JP2009013801A - 動弁機構を備えた自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】動弁機構を備えた自動二輪車において、高速回転時の追従性が向上し、機械音の発生が少なく、軽量で生産コストを抑えることができる動弁機構を提供する。
【解決手段】動弁機構は、燃焼室35を開閉する吸、排気弁44、45等の弁を弁閉方向に付勢する付勢手段と、前記弁を前記付勢手段に抗して弁開方向に駆動する駆動手段とを有している。前記付勢手段として、ばね室61、62に圧縮性の気体を充填してなるばねを備え、前記ばね室61、62に前記圧縮性の気体を供給するボンベ33を、平面視において車体構成部材の最外ライン内に配設している。好ましくは、側面視において、車体構成部材、たとえばメインフレーム2と重合する位置にボンベ33を配設する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室を開閉する弁を弁閉方向に付勢する付勢手段と、前記弁を前記付勢手段に抗して弁開方向に駆動する駆動手段とを有する動弁機構を備えた自動二輪車に関する。
自動二輪車に搭載される内燃機関の高速回転化に対応する技術として、一気筒当たりの弁の数、すなわち吸気弁及び排気弁の数を増やした多弁化構造や、弁を弁閉方向に付勢する手段として、コイルばねの代わりに圧縮空気等の圧縮性を有する気体を用いた気体ばね式動弁機構の採用が知られている(特許文献1)。
気体ばね式動弁機構は、コイルばね式動弁機構と比べ、弁の開閉タイミングに対する追従性が良く、しかも、高速回転時における機械音の発生を抑制することができる。
このような気体ばね式動弁機構において、圧縮気体による所定の圧縮反発力を持続するためには、気体ばね室に圧縮気体を常時充填する必要があり、このため、特許文献1に記載された気体ばね式動弁機構では、ボンベ(空気ボンベ)や、カム軸等で駆動する気体圧縮機を備えている。
特開平8−144772号公報
ボンベを備えている場合には、気体圧縮機を備えている場合のように駆動装置を備える必要がないので、駆動装置に起因する機械音が発生することはなく、かつ、コスト的にも有利であるが、気体による所定の圧縮反発力を長期間持続しようとすれば、ボンベの容量を増大させる必要性がある。
ところが、自動二輪車は、普通の自動車と比べて露出部分が多く、また、各種部品及び装備品の収納スペースが少ないため、上記のように容量の大きなボンベを備える場合には、圧縮気体の圧力に耐えうる強度を維持することは勿論のこと、車体外方の物体との接触にも配慮しなければならず、ボンベの重量が増加すると共に構造が複雑になり、生産コストが増加するという課題が生じる。
本発明は上記課題を解決することを目的としており、内燃機関の燃焼室を開閉する弁を弁閉方向に付勢する付勢手段と、前記弁を前記付勢手段に抗して弁開方向に駆動する駆動手段とを有する動弁機構を備えた自動二輪車において、前記付勢手段として、気体ばね室に圧縮性の気体を充填してなるばねを備え、前記気体ばね室に前記圧縮性の気体を供給するボンベを、平面視において前記ボンベを除く車体構成部材の最外ライン内に配設している。
上記構成によると、ボンベが車体外方の物体と接触することを防ぐことができ、ボンベの強度を、過剰に設定する必要はなくなり、軽量化を達成できると共に生産コストを抑えることもできる。
本発明のボンベは、気筒の排気管路接続側とは反対側の領域に配置することができる。
上記構成によると、排気管路内の排気ガスの熱がボンベに伝達されるのを避けることができる。
本発明は、前記ボンベを、側面視で前記内燃機関の気筒より後方に配設することができる。
上記構成によると、走行中に、前車輪により飛散される小石等から容易にボンベを保護することができる。特に、単気筒又は横置き複数気筒の内燃機関を搭載している自動二輪車では、シリンダヘッドの前側に排気管を接続する構造となっているが、上記のようにボンベを気筒の後面より後方に配設していると、排気管から離してボンベを配置することができ、排気ガスの熱がボンベに伝達されるのを避けることができる。
本発明は、前記内燃機関として、前気筒と後気筒とをV字状に配置したV型内燃機関を搭載し、前記ボンベを、側面視で前記前気筒と前記後気筒との間に配設することができる。
上記構成によると、前後の気筒によりボンベを前後から保護することができる。また、自動二輪車に搭載されるV型内燃機関は、一般に、前気筒の前側と後気筒の後側にそれぞれ排気管を接続する構造となっているが、上記のようにボンベを、側面視で前記前気筒と前記後気筒との間に配設していると、前気筒の排気管から離してボンベを配置することができ、排気ガスの熱がボンベに伝達されるのを避けることができる。特に、Vバンク内にボンベを配置すると、前気筒と後気筒のいずれの排気管からも離すことができると共に、自動二輪車のコンパクト性も維持することができる。
本発明は、前記ボンベを、側面視で前記ボンベを除く車体構成部材と重合する位置に配設することができる。
上記構成によると、車体構成部材によりボンベが外部の物体に接触するのを実質的に防ぐことができる。
本発明は、側面視で前記ボンベが重合する前記車体構成部材を、メインフレームとすることができる。
上記構成によると、メインフレームによりボンベを実質的に側方から覆うことになるので、強固な構造のメインフレームにより、外部の物体にボンベが接触するのを避けることができると共に、外観も向上する。
本発明は、前記ボンベを、側面視で車体又は前記内燃機関の重心の近傍に配設することができる。
上記構成によると、ボンベの装着によって車体又は内燃機関の重心位置が変化することは殆どなく、車両の操作性を維持することができる。
本発明は、前記ボンベを、前記内燃機関の左右幅の範囲内に配設することができる。
上記構成によると、内燃機関により、外部の物体にボンベが接触するのを避けることができると共に、車両のコンパクト性も維持することができる。
本発明は、前記ボンベに、前記気体ばね室の気体の圧力を調節する圧力調整弁を取り付けることができる。
上記構成によると、気体ばね室内の気体圧力を、弁の開閉に最適な値に維持できるのは勿論のこと、圧力調整弁を、ボンベと共にコンパクトに配置でき、かつ、ボンベと共に容易に車体に着脱することができる。
