JP2009019295A - 感湿捲縮複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた通気性自己調節機能と吸湿性能を両立させた複合繊維を提供する。
【解決手段】ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイド型に接合されている複合繊維であって、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(b)から誘導され、相対粘度が1.5〜3.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミドを、該ポリアミド成分中に該ポリアミド成分重量に対して5〜20重量%、かつ該ポリエステル成分中に該ポリエステル成分重量に対して5重量%以上15重量%未満となるように含む複合繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿度変化に対して可逆的に捲縮率が変化する通気性自己調節機能を有し、かつ吸放湿性能を併せ持つ機能性複合繊維に関する。
綿や羊毛などの天然繊維の織編物を用いた衣料は、湿度変化に対して可逆的に捲縮率が変化するため、周囲の湿度に応じて織編物の目が開いて通気性が向上し、体と衣料の間や、衣料間にできた空気層の湿度を下げるといった特性、いわゆる通気性自己調節機能と、繊維自らが汗等の水分を吸着し、放湿する吸放湿性能有している。そのため、このような天然繊維を用いた衣料を着用すると、周囲の湿度変化や汗による不快感を感じることは少ない。
このような天然繊維にならって、合成繊維にも吸湿による捲縮性自己調節機能を付与する試みがなされている。例えば、変性ポリエステルとポリアミドをサイドバイサイド型に接合し湿度変化に対し可逆的な形態変化を付与する複合繊維が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。しかしながら、湿度変化に対して捲縮率が可逆的に変化するものの、合成繊維の欠点の一つである低吸湿性のために、汗をかいたときに繊維がすばやく吸湿できないことから不快感を感じるという問題がある。また、繊維成分に吸湿性ポリマーをブレンドすることで高い吸放湿特性を付与する方法においては、吸放湿性能は改善されているものの、湿度変化に対する捲縮変化ほとんどがなく、衣料間にできた空気層の湿度を下げるといった通気性自己調節機能乏しく、満足する性能を満たしていない(例えば特許文献3参照。)。このように、従来の技術では、通気性自己調節機能と吸湿性能を併せ持つ合成繊維を提供することは困難であった。
特開2004−360094号公報 特開2004−124305号公報 特開2003−213524号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、優れた通気性自己調節機能と吸湿性能を両立させた複合繊維を提供することを課題とするものである。
本発明は、ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイド型に接合されている複合繊維であって、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(b)から誘導され、相対粘度が1.5〜3.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミドを、該ポリアミド成分中に該ポリアミド成分重量に対して5〜20重量%、かつ該ポリエステル成分中に該ポリエステル成分重量に対して5重量%以上15重量%未満となるように含む事を特徴とする複合繊維であり、この複合繊維により上記課題を解決する事ができる。
本発明により優れた吸湿性能を有し、優れた通気性自己調節機能を有する布帛を提供できる複合繊維を得ることができる。
本発明におけるポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するポリマーであり、例えばナイロン4、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66等が挙げられる。特にコスト面、汎用性、製糸性等の観点からナイロン6、ナイロン66が好ましい。なお、これらのポリアミド成分をベースに公知の成分を共重合せしめても良く、又はこれらのポリアミド成分に酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、公知の抗酸化剤、帯電防止剤、耐光剤等を含有させても良い。
一方、本発明のポリエステル成分は、ポリアルキレンテレフタレート等が挙げられる。その中でも、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール成分、即ちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール及びヘキサメチレングリコールから選ばれた少なくとも一種のグリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルを対象とすることが好ましい。かかるポリエステルは任意の方法で製造されたものでよく、例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを直接エステル化反応させる、又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるなどして、テレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる。次いでこの生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させることによって製造される。
尚、このポリエステルはそのテレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置き換えてもよい。かかるカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェキシエタンジカルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸の如き二官能性脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。また上記グリコール成分の一部を他のグリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコール成分としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール,ビスフェノールA、ビスフェノールS、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオールが挙げられる。更に、上述のポリエステルに必要に応じて他のポリマーを少量ブレンド溶融したもの、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸等の鎖分岐剤を少量の割合で使用したものであってもよい。このほか本発明のポリエステルは通常のポリエステルと同様に二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料他、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤が添加されていても勿論良い。
