへの散水、洗浄水、非常用水など各種用途に利用したり、大量の雨水を徐々に放流できるような調整機能を備えさせたりすることができる。しかも、コンクリートで構成する場合に比べて、養生期間などが不要であることから、雨水貯留構造物の構築速度を格段に早くすることができる。
<施工例>
つぎに、本実施形態に係る雨水貯留構造用組立部材を組み立てた雨水貯留構造用組立物Aを、雨水貯留構造物に施工する例について、図4を参照して説明する。
つぎに、本実施形態に係る雨水貯留構造用組立部材を組み立てた雨水貯留構造用組立物Aを、雨水貯留構造物に施工する例について、図4を参照して説明する。
雨水貯留構造物を形成するに当たり、まず地面に1〜5m程度の地面凹部(以下、ピットということがある)を掘削・形成すると共に、ピット周囲に側溝7を形成し、ピットの底面に砕石、砂などを敷設・施工し平準化して基礎Bを形成する。その表面に遮水材である遮水シート4を敷設した後、樹脂製の各縦部材3と接続部材1とから、図1に示す単位ブロックを形成しつつ、更に継ぎ足し拡張して、ピットの内容積に応じジャングルジム状の雨水貯留構造用組立物Aを配置する。ピットの内容積が大きい場合には、ピット内で雨水貯留構造用組立物Aを組み立ててもよいし、雨水貯留構造用組立物Aをピット外で組み立てた後、ピット内に配置するようにしてもよい。このようにして組み立てた雨水貯留構造用組立物Aは、樹脂製あるいは金属製などのベルトで締結固定されることが好ましい。
ついで、ピット内に配置された雨水貯留構造用組立物Aの側面部は、必要に応じて埋め戻しCを行うと共に、側溝7よりピット内に雨水を流し込み可能に連通する配管8を敷設し、更に、上面に遮水シート5を被覆し、その上から0.5〜1m程度の土砂を被覆して覆土6とする。これら、上面の遮水シート5、覆土6などは、被覆層を形成する。また、これら被覆層6の複数箇所には、点検孔が設けられていてもよい。なお、雨水貯留構造用組立物A上面に遮水シート5を被覆する代わりに、透水性シートを被覆して雨水を浸透させるようにしてもよい。側溝7は、その底部に泥溜9が形成されるように、底部が幾分深くなっている。
図1に示すような長さ方向中央部の外径約60mm(自由端から中央部に向けて60mmの位置まで0.5°程度拡径された端部の外径61mm)、肉厚約4.0mm、長さ約40cmのポリプロピレン製パイプ状縦部材(東洋ゴム工業社製)、長さ約40cmのポリプロピレン製横部材および接続部材を用い、図1にその一部を示すような、高さ約1.6m、縦横約2.4mの雨水貯留構造組立物Aを形成し、深さ約3.5mの所定内容積を有するピット内に配置し、雨水貯留構造物を構築した。このポリプロピレン製パイプ状縦部材は、長さ方向の圧縮強度約140kN/4本(35kN/本)を有しており、1m2当たり6.25本を使用すると、圧縮強度約219kN/m2が得られ、覆土を2m(負荷:約36kN/m2)とした場合でも、約6倍強の圧縮強度が得られるので、十分に実用的であることがわかる。
また、水平方向から10%変形(高さ160cmに対して16cmの変形)を加えた場合でも、横部材と接続部材との間で破壊や外れを生じることがなかった。
実際、0.8m×0.4m×0.4m(1ユニット0.4mピッチのため)の大きさで雨水貯留構造物を構築し、その上から2mの覆土に相当する重錘を載置して1年以上経過したが、使用上問題となる変形その他のトラブルは一切生じなかった。
〔別実施の形態〕
(1)雨水貯留構造用組立物Aの組み立て作業をするに際して、角板状のパネルを、パイプ状縦部材3どうしの間に配置すると共に横部材2上に載置するように水平に嵌め込み、組み立て作業性を高めるための平坦性を確保すると共に、雨水貯留構造用組立物Aの強度を高めるようにしてもよい。
(1)雨水貯留構造用組立物Aの組み立て作業をするに際して、角板状のパネルを、パイプ状縦部材3どうしの間に配置すると共に横部材2上に載置するように水平に嵌め込み、組み立て作業性を高めるための平坦性を確保すると共に、雨水貯留構造用組立物Aの強度を高めるようにしてもよい。
(2)雨水貯留構造用組立物Aの側面外周部に、側面パネルを装着して、雨水貯留構造用組立物Aの強度を向上させることができる。この側面パネルの側部に、図2に示すパイプ状縦部材3の縦リブ14と係合する係止部を設け、両者を係合した接続するようにしてもよい。このような側面パネルを、雨水貯留構造用組立物Aの側面外周部あるいは適宜単位ブロックの側面に装着することにより、地盤変位などに対して大きな抵抗力を発揮し得ることができる。
(3)上記実施形態の雨水貯留構造物において、雨水貯留構造用組立物Aの内部に貯留された雨水を対流させる対流生成機構が、点検孔を介して挿入可能に構成されていてもよい。対流生成機構としては、例えば、軸先端にスクリュー装置が設けられて、これを雨水貯留構造用組立物Aの内部に挿入し、電動機などによりスクリュー装置を駆動させる構成が考えられる。
この対流生成機構により、貯留されている雨水を撹拌・対流させ、雨水貯留構造用組立物Aに付着している土砂などを底部に落下させると共に、これらの土砂および底部に堆積している土砂などを他方側に向けて押しやるようにする。そして、雨水貯留構造用組立物Aの配置されている他方側に予め形成した、ピットの底部より低い凹所に土砂を集めた後、別の点検孔を介して、長尺のホース等を有して凹所に挿入可能なバキューム装置を用いて、土砂を吸引し外部に排出する。このようにすると、雨水貯留構造物に堆積した土砂を効果的に排出して、貯留した雨水を清浄にでき、雨水の利用範囲が拡大する。
(4)更に、雨水貯留構造用組立物Aの内部に点検孔を介して曝気装置を挿入可能に構成されていてもよい。このようにすると、内部に貯留されている雨水に新鮮空気を取り入れて適宜曝気させ、酸化させることにより、雨水の清浄化を図り、水質の悪化を防止できる。
(5)上記対流生成機構、曝気装置を、それぞれ着脱自在の構成としてもよいし、雨水貯留構造物に固定してもよく、これらに用いる動力源としては、商用電源の他、可搬式の発電装置や、各種一次電池、二次電池などの電池を使用することができ、更には雨水貯留構造物の地上部に太陽電池発電装置や風力発電装置などを設けて、これから得られた電力を使用するようにしてもよい。
(6)上記実施形態の場合、樹脂製パイプ状縦部材の構成材料としてポリプロピレン製を例示したが、これに限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を使用してもよいし、必要な強度が得られれば、各種の熱可塑性樹脂を使用することができる。更に、パイプ状縦部材として、樹脂製に代えてステンレス鋼などの金属製パイプとすることもでき、樹脂製パイプ状縦部材の内部にコンクリートを注入したり、あるいは鉄筋コンクリートを挿入したりして補強してもよい。