本発明は、前記気体ばね室内に、前記圧縮性の気体による付勢手段とは別に、弾性体の復元力を利用して、前記弁を弁閉方向に付勢する第2の付勢手段を配置することができる。この第2の付勢手段としては、好ましくは、比較的弱いコイルばねが用いられる。たとえば、圧縮性の気体による付勢手段のばね力よりも弱いコイルばねであって、低速回転時の弁の作動に対応できる程度のコイルばねが用いられる。
上記構成によると、仮にボンベ内の気体の圧力が低下したような場合でも、内燃機関を停止させることなく、第2の付勢手段により、弁の作動を維持することができる。
本発明は、内燃機関の運転により回転する回転部材の回転動力を駆動源とし、前記ボンベに前記気体を供給する気体供給機を設けることができる。
上記構成によると、ボンベに定期的に手動により気体を注する作業を行う必要がなく、メンテナンスが容易になり、また、特別の圧縮機駆動用のモータ等を備える必要がなく、部品コストを抑えることができる。
本発明は、前記気体ばね室に、前記ボンベとは別に、前記気体を注入可能な注入管を接続することができる。
上記構成によると、たとえば、自動二輪車を長期間停止した後、再度運転する時でも、内燃機関を駆動しない状態において、ボンベに気体を充填することができる。
本発明は、燃焼室の弁の駆動用のカム軸に形成された共通のカム部により、前記弁と前記気体供給機とを駆動するように構成することができる。
上記構成によると、供給機駆動用に新たにカム部を設ける必要がないので、動弁機構をコンパクトに維持することができると共に、部品点数も節約できる。
本発明は、前記気体供給機を備えた動弁機構において、前記ボンベに、該ボンベ内の圧力が設定範囲を超えるのを防ぐリリーフ弁を接続することができる。
上記構成によると、空気ボンベ内の圧力過剰を自動的に防ぐことができる。
本発明は、また、内燃機関の燃焼室を開閉する弁を弁閉方向に付勢する付勢手段と、前記弁を前記付勢手段に抗して弁開方向に駆動する駆動手段とを有する動弁機構を備えた自動二輪車において、前記付勢手段として、気体ばね室に圧縮性の気体を充填してなるばねと、前記圧縮性の気体を圧縮充填可能なボンベと、該ボンベに充填される気体を前記気体ばね室に導くための気体通路を形成する通路形成手段とを備え、車体前後方向に垂直な仮想平面に投影したボンベの外形を示すボンベ投影領域が、前記ボンベ以外の一つまたは複数の車体構成部材を前記仮想平面に投影した外殻投影領域の車体左右方向の内側に位置するように、前記ボンベを配置することもできる。
上記構成によると、気体ばね室から外方に気体が漏れたとしても、ボンベから気体通路を介して気体ばね室に気体が供給されることで、付勢手段による弁の付勢力の低下を抑えることができる。したがって、ボンベが設けられない場合に比べて、長期に亘って弁に対する付勢力を維持することができる。
また、ボンベ投影領域が外殻投影領域の内側に位置することで、正面視において、ボンベは、外殻投影領域に対応する車体構成部材よりも、左右方向の内側に配置される。これによって、自動二輪車が垂直状態から傾いたり、自動二輪車が転倒したりしても、ボンベよりも先に、外殻投影領域に対応する車体構成部材が地面等の物体に衝突する可能性が高く、車体構成部材よってボンベを保護することができる。このようにボンベに物体が種衝突するのを防ぐことにより、ボンベの強度を高める必要がなく、自動二輪車に用いることができるボンベの選択の自由度を高めることができる。たとえば、低い強度のボンベを用いることで、ボンベを備える自動二輪車の軽量及び生産コストの低減を図ることができる。
上記のように本発明によると、要するに、ボンベが車体外方の物体と接触することを防ぐことができ、空気ボンベの強度を過剰に設定する必要はなくなり、軽量化を達成できると共に生産コストを抑えることもできる。
[発明の第1の実施の形態]
図1乃至図6は、本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第1の実施の形態であり、これらの図面に基づいて説明する。
(自動二輪車の要部の概略)
図1は、本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の要部の左側面図であり、車体構成部材の一つである車体フレームは、ヘッドパイプ1と、該ヘッドパイプ1から後下がりに後方へ延びる左右一対のメインフレーム2、2と、該メインフレーム2、2の後端部から略下方に延びると共にメインフレーム2、2と一体に形成された左右一対のスイングアームブラケット3、3と、左右のメインフレーム2、2の後端部同士を連結するクロスメンバー5と、スイングアームブラケット3、3の下端部同士を連結するクロスメンバー6と、前記メインフレーム2、2及びスイングアームブラケット3、3から後方に延びるリヤフレーム(図示せず)及びシートレール(図示せず)等と、から構成されており、左右のメインフレーム2、2間の下側に内燃機関(以下「エンジン」と記載する)9が搭載されている。
ヘッドパイプ1には操舵軸と、アッパーブラケット7a及びアンダーブラケット7b等とを介してフロントフォーク7が回動自在に支持され、アッパーブラケット7aの上端部にはハンドル(図示せず)が設けられ、フロントフォーク7の下端部には前車輪8が支持されている。左右のメインフレーム2、2間にはエアクリーナボックス(吸気ボックス)10が配置され、該エアクリーナボックス10の後側には燃料タンク11が配置され、該燃料タンク11の後側にはシート12が配置されている。スイングアームブラケット3のピボット部3aには、後下方に延びるスイングアーム15の前端部が回動自在に支持されている。
エンジン9は、たとえば4つの気筒を車幅方向に並列に配置した4気筒4サイクルエンジンであり、クランクケース17と、該クランクケース17の上端に締結されたシリンダブロック18と、該シリンダブロック18の上端に締結されたシリンダヘッド19と、該シリンダヘッド19の上端に締結されたシリンダヘッドカバー20と、クランクケース17の下面に締結されたオイルパン21等とを備えている。エンジン9は、メインフレーム2、2及びスイングアームブラケット3に設けられた複数のエンジン取付ブラケット22により支持されている。クランクケース17の後部はミッションケース部17aとなっている。
シリンダヘッド19の前端面には各気筒用の排気口23が開口し、各排気口23には排気管路として排気管24がそれぞれ接続されている。シリンダヘッド19の後端面には各気筒用の吸気口25が開口し、各吸気口25にはスロットルボディ(又はキャブレター)26が接続され、スロットルボディ26の上端に設けられた吸気管28はエアクリーナ29に接続されている。エアクリーナ29はエアクリーナボックス10内に配設されている。