本発明のサイドバイサイド型複合繊維においては、任意の繊度、断面形状、複合形態をとることができるが、単糸繊度としては、1.5〜5.0dtex程度が適当である。これらの繊度範囲の下限と上限は、最高級ウールの単糸径である15ミクロンと、汎用ウールの単糸径である30ミクロンに相当する。さらに、本発明の複合繊維を中空複合繊維とすると湿度に対する感度も大きく、かつ嵩高性も大きくなる。また、ポリアミド成分とポリエステル成分の複合繊維の横断面における面積比は、ポリアミド成分/ポリエステル成分=30/70〜70/30の範囲が好ましく、より好ましくは40/60〜60/40の範囲である。
本発明の複合繊維を単糸数本のマルチフィラメントとした場合の、そのマルチフィラメントの総繊度は特に限定されないが、通常の衣料用素材として用いられる40〜200dtexの範囲で用いることができる。なお、必要に応じて交絡処理が施されていてもよい。
本発明に用いるポリエーテルエステルアミドは、好ましくは、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)から誘導される。「誘導」とは両成分を反応させて得られるの意味であり、共重合して得られるとも捉えることができる。
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、ポリアミド部分と分子量調節剤からなる事が好ましい。そのポリアミド部分は(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体、若しくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体の少なくともいずれか1つからなる。このうち、(1)のラクタムとしては、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタムなどが挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸,11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸などが挙げられる。また(3)のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどが挙げられる。以上これらのラクタム、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンを総称してポリアミド部分形成性モノマーと称する。
上記の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)のポリアミド部分形成性モノマーとして例示したものは、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム,12−アミノドデカン酸及びアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいものは、カプロラクタムである。
上記の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、更に炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記ポリアミド部分形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。炭素数4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、若しくはドデカンジ酸などの脂肪酸ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、若しくはナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、若しくはジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;又は5−スルホイソフタル酸ナトリウム、若しくは5−スルホイソフタル酸カリウムなどの5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩などが挙げられる。これらのうち、好ましいものは、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩である。より好ましいものはアジピン酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
ポリアミド部分形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させる際には、その平均重合度は2〜10である場合が好ましく、より好ましくは平均重合度が3〜8である。その結果このポリアミド部分の数平均分子量は100〜1,000、より好ましくは300〜700である。
更に上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、分子量調整剤である炭素数4〜20のジカルボン酸成分の両末端にポリアミド部分が付与されている成分、片末端にポリアミド部分が付与されている成分、又は両末端にポリアミド部分が付与されている成分及び片末端にポリアミド部分が付与されている成分の混合物であっても良い。混合物である場合には、片末端にポリアミド部分が付与されている成分が1モルに対して、両末端にポリアミド部分が付与されている成分が1〜10モルとなるモル比が好ましい。より好ましくは片末端に付与されている成分1モルに対して、両末端に付与されている成分3〜8モルである。そして両末端にカルボキシル基を有するように上述のポリアミド部分形成性モノマーのカルボキシル基を有する成分の量を適宜調整する。ポリアミド部分形成性モノマーとしてラクタム及び/又はアミノカルボン酸のみ使用するならば分子量調節剤がジカルボン酸成分なので、容易に両末端がカルボキシル基を有するポリアミド(a)を製造することができる。ポリアミド部分形成性モノマーとしてジカルボン酸とジアミンの重縮合体を用いる場合には、例えば重合体の最後にジカルボン酸を改めて反応させる等の方法を用いる事で両末端がカルボキシル基を有するポリアミド(a)を製造することができる。