(7)パイプ状縦部材、横部材、接続治具とは、同じ材質の樹脂製としてもよいが、異なる材質の樹脂製であってもよい。
(8)樹脂製パイプ状縦部材、横部材、接続治具の構成材料に、粉体状の炭酸カルシウム(炭カル)等を混入させるようにしてもよい。このようにすると、構成材料の比重を大きくすることができ、雨水を貯留する際に生じる浮力に抗することができ、浮力対策として特別な施工が不必要となり、小さいスペースでもより大きい貯水量が確保できて好ましい。具体的には、13%程度の炭カルを樹脂に混入させることにより、比重を1.0以上にすることができる。
(9)上記構成材料に混入させる場合、炭カルに代えて、タルク、硫酸バリウムなどのウィスカーを混入させるようにしてもよい。これらは、炭カルに比べてアスペクト比が大きく、強度を高める効果が大きい。更に、ガラス繊維を上記構成部材に混入させても良い。ガラス繊維は、構成部材の比重を高めるだけでなく、強度、寸法安定性をも高めることができて好ましい。例えば、ガラス繊維を4.6wt%添加(20wt%マスターバッチ100に対して30部添加)すると、比重は0.03高くなり、強度は15%向上し、成型時に収縮率は0.4%改善する。
本発明に係る雨水貯留構造物は、雨水を貯留して利用するタンクとしての用途に止まらず、ビオトープ等として利用することもできる。
1 接続治具
1e 縦溝
2 横部材
3 パイプ状縦部材
3a 端部
5,6 被覆層
14 リブ
A 三次元構造体
1e 縦溝
2 横部材
3 パイプ状縦部材
3a 端部
5,6 被覆層
14 リブ
A 三次元構造体
Claims (6)
- 所定長さを有する複数のパイプ状縦部材と、これらパイプ状縦部材と共に三次元構造体を組み立てる横部材と、前記パイプ状縦部材と前記横部材とに接続可能で、かつ前記パイプ状縦部材と横部材とを互いに連結する接続治具とを備え、前記パイプ状縦部材と接続治具および前記横部材と接続治具とを嵌合させて組み立てることにより三次元構造体を形成し、その内部に空間を形成可能にする雨水貯留構造用部材において、
前記パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる際、この接続治具と接する前記パイプ状縦部材の端部の外周面にしぼ加工が施されていて、前記パイプ状縦部材の端部と接する前記接続治具の内周面が、前記パイプ状縦部材の端部の外周面に施されたしぼに基づく凹凸面より平滑面に形成されていることを特徴とする雨水貯留構造用部材。 - 前記パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させる際、この接続治具と接する前記パイプ状縦部材の端部の外周面が、先端から離間するに従い僅かに拡径されている請求項1記載の雨水貯留構造用部材。
- 前記パイプ状縦部材の端部の外周面に施されているしぼの凹凸が10〜40μmであり、前記接続治具の内周面の凹凸が1μm以下である請求項1又は2記載の雨水貯留構造用部材。
- 前記パイプ状縦部材の外周面に、上下方向に沿って形成されたリブが設けられていて、前記パイプ状縦部材と接続治具とを嵌合させるに当たり、前記パイプ状縦部材のリブが挿入可能な縦溝が前記接続治具に形成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の雨水貯留構造用部材。
- 前記横部材と接続治具との接続が、前記横部材の端面と前記接続治具の外周面とが互いに対面してなされると共に、前記横部材の端面が前記接続治具の廻りを回転不能に接続される請求項1〜4のいずれか1項記載の雨水貯留構造用部材。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の雨水貯留構造用部材から組み立てられた三次元構造体を備え、この三次元構造体の上面側に被覆層が設けられる雨水貯留構造物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007167976A JP2009007769A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 雨水貯留構造用部材と雨水貯留構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007167976A JP2009007769A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 雨水貯留構造用部材と雨水貯留構造物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2009007769A true JP2009007769A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40323123
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007167976A Withdrawn JP2009007769A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 雨水貯留構造用部材と雨水貯留構造物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2009007769A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012233321A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Hayashi Bussan Hatsumei Kenkyusho:Kk | 空間構築物および雨水等の流出抑制施設 |
| JP2017179786A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | 帝人株式会社 | 雨水貯留槽用のブロック部材 |
-
2007
- 2007-06-26 JP JP2007167976A patent/JP2009007769A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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