シリンダブロック18の後面からクランクケース17のミッションケース部17aの上端面に亘ってブリーザボックス31が配置されており、本実施の形態では、ブリーザボックス31は、クランクケース17及びシリンダブロック18とは別体に、樹脂により形成されており、クランクケース17及びシリンダブロック18に着脱自在に取り付けられている。なお、クランクケース17及びシリンダブロック18とは別体に形成されるブリーザボックス31は、アルミ又はアルミ合金により形成することも可能である。
ブリーザボックス31の後側に、後述するエンジン9の動弁機構に圧縮性の気体を供給するためのボンベ33が配置されている。
図2は、図1の自動二輪車のメインフレーム2及びエンジン9等の配置を明確にした平面略図であり、エンジン9は、平面視で、左右のメインフレーム2、2で囲まれる空間内に略収納されている。スイングアームブラケット3から後方に延びるスイングアーム15の後端部には、後車輪16が支持されている。
(弁及び弁用動弁機構)
図3は、図1の自動二輪車のエンジン9の弁部分の縦断側面図、図4は、図1の自動二輪車のエンジン9のシリンダヘッド19の水平断面略図である。図3において、各気筒の燃焼室35の天井壁面35aを構成するシリンダヘッド19の下端面には、気筒中心線Cより後側に左右一対の吸気ポート36が形成され、気筒中心線Cより前側に左右一対の排気ポート37が形成されている。吸気ポート36は、吸気弁シート38を備えると共に、シリンダヘッド19内の吸気通路39を介してシリンダヘッド後端面の前記吸気口25に連通している。排気ポート37は、排気弁シート40を備えると共に、シリンダヘッド19内の排気通路41を介してシリンダヘッド前端面の前記排気口23に連通している。
エンジン9の燃焼室35を開閉する弁として、気筒毎に、左右一対の吸気弁44と、左右一対の排気弁45とを備えており、吸、排気弁44、45の各弁軸44a、45aは、シリンダヘッド19に固着された筒形の各弁ガイド46、47内に、各弁軸44a、45aの長さ方向に摺動自在にそれぞれ支持されており、各弁軸44a、45aの下端に形成された各弁傘部44b、45bは、各弁シート38、40に対し下方から着座自在に対向している。
吸、排気弁44、45をそれぞれの所定のタイミングで開閉する動弁機構は、吸、排気弁44、45を弁開方向に駆動する駆動手段と、吸、排気弁44、45を弁閉方向に付勢する付勢手段とから構成されている。上記駆動手段としては、クランク軸と平行に配置された吸、排気弁用の各カム軸51、52及び吸、排気弁用のスイング形の各ロッカーアーム53、54を備え、吸、排気弁44、45を弁閉方向に付勢する付勢手段としては、ピストン57、58を内装した吸、排気弁用の気体ばね室61、62を備えている。
吸気弁用動弁機構の上記付勢手段及び駆動手段について、詳しく説明する。吸気弁用の気体ばね室61は、シリンダヘッド19内の吸気弁用弁ガイド46の上方位置に円筒状に形成されると共に、上半部の内周面に円筒状のライナー64が嵌着されており、該ライナー64の内周面に、環状シール66を介して吸気弁用ピストン57が吸気弁軸44aの軸方向に摺動自在に嵌合している。吸気弁用ピストン57は、吸気弁用気体ばね室61内に下方から突出する吸気弁軸44aの上端部にコッター68を介して嵌着され、吸気弁44と一体的に吸気弁軸44aの軸方向に移動自在となっている。ライナー64の外周面と吸気弁用気体ばね室61の内周面との間、並びに吸気弁軸44aの外周面と吸気弁用ピストン57の内周面との間にも、吸気弁用気体ばね室61から気体が漏れないようにシール70、72が嵌着されている。すなわち、吸気弁用動弁機構の付勢手段は、吸気弁用気体ばね室61内に所定圧力の気体を充填することにより、吸気弁用ピストン57及び吸気弁44を弁閉方向に付勢し、吸気弁44の弁傘部44bを吸気弁シート38に着座させ、吸気ポート36を閉じるようになっている。
吸気弁用カム軸51は吸気弁軸44aの上方に配置され、吸気弁用カム軸51と吸気弁軸44aとの間に吸気弁用ロッカーアーム53が配置されている。吸気弁軸44aの上端にはエンドキャップ75が嵌着され、該エンドキャップ75の上端面に吸気弁用ロッカーアーム53の自由端部側の下面が対接している。吸気弁用ロッカーアーム53の上面には、上記エンドキャップ75が当接する位置よりもロッカーアーム支軸53a側の位置に吸気弁用カム軸51のカム部51aが対接している。すなわち、吸気弁用動弁機構の駆動手段は、吸気弁用カム軸51の回転により、所定の弁開タイミングで吸気弁用ロッカーアーム53、ピストン57及び吸気弁44を一体的に押し下げ、気体ばね室61内の圧縮気体に抗して吸気ポート36を開くようになっている。
排気弁用動弁機構の付勢手段及び駆動手段も吸気弁用動弁機構と同じ構造となっており、詳しい説明は省略するが、吸気弁用のライナー64、環状シール66、コッター68及びその他のシール70、72並びにエンドキャップ75に対応する部材として、排気弁用の吸気弁用のライナー65、環状シール67、コッター69及びその他のシール71、73並びにエンドキャップ76を備えている。
なお、吸、排気弁用の各気体ばね室61、62内には、緊急用の第2の付勢手段として、各ピストン57、58と気体ばね室61、62の底壁とに間に、弱いコイルばね100、101が縮設されている。該コイルばね100、101のばね強さは、たとえば、アイドリング又は低速回転時に、吸、排気弁44、45を着座させるのに十分な程度に設定されており、かつ、第1の付勢手段である気体ばね室61,62内の気体による付勢力と比較して、小さい値に設定されている。
図4において、シリンダヘッド19内には、各気体ばね室61、62に圧縮性の気体を供給するために、吸気弁用気体通路78と排気弁用気体通路79とがクランク軸と略平行に形成されており、吸気弁用気体通路78は、各気筒の吸気弁用気体ばね室61にそれぞれ吸気弁用気体分岐通路80を介して連通し、排気弁用気体通路79は、各気筒の各排気弁用気体ばね室62に排気弁用気体分岐通路81を介して連通している。両気体通路78、79の右端部は連通路82により互いに連通し、吸気弁用気体通路78の左端部は閉塞され、排気弁用気体通路79の左端部は、管継手83を介して気体供給管84に接続している。該気体供給管84は、シリンダヘッド19の左側面に沿って後方に延びると共に、シリンダヘッド19の後側で右方に曲がり、シリンダヘッド19の後側を右方に延び、ボンベ33の首部33aに取り付けられた圧力調整弁85の圧縮気体出口86に接続されている。