上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)の数平均分子量は、通常、500〜5,000、好ましくは500〜3,000である。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、一方、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量をこの範囲とするためには、分子量調節剤となる炭素数4〜20のジカルボン酸成分の選択、ポリアミド部分の重合の際における反応条件を適宜設定することによって可能となる。
また、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)において、ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)及び4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げられ、これらのうちビスフェノールAが好ましい。
上記のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)は、これらのビスフェノール類にエチレンオキシドを常法により付加させることにより得られる。また、エチレンオキシドと共に他のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ブチレンオキシドなど)を併用することもできるが、他のアルキレンオキシドの用いる量は用いる全エチレンオキシドの重量に基づいて、通常、10重量%以下である。
また上記付加物(b)はビスフェノール類の2つのヒドロキシル基に対して、平均で20〜70モルのエチレンオキシド、他のアルキレンオキシド(以下、エチレンオキシド等という)が重合されている場合が好ましい。より好ましくは32〜60モルのエチレンオキシド等が重合されている場合である。すなわちビスフェノールの1つのヒドロキシル基に対して10〜35モル、より好ましくは16〜30モル、更に好ましくは16〜20モルのエチレンオキシド等が重合(付加)されている付加物であることである。
上記付加物(b)の数平均分子量は、通常、1,600〜3,000であり、特にエチレンオキシド付加モル数が32〜60のものを使用することが好ましい。数平均分子量が1,600未満では、帯電防止性が不十分となり、一方、3,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量は、好ましくは1,800〜2,400、エチレンオキシド等の付加モル数は、さらに好ましくは32〜40である。数平均分子量をこの範囲にするには、ビスフェノール類の分子量を考慮したうえで、エチレンオキシド等の付加モル数をその調整することにより達成する事ができる。
以上の付加物(b)は、ポリエーテルエステルアミド中の上記(a)と(b)の合計重量に基づいて20〜80重量%の範囲で用いられる。付加物(b)の量が20重量%未満ではポリエーテルエステルアミドの帯電防止性が劣り、一方、80重量%を超えるとポリエーテルエステルアミドの耐熱性が低下するために好ましくない。より好ましくは、付加物(b)は上記(a)と(b)の合計重量に基づいて40〜70重量%の範囲で用いられる。
本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドの相対粘度は、1.5〜3.5(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)、好ましくは、2.0〜3.0である。1.5未満では、混練するベースポリマー成分(ポリアミド成分及びポリエステル成分)との溶融粘度差が大きくなるために導管内や紡糸パック内で滞留しやすくなり、長時間にわたる紡糸を実施すると吐出異常が起こりやすく、得られる複合繊維の品質が安定しない。一方、3.5を超える範囲では、製糸の際の断糸の原因となる。
また、本発明のポリエーテルエステルアミドの組成は、ポリエステル成分との相溶性に極めて重要な要件である。本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドは、ポリエステルの相溶性パラメーターと該ポリエーテルエステルアミドの相溶性パラメーターとの差異が、±0.5(J/cm0.5の範囲内のポリマー組成とすることが必要である。例えば、ポリエステル成分としてポリエチレンテレフタレートを選択した場合は、相溶性パラメーターが20.9(J/cm0.5であることから、上記ポリエーテルエステルアミドの相溶性パラメーターは、20.4〜21.4(J/cm0.5の範囲にあることが必要である。この範囲を超えると、ポリエステル成分とポリエーテルエステルアミドポリマーの界面接着性が不十分なため、後加工工程及び着用時の摩擦によって界面剥離による白化現象が起こる。好ましくは、ベースとなるポリエステル成分に対して、±0.3(J/cm0.5以内がよい。
本発明のポリエーテルエステルアミドの製法としては、下記製法(1)又は製法(2)が例示されるが、特に限定されるものではない。
製法(1):ポリアミド部分形成性モノマー及びジカルボン酸を反応させてポリアミド(a)を形成させ、これにビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)を加えて、高温、減圧下で重合反応を行う方法。
製法(2):ポリアミド部分形成性モノマー及びジカルボン酸と上記付加物(b)を同時に反応槽に仕込み、水の存在下又は非存在下に、高温で加圧反応させることによって中間体としてポリアミド(a)を生成させ、その後、減圧下で(a)と(b)との重合反応を行う方法。
また、上記両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)とビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)の重合反応には、公知のエステル化触媒が通常は使用される。上記エステル化触媒としては、例えば三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒、モノブチルスズオキシドなどのスズ系触媒、テトラブチルチタネートなどのチタン系触媒、テトラブチルジルコネートなどのジルコニウム系触媒、酢酸亜鉛などの酢酸金属塩系触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、(a)と(b)の合計重量に対して、通常、0.1〜5重量%である。