(ボンベの配置及び詳細構造)
図5はボンベ33の取付状態を詳細に示すエンジンの左側面略図、図6はボンベ33の水平断面拡大図であり、これらの図面及び前記図2等により、ボンベ33の配置及び取付構造を説明する。図2において、ブリーザボックス31の後側に配置されたボンベ33は、首部33aを右方に向けた状態で車体左右方向に沿うように配置されており、前記右端部の首部33aに、前述のように圧力調整弁85が取り付けられている。ボンベ33は、平面視で、車体構成部材、すなわち車体フレームの最外ライン内に配置されるが、本実施の形態では、ボンベ33は、平面視で、前述のようにブリーザボックス31の後側であって、左右のメインフレーム2、2の内面の左右幅内に完全に収納され、かつ、エンジン9の左右幅内にも収まるように配置されている。また、圧力調整弁85もボンベ33と同様に、平面視で、車体フレームの最外ライン内に配置されており、本実施の形態では、平面視で、前述のようにブリーザボックス31の後側であって、左右のメインフレーム2、2の内面の左右幅内に完全に収納され、かつ、エンジン9の左右幅内にも収まるように配置されている。さらに配管84も車体フレームの最外ライン内に配置されている。
図5において、ボンベ33は、ブリーザボックス31の後側にボンベ取付部89に取り付けられている。該ボンベ取付部89は、半円形凹部を有する一対の半割部材89a、89bにより構成されており、一方の半割部材89aは樹脂製(又はアルミ合金製)のブリーザボックス31に一体に形成され、他方の半割部材89bは前記一方の半割部材89aにボルトによって締着され、両半割部材89a、89bの半円形凹部により、ボンベ33の首部33aを把持している。
ボンベ33は、側面視では、大部分がメインフレーム2に重合する位置に配置され、これにより、ボンベ33の左右端部は、大部分が左右のメインフレーム2、2によって覆われている。さらにボンベ33は、側面視で、自動二輪車の車体重心G1を含む位置又は近傍位置に配置されている。
次に、ボンベ33及び圧力調整弁85の構造を、図6により説明する。ボンベ33の首部33aの内周面にはめねじ33bが形成されており、該めねじ33bを有する首部33aに、圧力調整弁85の弁本体87に形成されたおねじ部87aが螺着されている。なお、首部33aとの開口端と弁本体87の間には、ボンベ33内を気密状態に保つシール88が配置されている。
弁本体87内には、ボンベ33内から前記気体出口86に至る気体通路90が形成されると共に、該気体通路90の途中に調圧機構90aが設けられており、該調圧機構90aにより、ボンベ33内の圧縮気体を所定の圧力に減圧し、気体供給管84等を介して各弁用気体ばね室61、62に所定圧力の気体を供給するようになっている。
さらに弁本体87内には、ボンベ33内に気体を注入するための注入通路91が形成されており、該注入通路91にはリード弁(一方向弁)92及び管継手93を介して気体注入管94が接続されている。該気体注入管94は、ボンベ33の後面に沿って左方に延びて左側メインフレーム2の内面(右側面)まで至り、該左側メインフレーム2にクランプ95により保持されると共にU字状に右側に折り返され、先端に、右向きに開口する注入口94aを備えている。該注入口94aには、キャップ96が着脱自在に取り付けられている。すなわち、キャップ96を外し、外部のエアコンプレッサーを注入口94aに接続することにより、気体注入管94、リード弁92及び注入通路91を介してボンベ33内に気体を注入するようになっている。また、弁本体87内の注入通路91にはリリーフ弁98が備えられており、ボンベ33内への過剰な気体注入を防ぐことができるようになっている。
(作用)
図6において、ボンベ33内には、定期的に、又は必要に応じて、外部のコンプレッサ等により、注入口94aから空気等の気体が注入される。ボンベ33内の気体は、圧力調整弁85の調圧機構90aにより所定圧力に減圧された後、各気体ばね室61、62に充填されている。
図3において、エンジン運転時、吸、排気弁44、45は、各気体ばね室61、62内の圧縮気体の圧力によりピストン57、58を介して弁閉方向に付勢され、吸、排気ポート36、37をそれぞれ閉じており、各カム軸51、52の回転により、それぞれの所定の弁開タイミングで、ロッカーアーム53、54を介してピストン57、58及び吸、排気弁44、45を押し下げ、吸、排気ポート36、40を開く。弁開時、各気体ばね室61、62内の気体は圧縮され、続いて各カム軸51、52による駆動力(下方への押し下げ作用)が除去された時には、気体ばね室61、62内の圧縮された気体の圧力より、吸、排気弁44、45はそれぞれ弁閉状態に戻る。
なお、ボンベ33内の気体の圧力が、何らかの理由により所定圧力よりも低下した場合でも、第2の付勢手段としてコイルばね100、101をそれぞれ配設しているので、少なくとも低速回転時に吸、排気弁44、45の開閉作動は維持することができる。
(1)本実施の形態によると、気体ばね式動弁機構を備えているので、コイルばね式動弁機構と比べ、吸、排気弁44、45の開閉タイミングに対する追従性が良く、しかも、高速回転時における機械音の発生を抑制することができる。
(2)本実施の形態によると、気体が充填されたボンベ33を備えているので、気体圧縮機を備えている場合のように駆動装置を備える必要がなく、駆動装置に起因する機械音が発生しない。
(3)自動二輪車は、外殻となる金属部材がないものがあり、ボンベ33と車体以外の外部物体との衝突の可能性を考えて、ボンベ33自体の剛性を高くする考えがある。これに対して、本実施の形態では、車体構成部材でボンベ33を保護することで、ボンベ33自体の剛性を過剰に高くする必要がなくなり、自動二輪車の軽量化及び低コスト化を図ることができる。すなわち、ボンベ33を、平面視で左右のメインフレーム22、2間に配置し、側面視で、メインフレーム2、2と重合する位置に配置しているので、メインフレーム2、2により、車体外方の物体とボンベ33とが接触することを防ぐことができ、ボンベ33の強度を、過剰に設定する必要はなくなり、軽量化を達成できると共に生産コストを抑えることもできる。
(4)ボンベ33を、シリンダヘッド19の排気口23側(前側)とは反対側(後側)に配置しているので、排気口23又は排気管24の排気熱がボンベ33に伝達されるのを防ぐことができる。
(5)ボンベ33を、側面視で車体の重心G1の近傍に配設しているので、ボンベ33の装着によって車体の重心位置が変化することはなく、車両の操作性を維持することができる。
(6)気体ばね室61、62の気体の圧力を調節する圧力調整弁85を、ボンベ33に取り付けているので、気体ばね室61、62内の気体圧力を、吸、排気弁44、45の開閉に最適な値に維持できるのは勿論のこと、圧力調整弁85を、ボンベ33と共にコンパクトに配置でき、かつ、ボンベ33と共に容易に車体に着脱することができる。
(7)気体ばね室61、62内に、圧縮性の気体による付勢手段とは別に、吸、排気弁44、45を弁閉方向に付勢するコイルばね100、101を配置しているので、ボンベ33内の気体の圧力が低下したような場合でも、エンジン9を停止させることなく、コイルばね100、101により、吸、排気弁44、45の作動を維持することができる。
(8)ボンベ33を、クランクケース17及びシリンダブロック18とは別に樹脂成形(又はアルミ成形)されたブリーザボックス31に取り付けているので、エンジン9からボンベ33に伝わるエンジン振動を抑制することができる。
(9)本実施の形態では、ボンベ33は次のように規定される領域にも配置されている。すなわち、ボンベ33は、車体前後方向に垂直な仮想平面に投影したボンベ33の外形を示すボンベ投影領域が、ボンベ33以外の一つまたは複数の車体構成部材を前記仮想平面に投影した外殻投影領域の車体左右方向の内側に位置するように、配置されている。この場合、ボンベ投影領域は、車体構成部材の左右方向内側だけでなく、上下方向内側にも配置されることが好ましく、具体的には、図1の側面図及び図2の平面図から明確なように、車体前方から見て、ボンベ33全体がエンジン9によって隠れるように、ボンベ33が配置されている。
(10)本実施の形態では、ボンベ33は、エアクリーナボックス10、クランクケース17等のボンベ以外の車体構成部材によって、上下方向からも覆われ、かつ、前後方向にも、シリンダブロック18,シリンダヘッド19及び車体フレームのクロスメンバー5等のボンベ以外の車体構成部材によって覆われており、これにより、前後及び上下の車外物体との接触を防ぐことができる。なお、複数の車体構成部材を複合した外殻投影領域の内側にボンベ投影領域が入ってもよい。
(11)本実施の形態では、ボンベ33は車体構成部材よりも後方に配置され、すなわち、エンジン9の後方に配置されているので、走行中等に、車体前方から車体後方に移動する車外物体がボンベに衝突することを防ぐことができる。
(12)なお、ボンベ33は、ボンベ33のうち、車体左右方向一方側部分、好ましくは、車体左右方向両側部分が、ボンベ以外の車体構成部材で覆われる構造とすることもできる。
(13)また、本実施の形態では、図2のように、メインフレーム2が、ヘッドパイプ1から二股に分岐して後方に延び、左右の分岐部分間にボンベ33が配置されているので、車外物体が衝突することをさらに効果的に防ぐことができる。
(14)本実施の形態では、ボンベ33は、ボンベ33の軸線方向一方に開口が形成される有底筒状に形成され、ボンベ33のうち、開口が形成される軸線方向一方側端部の方が軸線方向他方側端部よりも車体左右方向中央に位置し、開口が形成されている軸線方向一方部分の周囲には空間が形成されている。これにより、ボンベ33の開口部分の保護効果を高めることができ、振動が生じてもボンベ33の開口部分が車体フレーム等に接触することが防がれる。また、ボンベ33の底部が形成される軸線方向他方側部分がフレームに衝突しても、ボンベ33の損傷は少ない。
(15)本実施の形態では、ボンベ33の外形形状は略棒状に形成されており、ボンベ33の軸線が車体左右方向に延びるように車体に配置されているので、ボンベ収容領域の前後方向寸法、上下方向寸法を小さくすることができ、これにより、車体設計の自由度を向上させることができ、省スペース化を実現できる。
(16)本実施の形態では、図6のように、ボンベ33に気体を注入するための気体注入管94の気体注入口94aは、ボンベ33の開口側の首部33aよりも車体外方側に配置されている。これによって、ボンベ33の首部33a側から気体を注入する作業に比べて、注入口94aから気体注入作業を容易に行うことができる。
[発明の第2の実施の形態]
図7は本発明の第2の実施の形態であって、前記図3と同様に、弁部分の縦断側面を示したものであるが、気体用配管については概略を示している。第2の実施の形態の動弁機構は、前記図1〜図6の第1の実施の形態の構造に加え、気体供給機として、排気弁用カム軸52により駆動する気体圧縮機110を備え、エンジン運転中に気体圧縮機110で圧縮した気体(空気)を、前記ボンベ33に供給する構造となっている。その他の構造は第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態と同じ部品及び部分には、同じ番号を付している。
図7において、気体圧縮機110は、排気弁用カム軸52の下方のシリンダヘッド19に形成されたシリンダ部112と、該シリンダ部112内にシールを介して摺動自在に嵌合するピストン部113と、該ピストン部113を排気弁用カム軸52側へ付勢するコイルばね114と、から構成されており、ピストン部113の上面は、排気弁用カム軸52に形成された圧縮機駆動用カム部52bに当接している。
シリンダ部112内には吸入通路115と吐出通路116とが連通しており、吸入通路115は、一方向弁117を介してエアクリーナ29及びエアクリーナケース10に連通している。前記一方向弁117はエアクリーナ29からリンダ部112へのみ気体を流通させるように構成されている。吐出通路116は、一方向弁120、圧力調整弁85の弁本体87内の通路及びリリーフ弁を介してボンベ33内に連通し、前記一方向弁120は、シリンダ部112からボンベ33内へのみ気体を供給するようになっている。
本実施の形態では、圧力調整弁85の作動圧力に比べて、リリーフ弁の作動圧力が大きく設定されている。圧力調整弁85の作動圧力は、吸、排気弁44,45に対する付勢力を十分に与えられる圧力値である。また、リリーフ弁の作動圧力は、ボンベの最大許容耐圧値に設定される。
エンジン運転時、排気弁用カム軸52が回転すると、圧縮機駆動用カム部52bとコイルばね114との相互の協働作用により、ピストン部113が往復摺動し、これにより、エアクリーナ29から吸入通路115及び一方向弁117を介して気体を吸い込み、シリンダ部11内で気体を圧縮し、吐出通路116及び一方向弁120等を介して空気ボンベ33に圧縮空気を供給する。