該ポリエーテルエステルアミドのポリアミド成分への添加量は、ポリアミド成分重量に対して5〜20重量%であることが必要である。好ましくは、5〜10重量%の範囲である。ポリアミド成分とポリエステル成分のサイドバイサイド型の複合繊維の紡糸においては、原因は明確ではないが、ポリエーテルエステルアミドの添加量が20重量%を越えると、長時間安定的に紡糸することができなくなる傾向、即ち紡糸調子は悪化する傾向にある。複合繊維を製造する際にギヤポンプによるエクストルーダーからの吐出量を調整しながら溶融混練することによりポリアミド成分とポリエーテルエステルアミドのこの重量範囲を達成する事ができる。
該ポリエーテルエステルアミドのポリエステル成分への添加量はポリエステル成分重量に対して5重量%以上15重量%未満であることが必要である。5重量%未満では、吸湿率が十分な複合繊維が得られない。また15重量%以上では、ΔTCが5%未満となり、通気性自己調節機能が低下する。この重量範囲にするためには、上述のポリアミド成分とポリエーテルエステルアミドを混練するのと同様の手法により達成する事ができる。
本発明の複合繊維においては、複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率をMRとし、複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率をMRとしたとき、下記式で表される吸湿率差ΔMRが1.0%以上であることが、これを織編物として衣料に用いた際、快適性の観点から好ましい。
ΔMR=MR−MR≧1.0%
[上記式において、MRは複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率、MRは複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率を示す。]
また、本発明における複合繊維においては、複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtex(2mgf/de)の荷重下における捲縮率をTCとし、複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtex(2mgf/de)の荷重下における捲縮率をTCとしたとき、下記式で表される吸湿率差ΔTCが5.0%以上であることが好ましい。
ΔTC=TC−TC≧1.5%
[上記式において、TCは複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtexの荷重下における捲縮率、TCは複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtexの荷重下における捲縮率を示す。]
このように複合繊維が△MRが1.0%以上、△TCが1.5%以上となる様にするには、上述のようなポリエーテルエステルアミドをポリアミド成分及びポリエステル成分に所定量配合した、ポリエステル成分とポリアミド成分からなるサイドバイサイド型複合繊維によって達成する事ができる。
以下、本発明の複合繊維を得るための製造方法について説明する。
ポリアミド成分とポリエステル成分とをサイドバイサイド型に複合紡糸するには従来公知の任意の方法を採用することができる。例えば、特開2000−144518号公報に記載されているような、高粘度成分側と低粘度成分側の吐出孔を分離し、かつ高粘度側の吐出線速度を小さくした(吐出断面積を大きくした)紡糸口金を用い、高粘度側吐出孔に溶融ポリエステルを通過させ低粘度側吐出孔側に溶融ポリアミドを通過させて接合させ、冷却固化させる方法によって紡糸糸条を得ることができる。なお本発明においては、この際に紡糸口金を適切に設計する事により、サイドバイサイド型の中空複合繊維としても良い。紡糸して得られた糸条は、一旦巻き取った後これを延伸して更に必要に応じて熱処理を行う、いわゆる別延方式のほか、未延伸糸を一旦巻き取らないで延伸して更に必要に応じて熱処理を行う、いわゆる直延方式のどちらの方法も採用することができる。上記紡糸における紡糸速度としては、例えば通常採用されている1000〜3500m/分程度の紡糸速度のものを採用することができる。また、延伸、熱処理は、延伸後の破断伸度が10〜60%、通常は20〜45%程度になるように条件を設定するのが、捲縮の発現、製織編性などから好ましい。
以下、実施例によって、本発明を更に詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の理解を助けるためのものであって、これらの記載によって、本発明の主旨に合致する実施例までも限定するものではない。なお、実施例中における各物性値は下記の方法で測定した。
(1)吸湿率
本発明の複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)あるいは35℃×95%RH(相対湿度95%)とした恒温恒湿室中に4時間調湿し、絶乾試料の重量と調湿試料の重量から下記式により吸湿率を求めた。
吸湿率MR(%)=(調湿後の重量−絶乾時の重量)×100/絶乾時の重量
(2)吸湿率の差(ΔMR)
吸湿率の差(ΔMR)は、20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率MR、複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率MRとを測定し、下記式を用いて算出した値である。
ΔMR=MR−MR
(3)捲縮率(TC)及び捲縮率差(ΔTC)
複合繊維を長さ30cmのカセにとり、1.77×10−3cN/dtex(2mgf/de)の荷重をかけて沸水中で30分間処理して捲縮を発現させ、次いで24時間自然乾燥を行い、捲縮率測定用のサンプルを用意した。該サンプルを、20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtex(2mgf/de)の荷重下の捲縮率をTCとした。一方、該サンプルを、35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtex(2mgf/de)の荷重下の捲縮率をTCとした。また下記式を用いて吸湿による複合繊維糸の捲縮率差(ΔTC)を算出した。
ΔTC=TC−TC
(4)固有粘度(IV)