本実施の形態によると、エンジン運転中は、常に、ボンベ33内に気体を充填するので、敢えて、ボンベ33に手動による気体注作業を行う必要はなく、動弁機構のメンテナンスが容易になる。
また、気体圧縮機110の駆動源として、既存の排気弁用カム軸52を利用しているので、部品点数を少なくすることができる。
また、ボンベ33は、気体圧縮機110からの気体のアキュームレータとしての役目も果たすことになる。
本実施の形態において、排気弁用カム軸52の代わりに、吸気弁用カム軸51を気体圧縮機110の駆動源として利用することもでき、また、その他、エンジンのクランク軸により回転する回転部材を気体圧縮機110の駆動源として利用することも可能である。
本実施の形態では、ボンベ33はアキュームレータとして機能するので、長期間エンジン9を駆動しなくとも、ボンベ33内に圧縮された気体が蓄積されることで、ばね力不足となることが防がれる。
[発明の第3の実施の形態]
図8及び図9は本発明の第3の実施の形態であり、前記第2の実施の形態のように、排気弁用カム軸52を駆動源として利用する気体圧縮機110を備えた自動二輪車において、圧縮機駆動用カム部52bの配置を工夫した構造である。第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ部品及び部分には、第1及び第2の実施の形態と同じ番号を付している。
図8は第3の実施の形態のエンジン9の斜視図であり、排気弁用カム軸52に設けられる圧縮機駆動用カム部52bを、カムチェーン配置側の端部、すなわち、エンジン9の右端部に備えている。吸気弁用カム軸51の右端部にはカムチェーンスプロケット129が設けられ、吸気弁用カム軸51と排気弁用カム軸52とは、クランク軸方向の略中央部において、一対の伝達ギヤ130、131によって動力伝達可能に連結され、これにより、吸気弁用カム軸51の回転が排気弁用カム軸52に伝達されるようになっている。
図9は、吸、排気弁用カム軸51、52の右端部の縦断側面拡大図であり、カムチェーン133は、吸気弁用カム軸51のチェーンスプロケット129とクランク軸135のチェーンスプロケット136との間に巻き掛けられ、吸気弁用カム軸51にクランク軸135の回転力を伝達するようになっている。一方、排気弁用カム軸52の右端部に、チェーンスプロケットを備える代わりに、前述のように圧縮機駆動用カム部52bが備えられており、該圧縮機駆動用カム部52bの下方に、前記図7の気体圧縮機110と同様に、シリンダ部112、ピストン部113及びコイルばね114からなる気体圧縮機110が設けられ、ピストン部113の上面に圧縮機駆動用カム部52bが当接している。
作用は、前記第2の実施の形態と同様であるので、省略する。
本実施に形態によると、排気弁用カム軸52のチェーンスプロケットを無くし、その代わりに、気体圧縮機110及び圧縮機駆動用カム部52bを排気弁用カム軸52の右端部及びその周囲に配置しているので、エンジンの省スペース化を達成することができる。
[発明の第4の実施の形態]
図10は本発明の第4の実施の形態であり、前記第2の実施の形態のように、排気弁用カム軸52を駆動源として利用する気体圧縮機110を備えた自動二輪車において、排気弁駆動用カム部52bを圧縮機駆動用にも利用した構造である。第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ部品及び部分には、第1及び第2の実施の形態と同じ番号を付している。
図10において、排気弁用カム軸52の既存の排気弁用カム部52aの上方に、シリンダ部112、ピストン部113及びコイルばね114等からなる気体圧縮機110を配置し、ピストン部113の下面を上記排気弁用カム部52aに当接させており、一つのカム部52aにより、排気弁45と気体圧縮機110とを駆動するようになっている。
本実施の形態によると、圧縮機駆動用に新たなカム部を形成する必要が無く、部品点数を節約することができる。勿論実施の形態において、吸気弁用カム軸51の既存のカム部51aを、気体圧縮機110の駆動源として利用する事も可能である。
[発明の第5の実施の形態]
図11は第5の実施の形態であり、ボンベ33を、メインフレーム2のクロスメンバー5に取り付けた構造である。その他の構造は、第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態と同じ部品及び部分には、第1の実施の形態と同じ番号を付している。
図11において、クロスメンバー5の前面にボンベ取付ブラケット140が設けられ、該ボンベ取付ブラケット140の上下両端部にフック部141が形成され、該フック部141に締付用ゴムバンド143の両端部が掛合している。すなわち、ボンベ33はボンベ取付ブラケット141の前面に載置され、ゴムバンド143により締め付けられている。
本実施の形態によると、エンジン9の振動がボンベ33に殆ど伝わらず、また、エンジン9を車体から脱着する際に、ボンベ33を取り外す必要がない。
[発明の第6の実施の形態]
図12は第6の実施の形態であり、ボンベ33を、エアクリーナボックス10に取り付けた構造である。その他の構造は、第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態と同じ部品及び部分には、第1の実施の形態と同じ番号を付している。
図12において、エアクリーナボックス10の後下端部にボンベ取付ブラケット150が設けられ、該ボンベ取付ブラケット150の前後両端部にフック部151が形成され、該フック部151に締付用ゴムバンド153の両端部が掛合している。すなわち、ボンベ33はボンベ取付ブラケット150の下面に載置され、ゴムバンド153により締め付けられている。
本実施の形態によると、エンジン9の振動がボンベ33に殆ど伝わらず、また、エンジン9を車体から脱着する際に、ボンベ33を取り外す必要がない。
[発明の第7の実施の形態]
図13は第7の実施の形態であり、V型エンジン9を搭載した自動二輪車に適用しており、前傾姿勢の前気筒161と後傾姿勢の後気筒162との間のVバンク内に、動弁機構用のボンベ33を搭載している。エンジン9の動弁機構の構造は前記第1の実施の形態と実質的に同様である。
本実施の形態によると、V型エンジンのVバンクを利用して、コンパクトにボンベ33を配置できると共に、前後の気筒160、161により、ボンベ33を外部の物体との接触から保護することができる。
[その他の実施の形態]
(1)前記第1の実施の形態では、ボンベ33を、平面視で、左右のメインフレーム2、2で囲まれる空間内に略完全に収納しているが、本発明はそのような配置範囲には限定されず、少なくとも、平面視において、メインフレーム等の車体構成部材の最外ライン内に配置された構造も含まれる。車体構成部材の最外ラインとは、たとえば、図2のような左右一対のメインフレーム2、2を備えた車体の場合には、右下がりのハッチングを施した領域(クロスハッチング部分も含む)のように、ヘッドパイプ1からスイングアームブラケット3までの前後方向の範囲B1内において、メインフレーム2、2の左右の外周側面で囲まれる範囲を含むと共に、矢印D1で示すように、メインフレーム2、2の外方であっても、外方への突出部分間を結ぶライン内の領域も含むものである。好ましくは、複数気筒を横に並列に配置した複数気筒エンジン9を搭載している場合には、図2のクロスハッチングで示す領域(B2範囲)のように、排気管24からボンベ33を遠ざけるべく、シリンダヘッド19より後方の範囲に配置される。
(2)ボンベ33を保護する車体構成部材は、金属材料からなることが好ましい。たとえば、ボンベ33を保護する車体構成部材は、前述のような車体フレームのメインフレーム2の他に、クランクケース17、シリンダブロック18、エンジンケース、ミッションケース17a、クロスメンバー5又はオイルタンクであってもよい。
(3)前記第1の実施の形態では、ボンベ33を横向き(水平向き)に配置しているが、首部33aが上方又は下方に向くように縦向きに配置することもできる。
(4)ボンベ33の取付相手部材として、前記各実施の形態では、エンジン9と別体のブリーザボックス31、メインフレーム2のクロスメンバー5、エアクリーナケース10を使用しているが、その他、メインフレーム2、2やエンジン9に直接取り付けることも可能であり、さらに燃料タンク11等の他の部材に取り付けることも可能である。メインフレーム2に取り付けた場合は、エンジン9又はギヤボックス等の取り外し時に、ボンベ33を取り外す必要がない。また、エンジン9に取り付けた場合は、ボンベ33からエンジン9内の気体ばね用通路までの気体用配管が最も短くなる。
(5)第1の実施の形態の図1では、側面視において、ボンベ33はメインフレーム2と重合する位置に配置されているが、本発明は、側面視において、ボンベ33がメインフレーム2又は他の車体構成部材から完全に離れる位置に配置される構造も含まれる。
(6)前記第1の実施の形態の図1では、ボンベ33を、車体の重心G1を含む位置又はその近傍に配置しているが、エンジン9の重心を含む位置又はその近傍に配置することも可能である。ちなみに、車体の重心G1とエンジンの重心とは、自動二輪車においては近傍位置に設定されていることが多い。
(7)ボンベ33に気体を供給する気体圧縮機110を備える場合に、第2、第3及び第4の実施の形態では、弁駆動用カム軸を駆動源として利用しているが、別途、電動モータ又は油圧モータ等の駆動源を備えることも可能である。
(8)第1の実施の形態等では、車体構成部材として、左右のメインフレーム2、2を有しているが、メインフレームが左右幅の広い1本の箱状部材よりなる構造、いわゆるモノコックフレームを備えた自動二輪車にも、本発明を適用することができる。モノコックフレームの場合には、側面視で、モノコックフレームの下方又は上方にボンベを配置することになるが、モノコックフレーム内の十分な空間部が存在する場合には、モノコックフレーム内の空間部にボンベを収納する構造とすることも可能である。
(9)第1の実施の形態では、図2及び図6のように、圧力調整弁85をボンベ33に取り付けているが、圧力調整弁85を、ボンベ33とは別の部材、たとえばエンジン9やメインフレーム2等に取り付けることも可能である。
(10)ボンベ33内に充填する気体は、空気には限定されず、窒素等の他の気体を利用することも可能である。
(11)本発明は、図13のようにV型エンジンを搭載している場合において、ボンベ33の配置位置は、Vバンク内に限定されるものでなく、少なくとも、車体フレーム等の車体構成部材の最外ライン内に配置される構造が含まれる。
(12)本発明は、動弁機構として、図3のようなロッカーアームの代わりに、タペットを備えた動弁機構にも利用可能である。
(13)本発明は、上記各実施の形態で説明した構造には限定されず、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱することなく、当業者が考え得る各種変形例が含まれる。
本発明の技術は、金属製簿ボディで覆われていない車両、具体的には、自動二輪車以外の鞍乗型車両、たとえばATV、三輪車でも適用することが可能である。
本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第1の実施の形態の左側面図である。 図1の自動二輪車のメインフレーム、エンジン(内燃機関)、ボンベ及び後車輪等の配置関係を示す平面略図である。 図1の自動二輪車のエンジンの弁部分の縦断側面図である。 図1の自動二輪車のエンジンのシリンダヘッドの水平断面略図である。 図1の自動二輪車のメインフレーム、エンジン及びボンベ等の配置関係を示す左側面略図である。 図1のボンベの詳細を示す水平断面図である。 本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第2の実施の形態であり、図3と同様なエンジン(内燃機関)の弁部分の縦断側面図である。 本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第3の実施の形態であり、エンジン(内燃機関)の斜視図である。 図8のエンジンのクランク軸方向の端部の縦断側面図である。 本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第4の実施の形態であり、図3と同様に、エンジンの弁部分の縦断側面図である。 本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第5の実施の形態であり、図5と同様に、メインフレーム、エンジン(内燃機関)及びボンベ等の配置関係を示す左側面略図である。 本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第6の実施の形態であり、図5と同様に、メインフレーム、エンジン(内燃機関)及びボンベ等の配置関係を示す左側面略図である。 本発明による動弁機構を備えた自動二輪車の第7の実施の形態であり、V型エンジン(V型内燃機関)を搭載した自動二輪車の右側面略図である。