ポリエチレンテレフタレートについては、サンプルを一定量計量し、o−クロロフェノールを溶媒に用いて、常法に従って35℃にて求めた。ナイロン6については、同様にフェノール/テトラクロロエタンの等質量混合溶媒を用いて、30℃にて測定を行った。
(5)数平均分子量
両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)部分及びビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(b)部分の数平均分子量は測定サンプルを重トリフルオロ酢酸/重クロロホルムの等質量の混合溶媒に溶解してNMRを測定した。その測定結果から、それぞれ部分の繰り返し単位を特定し、その結果から数平均分子量を求めた。
(6)ポリエーテルエステルアミドの重量比率
複合繊維製造時にギヤポンプによる条件を調整することによって制御する事ができるが、複合繊維を形成するポリアミド部分、ポリエステル部分を(5)に記載の方法に準じてNMR測定を行うことによっても、その結果を解析することによりポリアミド成分中又はポリエステル成分中のポリエーテルエステルアミドの重量比率を算出する事ができる。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
固有粘度(IV)が1.1dL/gのナイロン6(Ny−6)と、表1に記載の重量%分のポリエーテルエステルアミドをブレンドしたポリエチレンテレフタレートチップ(IV=0.39dL/g)とを常法により、紡糸温度290℃、紡糸速度1000m/minで溶融紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸温度60℃、延伸倍率2.5倍で延伸し、さらに130℃で熱セットして糸条を得た。その結果ポリエーテルエステルアミドをブレンドしたナイロン6と、ポリエーテルエステルアミドをブレンドしたポリエチレンテレフタレートとの重量比が50:50でサイドバイサイド型に接合された、84dtex/24fil(フィラメント数)の捲縮複合繊維を得た(以上実施例1)。実施例2〜3、比較例1〜3においてはNy−6、ポリエチレンテレフタレート中のポリエーテルエステルアミドの重量添加率を表1に記載の通りに変更する他は実施例1と同様の条件にて84dtex/24filの捲縮複合繊維を得た。得られた複合繊維の物性を表1に示した。実施例1、2、3は、ポリエーテルエステルアミド(以下PEEAと称する)のポリマー組成及びブレンド量が適正であることから、吸湿率、捲縮率は本発明の課題を解決できるレベルの値を実現する事ができ、性能と品位に優れた複合繊維を得た。
また比較例1は、Ny−6成分、ポリエチレンテレフタレート成分共にPEEAを添加していないため、吸湿率において本発明の目的を達成するという点において不十分な性能であった。比較例2は、ポリエステル成分(ポリエチレンテレフタレート)中のPEEAの添加量が多い為に、捲縮性能が不十分な性能であった。一方比較例3においては、Ny−6成分中のPEEAの添加量が多すぎるために、紡糸工程において安定生産性に問題があった。
Figure 2009019295
[実施例4〜7、比較例4〜5]
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)部分の数平均分子量及びビスフェノール類(ビスフェノールA使用)のエチレンオキサイド付加物(b)部分の数平均分子量が異なり、また相対粘度も異なる種々のPEEAを用いて実施例1と同様に実験を行った。得られた複合繊維の物性を表2に示した。
実施例4〜7ではPEEA部分の数平均分子量及び相対粘度が最適であり、本発明の課題を解決できる性能を有する複合繊維が得られた。一方、比較例4では両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)部分の数平均分子量が小さいために、紡糸工程における耐熱性が不十分で紡糸段階において断糸が発生した。比較例5では、ビスフェノール類(ビスフェノールA使用)のエチレンオキサイド付加物(b)部分の数平均分子量が小さい為に、吸湿性が不十分であるという問題が発生した。
Figure 2009019295
本発明により優れた吸湿性能を有し、優れた通気性自己調節機能を有する布帛を提供できる複合繊維を得ることができる。この複合繊維は例えば吸湿・速乾の要求特性が求められる衣料用布帛等における応用が期待できる。

Claims (3)

  1. ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイド型に接合されている複合繊維であって、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(b)から誘導され、相対粘度が1.5〜3.0(0.5重量%m−クレゾール溶液、25℃)であるポリエーテルエステルアミドを、該ポリアミド成分中に該ポリアミド成分重量に対して5〜20重量%、かつ該ポリエステル成分中に該ポリエステル成分重量に対して5重量%以上15重量%未満となるように含む事を特徴とする複合繊維。
  2. 下記式で表される吸湿率の差(ΔMR)が1.0%以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合繊維。
    ΔMR=MR−MR
    [上記式において、MRは複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率、MRは複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の吸湿率を示す。]
  3. 下記式で表される捲縮率の差(ΔTC)が5.0%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合繊維。
    ΔTC=TC−TC
    [上記式において、TCは複合繊維を20℃×65%RH(相対湿度65%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtexの荷重下における捲縮率、TCは複合繊維を35℃×95%RH(相対湿度95%)の雰囲気下に4時間放置した後の1.77×10−3cN/dtexの荷重下における捲縮率を示す。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113039315A (zh) * 2018-09-18 2021-06-25 埃克森美孚化学专利公司 双组分纤维和由其生产的非织造材料

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