符号の説明
1 ヘッドパイプ(車体構成部材の一部)
2 メインフレーム(車体構成部材の一部)
3 スイングアームブラケット(車体構成部材の一部)
5、6 クロスメンバー(車体構成部材の一部)
9 エンジン(内燃機関)
10 エアクリーナボックス
19 シリンダヘッド
23 排気口
24 排気管
31 ブリーザボックス
33 ボンベ
44、45 吸、排気弁(燃焼室開閉用の弁)
51,52 吸、排気弁用カム軸(動弁機構の構成要素)
51a,52a 救吸、排気用カム部(動弁機構の構成要素)
53、54 ロッカーアーム(動弁機構の構成要素)
57、58 ピストン(動弁機構の構成要素)
61、62 気体ばね室(動弁機構の構成要素)
85 圧力調整弁
94 気体注入管
110 気体圧縮機(気体供給機の一例)

Claims (15)

  1. 内燃機関の燃焼室を開閉する弁を弁閉方向に付勢する付勢手段と、前記弁を前記付勢手段に抗して弁開方向に駆動する駆動手段とを有する動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記付勢手段として、気体ばね室に圧縮性の気体を充填してなるばねを備え、
    前記気体ばね室に前記圧縮性の気体を供給するボンベを、平面視において前記ボンベを除く車体構成部材の最外ライン内に配設していることを特徴とする自動二輪車。
  2. 請求項1記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベは、気筒の排気管路接続側とは反対側の領域に配置されていることを特徴とする自動二輪車。
  3. 請求項1又は2記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベを、側面視で前記内燃機関の気筒より後方に配設していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  4. 請求項1又は2記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記内燃機関として、前気筒と後気筒とをV字状に配置したV型内燃機関を搭載し、
    前記ボンベを、側面視で前記前気筒と前記後気筒とに間に配設していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベを、側面視で前記ボンベを除く前記車体構成部材と重合する位置に配設していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  6. 請求項5記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    側面視で前記ボンベが重合する前記車体構成部材は、メインフレームであることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベを、側面視で車体又は前記内燃機関の重心の近傍に配設していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベを、前記内燃機関の左右幅の範囲内に配設していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベに、前記気体ばね室の気体の圧力を調節する圧力調整弁を取り付けていることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記気体ばね室内には、前記圧縮性の気体による付勢手段とは別に、弾性体の復元力を利用して、前記燃焼室の前記弁を弁閉方向に付勢する第2の付勢手段を配置していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    内燃機関の運転により生じる動力を駆動源とし、前記ボンベに前記気体を供給する気体供給機を設けていることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  12. 請求項1乃至11記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記気体ばね室には、前記ボンベとは別に、前記気体を注入可能な注入管を接続していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  13. 請求項11又は12記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記燃焼室の前記弁駆動用のカム軸に形成された共通のカム部により、前記弁と前記気体供給機とを駆動するように構成していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  14. 請求項11乃至13のいずれかに記載の動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記ボンベには、該ボンベ内の圧力が設定範囲を超えるのを防ぐリリーフ弁を接続していることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
  15. 内燃機関の燃焼室を開閉する弁を弁閉方向に付勢する付勢手段と、前記弁を前記付勢手段に抗して弁開方向に駆動する駆動手段とを有する動弁機構を備えた自動二輪車において、
    前記付勢手段として、気体ばね室に圧縮性の気体を充填してなるばねと、
    前記圧縮性の気体を圧縮充填可能なボンベと、
    該ボンベに充填される気体を前記気体ばね室に導くための気体通路を形成する通路形成手段とを備え、
    車体前後方向に垂直な仮想平面に投影したボンベの外形を示すボンベ投影領域が、前記ボンベ以外の一つまたは複数の車体構成部材を前記仮想平面に投影した外殻投影領域の車体左右方向の内側に位置するように、前記ボンベが配置されていることを特徴とする動弁機構を備えた自動二輪車。
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